説明

履物

【課題】単に履いて歩き、動いているうちに、確実に角質を除去する事ができる履物を提供する。
【解決手段】足の角質を削り取って除去する超極細繊維を用いて構成されている履物であって、足部の少なくとも皮膚が角質化した箇所および角質化しやすい箇所に、皮膚と接触する状態に配置されている事により、歩行時等足を動かす事により、足の皮膚と超極細繊維とが擦れて角質部等を削り取り、足を綺麗に滑らかにする特徴とする履物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履いて使用しているうちに自然に足の皮膚の角質を除去することができる履物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から角質取りブラシ、角質取り板や軽石などで角質部を擦って、角質部を除去する器具が提案されているが、これらの器具は、時間と労力をかけなければならず、さらには、過度に擦りすぎたりして、皮膚を傷つけることもあった。
これらの器具の他に、角質化した皮膚の除去を助けるための伸縮性の補助具として、伸縮性の繊維素材を移動しないように配置した(特許文献1)ものが提案されている。
かかる伸縮性の繊維素材として、マリンスポーツなどのウェットスーツに使用されている各種積層布帛やさらにはメタルコーティング繊維素材が好ましいなどの記載があるが、要するに伸縮性の繊維素材の伸縮を利用して角質化した皮膚を除去するものと考えられる。また、踵部に研磨材(細目の砂状の物)を混ぜ込んだアクリル樹脂をプリントした靴下(特許文献2)も提案されている。この考案では研磨材で踵部を研磨して角質を除去しようというものであると考えられる。これに類似するものとして、砥石用材を人体の局面に合わせた形状に形成している皮膚研磨具(特許文献3)も考案されている。
【特許文献1】特開2000−34602号公報
【特許文献2】登録実用新案第3130075号公報
【特許文献3】登録実用新案第3036525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの技術は、いずれも単なる研磨具の域を出ない物ばかりで、研磨効果も、従来の軽石で擦り取る方法と同程度で有るに過ぎない物であった。
【0004】
本発明は、従来技術の問題点を克服し、単に履いて歩き、動くうちに、足と超極細繊維布帛が擦れ適度に、且つ確実に足の角質が除去できる上、足裏に付着した汚れも落とすことのできる履物を提供するものである。
【0005】
本発明によれば、角質の除去のみならず、日常履くことにより、角質化を阻止する効果および足裏の汚れを落とす機能をも有るもので、踵はもちろん足全体を綺麗にする、優れた履物を提供する事ができる。さらに本発明によれば、このような優れた機能を、肌に傷をつける事なく達成でき、且つデザイン性、ファッション性にも柔軟に対応できることが特徴的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の履物は、超極細繊維布帛を用いて構成する事で、超極細繊維布帛と足部の少なくとも皮膚が角質化した箇所および角質化しやすい箇所に接触する状態に配置する事を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、格別、手間、暇をかける事なく、履いて歩き、動く事により、足と超極細繊維布帛が擦れて足の角質が適切に除去できる上、足の汚れも除去できるので、効率的である。
【0008】
本発明によれば、このような機能は、肌に傷をつける事なく達成する事ができるという特徴を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、前記課題、つまり、単に素足で履いて動くうちに、皮膚と超極細繊維布帛が擦れ適度に、足の皮膚の角質が除去できる上、足裏の汚れも除去できる履物について鋭意検討し、超極細繊維布帛を足裏の皮膚の角質に接触するように配置させてみたところ、上記課題を一挙に解決する事を究明したものである。
【0010】
本発明の最大の特徴は、単に素足で履いて歩くなど動くことにより、足と超極細繊維布帛が擦れる事により、角質、汚れ等を削り落とし、角質のない綺麗な足を創出、保持させる事ができる。
【0011】
本発明は、少なくとも角質を削り取って除去する機能を有する超極細繊維布帛は、皮膚の角質を削り落とす機能を発揮するものであり、足に付着した角質、汚れを除去する効果があり、足全体を綺麗にする機能を発揮することを意味する。
【0012】
本発明の履物は、メガネ拭きや洗顔布として使用されている、超極細繊維を履物の内側に配置するものであり、超極細繊維製の布帛を使用した事により、このような優れた効果を発揮させることができたものである。
【0013】
本発明の履物は、0.0001〜0.05dtex等のナノメーター(nm)単位の非常に細かい超極細繊維を使用し構成した布帛を用いると、角質除去効果が迅速に発揮されるという好ましい結果を有し、しかも、皮膚そのものを痛めることがないので、本発明の履物としては、好適な構成要素である。
【0014】
糸条の例では、その表面層が、超極細繊維で構成されていれば、角質の削ぎ落とし機能は発揮されるので、糸条全体を超極細繊維で構成する必要はなく、表面層意外を通常繊維からなる補強繊維で構成した芯鞘型複合糸条(加工糸を含む)が強度的にも優れているので、特に好ましく使用でき、効果も十分発揮できる。
【0015】
かかる超極細繊維を構成する重合体としては、特に限定されず、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリルなどの合成樹脂で構成されたものを使用する事ができるが、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマなどのポリエステル系重合体、ナイロン6、ナイロン66、ポリアミドエラストマ等のポリアミド系ポリアミド系等が、加工した時の風合い、実用性能の点から好ましい。さらにリジェド合成樹脂、特にポリエステルからなる繊維が硬さや強度さらに、削り落とし機能、肌を綺麗にする効果の上からも好ましい。
【0016】
以下、本発明の履物について、図面により説明する。
図1は、靴の内張り、中敷部全て超極細繊維布帛1を配置したものの断面模式図である。靴、外装部2に対し、靴、内装部全てを超極細繊維布帛1で構成した例である。
また、全ての履物に応用できるものである。
【実施例】
【0017】
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
超極細繊維布帛を、図1のように、靴、内側全体に配置した靴を4足作り、男女4人に使用してもらったところ、10日から20日で、四人とも足の踵部周辺および、足裏全体がすべすべしてき、角質部が薄くなってきたとの報告を受けた。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明によれば、手間、暇をかけずに履いて、日常生活の範囲で使用しているうちに、徐々に角質部分が改善することで、踵、足裏を美しく保持する履物を提供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の履物の一例である、靴について示した断面様式図である。
【符号の説明】
【0020】
1、超極細繊維で構成された布帛部分
2、靴外装部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足の角質を削り取って除去する超極細繊維を用いて構成されている履物であって、足部の少なくとも皮膚が角質化した箇所および角質化しやすい箇所に、皮膚と接触する状態に配置されている事により、歩行時等足を動かす事により、足の皮膚と超極細繊維と擦れ合う事で角質部等を削り取り、足を綺麗に滑らかにする事を特徴とする履物。
【請求項2】
足の皮膚に接触する状態に配置されている前記超極細繊維を用いて構成されている形態が、布帛である請求項1記載の履物。
【請求項3】
前記超極細繊維が、織物、編物、不織布およびこれらから選ばれた少なくとも1種を組み合せてなる複合布帛から選ばれた少なくとも1種で構成されたものであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の履物。
【請求項4】
前記履物が、スリッパ、下駄、サンダル、靴、長靴、ブーツ、靴の中敷または地下足袋のうちのいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の履物。


【図1】
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