説明

布帛およびスポーツ用ウエア

【課題】従来の技術で得られる布帛より、さらに水等の流体に対する抵抗の低い布帛を提
供すること。特に布帛の全方向における流体抵抗の低い布帛を提供すること。
【解決手段】断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントと弾性糸とからな
る布帛であって、該断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントがストライ
プ状に配置され、かつ、該ストライプを形成する方向と直交する方向に筋状の凸部を有し
、かつ撥水加工されていることを特徴とする布帛、およびこの布帛が少なくとも一部に用
いられていることを特徴とするスポーツウエア。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛およびスポーツウエアに関し、特に水や空気に対する抵抗が問題になる
ような競技用スポーツ衣料分野、例えば競泳用水着、陸上競技用ウエア、スキーまたはス
キージャンプ競技用ウエア、スピードスケートウエア、サイクリングウエア等のスポーツ
衣料として好適な布帛およびこれを用いたスポーツウエアに関する。
【背景技術】
【0002】
スピードを競う競技用スポーツ衣料分野においては、布帛自身の水や空気等の流体に対
する抵抗を小さくしたり、また、衣服等のデザインにより流体に対する抵抗を低減する工
夫が種々検討されている。
布帛自身の水や空気に対する抵抗を小さくする方法としては、表面を平滑にする方法、
例えば、競泳水着等に用いられる布帛に、熱カレンダーロールや熱板でプレス加工する方
法、フィルム等をラミネートする方法等が知られている。
【0003】
具体的には、特許文献1には、熱カレンダーロールによるプレスに加えて金属性薄膜層
および樹脂加工が施された、表面粗さの標準偏差が非常に小さい布帛が開示されている。
また特許文献2〜7には、流体の流れと平行な方向に布帛に溝や突起を設けて流体の流
れを整流化する種々の抵抗低減布帛が開示されている。
【0004】
さらに特許文献8、9には、流体と布帛との間の渦抵抗を低減するために、布帛に対し
て撥水性と親水性を組み合わせて付与する方法が開示されている。
また、新しい観点として、特許文献10では糸構造の違いによる流体抵抗の違いが、検
討されている。
【0005】
しかし、これらの文献では布帛を水着などのウエアとして使用した場合の主に流体の流
れる方向での抵抗低減を狙ったもので、布帛の他の方向における抵抗低減は十分には考慮
されていないという問題があった。なお、特許文献11では表面の微小圧縮特性が検討さ
れ、流体の流れる方向以外の抵抗も考慮されているが、各方向の流体抵抗低減のためジャ
ガードや弾性層を設けた水着にした場合には、生地の伸びが阻害されるという問題があっ
た。
【特許文献1】特開平7−279038号公報
【特許文献2】特開平3−137203号公報
【特許文献3】特開平3−37204号公報
【特許文献4】特開平7−43104号公報
【特許文献5】特開平8−46209号公報
【特許文献6】特開平9−1721号公報
【特許文献7】特開平11−52610号公報
【特許文献8】特開平8−11751号公報
【特許文献9】特開平9−9107号公報
【特許文献10】特開2005−88018号公報
【特許文献11】WO2004/001112
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、上記従来技術の問題を解決し、空気や水等の流体に対する人体の抵抗
をより低くすることができる布帛およびスポーツウエアを提供することにある。すなわち
、人体の形状は凹凸があるために、水着等のウエアを着用して流体と接する場合に流体と
接するウエア全体を布帛の一方向のみで構成することは不可能で、流体と布帛は程度の多
少はあるが様々な方向で接している。また、水泳などでは足、腕等を動かすためにウエア
を構成する布帛はあらゆる方向で流体と接することになる。従って本発明の課題は、布帛
のあらゆる方向の抵抗低減が実現でき、かつ、運動時の動きを妨げないための伸縮性を付
与できる布帛およびスポーツウェアを提供することにあり、これを実現すればウエア着用
時のウエア全体の抵抗低減につながると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題に鑑み、布帛のタテ方向、ヨコ方向、さらには斜め方向等あら
ゆる方向の抵抗の低減を目的に伸縮性を考慮して検討を重ねた結果、断面形状の異なる合
成繊維マルチフィラメントをストライプ状に用い、該ストライプと直交方向に筋状の凸条
を配することにより、流体抵抗に対する低減効果がさらに増大することを見出し、本発明
を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントと弾性糸とからなる布帛
であって、前記合成繊維マルチフィラメントがストライプ状に配置され、かつ、該ストラ
イプを形成する方向と直交する方向に筋状の凸部を有し、かつ該凸部が撥水加工されてい
ることを特徴とする布帛。
(2)前記筋状の凸部の幅が100〜2500μm、凸部の高さが凸部の幅の20〜30
0%である上記(1)に記載の布帛。
【0009】
(3)前記筋状の凸部がうねりを持っていることを特徴とする上記(2)に記載の布帛。
(4)前記うねりの周期が1000〜20000μm、うねりの幅がうねりの周期の5〜70%である上記(3)に記載の布帛。
(5)前記合成繊維マルチフィラメントの少なくとも2種の繊維が、互いに異型度の異な
る繊維であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の布帛。
(6)前記異型度の異なる2種の繊維の異型度の差が1〜8であることを特徴とする上記
(5)に記載の布帛。
(7)前記合成繊維マルチフィラメントの少なくとも2種の繊維が、互いに周長度の異な
る繊維であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の布帛。
【0010】
(8)前記周長度の異なる2種の繊維の周長度比(大きい方の周長度/小さい方の周長度
)が1.1以上であることを特徴とする上記(7)に記載の布帛。
(9)前記合成繊維マルチフィラメントのいずれかの繊維がその繊維断面に120度以下
の角度の凹部を有することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の布帛。
(10)ストライプの幅が1〜10mmであることを特徴とする上記(1)〜(9)のい
ずれかに記載の布帛。
(11)ストライプがうねりを持っていることを特徴とする上記(10)に記載の布帛。
(12)うねりの周期が1000〜20000μm、うねりの幅がうねりの周期の5〜70%である上記(11)に記載の布帛。
【0011】
(13)前記合成繊維マルチフィラメントがポリエステル系繊維であることを特徴とする
上記(1)〜(12)のいずれかに記載の布帛。
(14)前記布帛にカレンダー加工が施されていることを特徴とする上記(1)〜(13
)のいずれかに記載の布帛。
(15)タテ、ヨコ方向の伸縮性がともに90%以上である上記(1)〜(14)のいず
れかに記載の布帛。
(16)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の布帛が少なくとも一部に用いられてい
ることを特徴とするスポーツウエア。
【発明の効果】
【0012】
本発明の布帛およびスポーツウエアによれば、断面形状の異なる繊維がストライプ状に
存在するため、この部分で流体の流れるスピードを変えることができ、ストライプの方向
に平行な水や空気に対する抵抗を小さくできる。さらにストライプと直交する方向に筋状
の凸部があるためにストライプに直交する方向においても抵抗低減効果が大きい。しかも
断面形状が異なる繊維が筋状の凸部を形成しているため、水の流れに対して微細な変化を
もたらし均一な糸種による凸状に比べると抵抗低減効果が大きくなる。またさらにこのス
トライプや筋状の凸部にうねりをつければ、斜め方向の抵抗低減効果も増大し、全方向の
抵抗軽減効果に優れる布帛およびスポーツウエアとなる。また、本発明の布帛およびスポ
ーツウエアは運動時の伸縮性を妨げない伸縮性を保持している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の布帛は、断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントと弾性糸と
から構成される。
ここで、断面形状の異なる繊維とは、糸断面の単位面積あたりの周長度(以下、単に周
長度と記載する)が異なる繊維および/または異型度の異なる繊維をいう。
周長度は、同一断面積の丸断面糸の周長を1としたときの周長の比率で表され、扁平度
の大きな糸や、表面に凹凸を含む糸ほど周長度が大きくなる。
また、異型度は、単糸繊維の断面の長径(最も長い部分の径)と短径(長径と垂直方向
の径)との比(長径/短径)で表される。
【0014】
本発明において、合成繊維マルチフィラメントのうち少なくとも2種の繊維の周長度が
異なっていることが好ましい。周長度の小さい方の繊維をA、周長度の大きい方の繊維を
Bとしたとき、A とBの周長度比(Bの周長度/Aの周長度)が1.1以上、2.0以
下であるのが好ましく、より好ましくは1.2以上、1.8以下である。また流体抵抗を
より低減させる点から、Bの周長度は1.2以上であるのが好ましい。
【0015】
周長度の差は、各繊維の扁平度や凹凸の有無、個数または形状等の違いによって発現す
る。また、Bの繊維断面に凹凸を有する場合には撥水剤の載りがよくなり、撥水性能の耐
久性が向上するために好ましい。特に少なくとも一つの凹部の角度が120度以下である
ような凹部を有しているのがより好ましい。
ここでいう角度とは、繊維断面の凹部において断面輪郭に接線を引いたときの断面との
両接点と凹部底点を結んで三角形を作ったときの凹部底点の角度をいう。
また合成繊維マルチフィラメントのうち少なくとも2種の繊維の異形度が異なっている
ことが好ましい。
【0016】
2種の繊維の異型度の差は、異型度の異なる糸をストライプ状に配列した際の異型度の
違いによる流体抵抗低減効果を大きくする点から、1〜8であるのが好ましく、より好ま
しくは2〜5である。異型度の差が1未満では異型度の違いによる発生渦の大きさを低減
する効果、すなわち流体抵抗低減効果が小さくなり、また異型度の差が8を超えると、異
型度の大きい繊維の繊維強度が低下し易くなる。
また異型度が大きいと曲げ応力が小さくなり、布帛がソフトになるため、衣服として着
用した時の快適性が向上する。
【0017】
本発明に用いられる合成繊維マルチフィラメントの繊維断面形状には特に限定はなく、
丸型、三角型、W型、V型、T型、扁平八葉型、ドッグボーン型、団子型などの異形糸、
またはこれらの中空糸等が用いられるが、丸型に近く、周長度および/または異型度が1
に近い繊維と、周長度および/または異型度の大きい繊維とを組み合わせることが好まし
い。W型、V型、ドッグボーン型、∞型等の異型断面繊維は、周長度、異型度とも大きく
、かつ断面に少なくとも一つの角度120度以下の凹部を有するためより好ましい。特に
W型、∞型は、凹部を有し、異型度も大きいために優れた効果が得られる。
【0018】
本発明では、断面形状の異なる2種の合成繊維マルチフィラメントが用いられていれば
よいが、3種以上の合成繊維マルチフィラメントがストライプ状に配置されていてもよい
。この場合にはストライプ幅の広い2種の合成繊維マルチフィラメントが上述の異型度差
および/または周長度比を有することが好ましい。
【0019】
本発明に用いられる合成繊維マルチフィラメントの繊維素材には特に制限はなく、例え
ば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリウレタン系等のマルチフィ
ラメント繊維を用いることができ、一種または多種のフィラメント糸を用いることができ
るが、後述のカレンダー加工により平滑性を高め、流体抵抗を低減する効果を高めるため
には、ポリエステル系マルチフィラメントの使用が好ましい。
【0020】
本発明に用いられる弾性糸には特に限定はなく、例えば、ポリウレタン繊維、ポリトリ
メチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維などが好適に用いられる

これらの繊維は交編または交織によって用いられるが、特に伸縮性の観点からはツーウ
エイトリコットが好適に用いられる。
布帛に用いられる糸の総繊度および単糸繊度には特に限定はなく、通常、総繊度33〜
167dtex、単糸繊度0.5〜5dtexのものが好ましく用いられる。
【0021】
本発明において、上記断面形状の異なる2種以上のマルチフィラメントはストライプ状
に用いられる。ここで言うストライプ状とは縞状を意味し、ある幅をもって概ね平行に配
置されることをいう。
ストライプの幅は1.5〜20mmが好ましく、1.5〜7mmがより好ましいが、2
種の断面形状の異なるマルチフィラメントをこの範囲の幅でストライプにし、他のマルチ
フィラメントの幅を1.5mm以下にすることも可能である。
布帛は編物、織物のいずれでもよく、断面形状の異なる2種以上のマルチフィラメント
によるストライプは、布帛の経、緯、斜め等いずれの方向に形成してもよく、その方法に
は特に限定されない。
【0022】
また、ストライプにうねりをもたすことは非常に好ましい。本発明の布帛はストライプ
にうねりをもたすことにより一層抵抗低減効果が大きくなる。うねりとは、ストライプが
水平方向に波うち状となることをいう。特開2005−188018号公報で示されるよ
うに流体の流れ方向に沿う表面のストライプにより抵抗が低減されるが、本発明者らは、
ストライプが直線状の場合よりも、うねりをもっている場合に抵抗低減効果がより高いこ
とを見出した。流体抵抗低減の機構は必ずしも明確ではないが、直線のストライプとうね
りのあるストライプを比較すると、直線状のストライプに対しうねりのあるストライプは
流体がストライプ上を進み難く、流体が布帛上を進む距離を短くできるために発生する渦
の大きさが小さくなる。抵抗は、発生する渦の大きさの二乗に比例することが知られてい
ることから、低抵抗化が促進されると推定される。さらにうねりを有することで生地の斜
め方向にも抵抗低減効果がみられることが確認でき、後述の筋による抵抗低減効果と合わ
せ、本発明の布帛のあらゆる方向の抵抗低減効果を大きくできる。
【0023】
ストライプのうねりの周期は1000〜20000μm、うねり幅がうねり周期の5〜70%であることが好ましい。うねりの周期とは、波の長さ方向の繰り返し単位での長さをいう。うねり周期が1000μm未満または20000μmを越えると、発生する渦の大きさを低減させる効果が充分に発揮されない場合がある。
うねり幅とは、うねりの振幅であり、一周期における幅方向の最大ふれ幅の平均値をい
う。うねり周期の5%未満ではうねり効果が乏しく、70%を越えると筋による流れと平
行方向での抵抗低減効果が減少する。本発明のうねりの周期及び幅は一定とは限らず布帛
の中で変動してもよい。
【0024】
本発明の最大の特徴は前記、断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメント
から形成されたストライプの方向と直交する方向に筋状の凸部を有していることである。
これにより、ストライプに平行な方向のみならず、直角な方向での抵抗低減効果も大きく
なり、本発明の布帛は布帛をタテまたはヨコに使用した場合、タテ、ヨコいずれの抵抗も
小さくすることができる。この効果は単にこれまでの抵抗低減の手法をタテとヨコに配置
する、すなわち、例えばストライプをタテヨコに配し、格子状にする方法や筋をタテヨコ
に配し、格子状に配置する方法ではいずれの場合も水の流れが乱れ、抵抗低減効果はみら
れない。本発明で示すストライプと筋の技術をタテ、ヨコに使い分けることによってはじ
めてタテ、ヨコ双方の抵抗低減効果が発揮される。
【0025】
本発明でいう筋状の凸部は、布帛の体表面側に形成されるもので、凸部の幅が好ましく
は100〜2500μm、凸部の高さが凸部の幅の20%〜300%である微小な筋状の
凸部をいう。該凸部を有することにより、布帛表面近傍の圧縮変形が起こりやすくなり、
整流効果も加わり、抵抗低減効果を得ることができる。凸部の幅はより好ましくは100
〜1500μmである。ここでいう凸部の幅とは、筋の凸部の先端から凸部の高さの10
%にあたる距離を減じた面で切り取られた凸部の幅の平均値をいい、凸部の高さとは、凸
部の先端と最凹部との布帛の厚み差の平均値をいう。凸部の幅が2500μmを越えると
、流体の抵抗を受ける面積が増加し、そのため、圧縮による変形が減少し、それに伴って
抵抗低減効果が低下する。圧縮変形は凸部の幅が小さい方が起こりやすいが、100μm
未満の場合には、変形量が微小ゆえに抵抗低減効果が低下する。圧縮による効果的な変形
を起こさせるためには、凸部の高さが凸部の幅のより好ましくは30〜250%であり、
1000μm以下であることが好ましい。
【0026】
筋の付与方法は特に限定されず、ジャガード編み機、織機を用いて上記の微小な凹凸を
形成する方法、あるいはトリコット編み機の筬の振り幅を部分的に大きくして凸部を形成
することなどが可能である。また、本発明の筋状とは、凸部が直線状に位置していること
のみを意味するのではなく、曲線状、ドット状等でもよく、特に限定されず、編織物にお
いて糸が畝上に配列される場合等も含まれる。このうち、伸縮性の観点からツーウエイト
リコットをベースとした編地で筬の振り幅を部分的に大きくする方法が最も好ましい。
【0027】
凸部の間隔は限定されないが1000〜3000μmの範囲で整流効果が最大となり、
この範囲を外れるにつれて整流効果が低下する。凸部の間隔が広くなるにつれて表面粗さ
も大きくなる。凸部の間隔とは、凸部(凸状の筋)の巾を2分する線と次の凸部の巾(凸
状の筋)を2分する線の距離の平均値をいう。凸部と凹部の間の傾きは限定されず、断面
が台形状、半円状等でもよい。凸部および凹部が台形状の場合の凸部及び凹部の巾は、凹
凸の間隔の20〜40%が好ましい。
凸部の先端がカレンダー加工され、凸部の筋を有しながら平滑になっている場合は、特
に流体抵抗の低減効果が大きい。
【0028】
本発明の筋状の凸部は断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントによっ
て構成されたストライプと直交方向に存在しているため、1本の凸部について見ると、凸
部の長さ方向には断面形状が異なる繊維が例えばボーダー状に配列されて構成されている
。本発明者は、この構造が従来の均一な糸種による凸部に比べ、より抵抗低減効果に優れ
ることを見出した。その理由は明確ではないが、凸部を形成している繊維構造の凸部長さ
方向での微細な違いが水の流れに対して微細な変化をもたらし、均一な糸種による凸部に比べると抵抗低減効果が大きくなると推定される。
【0029】
本発明の布帛は筋状の凸部が少なくとも一方向にうねりを有することにより一層抵抗低
減効果が大きくなる。この効果は前述のストライプのうねりの効果と同様で筋状凸部にう
ねりをもたせることにより流体が筋状凹凸上を進み難く、発生する渦の大きさが小さくな
り、低抵抗化が促進されると推定される。さらに筋状凸部にうねりをもたせることにより
、微小な表面が圧縮された場合、うねりが無い場合に対して逃げが生じ、表面の微小な圧
縮を大きくすることができる。
【0030】
うねりの周期1000〜20000μm、うねり幅がうねり周期の5〜70%であるこ
とが好ましい。うねりの周期とは、波の長さ方向の繰り返し単位での長さをいい、うねり
周期が1000未満または20000μmを越えると、発生する渦の大きさを低減させる効果が充分に発揮されない場合がある。
うねり幅とは、うねりの振幅であり、一周期における幅方向の最大ふれ幅の平均値をい
う。うねり周期の5%未満ではうねり効果が乏しく、70%を越えると筋による流れと平
行方向での抵抗低減効果が減少する。本発明のうねりの周期及び幅は一定とは限らず変動
してもよい。
筋状の凸部にうねりをつける方法としては、ジャガード編機を使用する方法、ジャガード織機を使用する方法が好適に用いられるが、断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントをストライプ状に配置し、かつ、ストライプの方向と直交する筋状の凸部を作成し、さらに凸部にうねりをつける方法としては、該ストライプを4コースアトラス、6コースアトラスなどのアトラス組織にすることでストライプにうねりを持たせ、うねりの振幅が最大となる点(変極点)の位置で、2針振りなど振りを大きくして凸部を形成させればよい。この様にして形成された凸部には、ストライプを形成している断面形状の違う繊維の微細な張力差により、微細なうねりが付与される。
【0031】
さらに、本発明の布帛には、少なくとも前記凸部、好ましくは全面に撥水加工が施され
ている。この撥水加工により、布帛の水含みを少なくし、撥水加工を施さない場合に比べ
、含水重量分の抵抗値を低減することができる。撥水加工は、全面に施されていることが
好ましい。本発明の布帛では、断面形状の異なる合成繊維マルチフィラメントを用いてい
るため、周長度および/または異型度の大きい繊維、特に繊維表面に凹凸を含み、少なく
とも一つの角度が120度以下である凹部を有する場合、撥水加工時にかかる糸の凹凸部
に撥水剤が載りやすくなり、異型度の小さいマルチフィラメントに比べて高い撥水効果が
得られる。
【0032】
このため、上記布帛をスポーツウエアとして使用した場合、ストライプ状に配された2
種以上の断面形状の異なる合成繊維マルチフィラメントの撥水性のレベルに差が生じ、布
帛表面の水の流れる速さに差が生じ、渦の成長を妨げるため、抵抗低減効果の大きなスポ
ーツウエアを得ることができる。
特に洗濯を繰り返したり、水中での使用等を繰り返しても、周長度および/または異型
度の大きい繊維、特に繊維表面に凹凸を含み、少なくとも一つの角度が120度以下であ
る凹部を有する繊維は、撥水剤が脱落しにくく、撥水性が低下しにくいため、長期間優れ
た流体抵抗低減効果を得ることができる。
【0033】
撥水加工に用いられる撥水加工剤には特に限定はないが、フッ素系、シリコン系等の撥
水剤が好適に用いられる。これらの加工剤をディップニップ法などにより付着、乾燥させ
た後、撥水効果を高めるために150℃〜180℃で熱処理するのが好ましい。
さらに撥水加工に加えてカレンダー加工を施すことにより、平滑による流体抵抗の低減
効果も加わり、より一層の流体低減効果を得ることができる。
【0034】
本発明の布帛は、体表面側の層(布帛の表面層)が弾性層であってもよい。この弾性層
は、微小表面の圧縮率が20%以上であることが好ましい。弾性層の厚みは30〜500
μmが好ましく、より好ましくは300〜500μmである。弾性層を構成する樹脂の種
類には限定されないが、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が好適に用いられる。
布帛をスポーツウエアに用いる際には、ストライブあるいは筋状の凸部のどちらを体長
方向に平行になるように用いてもよく、斜めに用いてもよい。従って従来の水着に対し、
設計上の制約は少なく、フィット性なども考慮でき、自由なデザインに設計可能である。
【0035】
本発明の布帛は、スポーツウエア全体に用いるのが好ましいが、スポーツウエアのデザ
イン等により一部に別の布帛を用いることもできる。例えば、水着、特に競技用水着に用
いる場合、水の抵抗を軽減させるために、衣服全体の面積の20%以上に用いるのが好ま
しく、50%以上に用いるのが特に好ましい。また特に流水抵抗のかかりやすい胸部、臀
部などに用いるのが好ましい。
【0036】
本発明の布帛からなる水着の一例を、図2に示す。これは、直線的な凸部11と、凸部
に直行する方向にストライプ12、13を有する本発明の布帛が、肩紐を除く水着のほぼ
全体に用いられた例である。ストライプは、合成繊維マルチフィラメントXが配置された
部分12と、Xと断面形状が異なる合成繊維マルチフィラメントYが配置された部分13
とからなり、うねりを有している。本図の水着では凸部11が水着の体長方向になるよう
配置されており、腰部、臀部では体長方向からやや角度をつけて配置されている。本発明
ではこの例に限らず、例えば凸部がうねりを持っていたり、ストライプ方向が水着の体長
方向になるよう配置されたりしても良い。
【0037】
さらに例えば陸上競技用ウエアなどの空気抵抗がかかるスポーツウエアの場合には、衣
服の全面、特に胸部、大腿部全面に用いるのが好ましい。
本発明の布帛は、公知の方法で染色等の後加工を行うことができる。本発明の布帛で用
いられる断面形状の異なる2種以上の繊維が染色性の差を有していれば、特別な方法をと
らなくてもストライプに色差が生じ、意匠性に富む布帛を得ることができる。
【0038】
本発明の布帛およびこれを用いたスポーツウエアによれば、布帛を構成する繊維構造の
違いにより形成される凹凸により流体の流れるスピードが変わるために水や空気に対する
抵抗を小さくすることができ、優れた流体抵抗低減効果が得られる。
また、布帛を染色した際に異型度の違いによる色差が生じ、意匠性に富む布帛を得るこ
とができる。
本発明の布帛は、競泳水着の他、陸上競技、スキー、スケート、特に、スキージャンプ
競技用ウエア、スピードスケートウエア、サイクリングウエア等にも好適に用いられる。
【実施例】
【0039】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、例中の評価は、下記の方法で行った。
1)異型度
布帛の断面写真を撮影し、その断面写真から布帛を構成する単糸繊維の断面の長径(最
も長い部分の径)と短径(長径と垂直方向の径)を読み取り、長径/短径を算出した。
2)糸断面の周長度
布帛の断面写真を撮影し、その断面写真から布帛を構成する単糸繊維の断面の周長およ
び断面積を算出し、該周長を同一断面積を有する丸断面糸の円周で除して算出した。
3)糸断面の凹部
布帛の断面写真を撮影し、その断面写真から布帛を構成する単糸繊維の断面が凹凸を有
する場合に繊維断面の凹凸のうち隣接する凸部とその間の凹部のそれぞれの頂点を結んで
三角形を作った時の凹部の角度を測定し、該角度が120度以下の場合に凹部とする。
【0040】
4)流体抵抗
流体抵抗の測定は、特開平7−63749号公報の実施例1に記載された装置および測
定方法に基づいた。すなわち、図1に示す流体抵抗測定装置を用いて行った。ただし、流
量を74Lに変更した。この装置は、流体が流れる傾斜流路4と、周囲に布帛サンプル3
が取り付けられ、傾斜流路4内の流体の流れの中に置かれて、流体中に埋没浮揚される取
付具2と、傾斜流路4の上部側から傾斜流路4内を通って先端が取付具2に取り付けられ
た糸1と、この糸1の後端に取付けられ、当該糸1の張力を測定する測定器5とを備えて
いる。この装置において、糸1を取り付けた取付具2の周囲に布帛サンプル3を取付け、
この取付具2を糸1で支持しつつ流体の流れの中に置き、取付具2が流体中に埋没浮揚し
、しかも糸1がほぼ流体の流れ方向に張られた時の当該糸1の張力から布帛の流体抵抗が
測定される。具体的には、直径3cm、長さ1.5mで、上方30cmのところに分岐管
を設けたアクリル円管を傾斜流路として15度に傾けて設置する。水道より74リットル
/minの流量で水を流し、直径1.6cm、長さ16cmのアルミニウム円管(見掛け
比重0.68g/cm)の両端に半球状のシリコーンゴム製のキャップを取り付け、一端
に150デニール、長さ120cmのポリエステルモノフィラメント糸を取り付けた取付
具に試料を巻き付け、アクリル円管内に位置させて測定する。張力測定器としては、アイ
コー社製プッシュプルゲージをポリエステルモノフィラメント糸に取り付けて用い、サン
プルは布帛を4.5cm×14.5cmにカットし、筒状に縫い合わせて取付具にかぶせ
、両端に粘着テープを巻き付けて固定する。
【0041】
5)伸縮性
2.5cm幅の試料を300mm/minの速度で引張り、22.05Nでの伸度(%
)を測定する。
6)着用感
ワンピース型の水着を作製し、水泳選手に着用させ、着用感を調べた。
従来より速く泳げるものを○、従来と変わらないか遅く感じるものを×で評価した。
【0042】
[実施例1]
トリコット編機のフロント筬に異型度1.0、糸断面の単位面積あたりの周長度1.0
の丸断面のポリエステル(56dtex)を40質量%および異型度3.8、糸断面の単
位面積あたりの周長度1.4の凹部を有するW型断面のポリエステル(56dtex)4
0質量%が各々2mm幅のストライプ状になるように供給し、バック筬に、スパンデック
ス(44dtex)20質量%を供給して、36GGトリコット編地を作製した。編長方
向に約2mm毎に筬の振りを大きくしてストライプと直交する方向に筋を作った。通常の
染色工程の後、ディップニップ法でフッ素系撥水剤を付着させ、170℃で乾燥・熱処理
し、筋をタテ方向として流体抵抗を測定した。また、この布帛を用いて筋を体長方向に配
した、図2に示すような水着を作製し、水泳選手に着用させ、着用感を調べた。
【0043】
この布帛の流体抵抗を測定した結果を表1に示す。
表中、流体抵抗は、布帛を装着せずに測定した時の張力70gを差し引いた値とし、タ
テヨコ、斜め45度方向が水の流れ方向に平行である場合をそれぞれ測定した。
実施例1で得られた布帛は、タテ方向の流体抵抗が小さく、ヨコ、斜め方向も抵抗が小
さい。水泳選手への着用においても速く泳げることが確認できた。
【0044】
[実施例2]
実施例1の編地を編成する際にストライプにうねりをもたせるために、6コースアトラス組織とし変極点で2針振りにすることでストライプと直交方向にうねりを持った筋状凸部を作った他は実施例1と同様に仕上げ、評価を行った。この布帛の流体抵抗はタテ、斜め方向においてさらに小さい結果が得られた。
【0045】
[実施例3]
実施例2の編地を180℃にてカレンダー加工を施した布帛を作製し、実施例1と同様
の測定を行った。その結果、実施例3の布帛は表面の平滑化効果も加わり、流水抵抗の著
しく小さい布帛であった。
【0046】
[実施例4]
異型度1.3、糸断面の単位面積あたりの周長度1.1の△断面のポリエステル(84
dtex)糸30質量%を6mm幅、異型度2.7、糸断面の単位面積あたりの周長度1
.3の凹部を有するL型断面のポリエステル糸(84dtex)50質量%を10mm幅
のストライプ状にし、スパンデックス(44dtex)20質量%と交編してなる28G
Gトリコット編地を作製し、3.5mmごとに筬の振りを大きくしてストライプと直交す
る方向に筋を作成した。通常の染色工程の後、ディップニップ法でフッ素系撥水剤を付着
・乾燥させ、180℃で熱カレンダー処理を行い、実施例1と同様の測定を行った。
実施例4で得られた布帛は、流体抵抗が小さく、水泳選手への着用においても速く泳げ
ることが確認できた。
【0047】
[実施例5]
異型度1、糸断面の単位面積あたりの周長度1の丸断面のナイロン66(70dtex
)糸40質量%を3mm幅、異型度2.8、糸断面の単位面積あたりの周長度1.3の凹
部を有するV型断面のナイロン66糸(70dtex)40質量%を3mm幅のストライ
プ状にし、スパンデックス(44dtex)20質量%と交編してなる32GGトリコッ
ト編地を作製し、8mmごとに筬の振りを大きくしてストライプと直交する方向に筋を作
成した。通常の染色工程の後、ディップニップ法でフッ素系撥水剤を付着・乾燥させ、1
70℃で熱処理を行ない、実施例1と同様の測定を行なった。
実施例5で得られた布帛は、流体抵抗が小さく、水泳選手への着用においても速く泳げ
ることが確認できた。
【0048】
[比較例1]
実施例1のトリコット編地の糸を全て異型度1、糸断面の単位面積あたりの周長度1の
丸断面ポリエステルフィラメント(56dtex)を用いた以外は実施例1と同様にして
布帛を作製し、同様な評価を行い、結果を表1に示した。
その結果、流体抵抗が大きく、また色の変化がなく、意匠性に乏しい水着であった。
【0049】
[比較例2]
実施例1のトリコット編地の編成時に振りの変更をせずに、すなわちストライプと直交
する筋を形成させずに編成した以外は実施例1と同様にして布帛を作製し、同様な評価を
行い、結果を表1に示したが、タテ、斜め方向の流体抵抗が大きい水着であった。
【0050】
[比較例3]
実施例1のトリコット編地に撥水加工を施さずに同様な評価を行った結果を表1に示し
た。流体抵抗が大きく重い着用感の水着であった。
【0051】
[比較例4]
実施例5と同様のトリコット編地を作製する際に2mmごとに筬の振り幅を大きくして
3mmの幅をもたせて筋を形成した以外は実施例5と同様の方法で布帛を作製し、同様の
評価をした結果を表1に示した。流体抵抗が大きい水着であった。
【0052】
[比較例5]
丸断面のポリエステル(56dtex)80%およびスパンデックス(44dtex)
20%からなる32GGジャガード編地で、凸部の幅が250μm、高さ230μm、間
隔が1800μmの筋状で周期8000μm、かつ、幅2000μmのうねりをもったパ
ターンの編地を作成し、撥水加工を実施例1と同様に行い、突条をタテ方向にして評価を
行った結果を表1に示す。流体抵抗は小さいが伸縮性に乏しく着用感に劣る水着であった

【0053】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の布帛は、特殊な断面形状の異なる繊維が用いられているため、流体の流れるス
ピードが変わり、該方向において水や空気に対する抵抗が小さく、また、直交する方向に
断面構造の異なる糸からなる筋を形成させているため、筋に平行な方向においても水や空
気に対する抵抗が小さい布帛である。本発明の布帛は、伸縮性にも優れ、異型断面繊維の
効果により染色した際に周長度または異型度の違いによる色差が生じ、意匠性に富む布帛
を得ることもできる。このため、本布帛は、競泳用水着、陸上競技用ウエア、スキー、特
に、スキージャンプ競技用ウエア等のスポーツウエアとして好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】流体抵抗測定装置の説明図。
【図2】本発明の布帛が用いられた水着の正面、背面及び側面を示す図。
【符号の説明】
【0056】
1…糸、
2…取付具、
3…布帛サンプル、
4…傾斜流路、
5…測定器、
6…架台、
7…分岐管、
8…流体供給管、
9…バルブ
11…筋状の凸部
12…断面形状が異なる合成繊維Xが配置されたストライプ部
13…断面形状が異なる合成繊維Yが配置されたストライプ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントと弾性糸とからなる布帛であ
って、前記合成繊維マルチフィラメントがストライプ状に配置され、かつ、該ストライプ
を形成する方向と直交する方向に筋状の凸部を有し、かつ該凸部が撥水加工されているこ
とを特徴とする布帛。
【請求項2】
前記筋状の凸部の幅が100〜2500μm、凸部の高さが凸部の幅の20〜300%
である請求項1に記載の布帛。
【請求項3】
前記筋状の凸部がうねりを持っていることを特徴とする請求項2に記載の布帛。
【請求項4】
前記うねりの周期が1000〜20000μm、うねりの幅がうねりの周期の5〜70
%である請求項3に記載の布帛。
【請求項5】
前記合成繊維マルチフィラメントの少なくとも2種の繊維が、互いに異型度の異なる繊
維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の布帛。
【請求項6】
前記異型度の異なる2種の繊維の異型度の差が1〜8であることを特徴とする請求項5
に記載の布帛。
【請求項7】
前記合成繊維マルチフィラメントの少なくとも2種の繊維が、互いに周長度の異なる繊
維であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の布帛。
【請求項8】
前記周長度の異なる2種の繊維の周長度比(大きい方の周長度/小さい方の周長度)が
1.1以上であることを特徴とする請求項7に記載の布帛。
【請求項9】
前記合成繊維マルチフィラメントのいずれかの繊維がその繊維断面に120度以下の角
度の凹部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の布帛。
【請求項10】
ストライプの幅が1.5〜20mmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに
記載の布帛。
【請求項11】
ストライプがうねりを持っていることを特徴とする請求項10に記載の布帛。
【請求項12】
うねりの周期が1000〜20000μm、うねりの幅がうねりの周期の5〜70%である請求項11に記載の布帛。
【請求項13】
前記合成繊維マルチフィラメントがポリエステル系繊維であることを特徴とする請求項
1〜12のいずれかに記載の布帛。
【請求項14】
前記布帛にカレンダー加工が施されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか
に記載の布帛。
【請求項15】
タテ、ヨコ方向の伸縮性がともに90%以上である請求項1〜14のいずれかに記載の
布帛。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の布帛が少なくとも一部に用いられていることを特徴
とするスポーツウエア。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−138345(P2008−138345A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17749(P2007−17749)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(303046303)旭化成せんい株式会社 (548)
【出願人】(000000310)株式会社アシックス (57)
【Fターム(参考)】