説明

帯、小物ダンス

【課題】特に和装の帯や小物類をより良い状態で、合理的に収納、保管し、季節に合わせて利用しやすくするための帯、小物ダンスを提供する。
【解決手段】帯、小物類をより良い状態で収納、保管するためには、上段の空間部は、帯揚げ等の半分の長さと金具分で約100cmの高さが必要である。下段は、引き出し9内部の寸法が、帯たとう紙分縦約40cm、横約70cmは必要である。従って、タンス全体の外寸は、縦約45cm、横約80cm、高さ約180cmくらいで一般の和装ダンスとほぼ同じ高さになる。タンス上段の金具は、どれもスライドができ、天井部につける金具2,3は回転もでき、さらに季節変化対応のため、手前と奥の位置を取り外し、入れ換えられるようにする。側部の金具4はスライドができ、手前、奥どちらかに倒し、出っ張りを加減できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に和装の帯や小物類をより良い状態で、合理的に収納、保管し、季節に合わせて利用しやすくするための帯、小物ダンスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、着物等を収納、保管するためには、和装ダンスが作られ、帯や腰ひも、帯揚げ、帯締め等の小物類は、タンスの小引き出し等を利用して収納していた。
着物や帯は、ほとんどの場合、専用のたとう紙に包んで保護し収納していることが多い。
和装ダンスの引き出しの幅は、一般に着物の方に合わせ、幅広く作られているが、帯の方には広すぎで、かといって、二つ横並びには無理で、不合理であった。
また、帯揚げ、帯締めは、箱等を利用して折りたたんで収納、保管していたが、数が増えてくると、小引き出しだけでは入らず、一般の整理ダンス等を利用するしかなかった。
そのため、整理ダンスの活用があった(特許文献1参照)。また、和ダンス付き整理ダンスが考案されていた(実用新案文献2参照)。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】 特許公開平 5−228032
【実用新案文献2】
実用新案公開平 7−18644
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、次のような問題点があった。
(イ)たとう紙に包んである帯は、引き出しの左、右、中いずれかに寄せて収納し、生じ た空間部には、他の小物類を入れることができる。
その時、特に帯揚げや帯締めは長いために、折りたたみ、折り曲げて収納する。数 カ所にできる折りじわは、着付けをした時に表に見えることが多い部分である。
それ故、どうしても、利用のたびにしわ伸ばしの作業が必要になる。
加えて、着物との色合わせをし、選び、取り出す作業時に、できるだけ手際よく、 しかも他の物を乱さないようにするには、大変やりづらいという問題があった。
(ロ)整理ダンス等では、たとう紙に包んだ帯にぴったりサイズのものが少なく、桐のよ うな上質材料の物は、更に見つけにくいという問題があった。
(ハ)上記の和装の例ばかりでなく、洋装の場合のネッカチーフ、スカーフ、マフラー、 ネクタイ等でも同じような問題が起きている。
ただ、ネクタイだけを細い棒に掛けておくための物は、各種出回っている。
しかし、それらは帯揚げやスカーフ等には、幅が足りず利用しにくい。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
帯、小物類をより良い状態で収納、保管するために、まず大きさを確保する。
木材の厚さや組み立て上のちがいで多少変わると思われるが、帯をたとう紙ごと収納するためには、下段の引き出し内部の寸法が、縦約40cm、横約70cmは必要である。
深さは約15〜約20cmくらいで良い。
また、タンスの上段は、洋服ダンスのように広い空間部で、天井部と側部に帯揚げ等を掛けるための金具を設置する。
空間部の高さは、帯揚げ等をぶら下げるので、その半分の長さは必要である。
また、金具の分も考えると約100cmは必要である。
従って、タンス全体の外寸は、縦約45cm、横約80cm、高さ約180cmくらいで、細身ではあるが、一般の和装ダンスとほぼ同じ高さになる。
タンス上段の金具は、どれもスライドができ、利用者がよく見て選べるようにする。
また、天井部につける金具はスライドできるだけでなく、回転でき、さらに手前の物と奥の物とを取り外し、位置を入れ換えられるようにする。
これは、季節が変わった時にも、見やすく、しかも手際よく取り出すためである。
側部の金具はスライドできるだけでなく、手前、奥どちらかに倒せ、出っ張りを加減できるようにする。
見た目は細身の洋服ダンスのような形態で、収納時の折りじわのような不都合や選びにくさや取り出しにくさ等の課題解決を可能にできる。
以上を特徴とする帯、小物ダンスである。
【発明の効果】
【0006】
タンスの上段では、帯揚げ等を掛けてぶら下げるので、しわになりにくく、着付けをした時、表に見えるところの部分には、折りじわができない。
また、回転しスライドして手前に引き出すことができるので、大変見やすく、選びやすく、手際よく取り出しやすい。
さらに、手前と奥の金具が入れ換えられるので、季節別に分けて掛け、それを掛け換えれば、手軽にその時期の季節物を選び取り出しやすくする。
タンス下段には、他の小物入れとして利用しても良いが、何より、帯をたとう紙に包んだままで、しかも余分な隙間がない状態で合理的に収納できる。
また、各段で季節別に分類したり、フォーマル、セミフォーマル、普段等用途別に分けて入れられるので、大変便利である。
以上のように、和装には、いろいろな小物が必要であり、着物との色合わせにも、用途的にも、大変重要な働きがある。
「たかが小物、されど小物」である。
それ故、従来以上にそれら小物を大切にして、より良い状態で収納、保管し、より便利に利用したいものである。
それが可能になることが大いに期待できるタンスである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の帯、小物ダンスの本体図である。
【図2】 本発明の上から透かし見た説明図である。
【図3】 本発明の使用金具の概略図である。
【図4】 本発明の帯、小物ダンスの使用状況の例図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、帯、小物ダンスの本体(1)で、一般の和装ダンスより細身で、洋服ダンスのような形態である。
使用する木材の種類や質、組み立て構造等のちがいによってコストや形状が変化する。
図2は、タンスを上から透かして見た説明図である。
左右側部には(6)のようなレールを固定取り付けして、金具の長さは違うが、小物を掛けるための棒のような10本ほどの金具(4)(5)である図3の(a)を、かためてスライドできるようにセットする。
また、天井部には、レールを固定取り付けして、小物をぶら下げるための金具をスライドできるようにセットする。
そこに図3の(b)ような全体では丸い形状の金具を大(2)を2個、小(3)を3個をぶら下げる。
各金具の直接小物を掛ける棒の部分には、樹脂等を塗装して、滑り止め加工をする。
下段は、普通の引き出しであるが、側部にレール(6)を取り付けレール引き出し(9)にすると、出し入れが大変軽く楽にできるようになる。
また、鏡(7)、幅広い物を掛ける棒(8)を取り付けると一層便利である。
本発明は以上のような構成である。
これを使用するときは、上段は扉を開け、必要な金具部を手前に引き出し、回転させたり横に張らせたりして、お目当ての小物を手際よく取り出せば良いのである。
なお、金具等の形状は、試作改良の必要があるかもしれない。
【符号の説明】
【0009】
1 帯、小物ダンス本体
2 帯揚げ等を掛ける金具(大:直径約20〜約25cm)
3 帯締め等を掛ける金具(小:直径約10〜約15cm)
4 帯締め、襟しん等を掛ける金具(短:約5cm)
5 帯揚げ、伊達締め等を掛ける金具(長:約10〜約15cm)
6 レール
7 鏡
8 幅広い物を掛ける棒
9 引き出し(レールつきの例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯、小物類をより良い状態で収納、保管するために、タンスの上段の広い空間部は、天井部と側部に帯揚げ等を掛けるための金具を設置した高さ約100cmのもので、下段の引き出し内部の寸法は、帯たとう紙の大きさ縦約40cm、横約70cmを確保した、外寸、縦約45cm、横約80cm、高さ約180cmくらいの大きさであることを特徴とする帯、小物ダンス。
【請求項2】
タンス上段の金具は、どれもスライドができ、天井部につける金具は回転と、さらに手前と奥の位置を入れ換えができ、側部の金具は手前、奥どちらかに倒せ出っ張りを加減できる物で、季節が変わっても利用しやすく、折りじわも少なく、利用者がよく見て選べ、手際よく取り出せる工夫を付加したことを特徴とする帯、小物ダンス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−45401(P2012−45401A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−225325(P2011−225325)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(509255406)