説明

帯域制御評価装置

【課題】本発明は、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件から求められるスタッフ又はデータの位置を表示することを目的とする。
【解決手段】本願発明の帯域制御評価装置は、OPUフレームのOHからJC1、JC2JC3を抽出するJCバイト抽出部11と、JC1、JC2及びJC3を用いて、OPUフレームのPayload Areaに含まれるデータ量を算出するデータ量算出部21と、データ量を用いて、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出する位置算出部23と、位置算出部23の算出したスタッフ又はデータの位置を、各座標がPayload Areaの位置に関連付けられた地図上にマッピングして表示する表示部13と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ITU−T Rec.G.709(12/2009)に規定されるビットレート調整機能の試験を行うための帯域制御評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OTN(Optical Transport network)のビットレートは、SONET(Synchronous Optical NETwork)/SDH(Synchronous Digital Hierarchy)のビットレートをもとに規定されていた。このため、ビットレートの異なるイーサネット(登録商標)やファイバチャネルが新たに追加されるたびにOTN規格を拡張する必要があった。
【0003】
しかし、新クライアント信号が出現するたびに規格を拡張することは好ましくない。そこで、ITU−T Rec.G.709(12/2009)では、将来どのようなビットレートのクライアント信号が出現しても対応可能にするため、GMP(Generic Mapping Procedure)を採用した。GMPは、Payloadの容量以下のビットレートのクライアントをマッピングする方法であり、送信部は、図3に示すように、Payload Areaにデータとスタッフを分散配置する。そして、図4に示すように、OH(Over Head)にビットレート調整を行うための情報であるJCバイトJC1〜JC6を格納する。
【0004】
JCバイトJC1及びJC2は、送信部で算出されたPayload Areaに含まれるデータ量の整数値部分C及びCの変動条件を表している。JC1及びJC2のうちのC1〜C14までがCを表し、II及びDIがCの変動条件を表している。すなわち、JC1はたとえばC1〜C14の14ビットで構成され、JC2はたとえば2ビット(II,DI)により構成されている。JCバイトJC3は、JCバイトJC1及びJCバイトJC2のCRC(Cyclic Redundancy Check)である。JCバイトJC4及びJC5は、Payload Areaに含まれるデータ量をCで割ったときの余剰CnDを、毎フレーム積算した数値ΣCnDを16進数で表した数値である。JCバイトJC6は、JCバイトJC4及びJCバイトJC5のCRCである。そして、受信部は、JCバイトJC1〜JC6を用いてパラメータを求め、パラメータ及び変動条件に応じた手順に従って抽出するデータ量を変動させて、送信部で算出されたデータ量と一致するデータ量を受信する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ITU−T Rec.G.709(12/2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ITU−T Rec.G.709(12/2009)に準拠するためには、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件から求められるスタッフ又はデータの位置と実際に伝送されるPayload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置とが一致していなければならない。
【0007】
そこで、本発明は、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件から求められるスタッフ又はデータの位置と実際に伝送されるPayload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置とが一致しているか否かを確認できるように、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件から求められるスタッフ又はデータの位置を表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明の帯域制御評価装置は、OPU(Optical channel Payload Unit)フレームのOHから、送信部で算出されたPayload Areaに含まれるデータ量である整数値Cの前半を表すJC1、当該整数値Cの後半及び当該整数値Cの変動条件を表すJC2並びに前記JC1及び前記JC2のCRC(Cyclic Redundancy Check)を表すJC3を抽出するJCバイト抽出部(11)と、前記JCバイト抽出部の抽出したJC1、JC2及びJC3を用いて、前記OPUフレームのPayload Areaに含まれるデータ量を算出するデータ量算出部(21)と、前記データ量算出部の算出した前記データ量を用いて、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出する位置算出部(23)と、前記位置算出部の算出したスタッフ又はデータの位置を、各座標がPayload Areaの位置に関連付けられた地図上にマッピングして表示する表示部(13)と、を備える。
【0009】
本願発明の帯域制御評価装置は、JCバイト抽出部(11)を備えるため、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件を取得することができる。本願発明の帯域制御評価装置は、データ量算出部(21)及び位置算出部(23)と、を備えるため、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出することができる。本願発明の帯域制御評価装置は、表示部(13)を備えるため、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を表示することができる。したがって、本願発明の帯域制御評価装置は、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件から求められるスタッフ又はデータの位置を表示することができる。
【0010】
本願発明の帯域制御評価装置では、前記整数値Cと当該整数値Cに基づくデータ量のデータをPayload Areaに格納したときのスタッフ又はデータの位置とが関連付けられた位置参照テーブル(25)と、前記データ量算出部の算出する前記整数値Cに一致する整数値Cを前記位置参照テーブルのなかから選択し、選択した前記位置参照テーブルのスタッフ又はデータの位置と前記位置算出部の算出した前記スタッフ又はデータの位置とが一致するか否かを判定する判定部(24)と、をさらに備え、前記表示部は、前記判定部の判定結果をさらに表示してもよい。
本願発明の帯域制御評価装置は、位置参照テーブル(25)及び判定部(24)を備えるため、規格で定められたビットレートのCとそのスタッフ又はデータの位置を位置参照テーブルに格納しておくことで、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件から求められるスタッフ又はデータの位置が正しいか否かを判定することができる。
【0011】
本願発明の帯域制御評価装置では、前記データ量算出部は、さらに、前記JCバイト抽出部の抽出したJC1及びJC2に含まれる前記データ量の変動条件を用いて、前記OPUフレームのPayload Areaに含まれるデータ量の上限値及び下限値を検出し、前記位置算出部は、さらに、前記上限値を用いてPayload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出するとともに、前記下限値を用いてPayload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出し、前記表示部は、さらに、前記位置算出部の算出する前記上限値を用いたときのスタッフ又はデータの位置を表示するとともに、前記位置算出部の算出する前記下限値を用いたときのスタッフ又はデータの位置を表示してもよい。
本願発明の帯域制御評価装置は、Payload Areaに含まれるデータ量の上限値のときのスタッフ又はデータの位置を表示するとともに、Payload Areaに含まれるデータ量の下限値のときのスタッフ又はデータの位置を表示することができるため、データ量が変動する範囲におけるスタッフ又はデータの位置が正しいか否かを判定することができる。
【0012】
本願発明の帯域制御評価装置では、前記位置算出部は、Payload Areaを最大格納データ量Pm,serverに分割した各Payload fieldがスタッフ又はデータのいずれであるかを判定することによって、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出し、前記表示部は、前記位置算出部の算出したスタッフ又はデータの位置を、各座標が前記Payload fieldに関連付けられた地図上にマッピングして表示してもよい。
【0013】
本願発明の帯域制御評価装置では、前記表示部は、さらに、前記位置算出部がスタッフと判定したPayload fieldの番号を表示するか、又は、前記位置算出部がデータと判定したPayload fieldの番号を表示してもよい。
【0014】
前述の目的を達成するために、本願発明の帯域制御評価方法は、OPUフレームのOHから、送信部で算出されたPayload Areaに含まれるデータ量である整数値Cの前半を表すJC1、当該整数値Cの後半及び当該整数値Cの変動条件を表すJC2並びに前記JC1及び前記JC2のCRCを表すJC3を抽出するJCバイト抽出手順と、前記JCバイト抽出手順で抽出したJC1、JC2及びJC3を用いて、前記OPUフレームのPayload Areaに含まれるデータ量を算出するデータ量算出手順と、前記データ量算出手順で算出した前記データ量を用いて、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出する位置算出手順と、前記位置算出手順で算出したスタッフ又はデータの位置を、各座標がPayload Areaの位置に関連付けられた地図上にマッピングして表示する表示手順と、を順に有する。
【0015】
本願発明の帯域制御評価方法は、JCバイト抽出手順を有するため、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件を取得することができる。本願発明の帯域制御評価方法は、データ量算出手順及び位置算出手順を有するため、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出することができる。本願発明の帯域制御評価方法は、表示手順を有するため、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を表示することができる。したがって、本願発明の帯域制御評価方法は、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件から求められるスタッフ又はデータの位置を表示することができる。
【0016】
本願発明の帯域制御評価方法では、前記整数値Cと当該整数値Cに基づくデータ量のデータをPayload Areaに格納したときのスタッフ又はデータの位置とが関連付けられた位置参照テーブルを参照し、前記データ量算出手順で算出した前記整数値Cに一致する整数値Cを前記位置参照テーブルのなかから選択し、選択した前記位置参照テーブルのスタッフ又はデータの位置と前記位置算出部で算出した前記スタッフ又はデータの位置とが一致するか否かを判定する判定手順を、前記位置算出手順と前記表示手順の間にさらに有し、前記表示手順において、前記判定手順における判定結果をさらに表示してもよい。
本願発明の帯域制御評価方法は、判定手順を有するため、規格で定められたビットレートのCとそのスタッフ又はデータの位置を位置参照テーブルに格納しておくことで、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件から求められるスタッフ又はデータの位置が正しいか否かを判定することができる。
【0017】
本願発明の帯域制御評価方法では、前記データ量算出手順において、さらに、前記JCバイト抽出手順で抽出したJC1及びJC2に含まれる前記データ量の変動条件を用いて、前記OPUフレームのPayload Areaに含まれるデータ量の上限値及び下限値を検出し、前記位置算出手順において、さらに、前記上限値を用いてPayload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出するとともに、前記下限値を用いてPayload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出し、前記表示手順において、さらに、前記位置算出手順で算出した前記上限値を用いたときのスタッフ又はデータの位置を表示するとともに、前記位置算出手順で算出した前記下限値を用いたときのスタッフ又はデータの位置を表示してもよい。
本願発明の帯域制御評価方法は、Payload Areaに含まれるデータ量の上限値のときのスタッフ又はデータの位置を表示するとともに、Payload Areaに含まれるデータ量の下限値のときのスタッフ又はデータの位置を表示することができるため、データ量が変動する範囲におけるスタッフ又はデータの位置が正しいか否かを判定することができる。
【0018】
本願発明の帯域制御評価方法では、前記位置算出手順において、Payload Areaを最大格納データ量Pm,serverに分割した各Payload fieldがスタッフ又はデータのいずれであるかを判定することによって、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出し、前記表示手順において、前記位置算出手順で算出したスタッフ又はデータの位置を、各座標が前記Payload fieldに関連付けられた地図上にマッピングして表示してもよい。
【0019】
本願発明の帯域制御評価方法では、前記表示手順において、さらに、前記位置算出手順でスタッフと判定したPayload fieldの番号を表示するか、又は、前記位置算出手順でデータと判定したPayload fieldの番号を表示してもよい。
【0020】
前述の目的を達成するために、本願発明の帯域制御評価プログラムは、本願発明のJCバイト抽出手順、データ量算出手順、位置算出手順及び表示手順、又は、JCバイト抽出手順、データ量算出手順、位置算出手順、判定手順及び表示手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明により、コンピュータを用いて本願発明の帯域制御評価方法を実行することができるため、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件から求められるスタッフ又はデータの位置を表示することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件から求められるスタッフ又はデータの位置を表示することができる。したがって、実際に伝送されるPayload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を参照することで、OHに格納されているデータ量及びデータ量の変動条件から求められるスタッフ又はデータの位置と実際に伝送されるPayload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置とが一致しているか否かを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係る帯域制御評価装置の一例を示す。
【図2】位置参照テーブルの一例を示す。
【図3】表示部13の表示例を示す。
【図4】GMPによるデータとスタッフの分散配置の一例。
【図5】ITU−T Rec.G.709(12/2009)に規定されるフレームにおけるOHの概要を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0024】
図1に、本実施形態に係る帯域制御評価装置の一例を示す。本実施形態に係る帯域制御評価装置は、JCバイト抽出部11と、演算部12と、表示部13と、を備える。演算部12は、データ量算出部21と、位置算出部23と、判定部24と、位置参照テーブル25と、を備える。
【0025】
図2に、位置参照テーブルの一例を示す。位置参照テーブル25は、Cと当該Cに基づくデータ量のデータをPayload Areaに格納したときのスタッフの位置とが関連付けられたテーブルである。このテーブルには、例えば、Cの値「15168」と、Cが15168ときにスタッフが格納されるPayload fieldの番号j15168S1、j15168S2、・・・とが関連付けられている。
【0026】
本実施形態に係る帯域制御評価方法は、JCバイト抽出手順と、演算手順と、表示手順と、を順に有する。演算手順では、演算部12は、JCバイト抽出部11の抽出したJC1、JC2、JC3、JC4、JC5及びJC6の少なくともいずれかを用いて、種々の演算を行う。演算手順は、例えば、データ量算出手順と、位置算出手順と、判定手順と、を順に有する。本実施形態に係る帯域制御評価プログラムは、JCバイト抽出手順、データ量算出手順、位置算出手順及び表示手順、又は、JCバイト抽出手順、データ量算出手順、位置算出手順、判定手順及び表示手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0027】
JCバイト抽出手順では、JCバイト抽出部11が、OPUフレームのOHから、Payload Areaに格納されているデータ量を算出するための情報であるJC1、JC2、JC3、JC4、JC5及びJC6を抽出する。JC1は、送信部で算出されたPayload Areaに含まれるデータ量の前半を表す。ここで、Payload Areaに含まれるデータ量の前半とは、C1〜C14の14ビットにて算出されたデータ量が格納されている場合、たとえばこの前半のC1〜C8までの8ビットを指す。JC2は、送信部で算出されたPayload Areaに含まれるデータ量の後半及び該データ量の変動条件を表す。ここで、Payload Areaに含まれるデータ量の後半とは、C1〜C14の14ビットにて算出されたデータ量が格納されている場合、たとえばこの後半のC9〜C14までの6ビットを指す。JC3は、JC1及びJC2のCRCを表す。
【0028】
データ量算出手順では、データ量算出部21が、JCバイト抽出部11の抽出したJC1、JC2及びJC3を用いて、OPUフレームのPayload Areaに含まれるデータ量を算出する。データ量は、例えば、OPUフレームのPayload Areaに含まれるデータ量の整数値部分Cである。位置算出手順では、位置算出部23が、データ量算出部21の算出したCを用いて、Payload Areaに格納されているスタッフの位置を算出する。判定手順では、判定部24が、位置算出部23の算出したスタッフの位置が所定の位置か否かを判定する。表示手順では、表示部13が、演算部12の演算結果を表示する。
【0029】
図3に、表示部13の表示例を示す。表示部13は、Stuff Position Map51、Maxボタン52、Minボタン53、Stuff Position List54及びパターンマッチング結果を表示する。
【0030】
Stuff Position List54は、位置算出部23がスタッフであると判定した位置を表示する。ここで位置は、例えば、Payload Areaを最大格納データ量Pm,serverに分割したPayload fieldの番号j(j=1・・・Pm,server)である。
【0031】
Stuff Position Map51は、各座標がPayload Areaの位置又はPayload fieldの位置に関連付けられた地図上に、スタッフの位置がマッピングされている。例えば、Pm,serverが15200である場合、座標(95,1)にPayload fieldの番号j=95が関連付けられ、座標(1,160)にPayload fieldの番号j=15106が関連付けられ、座標(95,160)にPayload fieldの番号j=15200が関連付けられる。そして、スタッフが配置されるPayload fieldの番号jに関連付けられた座標上にマッピングする。
【0032】
Maxボタン52はCが最大値となる場合の表示に切り替えるボタンである。Maxボタン52が選択されると、位置算出部23は、Cが最大値のときのPayload fieldの番号j及び座標を表示部13に出力する。表示部13は、データ量算出部21の算出したCの最大値におけるStuff Position Map51及びStuff Position List54を表示する。
【0033】
Minボタン53はCが最小値となる場合の表示に切り替えるボタンである。Minボタン53が選択されると、位置算出部23は、Cが最小値のときのPayload fieldの番号j及び座標を表示部13に出力する。表示部13は、データ量算出部21の算出したCの最小値におけるStuff Position Map51及びStuff Position List54を表示する。
【0034】
パターンマッチング結果は、判定部24の判定結果である。例えば、判定部24が一致と判定するとOKと表示し、判定部24が不一致と判定するとNGと表示する。
【0035】
図1に示すデータ量算出部21におけるデータ量の算出は、例えば、以下のようにして行う。
JC1及びJC2のなかの整数値部分C(t)を示すC1〜C14を10進数に変換する。JCバイト抽出部11の抽出したJC1及びJC2のCRC算出値とJCバイト抽出部11の抽出したJC3とが一致するか否かを判定する。
【0036】
ここで、データ量算出部21は、送信元が送付してきたC(t)と同期する動作を行う。この同期する動作は、例えば、ITU−TのFigure D.7/G.709/Y.1331−GMP sink count synchronization process diagramに記載されたダイアグラムに記載されている動作である。この同期状態によってC(t)の値が変動する。
【0037】
同期化において、データ量算出部21は、JC1及びJC2の解析を行う。例えば、図5に示すIIとDIが一致するか否か、JC1とJC2のCRCがJC3と一致するか否か、JC1がValidパターン又はInvalidパターンのいずれであるか、及び、JC2がValidパターン又はInvalidパターンのいずれであるかを判定する。この解析によってC(t)の値が変動する。
【0038】
同時に、データ量の変動を示すII及びDIを用いて、C(t)が変動しているかどうか及び変動後のC(t)の値を算出する。また、C(t)に変動がある場合は、図5に示すC1〜C14が変動量を示すための符号化が行われているため、合わせて解析する。例えば、II=1かつDI=0の場合、C(t)は増加していることを示す。II=0かつDI=1の場合、C(t)は減少していることを示す。
【0039】
データ量算出部21は、上記の同期及びJC1及びJC2の解析を行うことでCが変動し、最終的なCが確定する。
【0040】
図1に示す位置算出部23におけるスタッフ又はデータの位置の算出は、例えば、以下のようにして行う。
Payload Area中の個々のPayload fieldの番号j(j=1・・・Pm,server)がスタッフ又はデータのいずれであるかを判定する。
(j×C(t))mod Pm,server<C(t)の場合、すなわち、Payload field jにCを乗算したものを最大格納データ量Pm,serverで除算した余りを算出し、その余りがCよりも小さい場合はデータと判定する。
(j×C(t))mod Pm,server≧C(t)の場合、すなわち、Payload field jにCを乗算したものを最大格納データ量Pm,serverで除算した余りを算出し、その余りがC以上の場合はスタッフと判定する。
【0041】
そして、スタッフと判定したPayload fieldの番号jに対応する座標を算出し、スタッフと判定したPayload fieldの番号j及び座標を表示部13に出力する。これにより、表示部13は、Stuff Position Map51及びStuff Position List54を表示することができる。
【0042】
データ量算出部21においてCが変動した場合、変動後のCを用いてスタッフの位置を算出し、Payload fieldの番号j及び座標を表示部13に出力する。また、Cが最大値のときのスタッフの位置を算出するとともに、Cが最小値のときのスタッフの位置も算出し、Payload fieldの番号j及び座標を表示部13に出力する。
【0043】
図1に示す判定部24における判定は、例えば、以下のようにして行う。
データ量算出部21の算出するデータ量が15168byteである場合、判定部24はデータ量15168byteに関連付けられたスタッフの位置を位置参照テーブル25から取得し、位置算出部23の算出したスタッフの位置と一致するか否かを判定する。Cが最大値のときのスタッフの位置や、Cが最小値のときのスタッフの位置についても、位置参照テーブル25に格納されているスタッフの位置と一致するか否かを判定してもよい。
【0044】
なお、本実施形態では、位置算出部23がスタッフの位置を算出し、位置参照テーブル25がスタッフの位置を格納し、表示部13がスタッフの位置を表示する例について説明したがこれに限定されない。例えば、位置算出部23がデータの位置を算出し、位置参照テーブル25がデータの位置を格納し、表示部13がデータの位置を表示してもよい。
【0045】
なお、送信部において、Cは、以下のようにして算出される。
あるフレーム期間又はマルチフレーム期間に到達するn−bitデータ(n−bitで1括りとしたとき)のデータ量は次のように表される。
【数1】

ここで、fclientはclient bit rateを示し、Tserverはframe period of the server frame or server multiframeを示し、cはnumber of client n−bit data entities per server frame or server multiframeを示す。
【0046】
serverは次のように表される。
【数2】

ここで、fserverはserver bitrateを示し、Bserverはbits per server frame or multiframeを示す。
【0047】
式D−5の関係を用いると、式D−1は次のように表される。
【数3】

【0048】
CBR(Constant Bit Rate)データをOPUkやLO ODUj(via ODTUk.ts)に格納するために、GMPを採用する。
OTNのGMPでは、基本的に8bit単位で分割してマッピングされる(n=8、C8)。m=8×Mbitとすると、対象データ量は、全ビット数n×Cをmで割ったものになる。このように8bit単位で区切られた場合の格納対象データ量cは次のように表される。
【数4】

【0049】
整数値として伝送することから、Cの整数値をC(t)と表す。
【数5】

【0050】
整数値のとりうる上限(ceiling)、下限(floor)は、次のように表される。
【数6】

【0051】
式D−13に示した整数値C(t)を、16進数で表し、図4に示すC1〜C14へ割り当てている。そして、式D−13で表される整数値C(t)の増減を、符号としてII、DIに割り当てている。例えば、この符号は、II=1かつDI=0の場合、C(t)は増加していることを示す。II=0かつDI=1の場合、C(t)は減少していることを示す。増減する量は、図5に示すC1〜C14が表しているC(t)の指定ビットを反転する組み合わせで示す。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は情報通信産業に適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
11:JCバイト抽出部
12:演算部
13:表示部
21:データ量算出部
23:位置算出部
24:判定部
25:位置参照テーブル
51:Stuff Position Map
52:Maxボタン
53:Minボタン
54:Stuff Position List

【特許請求の範囲】
【請求項1】
OPU(Optical channel Payload Unit)フレームのOH(Overhead)から、送信部で算出されたPayload Areaに含まれるデータ量である整数値Cの前半を表すJC1、当該整数値Cの後半及び当該整数値Cの変動条件を表すJC2並びに前記JC1及び前記JC2のCRC(Cyclic Redundancy Check)を表すJC3を抽出するJCバイト抽出部(11)と、
前記JCバイト抽出部の抽出したJC1、JC2及びJC3を用いて、前記OPUフレームのPayload Areaに含まれるデータ量を算出するデータ量算出部(21)と、
前記データ量算出部の算出した前記データ量を用いて、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出する位置算出部(23)と、
前記位置算出部の算出したスタッフ又はデータの位置を、各座標がPayload Areaの位置に関連付けられた地図上にマッピングして表示する表示部(13)と、
を備える帯域制御評価装置。
【請求項2】
前記整数値Cと当該整数値Cに基づくデータ量のデータをPayload Areaに格納したときのスタッフ又はデータの位置とが関連付けられた位置参照テーブル(25)と、
前記データ量算出部の算出する前記整数値Cに一致する整数値Cを前記位置参照テーブルのなかから選択し、選択した前記位置参照テーブルのスタッフ又はデータの位置と前記位置算出部の算出した前記スタッフ又はデータの位置とが一致するか否かを判定する判定部(24)と、
をさらに備え、
前記表示部は、前記判定部の判定結果をさらに表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の帯域制御評価装置。
【請求項3】
前記データ量算出部は、さらに、前記JCバイト抽出部の抽出したJC1及びJC2に含まれる前記データ量の変動条件を用いて、前記OPUフレームのPayload Areaに含まれるデータ量の上限値及び下限値を検出し、
前記位置算出部は、さらに、前記上限値を用いてPayload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出するとともに、前記下限値を用いてPayload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出し、
前記表示部は、さらに、前記位置算出部の算出する前記上限値を用いたときのスタッフ又はデータの位置を表示するとともに、前記位置算出部の算出する前記下限値を用いたときのスタッフ又はデータの位置を表示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の帯域制御評価装置。
【請求項4】
前記位置算出部は、Payload Areaを最大格納データ量Pm,serverに分割した各Payload fieldがスタッフ又はデータのいずれであるかを判定することによって、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出し、
前記表示部は、前記位置算出部の算出したスタッフ又はデータの位置を、各座標が前記Payload fieldに関連付けられた地図上にマッピングして表示する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の帯域制御評価装置。
【請求項5】
前記表示部は、さらに、前記位置算出部がスタッフと判定したPayload fieldの番号を表示するか、又は、前記位置算出部がデータと判定したPayload fieldの番号を表示する
ことを特徴とする請求項4に記載の帯域制御評価装置。
【請求項6】
OPUフレームのOHから、送信部で算出されたPayload Areaに含まれるデータ量である整数値Cの前半を表すJC1、当該整数値Cの後半及び当該整数値Cの変動条件を表すJC2並びに前記JC1及び前記JC2のCRCを表すJC3を抽出するJCバイト抽出手順と、
前記JCバイト抽出手順で抽出したJC1、JC2及びJC3を用いて、前記OPUフレームのPayload Areaに含まれるデータ量を算出するデータ量算出手順と、
前記データ量算出手順で算出した前記データ量を用いて、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出する位置算出手順と、
前記位置算出手順で算出したスタッフ又はデータの位置を、各座標がPayload Areaの位置に関連付けられた地図上にマッピングして表示する表示手順と、
を順に有する帯域制御評価方法。
【請求項7】
前記整数値Cと当該整数値Cに基づくデータ量のデータをPayload Areaに格納したときのスタッフ又はデータの位置とが関連付けられた位置参照テーブルを参照し、前記データ量算出手順で算出した前記整数値Cに一致する整数値Cを前記位置参照テーブルのなかから選択し、選択した前記位置参照テーブルのスタッフ又はデータの位置と前記位置算出手順で算出した前記スタッフ又はデータの位置とが一致するか否かを判定する判定手順を、前記位置算出手順と前記表示手順の間にさらに有し、
前記表示手順において、前記判定手順における判定結果をさらに表示する
ことを特徴とする請求項6に記載の帯域制御評価方法。
【請求項8】
前記データ量算出手順において、さらに、前記JCバイト抽出手順で抽出したJC1及びJC2に含まれる前記データ量の変動条件を用いて、前記OPUフレームのPayload Areaに含まれるデータ量の上限値及び下限値を検出し、
前記位置算出手順において、さらに、前記上限値を用いてPayload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出するとともに、前記下限値を用いてPayload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出し、
前記表示手順において、さらに、前記位置算出手順で算出した前記上限値を用いたときのスタッフ又はデータの位置を表示するとともに、前記位置算出手順で算出した前記下限値を用いたときのスタッフ又はデータの位置を表示する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の帯域制御評価方法。
【請求項9】
前記位置算出手順において、Payload Areaを最大格納データ量Pm,serverに分割した各Payload fieldがスタッフ又はデータのいずれであるかを判定することによって、Payload Areaに格納されているスタッフ又はデータの位置を算出し、
前記表示手順において、前記位置算出手順で算出したスタッフ又はデータの位置を、各座標が前記Payload fieldに関連付けられた地図上にマッピングして表示する
ことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の帯域制御評価方法。
【請求項10】
前記表示手順において、さらに、前記位置算出手順でスタッフと判定したPayload fieldの番号を表示するか、又は、前記位置算出手順でデータと判定したPayload fieldの番号を表示する
ことを特徴とする請求項9に記載の帯域制御評価方法。
【請求項11】
請求項6から9のいずれかに記載のJCバイト抽出手順、データ量算出手順、位置算出手順及び表示手順、又は、JCバイト抽出手順、データ量算出手順、位置算出手順、判定手順及び表示手順を、コンピュータに実行させるための帯域制御評価プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−213015(P2012−213015A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77366(P2011−77366)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】