説明

帯電防止フィルム用の接地具

【課題】帯電防止フィルム用の接地具であって、帯電防止フィルムへの取り付け位置を自由に設定することができ、しかも、接地具を取り付けた後は帯電防止フィルムからの脱落を確実に防止できるうえ、接地具の取り付けも容易であり、帯電圧減衰性能が長期に亘り安定した帯電防止フィルム用の接地具を提供する。
【解決手段】導電性インクが連続模様状に印刷された帯電防止フィルム用の接地具であって、前記接地具は、導電性の把持部とアース線とを備えるものであり、該導電性の把持部は帯電防止フィルムに施された模様の複数に跨る長さまたは幅を有するものであることを特徴とする。このとき、導電性の把持部は、板状、帯状、紐状であり、帯電防止フィルムの表裏を挟むものであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電防止フィルムに用いられる接地具に関し、特に、接地機能を発現させる位置が限定されず、帯電圧減衰性能が長期に亘り安定して維持でき、例えばクリーンルームなどに使用して好適な帯電防止フィルム用の接地具に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性インクが連続模様状に印刷された帯電防止フィルムは、例えばクリーンルームのような静電気の発生を嫌う場所のカーテンや間仕切り、あるいは養生シートなどとして使用され、帯電を防止するために、アースと接続すること(すなわち「接地していること」)が必須とされる。
図1(A)〜(C)に、そのような帯電防止フィルム10のこれまでの接地例を3つ示す。
【0003】
図1に示すように、従来、帯電防止フィルム10とアース線Eとの接続は(A)クリップ式、(B)ホック(スナップボタン)式、あるいは(C)粘着剤付きの金属テープなどが主流であった。
しかし、(A)クリップ式の場合、帯電防止フィルム10をカーテンや間仕切りとして使用した際に、人やフォークリフトの出入りなど頻繁な開閉動作に耐えられず、該フィルム10からクリップ20が外れてしまうという大きな欠点があった。また、(B)ホック式の場合、クリップ式に比べ外れることはほとんど無いものの、帯電防止フィルム10との接触面積が点(スポット)状で少ないので、経時でホック40の近傍に印刷された導電性インク30の一部が剥がれた際に、十分な導通が取れなくなることがあり、帯電圧減衰性能が不安定であった。一方、(C)粘着剤付き金属テープ50の場合には、使用環境や経時劣化により粘着剤の機能が低下し、帯電防止フィルム10から脱落する問題があった。
【0004】
他方、本出願人は、これまで、接地機能を有する帯電防止フィルムとして、アースされた導電性材料よりなるカーテンレールと導通してなるカーテンを提案している(特許文献1)。
ところが、上記特許文献1に記載のカーテンでは、
α)最近のカーテンレール(カーテンフック、クリップランナー、リングランナーなど含む)は、軽量化を目的に合成樹脂製のものが大半であること、β)実際の現場では、アース(基準電位点)が床に存在し、カーテンレールから床まで導線を伸ばさなければならないケースが多いこと、γ)本出願人による特許文献2に記載のような導電性インクが中層に印刷された帯電防止フィルムでは、アースが全く取れないこと、
などの問題が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭54−33224号公報
【特許文献2】特願2009−273455号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の諸点を考慮し、帯電防止フィルムに用いられる接地具であって、接地機能を発現させる位置を自由に設定することができ、しかも、接地具を取り付けた後は帯電防止フィルムからの脱落を確実に防止できるうえ、接地具の取り付け(もちろん、取り外し)も容易であり、帯電圧減衰性能(接地性能)が長期に亘り安定した帯電防止フィルム用の接地具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討を重ねた結果、
帯電防止フィルムとの接触面積が大きい接地具を用いることに着目し、
このような接地具を、カーテンや間仕切り用途に使用しても長期に亘り脱落することがないうえ、取り付け・取り外しが容易な態様にて取り付けることで、
経時で該接地具近傍の導電性インクの一部が欠落したとしても、十分な帯電圧減衰機能(接地機能)を発現し続ける帯電防止フィルム用の接地具が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、このような知見の下でなし得たものであり、以下を要旨とする。
(1)導電性インクが連続模様状に印刷された帯電防止フィルム用の接地具であって、前記接地具は、導電性の把持部とアース線とを備えるものであり、該導電性の把持部は帯電防止フィルムに施された模様の複数に跨る長さまたは幅を有するものであることを特徴とする帯電防止フィルム用の接地具。
(2)前記導電性の把持部は、板状、帯状、紐状であり、前記帯電防止フィルムの表裏を挟むものであることを特徴とする前記(1)に記載の帯電防止フィルム用の接地具。
【発明の効果】
【0009】
本発明の帯電防止フィルム用の接地具は、帯電防止フィルムを例えばカーテンに仕立てた場合、カーテンの上端(レール付近)のみならず、下端や真ん中など、如何なる場所でも自由に設定できるので、使用者の要望や現場の都合に沿うことができる。
また、接地具を構成する導電性の把持部は、帯電防止フィルムの導電性インクからなる連続模様の複数に跨る長さまたは幅を有し、かつカーテンや間仕切り用途における頻繁な開閉動作に対しても外れにくく、優れた帯電圧減衰性能(接地機能)を長期に亘り安定して維持できる。
加えて、本発明の接地具は、取り付け・取り外しが容易なので、帯電防止フィルムをカーテンや間仕切りなどとして使用している途上で、万一、導電性の把持部近傍で導電性インクの一部が欠落した場合や、アース線の取り込みが難しい箇所に取り付けてしまった場合などにおいて、導電性の把持部を取り外し、他の箇所に移動させることが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(A)〜(C)は従来の帯電防止フィルムの接地例を示す図であり、(A)はクリップ式の例、(B)はホック式の例、(C)は粘着剤付き金属テープを用いた例である。
【図2】本発明の帯電防止フィルム用の接地具の一実施態様例を説明する図であり、(A)はインク印刷面側から見た斜視図、(B)は断面模式図である。
【図3】(A),(B)は本発明の接地具を構成する導電性の把持部の他の実施態様例の説明図である。
【図4】本発明の帯電防止フィルム用の接地具の他の実施態様例を説明する図であり、インク非印刷面側から見た斜視図である。
【図5】本発明の接地具を構成する導電性の把持部のさらに他の実施態様例を説明する図であり、(A)はペーパーファスナー様の導電性の把持部の具体例を示す図であり、(B)はスティックファスナー様の導電性の把持部の具体例を示す図である。
【図6】本発明の接地具を構成する導電性の把持部のさらに他の実施態様例の説明図である。
【図7】本発明の接地具を構成する導電性の把持部のさらに他の実施態様例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の帯電防止フィルム用の接地具の一実施態様例を、図2(A),(B)により説明する。
図2(A)は、インク印刷面側から見た斜視図であり、(B)は断面模式図である。
【0012】
図2(A),(B)では、片面のみに導電性インク3が連続模様状に印刷された帯電防止フィルム1を例示しているが、導電性インク3は、フィルム1の両面に印刷されてもよく、あるいはフィルム1が複数層からなる場合には中層に印刷されていてもよい。
また、図2(A)中、帯電防止フィルム1に連続模様状として描かれた“亀甲模様”は例示に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
図2(A),(B)に示すように、本発明の帯電防止フィルム用の接地具8は、表面、裏面(複数層からなる場合には、表面、裏面、中層)の少なくともいずれか1つに導電性インク3が連続模様状に印刷された帯電防止フィルム1に用いられる。接地具8は、導電性の把持部61,62とアース線Eとを備えるものであり、本例では板状の導電性の把持部61,62は、該模様の複数に跨る長さまたは幅を有する。
導電性の把持部61,62を、導電性インク3からなる模様(柄)の複数に跨る長さまたは幅を有するものとすることで、導電性の把持部61,62とフィルム1との接触面積が広くなり(前述のホック式のようにスポット状ではなくなり)、速やかな導通が図れると共に、経時で導電性の把持部61,62近傍の導電性インク3の一部が欠落したとしても導通させ続けることができるので、優れた帯電圧減衰性能(接地機能)を長期に亘り安定して維持できる。
【0014】
図2(A),(B)では、アース線Eを、フィルム1の裏面側(非印刷面側)に取り付けた導電性の把持部62に圧着端子などの留め具13により接続している例を示しているが、本発明はこれに限定されず、フィルム1の表面側(印刷面側)に取り付けた導電性の把持部61に接続することもできるし、図示は省略するが、留め具13を使用せず、導電性の把持部61,62に設けた孔にアース線Eを直接結び付けることもできる。
【0015】
導電性の把持部61,62の素材は、導通が図れるものであれば特に限定されず、例えば、ステンレス、鉄、ブリキ、銅、真鍮、アルミニウム、アルミニウム系合金、導電性プラスチックなどが挙げられ、中でも、重量や取扱性、入手の容易性などを考慮すると、ステンレスやアルミニウムを好適に用いることができる。
【0016】
導電性の把持部61,62のサイズや形状については、連続する模様の複数に跨る長さまたは幅を有するものであれば特に限定されないが、本例では、厚さ0.5〜2mm程度、長さ50〜1000mm程度、幅20〜50mm程度のステンレス製プレートを用いている。カーテンや間仕切り用のフィルムに取り付けることを考慮すると、サイズが大きすぎれば、重くなりフィルムに負担がかかる等の問題が生じ、一方、あまりに小さすぎると、強度や耐久性の面、あるいは好適な接地機能を確保するために多数個の取り付けが必要となるなどの面で好ましくない。
本発明では、このように板状としてもよく、後述する他の実施態様例に示すように、金属テープなどの厚さ0.05〜0.5μm程度、長さ50〜1200mm程度、幅2〜50mm程度の可撓性のある帯状(テープ状)や、針金や金属線などの直径が0.1〜3.0mm程度、長さ50〜1200mm程度の紐状(線状)とすることもできる。
【0017】
また、本発明では、カーテンや間仕切り用途における頻繁な開閉動作に対して、より外れにくくするために、板状、帯状、紐状の導電性の把持部で帯電防止フィルム1の表裏を挟み込んでなる構造が好ましい。
すなわち、図2(A),(B)に例示するように、異なるサイズの板状の導電性の把持部61,62同士で挟み込んでもよいし、同じサイズ(同じ形状)の板状の導電性の把持部同士で挟み込んでもよい。あるいは、帯状同士、紐状同士はもちろん、板状と紐状、帯状と紐状、板状と帯状など、異なる形状・サイズの組合せで挟み込むこともできる。また、図示は省略するが、一枚物の導電性の把持部を二つ折りにして帯電防止フィルムの端部を覆うように取り付けいてもよい。
【0018】
図2(A),(B)の実施態様例では、帯電防止フィルム1を、2枚の板状の導電性の把持部61,62で挟み込み、該導電性の把持部61,62と同素材または異素材の導電性材料製のネジ7を導電性の把持部61、フィルム1、導電性の把持部62に貫通させ、それらをねじ留め固定することで、導電性の把持部61,62を取り付けている。
本発明では、上記材料製ネジ7のような係止具にてフィルム1を貫通させつつ導電性の把持部61,62を取り付ける態様とすれば、中層にのみ導電性インクにより印刷が施された帯電防止フィルムや導電性インクをフィルム自体に練り込んだフィルムにおいても、この導電性係止具にて導通が図れ、十分なアースを取ることができる。
【0019】
本発明では、図3(A)に示すように、導電性の把持部のいずれか片方をおろし金のように目立てたり、片方の面に多数のピンcを設けるなどし、これらの目立てまたはピンcを係止具とすることもできる。この場合、図3(B)に示すように、目立てまたはピンcに対応する孔pをもう一方の導電性の把持部に設けておくこともできる。
図3(A),(B)の例では、例えば、図2に示す導電性の把持部61に目立てまたはピンcを設け、導電性の把持部62に孔pを設けておき、これら部材61,62で帯電防止フィルム1を挟み込むと同時に、導電性の把持部61の目立てやピンcがフィルム1を貫通して導電性の把持部62の孔pと嵌合する。このようにすることで、本発明の接地具の接地機能を高性能で確実に確保することができる。
なお、本例において、目立てやピンcがフィルム1を貫通し孔pに嵌合した後、貫通した先端をフィルム面側に折り曲げておくこともでき、これにより導電性の把持部61,62の固定・導通を一層確実にすることができる。
【0020】
図4に、本発明の接地具8の他の実施態様例を示す。
図4は、インクの非印刷面(裏面)側から見た図であり、孔pを有する板状の導電性の把持部63を、例えば針金などの紐状の導電性の把持部66を用いて帯電防止フィルム1に取り付けている。図4では、孔pは2つしか設けられていないが、孔pを3つ以上設けて、紐状の導電性の把持部66を波縫いする様に通し、把持部63をフィルム1に取り付けることもできる。また、紐状の導電性の把持部66を2本以上用いることで、導通性や脱落防止性を向上させることもできる。
本例のように、板状の導電性の把持部63と紐状の導電性の把持部66など、異なる形状同士で挟み込む場合には、フィルムへの接触面積が大きい導電性の把持部63をインク印刷面側に取り付けることが好ましい。
また、紐状や線状の導電性の把持部66を使用する場合、図示は省略するが、紐状や線状の導電性の把持部66にアース線Eを直接接続するようにすることもできる。
【0021】
本発明のさらに他の実施態様例として、市販のペーパーファスナー様の導電性の把持部6’(図5(A)に示すような折り曲げた脚14,14をコマ15,15でとめるもの)やスティックファスナー様の導電性の把持部6”(図5(B)に示すような脚14’,14’を折り曲げるだけのもの)を用いて、帯電防止フィルムの表裏を挟み込む態様であってもよく、このような態様のものであれば、取り付け・取り外しが容易で、軽量化も実現できる。
【0022】
図6は、図5(B)の応用例を示しており、図6に示す導電性の把持部64では、その脚14”を、帯電防止フィルム(非図示)に貫通させた後、折り曲げ、もう一度フィルム(非図示)に貫通させながら、その本体部に設けた孔pに挿入嵌合することで、該フィルムに取り付けることができる。
本例の導電性の把持部64のケースでは、折り曲げる脚14”がインク非印刷面側に配置されるように取り付けることが好ましい。
【0023】
図7に、板ばね様の導電性の把持部を用いた実施態様例を示す。
図7に示す導電性の把持部65は、板ばねの中間部分を円弧状の屈曲部91で折り曲げた構造のものであり、帯電防止フィルムを挟み込むように相互に対面する押しバネ片92と受けバネ片93とを有する。
【0024】
押しバネ片92は受けバネ片93側に突出するように湾曲し、その端部には係合部94が形成されている。一方、受けバネ片93は押しバネ片92側に突出するように湾曲し、その端部には係合部94を掛け止める係合受部95が形成されている。
【0025】
押しバネ片92には、その長手方向に沿う上下一対のスリット窓p’が形成されている。一方、受けバネ片93には、押しバネ片92の上下一対のスリット窓p’に突入可能な鋸歯状の導通歯c’が形成されている。
【0026】
この導電性の把持部65は、帯電防止フィルムに形成された一方の装着孔(非図示)から例えば押しバネ片92を挿通してその装着孔に屈曲部91を位置させ、帯電防止フィルムに形成された他方の装着孔(非図示)に受けバネ片93の係合受部95を挿通し、この状態で受けバネ片93の係合受部95に押しバネ片92の係合部94を掛け止めることで、帯電防止フィルムを挟み込む。
【0027】
押しバネ片92との間に帯電防止フィルムを挟み込んだ受けバネ片93は、その鋸歯状の導通歯c’が帯電防止フィルムに噛み込むことで、導電性インクに確実に導通する
【0028】
以上述べた例において、導電性の把持部に孔(スリット窓)を設けるケースでは、該孔(スリット窓)にハトメ(アイレット)を施しておくこともできる。
【0029】
上記帯電防止フィルム1は、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂を主体とすればよい。
それら主体とする樹脂の中では、優れた難燃性、帯電防止性、耐久性、導電性インクとの馴染み性などから、塩化ビニル系樹脂が好ましい。なお、この塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂の他、塩化ビニルと他のモノマーとの共重合樹脂、あるいはこれらの樹脂のブレンド物などを挙げることができる。
【0030】
このような主体とする樹脂、必要に応じ配合される添加剤を、混合・混練し、例えば、カレンダー法、押出法、インフレーション法などの公知手段によって、所望の厚さのフィルムが成形され、成形後のフィルムの表面、裏面(複数層からなる場合は、表面、裏面、中層)の少なくともいずれか1つに導電性インクが連続模様状に印刷されたものを用いればよい。
帯電防止フィルム1の厚みについては、0.1〜1mm程度が好ましい。0.1mm未満では、取扱い性や耐久性に劣る。また1mmを超えると、カーテンや間仕切り用途としては、嵩張り感があり、重量的にも使用しにくい。
【0031】
導電性インクについては、印刷後(塗布・乾燥後)の表面抵抗値が1×104〜1×106Ω程度になれば、どのようなものでも使用でき、色についても限定されないが、例えば、樹脂バインダーを含む有機溶剤中に、カーボンブラック、グラファイト、銀、酸化錫などの導電性材料を分散・混合させたものを用いればよい。
【0032】
このような導電性インクを、連続模様状に印刷する方法としては、グラビア法、スクリーン法などの一般的な塗装法を採用すればよい。
また、連続模様状とは、図2(A),図4に示すような亀甲模様の他には、連続の線状(波線なども含む)、格子状、網目状、幾何学的模様などの連続した模様が挙げられ、形状はもとより、インクの線の太さ、インクの線間隔などは特に限定されないが、本発明における導電性の把持部のサイズは、それら模様の複数に跨る長さまたは幅を有することが重要である。
本発明の接地具を用いた帯電防止フィルムの接地は、フィルムに発生した静電気が、模様の複数に跨る長さまたは幅を有する導電性の把持部を介してアース線へと確実かつ速やかに流れ、帯電圧減衰性能の安定が維持されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の帯電防止フィルム用の接地具は、頻繁な開閉動作に対しても接地機能を発現させる導電性の把持部が外れにくく、しかも優れた帯電圧減衰性能(接地機能)を長期に亘り安定して維持できるので、クリーンルーム内でのカーテンや間仕切り用途に最適なものである。
また、接地機能を発現させる位置を、例えばカーテンの上端(レール付近)のみならず、下端や真ん中など、如何なる場所でも自由に設定できるので、使用者のアース(基準電位点)の位置に合わせて好適に使用され得る。
さらに、帯電防止フィルム自体が劣化し廃棄処分する際には、本発明に係る接地具は、ホック式などに比べ、該フィルムからの取り外しが容易であり、新たな帯電防止フィルムに再び取り付ける(再利用する)ことも可能である。
【符号の説明】
【0034】
1,10 帯電防止フィルム
13 留め具
14,14’,14” 脚
15 コマ
20 クリップ
3,30 導電性インク
40 ホック(スナップボタン)
50 粘着剤付き金属テープ
61,62,63,6’,6”,64,65 導電性の把持部
66 紐状の導電性の把持部
7 ネジ
8 帯電防止フィルム用の接地具
91 屈曲部
92 押しバネ片
93 受けバネ片
94 係合部
95 係合受部
E アース線
c 目立て、またはピン
c’ 導通歯
p 孔
p’ スリット窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性インクが連続模様状に印刷された帯電防止フィルム用の接地具であって、
前記接地具は、導電性の把持部とアース線とを備えるものであり、該導電性の把持部は帯電防止フィルムに施された模様の複数に跨る長さまたは幅を有するものであることを特徴とする帯電防止フィルム用の接地具。
【請求項2】
前記導電性の把持部は、板状、帯状、紐状であり、前記帯電防止フィルムの表裏を挟むものであることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止フィルム用の接地具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−156049(P2012−156049A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15166(P2011−15166)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【Fターム(参考)】