説明

広告画面表示システム

【課題】記憶部を効率よく使用するとともに、広告画面の作成処理の負荷を軽減させる。
【解決手段】顧客識別情報に関連付けて広告画面情報を記憶する広告実施情報55と、自動取引装置2から顧客識別情報を受け、該顧客識別情報に基づいて広告実施情報55から抽出した広告画面情報を自動取引装置2に送信するWebサーバ3と、Webサーバ3により広告画面情報を自動取引装置2に送信して広告画面を表示した履歴情報を顧客識別情報と関連付けて記憶する広告表示履歴情報54と、広告画面を表示する顧客を限定する条件を記憶する広告表示対象者条件56と、広告表示対象者条件56に基づいて広告表示履歴情報54を検索して広告表示対象者条件56を満たす顧客識別情報を広告表示履歴情報54から抽出し、抽出した顧客識別情報に基づいて作成した広告画面情報のみを広告実施情報55に記憶させるDBサーバ5とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置の表示部に広告画面を表示する広告画面表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の広告画面表示システムは、金融機関等に設置される自動取引装置を利用する各顧客の氏名、口座番号、暗証番号、口座残高、取引履歴、家族状況、年収等の各情報を顧客情報として格納した顧客データベース、及び対象顧客に対する広告画面を格納した広告画面データベースを備え、顧客データベースに格納された顧客が保有するすべての口座に対して広告画面を作成し、広告画面データベースに格納するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−79713号公報(段落「0010」〜段落「0012」、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、顧客が保有するすべての口座に対して広告画面を作成し、広告画面データベースに格納するようにしているため、長期間にわたり利用されていない口座に対しても広告画面が作成され、ディスク等の記憶部の容量が不足してしまうとともに、広告画面の作成処理に負荷がかかってしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、記憶部を効率よく使用するとともに、広告画面の作成処理の負荷を軽減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、顧客が操作する自動取引装置に広告画面を表示する広告画面表示システムにおいて、顧客識別情報に関連付けて広告画面情報を記憶する広告実施情報記憶手段と、自動取引装置から顧客識別情報を受け、該顧客識別情報に基づいて前記広告実施情報記憶手段から抽出した前記広告画面情報を前記自動取引装置に送信する送信手段と、前記送信手段により前記広告画面情報を前記自動取引装置に送信して広告画面を表示した履歴情報を前記顧客識別情報と関連付けて記憶する履歴情報記憶手段と、広告画面を表示する顧客を限定する条件を記憶する条件情報記憶手段と、前記条件に基づいて前記履歴情報記憶手段を検索して前記条件を満たす顧客識別情報を前記履歴情報記憶手段から抽出し、抽出した前記顧客識別情報に基づいて作成した広告画面情報のみを前記広告実施情報記憶手段に記憶させる広告実施情報作成手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、記憶部を効率よく使用するとともに、広告画面の作成処理の負荷を軽減させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例における広告画面表示システムの構成を示すブロック図
【図2】実施例における自動取引装置の構成を示すブロック図
【図3】実施例における広告情報の構成を示すブロック図
【図4】実施例における顧客情報の構成を示すブロック図
【図5】実施例における対象顧客情報の構成を示すブロック図
【図6】実施例における広告表示履歴情報の構成を示すブロック図
【図7】実施例における広告実施情報の構成を示すブロック図
【図8】実施例における広告表示処理を示すフローチャート
【図9】実施例における広告実施情報作成処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による広告画面表示システムの実施例を説明する。
【実施例】
【0009】
図1は実施例における広告画面表示システムの構成を示すブロック図である。
図1において、1は顧客が操作する自動取引装置に広告画面を表示する広告画面表示システムであり、2は金融機関の営業店等に設置された現金自動預払機等の自動取引装置、3は広告センタ等に設置されたWebサーバ(Channel Navigator−Webサーバ)、4は広告情報を登録するためのパーソナルコンピュータ等の登録用端末、5は広告センタ等に設置されたDBサーバ(Channel Navigator DateBaseサーバ)である。
【0010】
自動取引装置2とWebサーバ3とは、公衆回線等の通信回線6を介して相互に接続されており、またWebサーバ3は、登録用端末4およびDBサーバ5と専用線等の通信回線を介して接続されている。
自動取引装置2は、銀行等の金融機関の店舗またはコンビニエンスストア等の店舗や空港、駅等に設置されるものである。この自動取引装置2は顧客の操作を受付け、通信回線6を介して通信可能に接続された図示しない上位装置から取引の許可を受信して現金引出しや現金入金、キャッシング等の取引を行うものである。なお、自動取引装置2の詳細は後述する。
【0011】
Web(配信)サーバ3は、自動取引装置2から顧客識別情報を受け、その顧客識別情報に基づいて後述する広告実施情報55から抽出した広告画面情報を自動取引装置2に送信する送信手段として、自動取引装置2を操作する顧客に対して提供する広告画面情報をDBサーバ5から抽出し、自動取引装置2へ配信する。また、Webサーバ3は、登録用端末4から顧客に対して提供する広告に関する情報や条件を受信し、その情報や条件に基づいてDBサーバ5に格納される各種情報の作成や更新を行う。
【0012】
登録用端末4は、キーボードやマウス等の入力手段、ディスプレイ等の表示手段、メモリやディスク等の記憶手段等を備えたパーソナルコンピュータ等であり、オペレータの操作により、顧客に対して提供する広告に関する情報や条件を入力手段や記憶手段から入力し、Webサーバ3へ送信する。
【0013】
DBサーバ5は、データベースとして広告情報51、顧客情報52、対象顧客情報53、Webサーバ3により広告画面情報を自動取引装置2に送信して広告画面を表示した履歴情報を顧客識別情報と関連付けて記憶する履歴情報記憶手段としての広告表示履歴情報54、顧客識別情報に関連付けて広告画面情報を記憶する広告実施情報記憶手段としての広告実施情報55、および広告画面を表示する顧客を限定する条件を記憶する条件情報記憶手段としての広告表示対象者条件情報56を備えている。
【0014】
ここで、広告表示対象者条件情報56に記憶する条件は、顧客に広告を提供するか否かを判定するための広告表示対象者条件である。また、広告情報51、顧客情報52、対象顧客情報53、広告表示履歴情報54、および広告実施情報55の詳細は後述する。
さらに、DBサーバ5は、広告表示対象者条件に基づいて履歴情報記憶手段を検索して広告表示対象者条件を満たす顧客識別情報を履歴情報記憶手段から抽出し、抽出した顧客識別情報に基づいて作成した広告画面情報のみを広告実施情報記憶手段に記憶させる広告実施情報作成手段としての機能を有する。
【0015】
なお、Webサーバ3、登録用端末4およびDBサーバ5は、CPU(Central Processing Unit)等の制御手段、メモリやディスク等の記憶手段を備え、記憶手段に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御手段により装置全体の動作が制御される。また、Webサーバ3は、時計機能およびカレンダー機能を有する計時手段を備えている。
【0016】
図2は実施例における自動取引装置の構成を示すブロック図である。
図2において、21は顧客操作表示部であり、タッチパネル等の操作部および液晶ディスプレイ等の表示部で構成されたものである。この顧客操作表示部21はCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示部上にタッチパネルを配置し顧客が行う入力操作等を検知するものであり、また、取引選択画面、顧客が選択した取引に対して顧客の入力操作等の誘導を行う画面および入力された情報等を表示するものである。
また、顧客操作表示部21で検知した入力操作等は後述する制御部に信号を出力して通知する。
【0017】
22はカード部であり、カード読取り書込み機構およびカード搬送機構等を備えたものである。このカード部22は、ICカードリードライト機構および磁気カードリードライト機構等で構成され、顧客の操作によりカード挿入返却口に挿入されたカードのICチップまたは磁気ストライプに記録された情報を読取り、また任意の情報を記録することができるようになっている。
さらに、このカード挿入返却口にはカードの挿入を検知する機構およびカードの受取りを検知する機構が設けられ、情報の読取りまたは書込みが終了したカードはカード挿入返却口から排出して顧客に返却することができるようになっている。
【0018】
また、カード部22は明細票搬送機構および明細票印字機構を備え、顧客の操作により行なった取引内容等を明細票印字機構で明細票に印刷し、その明細票を明細票搬送機構で明細票排出口から排出して顧客に発行することができるようになっている。
なお、カードのICチップまたは磁気ストライプには口座番号等の顧客が有する口座を識別するための口座情報が記録されているものとする。
【0019】
23は入出金部であり、紙幣入出金機および硬貨入出金機で構成されたものである。この入出金部23は現金引出し取引や現金入金取引に伴う紙幣や硬貨の入出金処理を行う。ここで、入金処理とは顧客が入出金口に入れた紙幣を紙幣入出金機で計数して金庫に収納し、入出金口に入れた硬貨を硬貨入出金機で計数して金庫に収納することである。また、出金処理とは顧客の操作により指定した金額に相当する紙幣および硬貨をそれぞれ紙幣入出金機および硬貨入出金機の金庫から繰り出して計数し入出金口に搬送して顧客に払い出すことである。
【0020】
この入出金口には挿入された紙幣ならびに硬貨を検知する機構および搬送された紙幣ならびに硬貨の受取りを検知する機構が設けられている。
なお、入出金部23は紙幣入出金機および硬貨入出金機で構成されたものに限られることなく、紙幣入出金機のみで構成されたものであってもよい。
【0021】
24は記憶部であり、半導体メモリや磁気ディスク等で構成され情報を記憶し、その記憶した情報を読取ることができるものである。この記憶部24には自動取引装置2全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)、顧客操作表示部21に表示する画面データおよび顧客が行う取引に必要な情報等を記憶する。
【0022】
25は制御部であり、CPU等の演算および制御手段等で構成されたものである。この制御部25は顧客操作表示部21、カード部22、入出金部23、記憶部24、およびWebサーバ3や上位装置等との間の通信の制御を行う図示しない通信部を含めて自動取引装置2全体の動作を記憶部24に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御する。なお、制御部25は日時や時刻等を計測する手段であるカレンダーおよび時計機能等も有している。
このように、自動取引装置2は、顧客操作表示部21、カード部22、入出金部23、記憶部24および制御部25を備えている。
【0023】
次に、図1に示すDBサーバ5が記憶する広告情報51、顧客情報52、対象顧客情報53、広告表示履歴情報54、および広告実施情報55の構成を図3の実施例における広告情報の構成を示すブロック図、図4の実施例における顧客情報の構成を示すブロック図、図5の実施例における対象顧客情報の構成を示すブロック図、図6は実施例における広告表示履歴情報の構成を示すブロック図、図7の実施例における広告実施情報の構成を示すブロック図に基づいて説明する。
【0024】
図3において、広告情報51は、登録されている広告の情報であり、例えば広告ID(IDentification)511、ファイル種別512、レイアウト種別513およびファイルパス514等で構成されている。
広告ID511は、登録されている広告の情報を識別するための広告識別情報であり、この広告ID511に関連付けられてファイル種別512、レイアウト種別513およびファイルパス514等が記憶されている。
【0025】
ファイル種別512は、当該広告の画像情報を記録したファイルの形式を表し、例えばファイルの形式がGIF(Graphics Interchange Format)形式の場合は「GIF」、JPEG(Joint Photographic Expert Group)形式の場合は「JPG」と表すものとする。
レイアウト種別513は、当該広告の画像情報を表示する画面上の位置や大きさの情報である。
ファイルパス514は、当該広告の画像情報が記録されたファイルの所在を表す情報である。
【0026】
図4において、顧客情報52は、本広告画面表示システム、すなわち自動取引装置を利用する顧客に関する情報および当該顧客が保有する口座に関する情報であり、顧客ID(IDentification)521、氏名522、住所523および口座番号524等で構成されている。
顧客ID521は、顧客を識別するための顧客識別情報であり、この顧客ID521に関連付けられて氏名522、住所523および口座番号524等が記憶されている。
氏名522は、当該顧客の氏名であり、住所523は、当該顧客の住所である。また、口座番号524は、当該顧客が金融機関等に開設した口座を識別するための口座識別情報である。
【0027】
なお、顧客IDは顧客を識別するための顧客識別情報、口座番号は顧客が金融機関等に開設した口座を識別するための口座識別情報であり、一人の顧客が複数の口座を保有している場合、ひとつの顧客IDに対して複数の口座番号が対応付けられることはあるが、一つの口座番号に複数の顧客IDが対応付けられることはないため、顧客IDと口座番号は、どちらも顧客を識別するための顧客識別情報である。したがって、本実施例において、顧客識別情報は、顧客IDおよび口座番号のいずれかひとつを含むものである。
【0028】
図5において、対象顧客情報53は、図3に示す広告ID511を図4に示す顧客情報52の任意の条件で抽出し、抽出した広告IDと顧客IDとを関連付けて記憶する情報であり、広告ID531および顧客ID532等で構成されている。
広告ID531は、図3に示す広告ID511と同じものであり、顧客ID532は、図4に示す顧客ID521と同じものである。
この対象顧客情報53は、顧客IDに基づいて顧客ID532を検索し、一致した顧客ID532に関連付けられた広告ID511を抽出することができるようになっており、それにより、顧客に提供する広告情報を事前に登録することができるようになっている。
【0029】
図6において、広告表示履歴情報54は、顧客が操作する自動取引装置の顧客操作表示部に広告を表示した際に記録した履歴情報であり、広告ID541、顧客ID542、口座番号543および広告表示日時544等により構成されている。
広告ID541は、図3に示す広告ID511および図5に示す広告ID531と同じものであり、顧客ID542は、図4に示す顧客ID521および図5に示す顧客ID532と同じものであり、また口座番号543は図4に示す口座番号524と同じものである。
【0030】
広告表示日時544は、自動取引装置の顧客操作表示部に広告を表示した日時であり、広告を表示した年月日時分等を履歴情報として記憶するものである。
この広告表示履歴情報54は、広告表示日時544に関連付けて自動取引装置の顧客操作表示部に表示した広告の履歴情報として広告ID541、顧客ID542、および口座番号543を記憶する。
【0031】
図7において、広告実施情報55は、自動取引装置を操作する顧客に対して提供する広告に関する情報を記憶するものであり、広告ID551、顧客ID552、口座番号553、氏名554、および住所555等により構成されている。
広告ID551は、図3に示す広告ID511、図5に示す広告ID531および図6に示す広告ID541と同じものであり、顧客ID552は、図4に示す顧客ID521、図5に示す顧客ID532および図6に示す顧客ID542と同じものであり、また口座番号553は図4に示す口座番号524および図6に示す口座番号543と同じものである。
【0032】
氏名554は、図4に示す氏名522と同じものであり、住所555は、図4に示す住所523と同じものである。
広告情報51および対象顧客情報53は、図1に示す登録用端末4のキーボードやマウス等の操作手段またはファイル等が記憶された記憶手段から入力され、Webサーバ3を介してDBサーバ5により作成される。
また、顧客情報52は、図示しない情報系のホストコンピュータやサーバ等により作成され、広告表示履歴情報54は、図1に示すWebサーバ3が広告ID541等に対応した広告画面情報を自動取引装置2へ配信したときに、Webサーバ3により履歴情報として作成される。
【0033】
さらに、広告実施情報55は、図1に示す登録用端末4から入力された条件を、Webサーバ3を介して受信したDBサーバ5により、その条件にしたがって作成される。このとき、DBサーバ5は、受信した条件に基づいて広告表示履歴情報54を検索して広告を提供する顧客IDを抽出し、抽出した顧客IDに関連付けられた広告ID、口座番号、氏名、住所等を顧客情報52および対象顧客情報53から抽出して作成する。
【0034】
上述した構成の作用について説明する。
まず、自動取引装置の顧客操作表示部に広告画面を表示する処理を図8の実施例における広告表示処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。
【0035】
S1:自動取引装置2は、顧客の操作により挿入されたカードからカードの記録されたカード情報として口座情報を読み取る。
S2:口座情報を読み取った自動取引装置2は、読取った口座情報とともに、当該顧客に提供する広告画面を要求する情報をWebサーバ3に送信する。
【0036】
S3:口座情報とともに当該顧客に提供する広告画面を要求する情報を受信したWebサーバ3は、受信した口座情報としての口座番号に基づいて図7に示す広告実施情報55の口座番号553を検索する指示をDBサーバ5へ送信する。
S4:DBサーバ5は、当該口座番号に基づいて図7に示す広告実施情報55の口座番号553を検索する。
【0037】
S5:DBサーバ5は、当該口座番号と一致する口座番号が広告実施情報55に存在するか否かを判定し、存在しないと判定すると処理をS6へ移行し、存在すると判定すると処理をS9へ移行する。
S6:当該口座番号と一致する口座番号が広告実施情報55に存在しないと判定したDBサーバ5は、当該口座番号が広告実施情報55に存在しない旨、すなわち当該顧客に提供する広告画面が存在しない旨を示す「該当なし」の情報をWebサーバ3へ返送する。
【0038】
S7:DBサーバ5から「該当なし」の情報を受信したWebサーバ3は、当該顧客に提供する広告画面が存在しない旨を示す「該当なし」の情報を自動取引装置2へ返送する。
S8:Webサーバ3から当該顧客に提供する広告画面が存在しない旨を示す「該当なし」の情報を受信した自動取引装置2は、顧客操作表示部に広告画面を表示することなく通常の取引画面を表示する。
【0039】
S9:一方、S5において、当該口座番号と一致する口座番号が広告実施情報55に存在すると判定したDBサーバ5は、当該口座番号に関連付けられて広告実施情報55に記憶された広告ID551を抽出し、抽出した広告IDに基づいてさらに広告情報51を検索して図3に示すファイル種別512、レイアウト種別513およびファイルパス514等を抽出し、それらを広告実施情報としてWebサーバ3へ返送する。
S10:Webサーバ3は、受信した広告実施情報に基づいて当該顧客に提供するコンテンツとしての広告画面を作成し、その広告画面の所在を示すURL(Uniform Resource Locator)を自動取引装置2へ返送する。
【0040】
S11:自動取引装置2は、受信したURLに基づいてWebサーバ3にアクセスし、当該顧客へ提供する広告等で構成された広告画面を顧客操作表示部に表示する。
このようにして広告画面表示システムは、自動取引装置の顧客操作表示部に広告画面を表示する処理を行う。
【0041】
次に、広告実施情報の作成処理を図9の実施例における広告実施情報作成処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。
S21:登録用端末4は、オペレータの操作により入力された、広告を提供する対象としての顧客ID、当該顧客に提供する広告を示す広告ID、および当該顧客に広告を提供するか否かを判定するための広告表示対象者条件等からなる広告登録情報をWebサーバ3へ送信する。
【0042】
S22:Webサーバ3は、受信した広告登録情報をデータベースに登録するためDBサーバ5へ送信する。
S23:DBサーバ5は、受信した広告登録情報の広告IDおよび顧客IDを図5に示す対象顧客情報53の広告ID531および顧客ID532に記憶させ、また受信した広告表示対象者条件を広告表示対象者条件情報56に記憶させて登録する。
【0043】
S24:Webサーバ3は、予め記憶手段に記憶された所定の時刻に実行する夜間バッチ処理等により、DBサーバ5に広告実施情報55を更新する指示を送信する。
S25:広告実施情報55を更新する指示を受信したDBサーバ5は、広告表示対象者条件情報56に記憶されている広告表示対象者条件を満たす口座番号および顧客ID(図6に示す口座番号543および顧客ID542)を広告表示履歴情報54から抽出する。
【0044】
ここで、広告表示対象者条件は、例えば「広告表示日時が3ヶ月以内」、すなわち現時点から3ヶ月以内に自動取引装置2で広告を表示した顧客および口座、「同一口座で広告表示回数が多い口座上位100口座」等である。
S26:DBサーバ5は、抽出した顧客IDに基づいて対象顧客情報53の顧客IDを検索し、合致する顧客IDを抽出する。
【0045】
S27:DBサーバ5は、S16において抽出した顧客IDに基づいて対象顧客情報53から広告IDを抽出し、またその顧客IDに基づいて顧客情報52の顧客IDを検索して合致する顧客IDの口座番号、氏名、住所等を抽出し、図7に示す広告ID551、顧客ID552、口座番号553、氏名554、および住所555等からなる広告実施情報55を作成、更新する。
【0046】
ここで、広告表示対象者条件を満たす広告表示履歴情報54に記憶された口座番号および顧客IDに対しては広告実施情報55が作成、更新されるが、広告表示対象者条件を満たさない広告表示履歴情報54に記憶された口座番号および顧客IDに対しては広告実施情報55が作成、更新されることはない。
【0047】
これにより、自動取引装置2の表示される可能性が高い顧客に対する広告実施情報55の作成、更新を行い、自動取引装置2の表示される可能性が低い顧客に対する広告実施情報55の作成、更新を行うことを抑制する。
このようにして広告画面表示システム1は、広告実施情報55の作成処理を行う。
【0048】
なお、本実施例において、広告表示対象者条件は、例えば「広告表示日時が3ヶ月以内」、「同一口座で広告表示回数が多い口座上位100口座」等として説明したが、これらに限られることなく、広告表示履歴情報54に基づいて顧客に広告を提供するか否かを判定するための条件であれば、「広告表示日時が1月から3月」等の条件であっても良い。
【0049】
このように広告画面表示システム1は、広告実施情報55を作成する際に、広告を提供する顧客IDを過去の広告表示履歴情報54から広告表示対象者条件を満たす顧客IDに絞り込むことにより、自動取引装置2の表示される可能性が低い顧客に対する広告実施情報55の作成を抑制することができ、DBサーバ5の記憶部の使用容量を削減して記憶部を効率よく使用することができ、また広告画面の作成処理の負荷を軽減させることができる。
【0050】
以上説明したように、本実施例では、広告実施情報を作成する際に、広告を提供する顧客IDを過去の広告表示履歴情報から広告表示対象者条件を満たす顧客IDに絞り込むことにより、記憶部を効率よく使用するとともに、広告画面の作成処理の負荷を軽減させることができるという効果が得られる。
なお、本実施例では、WebサーバとDBサーバとを別個の装置として説明したが、これに限られることなく、WebサーバとDBサーバとを1つのサーバ(装置)で構成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0051】
1 広告画面表示システム
2 自動取引装置
3 Webサーバ
4 登録用端末
5 DBサーバ
6 通信回線
21 顧客操作表示部
22 カード部
23 入出金部
24 記憶部
25 制御部
51 広告情報
52 顧客情報
53 対象顧客情報
54 広告表示履歴情報
55 広告実施情報
56 広告表示対象者条件情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が操作する自動取引装置に広告画面を表示する広告画面表示システムにおいて、
顧客識別情報に関連付けて広告画面情報を記憶する広告実施情報記憶手段と、
自動取引装置から顧客識別情報を受け、該顧客識別情報に基づいて前記広告実施情報記憶手段から抽出した前記広告画面情報を前記自動取引装置に送信する送信手段と、
前記送信手段により前記広告画面情報を前記自動取引装置に送信して広告画面を表示した履歴情報を前記顧客識別情報と関連付けて記憶する履歴情報記憶手段と、
広告画面を表示する顧客を限定する条件を記憶する条件情報記憶手段と、
前記条件に基づいて前記履歴情報記憶手段を検索して前記条件を満たす顧客識別情報を前記履歴情報記憶手段から抽出し、抽出した前記顧客識別情報に基づいて作成した広告画面情報のみを前記広告実施情報記憶手段に記憶させる広告実施情報作成手段とを備えたことを特徴とする広告画面表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の広告画面表示システムにおいて、
前記履歴情報記憶手段は、広告画面表示日時を前記顧客識別情報と関連付けた前記履歴情報を記憶し、
前記条件情報記憶手段は、前記広告画面表示日時および前記顧客識別情報から広告画面を表示する顧客を限定する条件を記憶することを特徴とする広告画面表示システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の広告画面表示システムにおいて、
前記顧客識別情報は、顧客IDおよび口座番号のいずれかひとつを含むことを特徴とする広告画面表示システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の広告画面表示システムにおいて、
前記送信手段を、前記自動取引装置と通信回線で接続されたWebサーバに備え、
前記広告実施情報記憶手段、前記履歴情報記憶手段、前記条件情報記憶手段および前記広告実施情報作成手段を、前記Webサーバと通信回線で接続されたデータベースサーバに備え、
前記条件情報記憶手段に記憶される条件は、前記Webサーバと通信回線で接続された登録用端末により入力されることを特徴とする広告画面表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−114423(P2013−114423A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259556(P2011−259556)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】