説明

広帯域映像信号送信装置及び広帯域映像信号受信装置

【課題】本発明は、簡易な構成で広帯域映像信号を放送機器間で伝送する広帯域映像信号送信装置及び広帯域映像信号受信装置を提供する。
【解決手段】広帯域映像信号送受信システム101は、超高精細カメラ2と、収録・再生装置3と、超高精細ディスプレイ4と、光伝送路5と、マッピング情報に基づいて、HDTV信号をチャンネル数の少ない多重化信号に多重化し、この多重化信号を光変換して送信する広帯域映像信号送信装置10と、広帯域映像信号送信装置10から受信した光信号を多重化信号に電気変換し、マッピング情報に基づいて、この多重化信号をHDTV信号に復元化する復元化する2台の広帯域映像信号受信装置20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮していないHDTV信号で構成される広帯域映像信号を、放送機器間で伝送する広帯域映像信号送信装置及び広帯域映像信号受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現行のHDTV(High Definition TeleVision)放送設備において、非圧縮映像信号の伝送には、例えば、HD−SDI(High Definition Serial Digital Interface)と呼ばれるシリアル伝送方式が採用されている。このHD−SDI方式は、伝送速度が約1.5Gbpsで、75オームの同軸ケーブルを用いて、100m程度の伝送が可能である。現行の放送設備では、1本のケーブルで放送機器間を接続し、HD−SDI方式を用いて、この放送機器間で映像信号の伝送を行っている。
【0003】
近年、デジタルシネマ、スーパーハイビジョン等の超高精細映像を撮影可能な超高精細カメラ、及び、スローモーション撮影が可能な超高速カメラが登場している。これらのカメラは、映像信号の伝送速度が、HDTVの数倍から、高速なものでは数十倍までに達している。このような高速な映像信号を従来の同軸ケーブルを用いて伝送する場合、ケーブル1本当たりの伝送容量を大きくする必要がある。
【0004】
このため、HD−SDI方式の伝送速度を上回る伝送方式として、例えば、伝送速度が3GbpsであるSDI(3G−SDI)、伝送速度が10.2GbpsのHDMI(High Definition Multimedia Interface)等の規格が提案されており、ケーブル1本当たりの伝送速度は向上しつつある。
【0005】
また、大容量の映像信号を効率的に伝送する手段として、n(nは2以上の整数)チャンネルの映像信号を10Gbps以下の映像信号に多重化する方式も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方式で多重化した映像信号を光信号に変換すれば、光波長多重化器と組み合わせることで、大容量の映像信号を1本の光ファイバで伝送することができる。
【特許文献1】特開2005−328494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記した従来技術では、スーパーハイビジョン方式等、映像信号のさらなる大容量化に対応するために、装置が大規模化するという問題がある。例えば、スーパーハイビジョン方式の湯合、画素数がハイビジョンの16倍に相当する、縦4320画素×横7680画素、フレーム周波数が60フレーム順次走査である。これを単純に現行のハイビジョン方式と比較すると32倍の帯域が必要となる。つまり、ケーブル1本当たりの伝送速度が1.5Gbpsの場合、32本の同軸ケーブルが必要になるが、全ての放送機器間をこの本数の同軸ケーブルで接続することは運用上現実的ではない。また、映像信号のビット数を12ビット(現行は10ビット)に拡張した場合、又は、色差信号を圧縮せずにRGB4:4:4伝送を行う場合、さらに広い帯域が必要になり、放送機器の大規模化が顕著となる。
【0007】
また、前記した3G−SDIでは、スーパーハイビジョン方式の場合、16本の同軸ケーブルの接続が必要となり、これも運用上現実的でない。また、前記したHDMIでは、伝送可能な距離が10m程度であるため、ある程度の距離を伝送する必要がある放送機器間の接続には不向きである。
【0008】
また、特許文献1に記載の発明では、10Gbps以上の非常に高速な電気信号を取り扱うために、特別なハードウェアが必要になり、装置が大規模化してしまう。さらに、特許文献1に記載の発明では、光波長多重化器と組み合わせた場合、装置のさらなる大規模化を招き、全ての放送機器に対応することは難しい。
【0009】
そこで、本発明は、簡易な構成で広帯域映像信号を放送機器間で伝送できる広帯域映像信号送信装置及び広帯域映像信号受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した課題を解決するため、請求項1に係る広帯域映像信号送信装置は、所定のチャンネル数のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を多重化した多重化信号を、HDTV信号のチャンネル数より少ない本数の光伝送路を介して、広帯域映像信号受信装置に送信する広帯域映像信号送信装置であって、入力手段と、多重化手段と、8ビット/10ビット符号化手段と、パラレル−シリアル変換手段と、電気−光変換手段と、を備える構成とした。
【0011】
かかる構成によれば、広帯域映像信号送信装置は、入力手段によって、電気信号であるHDTV信号を入力し、HDTV信号がシリアル信号のときはHDTV信号をパラレル信号に変換する。また、広帯域映像信号送信装置は、多重化手段によって、HDTV信号のビット位置と多重化信号のビット位置との対応関係を予め設定したマッピング情報に基づいて、入力手段が入力したHDTV信号を、光伝送路の本数と同数のチャンネルの多重化信号に多重化する。つまり、広帯域映像信号送信装置は、多重化手段によって、HDTV信号のチャンネル数を光伝送路の本数まで減らすように、HDTV信号を多重化信号に多重化する。
【0012】
また、広帯域映像信号送信装置は、8ビット/10ビット符号化手段によって、多重化手段が多重化した多重化信号を、8ビット/10ビット符号化する。そして、広帯域映像信号送信装置は、パラレル−シリアル変換手段によって、8ビット/10ビット符号化手段が符号化した多重化信号を、シリアル信号に変換する。さらに、広帯域映像信号送信装置は、電気−光変換手段によって、パラレル−シリアル変換手段がシリアル信号に変換した多重化信号を、光信号に変換する。
【0013】
また、請求項2に係る広帯域映像信号送信装置は、前記入力手段が、チャンネル数が4の倍数である前記HDTV信号を入力し、前記多重化手段が、前記マッピング情報に基づいて、前記HDTV信号を4チャンネル単位でグループ化すると共に、前記グループ毎に、当該グループに含まれる4チャンネルの前記HDTV信号を3チャンネル以下の前記多重化信号に多重化することを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、広帯域映像信号送信装置は、多重化手段によって、4チャンネル単位のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を、3チャンネル単位又はこれ未満の単位で多重化信号に多重化する。
【0015】
また、請求項3に係る広帯域映像信号送信装置は、前記入力手段が、ビット幅が12ビット以下である前記HDTV信号を入力し、前記多重化手段が、前記マッピング情報に基づいて、前記グループ毎に、4チャンネル全ての前記HDTV信号を上位8ビットと下位4ビットとに分割し、当該グループに含まれる4チャンネルの前記HDTV信号を、互いに異なるチャンネルの前記HDTV信号の前記上位8ビットを2個連結して2チャンネルの前記多重化信号に多重化すると共に、4チャンネル全ての前記HDTV信号の前記下位4ビットを4個連結して1チャンネルの前記多重化信号に多重化することを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、広帯域映像信号送信装置は、多重化手段によって、ビット幅が12ビット以下のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を、多重化信号に多重化する。
【0017】
また、請求項4に係る広帯域映像信号送信装置は、前記多重化手段が、ビット幅が12ビット以下、かつ、周波数が148.5MHz又は148.5/1.001MHzのパラレル信号を入力し、前記パラレル−シリアル変換手段が、前記多重化信号を、周波数が2.97GHz又は2.97/1.001GHzのシリアル信号に変換して出力することを特徴とする。
【0018】
また、請求項5に係る広帯域映像信号送信装置は、前記入力手段又は前記多重化手段が、前記HDTV信号のビット幅が12ビット未満の場合、12ビットと前記ビット幅との差である不足ビット数分の付加ビットを前記HDTV信号に付加することを特徴とする。
【0019】
かかる構成によれば、広帯域映像信号送信装置は、前記入力手段又は前記多重化手段によって、ビット幅が12ビット未満のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を、多重化信号に多重化する。この広帯域映像信号としては、例えば、輝度信号及び色差信号のビット幅がそれぞれ10ビットとなるHD−SDI信号で構成されるものがある。つまり、広帯域映像信号送信装置は、例えば、HD−SDI信号を多重化する。
【0020】
また、請求項6に係る広帯域映像信号送信装置は、前記入力手段が、ビット幅が8ビットである前記HDTV信号を入力し、前記多重化手段が、前記マッピング情報に基づいて、前記グループ毎に、当該グループに含まれる4チャンネルの前記HDTV信号を、互いに異なるチャンネルの前記HDTV信号を2個連結して2チャンネルの前記多重化信号に多重化することを特徴とする。
【0021】
かかる構成によれば、広帯域映像信号送信装置は、多重化手段によって、ビット幅が8ビットのHDTV信号で構成される広帯域映像信号を、2チャンネルの多重化信号に多重化する。この広帯域映像信号としては、例えば、液晶ディスプレイ等の8ビット階調に対応した広帯域映像信号がある。
【0022】
また、請求項7に係る広帯域映像信号送信装置は、前記多重化手段が多重化した多重化信号をスクランブルするスクランブラを、さらに備えることを特徴とする。
【0023】
かかる構成によれば、広帯域映像信号送信装置は、スクランブラによって、多重化信号を擬似ランダム信号にスクランブルする。これによって、広帯域映像信号送信装置は、光信号において「0」及び「1」といったシンボルが平衡化する。
【0024】
また、前記した課題を解決するため、請求項8に係る広帯域映像信号受信装置は、所定のチャンネル数のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を多重化した多重化信号を、HDTV信号のチャンネル数より少ない本数の光伝送路を介して、広帯域映像信号送信装置から受信する広帯域映像信号受信装置であって、光−電気変換手段と、シリアル−パラレル変換手段と、8ビット/10ビット復号化手段と、復元化手段と、出力手段と、を備える構成とした。
【0025】
かかる構成によれば、広帯域映像信号受信装置は、光−電気変換手段によって、光信号を受信すると共に、光信号を電気信号としての多重化信号に変換する。また、広帯域映像信号受信装置は、シリアル−パラレル変換手段によって、光−電気変換手段が電気信号に変換した多重化信号を、パラレル信号に変換する。さらに、広帯域映像信号受信装置は、8ビット/10ビット復号化手段によって、シリアル−パラレル変換手段がパラレル信号に変換した多重化信号を、8ビット/10ビット復号化する。
【0026】
また、広帯域映像信号受信装置は、復元化手段によって、HDTV信号のビット位置と多重化信号のビット位置との対応関係を予め設定したマッピング情報に基づいて、8ビット/10ビット復号化手段が復号化した光伝送路の本数と同数のチャンネルの多重化信号を、所定のチャンネル数のHDTV信号に復元化する。つまり、広帯域映像信号受信装置は、復元化手段によって、光伝送路の本数をHDTV信号のチャンネル数まで増やすように、多重化信号からHDTV信号を復元化する。また、広帯域映像信号受信装置は、出力手段によって、復元化手段が復元化したHDTV信号を出力する。
【0027】
また、請求項9に係る広帯域映像信号受信装置は、前記光−電気変換手段が、前記チャンネル数が3以下の倍数である前記光信号を受信し、前記復元化手段が、前記マッピング情報に基づいて、前記多重化信号を3チャンネル以下の単位でグループ化し、前記グループ毎に、当該グループに含まれる3チャンネル以下の前記多重化信号を4チャンネルの前記HDTV信号に復元化することを特徴とする。
【0028】
かかる構成によれば、広帯域映像信号受信装置は、復元化手段によって、3チャンネル単位又はこれ未満の単位の多重化信号を、4チャンネル単位のHDTV信号で構成される広帯域映像信号に復元化する。
【0029】
また、請求項10に係る広帯域映像信号受信装置は、前記光−電気変換手段が、ビット幅が16ビットである前記光信号を受信し、前記復元化手段が、前記マッピング情報に基づいて、前記グループ毎に、当該グループに含まれる2チャンネルの前記多重化信号のそれぞれを前記HDTV信号の上位8ビットに4個分割し、当該グループに含まれる1チャンネルの前記多重化信号を前記HDTV信号の下位4ビットに4個分割すると共に、当該グループに含まれる3チャンネルの前記多重化信号を、同一チャンネルとして対応する前記HDTV信号の上位8ビットと前記HDTV信号の下位4ビットとを連結して4チャンネルの前記HDTV信号に復元化することを特徴とする。
【0030】
かかる構成によれば、広帯域映像信号受信装置は、復元化手段によって、多重化信号から、ビット幅が12ビット以下のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を復元化する。
【0031】
また、請求項11に係る広帯域映像信号受信装置は、前記シリアル−パラレル変換手段が、周波数が2.97GHz又は2.97/1.001GHzのシリアル信号を入力し、前記復元化手段が、前記多重化信号を、ビット幅が12ビット以下、かつ、周波数が148.5MHz又は148.5/1.001MHzのパラレル信号に復元化して出力することを特徴とする。
【0032】
また、請求項12に係る広帯域映像信号受信装置は、前記復元化手段又は前記出力手段が、前記HDTV信号のビット幅が12ビット未満の場合、12ビットと前記ビット幅との差である不足ビット数分の付加ビットを前記多重化信号から除去することを特徴とする。
【0033】
かかる構成によれば、広帯域映像信号受信装置は、前記復元化手段又は前記出力手段によって、多重化信号から、ビット幅が12ビット未満のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を復元化できる。この広帯域映像信号としては、例えば、輝度信号及び色差信号のビット幅がそれぞれ10ビットとなるHD−SDI信号で構成されるものがある。つまり、広帯域映像信号受信装置は、HD−SDI信号を復元化する。
【0034】
また、請求項13に係る広帯域映像信号受信装置は、前記光−電気変換手段が、ビット幅が16ビットである前記光信号を受信し、前記復元化手段が、前記マッピング情報に基づいて、前記多重化信号を2チャンネル単位でグループ化し、前記グループ毎に、当該グループに含まれる2チャンネルの前記多重化信号のそれぞれを2分割して4チャンネルの前記HDTV信号に復元化することを特徴とする。
【0035】
かかる構成によれば、広帯域映像信号受信装置は、復元化手段によって、2チャンネルの多重化信号から、ビット幅が8ビットのHDTV信号で構成される広帯域映像信号を復元化する。この広帯域映像信号としては、例えば、液晶ディスプレイ等の8ビット階調に対応した信号がある。
【0036】
また、請求項14に係る広帯域映像信号受信装置は、前記復元化手段が復元化したHDTV信号をデスクランブルするデスクランブラを、さらに備えることを特徴とする。
【0037】
かかる構成によれば、広帯域映像信号受信装置は、デスクランブラによって、擬似ランダム信号を多重化信号にデスクランブルする。これによって、広帯域映像信号受信装置は、光信号において「0」及び「1」といったシンボルが平衡化する。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、HDTV信号のチャンネル数を光伝送路の本数まで減らすようにHDTV信号を多重化信号に多重化するため、光信号を送信する光伝送路の本数を低減でき、簡易な構成で広帯域映像信号を送信する。
【0039】
請求項2に係る発明によれば、4チャンネル単位のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を、3チャンネル単位又はこれ未満の単位で多重化信号に多重化するため、光伝送路の本数を3/4以下に低減できる。
【0040】
請求項3に係る発明によれば、ビット幅が12ビット以下のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を、多重化信号に多重化できる。
また、請求項4に係る発明によれば、ビット幅が12ビット以下、かつ、周波数が148.5MHz又は148.5/1.001MHzのパラレル信号を多重化し、周波数が2.97GHz又は2.97/1.001GHzのシリアル信号に変換できる。
【0041】
請求項5に係る発明によれば、ビット幅が12ビット未満のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を多重化信号に多重化できるため、HD−SDI信号等の様々な広帯域映像信号を送信できる。
【0042】
請求項6に係る発明によれば、ビット幅が8ビットのHDTV信号で構成される広帯域映像信号を2チャンネルの多重化信号に多重化できるため、8ビット階調に対応した映像信号等の様々な広帯域映像信号を送信できると共に、光伝送路の本数を半分に低減できる。
【0043】
請求項7に係る発明によれば、光信号においてシンボルが平衡化するため、広帯域映像信号受信装置において光信号を正しく復元化できない事態を防止できる。
【0044】
請求項8に係る発明によれば、光伝送路の本数をHDTV信号のチャンネル数に増やすように多重化信号からHDTV信号を復元化するため、光信号を受信する光伝送路の本数を低減でき、簡易な構成で広帯域映像信号を受信できる。
【0045】
請求項9に係る発明によれば、3チャンネル単位又はこれ未満の単位の多重化信号を受信し、4チャンネル単位のHDTV信号で構成される広帯域映像信号に復元化できるため、光伝送路の本数を3/4以下に低減できる。
【0046】
請求項10に係る発明によれば、ビット幅が12ビット以下のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を復元化できる。
また、請求項11に係る発明によれば、周波数が2.97GHz又は2.97/1.001GHzのシリアル信号を、ビット幅が12ビット以下、かつ、周波数が148.5MHz又は148.5/1.001MHzのパラレル信号に復元化できる。
【0047】
請求項12に係る発明によれば、ビット幅が12ビット未満のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を復元化できるため、HD−SDI信号等の様々な広帯域映像信号を受信できる。
【0048】
請求項13に係る発明によれば、2チャンネルの多重化信号から、ビット幅が8ビットのHDTV信号で構成される広帯域映像信号を復元化できるため、8ビット階調に対応した映像信号等の様々な広帯域映像信号を受信できると共に、光伝送路の本数を半分に低減できる。
【0049】
請求項14に係る発明によれば、光信号においてシンボルが平衡化するため、光信号を正しく復元化できない事態を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する手段及び同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略した。
【0051】
(第1実施形態)
[広帯域映像信号送受信システムの概略]
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る広帯域映像信号送信装置及び広帯域映像信号受信装置を利用する広帯域映像信号送受信システムの概略について説明する。図1は、本発明の第1実施形態における広帯域映像信号送受信システムの概略を示す図である。図1に示すように、広帯域映像信号送受信システム101は、超高精細カメラ2と、収録・再生装置3と、超高精細ディスプレイ4と、2本の光伝送路5と、2台の広帯域映像信号送信装置10と、2台の広帯域映像信号受信装置20とを備える。
【0052】
広帯域映像信号送受信システム101は、放送機器としての超高精細カメラ2が撮影した映像を、放送機器としての収録・再生装置3が録画するものである。また、広帯域映像信号送受信システム101は、収録・再生装置3が録画した映像を、放送機器としての超高精細ディスプレイ4が再生するものである。
【0053】
超高精細カメラ2は、被写体(不図示)を撮影した映像より、広帯域映像信号を生成して出力するものである。超高精細カメラ2は、例えば、広帯域映像信号としてスーパーハイビジョン映像信号を生成するスーパーハイビジョンカメラである。ここで、超高精細カメラ2は、1台の広帯域映像信号送信装置10を接続する。以下、本発明の第1実施形態では、広帯域映像信号は、4N(Nは1以上の自然数)チャンネルのHDTV信号で構成される例で説明する。また、HDTV信号のそれぞれのチャンネルは、ビット幅が12ビット、つまり、階調値が12ビットである。なお、超高精細カメラ2の代わりに、広帯域映像信号としてスローモーション映像信号を生成するスローモーションカメラを用いても良い(不図示)。
【0054】
収録・再生装置3は、例えば、番組制作者が入力する指令に応じて、超高精細カメラ2が出力する広帯域映像信号を、図示しないHDD(Hard Disk Drive)等の記録手段に記憶(収録)するものである。また、収録・再生装置3は、例えば、番組制作者が入力する指令に応じて、記録手段に記憶(収録)した映像を再生する。ここで、収録・再生装置3は、1台の広帯域映像信号送信装置10と1台の広帯域映像信号受信装置20とをそれぞれ接続する。
【0055】
超高精細ディスプレイ4は、収録・再生装置3から入力される映像、つまり、広帯域映像信号を再生するものである。超高精細ディスプレイ4は、例えば、スーパーハイビジョン映像信号を表示するディスプレイである。ここで、超高精細ディスプレイ4は、1台の広帯域映像信号受信装置20を接続する。
【0056】
光伝送路5は、広帯域映像信号送信装置10と広帯域映像信号受信装置20とを接続し、広帯域映像信号送信装置10と広帯域映像信号受信装置20との間で光信号を伝送するものである。光伝送路5は、HDTV信号のチャンネル数より少ない本数の伝送路を有するものであり、例えば、1本以上の多芯光ファイバケーブルである。
【0057】
広帯域映像信号送信装置10は、広帯域映像信号を光信号に変換して、光伝送路5を介して、広帯域映像信号受信装置20に送信するものである。なお、図1の2台の広帯域映像信号送信装置10の機能は同一であり、その詳細については後記する。
【0058】
広帯域映像信号受信装置20は、広帯域映像信号が変換された光信号を、光伝送路5を介して、広帯域映像信号送信装置10から受信するものである。なお、図1の2台の広帯域映像信号受信装置20の機能は同一であり、その詳細については後記する。
【0059】
[広帯域映像信号送信装置の構成]
以下、図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る広帯域映像信号送信装置の構成について説明する(適宜図1参照)。図2は、図1の広帯域映像信号送信装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、広帯域映像信号送信装置10は、入力手段11と、多重化手段12と、8ビット/10ビット符号化手段13と、パラレル−シリアル変換手段14と、電気−光変換手段15とを備える。
【0060】
なお、図2では、信号の流れを矢印で図示すると共に、パラレル信号となっているものについては、この矢印に斜線を交差させて図示した。また、図2では、HDTV信号を「HD」として図示し、その「HD」後にHDTV信号のチャンネル数を付加した。例えば、各図の「HD1」は、第1チャンネルのHDTV信号を示し、「HD4N」は、第4NチャンネルのHDTV信号を示す。
【0061】
入力手段11は、放送機器から、電気信号であるHDTV信号を入力するものである。また、入力手段11は、HD1,HD2,HD3,HD4・・・HD4N−3,HD4N−2,HD4N−1,HD4Nのように、チャンネル数が4の倍数であるHDTV信号を入力する。さらに、入力手段11は、HD1・・・HD4Nの各チャンネルのビット幅が12ビット以下であるHDTV信号を入力する。
【0062】
ここで、入力手段11は、HDTV信号がシリアル信号で入力された場合、このHDTV信号をパラレル信号に変換しても良い。この場合、入力手段11は、例えば、シフトレジスタを含む、一般的なシリアル−パラレル変換回路を有する。一方、入力手段11は、HDTV信号がパラレル信号で入力された場合、このHDTV信号をパラレル信号に変換する必要はない(不図示)。
【0063】
多重化手段12は、後記するマッピング情報に基づいて、入力手段11が入力したHDTV信号を、光伝送路5の本数と同数のチャンネルの多重化信号に多重化するものである。また、多重化手段12は、HDTV信号を4チャンネル単位でグループ化すると共に、グループ毎に、グループに含まれる4チャンネルのHDTV信号を3チャンネルの多重化信号に多重化する。このマッピング情報は、HDTV信号のビット位置と多重化信号のビット位置との対応関係を予め設定したものである。
【0064】
ここで、図2に示すように、多重化手段12は、4チャンネルのHDTV信号を3チャンネルの多重化信号に多重化する多重化部12・・・多重化部12をN個備える。つまり、多重化手段12は、多重化部12によって、第1チャンネルから第4チャンネルまでのHDTV信号を3チャンネルの多重化信号に多重化する。また、多重化手段12は、多重化部12によって、第4N−3チャンネルから第4NチャンネルまでのHDTV信号を3チャンネルの多重化信号に多重化する。
【0065】
ここで、多重化手段12が多重化した多重化信号の各チャンネルのビット幅は、多重化をビット幅方向に行った場合には16ビット、多重化を時間方向に行った場合には8ビットで半分の周期となる。つまり、多重化手段12は、4Nチャンネル:12ビットのHDTV信号を、多重化をビット幅方向に行った場合には3Nチャンネル:16ビットの多重化信号に多重化し、多重化を時間方向に行った場合には3Nチャンネル:8ビットで半分の周期の多重化信号に多重化する。なお、多重化方法及びマッピング情報の詳細は、後記する。
【0066】
8ビット/10ビット符号化手段13は、多重化手段12が多重化した多重化信号を、8ビット/10ビット符号化するものである。ここで、8ビット/10ビット符号化手段13は、多重化手段12が多重化した多重化信号のビット幅が16ビットである場合、この多重化信号を8ビットのブロックに2分割して8ビット/10ビット符号化を行う。具体的には、8ビット/10ビット符号化手段13は、8ビットに分割したブロックのそれぞれを、5ビットのサブブロックと、3ビットのサブブロックとに分割する。そして、8ビット/10ビット符号化手段13は、所定のコーディング計画及び規則に従って、5ビットのサブブロックを6ビットのサブブロックに符号化し、3ビットのサブブロックを4ビットのサブブロックに符号化し、計10ビットのブロックとする。つまり、8ビット/10ビット符号化手段13は、3Nチャンネル:16ビットの多重化信号の場合、3Nチャンネル:20ビットの多重化信号に符号化し、3Nチャンネル:8ビットの多重化信号の場合、3Nチャンネル:10ビットの多重化信号に符号化する。なお、8ビット/10ビット符号化の詳細は、特開昭59−10056号公報に記載されている。
【0067】
パラレル−シリアル変換手段14は、8ビット/10ビット符号化手段13が符号化した多重化信号を、シリアル信号に変換するものである。パラレル−シリアル変換手段14は、例えば、シフトレジスタを含む、一般的なパラレル−シリアル変換回路である。
【0068】
電気−光変換手段15は、パラレル−シリアル変換手段14がシリアル信号に変換した多重化信号を、光信号に変換するものである。そして、電気−光変換手段15は、この光信号を、光伝送路5を介して、広帯域映像信号受信装置20に出力する。電気−光変換手段15は、例えば、パラレル−シリアル変換手段14から入力された電気信号(多重化信号)に応じて光信号を出射するLED(Light Emitting Diode)と、このLEDが出射した光信号を光伝送路5の端面に結合させるレンズ、ハーフミラー等の光学部品とを含む光送信モジュールである。
【0069】
<多重化方法及びマッピング情報の詳細>
以下、図3を参照して、本発明の第1実施形態における多重化方法及びマッピング情報の詳細について説明する(適宜図2参照)。図3は、本発明の第1実施形態におけるビット幅方向の多重化及び復元化を説明する図である。なお、図3では、ビット幅方向をWで図示した。また、図3では、多重化信号を「OUT」として図示し、その「OUT」に多重化信号チャンネル数を付加した。例えば、図3の「OUT1」は、第1チャンネルの多重化信号を示す。
【0070】
前記したように、多重化手段12は、多重化部12によって、第1チャンネルから第4チャンネルのHDTV信号を3チャンネルの多重化信号に多重化する。図3の例では、このマッピング情報は、第1チャンネルのHDTV信号の上位8ビットが、第1チャンネルの多重化信号のMSB(Most Significant Bit)側8ビットに対応し、第2チャンネルのHDTV信号の上位8ビットが、第1チャンネルの多重化信号のLSB(Least Significant Bit)側8ビットに対応することを示す。また、このマッピング情報は、第3チャンネルのHDTV信号の上位8ビットが、第2チャンネルの多重化信号のMSB側8ビットに対応し、第4チャンネルのHDTV信号の上位8ビットが、第2チャンネルの多重化信号のLSB側8ビットに対応することを示す。さらに、第1チャンネルから第4チャンネルのHDTV信号の下位8ビットがそれぞれ、第3チャンネルの多重化信号のMSB側から順に4ビットずつ対応することを示す。
【0071】
まず、多重化部12は、マッピング情報を参照し、ビット幅が12ビットであるHDTV信号の各チャンネルを、上位8ビットと下位4ビットに分割する。次に、多重化部12は、第1チャンネルのHDTV信号の上位8ビットと第2チャンネルのHDTV信号の上位8ビットとをビット幅方向に2個連結して、ビット幅が16ビットとなる第1チャンネルの多重化信号に多重化する。また、多重化部12は、第3チャンネルのHDTV信号の上位8ビットと第4チャンネルのHDTV信号の上位8ビットとをビット幅方向に2個連結して、ビット幅が16ビットとなる第2チャンネルの多重化信号に多重化する。そして、多重化部12は、第1チャンネルから第4チャンネルまでの下位4ビットをビット幅方向に順に4個連結して、ビット幅が16ビットとなる第3チャンネルの多重化信号に多重化する。
【0072】
図3に示すように、多重化手段12は、広帯域映像信号を、ビット幅方向で多重化している。これによって、HDTV信号より多重化信号のビット幅が広くなっている。ここで、図4を参照し、多重化手段12が、広帯域映像信号を、時間方向で多重化する方法について説明する。図4は、本発明の第1実施形態における時間方向の多重化及び復元化を説明する図である。なお、図4では、時間方向をTで図示した。
【0073】
まず、多重化部12は、マッピング情報を参照し、ビット幅が12ビットであるHDTV信号の各チャンネルを、MSB側8ビットとLSB側4ビットに分割する。次に、多重化部12は、第1チャンネルのHDTV信号のMSB側8ビットと第2チャンネルのHDTV信号のMSB側8ビットとを時間方向に2個連結して、ビット幅が16ビットとなる第1チャンネルの多重化信号に多重化する。また、多重化部12は、第3チャンネルのHDTV信号のMSB側8ビットと第4チャンネルのHDTV信号のMSB側8ビットとを時間方向に2個連結して、ビット幅が16ビットとなる第2チャンネルの多重化信号に多重化する。そして、多重化部12は、第1チャンネルから第4チャンネルまでのLSB4ビットを時間方向に4個連結して、ビット幅が16ビットとなる第3チャンネルの多重化信号に多重化する。この場合、多重化後の多重化信号の周波数が多重化前のHDTV信号の周波数の2倍(図4では、T→T/2)になるため、例えば、多重化前のHDTV信号の周波数が48.5MHzのとき、多重化後の多重化信号の周波数は297MHzとなる。図3及び図4で示したビット幅方向の多重化及び時間方向の多重化を行った多重化信号は、全く同じフォーマットとなるため、完全な互換性を有する。なお、図4におけるマッピング情報は、前記した図3と同様のものである。
【0074】
このように、ビット幅方向で多重化する場合ではクロック周波数を高くする必要がなく、時間方向で多重化する場合ではバス幅を広くする必要がないため、広帯域映像信号送信装置10及び広帯域映像信号受信装置20のハードウェア構成や性能に応じた多重化方法及び復元化方法とすることができる。なお、図3及び図4の例では、多重化部12について説明したが、多重化手段12は、多重化部12によって、多重化部12と同様に、第4N−3チャンネルから第4NチャンネルのHDTV信号を3チャンネルの多重化信号に多重化できる。
【0075】
[広帯域映像信号送信装置の動作]
以下、図5を参照して、図2の広帯域映像信号送信装置の動作について説明する(適宜図2参照)。図5は、図2の広帯域映像信号送信装置の動作を示すフローチャートである。
【0076】
まず、広帯域映像信号送信装置10は、入力手段11によって、電気信号であるHDTV信号を入力し、HDTV信号がシリアル信号のときはHDTV信号をパラレル信号に変換する(ステップS1)。また、広帯域映像信号送信装置10は、多重化手段12によって、マッピング情報に基づいて、入力手段11が入力したHDTV信号を、光伝送路5の本数と同数のチャンネルの多重化信号に多重化する(ステップS2)。
【0077】
ステップS2の処理に続いて、広帯域映像信号送信装置10は、8ビット/10ビット符号化手段13によって、多重化手段12が多重化した多重化信号を、8ビット/10ビット符号化する(ステップS3)。また。広帯域映像信号送信装置10は、パラレル−シリアル変換手段14によって、8ビット/10ビット符号化手段13が符号化した多重化信号を、シリアル信号に変換する(ステップS4)。また、広帯域映像信号送信装置10は、電気−光変換手段15によって、パラレル−シリアル変換手段14がシリアル信号に変換した多重化信号を、光信号に変換する(ステップS5)。
【0078】
[広帯域映像信号受信装置の構成]
以下、図6を参照して、本発明の第1実施形態に係る広帯域映像信号受信装置の構成について説明する(適宜図1参照)。図6は、図1の広帯域映像信号受信装置の構成を示すブロック図である。図6に示すように、広帯域映像信号受信装置20は、光−電気変換手段21と、シリアル−パラレル変換手段22と、8ビット/10ビット復号化手段23と、復元化手段24と、出力手段25とを備える。
【0079】
光−電気変換手段21は、光伝送路5を介して、広帯域映像信号送信装置10から光信号を受信すると共に、光信号を電気信号としての多重化信号に変換するものである。また、光−電気変換手段21は、チャンネル数が3の倍数である光信号を受信する。さらに、光−電気変換手段21は、ビット幅が20ビットである光信号を受信しても良い。光−電気変換手段21は、例えば、広帯域映像信号送信装置10が送信して光伝送路5の端面から出射される光信号を受光し、この光信号に応じて電気信号(多重化信号)を出力するフォトダイオードと、光伝送路5の端面から出射される光信号をこのフォトダイオードの受光面に結合させる光学部品とを含む光受信モジュールである。
【0080】
シリアル−パラレル変換手段22は、光−電気変換手段21が電気信号に変換した多重化信号を、パラレル信号に変換するものである。シリアル−パラレル変換手段22は、例えば、シフトレジスタを含む、一般的なシリアル−パラレル変換回路である。
【0081】
8ビット/10ビット復号化手段23は、シリアル−パラレル変換手段22がパラレル信号に変換した多重化信号を、8ビット/10ビット復号化するものである。8ビット/10ビット復号化手段23は、図2の8ビット/10ビット符号化手段13と逆の手順により、8ビット/10ビット復号化を行うことができる。具体的には、8ビット/10ビット復号化手段23は、シリアル−パラレル変換手段22がパラレル信号に変換した多重化信号のビット幅が20ビットの場合、この多重化信号を10ビットのブロックに2分割して8ビット/10ビット復号化を行う。まず、8ビット/10ビット復号化手段23は、10ビットに分割したブロックのそれぞれを、6ビットのサブブロックと、4ビットのサブブロックとに分割する。そして、8ビット/10ビット復号化手段23は、所定のコーディング計画及び規則に従って、6ビットのサブブロックを5ビットのサブブロックに復号化し、4ビットのサブブロックを3ビットのサブブロックに復号化し、計8ビットのブロックとする。つまり、8ビット/10ビット復号化手段23は、3Nチャンネル:20ビットの多重化信号の場合、3Nチャンネル:16ビットの多重化信号に復号化し、3Nチャンネル:10ビットの多重化信号の場合、3Nチャンネル:8ビットの多重化信号に復号化する。
【0082】
復元化手段24は、マッピング情報に基づいて、8ビット/10ビット復号化手段23が復号化した光伝送路の本数と同数のチャンネルの多重化信号を、所定のチャンネル数のHDTV信号に復元化するものである。ここで、復元化手段24は、多重化信号を3チャンネル単位でグループ化し、グループ毎に、このグループに含まれる3チャンネルの多重化信号を4チャンネルのHDTV信号に復元化する。
【0083】
ここで、図6に示すように、復元化手段24は、3チャンネルの多重化信号を4チャンネルのHDTV信号に復元化する復元化部24・・・復元化部24をN個備える。つまり、復元化手段24は、復元化部24によって、第1チャンネルから第3チャンネルの多重化信号を4チャンネルのHDTV信号に復元化する。また、復元化手段24は、復元化部24によって、第3N−2チャンネルから第3Nチャンネルの多重化信号を4チャンネルのHDTV信号に復元化する。
【0084】
ここで、復元化手段24が復元化したHDTV信号の各チャンネルのビット幅は、16ビットである。つまり、復元化手段24は、多重化がビット幅方向に行われた場合には3Nチャンネル:16ビットの多重化信号を、多重化が時間方向に行われた場合には3Nチャンネル:8ビットで半分の周期の多重化信号を、4Nチャンネル:12ビットの多重化信号に復元化する。なお、復元化方法の詳細は、後記する。
【0085】
出力手段25は、復元化手段24が復元化したHDTV信号を出力するものである。ここで、出力手段25は、HDTV信号がシリアル信号で出力する場合、このHDTV信号をシリアル信号に変換しても良い。この場合、出力手段25は、例えば、シフトレジスタを含む、一般的なパラレル−シリアル変換回路を有する。一方、出力手段25は、HDTV信号をパラレル信号で出力する場合、このHDTV信号をシリアル信号に変換する必要はない(不図示)。
【0086】
<復元化方法の詳細>
以下、図3及び図4を参照して、本発明の第1実施形態における復号化方法の詳細について説明する(適宜図6参照)。
【0087】
復元化手段24は、図2の多重化手段12と逆の手順により、HDTV信号を復元化できる。ここで、図3に示すように、多重化信号が、ビット幅方向で多重化されている例で説明する。まず、復元化部24は、マッピング情報を参照し、ビット幅が16ビットである多重化信号の第1チャンネル及び第2チャンネルを、MSB側8ビットとLSB側8ビットにビット幅方向で分割する。また、復元化部24は、多重化信号の第3チャンネルを、4ビット毎にビット幅方向で分割する。次に、復元化部24は、第1チャンネルの多重化信号のMSB側8ビット(上位8ビット)と、第3チャンネルの多重化信号のMSB側4ビット(下位4ビット)とをビット幅方向に連結し、第1チャンネルのHDTV信号に復元化する。また、復元化部24は、第1チャンネルの多重化信号のLSB側8ビット(上位8ビット)と、第3チャンネルの多重化信号の中央寄りMSB側4ビット(下位4ビット)とをビット幅方向に連結し、第2チャンネルのHDTV信号に復元化する。そして、復元化部24は、第2チャンネルの多重化信号のMSB側8ビット(上位8ビット)と、第3チャンネルの多重化信号の中央寄りLSB側4ビット(下位4ビット)とをビット幅方向に連結し、第3チャンネルのHDTV信号に復元化する。さらに、復元化部24は、第2チャンネルの多重化信号のLSB側8ビット(上位8ビット)と、第3チャンネルの多重化信号のLSB側4ビット(下位4ビット)とをビット幅方向に連結し、第4チャンネルのHDTV信号に復元化する。
【0088】
以下、図4に示すように、多重化信号が、時間方向で多重化されている例で説明する。まず、復元化部24は、マッピング情報を参照し、多重化信号の第1チャンネル及び第2チャンネルを、HDTV信号の第1チャンネルから第4チャンネルのMSB側8ビットに時間方向で分割する。また、復元化部24は、多重化信号の第3チャンネルを、HDTV信号の第1チャンネルから第4チャンネルのLSB側4ビット毎に時間方向で分割する。次に、復元化部24は、第1チャンネルのHDTV信号のMSB側8ビットと、第1チャンネルのHDTV信号のLSB側4ビットとを連結し、第1チャンネルのHDTV信号に復元化する。そして、復元化部24は、第2チャンネルのHDTV信号のMSB側8ビットと、第2チャンネルのHDTV信号のLSB側4ビットとを連結し、第2チャンネルのHDTV信号に復元化する。さらに、復元化部24は、第3チャンネルのHDTV信号のMSB側8ビットと、第3チャンネルのHDTV信号のLSB側4ビットとを連結し、第3チャンネルのHDTV信号に復元化する。最後に、復元化部24は、第4チャンネルのHDTV信号のMSB側8ビットと、第4チャンネルのHDTV信号のLSB側4ビットとを連結し、第4チャンネルのHDTV信号に復元化する。この場合、復元化部24は、復元化後のHDTV信号の周波数が復元化前の多重化信号の周波数の半分(図4では、T/2→T)となるように復元化する。
【0089】
なお、図3及び図4の例では、復元化部24について説明したが、復元化手段24は、復元化部24によって、復元化部24と同様に、第3N−2チャンネルから第3Nチャンネルの多重化信号を4チャンネルのHDTV信号に復元化できる。
【0090】
[広帯域映像信号受信装置の動作]
以下、図7を参照して、図6の広帯域映像信号受信装置の動作について説明する(適宜図6参照)。図7は、図6の広帯域映像信号受信装置の動作を示すフローチャートである。
【0091】
まず、広帯域映像信号受信装置20は、光−電気変換手段21によって、光伝送路5を介して、広帯域映像信号送信装置10から光信号を受信すると共に、この光信号を電気信号としての多重化信号に変換する(ステップS11)。また、広帯域映像信号受信装置20は、シリアル−パラレル変換手段22によって、光−電気変換手段21が電気信号に変換した多重化信号を、パラレル信号に変換する(ステップS12)。
【0092】
ステップS12の処理に続いて、広帯域映像信号受信装置20は、8ビット/10ビット復号化手段23によって、シリアル−パラレル変換手段22がパラレル信号に変換した多重化信号を、8ビット/10ビット復号化する(ステップS13)。また、広帯域映像信号受信装置20は、復元化手段24によって、マッピング情報に基づいて、8ビット/10ビット復号化手段23が復号化した光伝送路5の本数と同数のチャンネルの多重化信号を、所定のチャンネル数のHDTV信号に復元化する(ステップS14)。また、広帯域映像信号受信装置20は、出力手段25によって、復元化手段24が復元化したHDTV信号を出力する(ステップS15)。
【0093】
以上のように、例えば、32本のHDTV信号で構成される広帯域映像信号であれば、広帯域映像信号送受信システム101は、光信号を、N=4のときは1本の12芯光ファイバケーブル等の光伝送路5で、N=8のときは1本の24芯光ファイバケーブル又は2本の12芯光ファイバケーブル等の光伝送路5で伝送することが可能である。第1実施形態では、例えば、光信号の1チャンネルあたりの伝送速度が3Gbps程度のため、汎用のFPGA(Field Programmable Gate Array)で多重化信号を多重化することでき、外部メモリが必要なく、電気−光変換手段15及び光−電気変換手段21の両方とも小型の変換器が使用できるため、広帯域映像信号送信装置10及び広帯域映像信号受信装置20の小型化が可能となる。従って、広帯域映像信号送受信システム101は、小型化な広帯域映像信号送信装置10及び広帯域映像信号受信装置20によって、各放送機器間を少数の光伝送路で接続することができ、簡易な構成となる。なお、この場合、12本のシングルモード光ファイバ又は24本のシングルモード光ファイバを光伝送路5として用いて、放送機器間を接続できることは言うまでもない。
【0094】
(第2実施形態)
[広帯域映像信号送信装置]
以下、図8,図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る広帯域映像信号送信装置について、第1実施形態と異なる点を主に説明する(適宜図2参照)。図8は、本発明の第2実施形態における、入力手段の詳細を説明する図である。また、図9は、図8の入力手段による付加ビットの付加を説明する図である。なお、各図では、HD−SDI信号を「HD−SDI」として図示し、その「HD−SDI」後にチャンネル数を付加した。例えば、各図の「HD−SDI1」は、第1チャンネルのHD−SDI信号を示し、「HD−SDI4N」は、第4NチャンネルのHD−SDI信号を示す。
【0095】
第2実施形態では、第1実施形態と異なり、入力手段11にHD−SDI信号で構成される広帯域映像信号が入力される。このHD−SDIのデータ構造は、輝度信号の系列と色差信号の系列に分かれており、それぞれの系列のビット数が10ビットである。以下、輝度信号の系列をY系列、色差信号の系列をC系列と記す。なお、実際に伝送されている広帯域映像信号では、必ずしもY系列に輝度信号が割り当てられ、C系列に色差信号が割り当てられているとは限らず、多重化方法によって異なってくる。このため、Y系列及びC系列共に、HD−SDI信号のデータ構造単位を示す名称として用いる。
【0096】
この場合、図8に示すように、入力手段11は、入力されるHD−SDI信号の各チャンネルに対応するS/P変換部11aと、Y/C多重化部11bとを備える。HD−SDI信号が入力されると、入力手段11は、S/P変換部11aによって、各チャンネルのHD−SDI信号をパラレル信号に変換する。
【0097】

ここで、図9に示すように、パラレル信号に変換された信号は、Y系列及びC系列のそれぞれについて、例えば、周波数が74.25MHz又は74.25/1.001MHzであり、ビット幅が10ビットである。このように、Y系列及びC系列を合わせてビット幅が20ビットとなり、広帯域映像信号受信装置と整合性が保てなくなる。そこで、Y/C多重化部11bは、12ビットとY系列及びC系列のビット幅との差を不足ビット数(ここでは、12ビット−10ビット=2ビット)とする。さらに、Y/C多重化部11bは、Y/C多重化を行い、このY/C多重化した信号の下位に付加ビット“00”を付加し、周波数が148.5MHzでビット幅が12ビットのHDTV信号に変換する。
【0098】
また、入力手段11で付加ビットを付加する代わりに、図10に示すように、多重化手段12が、多重化部12・・・多重化部12によって、付加ビットを付加しても良い。図10は、本発明の第2実施形態におけるビット幅方向の多重化及び復元化を説明する図である。
【0099】
まず、多重化部12は、マッピング情報を参照し、ビット幅が12ビットであるHDTV信号の各チャンネルを、MSB側の上位8ビットとLSB側の下位2ビットにビット幅方向で分割する。そして、多重化部12は、各チャンネルのHDTV信号のMSB側の下位2ビットのそれぞれに、データ長が2ビットである付加ビット“00”を付加する。そして、付加ビットを付加すると、この下位2ビットが4ビットとなり、各チャンネルのHDTV信号のビット幅を12ビットとして扱えるため、多重化部12は、図3と同様の手順で多重化を行うことができる。また、付加ビットは、“00”といった擬似的なデータだけでなく、制御信号に利用する補助データであっても良い。
【0100】
なお、多重化手段12は、ビット幅方向で多重化を行うこととして説明したが、付加ビットを付加した後、図4と同様に時間方向で多重化を行っても良い。また、多重化手段12は、各チャンネルのビット幅が12ビット以下、かつ、周波数が148.5MHzであるパラレル信号が入力手段11から入力される。そして、パラレル−シリアル変換手段14は、多重化手段12が多重化した多重化信号を、周波数が2.97GHz又は2.97/1.001GHzのシリアル信号に変換して出力する。
【0101】
なお、第2実施形態に係る広帯域映像信号送信装置10は、8ビット/10ビット符号化手段13と、パラレル−シリアル変換手段14と、電気−光変換手段15とが、図2の各手段と同様のものであるため、その説明を省略する。また、第2実施形態に係る広帯域映像信号送信装置10は、図5と同様の動作となるため、その説明を省略する。
【0102】
[広帯域映像信号受信装置]
以下、図11を参照して、本発明の第2実施形態に係る広帯域映像信号受信装置について、第1実施形態と異なる点を主に説明する(適宜図6参照)。図11は、本発明の第2実施形態における、出力手段の詳細を説明する図である。
【0103】
図11に示すように、出力手段25は、入力されるHDTV信号の各チャンネルに対応するY/C復号化部25aと、S/P変換部25bとを備える。HDTV信号が入力されると、出力手段25は、Y/C復号化部25aによって、Y/C多重化を行う。このとき、付加ビットが付加されているため、S/P変換部25bは、図9と逆の手順により、付加ビットを除去してからY/C多重化を行う。図9の例では、S/P変換部25bは、下位4ビットのうち、2ビット分の付加ビット“00”を除去する。
【0104】
また、出力手段25で付加ビットを除去する代わりに、図10と逆の手順で、復元化手段24が、復元化部24・・・復元化部24によって、付加ビットを除去しても良い。具体的には、復元化部24は、第1チャンネルから第3チャンネルの多重化信号を、第1チャンネルから第4チャンネルの信号に復元化する。そして、復元化部24は、復元化した各チャンネルの信号の下位4ビットに付加された付加ビット“00”を除去する。このようにして、復元化部24は、付加ビットが付加された多重化信号を、3チャンネルのHD−SDI信号に復元化できる。
【0105】
なお、復元化手段24は、ビット幅方向で復元化を行うこととして説明したが、付加ビットを付加した後、図4と同様に時間方向で復元化を行っても良い。また、シリアル−パラレル変換手段22は、周波数が2.97GHz又は2.97/1.001GHzのシリアル信号が光−電気変換手段21から入力される。そして、復元化手段24は、多重化信号を、ビット幅が12ビット以下、かつ、周波数が148.5MHz又は148.5/1.001MHzのパラレル信号に復元化して出力する。
【0106】
なお、第2実施形態に係る広帯域映像信号受信装置20は、光−電気変換手段21と、シリアル−パラレル変換手段22と、8ビット/10ビット復号化手段23とが、図6の各手段と同様のものであるため、その説明を省略する。また、第2実施形態に係る広帯域映像信号受信装置20は、図7と同様の動作となるため、その説明を省略する。
【0107】
以上のように、第2実施形態に係る広帯域映像信号送信装置10は、4チャンネル単位のHD−SDI信号を3チャンネル単位で多重化信号に多重化する。また、第2実施形態に係る広帯域映像信号受信装置20は、3チャンネル単位の多重化信号を4チャンネル単位でHD−SDI信号に復元化する。つまり、第2実施形態では、16チャンネルのHD−SDI信号を12チャンネルの多重化信号に多重化しているため、一般的な12芯光ファイバケーブル1本を光伝送路5として用いて、放送機器間を接続することができる。従って、第2実施形態に係る発明は、このHD−SDI信号を伝送する装置を簡易な構成で実現できる。なお、この場合、12本のシングルモード光ファイバを光伝送路5として用いて、放送機器間を接続できることは言うまでもない。
【0108】
(第3実施形態)
[広帯域映像信号送信装置]
以下、図12を参照して、本発明の第3実施形態に係る広帯域映像信号送信装置について、第1実施形態と異なる点を主に説明する(適宜図2参照)。図12は、本発明の第3実施形態における時間方向の多重化及び復元化を説明する図である。
【0109】
第3実施形態では、第1実施形態と異なり、入力手段11にビット幅が8ビットのHDTV信号で構成される広帯域映像信号が入力される。このように、ビット幅が8ビット(8階調)のHDTV信号は、液晶ディスプレイ等の放送機器で用いられる場合がある。この場合、第1実施形態でのHDTV信号の下位4ビットに相当する情報が無いため、4チャンネル単位のHDTV信号を3チャンネル単位の多重化信号に多重化する意味がない。このため、第3実施形態では、下位4ビットに相当する情報を省略できるため、2チャンネル単位で多重化信号に多重化する。
【0110】
具体的には、多重化手段12は、多重化部12によって、第1チャンネルから第4チャンネルのHDTV信号を2チャンネルの多重化信号に多重化する。図12の例では、このマッピング情報は、第1チャンネルのHDTV信号の8ビットが、第1チャンネルの多重化信号のMSB側8ビットに対応し、第2チャンネルのHDTV信号の8ビットが、第1チャンネルの多重化信号のLSB側8ビットに対応することを示す。また、このマッピング情報は、第3チャンネルのHDTV信号の8ビットが、第2チャンネルの多重化信号のMSB側8ビットに対応し、第4チャンネルのHDTV信号の8ビットが、第2チャンネルの多重化信号のLSB側8ビットに対応することを示す。
【0111】
まず、多重化部12は、第1チャンネルのHDTV信号(8ビット)と第2チャンネルのHDTV信号の(8ビット)とをビット幅方向に2個連結して、ビット幅が16ビットとなる第1チャンネルの多重化信号に多重化する。また、多重化部12は、第3チャンネルのHDTV信号(8ビット)と第4チャンネルのHDTV信号(8ビット)とをビット幅方向に2個連結して、ビット幅が16ビットとなる第2チャンネルの多重化信号に多重化する。
【0112】
なお、第3実施形態に係る広帯域映像信号送信装置10は、入力手段11と、8ビット/10ビット符号化手段13と、パラレル−シリアル変換手段14と、電気−光変換手段15とが、図2の各手段と同様のものであるため、その説明を省略する。また、第3実施形態に係る広帯域映像信号送信装置10は、図5と同様の動作となるため、その説明を省略する。
【0113】
[広帯域映像信号受信装置]
以下、本発明の第3実施形態に係る広帯域映像信号受信装置について、第1実施形態と異なる点を主に説明する(適宜図6参照)。
【0114】
復元化手段24は、図12と逆の手順により、HDTV信号を復元化できる。図12に示すように、復元化部24は、マッピング情報を参照し、ビット幅が16ビットである多重化信号の第1チャンネルを、MSB側8ビットとLSB側8ビットにビット幅方向で分割する。そして、復元化部24は、このMSB側8ビットを第1チャンネルのHDTV信号とし、LSB側8ビットを第2チャンネルのHDTV信号とする。また、復元化部24は、多重化信号の第2チャンネルを、MSB側8ビットとLSB側8ビットにビット幅方向で分割する。そして、復元化部24は、このMSB側8ビットを第3チャンネルのHDTV信号とし、LSB側8ビットを第4チャンネルのHDTV信号とする。
【0115】
なお、第3実施形態に係る広帯域映像信号受信装置20は、光−電気変換手段21と、シリアル−パラレル変換手段22と、8ビット/10ビット復号化手段23と、出力手段25とが、図6の各手段と同様のものであるため、その説明を省略する。また、第3実施形態に係る広帯域映像信号受信装置20は、図7と同様の動作となるため、その説明を省略する。
【0116】
以上のように、第3実施形態に係る広帯域映像信号送信装置10は、4チャンネル単位のHD−SDI信号を2チャンネル単位で多重化信号に多重化する。また、第3実施形態に係る広帯域映像信号受信装置20は、2チャンネル単位の多重化信号を4チャンネル単位でHD−SDI信号に復元化する。つまり、第3実施形態に係る発明は、光伝送路を半分の本数にすることができる。
【0117】
なお、第3実施形態に係る広帯域映像信号送信装置が多重化した多重化信号は、結果的に、図3の第1チャンネル及び第2チャンネルの多重化信号と同じフォーマットになっているため、1チャンネルあたりのビットレートが等しければ、12ビットのビット幅に対応する広帯域映像信号受信装置は、第3チャンネルの多重化信号を使用しないことを前提として、この多重化信号を復号化できる。また、同様の理由により、12ビットのビット幅に対応する広帯域映像信号送信装置から送信された光信号を、第3実施形態に係る広帯域映像信号受信装置が復号化できる。
【0118】
(第4実施形態)
[広帯域映像信号送信装置の構成]
以下、図13を参照して、本発明の第4実施形態に係る広帯域映像信号送信装置について、第1実施形態と異なる点を主に説明する。図13は、本発明の第4実施形態に係る広帯域映像信号送信装置の構成を示すブロック図である。図13に示すように、広帯域映像信号送信装置10は、入力手段11と、多重化手段12と、8ビット/10ビット符号化手段13と、パラレル−シリアル変換手段14と、電気−光変換手段15と、スクランブラ17とを備える。
【0119】
スクランブラ17は、多重化手段12が多重化した多重化信号をスクランブルするものである。ここで、元のHDTV信号に同期性がある場合、8ビット/10ビット符号化後に「1」と「0」のシンボルのバランスが平衡化せず、光信号を送信するときに送信エラーの原因となる可能性がある。そこで、前記したように、スクランブラ17がスクランブルを行い、擬似ランダム信号に変換して8ビット/10ビット符号化手段13に出力する。
【0120】
以下、図14を参照し、図13のスクランブラの詳細を説明する。図14(a)は、図13のスクランブラの詳細を説明する図である。図14(a)に示すように、スクランブラ17は、例えば、リニアフィードバックシフトレジスタであり、10個のフリップフロップ17aと、3個のXOR(eXclusive OR)ゲート17bと、P/S変換部17cと、S/P変換部17dとを備える。なお、図14では、フリップフロップを「D」、XORゲートを「+」、P/S変換部を「P/S」、及び、S/P変換部を「S/P」と図示した。
【0121】
まず、スクランブラ17は、P/S変換部17cによって、多重化手段12から入力されたパラレル信号(多重化信号)をシリアル信号に変換する。そして、スクランブラ17は、式(1)で表される生成多項式を用いて、このシリアル信号をスクランブルする。この式(1)でスクランブルした信号は、非ゼロ復帰(NRZ:Non Return to Zero)ビットストリームとなる。
(x)=X+X+1・・・式(1)
【0122】
次に、スクランブラ17は、スクランブルした非ゼロ復帰ビットストリームを、式(2)で表される生成多項式を用いて、NRZI(Non Return to Zero Inversion)ビットストリームに変換する。スクランブラ17は、このNRZIを物理レイアで扱うためにDC(直流)平衡処理することになる。さらに、スクランブラ17は、S/P変換部17dによって、NRZIビットストリームに変換したシリアル信号をパラレル信号に変換する。
(x)=X+1・・・式(2)
【0123】
つまり、図14(a)の構成とすることで、スクランブラ17は、前記した式(1)、式(2)の演算を順に行ってスクランブルすることになる。なお、このスクランブルの手順の詳細は、例えば、文献「SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers) 259M」に記載されている。
【0124】
なお、第4実施形態に係る広帯域映像信号送信装置10は、入力手段11と、多重化手段12と、8ビット/10ビット符号化手段13と、パラレル−シリアル変換手段14と、電気−光変換手段15とが、図2の各手段と同様のものであるため、その説明を省略する。
【0125】
[広帯域映像信号送信装置の動作]
以下、図15を参照して、図13の広帯域映像信号受信装置の動作について説明する(適宜図15参照)。図15は、図13の広帯域映像信号受信装置の動作を示すフローチャートである。
【0126】
ステップS21の処理及びステップS22の処理は、図5のステップS1の処理及びステップS2の処理と同様のものであるため、説明を省略する。
【0127】
ステップS22の処理に続いて、広帯域映像信号送信装置10は、スクランブラ17によって、多重化手段12が多重化した多重化信号をスクランブルする(ステップS23)。また、広帯域映像信号送信装置10は、8ビット/10ビット符号化手段13によって、スクランブラ17がスクランブルした多重化信号を、8ビット/10ビット符号化する(ステップS24)。
【0128】
ステップS25の処理及びステップS26の処理は、図5のステップS4の処理及びステップS5の処理と同様のものであるため、説明を省略する。
【0129】
[広帯域映像信号受信装置の構成]
以下、図16を参照して、本発明の第4実施形態に係る広帯域映像信号受信装置の構成について、第1実施形態と異なる点を主に説明する。図16は、本発明の第4実施形態に係る広帯域映像信号受信装置の構成を示すブロック図である。図16に示すように、広帯域映像信号受信装置20は、光−電気変換手段21と、シリアル−パラレル変換手段22と、8ビット/10ビット復号化手段23と、復元化手段24と、出力手段25と、デスクランブラ27とを備える。
【0130】
デスクランブラ27は、復元化手段24が復元化したHDTV信号をデスクランブルするものである。以下、図14を参照し、図16のデスクランブラの詳細を説明する。図14(b)は、図16のデスクランブラの詳細を説明する図である。図14(b)に示すように、デスクランブラ27は、例えば、リニアフィードバックシフトレジスタであり、10個のフリップフロップ27aと、3個のXORゲート27bと、P/S変換部27cと、S/P変換部27dとを備える。
【0131】
デスクランブラ27は、図14(a)のスクランブラ17の逆の手順でデスクランブルを行う。具体的には、図14(b)の構成とすることで、デスクランブラ27は、前記した式(2)及び式(1)を順に演算し、HDTV信号をデスクランブルする。
【0132】
なお、第4実施形態に係る広帯域映像信号受信装置20は、光−電気変換手段21と、シリアル−パラレル変換手段22と、8ビット/10ビット復号化手段23と、復元化手段24と、出力手段25とが、図6の各手段と同様のものであるため、その説明を省略する。
【0133】
[広帯域映像信号受信装置の動作]
以下、図17を参照して、図16の広帯域映像信号受信装置の動作について説明する(適宜図16参照)。図17は、図16の広帯域映像信号受信装置の動作を示すフローチャートである。
【0134】
ステップS31の処理、ステップS32の処理及びステップS33の処理は、図7のステップS11の処理、ステップS12の処理及びステップS13の処理と同様のものであるため、説明を省略する。
【0135】
ステップS33の処理に続いて、広帯域映像信号受信装置20は、デスクランブラ27によって、復元化手段24が復元化したHDTV信号をデスクランブルする(ステップS34)。また、広帯域映像信号受信装置20は、復元化手段24によって、マッピング情報に基づいて、デスクランブラ27がデスクランブルした多重化信号を、所定のチャンネル数のHDTV信号に復元化する(ステップS35)。
【0136】
ステップS36の処理は、図7のステップS15と同様のものであるため、説明を省略する。
【0137】
以上のように、第4実施形態に係る広帯域映像信号送信装置10は、スクランブラ17によってスクランブルを行う。また、第4実施形態に係る広帯域映像信号受信装置20は、デスクランブラ27によってデスクランブルを行う。つまり、第4実施形態では、スクランブル及びデスクランブルを行うことで、シンボルのバランスが平衡化し、光信号の伝送の安定性をさらに高めることができる。
【0138】
なお、広帯域映像信号送信装置10がスクランブラ17を備える場合、広帯域映像信号受信装置20がデスクランブラ27を備える必要があるため、デスクランブラ27を備えていない広帯域映像信号受信装置20との間で互換性を保てなくなる。従って、第4実施形態に係る発明は、より高い信頼性が要求される場合に用いることが好ましい。
【0139】
(第5実施形態)
[広帯域映像信号送信装置]
以下、図18を参照して、本発明の第5実施形態に係る広帯域映像信号送信装置について、第1実施形態と異なる点を主に説明する(適宜図2,図6参照)。図18は、本発明の第5実施形態に係る広帯域映像信号送信装置及び広帯域映像信号受信装置を説明する図である。図18に示すように、広帯域映像信号送信装置10Aは、図2の広帯域映像信号送信装置10と、波長分割多重化手段6とを備える。
【0140】
広帯域映像信号送信装置10Aは、電気−光変換手段15が、多重化信号を、多重化信号のチャンネル毎に異なる波長の光信号に変換する。
【0141】
波長分割多重化手段6は、電気−光変換手段15が変換した光信号を、1チャンネルの光信号に波長分割多重化するものである。波長分割多重化手段6としては、例えば、3N対1の光スイッチがある。そして、波長分割多重化手段6は、波長分割多重化した1チャンネルの光信号を、1本の伝送路(例えば、シングルモード光ファイバ)を介して、広帯域映像信号受信装置20Aに送信する。
【0142】
なお、図18の広帯域映像信号送信装置10は、図2と同様のものであるため、その説明を省略する。また、図18の広帯域映像信号送信装置10は、図5と同様の動作となるため、その説明を省略する。
【0143】
[広帯域映像信号受信装置]
以下、図18を参照して、本発明の第5実施形態に係る広帯域映像信号受信装置について、第1実施形態と異なる点を主に説明する。図18に示すように、広帯域映像信号受信装置20Aは、図6の広帯域映像信号受信装置20と、波長分離手段7とを備える。
【0144】
波長分離手段7は、波長分割多重化手段6が1チャンネルに波長分割多重化した光信号を、多重化信号のチャンネル毎に異なる波長の光信号に分離するものである。波長分離手段7としては、例えば、1対3Nの光スイッチがある。
【0145】
広帯域映像信号受信装置20Aは、光−電気変換手段21が、波長分離手段7が分離した光信号を電気信号に変換する。
【0146】
なお、図18の広帯域映像信号受信装置20は、図6と同様のものであるため、その説明を省略する。また、図18の広帯域映像信号受信装置20は、図7と同様の動作となるため、その説明を省略する。
【0147】
以上のように、第5実施形態に係る広帯域映像信号送信装置10Aは、4チャンネル単位のHDTV信号を1チャンネルの光信号として送信する。また、以上のように、第5実施形態に係る広帯域映像信号受信装置20Aは、HDTV信号を1チャンネルの光信号として受信する。つまり、第5実施形態に係る発明は、1本の光伝送路で光信号を伝送できるため、光伝送路の本数を最小にでき、構成がより簡易になり、特に、広帯域映像信号を長距離伝送する場合又は既設のシングルモード光ファイバを用いて広帯域映像信号を伝送する場合に有効である。
【0148】
なお、本発明の各実施形態において、4の倍数のチャンネル数のHDTV信号又はHD−SDI信号で構成される広帯域映像信号(N=4)の例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明では、例えば、HDTV信号又はHD−SDI信号のチャンネル数が2、6又は8の倍数であっても良い。
【0149】
なお、本発明の各実施形態において、広帯域映像信号送信装置及び広帯域映像信号受信装置を独立した装置として説明したが、広帯域映像信号送信装置及び広帯域映像信号受信装置を放送機器に内蔵できることは言うまでもない。
【0150】
なお、本発明の各実施形態において、マッピング情報、多重化方法及び復元化方法の例を説明したが、本発明はこれに限定されない。以下、図3の多重化方法の変形例を簡単に説明する。多重化部12は、HDTV信号の各チャンネルを、上位4ビットと下位8ビットに分割する。次に、多重化部12は、第1チャンネルのHDTV信号の下位8ビットと第2チャンネルのHDTV信号の下位8ビットとをビット幅方向に2個連結して、ビット幅が16ビットとなる第1チャンネルの多重化信号に多重化する。また、多重化部12は、第3チャンネルのHDTV信号の下位8ビットと第4チャンネルのHDTV信号の下位8ビットとをビット幅方向に2個連結して、ビット幅が16ビットとなる第2チャンネルの多重化信号に多重化する。そして、多重化部12は、第1チャンネルから第4チャンネルまでの上位4ビットをビット幅方向に順に4個連結して、ビット幅が16ビットとなる第3チャンネルの多重化信号に多重化する。この場合、復元化部24は、前記した多重化方法と逆の手順で復元化を行う。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明の第1実施形態における広帯域映像信号送受信システムの概略を示す図である。
【図2】図1の広帯域映像信号送信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるビット幅方向の多重化及び復元化を説明する図である。
【図4】本発明の第1実施形態における時間方向の多重化及び復元化を説明する図である。
【図5】図2の広帯域映像信号送信装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】図1の広帯域映像信号受信装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の広帯域映像信号受信装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態における、入力手段の詳細を説明する図である。
【図9】図8の入力手段による付加ビットの付加を説明する図である。
【図10】本発明の第2実施形態におけるビット幅方向の多重化及び復元化を説明する図である。
【図11】本発明の第2実施形態における、出力手段の詳細を説明する図である。
【図12】本発明の第3実施形態における時間方向の多重化及び復元化を説明する図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る広帯域映像信号送信装置の構成を示すブロック図である。
【図14】(a)は図13のスクランブラの詳細を説明する図であり、(b)は図16のデスクランブラの詳細を説明する図である。
【図15】図13の広帯域映像信号受信装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第4実施形態に係る広帯域映像信号受信装置の構成を示すブロック図である。
【図17】図16の広帯域映像信号受信装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第5実施形態に係る広帯域映像信号送信装置及び広帯域映像信号受信装置を説明する図である。
【符号の説明】
【0152】
10,10A 広帯域映像信号送信装置
11 入力手段
12 多重化手段
13 8ビット/10ビット符号化手段
14 パラレル−シリアル変換手段
15 電気−光変換手段
17 スクランブラ
20,20A 広帯域映像信号受信装置
21 光−電気変換手段
22 シリアル−パラレル変換手段
23 8ビット/10ビット復号化手段
24 復元化手段
25 出力手段
27 デスクランブラ
6 波長分割多重化手段
7 波長分離手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のチャンネル数のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を多重化した多重化信号を、前記HDTV信号のチャンネル数より少ない本数の光伝送路を介して、広帯域映像信号受信装置に送信する広帯域映像信号送信装置であって、
電気信号である前記HDTV信号を入力し、当該HDTV信号がシリアル信号のときは当該HDTV信号をパラレル信号に変換する入力手段と、
前記HDTV信号のビット位置と前記多重化信号のビット位置との対応関係を予め設定したマッピング情報に基づいて、前記入力手段が入力したHDTV信号を、前記光伝送路の本数と同数のチャンネルの前記多重化信号に多重化する多重化手段と、
前記多重化手段が多重化した多重化信号を、8ビット/10ビット符号化する8ビット/10ビット符号化手段と、
前記8ビット/10ビット符号化手段が符号化した多重化信号を、シリアル信号に変換するパラレル−シリアル変換手段と、
前記パラレル−シリアル変換手段がシリアル信号に変換した多重化信号を、光信号に変換する電気−光変換手段と、
を備えることを特徴とする広帯域映像信号送信装置。
【請求項2】
前記入力手段は、チャンネル数が4の倍数である前記HDTV信号を入力し、
前記多重化手段は、前記マッピング情報に基づいて、前記HDTV信号を4チャンネル単位でグループ化すると共に、前記グループ毎に、当該グループに含まれる4チャンネルの前記HDTV信号を3チャンネル以下の前記多重化信号に多重化することを特徴とする請求項1に記載の広帯域映像信号送信装置。
【請求項3】
前記入力手段は、ビット幅が12ビット以下である前記HDTV信号を入力し、
前記多重化手段は、前記マッピング情報に基づいて、前記グループ毎に、4チャンネル全ての前記HDTV信号を上位8ビットと下位4ビットとに分割し、当該グループに含まれる4チャンネルの前記HDTV信号を、互いに異なるチャンネルの前記HDTV信号の前記上位8ビットを2個連結して2チャンネルの前記多重化信号に多重化すると共に、4チャンネル全ての前記HDTV信号の前記下位4ビットを4個連結して1チャンネルの前記多重化信号に多重化することを特徴とする請求項2に記載の広帯域映像信号送信装置。
【請求項4】
前記多重化手段は、ビット幅が12ビット以下、かつ、周波数が148.5MHz又は148.5/1.001MHzのパラレル信号を入力し、
前記パラレル−シリアル変換手段は、前記多重化信号を、周波数が2.97GHz又は2.97/1.001GHzのシリアル信号に変換して出力することを特徴とする請求項3に記載の広帯域映像信号送信装置。
【請求項5】
前記入力手段又は前記多重化手段は、前記HDTV信号のビット幅が12ビット未満の場合、12ビットと前記ビット幅との差である不足ビット数分の付加ビットを前記HDTV信号に付加することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の広帯域映像信号送信装置。
【請求項6】
前記入力手段は、ビット幅が8ビットである前記HDTV信号を入力し、
前記多重化手段は、前記マッピング情報に基づいて、前記グループ毎に、当該グループに含まれる4チャンネルの前記HDTV信号を、互いに異なるチャンネルの前記HDTV信号を2個連結して2チャンネルの前記多重化信号に多重化することを特徴とする請求項2に記載の広帯域映像信号送信装置。
【請求項7】
前記多重化手段が多重化した多重化信号をスクランブルするスクランブラを、さらに備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の広帯域映像信号送信装置。
【請求項8】
所定のチャンネル数のHDTV信号で構成される広帯域映像信号を多重化した多重化信号を、前記HDTV信号のチャンネル数より少ない本数の光伝送路を介して、広帯域映像信号送信装置から受信する広帯域映像信号受信装置であって、
光信号を受信すると共に、前記光信号を電気信号としての前記多重化信号に変換する光−電気変換手段と、
前記光−電気変換手段が電気信号に変換した多重化信号を、パラレル信号に変換するシリアル−パラレル変換手段と、
前記シリアル−パラレル変換手段がパラレル信号に変換した多重化信号を、8ビット/10ビット復号化する8ビット/10ビット復号化手段と、
前記HDTV信号のビット位置と前記多重化信号のビット位置との対応関係を予め設定したマッピング情報に基づいて、前記8ビット/10ビット復号化手段が復号化した前記光伝送路の本数と同数のチャンネルの多重化信号を、前記所定のチャンネル数のHDTV信号に復元化する復元化手段と、
前記復元化手段が復元化したHDTV信号を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする広帯域映像信号受信装置。
【請求項9】
前記光−電気変換手段は、前記チャンネル数が3以下の倍数である前記光信号を受信し、
前記復元化手段は、前記マッピング情報に基づいて、前記多重化信号を3チャンネル以下の単位でグループ化し、前記グループ毎に、当該グループに含まれる3チャンネル以下の前記多重化信号を4チャンネルの前記HDTV信号に復元化することを特徴とする請求項8に記載の広帯域映像信号受信装置。
【請求項10】
前記光−電気変換手段は、ビット幅が16ビットである前記光信号を受信し、
前記復元化手段は、前記マッピング情報に基づいて、前記グループ毎に、当該グループに含まれる2チャンネルの前記多重化信号のそれぞれを前記HDTV信号の上位8ビットに4個分割し、当該グループに含まれる1チャンネルの前記多重化信号を前記HDTV信号の下位4ビットに4個分割すると共に、当該グループに含まれる3チャンネルの前記多重化信号を、同一チャンネルとして対応する前記HDTV信号の上位8ビットと前記HDTV信号の下位4ビットとを連結して4チャンネルの前記HDTV信号に復元化することを特徴とする請求項9に記載の広帯域映像信号受信装置。
【請求項11】
前記シリアル−パラレル変換手段は、周波数が2.97GHz又は2.97/1.001GHzのシリアル信号を入力し、
前記復元化手段は、前記多重化信号を、ビット幅が12ビット以下、かつ、周波数が148.5MHz又は148.5/1.001MHzのパラレル信号に復元化して出力することを特徴とする請求項10に記載の広帯域映像信号受信装置。
【請求項12】
前記復元化手段又は前記出力手段は、前記HDTV信号のビット幅が12ビット未満の場合、12ビットと前記ビット幅との差である不足ビット数分の付加ビットを前記多重化信号から除去することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の広帯域映像信号受信装置。
【請求項13】
前記光−電気変換手段は、ビット幅が16ビットである前記光信号を受信し、
前記復元化手段は、前記マッピング情報に基づいて、前記多重化信号を2チャンネル単位でグループ化し、前記グループ毎に、当該グループに含まれる2チャンネルの前記多重化信号のそれぞれを2分割して4チャンネルの前記HDTV信号に復元化することを特徴とする請求項9に記載の広帯域映像信号受信装置。
【請求項14】
前記復元化手段が復元化したHDTV信号をデスクランブルするデスクランブラを、さらに備えることを特徴とする請求項8から請求項13の何れか一項に記載の広帯域映像信号受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−124245(P2010−124245A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296128(P2008−296128)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(000101330)アストロデザイン株式会社 (28)
【Fターム(参考)】