説明

広角の照明範囲をもつ発光ダイオード電球

【課題】本発明は、広角の照明範囲をもつ発光ダイオード電球を提供する。
【解決手段】台座放熱モジュールと、球形のランプカバーとによって構成する。台座放熱モジュールの一端には回路基板が設けられるとともに、回路基板には、COB即ちCHIP ON BOARDによって高パワーの発光ダイオードが設けられる。また、球形のランプカバーは、台座放熱モジュールの発光ダイオード上方に被せられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の電球のように放射状に発光するため、広角の照明範囲をもつ発光ダイオード電球に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、蛍光灯、天井照明、探照灯、電球等の各種照明に使用されており、一定の効果を発揮している。しかしながら、発光ダイオードは、単一方向へしか光が放射されないため、懐中電灯、探照灯、天井照明、蛍光灯などの単一方向へ射出される照明器具に対する使用には適しているが、発光ダイオードを、放射状に発光し広角の照明範囲をもつ電球に適用させるのは、設計上、従来の発光ダイオードの照明器具に比べ大幅に難しく、多くの克服しなければならない難題がある。
【0003】
図6は、従来の発光ダイオード電球の構造を示している。従来の発光ダイオード電球は、一端に回路基板60を具える台座50が設けられ、回路基板60には、表面実装技術(SMT)によって複数の発光ダイオード70が設けられ、さらに、球形のランプカバー(図示せず)がその上に設けられることにより、電球が形成されている。また、図7に示すように、上述の発光ダイオード70の構造には、傾斜をもつ外周壁71が設けられている。外周壁71の内側は、蛍光粉入り封止材料72で発光ダイオードチップ73が封止され、発光ダイオードチップ73が発光した後、光は前方に向かって外周壁71に沿いながら射出される。しかしながら、この種の構造は、使用上、以下の欠点を有している。
【0004】
1、発光ダイオードチップ73から外に向かって発射された光は、周囲の外周壁71に遮られるため、通常の投射角度は120度以内になる。従って、この種の電球は、広い射出角度をもつ照明にすることができないという欠点がある。
【0005】
この欠点に関して、図8及び添付資料の実際の撮影画像で示している。添付資料撮影画像の左上は従来の発光ダイオード電球の撮影画像である。最も強い輝度の第一光強度分布線C1と次に強い輝度の第二光強度分布線C2は、いずれも台座50端面の水平線L0より上、或いは付近に位置するため、ランプカバー80の下方周縁が著しく暗くなって輝度不足になっている。
【0006】
2、また、図6に示すように、従来の発光ダイオード70は既にパッケージングされたチップであるため、表面実装技術(SMT)によってチップを台座50の回路基板60にハンダ付けしなければならないが、体積が大きく作業スペースも必要になるため、各発光ダイオード70間の距離Sが大きくなり、複数の発光ダイオード70を使用する際に、面積の大きい回路基板60が必要になるだけでなく、放熱モジュールも大きくなり、コストが高くなるとともに、製品の体積も大きく重くなるという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、広角の照明範囲をもつ発光ダイオード電球を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による広角の照明範囲をもつ発光ダイオード電球は、台座放熱モジュールと、球形のランプカバーとによって構成する。台座放熱モジュールの一端には回路基板が設けられるとともに、回路基板には、COB即ちCHIP ON BOARDによって高パワーの発光ダイオードが設けられる。また、球形のランプカバーは、台座放熱モジュールの発光ダイオード上方に被せられる。本発明を使用する際、発光ダイオードはCOB即ちCHIP ON BOARDによって回路基板に設けられているため、発光ダイオードの発光角度は180度近くになり、さらに、球形のランプカバー内壁の特殊な塗布処理により、電球からの発光角度は270度以上に達する。また、最も強い輝度の光の分布領域は台座端面の水平線以下に達するため、電球の下半部の周辺も高い輝度をもつ。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、発光角度及び発光の均一度で言うと、従来のタングステン電球や省エネ電球の放射状の発光と同等の効果をもっている上、本発明はLED電球を使用しているため、コストが低く且つ寿命が長く、更には環境保護に役立つ、輝度が高いといった利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の構造を示した斜視図である。
【図2】本発明の構造を示した断面図である。
【図3】本発明の使用効果を示した説明図である。
【図4】本発明の光強度分布を示した説明図である。
【図5】COB、即ちCHIP ON BOARDによって発光ダイオードを回路基板に設けた本発明の発光角度を示した説明図である。
【図6】従来の発光ダイオード電球内の台座と発光ダイオードを示した斜視図である。
【図7】パッケージングされた発光ダイオードをSMTによって回路基板上に設けた従来の発光ダイオード電球の発光角度を示した説明図である。
【図8】従来の発光ダイオード電球の光強度分布を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1と図2に示すように、本発明は、台座放熱モジュール10と、球形のランプカバー40とによって構成する。
【0012】
台座放熱モジュール10の一端には回路基板20が設けられるとともに、回路基板20には少なくとも一つの発光ダイオード30が設けられる。なお、本実施例において、発光ダイオード30は六個であり、COB、即ちCHIP ON BOARDによって回路基板20に設けられる。
【0013】
図5に示すように、発光ダイオード30は、COB、即ちCHIP ON BOARDによって回路基板20に設けられるため、発光ダイオード30の光は、ほぼ直接、回路基板20から外に向かって拡散して射出され、発光角度Θ1は約180度に達する。
【0014】
図1と図2に示す台座放熱モジュール10は、発光ダイオード30から生じる熱を吸収して伝導させ、消散させる。
【0015】
球形のランプカバー40は、台座放熱モジュール10の発光ダイオード30の上方に被せられ、ランプカバー40の内壁400は球面形状である。図2と図3に示すように、発光ダイオード30が強い白光を発する時、その光はランプカバー40の内壁400へと均一に放出される。放出された光線L1が、垂直、或いは垂直に近い角度でランプカバー40の内壁400に投射された場合はランプカバー40を通過する。光線L2が、傾いた角度でランプカバー40の内壁400に投射された場合は、ランプカバー40内で反射して、最終的にランプカバー40を通過する。それにより、電球の全方向への光の投射を達成することができる。
【0016】
また、電球内部の光の反射を均一にさせるために、ランプカバー40の内壁400には、光線を均一にさせるための反射材料が塗布され、均一な輝度を得ることができる。
【0017】
以上のように、本発明を使用する際、図3と図4に示すように、本発明の発光ダイオード30は、COB、即ちCHIP ON BOARDによって回路基板20に設けられるため、発光ダイオード30の発光角度は180度近くになり、さらに、球形のランプカバー40の内壁400の反射により、電球から放出される光の角度Θは、270度以上に達する。また、最も強い輝度の第一光強度分布線C1と、次に強い輝度の第二光強度分布線C2は、いずれも台座50端面の水平線L0より下に達しており、電球の下半部の周囲も高い輝度をもつ。この点に関しては、本発明の添付資料の実際の撮影画像で証明できる。添付資料の右下方の撮影画像は本発明である。その輝度は電球の下方周辺まで広がっている。この照明効果は、添付資料の左下方のタングステン電球及び右上方の省エネ電球の放射状の発光効果と同じであるが、本発明はLED電球を使用しているため、コストが低く且つ寿命が長く、更には環境保護に役立つ、輝度が高いといった利点もある。
【符号の説明】
【0018】
10 台座放熱モジュール
20 回路基板
30 発光ダイオード
40 ランプカバー
400内壁
41 空間
50 台座
60 回路基板
70 発光ダイオード
71 外周壁
72 蛍光粉入り封止材料
73 発光ダイオードチップ
80 ランプカバー
C1 第一光強度分布線
C2 第二光強度分布線
L0 水平線
L1 光線
L2 光線
Θ 角度
Θ1 角度
S 距離


【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座放熱モジュールと、球形のランプカバーとによって構成する広角の照明範囲をもつ発光ダイオード電球において、
台座放熱モジュールの一端には回路基板が設けられるとともに、回路基板には少なくとも一つの発光ダイオードが設けられ、発光ダイオードは、COB即ちCHIP ON BOARDによって回路基板に設けられ、
球形のランプカバーは、台座放熱モジュールの発光ダイオード上方に被せられ、それにより、高パワーの発光ダイオードから射出された強い白光は、球形のランプカバーから極めて広い角度で放出されることを特徴とする、広角の照明範囲をもつ発光ダイオード電球。
【請求項2】
前記ランプカバーの内壁には、光線を均一にする反射材料が塗布されることを特徴とする、請求項1に記載の広角の照明範囲をもつ発光ダイオード電球。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−222468(P2011−222468A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108153(P2010−108153)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(510127631)
【Fターム(参考)】