説明

広角レンズ系

【課題】可視光域から近赤外域まで良好に諸収差が補正され、4枚構成で貼合せレンズを含まず、画角が70゜を超える安価な広角レンズ系を得る。
【解決手段】物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第1レンズ、正のパワーを持つ第2レンズ、両凸レンズの第3レンズ、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第4レンズから構成され、次の条件式(1)を満足することを特徴とする広角レンズ系。
(1)0.25<ΔH/(p3+p4)<0.06
但し、
ΔH:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第3レンズの第2主点と第4レンズの第1主点との距離;
p3:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第3レンズのパワー;
f3:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第3レンズの焦点距離(p3=1/f3);
p4:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第4レンズのパワー;及び
f4:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第4レンズの焦点距離(p4 =1/f4)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視用カメラや、車載用カメラ等に用いられる広角レンズ系に関し、特に車載用として通常の可視光域に加え近赤外の照明を投光し、路上の白線、障害物検出等に利用可能な4枚構成の安価な広角レンズ系に関する。
【背景技術】
【0002】
近年において、ITS(Intelligent Transport Systems)高度道路交通システムの発達に伴い従来のバックモニターカメラなどに加え、走行支援のためのセンサーカメラが用いられている。センサーカメラ搭載車には、夜間走行にも使用可能なように通常のヘッドライトに加え、専用の近赤外投光器が備えられ、使用されるCCD、あるいはCMOSなどの撮像素子は、近赤外まで実用感度のあるものが使用される。このようなセンサーカメラ用のレンズ系は、広角であること、可視光域から近赤外域まで良好に色補正されていること、車内において使用されるため-30℃から+90℃程度までの温度変化に対しても使用可能であること、安価であること等が望まれている。
【特許文献1】特開2006-3589号公報
【特許文献2】特開2004-354829号公報
【特許文献3】特開平5-264895号公報
【特許文献4】特開平10-39207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら一般的な赤外カットフィルター使用を前提として設計された広角レンズ系では、色収差の補正が不足となり使用できない、また監視カメラ用として近赤外域までの使用が考慮されたレンズ系も使用されているがほとんどのものが特許文献1のように可変焦点距離用のレンズであり構成枚数が多く安価に提供できるものではない、また特許文献2は、近赤外まで色収差が考慮された単焦点レンズであるが構成枚数が7枚と多く、また貼合せレンズを含むため安価な提供が困難であり、温度差の大きい使用環境においては、貼合せ面剥離への不安がある。特許文献3、4はいずれも構成枚数が4枚で貼合せレンズがないが、近赤外までの補正はなされていない。
【0004】
従って本発明は、可視光域から近赤外域まで良好に諸収差が補正され、4枚構成で貼合せレンズを含まず、画角が70゜を超える安価な広角レンズ系を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、貼合せレンズを含まない4枚構成の広角レンズ系であって、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第1レンズ、正のパワーを持つ第2レンズ、両凸レンズの第3レンズ、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第4レンズから構成され、次の条件式(1)を満足することを特徴とする広角レンズ系。
(1)0.25<ΔH/(p3+p4)<0.06
但し、
ΔH:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第3レンズの第2主点と第4レンズの第1主点との距離;
p3:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第3レンズのパワー;
f3:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第3レンズの焦点距離(p3=1/f3);
p4:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第4レンズのパワー;及び
f4:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第4レンズの焦点距離(p4 =1/f4)、
である。
【0006】
本発明の広角レンズ系は、次の条件式(2)及び(3)を満足することが望ましい。
(2)1.00<R7/R8<1.30
(3)-1.2<(R7+R8)/2f<-0.8
但し、
R7:第3レンズの像側の面の曲率半径;
R8:第4レンズの物体側の面の曲率半径;及び
f;全系の焦点距離、
である。
【0007】
また、次の条件式(4)及び(5)を満足するのがよい。
(4)ν4<23
(5)25<(ν3-ν4)
但し、
ν3:第3レンズのアッベ数;及び
ν4:第4レンズのアッベ数;
である。
【0008】
本発明の広角レンズ系はまた、次の条件式(6)を満足することが望ましい。
(6)1.95<(d2+d3+d4)/f<3.00
但し、
d2:第1レンズと第2レンズの空気間隔;
d3:第2レンズの厚さ;及び
d4:第2レンズの像側の面と絞りとの空気間隔;
である。
【0009】
また、本発明の広角レンズ系は次の条件式(7)を満足することが望ましい。
(7)0.03<A-B<0.06
但し、
A=(nt3-1)×(1-nt4)/(R7×R8)
B=(nd3-1)×(1-nd4)/(R7×R8)
nt3:第3レンズのt線の屈折率;
nt4:第4レンズのt線の屈折率;
nd3:第3レンズのd線の屈折率;
nd4:第4レンズのd線の屈折率;
R7:第3レンズの像側の面の曲率半径;及び
R8:第4レンズの物体側の面の曲率半径、
である。
【0010】
本発明は、別の態様によると、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第1レンズ、正のパワーを持つ第2レンズ、両凸レンズの第3レンズ、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第4レンズから構成され、次の条件式(7’)を満足することを特徴とする広角レンズ系。
(7’)0.032<A-B<0.06
但し、
A=(nt3-1)×(1-nt4)/(R7×R8)
B=(nd3-1)×(1-nd4)/(R7×R8)
nt3:第3レンズのt線の屈折率;
nt4:第4レンズのt線の屈折率;
nd3:第3レンズのd線の屈折率;
nd4:第4レンズのd線の屈折率;
R7:第3レンズの像側の面の曲率半径;
R8:第4レンズの物体側の面の曲率半径;及び
f:全系の焦点距離;
である。
【0011】
この別の態様の広角レンズ系においては、条件式(2)及び(3)、(4)及び(5)、及び(6)をそれぞれ満足させることが好ましい。
【0012】
本発明は、さらに別の態様によると、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第1レンズ、正のパワーを持つ第2レンズ、両凸レンズの第3レンズ、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第4レンズから構成され、次の条件式(4)及び(5)を満足する広角レンズ系。
(4)ν4<23
(5)25<(ν3-ν4)
但し、
ν3:第3レンズのアッベ数;及び
ν4:第4レンズのアッベ数;
である。
【0013】
このさらに別の態様の広角レンズ系においては、条件式(1)乃至(3)、(6)、(7)及び(7’)をそれぞれ満足させることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、可視光域から近赤外域まで良好に諸収差が補正され、4枚構成で貼合せレンズを含まず、画角が70゜を超える安価な広角レンズ系を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本実施形態の広角レンズ系は、図1、図3、図5、図7、図9、図11及び図13の各実施例に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第1レンズ11、正のパワーを持つ第2レンズ12、絞りS、両凸レンズの第3レンズ13、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第4レンズ14、及び撮像素子の前に位置するカバーガラス15から構成されている。いずれのレンズも、非球面を持たない光学ガラスからなる単レンズであり、貼合せレンズやプラスチックレンズを含まない。第3レンズ13と第4レンズ14の対向面の曲率半径は、第3レンズの方が小さく、両レンズは、有効径よりやや外側の位置において対向面同士が当接している。また、絞りSは以下に説明するいずれの実施例においても第2レンズ12と第3レンズ13の間に配置されている。
【0016】
4枚構成のレンズ系では、少ない枚数で、色補正と他の収差の補正まで行わなければならないため、適切なガラスの選択と、レンズ系全体の適切なパワー配置とが求められる。また、使用温度の変化が大きいため、樹脂レンズ、貼合せレンズの使用は好ましくなく、光学ガラスのみで構成されることが望ましい。光学ガラスを用いたガラスモールドによる非球面レンズも考えられるが、コストアップになり好ましくない。
【0017】
本発明の広角レンズ系は、物体側から順に負正正負の4枚構成において、特に正の第3レンズと負の第4レンズに特徴がある。条件式(1)ないし(5)及び(7)は、第3レンズと第4レンズが満足すべき条件であり、そのうち条件式(1)は、可視光域から近赤外域までの色収差を補正に有効なガラスを選択した上で、コマ収差、非点較差をバランスよく補正するための条件である。条件式(1)の上限を超えると、非点較差が大きくなり好ましくない。条件式(1)の下限を越えると、コマ収差の補正が困難となる。
【0018】
条件式(2)は、第3レンズと第4レンズの対向面の曲率半径が満足すべき条件である。この条件式(2)は、同対向面の曲率半径の差が小さくかつ両レンズを有効径のやや外側で面当てさせる(当接させる)ことができることを意味している。すなわち、条件式(2)を満足することにより第3レンズと第4レンズを面あてつけにすることが可能になり、かつ諸収差を良好に補正できる。温度差の大きい使用環境においては、第3レンズと第4レンズ間隔の変動が少なくなるように面当てつけ構成にすることが好ましい。条件式(2)の下限を超えると、面当てつけができなくなる。条件式(2)の上限を超えると、両レンズの対向面で発生する収差の打消しが困難となり好ましくない。
【0019】
条件式(3)は、第3レンズと第4レンズの対向面の曲率半径を別の視点から規定したものである。条件式(3)を満足することにより、コマ収差と倍率色収差をバランスよく補正することが可能になる。条件式(3)の上限を超えると、コマ収差の補正が困難となり好ましくない。条件式(3)の下限を超えると倍率色収差の補正が困難となる。
【0020】
条件式(4)、(5)は、第3レンズと第4レンズのアッベ数(硝材)に関する条件である。これらの条件式(4)、(5)を満足することにより可視光域から近赤外域まで色収差を良好に補正することができる。条件式(4)、(5)を満足しないアッベ数の硝材を用いると、色収差を良好に補正することが困難となり、使用可能な波長域が減少してしまう。
【0021】
本発明の広角レンズ系を適用するセンサーカメラは、撮像素子を用いるデジタルカメラである。このため、ある程度の像側テレセントリック性を確保し、極端な歪曲収差を防ぐために、条件式(6)を満足することが望ましい。条件式(6)の上限を超えると、歪曲収差の補正には有利だが、テレセントリック性を保つことが困難となる。条件式(6)の下限を超えると、テレセントリック性の確保には有利だが、歪曲収差を適度に抑えることが困難となり、さらに第3レンズのコバ厚を確保することが難しくなる。
【0022】
条件式(7)は、可視光域から近赤外域に渡って色収差を良好に補正するための条件である。条件式(7)の下限を越えても上限を超えても、可視光域から近赤外域に渡って色収差を良好に補正することが困難となり、使用可能な波長域が減少してしまう。
さらに、条件式(7’)を満足しても、可視光域から近赤外域に渡って色収差を適切に補正することができる。
【0023】
次に具体的な実施例を示す。以下の実施例はいずれも、車載用センサーカメラに用いる広角レンズ系である。諸収差図及び表中、球面収差で表される色収差(軸上色収差)図及び倍率色収差図中のd線、g線、C線はそれぞれの波長に対する収差、Sはサジタル、Mはメリディオナル、Wは半画角(゜)、FNOはFナンバー、fは全系の焦点距離、fBはバックフォーカス、Rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、Nd はd線の屈折率、Ntはt線の屈折率、νはアッベ数を示す。
【実施例1】
【0024】
図1及び図2と表1は本発明による広角レンズ系の実施例1を示している。図1はレンズ構成図、図2は諸収差図、表1は数値データである。この広角レンズ系は、物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ11、像側に凸の正メニスカスレンズ12、絞りS、両凸正レンズ13、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第4レンズ14及びカバーガラス15(厚み0.4、Nd =1.51633、ν=64.1、全実施例共通)からなっている。数値データにはカバーガラス15のデータを含まない(fB の値はカバーガラスを含まない値である)。絞りSは、第4面の極から後方0.500にある。
(表1)
FNO = 1: 2.83
f = 4.57
W = 36.3
fB = 7.64
面 No. r d Ndt ν
1 14.174 1.50 1.58913 1.57814 61.2
2 3.894 9.40
3 -16.900 2.60 1.79952 1.77941 42.2
4 -8.757 3.41
5 9.800 4.24 1.77250 1.75541 49.6
6 -5.507 0.06
7 -5.310 1.00 1.92286 1.87807 18.9
8 -16.541 -
【実施例2】
【0025】
図3及び図4と表2は本発明による広角レンズ系の実施例2を示している。図3はレンズ構成図、図4は諸収差図、表2は数値データである。基本的なレンズ構成は、第2レンズ12が物体側が平面の平凸レンズである点を除き、実施例1と同様である。絞りSは、第4面の極から後方0.670にある。
(表2)
FNO= 1: 2.83
f = 4.57
W = 36.3
fB = 8.27
面 No. r d Ndt ν
1 39.828 1.30 1.58913 1.57814 61.2
2 4.111 10.17
3 ∞ 1.51 1.78590 1.76702 44.2
4 -11.634 3.62
5 12.748 3.93 1.74100 1.72524 52.7
6 -5.452 0.06
7 -5.300 1.00 1.92286 1.87807 18.9
8 -13.823 -
【実施例3】
【0026】
図5及び図6と表3は本発明による広角レンズ系の実施例3を示している。図5はレンズ構成図、図6は諸収差図、表3は数値データである。基本的なレンズ構成は、第2レンズ12が両凸レンズである点を除き、実施例1と同様である。絞りSは、第4面の極から後方0.500にある。
(表3)
FNO= 1: 2.83
f = 4.57
W = 36.3
fB = 7.48
面 No. r d Ndt ν
1 154.199 1.30 1.65844 1.64446 50.9
2 4.499 10.28
3 17.325 1.55 1.75500 1.73893 52.3
4 -17.325 3.91
5 12.188 4.32 1.65844 1.64446 50.9
6 -4.668 0.02
7 -4.624 1.00 1.92286 1.87807 18.9
8 -12.161 -
【実施例4】
【0027】
図7及び図8と表4は本発明による広角レンズ系の実施例4を示している。図7はレンズ構成図、図8は諸収差図、表4は数値データである。基本的なレンズ構成は、実施例1と同様であるが、第1レンズ11と第2レンズ12の合成焦点距離が負である。絞りSは、第4面の極から後方0.500にある。
(表4)
FNO = 1: 2.83
f = 4.57
W = 36.2
fB = 8.68
面 No. r d Ndt ν
1 17.576 1.50 1.58913 1.57814 61.2
2 3.905 9.98
3 -13.241 1.51 1.74000 1.71480 28.3
4 -7.997 2.81
5 10.697 4.36 1.78800 1.76995 47.4
6 -4.851 0.03
7 -4.752 1.00 1.92286 1.87807 18.9
8 -14.193 -
【実施例5】
【0028】
図9及び図10と表1は本発明による広角レンズ系の実施例5を示している。図9はレンズ構成図、図10は諸収差図、表5はその数値データである。基本的なレンズ構成は、実施例1と同様である。絞りSは、第4面の極から後方0.780にある。
(表5)
FNO = 1: 2.83
f = 4.57
W = 36.0
fB = 8.89
面 No. r d Ndt ν
1 17.758 1.30 1.62041 1.60876 60.3
2 3.662 8.62
3 -13.463 2.60 1.78800 1.76995 47.4
4 -7.696 2.74
5 9.275 4.64 1.62041 1.60876 60.3
6 -4.607 0.06
7 -4.534 1.00 1.92286 1.88302 21.3
8 -9.622 -
【実施例6】
【0029】
図11及び図12と表6は本発明による広角レンズ系の実施例6を示している。図11はレンズ構成図、図12は諸収差図、表6は数値データである。基本的なレンズ構成は、実施例1と同様であるが、実施例1から5よりも、第1レンズの物体側の面の頂点から像位置までの距離を短くしている。絞りSは、第4面の極から後方0.500にある。
(表6)
FNO= 1: 2.83
f = 4.57
W = 35.7
fB = 6.57
面 No. r d Ndt ν
1 7.174 1.50 1.75700 1.73974 47.8
2 2.959 6.00
3 -10.544 2.50 1.80400 1.78537 46.6
4 -6.020 2.94
5 9.449 4.52 1.77250 1.75541 49.6
6 -4.616 0.06
7 -4.460 1.00 1.92286 1.87807 18.9
8 -13.790 -
【実施例7】
【0030】
図13及び図14と表7は本発明による広角レンズ系の実施例7を示している。図13はレンズ構成図、図14は諸収差図、表7はその数値データである。基本的なレンズ構成は、実施例1と同様であるが、第1レンズの物体側の面の頂点から像位置までの距離を実施例6よりもさらに短くしている。絞りSは、第4面の極から後方1.050にある。
(表7)
FNO= 1: 2.83
f = 4.50
W = 35.5
fB = 6.08
面 No. r d Ndt ν
1 17.750 1.00 1.77250 1.75541 49.6
2 3.600 6.27
3 7.241 4.10 1.69350 1.67894 53.2
4 -26.650 1.75
5 8.800 2.45 1.77250 1.75541 49.6
6 -5.310 0.20
7 -4.161 0.60 1.92286 1.87807 18.9
8 -15.904 -
【0031】
各実施例の各条件式に対する値を表8に示す。
(表8)
条件式(1) 条件式(2) 条件式(3) 条件式(4)
実施例1 0.470 1.037 -1.183 18.9
実施例2 0.295 1.029 -1.176 18.9
実施例3 0.389 1.010 -1.017 18.9
実施例4 0.353 1.020 -1.051 18.9
実施例5 0.390 1.016 -1.000 21.3
実施例6 0.453 1.035 -0.993 18.9
実施例7 0.574 1.276 -1.052 18.9
条件式(5) 条件式(6) 条件式(7)
実施例1 30.7 2.735 0.035
実施例2 33.8 2.687 0.034
実施例3 32.0 2.698 0.040
実施例4 28.5 2.624 0.046
実施例5 39.0 2.626 0.035
実施例6 30.7 2.865 0.050
実施例7 30.7 1.969 0.046
【0032】
表8から明らかなように、実施例1ないし実施例7は条件式(1)〜(7)を満足しており、また諸収差図から明らかなように諸収差は比較的よく補正されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による広角レンズ系の実施例1のレンズ構成図である。
【図2】図1の構成における諸収差図である。
【図3】本発明による広角レンズ系の実施例2のレンズ構成図である。
【図4】図3の構成における諸収差図である。
【図5】本発明による広角レンズ系の実施例3のレンズ構成図である。
【図6】図5の構成における諸収差図である。
【図7】本発明による広角レンズ系の実施例4のレンズ構成図である。
【図8】図7の構成における諸収差図である。
【図9】本発明による広角レンズ系の実施例5のレンズ構成図である。
【図10】図9の構成における諸収差図である。
【図11】本発明による広角レンズ系の実施例6のレンズ構成図である。
【図12】図11の構成における諸収差図である。
【図13】本発明による広角レンズ系の実施例7のレンズ構成図である。
【図14】図13の構成における諸収差図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第1レンズ、正のパワーを持つ第2レンズ、両凸レンズの第3レンズ、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第4レンズから構成され、次の条件式(1)を満足することを特徴とする広角レンズ系。
(1)0.25<ΔH/(p3+p4)<0.06
但し、
ΔH:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第3レンズの第2主点と第4レンズの第1主点との距離;
p3:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第3レンズのパワー;
f3:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第3レンズの焦点距離(p3=1/f3);
p4:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第4レンズのパワー;及び
f4:全系の焦点距離を1.0に規格化したときの第4レンズの焦点距離(p4 =1/f4)。
【請求項2】
請求項1記載の広角レンズ系において、次の条件式(2)及び(3)を満足する広角レンズ系。
(2)1.00<R7/R8<1.30
(3)-1.2<(R7+R8)/2f<-0.8
但し、
R7:第3レンズの像側の面の曲率半径;
R8:第4レンズの物体側の面の曲率半径;及び
f:全系の焦点距離。
【請求項3】
請求項1または2記載の広角レンズ系において、次の条件式(4)及び(5)を満足する広角レンズ系。
(4)ν4<23
(5)25<(ν3-ν4)
但し、
ν3:第3レンズのアッベ数;及び
ν4:第4レンズのアッベ数。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項記載の広角レンズ系において、次の条件式(6)を満足する広角レンズ系。
(6)1.95<(d2+d3+d4)/f<3.00
但し、
d2:第1レンズと第2レンズの空気間隔;
d3:第2レンズの厚さ;及び
d4:第2レンズの像側の面と絞りとの空気間隔。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項記載の広角レンズ系において、次の条件式(7)を満足する広角レンズ系。
(7)0.03<A-B<0.06
但し、
A=(nt3-1)×(1-nt4)/(R7×R8)
B=(nd3-1)×(1-nd4)/(R7×R8)
nt3:第3レンズのt線の屈折率;
nt4:第4レンズのt線の屈折率;
nd3:第3レンズのd線の屈折率;
nd4:第4レンズのd線の屈折率;
R7:第3レンズの像側の面の曲率半径;及び
R8:第4レンズの物体側の面の曲率半径。
【請求項6】
物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第1レンズ、正のパワーを持つ第2レンズ、両凸レンズの第3レンズ、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第4レンズから構成され、次の条件式(7)を満足することを特徴とする広角レンズ系。
(7’)0.032<A-B<0.06
但し、
A=(nt3-1)×(1-nt4)/(R7×R8)
B=(nd3-1)×(1-nd4)/(R7×R8)
nt3:第3レンズのt線の屈折率;
nt4:第4レンズのt線の屈折率;
nd3:第3レンズのd線の屈折率;
nd4:第4レンズのd線の屈折率;
R7:第3レンズの像側の面の曲率半径;
R8:第4レンズの物体側の面の曲率半径;及び
f:全系の焦点距離。
【請求項7】
請求項6記載の広角レンズ系において、次の条件式(2)及び(3)を満足する広角レンズ系。
(2)1.00<R7/R8<1.30
(3)-1.2<(R7+R8)/2f<-0.8
但し、
R7:第3レンズの像側の面の曲率半径;
R8:第4レンズの物体側の面の曲率半径;及び
f:全系の焦点距離。
【請求項8】
請求項6または7記載の広角レンズ系において、次の条件式(4)及び(5)を満足する広角レンズ系。
(4)ν4<23
(5)25<(ν3-ν4)
但し、
ν3:第3レンズのアッベ数;及び
ν4:第4レンズのアッベ数。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれか1項記載の広角レンズ系において、次の条件式(6)を満足する広角レンズ系。
(6)1.95<(d2+d3+d4)/f<3.00
但し、
d2:第1レンズと第2レンズの空気間隔;
d3:第2レンズの厚さ;
d4:第2レンズの像側の面と絞りとの空気間隔;及び
f:全系の焦点距離。
【請求項10】
物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第1レンズ、正のパワーを持つ第2レンズ、両凸レンズの第3レンズ、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの第4レンズから構成され、次の条件式(4)及び(5)を満足する広角レンズ系。
(4)ν4<23
(5)25<(ν3-ν4)
但し、
ν3:第3レンズのアッベ数;及び
ν4:第4レンズのアッベ数。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−139859(P2008−139859A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288241(P2007−288241)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】