説明

延長ボードの取付構造

【課題】パネル本体等の上面に延長ボードを安定して支持でき、かつ加工工数及びコストを極力低減しうるとともに、体裁を向上させる。
【解決手段】互いに対向する固定支持片11及び開閉支持片12と、固定支持片11と一体をなす基台9とを有するボード支持材3を備え、パネル本体側の取付ブラケット2のねじ孔8と対応する挿通孔18より挿入した取付ねじ16を、挿通孔17を介してねじ孔8に螺合させ、基台9を取付ブラケット2に固着するとともに、固定支持片11の前面に、延長ボード4を固着し、延長ボード4を挟んで固定支持片11と対向する前面に、開閉支持片12を取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば室内空間を間仕切する間仕切パネル等の取付対象物の上面に、目隠し用等の上方を向く平板状の延長ボードを追加的に取り付けるための延長ボードの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス等の執務空間では、空間内を仕切ることによって複数の空間を形成するために、間仕切パネルを使用している。また、間仕切パネルの上部にアクリル等の透光性の延長ボードを追加的に取り付けることによって、執務空間内に適度な光を取り入れつつ、直接的な視線は遮り、執務者へ快適な執務空間を提供可能とした構造が多く見られる。
【0003】
このような延長ボードの取付方法としては、パネル本体上面から上方に向かってボード支持体を立設させ、これによって延長ボードを支持するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、この方法では、延長ボードの左右両端を部分的に保持しただけの構造となっているので、中間部でのボード保持力に不安がある。また、ボード支持体がパネル本体の支柱から立設されているので、パネル本体との意匠的な一体感が損なわれ、見栄えが悪いものとなっている。
【0005】
こうした問題点を考慮したものとして、パネル本体上面に長手方向に沿う凹溝を形成し、これに延長ボードの下端部を嵌合させることによって、延長ボードを支持するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
この方法によれば、延長ボードの下端部をパネル本体上面の凹溝全体で保持しているので、延長ボードの全長にわたって安定して保持することができ、また、延長ボードとパネル本体との間に支持体が介在することがないので、見栄えもよい。
【特許文献1】実開平6−56236号公報
【特許文献2】実開平7−23122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2に記載されている延長ボードの取付構造においては、延長ボードを保持する凹溝が形成されたパネル本体上面の強度を大とする必要がある点や、パネル本体上面の意匠形成の自由度を高めつつ、パネル本体の長手方向に沿うボード保持材を押出し加工で形成しようとした場合、押出し方向以外に加工を施す部分が多く、これらの加工を別の機械で加工しなければならないので、加工工数やコストが増大するという問題点がある。
また、パネル本体上面は、人目につき易い位置であるので、ボード保持材を上面からの取り付け手段によって固定すると、取り付け手段が上面に露呈することになり、体裁が悪くなるという問題もある。
【0008】
本発明は、上述のような従来の課題を解決するためになされたもので、パネル本体等の取付対象物の上面に延長ボードを安定して支持でき、かつ加工工数及びコストを極力低減しうるとともに、取付対象物の上面の体裁を向上させることが可能な延長ボードの取付構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)左右方向を向く取付対象物の上面に、上方を向く平板状の延長ボードを取り付ける延長ボードの取付構造において、延長ボードの下部を前後方向から保持可能なボード保持空間を互いの対向面間に形成してなる、一方が固定で他方が開閉可能な前後1対の固定支持片及び開閉支持片と、前記ボード保持空間の底部を画成して、前記固定支持片と一体的に形成された基台とを有するボード支持材を備え、前記基台における前記ボード保持空間の底部となる部分に、取付対象物側の上面に設けられているねじ孔と対応する挿通孔を設け、該挿通孔を通してねじ孔に取付ねじを螺合させて、基台を取付対象部側に固着するとともに、前記固定支持片のボード保持空間側の内側面に、延長ボードを固定手段により固着し、かつ延長ボードを挟んで固定支持片と対向する側において前記開閉支持片を前記基台に、前記固定手段を覆うようにして取り付ける。
【0010】
(2)上記(1)項において、固定支持片のボード保持空間側の内面にねじ孔を設けるとともに、基台における延長ボードを挟んで固定支持片と対向する側の内面に、外方に向かって凹入する係止溝を設け、固定手段を、前記係止溝に係合した係止片と、該係止片の端部に連設され、かつ前記ねじ孔と対応する通し孔が穿設された固定片とを備える側面視くの字状をなす固定ブラケットと、前記固定片の通し孔とボード本体に穿設した通し孔とを挿通して前記ねじ孔に螺合され、延長ボードを固定ブラケットと共に固定支持片に固着する取付ねじとにより構成する。
【0011】
(3)上記(2)項において、ボード保持空間の左右両側端を、固定ブラケットと共に取付ねじをもって固定支持片に固定された平板状のサイドカバー材により閉塞する。
【0012】
(4)上記(3)項において、開閉支持片の内面に、ボード保持空間内に向かって突出する係止片を設けるとともに、サイドカバー材に、内側方に向かって突出する被係止部を設け、前記係止片を被係止部に係脱可能に係止することにより、開閉支持片を固定支持片と対向するように開閉可能に取り付ける。
【0013】
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、開閉支持片の下端部を、基台に、左右方向を向く回転軸線回りに回転可能として取り付ける。
【0014】
(6)上記(5)項において、基台における延長ボードを挟んで固定支持片と対向する側の内面に、外方に向かって凹入し、かつ、開閉支持片の回転軸線を中心とする側面視円弧状の係合ガイド溝を設けるとともに、開閉支持片の下端部に、前記係合ガイド溝内に嵌合される、前記係合ガイド溝と同一曲率の側面視円弧状をなす係止片を設ける。
【0015】
(7)上記(5)または(6)項において、開閉支持片の内面に、ボード保持空間内に向かって突出するとともに、開閉支持片の回転軸線を中心とする側面視円弧状をなすガイド片を、前記開閉支持片の回転時に固定ブラケットの固定片の外面に摺接しうるように設ける。
【0016】
(8)上記(1)〜(7)項のいずれかにおいて、取付対象物の上面に、上面が前下方に傾斜する下向き傾斜面をなし、かつこの上面に斜上下方向を向くねじ孔を有する上向きの取付ブラケットを設けるとともに、基台の下面に、前記取付ブラケットに嵌合される上向き凹溝を設け、この上向き凹溝の上壁となる基台の底壁の下面を、前記取付ブラケットの上面と平行をなすように傾斜させてその上面に当接させ、前記底壁に設けた斜上下方向を向く挿入孔を介して、取付ブラケットの上面のねじ孔に、ボード保持空間内から挿入した取付ねじを螺合することにより、ボード支持材を取付対象物に固着する。
【0017】
(9)上記(1)〜(8)項のいずれかにおいて、ボード支持材を押出成形材により形成する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明によると、ボード支持材の取付対象物に対する固定部、及び延長ボードの固定支持片に対する固定部が、固定支持片と開閉支持片とで覆われて隠蔽され、外部に露呈することがないので、外観的な体裁が向上する。
また、延長ボードを固定支持片に固定手段により固定し、かつ、固定支持片と一体的に形成されている基台を取付対象物に取付ねじで固定しているので、 固定支持片及び延長ボードを、強固に、かつ安定して取り付けることができる。
【0019】
請求項2記載の発明によると、固定ブラケットの係止片を基台に設けた係止溝に係止するとともに、前後いずれか一方の面より、取付ねじを固定ブラケットの固定片に設けた通し孔とボード本体に設けた通し孔を挿通して、固定支持片のねじ孔に螺合させるだけで、延長ボードを簡単、かつ強固に固定支持片に固定することができる。
【0020】
請求項3記載の発明によると、ボード保持空間の左右両側端を、固定ブラケットと共に取付ねじをもって固定支持片に固定された平板状のサイドカバー材で閉塞するので、ボード保持空間内部が外部に露呈することがなく、体裁よく収めることができる。
【0021】
請求項4記載の発明によると、サイドカバー材に、開閉支持片の内面に設けた係止爪と係脱可能な被係止部を設けているので、固定支持片や開閉支持片への加工を少なくすることができ、製造コストを低減することができる。
【0022】
請求項5記載の発明によると、開閉支持片を、基台に対して回転させることにより、基台に容易に取り付けることができるので、作業性が向上する。
【0023】
請求項6記載の発明によると、開閉支持片の側面視円弧状をなす係止片を、基台側の側面視円弧状をなす係合ガイド溝に嵌合させた状態で、開閉支持片全体を固定支持片側に回転させるだけで、開閉支持片を基台に簡単に取り付けることができ、取付作業が簡単となる。
【0024】
請求項7記載の発明によると、開閉支持片を基台に対して回転させて取り付ける際、開閉支持片に設けた側面視円弧状をした係止片が固定支持片の外面に摺接して案内されるので、開閉支持片を円滑に回転させて取り付けることができる。
【0025】
請求項8記載の発明によると、取付ブラケットの上面及びそれに嵌合された基台の底壁は、前下方に傾斜し、それらに設けたねじ孔及び挿通孔も、斜め上下方向を向いているので、保持空間内の斜め上方から、挿通孔に取付ねじを通し、この取付ねじを前記ねじ孔に螺合して、ボード支持材を取付対象物側に固着しうるので、固定支持片が固定作業の邪魔になることはなく、取付部の幅が狭い場合でも、基台を取付対象物に容易に取り付けることができる。また、ボード支持材の上向き凹溝を、取付対象物の上向きの取付ブラケットに嵌合しているので、ボード支持材と取付対象物との連結作業を、安定して容易に行うことができる。
【0026】
請求項9記載の発明によると、ボード支持材を押出成形材により形成しているので、製造コストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、本発明を適用した間仕切パネルの一例を示すものである。
【0028】
図1〜図5において、取付対象物としての間仕切パネル(1)の上面(1a)には、取付ブラケット(2)及びボード支持材(3)を介して、延長ボード(4)が取り付けられている。延長ボード(4)は、目隠し用として使用される、例えば半透明の平板状のガラスやアクリル板等よりなっている。
【0029】
間仕切パネル(1)の上面(1a)には、下方に向かって凹入する凹溝(5)が、左右方向全長にわたって連続して設けられている。図3に示すように、凹溝(5)内の上面には、左右1対の取付ブラケット(2)(2)を取り付けるための前後1対(以下、方向は、図3の右下方及び図4の右方を前として説明する)の係合孔(6)(6)が、左右方向に2個ずつ形成されている。
【0030】
取付ブラケット(2)は、金属板をプレス加工して製造され、図3に示すように、凹溝(5)の前後寸法よりも小さい前後幅の上面板(2a)と、この上面板(2a)の前後の端縁からそれぞれ下方に向かって折り曲げられた前面板(2b)及び後面板(2c)とを有する側面視ほぼコ字状断面に形成されている。前面板(2b)と後面板(2c)の各下端部には、それぞれ先端が左右同一方向を向いて正面視L字状をなす係止片(7)が、凹溝(5)の係合孔(6)と対応するようにして、一体的に設けられている。
【0031】
このように構成された取付ブラケット(2)は、係止片(7)を係合孔(6)内に落とし込んだ後、左または右方向にスライドさせると、係合孔(6)の裏面側に係止片(7)が係合されて抜け止めされ、凹溝(5)の上面中央に取り付けることができる。また、逆の操作を行うと、凹溝(5)の上面から取り外すことができる。なお、取付ブラケット(2)における前面板(2b)の上下寸法は、後面板(2c)の上下寸法よりも若干短かく、従って凹溝(5)内に取り付けられた状態では、図4及び図5に示すように、上面板(2a)は前下方に傾斜する下向き傾斜面となる。上面板(2a)のほぼ中央部には、斜上下方向を向くねじ孔(8)が設けられている。
【0032】
ボード支持材(3)は、間仕切パネル(1)の左右寸法とほぼ等長をなす1本のレール状をなし、基台(9)と、基台(9)の上面における前後端からそれぞれ上方に向かって延設され、間にボード保持空間(10)を形成して互いに対向する固定支持片(11)と開閉支持片(12)とを備えている(図3においては開閉支持片は図示略)。
【0033】
固定支持片(11)と開閉支持片(12)は、図5に示すように、上方に向かうに従って徐々に内方に互いに傾斜し、互いの対向面の上部には、延長ボード(4)の板厚よりも僅かに大きい、ボード保持空間(10)に通じる開口(13)が形成されている。固定支持片(11)と開閉支持片(12)との左右両側の端面には、それぞれサイドカバー材(14)が取り付けられ、固定支持片(11)と開閉支持片(12)との間の隙間を閉塞することにより、内部が露呈するのを防止している。
【0034】
基台(9)と固定支持片(11)は、例えばアルミニウム材を押し出し成形することにより一体的に形成されている。一方、開閉支持片(12)も、基台(9)及び固定支持片(11)とは別に、アルミニウム材等の押し出し成形品よりなり、延長ボード(4)の組み付け時に、基台(9)に組み込まれて、固定支持片(11)と延長ボード(4)の前面を覆うカバーとしての機能を有する。
【0035】
図3に示すように、基台(9)は、上下2枚の補強平板片(9a)(9b)と、補強平板片(9a)(9b)に連設された上下方向を向く前面板(9c)及び後面板(9d)と、前面板(9c)の上端から前方に向かって突設された前向突出部(9e)と、後面板(9d)上端から後方に向かって突設された後向突出部(9f)とからなっている。
【0036】
補強平板片(9a)(9b)は、取付ブラケット(2)の上面板(2a)の傾斜面と平行をなすように、前下方に傾斜しており、かつ補強平板片(9b)の下面側には、前面板(9c)及び後面板(9d)により囲まれた上向き凹溝(15)が形成されている。この凹溝(15)には、補強平板片(9b)の下面に取付ブラケット(2)の上面板(2a)が当接するようにして、取付ブラケット(2)が嵌合される。
【0037】
図4に示すように、補強平板片(9b)には、取付ブラケット(2)のねじ孔(8)に螺合される取付ねじ(16)のねじ部(16a)が挿通可能な挿通孔(17)が設けられ、また上部の補強平板片(9a)には、取付ねじ(16)の頭部(16b)が挿通される挿通孔(18)が設けられている。そして、上向き凹溝(15)に取付ブラケット(2)が嵌合された状態では、図4に示すように、ねじ孔(8)と上下の挿通孔(17)(18)は互いに整合し、そのときの中心線(T1)は、延長ボード(4)が立設される時の垂直線(T2)に対して、取付ブラケット(2)の上面板(2a)の傾斜させた角度(θ)だけ、前方に傾斜している。この中心線(T1)の傾斜角は、ねじ孔(8)に取付ねじ(16)を取り付ける際、図示しない工具を、ボード保持空間(10)内の斜め前上方から、固定支持片(11)に干渉せずに支障なく挿入して締付作業ができる大きさとされている。
【0038】
基台(9)の前面板(9c)の内面(後面)には、図3〜図5に示すように、外方(前方)に凹入する係合ガイド溝(19)と、この係合ガイド溝(19)の下方で、かつ補強平板片(9a)と近接する位置において外方(前方)に凹入する係止溝(20)が設けられている。係合ガイド溝(19)は、開閉支持片(12)を取り付けるためのもので、開閉支持片(12)を取付ける際に、左右方向を向く回転軸線となる、前面板(9c)の内側上縁部(X1)(以下、この部分を回転軸線(X1)という)を中心とする側面視円弧状に形成されている。一方、係止溝(20)は、延長ボード(4)の前面側に添接される固定ブラケット(21)を取り付けるためのものである。
【0039】
固定支持片(11)前面には、垂直をなす延長ボード取付面(22)を有する前向片(23)が、ボード保持空間(10)内に向かって連設されている。内向片(23)は、ボード支持材(3)の左右両端まで連続して設けられており、また延長ボード取付面(22)の左右両端部には、後方に向かって凹入するねじ孔(24)が形成されている。
【0040】
固定ブラケット(21)は、金属板をプレス成形して形成され、係止溝(20)に係合される係止片(21a)と、延長ボード(4)の前面に添接される垂直の固定片(21b)とからなり、図2に示すように、固定支持片(11)の左右の両端部に1対取り付けられる。固定片(21b)には、延長ボード取付面(22)のねじ孔(24)に対応する通し孔(25)が穿設されている。
【0041】
ボード支持材(3)の左右両側の端面に当接されて取り付けられるサイドカバー材(14)は、図6に単体でも示すように、ボード保持空間(10)側を向く内面には、延長ボード取付面(22)のねじ孔(24)に対応する通し孔(26a)を有する内側方を向く固定片(26)が連設され、かつその上方に、開閉支持片(12)を係止するための被係止部(27)が設けられている。
【0042】
図2及び図5に示すように、開閉支持片(12)における固定支持片(11)と対向する内面(後面)には、後方すなわちボード保持空間(10)内に向かって突出するガイド片(28)と係止爪(29)が突設され、また下端には、前方を向く係止片(30)が突設されている。係止片(30)は、基台(9)の係合ガイド溝(19)内に嵌合可能な、係合ガイド溝(19)と同一曲率の側面視円弧状に形成されており、開閉支持片(12)が回転軸線(X1)を支点として回転しながら、係合ガイド溝(19)内を摺動し、その奥部に嵌合されるようになっている。ガイド片(28)は、開閉支持片(12)の回転軸線(X1)を中心とする側面視円弧状をなし、開閉支持片(12)の回転時に、外周面が固定片(21b)の外面に摺接して、開閉支持片(12)の回転を案内するようになっている。係止爪(29)は、開閉支持片(12)が所定の位置まで閉じられたときに、サイドカバー材(14)の被係止部(27)と係合するようになっている。
【0043】
次に、延長ボード(4)を間仕切パネル(1)の上面(1a)に取り付ける手順を説明する。まず、上面(1a)の凹溝(5)内に設けられている係合孔(6)に係止片(7)を係合させ、取付ブラケット(2)を凹溝(5)内の左右両側にそれぞれ取り付ける。
【0044】
次いで、取付ブラケット(2)に、基台(9)の両側部の上向き凹溝(15)を上方より落とし込み、前向突出部(9e)と後向突出部(9f)の下面を間仕切パネル(1)の上面(1a)に当接させ、かつ同時に、補強平板片(9b)の挿通孔(17)と取付ブラケット(2)のねじ孔(8)とを整合させる。
【0045】
次いで、取付ねじ(16)を、上方の補強平板片(9a)の挿通孔(18)より挿入し、下方の補強平板片(9b)の挿通孔(17)を介してねじ孔(8)に螺合させ、取付ブラケット(2)と基台(9)とを固定する。
【0046】
次いで、固定ブラケット(21)の係止片(21a)を基台(9)の係止溝(20)に係合させるとともに、固定片(21b)を延長ボード取付面(22)と平行に配置したのち、延長ボード(4)の下端部を、延長ボード取付面(22)と固定片(21a)との間に挿入し、延長ボード(4)に形成した通し孔(31)と、延長ボード取付面(22)のねじ孔(24)と、固定片(21b)の通し孔(25)とを整合させる。
【0047】
次いで、図2に示すように、ボード支持材(3)の左右両側端にサイドカバー(14)を装着し、その固定片(26)を固定ブラケット(21)における固定片(21b)の外側に当接させて、互いの通し孔(25)(26a)同士を整合させる。その後、通し孔(26a)(25)及び延長ボード(4)の通し孔(31)を介して、固定支持片(11)のねじ孔(24)に取付ねじ(32)を螺合させる。これにより、固定支持片(11)、延長ボード(4)、サイドカバー材(14)が取付ねじ(32)をもって固定され、互いに一体化される。図4は、この状態を示している。
【0048】
次いで、図5の2点鎖線で示すように、開閉支持片(12)の下端の外面(前面)を、前側突出部(9e)の上面に当接させ、回転軸線(X1)を中心として上向きに回動させることにより、係止片(30)を係合ガイド溝(19)に係合させる。この際、ガイド片(28)が固定片(21b)の外面であるガイド面に摺接して案内されるので、円滑に回転する。
【0049】
開閉支持片(12)を上限位置まで回転すると、係止爪(29)がサイドカバー材(14)の被係止部(27)に係合し、サイドカバー材(14)を介して基台(9)に固定される。これにより組み付けが完了し、図1の状態となる。
【0050】
(33)は、間仕切パネル(1)の側端面に止着されるカバーである。
【0051】
なお、この組付手順では、取付ブラケット(2)を間仕切パネル(1)の上面(1a)に取り付けた後、延長ボード(4)等を組み付けているが、取付ブラケット(2)と間仕切パネル(1)との係合は最後であってもよい。すなわち、取付ブラケット(2)の係止片(7)は、係合孔(6)に自由に係脱できるので、全ての部材を予め一体的に組付けた後、最後に、取付ブラケット(2)を間仕切パネル(1)に着脱可能に取付けることもできる。
【0052】
以上説明したように、上記実施形態の延長ボードの取付構造によれば、ボード支持材(3)の間仕切パネル(1)への固定部や、延長ボード(4)のボード支持材(3)への固定部等が、固定支持片(11)と開閉支持片(12)とにより覆われて隠蔽され、外部に露呈することがないので、間仕切パネル(1)の上部の延長ボード(4)の取付部の見栄えがよく、外観的体裁が向上する。
【0053】
また、延長ボード(4)を固定支持片(11)に取付ねじ(16)により固定し、かつ、固定支持片(11)と一体的に形成されている基台(9)を取付ブラケット(2)に取付ねじ(16)で固定しているので、固定支持片(11)及び延長ボード(4)を、強固に、かつ安定して取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る延長ボードの取付構造を適用した間仕切パネルの外観斜視図である。
【図2】同じく、一部を分解して示す斜視図である。
【図3】同じく、要部の拡大分解斜視図である。
【図4】同じく、開閉支持片取付前の拡大縦断側面図である。
【図5】同じく、開閉支持片を取り付けて組立て完了した状態の拡大縦断側面図である。
【図6】同じく、サイドカバーを内方より見た側面図である。
【符号の説明】
【0055】
(1)間仕切パネル
(1a)上面
(2)取付ブラケット
(2a)上面板
(2b)前面板
(2c)後面板
(3)ボード支持材
(4)延長ボード
(5)凹溝
(6)係合孔
(7)係止片
(8)ねじ孔
(9)基台
(9a)(9b)補強平板片
(9c)前面板
(9d)後面板
(9e)前向突出部
(9f)後向突出部
(10)ボード保持空間
(11)固定支持片
(12)開閉支持片
(13)開口
(14)サイドカバー材
(15)上向き凹溝
(16)取付ねじ(固定手段)
(16a)ねじ部
(16b)頭部
(17)挿通孔
(18)挿通孔
(19)係合ガイド溝
(20)係止溝
(21)固定ブラケット
(21a)係止片
(21b)固定片
(22)延長ボード取付面
(23)前向片
(24)ねじ孔
(25)通し孔
(26)固定片
(26a)通し孔
(27)被係止部
(28)ガイド片
(29)係止爪
(30)係止片
(31)通し孔
(32)取付ねじ
(33)カバー
(X1)回転軸線
(T1)中心線
(T2)垂直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向を向く取付対象物の上面に、上方を向く平板状の延長ボードを取り付ける延長ボードの取付構造において、
延長ボードの下部を前後方向から保持可能なボード保持空間を互いの対向面間に形成してなる、一方が固定で他方が開閉可能な前後1対の固定支持片及び開閉支持片と、前記ボード保持空間の底部を画成して、前記固定支持片と一体的に形成された基台とを有するボード支持材を備え、前記基台における前記ボード保持空間の底部となる部分に、取付対象物側の上面に設けられているねじ孔と対応する挿通孔を設け、該挿通孔を通してねじ孔に取付ねじを螺合させて、基台を取付対象部側に固着するとともに、前記固定支持片のボード保持空間側の内側面に、延長ボードを固定手段により固着し、かつ延長ボードを挟んで固定支持片と対向する側において前記開閉支持片を前記基台に、前記固定手段を覆うようにして取り付けたことを特徴とする延長ボードの取付構造。
【請求項2】
固定支持片のボード保持空間側の内面にねじ孔を設けるとともに、基台における延長ボードを挟んで固定支持片と対向する側の内面に、外方に向かって凹入する係止溝を設け、固定手段を、前記係止溝に係合した係止片と、該係止片の端部に連設され、かつ前記ねじ孔と対応する通し孔が穿設された固定片とを備える側面視くの字状をなす固定ブラケットと、前記固定片の通し孔とボード本体に穿設した通し孔とを挿通して前記ねじ孔に螺合され、延長ボードを固定ブラケットと共に固定支持片に固着する取付ねじとにより構成したことを特徴とする請求項1記載の延長ボードの取付構造。
【請求項3】
ボード保持空間の左右両側端を、固定ブラケットと共に取付ねじをもって固定支持片に固定された平板状のサイドカバー材により閉塞したことを特徴とする請求項2記載の延長ボードの取付構造。
【請求項4】
開閉支持片の内面に、ボード保持空間内に向かって突出する係止爪を設けるとともに、サイドカバー材に、内側方に向かって突出する被係止部を設け、前記係止爪を被係止部に係脱可能に係止することにより、開閉支持片を固定支持片と対向するように開閉可能に取り付けたことを特徴とする請求項3記載の延長ボードの取付構造。
【請求項5】
開閉支持片の下端部を、基台に、左右方向を向く回転軸線回りに回転可能として取り付けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の延長ボードの取付構造。
【請求項6】
基台における延長ボードを挟んで固定支持片と対向する側の内面に、外方に向かって凹入し、かつ、開閉支持片の回転軸線を中心とする側面視円弧状の係合ガイド溝を設けるとともに、開閉支持片の下端部に、前記係合ガイド溝内に嵌合される、前記係合ガイド溝と同一曲率の側面視円弧状をなす係止片を設けたことを特徴とする請求項5記載の延長ボードの取付構造。
【請求項7】
開閉支持片の内面に、ボード保持空間内に向かって突出するとともに、開閉支持片の回転軸線を中心とする側面視円弧状をなすガイド片を、前記開閉支持片の回転時に固定ブラケットの固定片の外面に摺接しうるように設けたことを特徴とする請求項2に従属する請求項5または6記載の延長ボードの取付構造。
【請求項8】
取付対象物の上面に、上面が前下方に傾斜する下向き傾斜面をなし、かつこの上面に斜上下方向を向くねじ孔を有する上向きの取付ブラケットを設けるとともに、基台の下面に、前記取付ブラケットに嵌合される上向き凹溝を設け、この上向き凹溝の上壁となる基台の底壁の下面を、前記取付ブラケットの上面と平行をなすように傾斜させてその上面に当接させ、前記底壁に設けた斜上下方向を向く挿入孔を介して、取付ブラケットの上面のねじ孔に、ボード保持空間内から挿入した取付ねじを螺合することにより、ボード支持材を取付対象物に固着したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の延長ボードの取付構造。
【請求項9】
ボード支持材を押出成形材により形成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の延長ボードの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−182717(P2007−182717A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−2012(P2006−2012)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)