説明

建具の締り機構

【課題】 操作性が確実で良好な建具の締り機構の提供。
【解決手段】 締り機構は、横引きシャッター1の左スラット10の召合框11に係合受部材2が、右スラット12の召合框13に係合部材3がそれぞれ取付けられ、前記係合受部材2は、台座4に枢着された枢着部20と、枢着部20を付勢する付勢部21と、一面側2Fに形成された対向する自由端22、23及びこれらの自由端22、23を開口とする開口部24と、他面側2F´に形成された操作部25を備え、前記係合部材3は、枢着部30と、枢着部30を付勢する付勢部31と、一面側3Fに形成され、且つ、前記係合受部材2との係合時に前記開口部34に位置される本体部32及び前記自由端22、23間に位置される基端部33と、他面側3F´に形成された操作部34を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部に取付けられた建具を開閉する場合に用いられる締り機構に関する。
【背景技術】
【0002】
建具として引戸の双方の端部を突き合わせることで、引戸の開閉を行う締り機構に実開平5−96357号の施錠装置が開示されている。
この引戸の施錠装置は、左右から引戸1A、1A’を突き合わせて建屋の開口部を開閉するようにした両側引分け式引戸において、互いに突き合わされる両引戸の部分に取付け座部材22、22’を装着するとともに、互いに係合する係合部24Aを有する施錠片24、24’を各取付け座部材に設け、施錠片には少なくとも解錠のための操作部24B、24B’を左右両側に設け、施錠片は枢軸23’で取付け座部材に回動自在に支持され弾持手段によって少なくとも一方の係合部が他方の係合部に係合する方向に弾持されて、引戸の突き合わせ時に弾持力に抗して互いに係合されるように構成されている。また、操作部は押圧操で係合部の係合を解除するように構成されている。
【特許文献1】実開平5−96357号
【0003】
この施錠装置では、引戸の室内側に取付けられたガラス戸を開口部の一方に寄せた場合に、押圧操作部24Bが室内側に臨んでいれば、その押圧操作部24Bを押して、係合部24Aを係合枠26の係合凹部26Aから離脱させ、その状態で引戸1Aを開放側に移動操作すればよい。
一方、ガラス戸を開口部の一方に寄せた場合に、押圧操作部24B’が室内側に臨んでいれば、その押圧操作部24B’を押すことで、上記押圧部24C’が上記被押圧部24Cを押し、係合部24Aを係合枠26の係合凹部26Aから離脱させる旨、記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、押圧操作部24B’が押圧部24Cを介して間接的に係合部24Aを係合凹部26Aから離脱させる構成となっているため、果たして係合部24Aが係合凹部26Aからスムースに離脱できるか否かの操作性の不確実な面は否定することができない。
また、居住者がその指先で押圧操作部24B又は押圧操作部24B’を押した後、引戸を開放するためには、改めて手を持ち変える必要があり、この面でも良好な操作性は望めない。
そこで、本願発明では、操作性が確実、且つ、良好な建具の締り機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る建物の開口部に配置される建具の締り機構は、建具に取付けられ、係合し合う係合受部材と係合部材からなり、前記係合受部材は、これを回動可能に建具側に枢着し、且つ、その回動方向の一方を付勢する枢着付勢部と、この枢着付勢部に対し係合受部材の一面側に形成された、対向する自由端及びこれらの自由端を開口とする開口部と、前記枢着付勢部に対し係合受部材の他面側に形成され、且つ、前記枢着付勢部に抗して係合受部材を回動させる操作部を備え、前記係合部材は、これを回動可能に建具側に枢着し、且つ、その回動方向の一方を付勢する枢着付勢部と、前記枢着付勢部に対し係合部材の一面側に形成され、且つ、前記係合受部材との係合時に、その開口部に位置される本体部及びその自由端間に位置される基端部と、前記枢着付勢部に対し係合受部材の他面側に形成され、且つ、前記枢着付勢部に抗して係合部材を回動させる操作部を備えると共に、前記係合受部材の操作部の操作又は前記係合部材の操作部の操作により、前記係合受部材の自由端と係合部材の本体部とが交わされて、前記係合受部材と前記係合部材の係合が解除されることを特徴とした(請求項1に記載の発明)。
【0006】
上記発明において建物の開口部とは、典型的には建物の室内側と室外側を開口する部分であるが、これに限定されるものでもなく、室内に設けられた開口部も含まれる。
また、上記発明において建具とは、典型的には建物の室内側と室外側を開口に設けられた戸、雨戸、シャッター等であるが、室内に配置された建具も含まれる。
【0007】
前記建具は、左右のスラットを横引き可能な横引きシャッターであって、前記係合受部材及び係合部材は、それぞれ左右の召合框に取付けられていることを特徴とする(請求項2に記載の発明)。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、係合受部材と係合部材の係合状態において、係合受部材の開口部に位置される係合部材の本体部及び係合受部材の自由端間に位置される係合部材の基端部を備えており、係合受部材に係合部材が埋め込まれて、略同一面状に係合される。
その結果、係合受部材と係合部材の係合を解除するには、どちらか一方の操作部を把持することで、係合受部材又は係合部材を回動させ、略同一面状態にある係合受部材の自由端と係合部材の本体部を交わす操作を行えばよく、開閉の操作性が確実、且つ、良好な建具の締り機構となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る締り機構の実施形態を図面に基いて説明する。
図1は実施形態に係る締り機構の正面図、図2は同分解斜視図、図3は図1のA−A矢視断面図、図4及び図5はそれぞれ動作説明図である。
これらの各図及び後述の各図において、同一の構成は同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0010】
実施形態に係る締り機構は、建具として例えば左右のスラットを横引き可能な横引きシャッター1(後に詳述)に用いられるものであって、左スラット10の召合框11に係合受部材2が、右スラット12の召合框13に係合部材3がそれぞれ取付けられている(図4及び図5参照)。
【0011】
前記係合受部材2は、前記枢着付勢部として召合框11に固定された台座4に枢着された枢着部20と、枢着部20の回動方向の一方を付勢する付勢部21を備えている。
枢着部20に対し係合受部材2の一面側2Fには、対向する自由端22、23及びこれらの自由端22、23を開口とする開口部24を備え、係合受部材2の他面側2F´には操作部25を備えている。
【0012】
一方、前記係合部材3は、前記枢着付勢部として召合框13に固定された台座5に枢着された枢着部30と、枢着部30の回動方向の一方を付勢する付勢部31を備えている。
枢着部30に対し係合部材3の一面側3Fには、前記係合受部材2との係合時に前記開口部24に位置される本体部32及び前記自由端22、23間に位置される基端部33とを備えている。係合部材3の他面側3F´には操作部34を備えている。
【0013】
前記枢着部20は、前記台座4の軸受部40を介して係合受部材2を回動自在に取付けるもので、そのため軸200、200が係合受部材2の略中心部の両端に形成され、それぞれ台座4の軸受部40、40に枢支されている。
【0014】
前記付勢部21は、前記枢着部20の上下の軸200、200に取付けられた、例えばバネで構成され、バネの一端が前記台座4に取付けられ、バネの他端が前記係合受部材2に取付けられている。そして、この実施形態では、前記付勢部21は、操作者が前記操作部25を把持する場合に、その把持力に抗するように係合受部材2を付勢するようになっている。
【0015】
前記自由端22、23は、上下に形成され、係合受部材2に係合部材3が係合される場合に、前記自由端22、23間に前記係合部材3の基端部33を嵌込ませることで、図3に図示したように略同一面状に係合するもので、その同一面に沿った力が働いても、前記開口部24に位置された係合部材3の本体部32が抜出ないようになっている。
【0016】
前記自由端22、23のそれぞれの外側220、230、即ち、前記係合部材3に対面する部分は、図2に示したように、その横断面形状が略直角三角形状に形成されている。
これに対応して、係合部材3が係合受部材2に対面する本体部32も、同様にその横断面形状が略直角三角形状に形成されている(図3参照)。
これは、対面する召合框11、13を突合わせて係合受部材2に係合部材3を係合させる場合に、自由端22、23のそれぞれの外側220、230と本体部32との突合わせ力を逃がすようにするものである。
前記自由端22、23の略直角三角形の斜辺221、231の位置はほぼ室外側に、本体部32の略直角三角形の斜辺311がほぼ室内側に形成されているが、この逆でもよい。
【0017】
前記自由端22、23のそれぞれの先端の端面は、それぞれ水平面状に形成されており、それらの端面間に係合部材3の基端部33が位置される。
また、前記自由端22、23のそれぞれの内側は、前記係合部材3の本体部32を係合させるため、それぞれ略壁状に形成されている。
【0018】
前記開口部24は、上述のように係合部材3の本体部32を位置させる空間であり、前記本体部32を囲むことができるように略壁状で形成された空間となっている。
【0019】
前記係合受部材2の一面側2Fに形成された自由端22、23と、これらの自由端22、23間をスペースとした開口部24は、図1のように略C字状に成形され、前記台座4に設けられた取付開口部41から他方の召合框13の係合部材3に臨むように配置されている。
なお、前記自由端22、23及び開口部24は略C字状に形成されているが、前記係合受部材2の一面側2Fを、係合部材3に向けて切欠いて形成されているものであれば、どのような形状でもよい。例えば係合部材3の本体部32を三角形状にして、開口部24を三角形状に形成してもよい。
【0020】
前記操作部25は、建物の居住者等が把持し易いように十分な長さ寸法を備えると共に、把持する方向とは逆方向の係片250が形成されている。
前記操作部25は、前記付勢部21により、常時把持方向とは逆方向に付勢されており、この操作部25を把持することで、前記枢着部20を中心にして係合受部材2が回動するようになっている。
このような前記操作部25は、前記台座4に設けられた取付開口部41から内側に配置されている。
【0021】
前記係合部材3の枢着部30は、前記係合受部材2の枢着部20と略同様に構成され、召合框13に固定された台座5の軸受部50、50を介して係合部材3を回動自在に取付ける。
また係合部材3の付勢部31も、前記係合受部材2の付勢部21と略同一に形成されていて、居住者等が前記操作部34を把持する場合に、その把持力に抗するように枢着部30を付勢するようになっている。
【0022】
前記係合部材3の本体部32と基端部33は、図1等のように略T字状に成形され、前記係合受部材2に係合される場合に、図3に示したようにジグソーパズルのごとく前記開口部24と自由端22、23間に埋込まれ、前記召合框11、13を閉鎖する。
【0023】
前記本体部32は、上述のように横断面形状が略直角三角形状であって略三角錘柱状に成形され、その斜面310が自由端22、23のそれぞれの斜面(外側220、230)に突き当たった後、前記付勢部31の符勢力に抗して自由端22、23の斜面220、230スムースに乗り越えて、前記開口部24に嵌り込むようになっている。
【0024】
前記基端部33は、前記本体部32の中央部分から他面側3F´に向け、横に突出されて四角錘柱状に形成されており、前記本体部320が自由端22、23の斜面外側220、230に突き当たり乗り越えて、前記開口部24に嵌り込むと略同時に、前記自由端22、23間に嵌込むようになっている。
【0025】
上述のように前記係合部材3の本体部32と基端部33は、略T字状に成形されているが、前記開口部24に位置された係合部材3の本体部32が抜出ないような形状であれば、略T字状に限定されるものではない。
【0026】
前記台座4は、上述のようにその取付開口部41に前記係合受部材2を挿置させて、軸受部40を介して回動自在に取付けるもので、前記取付開口部41には、係合受部材2の一面側2Fの回動方向に合わせてテーパ410が付けられている。
前記台座5も、前記台座4と略同一に構成されているので、詳細な説明は省略する。
【0027】
次に、図4及び図5に基いて、上記締り機構の作用動作を説明する。
前記召合框11、13を突合わせて、建具により建物の開口部を閉鎖するには、図4に示したように召合框11を召合框13に、召合框13を召合框11に、或いは召合框11と召合框13を同時に突き当てるようにする。
即ち、いずれの態様においても、前記係合部材3の本体部32の斜面310が前記係合受部材2の自由端22、23の外側220、230の斜面に突き当たり、前記付勢部31の符勢力に抗するように乗り越える。
そして、前記係合受部材2の開口部24に、前記係合部材3の本体部32が嵌込まれると略同時に、前記係合受部材2の自由端22、23間に前記係合部材3の基端部33が嵌込まれ、自動的に施錠され、略同一面状に係合される(図3参照)。
【0028】
一方、前記召合框11、13を引き離して建具を開放するには、図5に示したように前記係合受部材2の操作部25又は前記係合部材3の操作部34を把持すればよい。
即ち、前記係合受部材2の操作部25を把持すると、前記係合受部材2がその枢着部20を中心に把持方向に回動し、前記開口部24及び自由端22、23が前記係合部材3の本体部32を交す(回避する)ように回動する。その結果、前記係合受部材2と前記係合部材3の係合が解除されるので、操作部25を把持したまま、前記召合框11を召合框13から引き離せばよい。
【0029】
また前記係合部材3の操作部34を把持すると、図5に示したように前記係合部材3がその枢着部30を中心に把持方向に回動し、前記本体部32が前記係合受部材2の開口部24及び自由端22、23を交す(回避する)ように回動する。その結果、前記係合受部材2と前記係合部材3の係合が解除されるので、操作部34を把持したまま、前記召合框13を召合框11から引き離せばよい。
【0030】
以上のように、本実施形態に係る締り機構によれば、建具を閉鎖する場合には、その召合框11、13を突当てればよい。
建具を開放する場合には、たとえその建具の室内側にガラス戸が配置されても、ガラス戸の各障子を開口部のいずれか一端側に寄せて、室内側に臨む前記係合受部材2の操作部25又は前記係合部材3の操作部34の何れか一方を操作すればよい。
その場合に、前記操作部25又は前記操作部34を把持したまま、建具を移動させることができ、操作性が確実、且つ、良好な建具の締り機構を提供することができる。
【0031】
次に、上記締り機構が取り付けられた建具としての横引きシャッターの構成例を図6〜図9に基いて説明する。
図6は横引きシャッターの正面図、図7は同縦断面図、図8は同要部横断面図、図9(A)及び(C)は横引きシャッターの上下部の要部側面図、図9(B)は図9(A)及び図9(C)に対応する横引きシャッターの要部横断面図である。
【0032】
横引きシャッター1は、図6及び図7に示したように建物開口部のガラス戸7等の室外側に取付けられたもので、前記係合受部材2及び係合部材3を取付けた左右の召合框11、13と、左右の召合框11、13及びこれら左右の召合框11、13に取付けられたスラット10、12を可動可能に取付ける上下の走行枠60、61と、左右の召合框11、13を突き当てて前記係合受部材2及び係合部材3を係合させた時点で、左右の召合框11、13の移動を規制する移動規制機構8、9と、左右のスラット10、12を巻取り収納する収納枠62、63を備えている。
【0033】
左右の召合框11及び13、スラット10及び12、移動規制機構8及び9、収納枠62及び63は、それぞれ略同一に構成されているので、召合框11は召合框13に、スラット10はスラット12に、移動規制機構8は移動規制機構9に、収納枠62は収納枠63にそれぞれ代表させて説明する。
【0034】
前記召合框13は図7及び図8等に示したように、建物開口部Oより長めの長尺状のもので、横引きシャッター1の開閉時に、前記係合部材3の操作部34と共に居住者等に把持される把持片130と、その把持片130より室外側に配置された本体片131からなる。
【0035】
前記把持片130は、居住者等の手の人差指から小指までの把持範囲等に対応する第1把持部132と、同親指の把持範囲等に対応する第2把持部133とからなり、図8に示したように、その横断面形状は略T字状に形成されている。
そして、T字の縦バー部134に設けられた取付孔(図示せず)の、前記召合框11に対向する側に前記台座5が固定され、前記係合部材3が取付けられている。
【0036】
前記本体片131は、図8のように室外側に面して形成されたスラット取付部135と、前記召合框11に面して取付けられた遮光片136と、下端に取付けられた車137を備えている。
前記スラット取付部135は、図8に示したようにスラット片120の両端を係止できる2本の係止片135a、135bが室外側に突出するように形成されている。
【0037】
前記スラット12は、図8に示したように横断面形状が弓形の複数のスラット片120をそれぞれ左右の係合部120a、120bに係合させて縦桟状に配列したもので、前記召合框13に取付けられたスラット片120の係合部120a、120bは前記係止片135a、135bに係止され、召合框13がスラット片120によりカバーされる構成となっている。
よって左右のスラット10、12が当接した場合にその境界が不明となるようになっている。
なお、各スラット片120は孔を設けたパンチングタイプのものでもよいし、孔を設けないものでもよい。
【0038】
前記遮光片136はアタッチ材として召合框13に面してネジ等により固着されている。
なお、前記召合框11側の遮光片116は前記遮光片136よりも室内側に取付けられおり前記遮光片136と共に室内外の光が漏れることを防止している。
このような構成により、前記スラット片120の長さ寸法が大きい場合に左右のスラット10、12の当接するスラット片120が撓むことがあっても、それらのスラット片120の隙間から漏れる光を遮断することができる。
【0039】
前記走行枠60は、図7に示したように前記スラット10、12の上部をガイドとなるガイド部600と、その略中央に設けられた、前記移動規制機構8、9を取付ける機構取付部601を備えている。
一方、前記走行枠61は、前記スラット10、12の下部をガイドとなるガイド部610と、その略中央に設けられた、前記移動規制機構8、9を取付ける機構取付部611と、前記召合框11、13の本体部111、131の車117、137が走行する走行部612からなっている。
【0040】
前記移動規制機構9は、図9(A)〜(C)に示したように前記機構取付部601に固定された上段差部材90と、前記機構取付部611に固定された下段差部材91と、前記把持片130の上端に取付けられたストッパー部材92と、前記把持片130の下端に取付けられたストッパー部材93を備えている。
【0041】
前記上段差部材90は、第1テーパ部900と頂面部901と第2テーパ部902と平坦部903と転動規制部904からなり、前記移動規制機構9の上段差部材80は、転動規制部904を中心に対称的に構成されて、移動規制機構8ともなっている。
前記下段差部材91は、第1テーパ部910と頂面部911と第2テーパ部912と平坦部913と転動規制部914からなり、前記下段差部材91は、転動規制部914を中心に対称的に構成されて、移動規制機構8ともなっている。
【0042】
前記ストッパー部材92は、前記把持片130の上部に収容されたバネ920と、このバネ920により常時、上方に付勢される車921と、この車921の昇降をガイドするガイド孔922を備えている。
前記ストッパー部材93は、前記把持片130の下部に収容されたバネ930と、このバネ930により常時、下方に付勢される車931と、この車931の昇降をガイドするガイド孔932を備えている。
【0043】
以上の移動規制機構9によれば、召合框13を召合框11に突合わせるように移動させると、前記ストッパー部材92の車921が、前記上段差部材90の第1テーパ部900に乗り上げて、頂面部901と第2テーパ部902に導かれて、平坦部903まで転がる。
この平坦部903から召合框13の突合わせ方向とは逆方向に召合框13が移動するには、第2テーパ部902を乗越えさせる逆方向の力が加えなれなければならない。
同様に、召合框13を召合框11に突合わせるように移動させると、前記ストッパー部材93の車931が、前記下段差部材91の第1テーパ部910に乗り上げて、頂面部911と第2テーパ部912に導かれて、平坦部913まで転がる。
この平坦部913から召合框13の突合わせ方向とは逆方向に召合框13が移動するには、第2テーパ部912を乗越えさせる逆方向の力が加えなれなければならない。
その結果、召合框13の移動が規制され、左右のスラット10、12がピッタリ当接し、その境界が特定できないような意匠上の効果を奏する。
【0044】
前記収納枠63は、図8に示したように前記スラット片120を巻取る軸630と、カバー631を備えており、このカバー631はスラット12を収納枠63に収容したときに、前記召合框13まで納めることができるカバー延在片632を備えている。
【0045】
以上のように構成された横引きシャッター1は、建物の開口部Oに後付け可能に構成されている。
また、開口部らの上部にシャッター収納部がある従来のシャッターに比べ、次のような特徴がある。
即ち、通常のガラス戸を開閉する場合の姿勢で、シャッター1を開閉できる、スラット10,12は中央で左右に分割されているので、片側だけの採光、通風等が可能であり、例えば西日避けの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施形態に係る締り機構の正面図、
【図2】同分解斜視図、
【図3】同締り機構の図1のA−A矢視断面図、
【図4】同締り機構の動作説明図、
【図5】同締り機構の動作説明図、
【図6】同締り機構を取付けた横引きシャッターの正面図、
【図7】同シャッターの縦断面図、
【図8】同シャッターの横断面図、
【図9】A〜C 同シャッターの移動規制機構の構成例図。
【符号の説明】
【0047】
1 横引きシャッター 10 左スラット
11 13 召合框 12 右スラット
120 スラット片
120a 120b 係合部
110 130 把持片
111 131 本体片
130 把持片 131 本体片
132 第1把持部 133 第2把持部
134 T字の縦バー部 135 スラット取付部
136 遮光片 137 車
135a 135b 係止片

2 係合受部材 20 枢着部
21 付勢部 22 23 自由端
24 開口部 25 操作部
2F 一面側 2F´ 他面側
200 軸
220 230 外側 221 231 斜辺
250 係片

3 係合部材 30 枢着部
31 付勢部 32 本体部
33 基端部 34 操作部
3F 一面側 3F´ 他面側
310 斜面 311 斜辺

4 台座 40 軸受部
41 取付開口部

5 台座 50 軸受部
60 61 走行枠 62 63 収納枠
600 ガイド部 601 機構取付部
610 ガイド部 611 機構取付部
612 走行部

7 ガラス戸

8 9 移動規制機構
80 上段差部材
90 上段差部材 91 下段差部材
92 92 ストッパー部材 93 ストッパー部材
920 930 バネ 921 921
922 ガイド孔
900 910 第1テーパ部 901 911 頂面部
902 912 第2テーパ部 903 913 平坦部
904 914 転動規制部
931 車
932 ガイド孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に配置される建具の開閉に用いられる締り機構であって、
建具に取付けられ、係合し合う係合受部材と係合部材からなり、
前記係合受部材は、これを回動可能に建具側に枢着し、且つ、その回動方向の一方を付勢する枢着付勢部と、この枢着付勢部に対し係合受部材の一面側に形成された、対向する自由端及びこれらの自由端を開口とする開口部と、前記枢着付勢部に対し係合受部材の他面側に形成され、且つ、前記枢着付勢部に抗して係合受部材を回動させる操作部を備え、
前記係合部材は、これを回動可能に建具側に枢着し、且つ、その回動方向の一方を付勢する枢着付勢部と、前記枢着付勢部に対し係合部材の一面側に形成され、且つ、前記係合受部材との係合時に、その開口部に位置される本体部及びその自由端間に位置される基端部と、前記枢着付勢部に対し係合受部材の他面側に形成され、且つ、前記枢着付勢部に抗して係合部材を回動させる操作部を備えると共に、
前記係合受部材の操作部の操作又は前記係合部材の操作部の操作により、前記係合受部材の自由端と係合部材の本体部とが交わされて、前記係合受部材と前記係合部材の係合が解除されることを特徴とする締り機構。
【請求項2】
前記建具は、左右のスラットを横引き可能な横引きシャッターであって、前記係合受部材及び係合部材は、それぞれ左右の召合框に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の締り機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−144376(P2006−144376A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−335462(P2004−335462)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 2004年8月26日、8月27日、8月28日 財団法人日本産業デザイン振興会主催の「2004年度 グッドデザイン・プレゼンテーション」に出品
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)