建築要素
【課題】建築構造要素が顕著な強度を有し、かつ適度に高い耐火性を有する建築要素を提供する。
【解決手段】 外被と内部コアとからなり、外被は圧縮強さよりも大きな引張強さを有する材料から形成され、コアは引張強さよりも大きな圧縮強さを有しており、外被は長手方向に延在しており、互いに間隔を置いた第1の面(7)および第2の面(8)と、第1および第2の縁と、第1の端および第2の端とを有しており、第1の面(7)および第2の面(8)は外被を連続体として形成するように第1(9)および第2(21)の縁において接合されており、第1の縁(9)および第2の縁(21)は1つのこのような建築要素(1)の第1の縁(9)をもう1つのこのような建築要素(1)の第2の縁(21)内に配することができるような形状とされてなる。また、外被と内部コアは、互いに接着することを必要としない構成とされている。
【解決手段】 外被と内部コアとからなり、外被は圧縮強さよりも大きな引張強さを有する材料から形成され、コアは引張強さよりも大きな圧縮強さを有しており、外被は長手方向に延在しており、互いに間隔を置いた第1の面(7)および第2の面(8)と、第1および第2の縁と、第1の端および第2の端とを有しており、第1の面(7)および第2の面(8)は外被を連続体として形成するように第1(9)および第2(21)の縁において接合されており、第1の縁(9)および第2の縁(21)は1つのこのような建築要素(1)の第1の縁(9)をもう1つのこのような建築要素(1)の第2の縁(21)内に配することができるような形状とされてなる。また、外被と内部コアは、互いに接着することを必要としない構成とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築要素に関する。
【背景技術】
【0002】
それ自体で構造的な完全性を有するとともに、建築物の形成において、パネル、壁および様々な他の構造成分を建築するために軽量な建築要素と結合させることのできる建築要素が必要とされている。
【0003】
このような建築構造要素が顕著な強度を有し、かつ適度に高い耐火性を有するべきであるということは重要な事項である。
従来技術としては、下記特許文献に記載のものが知られている。
【0004】
【特許文献1】実願昭52−82002号マイクロフィルム
【特許文献2】実願昭51−135517号マイクロフィルム
【特許文献3】実願昭60−172348号マイクロフィルム
【特許文献4】特開昭53−58115号公報
【特許文献5】特開昭61−122357号公報
【特許文献6】実願昭54−054770号のマイクロフィルム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされた建築要素を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る建築要素は、
外被と内部コアとからなり、
前記外被は圧縮強さよりも大きな引張強さを有する材料から形成され、
前記内部コアは引張強さよりも大きな圧縮強さを有しており、
前記外被は長手方向に延在しており、互いに間隔を置いた第1の面および第2の面と、第1の縁および第2の縁と、第1の端および第2の端とを有しており、
前記第1の面および前記第2の面は前記外被を連続体として形成するように前記第1の縁および前記第2の縁において接合されており、
前記第1の縁および前記第2の縁は1つのこのような建築要素の該第1の縁をもう1つのこのような建築要素の該第2の縁内に配することができるように、前記第1の縁は舌片を有し、前記第2の縁は溝を有してなり、前記舌片は隣接する前記もう1つのこのような建築要素と密着し得るように構成され、
前記外被が前記連続体として形成されることで、前記外被と前記内部コアは、互いに接着することを必要としない構成とされていることを特徴とするものである。
【0007】
好ましくは、前記第1の面および前記第2の面および/もしくは前記第1の縁および前記第2の縁がこれら両縁の中間に位置する少なくとも1つのウェブによって接合されており、かつ前記少なくとも1つのウェブが開口を有している。
【0008】
好ましくは、外被は、外被を形成するように互いに係合することのできる少なくとも2つの成分からなる。一例では、外被は4つの成分からなる。
【0009】
前記例においては、2つの成分が面を画定し、2つの成分が縁を画定する。
【0010】
複数のこのような建築要素を、建築物の壁、床、屋根、外装もしくは他の部分を形成するために、互いの縁において組み合わせることができる。
【0011】
建築要素は水平、垂直あるいは所望するように延在させることができる。
【0012】
外被を形成する材料には引張強さの要求を満足させることのみが必要とされる。
【0013】
外被に適した材料には、軟鋼、高力鋼、カーボンファイバ材料、押出材料、合成プラスチック−セメント複合物、および石綿セメントもしくはそれらの近代的代替物が含まれる。
【0014】
コアを形成する材料には圧縮強さの要求を満足させることのみが必要とされる。
【0015】
しかしながら、コアの材料は望ましくは外被の材料よりも実質的に高い耐火性を有する。
【0016】
コアの好ましい材料はセメント質材料である。別のコア材料は、耐圧縮性を示す低密度の非耐火性材料である。例えばポリスチレンのような発泡プラスチックスや再生紙および再生プラスチックスのような他の材料も使用することができる。
【0017】
最も好ましいセメント質材料は軽量コンクリートである。
【0018】
好適なコンクリートの1つは200〜1200kg/m3の密度を有している。
【0019】
望ましくは、第1の縁と第2の縁との間隔は450mmを超えず、好ましくは200〜300mmである。
【0020】
第1の縁と第2の縁との間隔は好ましくは最大で前記の通りであるが、実用的な目的においては70mmを超えにくい。
【0021】
好ましくは、第1の面および第2の面および/もしくは第1の縁および第2の縁は両縁の中間に位置する少なくとも1つのウェブによって接合される。
【0022】
前記少なくとも1つのウェブは好ましくは開口を有する。
【0023】
この構成は数多くの利点を有するものであり、その1つはウェブにおける材料の量が低減して、ウェブの一側におけるコア材料がウェブの他側におけるコア材料と一体的に接続し、製造におけるスタビライザとして熱伝導に利用可能な材料量を低減させ、点応力荷重が外被に伝達するのを可能にする引張シェルをもたらすことにある。
【0024】
このようなウェブをいくつか使用することができる。
【0025】
建築要素の長さは重要でないが、実用的な目的では、8mを超えにくい。
【0026】
好ましい態様において、本発明は、
外被と内部コアとからなり、
外被は圧縮強さよりも大きな引張強さを有する材料から形成され、コアは引張強さよりも大きな圧縮強さを有しており、
外被は長手方向に延在しており、互いに間隔を置いた第1の面および第2の面と、第1および第2の縁と、第1の端および第2の端とを有しており、
第1の面および第2の面は外被を連続体として形成するように第1および第2の縁において接合されており、
第1の縁および第2の縁は1つのこのような建築要素の第1の縁をもう1つのこのような建築要素の第2の縁内に配することができるような形状とされており、
好ましくは、前記内部コアがセメント質もしくはプラスタ材料から形成されるようにする。
【0027】
このように配された時に、前記1つのこのような建築要素の内部コアは前記もう1つのこのような建築要素の内部コアから3mm以下しか離れていないことを特徴とする建築要素である。
【0028】
好ましくは、前記1つの建築要素のコア材料と前記もう1つの建築要素のコア材料との間隔は1mmを超えない。
【0029】
好ましくは、第1の縁は舌片を画定し、第2の縁は溝を画定する。
【0030】
好ましくは、コア材料は舌片内に延びる。
【0031】
コア材料は溝を画定する外被部分内に延びてもよいが、これは好ましいものではない。
【0032】
好ましくは、溝はこのような建築要素の第1および第2の面を、舌片がもう1つのこのような建築要素の溝内に延びた時に、覆うような深さを有している。
【0033】
好ましくは、建築要素は、溝の領域において、ほぼ外被材料の厚さの4倍未満の第1の面と第2の面との間の間隔である、第1の面と第2の面との間で測定された溝幅を有している。
【0034】
さらに、好ましくは、前記舌片は、隣接する前記もう1つのこのような建築要素の前記内部コアと密着し得る開口を有する。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る建築要素は、「前記外被は圧縮強さよりも大きな引張強さを有する材料から形成され、前記内部コアは引張強さよりも大きな圧縮強さを有しており」という特徴を備えていることにより、建造物に作用する荷重を支持し得る構造体として機能し得る上に、「前記第1の縁および前記第2の縁は1つのこのような建築要素の該第1の縁をもう1つのこのような建設要素の該第2の縁内に配することができるように、前記第1の縁は舌片を有し、前記第2の縁は溝を有してなり、前記舌片は隣接する前記もう1つのこのような建築要素と密着し得るように構成されている」という特徴を備えていることにより、建築要素同士を間単に連結して、大きな面積を有する壁等の構造体を短時間で構築することができるという作用効果を奏する。
【0036】
また、外被が連続体として形成されることで、前記外被と前記内部コアは、互いに接着することを必要としない構成とされており、両者を接着することによる不都合が生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、添付図面を参照し、非制限的な実施例により、建築パネルに適用された本発明の建築要素の具体的な実施態様を説明する。
【0038】
図1には、外被2とコア3とからなる建築パネル1が示されている。
外被2は好ましい形状の金属からなるものであるが、他の材料も使用可能である。
コア3は好ましい形状の軽量コンクリートからなるものであるが、他の材料も使用可能である。
【0039】
建築パネル1はaからjまで延在するパネル部4と、kからnまで延在するパネル部6とからなる。
パネル部4および6は全体を形成するように互いに圧着される。
建築パネル1は第1の面7および第2の面8を有する。
【0040】
また、建築パネル1は第1の縁9および第2の縁21を有する。
これら縁は舌片22および溝23を画定するように形成されている。
【0041】
図1に示すようなもう1つのパネルが建築パネル1と並置されると、適当な舌片は適当な溝内に入ることができ、この結果、強固な構造が得られる。
さらに、外被の厚さは、2つの建築パネルのコアの間隔が望ましくは1mm以下となるように選択される。これにより、優れた耐火性が得られる。
【0042】
したがって、建築パネル1は強固な構造であり、建築物の壁、床、屋根、および他の成分を形成するために建築業界で広範に使用するのに適している。
認められるように、建築パネル1はパネル部4とパネル部6という2つの成分のみからなる。
【0043】
図2に示した建築要素26は4つの成分28および29からなるが、これら成分のうちの2つ、28は互いに同一であり、他の2つの成分27も互いに同一であることに留意するべきである。
【0044】
本発明による建築パネルは多くの寸法形状を有することができ、そのいくつかを図6に示し、他を図7および8に示す。
図8の部材27,28および29を参照すると、これらはかなりの寸法を有しており、荷重支持に使用することができる。
【0045】
本発明の建築パネルから様々な壁もしくは他の構造を製造することができ、これらのいくつかは図9および10に示されている。
【0046】
多数の建築パネルから構成されたシートの上端もしくは端にキャップを付けるために、図11に示すように様々な仕上げ部材を使用することができる。
【0047】
図12,13,14および15は製造可能な他の構造を示す。
【0048】
図16は、コア材料が隣接する建築パネルと密着するように少なくとも舌片が開口を有している、さらに別の建築パネルの形状を示す。
【0049】
また、図17は開口を有する中間ウェブが存在する建築パネルを示す。
【0050】
図18は図17に類似した構造を示す。
【0051】
図19は第1の端32および第2の端33を有するパネル31を示す。
この例では、第1の端32および第2の端33は、パネルが軽量パネルと互いに端において接合するか、軽量パネルと直角に交差することが可能になるような形状とされている。
【0052】
図20はさらに、強度をもたらすために内部コアもしくはウェブを有する建築パネルを示す。
【0053】
図21は、縁が開口を有するさらに別の建築パネルを示す。
【0054】
図22は、他の建築要素用の成分の図である。
【0055】
本発明の建築パネルに使用される外被は好ましくは厚さが約0.5mmのものであるが、これより厚いものも薄いものも使用することができる。
【0056】
本発明のパネルは建築物を構成する上で優れており、特に成分が他の成分に対して直角に延びている場合には、自己補強する傾向にある。
【0057】
また、建築パネルは、外被が引張強さをもたらす一方で内部コアが圧縮強さをもたらすという点で優れた強度を有しており、外被が連続しているために、この製品はこうして複合的な作用を可能にする一方、互いに接着することを必要としない。
【0058】
この特定の構成と実質的にエアギャップがないことにより、建築パネルは高い耐火性等級を有することが期待される。
さらに、内部ウェブが存在する場合、耐火性等級はさらに高くなるものと予想される。
【0059】
請求の範囲、例示物、写真および図面は、存在するならば、その記録の一部としてここに導入される他のあらゆる関連する仮のあるいは親出願の明細書もしくはあらゆる優先権証明書の記載、請求の範囲、例示物、写真および図面と同様に、存在するならば、本明細書の開示の一部を形成する。
【0060】
最後に、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変更、改良および/もしくは付加を様々な構成および配置もしくは部分に組み入れ得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】建築要素の断面図、
【図2】他の建築要素の断面図、
【図3】図2の建築パネルを構成するために使用される構成部分を示す断面図、
【図4】様々な建築パネルを等角図で示すもの、
【図5】様々な建築パネルを等角図で示すもの、
【図6】様々な建築パネルを等角図で示すもの、
【図7】様々な建築パネルを端面図で示すもの、
【図8】様々な建築パネルを端面図で示すもの、
【図9】先に述べられた建築パネルのいくつかを使用する壁要素を示すもの、
【図10】先に参照された建築パネルのいくつかを使用する壁要素を示すもの、
【図11】いくつかの状況で使用可能な接合部材を示すもの、
【図12】先に参照された建築パネルのいくつかからなる壁要素を示すもの、
【図13】先に示した建築パネルのいくつかからなる壁要素を示すもの、
【図14】先に示した建築パネルのいくつかからなる壁要素を示すもの、
【図15】先に示した建築パネルのいくつかからなる壁要素を示すもの、
【図16】別の建築パネルを示すもの、
【図17】開口を有する内部ウェブを備えた別の建築パネルを示すもの、
【図18】様々な建築パネルを示すもの、
【図19】他の建築パネルを示すもの、
【図20】様々な建築パネルを示すもの、
【図21】建築パネルを構成するために使用される要素を示すもの、
【図22】他の建築要素のための成分を示す図、
【図23】図22の成分を組立後の形状で示す図、
【図24】壁の断面を示すもの、
【図25】1側部を除いた状態で床の断面を示すもの、
【図26】全ての側部をそのままにして床パネルを示すもの、
【図27】他の断面を示すものである。
【符号の説明】
【0062】
1 建築パネル
2 外被
3 コア
4 パネル部a〜j
6 パネル部k〜n
7 第1の面
8 第2の面
9 第1の縁
21 第2の縁
22 舌片
23 溝
26 建築パネル
27 成分
28 成分
31 パネル
32 第1の端
33 第2の端
【技術分野】
【0001】
本発明は建築要素に関する。
【背景技術】
【0002】
それ自体で構造的な完全性を有するとともに、建築物の形成において、パネル、壁および様々な他の構造成分を建築するために軽量な建築要素と結合させることのできる建築要素が必要とされている。
【0003】
このような建築構造要素が顕著な強度を有し、かつ適度に高い耐火性を有するべきであるということは重要な事項である。
従来技術としては、下記特許文献に記載のものが知られている。
【0004】
【特許文献1】実願昭52−82002号マイクロフィルム
【特許文献2】実願昭51−135517号マイクロフィルム
【特許文献3】実願昭60−172348号マイクロフィルム
【特許文献4】特開昭53−58115号公報
【特許文献5】特開昭61−122357号公報
【特許文献6】実願昭54−054770号のマイクロフィルム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされた建築要素を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る建築要素は、
外被と内部コアとからなり、
前記外被は圧縮強さよりも大きな引張強さを有する材料から形成され、
前記内部コアは引張強さよりも大きな圧縮強さを有しており、
前記外被は長手方向に延在しており、互いに間隔を置いた第1の面および第2の面と、第1の縁および第2の縁と、第1の端および第2の端とを有しており、
前記第1の面および前記第2の面は前記外被を連続体として形成するように前記第1の縁および前記第2の縁において接合されており、
前記第1の縁および前記第2の縁は1つのこのような建築要素の該第1の縁をもう1つのこのような建築要素の該第2の縁内に配することができるように、前記第1の縁は舌片を有し、前記第2の縁は溝を有してなり、前記舌片は隣接する前記もう1つのこのような建築要素と密着し得るように構成され、
前記外被が前記連続体として形成されることで、前記外被と前記内部コアは、互いに接着することを必要としない構成とされていることを特徴とするものである。
【0007】
好ましくは、前記第1の面および前記第2の面および/もしくは前記第1の縁および前記第2の縁がこれら両縁の中間に位置する少なくとも1つのウェブによって接合されており、かつ前記少なくとも1つのウェブが開口を有している。
【0008】
好ましくは、外被は、外被を形成するように互いに係合することのできる少なくとも2つの成分からなる。一例では、外被は4つの成分からなる。
【0009】
前記例においては、2つの成分が面を画定し、2つの成分が縁を画定する。
【0010】
複数のこのような建築要素を、建築物の壁、床、屋根、外装もしくは他の部分を形成するために、互いの縁において組み合わせることができる。
【0011】
建築要素は水平、垂直あるいは所望するように延在させることができる。
【0012】
外被を形成する材料には引張強さの要求を満足させることのみが必要とされる。
【0013】
外被に適した材料には、軟鋼、高力鋼、カーボンファイバ材料、押出材料、合成プラスチック−セメント複合物、および石綿セメントもしくはそれらの近代的代替物が含まれる。
【0014】
コアを形成する材料には圧縮強さの要求を満足させることのみが必要とされる。
【0015】
しかしながら、コアの材料は望ましくは外被の材料よりも実質的に高い耐火性を有する。
【0016】
コアの好ましい材料はセメント質材料である。別のコア材料は、耐圧縮性を示す低密度の非耐火性材料である。例えばポリスチレンのような発泡プラスチックスや再生紙および再生プラスチックスのような他の材料も使用することができる。
【0017】
最も好ましいセメント質材料は軽量コンクリートである。
【0018】
好適なコンクリートの1つは200〜1200kg/m3の密度を有している。
【0019】
望ましくは、第1の縁と第2の縁との間隔は450mmを超えず、好ましくは200〜300mmである。
【0020】
第1の縁と第2の縁との間隔は好ましくは最大で前記の通りであるが、実用的な目的においては70mmを超えにくい。
【0021】
好ましくは、第1の面および第2の面および/もしくは第1の縁および第2の縁は両縁の中間に位置する少なくとも1つのウェブによって接合される。
【0022】
前記少なくとも1つのウェブは好ましくは開口を有する。
【0023】
この構成は数多くの利点を有するものであり、その1つはウェブにおける材料の量が低減して、ウェブの一側におけるコア材料がウェブの他側におけるコア材料と一体的に接続し、製造におけるスタビライザとして熱伝導に利用可能な材料量を低減させ、点応力荷重が外被に伝達するのを可能にする引張シェルをもたらすことにある。
【0024】
このようなウェブをいくつか使用することができる。
【0025】
建築要素の長さは重要でないが、実用的な目的では、8mを超えにくい。
【0026】
好ましい態様において、本発明は、
外被と内部コアとからなり、
外被は圧縮強さよりも大きな引張強さを有する材料から形成され、コアは引張強さよりも大きな圧縮強さを有しており、
外被は長手方向に延在しており、互いに間隔を置いた第1の面および第2の面と、第1および第2の縁と、第1の端および第2の端とを有しており、
第1の面および第2の面は外被を連続体として形成するように第1および第2の縁において接合されており、
第1の縁および第2の縁は1つのこのような建築要素の第1の縁をもう1つのこのような建築要素の第2の縁内に配することができるような形状とされており、
好ましくは、前記内部コアがセメント質もしくはプラスタ材料から形成されるようにする。
【0027】
このように配された時に、前記1つのこのような建築要素の内部コアは前記もう1つのこのような建築要素の内部コアから3mm以下しか離れていないことを特徴とする建築要素である。
【0028】
好ましくは、前記1つの建築要素のコア材料と前記もう1つの建築要素のコア材料との間隔は1mmを超えない。
【0029】
好ましくは、第1の縁は舌片を画定し、第2の縁は溝を画定する。
【0030】
好ましくは、コア材料は舌片内に延びる。
【0031】
コア材料は溝を画定する外被部分内に延びてもよいが、これは好ましいものではない。
【0032】
好ましくは、溝はこのような建築要素の第1および第2の面を、舌片がもう1つのこのような建築要素の溝内に延びた時に、覆うような深さを有している。
【0033】
好ましくは、建築要素は、溝の領域において、ほぼ外被材料の厚さの4倍未満の第1の面と第2の面との間の間隔である、第1の面と第2の面との間で測定された溝幅を有している。
【0034】
さらに、好ましくは、前記舌片は、隣接する前記もう1つのこのような建築要素の前記内部コアと密着し得る開口を有する。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る建築要素は、「前記外被は圧縮強さよりも大きな引張強さを有する材料から形成され、前記内部コアは引張強さよりも大きな圧縮強さを有しており」という特徴を備えていることにより、建造物に作用する荷重を支持し得る構造体として機能し得る上に、「前記第1の縁および前記第2の縁は1つのこのような建築要素の該第1の縁をもう1つのこのような建設要素の該第2の縁内に配することができるように、前記第1の縁は舌片を有し、前記第2の縁は溝を有してなり、前記舌片は隣接する前記もう1つのこのような建築要素と密着し得るように構成されている」という特徴を備えていることにより、建築要素同士を間単に連結して、大きな面積を有する壁等の構造体を短時間で構築することができるという作用効果を奏する。
【0036】
また、外被が連続体として形成されることで、前記外被と前記内部コアは、互いに接着することを必要としない構成とされており、両者を接着することによる不都合が生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、添付図面を参照し、非制限的な実施例により、建築パネルに適用された本発明の建築要素の具体的な実施態様を説明する。
【0038】
図1には、外被2とコア3とからなる建築パネル1が示されている。
外被2は好ましい形状の金属からなるものであるが、他の材料も使用可能である。
コア3は好ましい形状の軽量コンクリートからなるものであるが、他の材料も使用可能である。
【0039】
建築パネル1はaからjまで延在するパネル部4と、kからnまで延在するパネル部6とからなる。
パネル部4および6は全体を形成するように互いに圧着される。
建築パネル1は第1の面7および第2の面8を有する。
【0040】
また、建築パネル1は第1の縁9および第2の縁21を有する。
これら縁は舌片22および溝23を画定するように形成されている。
【0041】
図1に示すようなもう1つのパネルが建築パネル1と並置されると、適当な舌片は適当な溝内に入ることができ、この結果、強固な構造が得られる。
さらに、外被の厚さは、2つの建築パネルのコアの間隔が望ましくは1mm以下となるように選択される。これにより、優れた耐火性が得られる。
【0042】
したがって、建築パネル1は強固な構造であり、建築物の壁、床、屋根、および他の成分を形成するために建築業界で広範に使用するのに適している。
認められるように、建築パネル1はパネル部4とパネル部6という2つの成分のみからなる。
【0043】
図2に示した建築要素26は4つの成分28および29からなるが、これら成分のうちの2つ、28は互いに同一であり、他の2つの成分27も互いに同一であることに留意するべきである。
【0044】
本発明による建築パネルは多くの寸法形状を有することができ、そのいくつかを図6に示し、他を図7および8に示す。
図8の部材27,28および29を参照すると、これらはかなりの寸法を有しており、荷重支持に使用することができる。
【0045】
本発明の建築パネルから様々な壁もしくは他の構造を製造することができ、これらのいくつかは図9および10に示されている。
【0046】
多数の建築パネルから構成されたシートの上端もしくは端にキャップを付けるために、図11に示すように様々な仕上げ部材を使用することができる。
【0047】
図12,13,14および15は製造可能な他の構造を示す。
【0048】
図16は、コア材料が隣接する建築パネルと密着するように少なくとも舌片が開口を有している、さらに別の建築パネルの形状を示す。
【0049】
また、図17は開口を有する中間ウェブが存在する建築パネルを示す。
【0050】
図18は図17に類似した構造を示す。
【0051】
図19は第1の端32および第2の端33を有するパネル31を示す。
この例では、第1の端32および第2の端33は、パネルが軽量パネルと互いに端において接合するか、軽量パネルと直角に交差することが可能になるような形状とされている。
【0052】
図20はさらに、強度をもたらすために内部コアもしくはウェブを有する建築パネルを示す。
【0053】
図21は、縁が開口を有するさらに別の建築パネルを示す。
【0054】
図22は、他の建築要素用の成分の図である。
【0055】
本発明の建築パネルに使用される外被は好ましくは厚さが約0.5mmのものであるが、これより厚いものも薄いものも使用することができる。
【0056】
本発明のパネルは建築物を構成する上で優れており、特に成分が他の成分に対して直角に延びている場合には、自己補強する傾向にある。
【0057】
また、建築パネルは、外被が引張強さをもたらす一方で内部コアが圧縮強さをもたらすという点で優れた強度を有しており、外被が連続しているために、この製品はこうして複合的な作用を可能にする一方、互いに接着することを必要としない。
【0058】
この特定の構成と実質的にエアギャップがないことにより、建築パネルは高い耐火性等級を有することが期待される。
さらに、内部ウェブが存在する場合、耐火性等級はさらに高くなるものと予想される。
【0059】
請求の範囲、例示物、写真および図面は、存在するならば、その記録の一部としてここに導入される他のあらゆる関連する仮のあるいは親出願の明細書もしくはあらゆる優先権証明書の記載、請求の範囲、例示物、写真および図面と同様に、存在するならば、本明細書の開示の一部を形成する。
【0060】
最後に、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変更、改良および/もしくは付加を様々な構成および配置もしくは部分に組み入れ得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】建築要素の断面図、
【図2】他の建築要素の断面図、
【図3】図2の建築パネルを構成するために使用される構成部分を示す断面図、
【図4】様々な建築パネルを等角図で示すもの、
【図5】様々な建築パネルを等角図で示すもの、
【図6】様々な建築パネルを等角図で示すもの、
【図7】様々な建築パネルを端面図で示すもの、
【図8】様々な建築パネルを端面図で示すもの、
【図9】先に述べられた建築パネルのいくつかを使用する壁要素を示すもの、
【図10】先に参照された建築パネルのいくつかを使用する壁要素を示すもの、
【図11】いくつかの状況で使用可能な接合部材を示すもの、
【図12】先に参照された建築パネルのいくつかからなる壁要素を示すもの、
【図13】先に示した建築パネルのいくつかからなる壁要素を示すもの、
【図14】先に示した建築パネルのいくつかからなる壁要素を示すもの、
【図15】先に示した建築パネルのいくつかからなる壁要素を示すもの、
【図16】別の建築パネルを示すもの、
【図17】開口を有する内部ウェブを備えた別の建築パネルを示すもの、
【図18】様々な建築パネルを示すもの、
【図19】他の建築パネルを示すもの、
【図20】様々な建築パネルを示すもの、
【図21】建築パネルを構成するために使用される要素を示すもの、
【図22】他の建築要素のための成分を示す図、
【図23】図22の成分を組立後の形状で示す図、
【図24】壁の断面を示すもの、
【図25】1側部を除いた状態で床の断面を示すもの、
【図26】全ての側部をそのままにして床パネルを示すもの、
【図27】他の断面を示すものである。
【符号の説明】
【0062】
1 建築パネル
2 外被
3 コア
4 パネル部a〜j
6 パネル部k〜n
7 第1の面
8 第2の面
9 第1の縁
21 第2の縁
22 舌片
23 溝
26 建築パネル
27 成分
28 成分
31 パネル
32 第1の端
33 第2の端
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外被と内部コアとからなり、
前記外被は圧縮強さよりも大きな引張強さを有する材料から形成され、
前記内部コアは引張強さよりも大きな圧縮強さを有しており、
前記外被は長手方向に延在しており、互いに間隔を置いた第1の面および第2の面と、第1の縁および第2の縁と、第1の端および第2の端とを有しており、
前記第1の面および前記第2の面は前記外被を連続体として形成するように前記第1の縁および前記第2の縁において接合されており、
前記第1の縁および前記第2の縁は1つのこのような建築要素の該第1の縁をもう1つのこのような建築要素の該第2の縁内に配することができるように、前記第1の縁は舌片を有し、前記第2の縁は溝を有してなり、前記舌片は隣接する前記もう1つのこのような建築要素と密着し得るように構成され、
前記外被が前記連続体として形成されることで、前記外被と前記内部コアは、互いに接着することを必要としない構成とされていることを特徴とする建築要素。
【請求項2】
前記第1の面および前記第2の面および/もしくは前記第1の縁および前記第2の縁がこれら両縁の中間に位置する少なくとも1つのウェブによって接合されており、かつ前記少なくとも1つのウェブが開口を有していることを特徴とする請求項1記載の建築要素。
【請求項3】
前記外被が、該外被を形成するように互いに係合することのできる少なくとも2つの成分からなることを特徴とする請求項1もしくは2記載の建築要素。
【請求項4】
前記外被が4つの成分からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の建築要素。
【請求項5】
2つの成分が前記面を画定し、2つの成分が前記縁を画定することを特徴とする請求項4記載の建築要素。
【請求項6】
前記外被が軟鋼、高力鋼、カーボンファイバ材料、押出材料、合成プラスチック−セメント複合物、および石綿セメントもしくはそれらの近代的代替物から形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の建築要素。
【請求項7】
前記内部コアがセメント質もしくはプラスタ材料から形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の建築要素。
【請求項8】
前記1つのこのような建築要素の前記内部コアは前記もう1つのこのような建築要素の前記内部コアから3mm以下しか離れていないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の建築要素。
【請求項9】
前記舌片は、隣接する前記もう1つのこのような建築要素の前記内部コアと密着し得るように開口を有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の建築要素。
【請求項1】
外被と内部コアとからなり、
前記外被は圧縮強さよりも大きな引張強さを有する材料から形成され、
前記内部コアは引張強さよりも大きな圧縮強さを有しており、
前記外被は長手方向に延在しており、互いに間隔を置いた第1の面および第2の面と、第1の縁および第2の縁と、第1の端および第2の端とを有しており、
前記第1の面および前記第2の面は前記外被を連続体として形成するように前記第1の縁および前記第2の縁において接合されており、
前記第1の縁および前記第2の縁は1つのこのような建築要素の該第1の縁をもう1つのこのような建築要素の該第2の縁内に配することができるように、前記第1の縁は舌片を有し、前記第2の縁は溝を有してなり、前記舌片は隣接する前記もう1つのこのような建築要素と密着し得るように構成され、
前記外被が前記連続体として形成されることで、前記外被と前記内部コアは、互いに接着することを必要としない構成とされていることを特徴とする建築要素。
【請求項2】
前記第1の面および前記第2の面および/もしくは前記第1の縁および前記第2の縁がこれら両縁の中間に位置する少なくとも1つのウェブによって接合されており、かつ前記少なくとも1つのウェブが開口を有していることを特徴とする請求項1記載の建築要素。
【請求項3】
前記外被が、該外被を形成するように互いに係合することのできる少なくとも2つの成分からなることを特徴とする請求項1もしくは2記載の建築要素。
【請求項4】
前記外被が4つの成分からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の建築要素。
【請求項5】
2つの成分が前記面を画定し、2つの成分が前記縁を画定することを特徴とする請求項4記載の建築要素。
【請求項6】
前記外被が軟鋼、高力鋼、カーボンファイバ材料、押出材料、合成プラスチック−セメント複合物、および石綿セメントもしくはそれらの近代的代替物から形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の建築要素。
【請求項7】
前記内部コアがセメント質もしくはプラスタ材料から形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の建築要素。
【請求項8】
前記1つのこのような建築要素の前記内部コアは前記もう1つのこのような建築要素の前記内部コアから3mm以下しか離れていないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の建築要素。
【請求項9】
前記舌片は、隣接する前記もう1つのこのような建築要素の前記内部コアと密着し得るように開口を有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の建築要素。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2008−144584(P2008−144584A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16663(P2008−16663)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【分割の表示】特願平10−524062の分割
【原出願日】平成9年11月28日(1997.11.28)
【出願人】(508003756)コルチェスター・ホールディングス・ピーティーワイ・エルティーディー (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【分割の表示】特願平10−524062の分割
【原出願日】平成9年11月28日(1997.11.28)
【出願人】(508003756)コルチェスター・ホールディングス・ピーティーワイ・エルティーディー (1)
【Fターム(参考)】
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