説明

引戸装置の改修方法及び改修引戸装置

【課題】既設引戸枠を改修用引戸枠に改修した際に、広い開口面積が確保できるようにした引戸装置の改修方法とする。
【解決手段】建物の開口部に取付けてあるアルミニウム合金の押出し形材から成る既設上枠62、既設下枠56、既設竪枠59,60を有する既設引戸枠63を残存し、前記既設下枠56の室外側案内レール114を付け根付近から切断して除去し、この既設下枠56の室内側部分に取付け補助部材106をビスで取付け、この後に、アルミニウム合金の押出し形材から成る改修用上枠72、改修用竪枠70,71、室外から室内に向かって上方へ段差を成して傾斜する底壁を備えた改修用下枠69を有する改修用引戸枠250を、前記既設引戸枠63内に室外側から挿入し、その改修用下枠69を前記取付補助部材106に取付けるようにした引戸装置の改修方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の壁に窓として設けられている既設引戸を改修用引戸に改修する引戸装置の改修方法、及び、その改修した改修引戸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図15は従来の技術の改修用引戸装置1を示す鉛直断面図であり、図16は図15の切断面線VII−VIIから見た水平断面図である。経年変化によって老朽化した集合住宅などの建物は、リフォームとも呼ばれる改修工事の一環として、その建物に設けられる窓もまた、改修される。この窓は、集合住宅の場合、一棟に設けられる設置箇所数が多いため、改修作業の効率の向上が望まれている。
【0003】
建物の開口部2には、この開口部2の開口3に下方から臨む下縁部4に固定される既設下枠5と、開口部2の前記開口3に左右両側から臨む両側縁部6にそれぞれ固定される一対の既設竪枠7と、開口部2の前記開口3に上方から臨む上縁部8に固定される既設上枠9とを有する既設引戸枠10が設けられ、この既設引戸枠10に改修用引戸装置1が装着される。
【0004】
改修用引戸装置1は、引戸障子を図15の紙面に垂直な間口方向に移動自在に支持する複数の案内レール11,12を有し、既設下枠5に固定される改修用下枠13と、各既設竪枠7に固定される一対の改修用竪枠14と、既設上枠9に固定される改修用上枠15と、この改修用上枠15に固定され、改修用上枠15と既設上枠9との間を室内16側から覆う上枠カバー材17と、各改修用竪枠14と各既設竪枠7との間を室内16側からそれぞれ覆う一対の竪枠カバー材18と、改修用下枠13と既設下枠5との間を室内16側から覆う下枠カバー材19とを含む。
【0005】
また、前記改修用下枠13は、既設下枠5の2本の案内レール21,22上に直接乗載されて、室外23側から螺着されたビス24によって固定される下枠下地材25と、前記2本の案内レール11,12を有し、下枠下地材25に室外23側から螺着されたビス26によって固定される下枠本体27と、下枠本体27に2本のビス28,29によって固定される断面が略W字状の下枠補助材30とを含む。
【0006】
さらに、前記改修用竪枠14は、室内16側から螺着されたビス34によって既設竪枠7に固定される竪枠下地材35と、この竪枠下地材35に室内16側から螺着されたビス36によって固定される竪枠補助材37と、竪枠補助材37に嵌着される竪枠本体39とを含む。
【0007】
さらに、前記改修用上枠15は、室内16側から螺着されたビス40によって既設上枠9に固定される上枠下地材41と、室内16側から螺着されたビス42によって前記上枠下地材41に固定される上枠補助材43と、上枠補助材43に嵌着される上枠本体44とを含む。
【0008】
上記の改修用下枠13、改修用竪枠14および改修用上枠15が、既設下枠5、既設竪枠7および既設上枠9にそれぞれ取付けられた後、下枠カバー材19が改修用下枠13の下枠補助材30にビス47によって固定され、竪枠カバー材18が改修用竪枠14の竪枠補助材37にビス48によって固定され、上枠カバー材17が改修用上枠15の上枠補助材43にビス49によって固定される。
【0009】
これらの下枠カバー材17と下縁部4と間、竪枠カバー材18と側縁部6との間、および上枠カバー材17と上縁部8との間には、室内側シール材45と室外側シール材46とが打設され、室外23から室内16への風雨の浸入が防止されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような従来の技術では、改修用下枠13が既設下枠5に載置された状態で既設下枠5に固定されるので、改修用下枠13と改修用上枠15との間の空間の高さ方向の幅Hが小さくなり、有効開口面積が減少してしまうという問題がある。
【0011】
また、改修用下枠13の下枠下地材30は既設下枠5の案内レール21,22上に直接乗載され、その案内レール21,22を基準として固定されているから前述の改修用下枠13と改修用上枠15との間の空間の高さ方向の幅Hがより小さくなり、有効開口面積が減少してしまうという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、広い開口面積を確保することができる引戸装置の改修方法及び改修引戸装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載の本発明は、建物の開口部に取付けてあるアルミニウム合金の押出し形材から成る既設上枠、アルミニウム合金の押出し形材から成り室内側案内レールと室外側案内レールを備えた既設下枠、アルミニウム合金の押出し形材から成る既設竪枠を有する既設引戸枠を残存し、
前記既設下枠の室外側案内レールを付け根付近から切断して撤去し、前記既設下枠の室内側部分に、取付け補助部材をビスで取付け、
この後に、アルミニウム合金の押出し形材から成る改修用上枠、アルミニウム合金の押出し形材から成る改修用竪枠、アルミニウム合金の押出し形材から成り室外から室内に向かって上方へ段差を成して傾斜する底壁を備えた改修用下枠を有する改修用引戸枠を、前記既設引戸枠内に室外側から挿入し、その改修用下枠を前記取付け補助部材に取付けることで、改修用引戸枠を取付け補助部材を基準として取付けることを特徴とする引戸装置の改修方法である。
請求項5記載の本発明は、建物の開口部に残存した既設引戸枠は、アルミニウム合金の押出し形材から成る既設上枠、アルミニウム合金の押出し形材から成り室内側案内レールと室外側案内レールを備えた既設下枠、アルミニウム合金の押出し形材から成る既設竪枠を有し、前記既設下枠の室外側案内レールは付け根付近から切断して撤去され、その既設下枠の室内側部分に取付け補助部材がビスで取付けてあり、
この既設引戸枠内に、アルミニウム合金の押出し形材から成る改修用上枠、アルミニウム合金の押出し形材から成り室外から室内に向かって上方へ段差を成して傾斜する底壁を備えた改修用下枠、アルミニウム合金の押出し形材から成る改修用竪枠を有する改修用引戸枠が挿入され、
この改修用引戸枠の改修用下枠が前記取付け補助部材に取付けてあることを特徴とする改修引戸装置である。
【0014】
請求項1に記載した本発明においては、改修用引戸枠の改修用上枠の室外側部に室外側上枠シール材を装着すると共に、前記改修用引戸枠の改修用縦枠の室外側部に室外側竪枠シール材を装着し、
前記改修用引戸枠を既設引戸枠内に室外側から挿入し、その室外側上枠シール材を開口部の上縁部に接すると共に、前記室外側竪枠シール材を開口部の縦縁部に接するようにすることができる。
このようにすれば、改修用上枠と開口部の上縁部との間、改修用竪枠と開口部の縦縁部との間をそれぞれシールすることができる。
【0015】
請求項1に記載した本発明においては、改修用引戸枠を既設引戸枠内に室外側から挿入し、その改修用下枠を取付け補助部材に接すると共に、その改修用下枠の底壁の室外寄りをスペーサを介して既設下枠の底壁の室外寄りに接して支持することが好ましい。
また、改修用下枠の前壁を、ビスによって既設下枠の前壁に固定することが好ましい。
【0016】
請求項5に記載した本発明においては、改修用上枠の室外側部に室外側上枠シール材が装着され、この室外側上枠シール材は開口部の上縁部に接し、
改修用竪枠の室外側部に室外側竪枠シール材が装着され、この室外側竪枠シール材は開口部の縦縁部に接することが好ましい。
このようにすれば、改修用上枠と開口部の上縁部との間、改修用竪枠と開口部の縦縁部との間をそれぞれシールすることができる。
【0017】
請求項5に記載した本発明においては、改修用下枠は取付け補助部材に接していると共に、その改修用下枠の底壁の室外寄りがスペーサを介して既設下枠の底壁の室外寄りに接して支持していることが好ましい。
また、改修用下枠の前壁が、ビスによって既設下枠の前壁に固定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、既設下枠の室外側案内レールを切断して撤去したので、改修用下枠と改修用上枠との間の空間の高さ方向の幅が大きく、有効開口面積が減少することがなく、広い開口面積が確保できる。
また、既設下枠に取付けした取付け補助部材を基準として改修用引戸枠を既設引戸枠に取付けるので、既設引戸枠の形状、寸法に応じた形状、寸法の取付け補助部材を用いることで、形状、寸法が異なる既設引戸枠に同一の改修用引戸枠を取付けできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の一形態の改修用引戸装置50が設置された窓51の鉛直断面図である。
【図2】図1の切断面線II−IIから見た窓51の水平断面図である。
【図3】改修用引戸装置50の既設引戸枠への取付け手順を説明するための鉛直断面を示す分解図である。
【図4】図3の切断面線IV−IVから見た水平断面を示す分解図である。
【図5】本発明の実施の他の形態の改修用引戸装置50aを示す一部の水平断面図である。
【図6】本発明の実施の他の形態の引戸障子を省略した改修用引戸装置が設置された窓の鉛直断面図である。
【図7】図6の切断面線B−Bから見た水平断面図である。
【図8】既設上枠と既設竪枠の連結部の一部分の斜視図である。
【図9】取付け手段の1つの手順の説明用水平断面図である。
【図10】異なる形状の既設下枠の場合の下枠部分の鉛直断面図である。
【図11】異なる形状の既設引戸枠の場合の鉛直断面図である。
【図12】異なる形状の既設引戸枠の場合の水平断面図である。
【図13】異なる形状の改修用下枠の場合の下枠部分の鉛直断面図である。
【図14】取付け補助部材の取付けの他の形態を示す下枠部分の断面図である。
【図15】従来の技術の改修用引戸装置1を示す鉛直断面図である。
【図16】図15の切断面線VII−VIIから見た水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明の実施の一形態の改修用引戸装置50が設置された窓51の鉛直断面図であり、図2は図1の切断面線II−IIから見た窓51の水平断面図である。本実施の形態の改修用引戸装置50は、建物52の開口部53の開口54に下方から臨む下縁部55に、略水平(図1の紙面に垂直な方向)に固定される既設下枠56と、開口部53の前記開口54に左右両側から臨む両側縁部57,58に略鉛直(図1の上下方向)にそれぞれ固定される一対の既設竪枠59,60と、開口部53の前記開口54に上方から臨む上縁部61に略水平に固定される既設上枠62とを有する既設引戸枠63内に嵌まり込んだ状態で装着される。
【0021】
この改修用引戸装置50は、引戸障子64,65を略水平な矢符A1,A2で示す間口方向に移動自在に支持する複数の案内レール66,67を有し、既設下枠56に室外73側から当接して支持される改修用下枠69と、各既設竪枠59,60に室外73側から当接して支持される一対の改修用竪枠70,71と、既設上枠62に室外73側から当接して支持される改修用上枠72と、各既設竪枠59,60に室内68側から当接して支持され、各改修用竪枠70,71にそれぞれ連結される一対の竪枠用保持部材74,75と、既設上枠62に室内68側から当接して支持され、改修用上枠72に連結される上枠用保持部材76とを含む。
【0022】
上記の既設引戸枠63と改修用引戸装置50と各引戸障子64,65とを含んで、窓51が構成される。前記建物52は、コンクリート構造の高層集合住宅などであって、本実施の形態の改修用引戸装置50を既設引戸枠63に装着して、各階層毎に多数の窓51が実現される。
【0023】
各竪枠用保持部材74,75と各既設竪枠59,60との間および各竪枠用保持部材74,75と各改修用竪枠70,71との間には、竪枠用シール材77が介在される。また改修用上枠72と上枠用保持部材76との間および既設上枠62と上枠用保持部材76との間には、上枠用シール材78が介在される。さらに改修用下枠69と既設下枠56との間には、下枠用シール材79が介在される。これらの竪枠用シール材77、上枠用シール材78および下枠用シール材79は、たとえばエチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム(略称EPDM)の独立気泡発泡材から成り、各竪枠用保持部材74,75、上枠用保持部材76および改修用下枠69に接着されている。
上記の改修用下枠69、各改修用竪枠70,71、改修用上枠72、各竪枠用保持部材74,75、および上枠用保持部材76は、アルミニウム合金の押出し形材から成る。上記の既設下枠56、各既設竪枠59,60、および既設上枠62もまた、アルミニウム合金の押出し形材から成る。
【0024】
改修用下枠69およびそれに関連する構成について述べる。前記改修用下枠69には、この改修用下枠69と既設下枠56との間の空間S1を室外73に臨んで開放する水抜き孔84が、改修用下枠69の長手方向に間隔をあけて複数形成される。この改修用下枠69は、室外73に臨んで略水平な間口方向(図2の左右方向)に延びる前壁80と、前壁80の上端部に室内68側へ屈曲して連なり、室外73から室内68に向かって上方へ段差を成して傾斜する底壁81と、底壁81の最も室内68寄りの端部付近から下方へ突出する支持壁89と、底壁81から上方へ突出する上記の2本の案内レール66,67と、底壁81の最も室外73側の端部から上方へ立ち上がる網戸レール83とを有する。
【0025】
底壁81は、室外73から室内68に向かって第1〜第3底壁部85,86,87を有する。第1底壁部85は、前記網戸レール83と室外側案内レール66とにわたって形成され、室外73から室内68に向かって上方に傾斜する水切り勾配i1を有する。第2底壁部86は、室外側案内レール66と室内側案内レール67とにわたって形成され、断面が略L字状の段差部分90と、室内側案内レール67の直下に形成される断面が逆T字状の室内側脚部分91と、段差部分90の室外側案内レール66寄りの端部付近から下方に突出する室外側脚部分92とを有する。第3底壁部87は、室内側脚部分91と室内側案内レール67との交差部から室内68側へ水平に突出し、前記間口方向に延びる。この第3底壁部87の室内68側の端部付近の下面には、前記支持壁89が一体的に形成される。
【0026】
前記段差部分90は、略水平で前記間口方向に延びる水平部分93と、水平部分93の室内68側の端部から上方へ直角に屈曲して立ち上がる立上がり部分94とを有する。この立上がり部分94の上端部は、前記室内側脚部分91に連なる。この室内側脚部分91および室内側案内レール67には、室外73側に臨んで開放する嵌合凹部95,96がそれぞれ形成され、これらの嵌合凹部95,96にはパッキン97,98が嵌着される。各パッキン97,98は、たとえばクロロプレーンゴムなどの可撓性および弾発性を有する撥水性材料から成り、この改修用下枠69から各改修用竪枠70,72を経て改修用上枠72にわたって周方向全周に設けられる。
【0027】
前記既設下枠56は、下縁部55の室外73に臨む壁面100に室外73側から当接して支持される断面がL字状の室外側脚部101と、室外側脚部101の前記壁面100から最も離れた遊端部に直角に連なる前壁102と、前壁102の上端部から室内68に向かって上方へ傾斜する排水勾配i2を有する底壁103と、底壁103の最も室内68側の端部に連なり、室内側案内レール67と同一高さまで立ち上がる背後壁104と、背後壁104と前記底壁103との交差部から下方へ突出する断面がL字状の室内側脚部105と、室外側案内レール114と、室内側案内レール115とを有する。
【0028】
前記室外側案内レール114は、改修用下枠69を装着するにあたって、改修用下枠69の取付けスペースを確保するため、図1および後述の図3の仮想線で示されるように、付け根付近から切断されて撤去されている。
【0029】
このような既設下枠56と改修用下枠69との間には、取付け補助部材106が介在される。この取付け補助部材106は、室外側壁部107と、室内側壁部108と、室外側壁部107および室内側壁部108の各上端部に連なる上壁部109とを有し、断面逆U字状の長尺材から成る。この取付け補助部材106は、既設下枠56に、室内側案内レール67に室外73側から室外側壁部107を当接させ、かつ背後壁104に室外73側から室内側壁部108を当接させた状態で、前記上壁部109を上方にして装着される。前記室外側壁部107は、室内側案内レール115にビス110によって固定される。
【0030】
取付け補助部材106の上壁部109には、装着された改修用下枠69の室内側脚部分91と支持壁89とが支持され、第3底壁部86がビス111によって固定される。また、前壁80は、ビス112によって既設下枠56の前壁102に固定される。
【0031】
このようにして改修用下枠69が既設下枠56に取付けられた状態では、第3底壁部86の最も室内68側の端部112が既設下枠56の背後壁104に室外73側から当接し、前記前壁80が既設下枠56の前壁102に当接して、改修用下枠69が既設下枠56に対して図1の左右方向である見込み方向に位置決めされ、位置決め作業に手間がかからず、容易に取付けることができる。
【0032】
また、前壁80を室外73側から室内68側に向かって螺着されたビス112によって既設下枠56の前壁102に固定するので、取付け作業中に改修用下枠69が既設下枠56に対して室外73側にずれてしまうことが防がれ、単にビス112を締付ければ、改修用下枠69を既設下枠56に対して位置決めされ、取付け作業の効率が向上される。
【0033】
改修用上枠72およびそれに関連する構成について述べる。前記改修用上枠72は、前壁120、背後壁121、底壁122、室外側リブ123、および室内側リブ124を含む。室内側リブ124には、室外73に臨んで開放する2つの嵌合凹部125,126が形成され、これらの凹部125,126には前記パッキン97,98が嵌着される。前壁120と背後壁121とは、間口方向にほぼ平行に延び、底壁122の室外側端部および室内側端部に直角に屈曲して一体的に形成される。底壁122には、各リブ123,124が直角に形成される。
【0034】
このような改修用上枠72は、既設上枠62の室外側フランジ126に、前壁120の底壁122から上方へ突出する部分127が室外73側から当接して支持され、室内68側から装着された上枠用保持部材76によって既設上枠62を挟持した状態で固定される。
【0035】
上枠用保持部材76は、その断面が略T字状であって、室内68側に配置されるフランジ130と、フランジ130に直角に形成されるウエブ131とを有する。ウエブ131は、改修用上枠72の底壁122と既設上枠62との間に介在され、このウエブ131の最も室外73側に配置される先端部132は、前記底壁122に形成された係合片133に係合させ、底壁122およびウエブ131に下方からビス134が螺着され、改修用上枠72と上枠用保持部材76とが固定される。
【0036】
前記上枠用保持部材76は、そのフランジ130の前記ウエブ131よりも上方の部分が、前記上枠用シール材78を介して既設上枠62と対向し、室内68側から螺着されたビス136によって固定される。また上枠用保持部材76のフランジ130の前記ウエブ131よりも下方の部分は、前記上枠用シール材78を介して改修用上枠72の背後壁121に対向し、前記ビス136を締付けることによって改修用上枠72を室外73側へ押圧し、このようにして既設上枠62を改修用上枠72と上枠用保持部材76とによって挟持し、既設上枠62に改修用上枠72が取付けられる。
【0037】
前記改修用上枠72には、底壁122の前壁120と室外側リブ123との間に水抜き孔137が形成される。この水抜き孔137によって、既設上枠62と改修用上枠72との間の空間S2内に結露などによって発生した水を排出することができる。
【0038】
次に、一方の改修用竪枠70およびそれに関連する構成について述べる。一方の改修用竪枠70は、室外73側に配置される前壁140と、室内68側に配置される背後壁141と、前壁140および背後壁141を連結するウエブ142と、ウエブ142の室外73寄りに形成されるリブ143と、ウエブ142に一方の既設竪枠59側に突出しかつ室内68側に開放して形成される係合片144と、ウエブ142に他方の既設竪枠60側に突出しかつ室外73側に開放して形成される嵌合凹部145とを有する。
【0039】
上記一方の改修用竪枠70が取付けられる一方の既設竪枠59は、室外側フランジ146と、室内側フランジ147と、室外側フランジ146および室内側フランジ147を連結するウエブ148とを有する。室外側フランジ146には、改修用竪枠70の前壁140が室外73側から当接して支持される。改修用竪枠70のウエブ142と既設竪枠59との間には、前記一方の竪枠用保持部材74が介在される。この竪枠用保持部材74は、室内68側に配置されるフランジ149と、フランジ149に直角に形成されるウエブ150とを有し、断面が略T字状の長尺材である。
【0040】
竪枠用保持部材74のフランジ149のウエブ150の両側に配置される各部分は、既設竪枠59の室内側フランジ147および改修用竪枠70の背後壁141に前記竪枠用シール材77を介して対向し、ウエブ150の最も室外73側に配置される先端部155を係合片145に係合させ、開口54内から螺着されるビス153を緩めた状態で、室内68側から螺着されたビス154を締付けることによって、既設竪枠59を改修用竪枠70と竪枠用保持部材74とによって挟持し、改修用竪枠70が既設竪枠59に取付けられる。
【0041】
他方の改修用竪枠71およびそれに関連する構成について述べる。他方の改修用竪枠71は、室外73側に配置される前壁160と、室内68側に配置される背後壁161と、前壁160および背後壁161を連結するウエブ162と、ウエブ162に他方の既設竪枠60側に突出しかつ室内68側に開放して形成される係合片156と、ウエブ162に一方の既設竪枠59側に突出しかつ室外73側に開放して形成される嵌合凹部164とを有する。
【0042】
上記他方の改修用竪枠71が取付けられる他方の既設竪枠60は、室外側フランジ166と、室内側フランジ167と、室外側フランジ166および室内側フランジ167を連結するウエブ168とを有する。室外側フランジ166には、改修用竪枠71の前壁160が室外73側から当接して支持される。改修用竪枠71のウエブ162と既設竪枠60との間には、前記他方の竪枠用保持部材75が介在される。この竪枠用保持部材75は、室内68側に配置されるフランジ169と、フランジ169に直角に形成されるウエブ170とを有し、断面が略T字状の長尺材である。
【0043】
この竪枠用保持部材75のフランジ169のウエブ162の両側に配置される各部分は、既設竪枠60の室内側フランジ167および改修用竪枠71の背後壁161に前記竪枠用シール材77を介して対向し、ウエブ170の最も室外73側に配置される先端部157を係合片156に係合させ、開口54内から螺着されるビス173を緩めた状態で、室内68側から螺着されたビス174を締付けることによって、既設竪枠60を改修用竪枠71と竪枠用保持部材75とによって挟持し、改修用竪枠71が既設竪枠60に取付けられる。
【0044】
室外73側に配置される一方の引戸障子64およびそれに関連する構成について述べる。一方の引戸障子64は、一対の竪框181,182と、各竪框181,182の各上端部を連結する上框183と、各竪框181,182の各下端部を連結する下框184と、各竪框181,182、上框183および下框184によって外周部が保持される板ガラス185と下框184に設けられる戸車186とを有する。各竪框181,182、上框183および下框184は、アルミニウム合金の押出し形材から成る。
【0045】
この引戸障子64は、室外側案内レール66に戸車186が乗載された状態で間口方向に移動自在に支持される。他方の改修用竪枠71側に配置される一方の竪框182には、室内68側に突出する2つのパッキン187,188が設けられ、2枚の引戸障子64,65が閉鎖された状態では、室内68側に配置される他方の引戸障子65の前記一方の改修用竪枠70側に配置される一方の竪框191に弾発的に当接し、召し合わせ框となる各竪框182,191間の隙間を塞いで、室外73から室外68への風雨の浸入を防止する。
【0046】
また、上記閉鎖状態において、一方の竪框181には、一方の改修用竪枠70に設けられるパッキン151が室内68側から弾発的に当接し、一方の竪框181と一方の改修用竪枠70との間の隙間を塞いで、室外73から室内68への風雨の浸入を防止する。
【0047】
室内68側に配置される他方の引戸障子65およびそれに関連する構成について述べる。他方の引戸障子65は、一対の竪框191,192と、各竪框191,192の各上端部を連結する上框193と、各竪框191,192の各下端部を連結する下框194と、各竪框191,192、上框193および下框194によって外周部が保持される板ガラス195と、下框194の設けられる戸車196とを有する。各竪框191,192、上框193および下框194は、アルミニウム合金の押出し形材から成る。
【0048】
他方の竪框192は、他方の改修用竪枠71に臨んで開放する凹状部200を有し、この凹状部200は室外73側と室内68側とに平行に延びる一対のリブ202,203を有する。各リブ202,203間には、他方の改修用竪枠71の嵌合凹部164に装着されたパッキン152が他方の引戸障子65の開閉に応じて挿脱自在に嵌まり込み、この他方の引戸障子65を閉じた状態では室外73側のリブ202にパッキン152が室内68側から弾発的に当接する。これによってパッキン152と室外側リブ202との間の隙間が塞がれ、室外73から室内68への風雨の浸入が防がれる。
【0049】
さらに、室外73側の引戸障子64の召し合わせ框である他方の竪框182には、室内68側に突出し、かつ閉鎖方向(図2の左方)に向かって開放する第1係合片205が設けられる。また室内68側の引戸障子65の召し合わせ框である一方の竪框191には、室外73側に突出し、かつ閉鎖方向(図2の右方)に向かって開放する第2係合片206が設けられる。各係合片205,206は、各引戸障子64,65を開閉移動したとき、その移動に伴う相手方の係合片の移動経路、すなわち一方の係合片205は、他方の係合片206の移動経路内に突出し、他方の係合片206は一方の係合片205の移動経路内に突出し、各引戸障子64,65が閉鎖したときに相互に係合して、各引戸障子64,65を相互に近接する方向に引き寄せ、各パッキン151,152を対向する各表面に密着させて、確実にシールすることができるように構成される。
【0050】
さらに、上記の召し合わせ框である各竪框182,191には、各引戸障子64,65を閉鎖位置でロックする図示しないロック手段が設けられる。このロック手段は、室内68側の竪框191に設けられる図示しない操作レバーの操作によって、各引戸障子64,65を室内68側へ変位させ、上下各一対のパッキン97,98が各引戸障子64,65の各上框183,193および各下框184,194に同時に密着して隙間を塞ぎ、室外73から室内68への風雨の浸入を防止することができるように構成される。
【0051】
図3は改修用引戸装置50の既設引戸枠63への取付け手順を説明するための鉛直断面を示す分解図であり、図4は図3の切断面線IV−IVから見た水平断面を示す分解図である。既設引戸枠63に改修用引戸装置50を取付けるにあたって、まず既設下枠56の室外側案内レール114がその付け根付近から切断されて撤去され、室内側案内レール115には取付け補助部材106が上壁部109を上方にして装着され、ビス110によって固定される。こうして取付け補助部材106が室内側案内レール115に取付けられた状態では、前記上壁部109はほぼ水平に配置されている。
前記取付け補助部材106は長手方向全長に亘って取付けても良いし、長手方向複数位置に取付けても良い。
【0052】
改修用下枠69、各改修用竪枠70,71および改修用上枠72は、相互に連結されて四角形の改修用引戸枠78が組立てられ、この組立てられた改修用引戸枠78が前記既設引戸枠63に室外73側から嵌め込まれて装着された後、各竪枠用保持部材74,75が前記装着された改修用引戸枠78の各改修用竪枠70,71と各既設竪枠59,60との間に室内68側からそれぞれ装着される。また改修用上枠72と既設上枠62との間には、上枠用保持部材76が室内68側から装着される。
【0053】
このような改修用引戸枠78、各竪枠用保持部材74,75および上枠用保持部材76の既設引戸枠63への装着を行うに際して、改修用下枠69の支持壁89には、下枠用シール材79がほぼ全長にわたって接着される。この下枠用シール材79は、前記改修用引戸枠78が既設引戸枠63に装着されたとき、既設下枠56の背後壁104に室外73側から弾発的に当接し、気密性および水密性が達成される。
【0054】
また、各竪枠用保持部材74,75には竪枠用シール材77が接着され、上枠用保持部材76には上枠用シール材78が接着される。これらのシール材77,78は、各竪枠用保持部材74,75が各既設竪枠59,60と各改修用竪枠70,71との間に装着され、上枠用保持部材76が既設上枠62と改修用上枠72との間に装着されたとき、各改修用竪枠70,71および改修用上枠72に室内68側から弾発的に当接し、気密性および水密性が達成される。
【0055】
このように改修用引戸枠78および各竪枠用保持部材74,75および上枠用保持部材76が既設引戸枠63に装着されると、ビス154,174によって各竪枠保持部74,75を各既設竪枠59,60にそれぞれ固定し、室外73側からビス112によって改修用下枠69を既設下枠56に固定し、内側からビス153,173によって各竪枠保持部材74,75と各改修用竪枠70,71とを連結し、ビス134,136によって上枠用保持部材76と改修用上枠72とを連結し、さらにビス110によって改修用下枠69を取付け補助部材106に固定する。その後、各引戸障子64,65を各案内レール66,67上に建て込むことによって、改修用引戸装置50の設置作業が終了する。
【0056】
以上のように本実施の形態によれば、改修用下枠69は既設下枠56に室外73側から当接して支持され、各改修用竪枠70,71は各既設竪枠59,60に室外73側から当接して支持され、改修用上枠72は既設上枠62に室外73側から当接して支持される。また、各竪枠用保持部材74,75は各既設竪枠59,60に室内68側から当接して支持されて、前記各改修用竪枠70,71にそれぞれ連結され、こうして各改修用竪枠70,71が前記竪枠用保持部材74,75と協働して既設竪枠59,60に取付けられる。さらに、上枠用保持部材76は既設上枠62に室内68側から当接して支持されて、前記改修用上枠72に連結され、こうして改修用上枠72が前記上枠保持部材76と協働して既設上枠62に取付けられる。
【0057】
このように改修用下枠69、各改修用竪枠70,71および改修用上枠72は、竪枠用保持部材74,75および上枠用保持部材76によって既設引戸枠63に取付けられるので、前記従来の技術のように、下枠補助材、竪枠補助材および上枠補助材を介して下枠下地材、竪枠下地材および上枠下地材にそれぞれ取付けられる構成に比べて、部品点数が少なく、取付作業の作業工程数が削減され、改修用下枠69、各改修用竪枠70,71、および改修用上枠72を既設引戸枠63に容易に設けることが可能となる。
【0058】
また、前記従来の技術のように、改修用下枠と下枠下地材との間、各改修用竪枠と各竪枠下地材との間、および改修用上枠と上枠下地材との間に、下枠補助材、竪枠補助材および上枠補助材が介在されないので、改修用上枠72と改修用下枠69との間の間隔、すなわち高さ方向の幅が大きく減少せず、また各改修用竪枠70,71間の水平方向の間隔、すなわち間口方向の幅が大きく減少せず、広い有効開口面積を確保することができる。
【0059】
また本実施の形態によれば、前記各竪枠用保持部材74,75と各既設竪枠59,60との間および各竪枠用保持部材74,75と各改修用竪枠70,71との間には、竪枠用シール材77が見込み方向(図3の左右方向)に介在され、改修用上枠72と既設上枠62との間には、上枠用シール材78が見込み方向に介在され、改修用下枠69と既設下枠56との間には、下枠用シール材79が見込み方向に介在されるので、有効開口面積を高さ方向および間口方向のいずれにも減少させずに、気密性および水密性を向上し、雨水および風の室外73から室内68への浸入を確実に防ぐことができる。
【0060】
さらに本実施の形態によれば、前記改修用下枠69には水抜き孔84が形成されるので、改修用下枠69と既設下枠56との間の空間S1に外部から浸入した水、および空間S1内の結露によって生じた結露水などを室外73に排出して、室内68への水の浸入および漏洩を確実に遮断することができる。
また、本実施の形態によれば既設下枠56の室外側案内レール114を切断して撤去し、取付け補助部材106の上壁部109に改修用下枠69の室内側脚部分91と支持壁89を支持しているので、改修用下枠13と改修用上枠15との間の空間の高さ方向の幅が大きく、有効開口面積が減少することが少ない。
しかも、取付け補助部材106を基準として改修用下枠69を取付けできるから、既設下枠56の形状、寸法に応じた形状、寸法の取付補助部材106を用いることで、同一の改修用下枠69を取付けできる。
なお、この効果のみを達成するのであれば、改修用上枠72、各改修用竪枠70,71は図15、図16に示すように取付けても良い。
【0061】
図5は本発明の実施の他の形態の改修用引戸装置50aを示す一部の水平断面図である。なお、前述の実施の形態と対応する部分には、同一の参照符を付す。本実施の形態の改修用引戸装置50aは、基本的には前述の実施形態の改修用引戸装置50と同様に構成され、建物52の開口部53の開口54に下方から臨む下縁部55に、略水平に固定される既設下枠56と、開口部53の前記開口54に左右両側から臨む両側縁部57,58に略鉛直にそれぞれ固定される一対の既設竪枠59,60と、開口部53の前記開口54に上方から臨む上縁部61に略水平に固定される既設上枠62とを有する既設引戸枠63内に嵌まり込んだ状態で装着される改修用引戸装置50aであって、引戸障子64,65を略水平な矢符A1,A2方向に移動自在に支持する複数の案内レール66,67を有し、既設下枠56に室内68側から支持される改修用下枠69と、各既設竪枠59,60に室内68側から支持される一対の改修用竪枠70,71と、既設上枠62に室内68側から支持される改修用上枠72と、各既設竪枠59,60に室外73側から支持され、各改修用竪枠70,71にそれぞれ連結される一対の竪枠用保持部材74,75と、既設上枠62に室外73側から支持され、改修用上枠72に連結される上枠用保持部材76とを含む。
【0062】
このような構成のうち各改修用竪枠70,71および各竪枠用保持部材74,75において、各改修用竪枠70,71と各竪枠用保持部材74,75とは、左右対称に構成されるため、図5に示す他方の改修用竪枠71および他方の竪枠用保持部材75の構成について説明し、一方の改修用竪枠70および一方の竪枠保持部材74の説明は重複を避けて省略する。
【0063】
他方の改修用竪枠71は、室外73側に配置される前壁210、室内68側に配置される背後壁211、前壁210と背後壁211とを連結するウエブ212、ウエブ212から外側方(図5の右方)に突出し、かつ室内68側に開放する略L字状断面を有する係合片213、ウエブ212から内側方(図5の左方)に突出し、パッキン152が装着される嵌合凹部215を含む。係合片213は、その遊端部に形成される第1係合部220と、基端部に形成される第2係合部221とを有する。
【0064】
また他方の竪枠用保持部材75は、改修用竪枠71の背後壁211を室内68側から押圧する第1フランジ223、既設竪枠60の室内側フランジを室内68側から押圧する第2フランジ224、第1フランジ223に直角に屈曲して連なり、室外73側へ延びる第1脚部225、第2フランジ224に直角に屈曲して連なり、室外73側へ延びる第2脚部226、ならびに第1および第2脚部225,226を連結する連結部227を有する。
【0065】
連結部227には、ボルト228の軸部が挿通するボルト孔229が形成される。係合片213は、ウエブ212に直角に立ち上がる立上がり部230と、立上がり部230の先端部分から室内68側へ直角に屈曲して延びるアーム部231とを有する。第1脚部225の遊端部には、前記係合片220の第1係合部221に嵌合状態で係合する第3係合部232が設けられ、第2脚部226の遊端部には、前記係合片220の第2係合部233が嵌合状態で係合する第4係合部234が設けられる。前記連結部227のボルト孔229に挿通されたボルト228は、係合片213の立上がり部230に形成されるねじ孔235に螺着される。
【0066】
このように室内68側から装着されたボルト228を締付けることによって、既設竪枠60を改修用竪枠71と竪枠用保持部材75とによって挟持状態で取付けることができるので、前述の実施の形態と同様な効果が得られるとともに、取付け作業を室内68側から行うことが可能であるために、作業者は安定した状態または環境下で取付け作業を行うことができ、取付け時の作業性をより一層向上することができる。
【0067】
図6は本発明の実施の他の形態の改修用引戸装置50bが設置された窓51の鉛直断面図で、図7は図6の切断面線B−Bから見た窓51の水平断面図である。なお、前述の図1、図2に示す実施の形態と対応する部分には、同一の参照符を付す。本実施の形態の改修用引戸装置50bは、基本的には前述の図1、図2に示す実施形態の改修用引戸装置50と同様に構成され、建物52の開口部53の開口54に下方から臨む下縁部55に、略水平に固定される既設下枠56と、開口部53の前記開口54に左右両側から臨む両側縁部57,58に略鉛直にそれぞれ固定される一対の既設竪枠59,60と、開口部53の前記開口54に上方から臨む上縁部61に略水平に固定される既設上枠62とを有する既設引戸枠63内に嵌まり込んだ状態で装着される改修用引戸装置50bであって、図示を省略した引戸障子を略水平な方向に移動自在に支持する複数の案内レール66,67を有し、既設下枠56に室内68側から支持される改修用下枠69と、各既設竪枠59,60に室内68側から支持される一対の改修用竪枠70,71と、既設上枠62に室内68側から支持され、前記引戸障子を略水平な方向に移動自在に支持する室外側リブ123、室内側リブ124を有する改修用上枠72より成る改修用引戸枠250及び、各既設竪枠59,60に室外73側から支持され、各改修用竪枠70,71にそれぞれ連結される一対の竪枠用保持部材74,75と、既設上枠62に室外73側から支持され、改修用上枠72に連結される上枠用保持部材76と、既設下枠56に取付けた取付け補助部材106とを含む。
【0068】
この実施の形態では既設引戸枠63、改修用引戸枠78は開口部53の室内外側方向の中間に位置し、改修用引戸枠78の室外側部よりも開口部53が室外側に突出している。
【0069】
この実施の形態の既設下枠56、改修用下枠69、取付け補助部材106は前述の図1、図2に示す実施の形態の既設下枠56、改修用下枠69、取付け補助部材106とほぼ同様で、既設下枠56の背後壁104の上端部に室内68側に向かう横向片104aを有し、この横向片104aと改修用下枠69の支持壁89の上端が同一高さであること、改修用下枠69の室外73側部分に乾式の室外側下枠シール材300が室内68側に向けて装着され、この室外側下枠シール材300が既設下枠56の前壁102に圧接していることが大きく相違する。
【0070】
具体的には、既設下枠56の室外側案内レール114を図6の仮想線で示すように切断して撤去されている。この室外側案内レール114は全てを切断して撤去しても良いし、若干残して撤去しても良い。
取付け補助部材106は、その室外側壁部107が室内側案内レール115にビス110で固着して取付けられる。
改修用下枠69の支持壁89、室内側脚部分91が取付け補助部材106の上壁部109に支持され、底壁81の室外寄りがスペーサ301を介して既設下枠56の底壁103の室外寄りに支持され、ビス112で取付け補助部材106に固定される。
【0071】
前記既設上枠62と改修用上枠72と上枠用保持部材76は図1と図2に示す既設上枠62、改修用上枠72、上枠用保持部材76とほぼ同様で、改修用上枠72の室外側部に乾式の室外側上枠シール材302が装着してあること、上枠用保持部材76がカバー303を備えていることが大きく相違する。
【0072】
具体的には、改修用上枠72の前壁120における底壁122より上方に突出した部分127には室内側に向かうシール材取付部304が設けてあり、このシール材取付部304に乾式の室外側上枠シール材302が装着してある。
この室外側上枠シール材302は室外側ヒレ302aと室内側ヒレ302bを有する。好ましくは断面上向きコ字状で、室外側ヒレ302aと室内側ヒレ302bとの間に上向き凹状の排水溝302cを有する。
前記室外側ヒレ302aが建物52の開口部53の上縁部61における既設シール材305よりも室外寄りに接して1次タイトの役目を果たす。
前記室内側ヒレ302bが既設上枠62の室外側部、例えば室外側フランジ126に圧接して2次タイトの役目をする。
【0073】
つまり、室外側ヒレ302aによって雨水等が室内側ヒレ302bに浸入し難くし、室内側ヒレ302bは室外側ヒレ302aのシール部から浸入したした雨水等及び建物52内部を通り既設シール材305より浸入した雨水等が既設上枠62の室外側部と改修用上枠72の室外側部との間に浸入することを防止する。
好ましくは、前述の浸入した各雨水等を排水溝302cを伝わって外部に排水する。
つまり、既設引戸枠63を改修する時には、建物52(躯体)や既設シール材305が劣化しており、それらから雨水等が浸入することがある。
【0074】
前記上枠用保持部材76のフランジ130にカバー303がスナップ式に取付けてある。
このフランジ130のウエブ131よりも上方の部分が既設上枠62の室内側フランジ306にビス136で固着され、前記フランジ130のウエブ131よりも下方の部分が上枠用シール材78を介して改修用上枠72の背後壁121に接し、ビス134で固着して改修用上枠72と上枠用保持部材76を連結している。
前記カバー303はビス134、ビス136を螺合した後に取付けられ、それらのビス134,136が室内から見えないように覆う。
前記既設上枠62の室内側フランジ306には室内68側に向かう横向片306aが設けてある。
【0075】
前記既設竪枠59,60と改修用竪枠70,71と竪枠用保持部材74,75は、前述の図1、図2に示す既設竪枠59,60、改修用竪枠70,71、竪枠用保持部材74,75とほぼ同様で、改修用竪枠70,71の室外側部に乾式の室外側竪枠シール材310とがた防止部材311が装着してあること、竪枠用保持部材74,75がカバー312をスナップ式に取付けてあることが大きく相違する。
具体的には、一方の改修用竪枠70の前壁140のウエブ142よりも既設竪枠59側に突出した部分に室内側に向かうシール材装着部313が一体的に設けてある。このシール材装着部313に室外側竪枠シール材310が側方に向けて装着してある。
この室外側竪枠シール材310は室外側ヒレ310aと室内側ヒレ310bを有する。好ましくは断面横向きコ字状で、その室外側ヒレ310aと室内側ヒレ310bとの間に横向き凹状の排水溝310cを有する。
前記室外側ヒレ310aが建物52の開口部53の一方の縦縁部57における既設シール材314よりも室外寄りに接して1次タイトの役目を果たす。
前記室内側ヒレ310bが一方の既設竪枠59の室外側部、例えば室外側フランジ146に圧接して2次タイトの役目をする。
【0076】
つまり、室外側ヒレ310aによって雨水等が室内側ヒレ310bに浸入し難くし、室内側ヒレ310bは室外側ヒレ310aのシール部から浸入した雨水及び建物52内部を通って浸入した雨水等が一方の既設竪枠59の室外側部と一方の改修用竪枠70の室外側部との間から浸入することを防止する。
【0077】
この室内側ヒレ310bは、既設上枠62と既設竪枠60の連結部に設けたシール材、例えばシーラを被覆し、そのシーラに浸入した雨水等が直接かからないようにしてある。
これによって、既設引戸枠63を改修する際に既設上枠62と既設竪枠60との連結部に設けたシーラが劣化していても、その劣化したシーラから雨水等が既設引戸枠63内に浸入することを防止できる。
例えば、既設竪枠60の室外側フランジ166、室内側フランジ167等のウエブ168よりも内方に突出した部分の上部を切断して除去し、既設上枠62を既設竪枠60のウエブ168にシーラを介して突き合わせて連結した場合に、図8に仮想線で示すように前述の室外側竪枠シール材310の室内側ヒレ310bを既設上枠62の室外側フランジ126に接してシーラ307を覆うようにしてある。この説明では他方の既設竪枠60と既設上枠62について述べたが、一方の既設竪枠59と既設上枠62でも同様である。
【0078】
この実施の形態では、前記室外側上枠シール材302の排水溝302cと室外側竪枠シール材310の排水溝310cの上部は連続し、かつ下部は下方に開口している。
これによって、室外側上枠シール材302の排水溝302c内に浸入した雨水等は室外側竪枠シール材310の排水溝310cに沿って排水される。
【0079】
前記ガタ防止部材311は、一方の改修用竪枠70の室外側部に装着され、一方の既設竪枠59の室外側部に接してがたつくことを防止する。
つまり、改修用引戸枠250は枠組みした状態で室外側から室内側に向けて既設引戸枠63内に挿入して取付けるので、その2つの既設竪枠59,60の室外側部間の寸法を2つの改修用竪枠70,71の室内側部間の寸法よりも大きくし、容易に挿入できるようにすることが好ましいが、このようにすると2つの改修用竪枠70,71の室外側部と2つの既設竪枠59,60の室外側部との間に隙間が生じてがたつく。
このために、ガタ防止部材311を設けている。
【0080】
具体的には、前記ガタ防止部材311は、一方の改修用竪枠70のウエブ142の室外側外側面に取付けられる取付部311aと、この取付部311aから室内側に向かう突出部311bを有し、この突出部311bが一方の既設竪枠59の室外側フランジ146に接してがたつきを防止する。
【0081】
前記取付部311aが硬質で突出部311bが軟質であることが好ましい。
例えば、取付部311aが硬質又は半硬質樹脂で、突出部311bが半硬質又は軟質の樹脂とする。
このようにすれば、ガタ防止部材311をしっかりと取付けできると共に、突出部311bを弾性変形させて室外側フランジ146に圧接してがたつきを確実に防止できる。
また、ガタ防止部材311をシール性を有すると共に、長尺で一方の改修用竪枠70の長手方向全長に設けることで、シール機能を発揮するので、前述の室外側竪枠シール材310とで二重シールとなるから、シール性が向上する。
なお、ガタ防止部材311を短尺とし、一方の改修用竪枠70に長手方向に間隔を置いて複数設けるようにしても良い。
【0082】
前記竪枠用保持部材74のフランジ149にカバー312が着脱自在に取付けられ、そのフランジ149と一方の既設竪枠59の室内側フランジ147をビス154で固着した後にカバー312を取付けてビス154が見えないようにカバーする。
この室内側フランジ147及び他方の既設竪枠60の室内側フランジ167は、それぞれ室内側に向かう横向片147a,167aを有する。
なお、他方の改修用竪枠71に取付けられる室外側竪枠シール材310、ガタ防止部材311は前述と同様であるから、符号を同一として説明を省略する。
【0083】
この実施の形態では、各竪枠用保持部材74,75が既設上枠62から既設下枠56まで連続して取付けられ、この竪枠用保持部材74,75間に上枠用保持部材76が取付けられる。
また、竪枠用シール材77、上枠用シール材78、下枠用シール材79は乾式のシール材、例えば水密パッキンで、竪枠用シール材77の上端部が上枠用シール材78の端部と連続し、竪枠用シール材77の下端部が下枠用シール材79の端部と連続している。
これによって、水密性、気密性が向上する。
【0084】
次に、改修用引戸枠250の既設引戸枠63への取付け手順を説明する。この手順は図1、図2に示す改修用引戸装置50の取付け手順とほぼ同様であるが、改修用竪枠と竪枠用保持部材を締付けた状態でビス止めして連結することが大きく相違する。
(手順1)
既設下枠56の室外側案内レール114を切断して撤去する。この切断作業は丸鋸や専用の切断工具で実施する。
(手順2)
既設下枠56の室内側案内レール115に取付け補助部材106をビス110で取付ける。この取付け補助部材106は室内側案内レール115の全長に亘っても良いし、短尺な取付け補助部材106を長手方向に間隔を置いて複数取付けても良い。
(手順3)
改修用下枠69、改修用竪枠70,71、改修用上枠72を方形枠組みした改修用引戸枠78に、下枠用シール材79、室外側下枠用シール材300、室外側上枠用シール材302、室外側竪枠用シール材310を装着し、その改修用引戸枠250を、開口54の室外73側から既設引戸枠63内に挿入し、下枠シール材79を既設下枠56の背後壁104に接すると共に、室外側下枠用シール材300を既設下枠56の前壁102に接する。
この状態で、改修用下枠69と取付け補助部材106をビス112で固着して改修用下枠69を既設下枠56に取付ける。
【0085】
(手順4)
2つの既設竪枠59,60と2つの改修用竪枠70,71との間に竪枠用保持部材74,75を室内68側から挿入(差し込み)し、各竪枠用保持部材74,75のウエブ150,170の先端部155,157を各係合片144,156に係合させる。この時、各フランジ149,169に竪枠シール材77を装着すると共に、カバー312は外しておく。
各改修用竪枠70,71の室外側部(前壁140,160)と各竪枠用保持部材74,75の室内側部(フランジ149,169)に亘って図9に示すように、ハンドバイスなどの締付け工具320を設けて締付ける。この締付け工具320は上下寄り2ヶ所に設けることが好ましいが、1ヶ所でも3ヶ所以上でも良い。
【0086】
これによって、各改修用竪枠70,71の室外側部(シール材装着部313)が各既設竪枠59,60の室外側部(室外側フランジ146,166)に押しつけられると共に、各竪枠用保持部材74,75の室内側部(フランジ149,169)が各既設竪枠59,60室内側部(室内側フランジ147,167)に押しつけられ、各改修用竪枠70,71と各竪枠用保持部材74,75で各既設竪枠59,60をしっかりと挟持する。
この状態で、各改修用竪枠70,71(ウエブ142,162)と各竪枠用保持部材74,75(ウエブ150,170)をビス153,173で固着する。
この後に、前記締付け工具320を外す。
【0087】
このようにすることで、各改修用竪枠70,71をしっかりと強固に取付けできる。
【0088】
(手順5)
既設上枠62と改修用上枠72との間に上枠用保持部材76を挿入(差し込む)し、その上枠用保持部材76の室内側(フランジ134)と改修用上枠72の室内側部(室内側フランジ121)をビス134で固着する。
このビス134は室内外側方向に向いているから、そのビス134の締付け力で改修用上枠72の室外側部(シール材装着部304)が既設上枠62の室外側部(室外側フランジ126)に押しつけられると共に、上枠用保持部材76の室内側部(フランジ130)が改修用上枠72の室内側部(室内側フランジ121)に押しつけられるので、改修用上枠72と上枠用保持部材76で既設上枠62をしっかりと挟持し、改修用上枠72をしっかり取付けできる。
【0089】
この後に、各既設竪枠59,60の室内側部(室内側フランジ147,167)と各竪枠用保持部材74,75の室内側部(フランジ149,169)をビス154,174で固着し、既設上枠62の室内側部(室内側フランジ306)と上枠用保持部材76の室内側部(フランジ130)をビス136で固着する。
【0090】
(手順6)
上枠用保持部材76、各竪枠用保持部材74,75にカバー303,312をそれぞれ取付ける。
【0091】
この実施の形態によれば、図1と図2と同様な作用効果を奏すると共に、次のような作用効果を奏する。
(1)既設下枠56に取付け補助部材106を取付け、改修用下枠69の室内側脚部分91、支持壁89(つまり、改修用下枠69の室内側部分)を取付け補助部材106に載置し、その取付け補助部材106にビス112で固着して取りと付けたことをによって、その取付用補助部材106の高さ寸法を変えることで、異なる形状の既設下枠56にも同一形状の改修用下枠56を、その支持壁89と背後壁104を同一高さに取付けることが可能である。
【0092】
(2)また、前述の(1)と室外側下枠シール材300が既設下枠56の前壁102に圧接していることによって、室内側案内レール115の立上り寸法が大きな既設下枠56にも同一形状の改修用下枠69を取付けできる。
例えば、図10に示すように取付け補助部材106の高さ寸法を大きくして室内側壁部108を底壁103に当接し、かつ室内側案内レール115にビス110で取付ける。
室内側下枠シール材300を前壁102に当接する。
この場合には、支持壁89が背後壁104より若干上方に突出する。
【0093】
(3)また、前述の(1)、(2)によって図11と図12に示すように、既設下枠56の背後壁104の上端部に室外側に突出部104bを有し、既設上枠62の室内側フランジ306の内方部分306bが室外側に位置ずれしている場合でも、同一形状の改修用下枠69、改修用上枠62、各改修用竪枠70,71を取付けできる。
【0094】
例えば、室内側案内レール115の室外側面にスペーサ330を介して取付け補助部材106の室外側壁部107をビス110で取付け、その室内側壁部108と前記突出部104bを離隔し、下枠用シール材79のためのスペーサを形成する。
改修用下枠69が室外側に位置がずれるので、その室外側下枠シール材300は既設下枠56の前壁102と離隔する。
このために、底壁103の室外側部にシール材受け331をビス332で長手方向全長に亘って取付け、このシール材受け331に室外側下枠シール材300を圧接する。なお、ビス333で固着しても良い。
この場合には、室外側案内レール114が低いので、切断して撤去していないが、高い場合には切断して撤去する。
つまり、前述の(1)、(2)、(3)の効果のみを達成する場合には室外側案内レール114を切断して撤去しなくとも良い。
【0095】
上枠の場合には、室外側上枠シール材302が既設上枠62の室外側部(室外側フランジ126)と離れるので、その室外側部にシール材受け334をビス335で取付け、このシール材受け334に室外側上枠シール材302(室内側ヒレ302b)が圧接するようにする。
【0096】
前述のように、改修用下枠69、改修用上枠62が室外側に位置ずれしているので、各改修用竪枠70,71も図11に示すように室外側に位置がずれ、各既設竪枠59,60の室外側部(室外側フランジ146,166)と室外側竪枠シール材310が離れる。
そこで、各既設竪枠59,60の室外側寄り(ウエブ148,168の室外寄り)にシール材受け340をビス341で取付け、このシール材受け340に室外側竪枠シール材310(室内側ヒレ310b)を圧接する。
【0097】
前記シール材受け340は、取付片340aと内向片340bと突出片340cと外向片340dを有し、その取付片340aがビス341で取付けられ、突出片340cが室外側フランジ146,166よりも室外側に突出し、かつ室外側フランジ146,166の突出端面に接する。
前記外向片340dに室外側竪枠シール材310が圧接する。
また、ガタ防止部材311は前記外向片340dと接することで、がたつきを防止するようにしてある。
【0098】
前述の(1)、(2)、(3)において、各既設下枠56、各既設上枠62、各既設竪枠59,60の見込み寸法(室内側フランジと室外側フランジ間の寸法)は全て同一で、改修用下枠69、改修用上枠62、改修用竪枠70,71の見込み寸法も全て同一である。
【0099】
また、図13に示すように改修用下枠69の支持壁89の上端部に室内側に向かう横向片89aを設け、この横向片89aを既設下枠56の背後壁104の横向片104の横向片104aの上に重なり合うようにしても良い。
【0100】
また、図14に示すように、既設下枠56の室内側案内レール115を前述と同様に切断して撤去し、取付け補助部材106を既設下枠56の背後壁104にビス110で固着しても良い。
例えば、取付け補助部材106の室内側壁部108を既設下枠56の背後壁104にビス110で固着する。この場合には室外側壁部107に図示しないビス挿通孔を形成し、そのビス挿通孔からビス止めすることが好ましい。
【0101】
また、図6と図7に示すように室外側上枠シール材302、室外側竪枠シール材310を装着したことによる作用効果を達成するのであれば改修用引戸枠78の取付けは図6、図7に示すものに限ることはなく、図15、図16に示すように取付けても良い。
つまり、既設引戸枠63内に改修用引戸枠78を挿入して取付けると共に、その改修用引戸枠78よりも開口部53が室外側に突出している形状の改修用引戸装置であれば適用することができる。
【0102】
また、図示は省略するが、既設下枠56の室外側案内レール114と室内側案内レール115をそれぞれ切断して撤去し、改修用下枠69を既設下枠56に固着しても良い。この場合は改修用上枠72、2つの改修用竪枠70,71は図1、図2又は図6、図7と同様に取付けるようにしても良いし、図15、図16に示すように取付けても良い。
【符号の説明】
【0103】
50…改修用引戸装置、51…窓、52…建物、53…開口部、54…開口、55…下縁部、56…既設下枠、57,58…側縁部、59,60…既設竪枠、61…上縁部、62…既設上枠、63…既設引戸枠、64,65…引戸障子、66,67…案内レール、68…室内、69…改修用下枠、70,71…改修用竪枠、72…改修用上枠、73…室外、74,75…竪枠用保持部材、76…上枠用保持部材、77…竪枠用シール材、78…上枠用シール材、79…下枠用シール材、S1,S2…空間、84…水抜き孔、85…第1底壁部、86…第2底壁部、87…第3底壁部、89…支持壁、97,98…パッキン、102…前壁、103…底壁、104…背後壁、114…室外側案内レール、115…室内側案内レール、106…取付け補助部材、107…室外側壁部、108…室内側壁部、109…上壁部、110,111,112…ビス、112…端部、120…前壁、121…背後壁、122…底壁、187,188…パッキン、205…第1係合片、206…第2係合片、250…改修用引戸枠、300…室外側下枠シール材、302…室外側上枠シール材、310…室外側竪枠シール材、311…ガタ防止部材、320…締付け工具、331…シール材受け、334…シール材受け、340…シール材受け。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に取付けてあるアルミニウム合金の押出し形材から成る既設上枠、アルミニウム合金の押出し形材から成り室内側案内レールと室外側案内レールを備えた既設下枠、アルミニウム合金の押出し形材から成る既設竪枠を有する既設引戸枠を残存し、
前記既設下枠の室外側案内レールを付け根付近から切断して撤去し、前記既設下枠の室内側部分に、取付け補助部材をビスで取付け、
この後に、アルミニウム合金の押出し形材から成る改修用上枠、アルミニウム合金の押出し形材から成る改修用竪枠、アルミニウム合金の押出し形材から成り室外から室内に向かって上方へ段差を成して傾斜する底壁を備えた改修用下枠を有する改修用引戸枠を、前記既設引戸枠内に室外側から挿入し、その改修用下枠を前記取付け補助部材に取付けることで、改修用引戸枠を取付け補助部材を基準として取付けることを特徴とする引戸装置の改修方法。
【請求項2】
改修用引戸枠の改修用上枠の室外側部に室外側上枠シール材を装着すると共に、前記改修用引戸枠の改修用縦枠の室外側部に室外側竪枠シール材を装着し、
前記改修用引戸枠を既設引戸枠内に室外側から挿入し、その室外側上枠シール材を開口部の上縁部に接すると共に、前記室外側竪枠シール材を開口部の縦縁部に接するようにした請求項1記載の引戸装置の改修方法。
【請求項3】
改修用引戸枠を既設引戸枠内に室外側から挿入し、その改修用下枠を取付け補助部材に接すると共に、その改修用下枠の底壁の室外寄りをスペーサを介して既設下枠の底壁の室外寄りに接して支持するようにした請求項1又は2記載の引戸装置の改修方法。
【請求項4】
改修用下枠の前壁を、ビスによって既設下枠の前壁に固定するようにした請求項1又は2又は3記載の引戸装置の改修方法。
【請求項5】
建物の開口部に残存した既設引戸枠は、アルミニウム合金の押出し形材から成る既設上枠、アルミニウム合金の押出し形材から成り室内側案内レールと室外側案内レールを備えた既設下枠、アルミニウム合金の押出し形材から成る既設竪枠を有し、前記既設下枠の室外側案内レールは付け根付近から切断して撤去され、その既設下枠の室内側部分に取付け補助部材がビスで取付けてあり、
この既設引戸枠内に、アルミニウム合金の押出し形材から成る改修用上枠、アルミニウム合金の押出し形材から成り室外から室内に向かって上方へ段差を成して傾斜する底壁を備えた改修用下枠、アルミニウム合金の押出し形材から成る改修用竪枠を有する改修用引戸枠が挿入され、
この改修用引戸枠の改修用下枠が前記取付け補助部材に取付けてあることを特徴とする改修引戸装置。
【請求項6】
改修用上枠の室外側部に室外側上枠シール材が装着され、この室外側上枠シール材は開口部の上縁部に接し、
改修用竪枠の室外側部に室外側竪枠シール材が装着され、この室外側竪枠シール材は開口部の縦縁部に接している請求項5記載の改修引戸装置。
【請求項7】
改修用下枠は取付け補助部材に接していると共に、その改修用下枠の底壁の室外寄りがスペーサを介して既設下枠の底壁の室外寄りに接して支持している請求項5又は6記載の改修引戸装置。
【請求項8】
改修用下枠の前壁が、ビスによって既設下枠の前壁に固定されている請求項5又は6又は7記載の改修引戸装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2011−256706(P2011−256706A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180270(P2011−180270)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【分割の表示】特願2006−74123(P2006−74123)の分割
【原出願日】平成15年3月7日(2003.3.7)
【出願人】(000004732)株式会社日本アルミ (64)
【出願人】(000150006)日本総合住生活株式会社 (35)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】