強化構造を備えた靴底

【課題】靴の軽量化、ネジレ防止、フィット性の向上、突き上げの諸問題を同時に解決する靴底を提供する
【解決手段】ミッドソール2の一部を強化する強化部材3は、第2アーチ3Cの上面36と第1アーチの下面29とが互いに向かい合うように配置される。第1アーチ2Cの下面29の少なくとも一部が、第2アーチの上面36の一部に対して上下に離間して互いに非接触となっており、これにより、第1アーチ2Cおよび第2アーチ3Cにおける非接触の部分同士は、着地の衝撃が加わった際に、互いに独立して変形することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるシャンク(強化部材)を有する強化構造を備えた靴底に関する。
【背景技術】
【0002】
靴底のアーチ部においてミッドソールのアーチの形状に合わせた強化部材を有する靴底、たとえば、アウターソールの着地時に、アウターソールに付着されていないミッドソールの部分が接地しない靴底、は公知である。そのような強化構造はミッドソールの変形を抑制することでミッドソールの踏まず部の剛性を補強する。ここで、そのような公知の構造の例を,図9(a),図9(b)、図10(a),図10(b),図10(c)に示す。
【0003】
図9(a)は特開平10−155511号公報(要約)(公開日 平成10年6月16日)に開示された靴底の側面図である。この靴底は、ミッドソール2の上面に、足のアーチの変形をサポートする支持部材3を備えている。前記支持部材3とミッドソール2との間に空間Rが設けられている。
【0004】
図9(b)は実用新案登録第3070442号公報(図2)(登録日 平成12年5月10日)に開示された靴底の底面図である。この靴底は、ミッドソール2の下面に取り付けられた密閉容器からなる衝撃吸収材3を有する。当該衝撃吸収材3は、いわゆるシャンクとして機能し、靴底の形状維持を図る。
【0005】
図10(a)は実開7−44268号公報(要約)(公開日 平成7年11月14日)に開示された靴底の断面図である。この靴底において、ミッドソール2の後足部に凹部Cが設けられている。当該凹部Cには、後足部の変形の防止のための補強片3が設けられている。
【0006】
図10(b)は、特開2003−19004号公報(図5)(公開日 平成15年1月21日)に開示された靴底の側面図である。この靴底において、ミッドソール2の踏まず部の底部には、アーチCが形成されている。当該アーチCの下面には第1強化部材3が付着されていると共に、前記第1強化部材3の下方には、第2強化部材4が設けられている。
【0007】
図10(c)は特開2000−139508号公報(要約)(公開日 平成12年5月23日)に開示された靴底の側面図である。この靴底において、ミッドソール2の下面の強化部材3の前後の端部3f,3bがミッドソール2およびアウターソール1によって挟持される。これにより、ミッドソール2のアーチの落ち込みを防止する。
【0008】
【特許文献1】特開平10−155511号公報 (要約)
【特許文献2】実用新案登録第3070442号公報 (図2)
【特許文献3】実開平7−44368号公報 (要約)
【特許文献4】特開2003−19004号公報 (図5)
【特許文献5】特開2000−139508号公報 (要約)
【発明の開示】
【0009】
概して公知の構造においては、強化構造が靴底の足のアーチに在る位置に設けられる。かかる構造により、靴底、特に中足部、の軽量化が図られると共に、靴底のネジレが防止される。
しかし、かかる構造は、しばしば、着用者にとって固すぎ、着用者の足にフィットし難いミッドソールのアーチを形成する。すなわち、かかる構造を有する靴底のフィット性は低い。
また、特に着地の際に、ミッドソールのアーチの上面の一部が足裏のアーチに部分的に強く接触するので、着用者はいわゆる“突き上げ”を感じる。すなわち、着用者は足裏が上方に突き上げられている、または、下から押し上げられていると感じる。
前述の技術は、いずれも、重量において軽く、ネジレを防止し、フィット性が向上し、前述の突き上げを防止する靴底を提供しない。すなわち、前記各特許文献の技術では、前記軽量化、ネジレ防止、フィット性の向上、突き上げの諸問題を同時に解決し得ない。
【0010】
したがって、本発明は重量において軽く、ネジレを防止し、フィット性が向上し、突き上げを防止する靴底を提供することを目的とする。
【0011】
前記目的を達成するために、新規な強化構造を有する靴底が提供される。
本発明の1つの態様において、靴底は、アウターソールと、前記アウターソールの上面に取り付けられるミッドソールと、前記ミッドソールの一部を強化する強化部材とを備えている。
前記ミッドソールは中足部を有する。前記ミッドソールは樹脂の発泡体で形成されていると共に、中足部の底部には第1アーチを有する。前記第1アーチは下面を有する。前記ミッドソールの前記第1アーチには前記アウターソールが実質的に付着されていない。
前記強化部材は、第2アーチを有すると共に、前記第2アーチの前方の前端部と前記第2アーチの後方の後端部とを有する。前記第2アーチは、上面と下面とを有する。前記強化部材の前端部は、前記第1アーチの前方において、前記ミッドソールまたはアウターソールのうちの少なくとも一方に接合されている。前記強化部材の後端部は、前記第1アーチの後方において、前記ミッドソールまたはアウターソールのうちの少なくとも一方に接合されている。
前記強化部材のヤング率は、前記ミッドソールにおける第1アーチのヤング率よりも大きい値に設定されている。前記第1アーチの下面には、前記第1アーチのヤング率よりもヤング率の大きい部材が実質的に付着されていない。
前記第1アーチの下面は、必要に応じて、上方に窪んだ凹面である第1曲面を有してもよく、前記第2アーチの上面は、必要に応じて、上方に向って凸の第2曲面を有してもよい。
【0012】
前記強化部材は、前記第2アーチの上面と前記第1アーチの下面とが互いに向かい合うように配置されている。前記第1アーチの下面の少なくとも一部が、前記第2アーチの上面の少なくとも一部に対して上下に離間して互いに非接触となっている。すなわち、前記ミッドソールの第1アーチの下面の少なくとも一部が前記強化部材に対して上下に離間して非接触となっており、また、前記強化部材の第2アーチの上面の少なくとも一部が前記ミッドソールに対して上下に離間して非接触となっている。かかるミッドソールと強化部材の配置により、前記第1アーチの非接触の部分および第2アーチの非接触の部分が定義される。
これにより、前記第1アーチおよび前記第2アーチにおける非接触の部分同士は、着地の衝撃が加わった際に、互いに独立して変形することが可能である。
【0013】
本発明において、「第1アーチにはアウターソールが実質的に付着されていない」との用語の使用により、第1アーチのいずれの部分にもアウターソールが付着されていない場合や、第1アーチの一部にアウターソールが付着されていても本発明の第1アーチの機能が阻害されない場合(たとえば、第1アーチの縁にのみアウターソールが付着されている場合)を含むことが意味される。
【0014】
本発明の靴底の別の態様においては、靴底は、接地面と前記接地面とは逆の上面を有するアウターソールと、上面および下面を有し、前記下面がアウターソールの上面に取り付けられると共にアウターソールの上面を覆うミッドソールと、前記ミッドソールの一部を強化する強化部材とを備えている。
【0015】
なお、本発明において、「ミッドソールの下面がアウターソールの上面に取り付けられる」との用語の使用により、ミッドソールの下面がアウターソールの上面に直接取り付けられる場合や、ミッドソールとアウターソールとの間に別の部材が介挿されてミッドソールの下面がアウターソールの上面に間接的に接合されている場合を含むことが意味される。
【0016】
前記ミッドソールは足の中足部に覆われる第1アーチを有する。前記第1アーチは樹脂の発泡体で形成されていると共に下面を有する。前記強化部材は第2アーチを有すると共に、前記第2アーチの前方の前端部と後方の後端部とを有する。前記第2アーチは、上面と下面とを有する。前記第2アーチは前記第1アーチに覆われるように配置されている。前記強化部材の前端部は、前記第1アーチの前方において、前記ミッドソールまたはアウターソールのうちの少なくとも一方に接合されている。前記強化部材の後端部は、前記第1アーチの後方において前記ミッドソールまたはアウターソールのうちの少なくとも一方に接合されている。
前記第1アーチおよび第2アーチは、前記アウターソールの上面に実質的に付着されておらず、かつ、前記アウターソールの接地面が着地する際に接地しない。前記第2アーチのヤング率は、前記第1アーチのヤング率よりも大きい値に設定されている。前記第1アーチの下面には、実質的に、前記ミッドソールの第1アーチのヤング率よりもヤング率の大きい部材が付着されていない。
前記第1アーチの下面は、必要に応じて、上方に窪んだ凹面である第1曲面を有してもよく、前記第2アーチの上面は、必要に応じて、上方に向って凸の第2曲面を有してもよい。
【0017】
ここにおいて、前記強化部材は、前記第2アーチの上面と前記第1アーチの下面とが互いに向かい合うように配置されている。前記第1アーチの下面の少なくとも一部が、前記第2アーチの上面の一部に対して上下に離間して互いに非接触となっており、これにより、第1アーチおよび第2アーチの非接触の部分が定義される。
かかる構成により、前記第1アーチおよび前記第2アーチにおける非接触の部分同士は、着地の衝撃が加わった際に、互いに独立して変形することが可能である。
【0018】
本発明の靴底において、足が着地すると、足の着地の際の衝撃荷重が接地面からミッドソールを介して足裏に伝わる。この着地の際、ミッドソールの第1アーチおよび強化部材の第2アーチは、それぞれ、変形する。両アーチのうちの互いに非接触の部分同士は、互いに独立して変形する。
【0019】
ここでミッドソールの第1アーチは樹脂の発泡体で形成されており、強化部材よりもヤング率が小さい。第1アーチのヤング率は、着用者が第1アーチが柔らかく感じる程度の値に設定されている。
【0020】
ミッドソールは足の中足部(踏まず部)に覆われる第1アーチを有するので、ミッドソールの底部がえぐられているから、ミッドソールの踏まず部の厚さをできる限り小さくできる。
このように、ミッドソールのうち、足の中足部に覆われる部分は、比較的薄く、かつ、柔らかいので、ミッドソールは足のアーチの形状にフィットしやすくなる。
本発明において、「足の中足部に覆われる第1アーチを有する」との記載により、第1アーチの前後方向の中心線が足のアーチの前後方向の中心線と互いに一致ないし近接するように、第1アーチが形成されている場合を含むことが意味される。前記第1アーチおよび第2アーチの前後方向の中心線が、少なくとも、足の舟状骨、立方骨または楔状骨のいずれかの真下の位置になるように設定されているのが好ましい。
更に、前記第1アーチと第2アーチとが互いに上下に離間して非接触となっている(第1アーチが第2アーチと接触しないように第1アーチと第2アーチとが互いに対面しており、かつ、互いに上下に離間している)ので、足の着地時に、当該非接触の部分において、ミッドソールの第1アーチが十分に沈み込むことができるので、“突き上げ”が緩和される。
【0021】
第1アーチの下面には、前記第1アーチのヤング率よりもヤング率の大きな部材が実質的に付着されていない。これにより、前記第1アーチの柔軟性が維持され、前記足裏のアーチへのフィット性や“突き上げ”緩和作用が不必要に阻害されることがない。
【0022】
ここで、「第1アーチのヤング率よりヤング率の大きな部材が実質的に付着されていない」とは、前記第1アーチのヤング率よりもヤング率の大きな部材が第1アーチの下面に付着(積層されて固着)されていないか、あるいは、そのような部材が付着されていても、足の着地時に前記第1アーチの下面が第2アーチの上面よりも大きく変形することを許容することが意味される。例えば、第1アーチの下面の一部にのみ前記ヤング率の大きな部材が付着されている場合や、前記ヤング率の大きな部材が付着されていても当該部材の厚みが極めて薄い(例えば、0.5mm 以下、好ましくは 0.2mm以下、更に好ましくは 0.1mm以下)場合には、前記ヤング率の大きな部材が実質的に付着されていない。また、第1アーチのヤング率よりもヤング率の小さな部材が付着されていても、第1アーチのヤング率よりもヤング率の大きな部材が付着されていない場合や第1アーチの下面に単に塗料が塗布されている場合も、本発明に含まれる。
【0023】
本発明においては、第1アーチの下面に第2アーチのヤング率よりもヤング率の大きな部材が実質的に付着されていないのが好ましい。「第2アーチのヤング率よりもヤング率の大きな部材が実質的に付着されていない」との記載により、たとえば、第1アーチの下面に何ら部材が付着(積層されて固着)されていない場合や、第1アーチの下面に単に塗料が塗布されている場合を含むことが意味される。さらに、たとえば、第2アーチのヤング率よりもヤング率が小さい部材が第1アーチの下面に付着されていても、第2アーチのヤング率よりもヤング率が大きな部材が第1アーチの下面に付着されていない場合や、第2アーチよりも薄いフィルム状の部材が第1アーチの下面に積層されて固着されていても、第2アーチよりも厚肉の部材が第1アーチの下面に付着されていない場合には、前記第2アーチのヤング率よりもヤング率の大きな部材が実質的に付着されていない。前記フィルム状の部材のヤング率は、第2アーチのヤング率よりも小さくてもよく、第2アーチのヤング率と同じでもよく、第2アーチのヤング率よりも大きくてもよい。前記フィルム状の部材の厚さは、たとえば、 0.5mm以下に設定され、好ましくは 0.2mm以下に設定され、更に好ましくは 0.1mm以下に設定される。
【0024】
一般に、発泡体や強化部材はヤング率を基準に作製されず硬度を基準に作製される。たとえば、前記第1アーチを形成する発泡体の硬度は、SRIS−C硬度(日本ゴム協会標準規格のC型硬度計により測定した値)の30〜80°の程度の範囲に設定される。一方、前記第2アーチを形成する強化部材の硬度は、JISA硬度の70〜100°程度の範囲に設定される。JISA硬度はJISK6301に準拠してJISA型硬度計により測定して得られる値である。
【0025】
また、ミッドソールに第1アーチを形成したので、前記第1アーチが形成される部分でミッドソールがえぐられるから、ミッドソールの軽量化が図られる。
その一方で、ミッドソールのえぐられた部分は強化部材により補強されて、靴底のネジレに対する強度が向上する。
【0026】
更に、第1アーチの下面と第2アーチの上面とが互いに向かい合うように配置されている。すなわち、第1アーチの下面と第2アーチの上面とは互いに相対している。これにより、足へのフィット感を高める部分を補強する効果が高まる。
【0027】
なお、本発明において、“足のアーチ”とは、足の中足部における三日月状に窪んだ部分をいう。一方、ミッドソールや強化部材の“アーチ”型は、広く門型を包含し、円弧状や弓形の形状を含むが、これらの形状に限定されるものではない。
すなわち、強化部材の第2“アーチ”は、当該強化部材の第2“アーチ”の下方において足の内から外に向って連続する空洞が形成される形状を意味し、ミッドソールの第1“アーチ”は、前記強化部材が取り付けられていない状態では、当該ミッドソールの第1“アーチ”の下方において足の内から外に向って連続する空洞が形成される形状を意味する。したがって、当該強化部材の第2“アーチ”の下方において、足の内から外へ向ってくぐり抜けができる。また、前記強化部材が取り付けられていない状態では、前記ミッドソールの第1“アーチ”の下方において、足の内から外へ向ってくぐり抜けができる。
【0028】
ミッドソールの第1アーチの上面は、概ね足裏のアーチに沿って、上方に凸となるように湾曲し、かつ、第1アーチの下面は第1アーチの下方に通路を形成するように凹んでいるのが好ましい。強化部材の第2アーチの上面は前記第1アーチの下面に対面し、かつ、第2アーチの下面は上方に向って凹んだ曲面を有するのが好ましい。強化部材の第2アーチは前記ミッドソールの第1アーチを強化する。
【0029】
本発明においては、第1アーチの下面が、必要に応じて、円弧状に窪んだ第1曲面を有していてもよく、前記第2アーチが、必要に応じて、上方に向って凸の円弧状の第2曲面を有していてもよい。
前記第2アーチの上面が上方に向って凸の第2曲面を有しているので、強化部材に外力が働くと、応力の分布の均等化(応力の分散)が図られる。その結果、薄い部材でも大きな剛性や強度を発揮する。
【0030】
ここにおいて、前記第1曲面および第2曲面は、ミッドソールまたは強化部材の足の中足部に覆われる位置において、足の幅方向の少なくとも一部に設けられていればよい。そのような曲面は、ミッドソールまたは強化部材の足のアーチに覆われる位置において足の幅方向の全幅を覆っている必要はない。
【0031】
第2アーチは、強化部材の少なくとも一部に設けられていればよく、強化部材の全幅にわたって設けられている必要はない。
【0032】
第2アーチは足のアーチの幅方向の一部のみを覆うようにしてもよいし、足のアーチの一部のみ、たとえば、内側または外側のみに、配置されてもよい。
【0033】
また、強化部材は、ミッドソールの足の中足部に覆われる位置の少なくとも一部に設けられていればよく、例えば、足の内側および/または外側や中央の一部に設けられてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲は請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
【0035】
第1実施例:
以下、本発明の第1実施例を図面に従って説明する。この第1実施例では、本発明の原理的な実施例が示され、靴底の基本的な構造および原理を説明される。
図1(a),(b)は、中足部、つまり、足の踏まず部における靴底Sの概略断面図である。なお、矢印Fは靴の前方、矢印Bは靴の後方を示す。
【0036】
図1(a)に示すように、靴底Sは、アウターソール1、ミッドソール2および前記ミッドソール2を強化するための強化部材3を備えている。
【0037】
前記アウターソール1は、足のアーチの真下の位置で、前足部1fと後足部1bに分割されている。アウターソール1の各部1f,1bは、それぞれ、着地時に地面に接する接地面15と、当該接地面15とは反対側の上面16とを有している。
【0038】
図1(a)に示すように、ミッドソール2は上面26および下面25を有する。ミッドソール2の下面25の一部は、アウターソール1を上から覆うように、前記アウターソール1の上面16に付着されている。このミッドソール2の底部22には、足のアーチの真下の位置において、第1アーチ2cが形成されている。第1アーチ2cは、ミッドソール2の下面25がアーチ状にえぐられて形成されており、そのため、第1アーチ2cに凹面の下面29が形成されている。
【0039】
第1アーチ2cの上面は概ね足のアーチに沿って上方に凸となるように湾曲した第3曲面120を有している。この第3曲面120は、幅方向の中央部分では緩やかに湾曲しており、内側部分においては大きく湾曲している。
【0040】
前記強化部材3は、第2アーチ3c、当該第2アーチ3cの前方の端部3fおよび前記第2アーチ3cの後方の端部3bを備えている。前記第2アーチ3cは、図1(a)に示すように、上方に向って膨らんだように形成されている。第2アーチ3cの上面36は上方に向って凸の曲面であり、下面35は下方に向って凹の曲面である。すなわち、第2アーチ3cの下面35は上方に向って凹んだ第4曲面130を有する。強化部材3は、第2アーチ3cが第1アーチ2cにより上方から覆われるように、配置される。
【0041】
強化部材3は、前記前後の端部3f,3bがアウターソール1とミッドソール2との間で挟み込まれることで支持されている。すなわち、図1(a)に示すように、前端部3fがアウターソール1の前足部1fの上面16とミッドソール2の下面25との間で挟持され、後端部3bがアウターソール1の後足部1bの上面16とミッドソールの下面25との間で挟持されており、これにより、強化部材3は支持されている。
【0042】
この強化部材3は、前記第1アーチ2cに相当する位置における靴底Sの強度を維持し、靴底Sのネジレ等を防止する。そのため、強化部材3のヤング率は、前記ミッドソール2における第1アーチ2cのそれよりも大きい値に設定されている。
【0043】
図1(a)に示すように、前記第2アーチ3cの上面36と前記ミッドソール2の第1アーチ2cの下面29とは、互いに向かい合うように配置されている。そして、前記第2アーチ3cの上面36と前記第1アーチ2cの下面29とは互いに上下に離間して非接触の状態である。この両面36,29は互いに非接触であり、領域Rを定義し、この領域Rは空洞である。
【0044】
図1(b)に示すように、足の着地の際に靴底Sのアウターソール1の接地面15に衝撃荷重W1が加えられる。この際、衝撃荷重W1は、アウターソール1およびミッドソール2を介して足裏に伝わる。同時に、足裏からの(上方からの)荷重W2がミッドソール2に加わる。前記上方からの荷重W2によって、ミッドソール2は圧縮されると共に、下方に沈み込む。
【0045】
この際、前記第1アーチ2cは前記強化部材3の第2アーチ3cと離間して配置されているので、第1アーチ2cの下面29と前記第2アーチ3cの上面36とは互いに独立して変形する。すなわち、第1アーチ2cの下面29の下方への沈み込み(反り)は、前記強化部材3によって阻害されることはない。このミッドソール2の沈み込み(反り)によってミッドソール2の足裏に対するフィット性が向上すると共に、足の着地の際の“突き上げ”が減じられ、あるいは、緩和される。
【0046】
この場合、着地の衝撃が加わった際に、前記第1アーチ2cの下面29の非接触部分の下方への変位量が前記第2アーチ3cの上面36の非接触部分の下方への変位量よりも大きくなるように設定されていることが好ましい。かかる設定により、下方からの“突き上げ”感が更に小さくなる。
【0047】
一方、前記強化部材3は、湾曲しているので変形しにくくなっていると共に、強化部材3のヤング率が前記ミッドソール2のそれよりも大きく設定されている。そのため、靴底Sの剛性および強度が維持され、ミッドソールのネジレが防止される。
【0048】
図1(c),図1(d)は変形例を示す。
図1(c)に示す変形例では、第1アーチ2cの一部と第2アーチ3cの一部に、それぞれ突部121,131が設けられ、第1および第2アーチ2c,3cの突部121,131同士が互いに接触している。かかる場合、前記第1アーチ2cの突部121が比較的大きな圧縮変形を呈し、一方、両アーチ2c,3cの非接触の部分は互いに独立して変形する。したがって、本変形例においても、ミッドソール2は前述の沈み込みの作用を有する、すなわち、下方にゆがみ、圧縮する。
【0049】
図1(d)に示すように、第1アーチ2cの下面29に孔23を設け、第2アーチの上面に当該孔23に嵌合可能な突起部33を設けてもよい。
また、強化部材3の前後の端部3f,3bは、必ずしも、アウターソール1とミッドソール2との間で挟み込む必要はない。両端部3f,3bは、図1(c),図1(d)のように、単にアウターソール1に接合または付着されるようにしてもよい。
【0050】
第2実施例:
次に、具体的な第2実施例を、図2,図3,図4,図5にしたがって説明する。なお、以下の実施例において、第1実施例と同一部分または相当部分には同一符号を付して、その詳しい説明および図示を省略する。
【0051】
図2(a)はアウターソール1f,1bを付着した状態の靴底Sの側面図である。図2(b)はアウターソールを付着していない状態の靴底Sの底面図である。
図2(a)に示すように、前記靴底Sは、上ミッドソール本体28、下ミッドソール本体27および強化部材3を備えている。本実施例では、上下のミッドソール本体28,27がミッドソール2を構成する。下ミッドソール本体27は足のアーチに対応する位置で前部27fと後部27bに分割されている。前記前部27fの下面25fにはアウターソールの前足部1fが付着されており、前記後部27bの下面25bにはアウターソールの後足部1bが付着されている。上ミッドソール本体28の足のアーチに対応する位置には、図4に示すように、第1アーチ2cが設けられている。強化部材3には第2アーチ3cが設けられている。強化部材3は、第2アーチ3cの前方の前端部3f、第2アーチ3cの後方の後端部3b、第2アーチ3cの外側の外側部30,第2アーチ3cの内側の内側部31を有する。
【0052】
図3に示すように、前記下ミッドソール本体27、上ミッドソール本体28および強化部材3は、互いに組み立てられる。この組立において、上下のミッドソール本体28,27の間に強化部材3の前後の端部3f,3bが挟み込まれ、かつ、内外の側部31,30は上ミッドソール本体28に接合される。下ミッドソール本体27の前部27f,後部27bには、強化部材3の前後の端部3f,3bが接合するための接合面51a,51bが設けられている。図4の上ミッドソール本体28には、前記強化部材3の前後の端部3f,3bが接合するための接合面52a,52bおよび前記強化部材3の内外の側部31,30が接合するための接合面53a,53bが設けられている。
【0053】
組み立てられた靴底Sにおいて、図11に示すように、前記第1アーチ2cおよび第2アーチ3cは足の中足部に覆われる。すなわち、ミッドソール2の第1アーチ2cおよび強化部材の第2アーチ3cの前後方向の中心線82は、足のアーチの前後方向の中心線81と近接している。たとえば、前記中心線82は足の舟状骨75および楔状骨77を通る位置に設定されてもよい。この第1アーチ2cおよび第2アーチ3cの中心線82は、足の立方骨76を通るように設定してもよい。このように、第1アーチ2cおよび第2アーチ3cの中心線82の足のアーチに対する位置はある範囲に置かれる。
また、図5(a)の断面図に示すように、第1アーチ2cの下面29と第2アーチ3cの上面36とが互いに向かい合うように上下方向に離間して配置されている。したがって、前記第1実施例と同様に、着地時には第2アーチ3cに向って上ミッドソール本体28が沈み込む。
【0054】
前記第1アーチ2cの下面29には、図4に示すように、円弧状に窪んだ第1曲面62,62が第1アーチ2cの内外に設けられている。なお、図5(a)に示すように、前記第1アーチ2cの下面29には、第1アーチ2cの前後の端部においても、そのような曲面62,62が設けられている。第1アーチ2cの下面29の前後方向の中央部分は極めて緩やかに湾曲しているか、あるいは、概ねフラットまたは平面状である。
【0055】
前記第2アーチ3cの上面36には、図3に示すように、上方に向って円弧状に凸の第2曲面63,63が第2アーチの内外に設けられている。また、図5(a)に示すように、前記第2アーチ3cの上面36には、第2アーチ3cの前後の端部においてもそのような第2曲面63が設けられている。前記第2アーチ3cの上面36の残りの部分(たとえば、前後の中央部分)は極めて緩やかに湾曲しているか、あるいは、概ねフラットまたは平面状である。
前記第1および第2曲面62,63は、横断方向に沿った中心線を中心として概ね円弧状に形成されている。第1および第2曲面62,63は、互いに向かい合うように配置されている。すなわち、第1および第2曲面62,63は互いに相対している。
【0056】
また、強化部材3の前後の端部3f,3bに加えて、図5(b)の断面図に示すように、強化部材3の外側部30および内側部31も上ミッドソール本体28に接合している。すなわち、強化部材3の全周縁が上ミッドソール本体28に接合されている。かかる接合により、靴の屈曲防止やネジレ防止の機能が向上する。
【0057】
かかる靴の屈曲防止やネジレ防止の機能について説明する。
屈曲防止の機能は、断面の形状面においては、中立軸に関する断面二次モーメントIy に相関する。
本実施例では、強化部材3の周縁が全周にわたって上ミッドソール本体28に接合されているので、強化部材3が上ミッドソール本体28と一体となって屈曲する。そのため、断面二次モーメントIy は、前記上ミッドソール本体28の下面と強化部材3とが離間していることにより、増大する。
したがって、屈曲防止の機能が向上する。
【0058】
一方、ネジレ防止の機能は、断面の形状面においては、図心に関する断面二次極モーメントIp に相関する。
本実施例では、強化部材3の周縁が全周にわたって上ミッドソール本体28に接合されていることにより、強化部材3は上ミッドソール本体28と一体となって捩じれる。そのため、断面二次極モーメントIp は、前記上ミッドソール本体28の下面と強化部材3とが離間していることにより、増大する。
したがって、ネジレ防止の機能が向上する。
【0059】
また、図3,図4に示すように、強化部材3の周縁37の全部が上ミッドソール本体28に接合することで、上ミッドソール本体28および強化部材3(図5(a))との間に、密閉された又は閉じられた空間(領域)Rが形成される。すなわち、上ミッドソール本体28の第1アーチ2cの下面29と強化部材3の第2アーチ3cの上面36とで、密閉された又は閉じられた領域Rが定義される。かかる強化部材3の周縁37の全体を封じる接合構造により、前記領域Rに閉じ込められた空気が前記第2アーチ3cをソフトに支持するので、上ミッドソール本体28の第1アーチ2cが低下し過ぎるのを防止し得る。
【0060】
前記上下のミッドソール本体28,27は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の発泡体で形成するのが好ましい。しかし、前記上下のミッドソール本体28,27は、他の樹脂の発泡体で形成されてもよい。なお、上下のミッドソール本体28,27の間の接着性を向上させて上下のミッドソール本体28,27がより安定して強化部材3を支持できるように、上下のミッドソール本体28,27は同種の素材で形成するのが好ましい。上下のミッドソール28,27と強化部材3との接着性を向上させるためである。
強化部材3は非発泡のポリウレタンで形成することができるし、非発泡・発泡の他の樹脂で形成することができる。強化部材3を形成するのに用いられる樹脂素材の例は、ナイロン、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ボリ塩化ビニル(PVC)、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、スチロール、EVA等である。強化部材3の素材としては、強度があり、成形しやすい非発泡の樹脂が用いられるのが好ましい。また、透明な樹脂で強化部材3を形成すると、靴のデザイン性が向上する。好ましい透明な樹脂は、ミッドソールの主要素材であるEVAの発泡体と接着性の良い非発泡のポリウレタンもしくはEVAである。
【0061】
なお、本実施例においては、ミッドソール2は上下のミッドソール本体28,27に分されているが、必ずしも分割される必要はない。ミッドソール2は、一体に、すなわち、一体の1個のユニットとして、形成されてもよい。また、ミッドソール2にゲルなどの衝撃吸収体を装填して靴底を組み立ててもよい。
図4に示すように、本実施例においては、第1アーチ2cの第1曲面62が第1アーチ2cの内外に1つずつ設けられているが、第1曲面62は内外の一方にのみ設けられてもよいし、第1アーチ2cの内外に連なるように形成されてもよい。第2アーチ3cの第2曲面63も第1アーチ2cと同様に形成することができる。
【0062】
第3実施例:
図6(a)は第3実施例を示す靴底の縦断面図である。
図6(a)に示すように、第1強化部材39と第2強化部材40とが、設けられている。第2強化部材40は第1強化部材39とは別の部材である。第2強化部材40は第1強化部材39の下方に配置される。
【0063】
第1強化部材39は、前記第1および第2実施例における強化部材3に相当するものであり、第2アーチ3cを有する。当該第2アーチ3cはミッドソール2の第1アーチ2cと向かい合うように、かつ、互いに上下に離間して、配置される。
一方、第2強化部材40は第1強化部材39を補強するためのものである。この第2強化部材40は、足のアーチにおいて靴底のネジレ防止を更に防止する。
【0064】
図6(a)では、第2強化部材40の前端部40fおよび後端部40bは、ミッドソール2とアウターソール1との間で挟み込んでいる。任意に、図6(b)のように、下ミッドソール本体27と上ミッドソール本体28との間で挟み込んでもよいし,図6(c)のように、下ミッドソール本体27とアウターソール1との間で挟み込んでもよい。
【0065】
第2強化部材40は、前記第1強化部材39の第2アーチ3cの下方で、第1強化部材39と同様に湾曲していてもよいが、図6(c)のように、概ねフラットに形成してもよい。
また、前記第1強化部材39および第2強化部材40のヤング率は互いに異っていてもよい。好ましくは、第1強化部材39と第2強化部材40のヤング率が同等か、あるいは、第1強化部材39のヤング率が第2強化部材40のヤング率より小さくなるように設定する。
【0066】
第4実施例:
図7(a),(b),(c)は第4実施例を示す靴底の断面図である。
図7(a)の横断面図のように、第1強化部材39が上ミッドソール本体28の下面28bに付着されていると共に、上ミッドソール本体28の下面28bには靴の略前後方向に延びる帯状の溝61が形成されている。これにより、前記溝61が形成された位置では、図7(b)の縦断面図のように、第1アーチ2cの下面29と第2アーチ3cの上面36とが互いに上下に離間して、中空部Rが形成される。したがって、前記溝61が形成された位置(たとえば、図7(a)のVIIb-VIIb で示される位置)では、前記各実施例と同様に、上ミッドソール本体28が下方に沈み込むことができる。一方、溝が形成されていない位置(たとえば、図7(a)のVIIc-VIIc で示される位置)においては、図7(c)の縦断面図のように、第2アーチ3cの上面36が第1アーチ2cの下面29に接している。
【0067】
第5実施例:
図12(a),図12(b)は、第5実施例を示す靴底の断面図である。
図12(a)の縦断面図のように、ミッドソール2の第1アーチ2cの下面29にフィルム状の部材91が積層されて、固着されている。これにより、第1アーチ2cの下面29が補強されて、ミッドソール2の第1アーチ2cが低下し過ぎるのを防止できる。したがって、ミッドソール2の第1アーチ2cを薄くすることが可能となる。このフィルム状の部材91は強化部材3の第2アーチ3cよりも薄く形成されている。
【0068】
なお、本実施例において、第1アーチ2cの下面29の下方への沈み込みを許容して、所望の突き上げ緩和の効果を得るためには、前記フィルム状の部材91と強化部材3との剛性比を所定の範囲に設定するのが好ましい。すなわち、前記フィルム状の部材91における平均の厚さT91とヤング率E91との積の、第2アーチ3cにおける平均の厚さT3cとヤング率E3cとの積に対する比率は概ね1/4以下(T91・E91/(T3c・E3c)≦1/4)に設定される。この比率は、概ね1/6以下に設定されるのが好ましく、概ね1/10以下に設定されるのが更に好ましいと推測される。
【0069】
また、この比率は少なくとも概ね1/1000以上に設定されるのが好ましく、概ね1/100以上に設定されるのが更に好ましい。フィルム状部材91がある程度の剛性を有することで、第1アーチ2cの下面29の過度の沈み込みを防止するためである。
フィルム状の部材91の厚さは、たとえば、概ね0.01mm〜 0.2mmの範囲に設定される。第2アーチ3cの厚さは概ね 1.0mm以上に設定するのが好ましく、概ね 1.5mm〜 3.0mmの範囲に設定するのが更に好ましい。
【0070】
本実施例においては、図12(b)の横断面図のように、第1アーチ2cおよび強化部材3は、それぞれ、足の幅方向に2分割されている。外側の強化部材300および内側の強化部材301は、それぞれ、2つの側部302,302を有する。前記側部302,302は、それぞれ、ミッドソール2に接合され、これにより、2つの密閉された領域Rが足の内側および外側に形成されている。
【0071】
図8(a),(b),(c),(d)は、ミッドソールの第1アーチの部分における靴底の底面図であり、強化部材3の異なる形態を示す。
前記第2実施例では強化部材3が第1アーチ2cの全面を覆う。しかし、強化部材3は必ずしもそのような形状にする必要はない。強化部材3は、強化部材3の一部がミッドソールまたはアウターソールに接合できる形状であればよい。したがって、強化部材3の平面形状は、例えば、図8(a)に示す略“I型”の平面形状、図8(b)に示す略“X型”の平面形状,図8(c)に示す略“N型”の平面形状に形成することができる。また、図8(d)に示すように、強化部材3の中央に第2アーチ3cを上下に貫通する開口70を有するように形成してもよい。
【0072】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
例えば、靴底に設けられる強化部材を足の内外に分割してもよいし、強化部材を足の内外の一方にのみ設けてもよい。また、第1アーチと第2アーチとの間の領域には、ミッドソールよりもヤング率が小さく、かつ、容積変化の可能な発泡体または充填材を装填してもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、ランニングシューズ等の運動靴の他、様々な靴に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】(a),(b)は第1実施例を示す靴底の縦断面図、(c),(d)は同靴底の変形例を示す縦断面図である。
【図2】(a)は第2実施例を示す靴底の側面図、(b)は同底面図である。
【図3】図2(a),図2(b)の靴底の上面側からみた靴底パーツの分解斜視図である。
【図4】図2(a),図2(b)の靴底の底面側からみた靴底パーツの分解斜視図である。
【図5】(a)は図2(b)の Va-Va線断面図、(b)は図2(b)の Vb-Vb線断面図である。
【図6】(a)は第3実施例の靴底の縦断面図、(b),(c)は同靴底の変形例を示す縦断面図である。
【図7】(a)は第4実施例を示す靴底の横断面図、(b)は図7(a)の VIIb-VIIb線断面図,(c)は図7(a)のVIIc-VIIc 線断面図である。
【図8】(a),(b),(c),(d)は、強化部材の異なる形態を示す靴底の底面図である。
【図9】(a),(b)は、それぞれ、公知の靴底を示し、(a)はある公知の靴底の縦断面図、(b)は他の公知の靴底の底面図である。
【図10】(a),(b),(c)は、それぞれ、別の公知の靴底を示し、(a)はある公知の靴底の縦断面図、(b)は他の公知の靴底の側面図、(c)は更に他の公知の靴底の縦断面図である。
【図11】本発明の靴底と足の骨との関係を示す靴底の縦断面図である。
【図12】(a)は第5実施例を示す靴底の縦断面図、(b)は同靴底の横断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1:アウターソール
15:接地面
16:アウターソールの上面
1f:前足部
1b:後足部
2:ミッドソール
25:ミッドソールの下面
26:ミッドソールの上面
2c:第1アーチ
29:第1アーチの下面
3:強化部材
3c:第2アーチ
3f:前端部
3b:後端部
35:第2アーチの下面
36:第2アーチの上面
37:周縁
38:開口
39:第1強化部材
40:第2強化部材
62:第1曲面
63:第2曲面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化構造を備えた靴底であって、前記靴底は、アウターソールと、前記アウターソールの上面に取り付けられるミッドソールと、前記ミッドソールの一部を強化する強化部材とを備え、
前記ミッドソールは中足部を有し、
前記ミッドソールは樹脂の発泡体で形成されていると共に、中足部の底部には第1アーチを有し、
前記第1アーチは下面を有し、
前記ミッドソールの前記第1アーチには前記アウターソールが実質的に付着されておらず、
前記強化部材は、第2アーチを有すると共に、前記第2アーチの前方の前端部と前記第2アーチの後方の後端部とを有し、
前記第2アーチは、上面と下面とを有し、
前記強化部材の前端部は、前記第1アーチの前方において、前記ミッドソールまたは前記アウターソールのうちの少なくとも一方に接合されており、
前記強化部材の後端部は、前記第1アーチの後方において、前記ミッドソールまたは前記アウターソールのうちの少なくとも一方に接合されており、
前記強化部材のヤング率は、前記ミッドソールにおける第1アーチのヤング率よりも大きい値に設定されており、
前記第1アーチの下面には、前記第1アーチのヤング率よりもヤング率の大きい部材が実質的に付着されておらず、
ここにおいて、前記強化部材は、前記第2アーチの上面と前記第1アーチの下面とが互いに向かい合うように配置され、
前記第1アーチの下面の少なくとも一部が、前記第2アーチの上面の少なくとも一部に対して上下に離間して互いに非接触となっており、
これにより、前記第1アーチおよび前記第2アーチにおける非接触の部分が定義され、当該非接触の部分同士は、着地の衝撃が加わった際に、互いに独立して変形することが可能である靴底。
【請求項2】
強化構造を備えた靴底であって、前記靴底は、接地面と前記接地面とは逆の上面を有するアウターソールと、上面および下面を有し、前記下面が前記アウターソールの上面に取り付けられると共に前記アウターソールの上面を覆うミッドソールと、前記ミッドソールの一部を強化する強化部材とを備え、
前記ミッドソールは足の中足部に覆われる第1アーチを有し、
前記第1アーチは樹脂の発泡体で形成されていると共に下面を有し、
前記強化部材は第2アーチを有すると共に、前記第2アーチの前方の前端部と前記第2アーチの後方の後端部とを有し、
前記第2アーチは、上面と下面とを有し、
前記第2アーチが前記第1アーチに覆われるように配置されており、
前記強化部材の前端部は、前記第1アーチの前方において、前記ミッドソールまたは前記アウターソールのうちの少なくとも一方に接合されており、
前記強化部材の後端部は、前記第1アーチの後方において、前記ミッドソールまたは前記アウターソールのうちの少なくとも一方に接合されており、
前記第1アーチおよび第2アーチは、前記アウターソールの上面に実質的に付着されておらず、かつ、前記アウターソールの接地面が着地する際に接地せず、
前記第2アーチのヤング率は、前記第1アーチのヤング率よりも大きい値に設定されており、
前記第1アーチの下面には、前記ミッドソールの第1アーチのヤング率よりもヤング率の大きい部材が実質的に付着されておらず、
ここにおいて、前記強化部材は、前記第2アーチの上面と前記第1アーチの下面とが互いに向かい合うように配置され、
前記第1アーチの下面の少なくとも一部が、前記第2アーチの上面の一部に対して上下に離間して互いに非接触となっており、
これにより、前記第1アーチおよび前記第2アーチにおける非接触の部分が定義され、当該非接触の部分同士は、着地の衝撃が加わった際に、互いに独立して変形することが可能である靴底。
【請求項3】
請求項2において、
着地の衝撃が加わった際に、前記第1アーチの下面の非接触の部分の下方への変位量が前記第2アーチの上面の非接触の部分のそれよりも大きくなるように設定されている靴底。
【請求項4】
請求項2において、
前記強化部材は2つの側部を有し、前記2つの側部が前記ミッドソールに接合されている靴底。
【請求項5】
請求項2において、
前記第1アーチの下面は凹面を形成する第1曲面を有し、前記第2アーチの上面は上方に向って凸の第2曲面を有する靴底。
【請求項6】
請求項2において、
前記第1アーチの下面と前記第2アーチの上面とによって領域が定義され、
前記領域に空洞が形成されている靴底。
【請求項7】
請求項2において、
前記第1アーチの下面と前記第2アーチの上面とによって領域が定義され、
前記領域には前記ミッドソールよりもヤング率が小さく、かつ、容積変化の可能な充填材が充填されている靴底。
【請求項8】
請求項6において、
前記強化部材の周縁の全周が前記ミッドソールに接合されていることで前記領域が密閉されている靴底。
【請求項9】
請求項7において、
前記強化部材の周縁の全周が前記ミッドソールに接合されていることで前記領域が密閉されている靴底。
【請求項10】
請求項6において、
前記第2アーチを上下に貫通する開口を有する靴底。
【請求項11】
請求項2において、
前記ミッドソールの第1アーチはエチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡体からなり、
前記強化部材はポリウレタンの非発泡体、あるいは、エチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡体若しくは非発泡体からなる靴底。
【請求項12】
請求項2において、
前記強化部材は、前記第2アーチにおける足の内側および外側に内外の側部を更に有し、
前記強化部材の内外の側部は、前記ミッドソールに接合されている靴底。
【請求項13】
請求項2において、
前記アウターソールは、足のアーチに対応する位置において前足部と後足部とに分割されており、
前記アウターソールの前足部および後足部は、それぞれ、上面と下面とを有し、
前記強化部材の前端部が、前記アウターソールの前足部の上面と前記ミッドソールの下面との間で挟持されており、
前記強化部材の後端部が、前記アウターソールの後足部の上面と前記ミッドソールの下面との間で挟持されている靴底。
【請求項14】
請求項2において、
前記ミッドソールは、上ミッドソール本体および下ミッドソール本体とを含み、
前記上下のミッドソール本体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体で形成されており、
前記強化部材の前端部および後端部の双方が、前記上ミッドソール本体と下ミッドソール本体との間に挟まれた状態で前記強化部材が上下のミッドソール本体に接合されている靴底。
【請求項15】
請求項2において、前記強化部材は第1強化部材を構成しており、
前記第1強化部材とは別の第2強化部材が設けられ、
前記第2強化部材は前記第1強化部材の下方に配置されている靴底。
【請求項16】
請求項2において、
前記第1アーチの前後方向の中心線および第2アーチの前後方向の中心線は、少なくとも足の舟状骨、立方骨または楔状骨のいずれかの真下の位置に設定されている靴底。
【請求項17】
請求項2において、
前記第1アーチは上面を有し、
前記第1アーチの上面は概ね足のアーチに沿うように、上方に向って凸の第3曲面を有する靴底。
【請求項18】
請求項2において、
前記第2アーチの下面は、上方に向って凹んだ凹面を形成する第4曲面を有する靴底。
【請求項19】
足を支える表面と底面とを有し、該底面が中足アーチ部と残りの部分とを含むミッドソールと、
接地面と上面とを有し、前記ミッドソールの底面の前記残りの部分に付着され、当該残りの部分と同一の広がりを有するアウターソールと、
前記中足アーチ部において前記ミッドソールの底面に形成され、下方に向って凹の底面を有する第1アーチと、
前記中足アーチ部のための強化部材とを備え、
前記強化部材は、前記第1アーチの底面に向って上方に向って凸の上面を有する第2強化アーチを備え、前記第1および第2アーチは互いに並んで配置され、
そのような上面および底面の一部は互いに離間した関係にあり、そのような一部は靴底に荷重を負荷した場合に互いに独立して変形し、
ここにおいて、前記第2強化アーチは前記第1アーチよりも大きなヤング率を有し、前記第1アーチの下面には前記第1アーチのヤング率よりもヤング率の大きい部材が実質的に付着されていない靴底。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足を支える表面と底面とを有し、該底面が中足アーチ部と残りの部分とを含むミッドソールと、
接地面と上面とを有し、前記ミッドソールの底面の前記残りの部分に付着され、当該残りの部分と同一の広がりを有するアウターソールと、
前記中足アーチ部において前記ミッドソールの底面に形成され、下方に向って凹の底面を有する第1アーチと、
前記中足アーチ部のための強化部材とを備え、
前記強化部材は、前記第1アーチの底面に向って上方に向って凸の上面を有する第2アーチを備え、前記第1および第2アーチは互いに並んで配置され、
そのような上面および底面の一部は互いに離間した関係にあり、そのような一部は靴底に荷重を負荷した場合に互いに独立して変形し、
ここにおいて、前記第2アーチは前記第1アーチよりも大きなヤング率を有し、前記第1アーチの下面には前記第1アーチのヤング率よりもヤング率の大きい部材が実質的に付着されていない靴底。
【請求項2】
請求項において、前記強化部材は第1強化部材を構成しており、
前記第1強化部材とは別の第2強化部材が設けられ、
前記第2強化部材は前記第1強化部材の下方に配置されている靴底。
【請求項3】
請求項において、
前記第1アーチの下面と前記第2アーチの上面とによって領域が定義され、
前記領域に空洞が形成され
前記強化部材の周縁の全周が前記ミッドソールに接合されていることで前記領域が密閉されている靴底。
【請求項4】
請求項において、
前記第1アーチの下面と前記第2アーチの上面とによって領域が定義され、
前記領域には前記ミッドソールよりもヤング率が小さく、かつ、容積変化の可能な充填材が充填されている靴底。
【請求項5】
請求項において、
前記強化部材の周縁の全周が前記ミッドソールに接合されていることで前記領域が密閉されている靴底。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−136715(P2006−136715A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−309902(P2005−309902)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【分割の表示】特願2005−514753(P2005−514753)の分割
【原出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(000000310)株式会社アシックス (57)
【Fターム(参考)】