彫刻刀
【解決手段】ホルダの頭部5には、刃体6を取着しているとともに刃体6を囲うガード7を着脱可能に支持し、刃体6及びガード7を囲うキャップ8を着脱可能に支持している。ガード7を収容したキャップ8をホルダの頭部5に対し着脱させるだけで、ガード7に触れずにガード7をホルダの頭部5に対し着脱させることができる。また、ガード7をホルダに対し挿脱させる挿脱方向Xと係止させる周方向とが互いに交差して異なっているため、ガード7に対し挿脱方向Xの力が加わっても、ホルダに対するガード7の係止が解除されにくくなる。
【効果】彫刻刀を把持した際にガード7の開放部29で使用者の指が刃先部6aに不用意に触れることを防止したり、ホルダからガード7が不用意に抜け落ちることを防止したりして、彫刻刀の使用時に安全性を高めて使い勝手を良くすることができる。
【効果】彫刻刀を把持した際にガード7の開放部29で使用者の指が刃先部6aに不用意に触れることを防止したり、ホルダからガード7が不用意に抜け落ちることを防止したりして、彫刻刀の使用時に安全性を高めて使い勝手を良くすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の指や刃体の刃先部を保護するガードを有する彫刻刀に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1にかかる彫刻刀においては、ホルダに取着された刃体の周囲を囲うループ状のガードがホルダに対し刃体の延設方向に沿って着脱可能に設けられ、このガードの表裏両側に設けられた開放部で刃体の刃先部が露出している。
【特許文献1】特許第3540719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1では、彫刻刀を把持して保管したり持ち運んだり使用したりする際に使用者の指がガードに触れると、ガードの両開放部で使用者の指が刃先部にも不用意に触れるおそれがあり、使い勝手が悪くなる。また、ガードに対し一方向(刃体の延設方向)の力が加わるだけで、ガードがホルダから不用意に抜け落ちるおそれがあり、使い勝手が悪くなる。
【0004】
この発明は、ガードの開放部で使用者の指が刃先部に不用意に触れることを防止したり、ホルダからガードが不用意に抜け落ちることを防止したりして、彫刻刀の使用時に安全性を高めて使い勝手を良くすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
後記実施形態の図面(図1〜8に示す第1実施形態、図9〜11に示す第2実施形態、図12〜17に示す第3実施形態)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかる彫刻刀は、下記のように構成されている。
【0006】
この彫刻刀2においては、ホルダ4の頭部5に刃体6を取着してその頭部5から刃体6を延設している。このホルダ4の頭部5には刃体6の先端側に設けた刃先部6aを挟むようにその刃先部6aの両側に壁部28を配置したガード7を備えている。この両壁部28間を結ぶ方向Yとこの刃体6の延設方向Xとに対し直交する方向Zの両側のうち少なくとも一方の側で刃先部6aが露出する開放部29をこのガード7に設けている。このガード7の開放部29を塞ぐ被冠状態M8と開放する開放状態L8とを取り得るキャップ8を備えている。
【0007】
請求項1の発明では、ガード7とキャップ8との二重構造により、刃体6の刃先部6aが露出するガード7の開放部29をキャップ8により塞ぐことができるので、彫刻刀2を把持して保管したり持ち運んだりする際にガード7の開放部29で使用者の指が刃先部6aに不用意に触れることを防止でき、安全性が高くなって使い勝手が良くなる。
【0008】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記キャップ8は、前記開放状態L8でガード7及びホルダ4に対し分離され、前記被冠状態M8でガード7またはホルダ4に対し支持されるように、基本着脱動作軌跡を取り得る。請求項2の発明では、キャップ8が開放状態L8でガード7及びホルダ4に対し分離されるので、使用時にキャップ8が邪魔にならず、使い勝手が良くなる。
【0009】
請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記ガード7は前記ホルダ4に対し分離された離脱状態P7と支持された取着状態R7とを取り、前記キャップ8を前記ガード7に被せた被冠状態M8でこのガード7をキャップ8とともに前記取着状態R7と離脱状態P7とのうち少なくとも一方の状態から他方の状態へ一体的に移動させるように、このキャップ8はガード着脱動作軌跡を取り得る。請求項3の発明では、ガード7の有無を使い分けることができるとともに、キャップ8の着脱時にガード7も着脱することができ、使い勝手が良くなる。
【0010】
請求項3の発明を前提とする請求項4の発明において、前記キャップ8の基本着脱動作軌跡とガード着脱動作軌跡とが互いに異なる。請求項4の発明では、キャップ8の着脱動作の違いによりガード7の着脱の有無を区別することができ、使い勝手が良くなる。
【0011】
請求項3または請求項4の発明を前提とする請求項5の発明において、前記キャップ8のガード着脱動作軌跡でガード7をキャップ8とともに一体的に移動させる係合部32,38、31,39、34c,48を設けた。請求項5の発明では、キャップ8の着脱に伴うガード7の着脱を円滑に行うことができる。
【0012】
請求項5の発明を前提とする請求項6の発明において、前記キャップ8のガード着脱動作軌跡は、ガード7をホルダ4に対し挿脱させる挿脱方向Xと、この挿脱方向Xに対し交差してガード7をホルダ4に対し係止させる係脱方向Sとを有している。請求項6の発明では、挿脱方向Xと係脱方向Sとを互いに交差させているため、キャップ8に対し挿脱方向Xの力が加わっても、ホルダ4に対するガード7の係止が解除されにくくなって使い勝手が良くなる。
【0013】
請求項2から請求項6のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項7の発明(第3実施形態のみに対応)において、キャップ8を前記被冠状態M8にした際にガード7及びホルダ4の頭部5に対するキャップ8の相対位置を一定にするように、前記キャップ8の基本着脱動作軌跡を限定する規制部32,38、46,47を設けている。請求項7の発明では、キャップ8をガード7及びホルダ4の頭部5に対し円滑に被せることができる。
【0014】
請求項8の発明にかかる彫刻刀は、下記のように構成されている。
この彫刻刀2においては、ホルダ4の頭部5に刃体6を取着してその頭部5から刃体6を延設している。このホルダ4の頭部5には刃体6の先端側に設けた刃先部6aを挟むようにその刃先部6aの両側に壁部28を配置したガード7を備えている。この両壁部28間を結ぶ方向Yとこの刃体6の延設方向Xとに対し直交する方向Zの両側のうち少なくとも一方の側で刃先部6aが露出する開放部29をこのガード7に設けている。このガード7は、前記ホルダ4に対し分離された離脱状態P7と支持された取着状態R7との間で移動するようにガード移動軌跡を取る。このガード移動軌跡は、ガード7をホルダ4に対し挿脱させる挿脱方向Xと、この挿脱方向Xに対し交差してガード7をホルダ4に対し係止させる係脱方向Sとを有している。
【0015】
請求項8の発明では、挿脱方向Xと係脱方向Sとを互いに交差させているため、ガード7に対し挿脱方向Xの力が加わっても、ホルダ4に対するガード7の係止が解除されにくくなり、安全性が高くなって使い勝手が良くなる。
【0016】
請求項8の発明を前提とする請求項9の発明にかかるガード移動軌跡において係脱方向は挿脱方向Xの周りの周方向Sである。請求項9の発明では、ホルダ4に対するガード7の着脱を容易に行うことができる。
【0017】
請求項8または請求項9の発明を前提とする請求項10の発明においては、前記取着状態R7で前記ホルダ4に対する前記ガード7の離脱を阻止する係止部21,35,34a,34bを設けた。請求項10の発明では、係止部21,35,34a,34bによりガード7をホルダ4の頭部5に保持することができる。
【0018】
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項2の発明を前提とする第11の発明において、前記ガード7は前記ホルダ4に対し分離された離脱状態P7と支持された取着状態R7とを取り得る。第11の発明では、ガード7の有無を使い分けることができ、使い勝手が良くなる。
【0019】
請求項3から請求項5のうちいずれかの請求項の発明、または第11の発明を前提とする第12の発明において、前記ガード7は基端筒部26から延設された一対の腕部28を有し、前記壁部はこの腕部28に形成され、前記ホルダ4の頭部5に形成されて前記刃体6が取着された支持部13の外周に対しこのガード7はその基端筒部26の内周で着脱可能に挿嵌されて前記離脱状態P7と取着状態R7とを取り得る。第12の発明では、支持部13に対する基端筒部26の挿嵌構造を簡単にすることができる。
【0020】
第12の発明を前提とする第13の発明において、前記取着状態R7で前記ホルダ4の頭部5の支持部13に対する前記ガード7の基端筒部26の離脱を阻止する係止部21,35,34a,34bを設けた。第13の発明では、係止部21,35,34a,34bによりガード7をホルダ4の頭部5に保持することができる。
【0021】
第13の発明を前提とする第14の発明において、前記係止部は複数組設けられ、ホルダ4の頭部5の支持部13に設けた各係止部21のうち特定の一つの係止部21と、ガード7の基端筒部26に設けた各係止部35,34a,34bのうち特定の一つの係止部35,34a,34bとのみが一組の係止部として互いに係止される。第14の発明では、ホルダ4の頭部5に対しガード7を常に一定の取着状態R7にすることができる。
【0022】
第13の発明または第14の発明を前提とする第15の発明において、前記係止部は、支持部13の外周に形成した係止凸部21と、基端筒部26の内周に形成した係止凸部35と、これらの係止凸部21,35を互いに係止させる取着状態R7と互いに係止解除させる離脱状態P7との間でこれらの係止凸部21,35を支持部13の外周及び基端筒部26の内周に沿って案内する案内部34a,34bとを有している。第15の発明では、ホルダ4の頭部5に対するガード7の着脱を円滑に行うことができる。
【0023】
第15の発明を前提とする第16の発明において、前記案内部は、支持部13に対し基端筒部26を挿脱させるように挿脱方向Xへ延びる案内路34aと、支持部13の係止凸部21に対し基端筒部26の係止凸部35を係脱させるように周方向Sへ延びる案内路34bとを互いに連続させたものである。第16の発明では、ホルダ4の頭部5に対するガード7の着脱を容易に行うことができる。
【0024】
第16の発明を前提とする第17の発明において、前記支持部13に対する前記基端筒部26の位置を示す目印18,19a,19b,36を設けた。第17の発明では、ホルダ4の頭部5に対するガード7の着脱を容易に行うことができる。
【0025】
第17の発明を前提とする第18の発明において、前記目印は、前記基端筒部26に形成した突起36と、前記支持部13に周方向Sの案内路34bに沿って形成した凹部18とを有し、この支持部13に対する基端筒部26の挿嵌時にこの凹部18に挿入された突起36がこの凹部18における周方向Sの両端部間で基端筒部26とともに移動する。第18の発明では、目印を簡単な構造にすることができる。
【0026】
請求項6の発明を前提とする第19の発明(第3実施形態のみに対応)において、前記ガード7に係合凹部34cを設けるとともに、前記キャップ8に弾性係合凸部48aを設け、前記挿脱方向Xのガード着脱動作軌跡で、この弾性係合凸部48aがこの係合凹部34cに対し係合されて、ガード7をキャップ8とともに一体的に移動させる係合部として機能する。第19の発明では、キャップ8のガード着脱動作軌跡で、キャップ8をガード7とともに円滑に移動させることができる。
【0027】
請求項6の発明または第19の発明を前提とする第20の発明(第3実施形態のみに対応)において、前記ホルダ4の頭部5にストッパ46を設けるとともに、前記キャップ8にストッパ47を設け、前記係脱方向Sのガード着脱動作軌跡で、これらのストッパ46,47が互いに当接して、ホルダ4の頭部5に対するキャップ8の移動範囲を規制する。第20の発明では、キャップ8のガード着脱動作軌跡で、キャップ8をガード7とともに円滑に移動させることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、彫刻刀2を把持して保管したり持ち運んだり使用したりする際にガード7の開放部29で使用者の指が刃先部6aに不用意に触れることを防止したり、ホルダ4からガード7が不用意に抜け落ちることを防止したりして、彫刻刀2の使用時に安全性を高めて彫刻刀2の使い勝手を良くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
まず、本発明の第1実施形態にかかる彫刻刀について図1〜8を参照して説明する。
図1に示すケース1内には5本の彫刻刀2,3が収容されている。このケース1は図示しない布袋に収容される。図1及び図2(a)(b)(c)(d)に示す彫刻刀2においては、正面側から見て棒状のホルダ4が屈曲して形成され、そのホルダ4の頭部5の端部に刃体6(大丸刃、小丸刃、三角刃、平刃)が取着されてその頭部5の端部から刃体6が前方へ延設されているとともに、その頭部5の端部にガード7とキャップ8とを備えている。この棒状ホルダ4は平面側及び底面側から見て直線状に形成されている。図2(e)に示す彫刻刀3においては、棒状のホルダ9が平面側及び底面側ばかりでなく正面側から見ても直線状に形成され、そのホルダ9の頭部10の端部に刃体11(切出し刃)が取着されてその頭部10の端部から刃体11が前方へ延設されているが、上記ガード7とキャップ8とのうちガード7を備えていない。なお、刃体11(切出し刃)についてはその使用時の把持状態からして直線状のホルダ9に取着することが好ましい。
【0030】
図3(a)(b)(c)に示すように、前記彫刻刀2において、ホルダ4の頭部5の端部にはキャップ支持部12とガード支持部13とが前後方向Xへ並設され、このガード支持部13がこのキャップ支持部12の前側で段差部14を介して形成されている。このキャップ支持部12において円形状の外周面15には、この段差部14に隣接する前側外周面15aと、この前側外周面15aに対し段差部16を介して隣接する後側外周面15bとが形成されている。上下方向Zの両側にある二箇所の前側外周面15aのうち上側の前側外周面15aには周方向Sへ延びる目印凹部18が段差部14に開放されるように形成されているとともに、この前側外周面15aには周方向Sへ延びる係止溝17がこの目印凹部18に連通するように形成されている。この後側外周面15bには目印としてのガード離脱位置マーク19aとガード取着位置マーク19bとがこの目印凹部18に隣接して周方向Sへ並ぶように形成されている。また、このガード支持部13において、円形状の外周面20には上下方向Zの両側で係止凸部21が周方向Sへ180度間隔で形成されている。
【0031】
図3(d)(e)(f)に示すように、前記彫刻刀3において、ホルダ9の頭部10の端部にはキャップ支持部22のみが形成されている。このキャップ支持部22において円形状の外周面23には、前側外周面23aと、この前側外周面23aに対し段差部24を介して隣接する後側外周面23bとが形成されている。この前側外周面23aには周方向Sへ延びる係止溝25が形成されている。
【0032】
図4に示すように、前記ガード7においては、基端筒部26から前方へ環状部27が延設されている。この環状部27においては、左右方向Yの両側で壁部としての一対の腕部28が延設され、上下方向Zの両側で開放部29が形成されている。この基端筒部26において、円形状の外周面30には四個の小突起31が周方向Sへ90度間隔で形成され、この各小突起31間における四箇所の外周面30のうち左右方向Yの両側にある二箇所の外周面30には前後方向Xへ延びる突条32が周方向Sへ180度間隔で形成されている。この左右両突条32は左右方向Yの突出寸法が基端筒部26の口端縁26a側ほど大きくなるように傾斜している。この基端筒部26において、円形状の内周面33には上下方向Zの両側で口端縁26aから前後方向Xへ延びる案内路としての案内口部34aが形成されているとともに、その案内口部34aから周方向Sへ延びる案内路34bが形成され、この案内路34bと口端縁26aとの間で係止凸部としての係止壁部35が周方向Sへ180度間隔で形成されている。この基端筒部26には透孔34cが外周面30と内周面33の案内路34bとの間で貫設されている。この基端筒部26の口端縁26aの上側には目印突起36が形成されている。このガード7はプラスチック等により透明または半透明に成形されている。なお、前記環状部27で両腕部28の先端部は互いに分離されていてもよい。
【0033】
図5に示すように、前記キャップ8は有底筒状をなし、そのキャップ8において円形状の内周面37には口端縁8aから前後方向Xへ延びる四個の溝38が周方向Sへ90度間隔で形成され、この各溝38間で内周面37には小突起39が口端縁8aに隣接して形成されている。この各溝38の口部38aは口端縁8aで外側へ広がっている。このキャップ8の外周には各溝38に合わせて指掛け突条40が形成されている。このキャップ8はプラスチック等により透明に成形されている。
【0034】
図6(a)に示す前記彫刻刀2においては、図4に示すガード7が図3に示すホルダ4から分離された離脱状態P7にある。図6(b)に示すように、ガード7の基端筒部26内にその口端縁26aからホルダ4のガード支持部13を挿入して基端筒部26の内周面33にガード支持部13の外周面20を挿嵌するとともに、ガード7の目印突起36を目印凹部18に対しガード離脱位置マーク19aに向けて前後方向X(挿脱方向)へ挿入してこの基端筒部26の口端縁26aを段差部14に当接させると、図6(c)に示すようにガード支持部13の係止部としての係止凸部21が基端筒部26の案内部としての案内口部34aに係入され、ガード7がホルダ4に対し挿嵌される途中状態Q7となる。次に、図6(d)に示すように、ガード7の目印突起36が目印凹部18でガード離脱位置マーク19aからガード取着位置マーク19bに向くようにガード7をガード支持部13に対し挿脱方向Xの周りの周方向S(挿脱方向Xに対し交差する係脱方向)へ回動させると、図6(e)に示すようにガード支持部13の係止凸部21が基端筒部26の案内部としての案内路34bに係入されて基端筒部26の係止部としての係止壁部35に対し係止され、図6(d)(f)に示すようにガード7がホルダ4に取着された取着状態R7となって前後方向Xへのガード7の移動が規制される。その場合、この係止凸部21を透孔34cから視認することができる。前記ガード7の途中状態Q7で、上下両係止凸部21のうち上側の係止凸部21が上下両案内口部34aのうち上側の案内口部34aに係入されるとともに、上下両係止凸部21のうち下側の係止凸部21が上下両案内口部34aのうち下側の案内口部34aに係入され、上側の係止凸部21が下側の案内口部34aに係入されたり下側の係止凸部21が上側の案内口部34aに係入されたりすることはなくなり、ホルダ4の頭部5に対しガード7を常に一定の取着状態R7にすることができる。この取着状態R7では、刃体6の先端側に設けられた刃先部6aをガード7の左右両腕部28が挟むように配置され、この刃先部6aが上下両開放部29に露出するとともに下側開放部29から前方へ若干突出している。逆に、この取着状態R7からガード7をガード支持部13に対しガード取着位置マーク19bからガード離脱位置マーク19aに向くように周方向Sへ回動させた後に前後方向Xへ抜くと、ガード7が前記途中状態Q7を経て離脱状態P7となる。このようにしてガード7は離脱状態P7と取着状態R7との間で途中状態Q7を経てガード移動軌跡を取る。
【0035】
図7(a)に示す前記彫刻刀2においては、ガード7がホルダ4に取着された取着状態R7で図5に示すキャップ8がガード7及びホルダ4から分離された開放状態L8にある。図7(b)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからガード7の環状部27を挿入してキャップ8の内周面37にガード7の基端筒部26の外周面30を挿嵌するとともに、キャップ8の両溝38に口部38aから基端筒部26の両突条32を係入してキャップ8をガード7に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の口端縁8aが前記キャップ支持部12の段差部16に当接するとともに、図7(c)に示すようにキャップ8の各小突起39が前記キャップ支持部12の係止溝17に掛止部(係合部)として係止され、キャップ8がガード7及びホルダ4の頭部5に支持されてその両開放部29を塞ぐ被冠状態M8となる。この被冠状態M8では、キャップ8の両溝38に基端筒部26の両突条32が掛止部(係合部)として係入されているため、キャップ8とガード7とを周方向Sへ一体的に回動させることができる。逆に、この被冠状態M8からキャップ8を前後方向Xへ移動させてガード7から抜くと、キャップ8が開放状態L8となる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で基本着脱動作軌跡を取る。
【0036】
次に、図7(d)に示すように、ガード7の目印突起36が目印凹部18でガード取着位置マーク19bからガード離脱位置マーク19aに向くようにキャップ8をガード7とともにガード支持部13に対し周方向Sへ回動させると、図6(c)に示すようにガード支持部13の係止凸部21が基端筒部26の案内口部34aに移動し、キャップ8はガード7がホルダ4に対し離脱される途中状態N8となる。その後、キャップ8をガード支持部13に対し前後方向Xへ移動させると、ガード7の両突条32(係合部)とキャップ8の両溝38(係合部)との圧接により、ガード7もキャップ8とともにガード支持部13に対し前後方向Xへ移動し、ガード支持部13の係止凸部21がガード7の案内口部34aから抜け、図7(e)(f)に示すようにキャップ8が開放状態L8になるとともに、キャップ8内で係止されて収容されているガード7が離脱状態P7となる。逆に、この離脱状態P7からガード7をキャップ8とともにガード支持部13に対し前後方向Xへ挿入すると、キャップ8はガード7がホルダ4に対し挿入される途中状態N8となる。その後、キャップ8をガード7とともに周方向Sへ回動させると、ガード7が前記途中状態Q7を経て取着状態R7となる。その取着状態R7では、前後方向Xへのガード7の移動が規制されるため、被冠状態M8にあるキャップ8のみを抜いて開放状態L8にすることができる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で途中状態N8を経てガード着脱動作軌跡を取り、このガード着脱動作軌跡はガード7のガード移動軌跡に沿う。
【0037】
図8(a)に示す前記彫刻刀2においては、ガード7が離脱状態P7にあるホルダ4からキャップ8が分離された開放状態L8にある。図8(b)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからホルダ4のキャップ支持部12を挿入してキャップ8の内周面37にキャップ支持部12の前側外周面15aを挿嵌し、キャップ8をホルダ4に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の口端縁8aが前記キャップ支持部12の段差部16に当接するとともに、図8(c)に示すようにキャップ8の各小突起39が前記キャップ支持部12の係止溝17に掛止部(係合部)として係止され、キャップ8がホルダ4の頭部5に支持された被冠状態M8となる。また、図8(d)に示す前記彫刻刀3においても、ホルダ9からキャップ8が分離された開放状態L8にある。図8(e)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからホルダ9のキャップ支持部22を挿入してキャップ8の内周面37にキャップ支持部22の前側外周面23aを挿嵌し、キャップ8をホルダ9に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の口端縁8aが前記キャップ支持部22の段差部24に当接するとともに、図8(f)に示すようにキャップ8の各小突起39が前記キャップ支持部22の係止溝25に掛止部(係合部)として係止され、キャップ8がホルダ9の頭部10に支持された被冠状態M8となる。逆に、この被冠状態M8からキャップ8をキャップ支持部12,22に対し前後方向Xへ抜くと、キャップ8が開放状態L8となる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で基本着脱動作軌跡を取る。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態にかかる彫刻刀について第1実施形態との相違点を中心に図9〜11を参照して説明する。
図9(a)(b)(c)に示すように、前記彫刻刀2において、ホルダ4の頭部5の端部にはキャップ支持部12とガード支持部13とが前後方向Xへ並設され、このガード支持部13がこのキャップ支持部12の前側で段差部14を介して形成されている。このキャップ支持部12において、円形状の外周面15には四個の小突起41が周方向Sへ90度間隔で形成され、この各小突起41間における四箇所の外周面15のうち左右方向Yの両側にある二箇所の外周面15には前後方向Xへ延びる小突条42が周方向Sへ180度間隔で形成されているとともに、上下方向Zの両側にある二箇所の外周面15のうち上側の外周面15には周方向Sへ延びる目印凹部18が段差部14に開放されるように形成されている。この上側外周面15には目印としてのガード離脱位置マーク19aとガード取着位置マーク19bとがこの目印凹部18に隣接して周方向Sへ並ぶように形成されている。また、このガード支持部13において、円形状の外周面20には上下方向Zの両側で係止凸部21が周方向Sへ180度間隔で形成されている。
【0039】
図9(d)(e)(f)に示すように、前記彫刻刀3において、ホルダ9の頭部10の端部にはキャップ支持部22のみが形成されている。このキャップ支持部22において、円形状の外周面23には四個の小突起43が周方向Sへ90度間隔で形成され、この各小突起43間における四箇所の外周面23のうち左右方向Yの両側にある二箇所の外周面23には前後方向Xへ延びる小突条44が周方向Sへ180度間隔で形成されている。
【0040】
図10(a)に示す前記彫刻刀2においては、ガード7がホルダ4に取着された取着状態R7で図5に示すキャップ8がガード7及びホルダ4から分離された開放状態L8にある。図10(b)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからガード7の環状部27を挿入してキャップ8の内周面37にガード7の基端筒部26の外周面30を挿嵌するとともに、キャップ8の両溝38に口部38aから基端筒部26の両突条32を係入してキャップ8をガード7に対し前後方向Xへ移動させると、図10(c)に示すようにキャップ8の各小突起39が基端筒部26の各小突起31に掛止部(係合部)として係止され、キャップ8がガード7に支持されてその両開放部29を塞ぐ被冠状態M8となる。この被冠状態M8では、キャップ8の両溝38に基端筒部26の両突条32が掛止部(係合部)として係入されているため、キャップ8とガード7とを周方向Sへ一体的に回動させることができる。逆に、この被冠状態M8からキャップ8を前後方向Xへ移動させてガード7から抜くと、キャップ8が開放状態L8となる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で基本着脱動作軌跡を取る。その際、キャップ8の両溝38と基端筒部26の両突条32とについては前後方向Xの長さがほぼ同一に設定されているため、ホルダ4の頭部5のキャップ支持部12にはキャップ8が被冠されない。
【0041】
次に、図10(d)に示すように、ガード7の目印突起36が目印凹部18でガード取着位置マーク19bからガード離脱位置マーク19aに向くようにキャップ8をガード7とともにガード支持部13に対し周方向Sへ回動させると、ガード支持部13の係止凸部21が基端筒部26の案内口部34aに移動し、キャップ8はガード7がホルダ4に対し離脱される途中状態N8となる。その後、キャップ8をガード支持部13に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の各小突起39と基端筒部26の各小突起31との係止により、ガード7もキャップ8とともにガード支持部13に対し前後方向Xへ移動し、ガード支持部13の係止凸部21がガード7の案内口部34aから抜け、キャップ8が開放状態L8になるとともに、キャップ8内で係止されて収容されているガード7が離脱状態P7となる。逆に、この離脱状態P7からガード7をキャップ8とともにガード支持部13に対し前後方向Xへ挿入すると、キャップ8はガード7がホルダ4に対し挿入される途中状態N8となる。その後、キャップ8をガード7とともに周方向Sへ回動させると、ガード7が前記途中状態Q7を経て取着状態R7となる。その取着状態R7では、前後方向Xへのガード7の移動が規制されるため、被冠状態M8にあるキャップ8のみを抜いて開放状態L8にすることができる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で途中状態N8を経てガード着脱動作軌跡を取り、このガード着脱動作軌跡はガード7のガード移動軌跡に沿う。その際、キャップ8の両溝38と基端筒部26の両突条32とについては前後方向Xの長さがほぼ同一に設定されているため、ホルダ4の頭部5のキャップ支持部12にはキャップ8が被冠されない。
【0042】
図11(a)に示す前記彫刻刀2においては、ガード7が離脱状態P7にあるホルダ4からキャップ8が分離された開放状態L8にある。図11(b)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからホルダ4のキャップ支持部12を挿入してキャップ8の内周面37にキャップ支持部12の外周面15を挿嵌するとともに、キャップ8の両溝38に口部38aからキャップ支持部12の両小突条42を係入してキャップ8をホルダ4に対し前後方向Xへ移動させると、外周面15に形成された鍔部15cにキャップ8の口端縁8aが当接し、図11(c)に示すようにキャップ8の各小突起39がキャップ支持部12の各小突起41に係止され、キャップ8がホルダ4に支持された被冠状態M8となる。また、図11(d)に示す前記彫刻刀3においても、ホルダ9からキャップ8が分離された開放状態L8にある。図11(e)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからホルダ9のキャップ支持部22を挿入してキャップ8の内周面37にキャップ支持部22の外周面23を挿嵌するとともに、キャップ8の両溝38に口部38aからキャップ支持部22の両小突条44を係入してキャップ8をホルダ9に対し前後方向Xへ移動させると、外周面23に形成された鍔部23cにキャップ8の口端縁8aが当接し、図11(f)に示すようにキャップ8の各小突起39がキャップ支持部22の各小突起43に係止され、キャップ8がホルダ9に支持された被冠状態M8となる。逆に、この被冠状態M8からキャップ8をキャップ支持部12,22に対し前後方向Xへ抜くと、キャップ8が開放状態L8となる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で基本着脱動作軌跡を取る。
【0043】
次に、本発明の第3実施形態にかかる彫刻刀について図12〜17を参照して説明する。なお、図12、図13、図14、図15、図16及び図17は、それぞれ、第1実施形態における図3、図4、図5、図6、図7及び図8に対応する。
【0044】
図12(a)(b)(c)に示すように、前記彫刻刀2において、ホルダ4の頭部5の端部にはキャップ支持部12とガード支持部13とが前後方向Xへ並設され、このガード支持部13がこのキャップ支持部12の前側で段差部14を介して形成されている。このキャップ支持部12において円形状の外周面15の上側には、周方向Sへ延びる目印凹部18が段差部14に開放されるように形成されている。また、このガード支持部13において、円形状の外周面20には上下方向Zの両側で係止凸部21が周方向Sへ180度間隔で形成されている。図12(d)(e)(f)に示すように、前記彫刻刀3において、ホルダ9の頭部10の端部にはキャップ支持部22のみが形成されている。このキャップ支持部22において、外周面23の左右方向Yの両側には前後方向Xへ延びる小突条44が周方向Sへ180度間隔で形成されている。このキャップ支持部12及びキャップ支持部22において円形状の外周面15,23には、ホルダ4の頭部5,10との境界部分で、周方向Sの全体に掛止部(係合部)としての係止溝45が形成されているとともに、この係止溝45の上側で係止突部46(規制部またはストッパ)が形成されている。
【0045】
図13に示すように、前記ガード7においては、基端筒部26から前方へ環状部27が延設されている。この環状部27においては、左右方向Yの両側で壁部としての一対の腕部28が延設され、上下方向Zの両側で開放部29が形成されている。この基端筒部26において、円形状の外周面30には左右方向Yの両側で前後方向Xへ延びる突条32(規制部)が周方向Sへ180度間隔で形成されている。この基端筒部26において、円形状の内周面33には上下方向Zの両側で口端縁26aから前後方向Xへ延びる案内路としての案内口部34aが形成されているとともに、その案内口部34aから周方向Sへ延びる案内路34bが形成され、この案内路34bと口端縁26aとの間で係止凸部としての係止壁部35が周方向Sへ180度間隔で形成されている。この基端筒部26には透孔34c(係合部または係合凹部)が外周面30と内周面33の案内路34bとの間で貫設されている。この基端筒部26の口端縁26aの上側には目印突起36が形成されている。このガード7はプラスチック等により透明または半透明に成形されている。なお、前記環状部27で両腕部28の先端部は互いに分離されていてもよい。
【0046】
図14に示すように、前記キャップ8は有底筒状をなし、そのキャップ8において円形状の内周面37には口端縁8aから前後方向Xへ延びる二個の溝38(規制部または係合部)が周方向Sへ180度間隔で形成されているとともに、三個の小突起39(係合部)が口端縁8aに隣接して周方向Sへ120度間隔で形成されている。このキャップ8の外周には各溝38に合わせて指掛け突条40が形成されている。このキャップ8の口端縁8aの上側には係止凹部47(規制部またはストッパ)が形成されている。このキャップ8の内周面37には上下方向Zの両側のうち下側のみに片持ち梁状の係止舌片部48(係合部)が上下方向Zの弾性を有するようにスリット49により形成され、この係止舌片部48の内側には係止突起48a(弾性係合凸部)が形成されている。このキャップ8はプラスチック等により透明に成形されている。なお、このキャップ8の内周面37で上下方向Zの両側または周方向複数個所に片持ち梁状の係止舌片部48を形成したり、片持ち梁状の係止舌片部48に代えて両持ち梁状の係止舌片部48を形成してもよい。
【0047】
図15(a)に示す前記彫刻刀2においては、図13に示すガード7が図12に示すホルダ4から分離された離脱状態P7にある。図15(b)に示すように、ガード7の基端筒部26内にその口端縁26aからホルダ4のガード支持部13を挿入して基端筒部26の内周面33にガード支持部13の外周面20を挿嵌するとともに、ガード7の目印突起36を目印凹部18に対し挿脱方向Xへ挿入してこの基端筒部26の口端縁26aを段差部14に当接させると、図15(c)に示すようにガード支持部13の係止部としての係止凸部21が基端筒部26の案内部としての案内口部34aに係入され、ガード7がホルダ4に対し挿嵌される途中状態Q7となる。次に、図15(d)に示すように、ガード7をガード支持部13に対し挿脱方向Xの周りの周方向S(挿脱方向Xに対し交差する係脱方向)へ回動させると、ガード7の目印突起36が目印凹部18で移動しながら、図15(e)に示すようにガード支持部13の係止凸部21が基端筒部26の案内部としての案内路34bに係入されて基端筒部26の係止部としての係止壁部35に対し係止され、図15(d)(f)に示すようにガード7がホルダ4に取着された取着状態R7となって前後方向Xへのガード7の移動が規制される。その場合、この係止凸部21を透孔34cから視認することができる。前記ガード7の途中状態Q7で、上下両係止凸部21のうち上側の係止凸部21が上下両案内口部34aのうち上側の案内口部34aに係入されるとともに、上下両係止凸部21のうち下側の係止凸部21が上下両案内口部34aのうち下側の案内口部34aに係入され、上側の係止凸部21が下側の案内口部34aに係入されたり下側の係止凸部21が上側の案内口部34aに係入されたりすることはなくなり、ホルダ4の頭部5に対しガード7を常に一定の取着状態R7にすることができる。この取着状態R7では、刃体6の先端側に設けられた刃先部6aをガード7の左右両腕部28が挟むように配置され、この刃先部6aが上下両開放部29に露出するとともに下側開放部29から前方へ若干突出している。逆に、この取着状態R7からガード7をガード支持部13に対し周方向Sへ回動させた後に前後方向Xへ抜くと、ガード7が前記途中状態Q7を経て離脱状態P7となる。このようにしてガード7は離脱状態P7と取着状態R7との間で途中状態Q7を経てガード移動軌跡を取る。
【0048】
図16(a)に示す前記彫刻刀2においては、ガード7がホルダ4に取着された取着状態R7で図14に示すキャップ8がガード7及びホルダ4から分離された開放状態L8にある。図16(b)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからガード7の環状部27を挿入してキャップ8の内周面37にガード7の基端筒部26の外周面30を挿嵌するとともに、キャップ8の両溝38に口部38aから基端筒部26の両突条32を係入してキャップ8をガード7に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の口端縁8aが前記キャップ支持部12でホルダ4の頭部5に当接してこのキャップ支持部12の係止突部46がキャップ8の係止凹部47に係入されるとともに、図16(c)に示すようにキャップ8の各小突起39が前記キャップ支持部12の係止溝45に掛止部(係合部)として係止され、図16(d)に示すようにキャップ8の係止舌片部48の係止突起48aがガード7の下側の透孔34cに係入され、キャップ8がガード7及びホルダ4の頭部5に支持されてその両開放部29を塞ぐ被冠状態M8となる。この被冠状態M8では、キャップ8の両溝38に基端筒部26の両突条32が掛止部(係合部)として係入されているため、キャップ8とガード7とを周方向Sへ一体的に回動させることができる。逆に、この被冠状態M8からキャップ8を前後方向Xへ移動させてガード7から抜くと、キャップ8が開放状態L8となる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で基本着脱動作軌跡を取る。
【0049】
次に、図16(e)に示すように、キャップ8をガード7とともにガード支持部13に対し周方向Sへ回動させると、ガード7の目印突起36が目印凹部18で移動するとともにキャップ支持部12の係止突部46がキャップ8の係止凹部47に対して移動しながら、図15(c)に示すようにガード支持部13の係止凸部21が基端筒部26の案内口部34aに移動し、キャップ8はガード7がホルダ4に対し離脱される途中状態N8となる。その後、キャップ8をガード支持部13に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の係止舌片部48の係止突起48aとガード7の下側の透孔34cとの係合により、ガード7もキャップ8とともにガード支持部13に対し前後方向Xへ移動し、ガード支持部13の係止凸部21がガード7の案内口部34aから抜け、図16(f)(g)(h)に示すようにキャップ8が開放状態L8になるとともに、キャップ8内で係止されて収容されているガード7が離脱状態P7となる。このキャップ8の下側には膨出部8bが形成され、このキャップ8内に収容された刃体6の刃先部6aがこの膨出部8b内の空間によりキャップ8の内面に当らないようになっている。また、このキャップ8の内側はこのガード7の外形に沿うように形成され、ガード7はキャップ8に対し一通りの嵌り方しかできない。逆に、この離脱状態P7からガード7をキャップ8とともにガード支持部13に対し前後方向Xへ挿入すると、キャップ8はガード7がホルダ4に対し挿入される途中状態N8となる。その後、キャップ8をガード7とともに周方向Sへ回動させると、ガード7が前記途中状態Q7を経て取着状態R7となる。その取着状態R7では、前後方向Xへのガード7の移動が規制されるため、被冠状態M8にあるキャップ8のみを抜いて開放状態L8にすることができる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で途中状態N8を経てガード着脱動作軌跡を取り、このガード着脱動作軌跡はガード7のガード移動軌跡に沿う。
【0050】
図17(a)に示す前記彫刻刀2においては、ガード7が離脱状態P7にあるホルダ4からキャップ8が分離された開放状態L8にある。図17(b)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからホルダ4のキャップ支持部12を挿入してキャップ8の内周面37にキャップ支持部12の外周面15を挿嵌し、キャップ8をホルダ4に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の口端縁8aが前記キャップ支持部12でホルダ4の頭部5に当接してこのキャップ支持部12の係止突部46がキャップ8の係止凹部47に係入されるとともに、図17(c)に示すようにキャップ8の各小突起39が前記キャップ支持部12の係止溝45に掛止部(係合部)として係止され、キャップ8がホルダ4の頭部5に支持された被冠状態M8となる。また、図17(d)に示す前記彫刻刀3においても、ホルダ9からキャップ8が分離された開放状態L8にある。図17(e)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからホルダ9のキャップ支持部22を挿入してキャップ8の内周面37にキャップ支持部22の外周面23を挿嵌するとともに、キャップ8の両溝38に口部38aからキャップ支持部22の両小突条44を係入してキャップ8をホルダ9に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の口端縁8aがキャップ支持部22でホルダ9の頭部10に当接してこのキャップ支持部22の係止突部46がキャップ8の係止凹部47に係入されるとともに、図17(f)に示すようにキャップ8の各小突起39が前記キャップ支持部12の係止溝45に掛止部(係合部)として係止され、キャップ8がホルダ9の頭部10に支持された被冠状態M8となる。逆に、この被冠状態M8からキャップ8をキャップ支持部12,22に対し前後方向Xへ抜くと、キャップ8が開放状態L8となる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で基本着脱動作軌跡を取る。
【0051】
前述したように、前記キャップ8の基本着脱動作軌跡でキャップ8をガード7やホルダ4,9の頭部5,10に被せて被冠状態M8にする際、ガード7やホルダ4,9の頭部5,10に対するキャップ8の相対位置が一定でないと、ガード7の両突条32とキャップ8の両溝38とが互いに合致しないとともに、ホルダ4,9の係止突部46とキャップ8の係止凹部47とが互いに合致しないため、キャップ8をガード7やホルダ4,9の頭部5,10に被せることができない。
【0052】
本実施形態は下記の効果を有する。
* 彫刻刀2において刃体6をガード7で囲う際に刃体6の刃先部6aを露出させるために必要なガード7の開放部29をさらにキャップ8により塞ぐことができる。従って、ガード7の開放部29で使用者の指が刃先部6aに不用意に触れることを防止でき、彫刻刀2の使用時に安全性を高めて使い勝手を良くすることができる。
【0053】
* ガード7を収容したキャップ8をホルダ4に対し着脱させるだけで、ガード7に触れずにガード7をホルダ4に対し着脱させることができる。従って、彫刻刀2の使用時に安全性を高めて使い勝手を良くすることができる。
【0054】
* キャップ8は互いに異なる基本着脱動作軌跡とガード着脱動作軌跡とを取るため、キャップ8の着脱動作の違いによりガード7の着脱の有無を区別することができる。
* ガード7をホルダ4に対し挿脱させる挿脱方向Xと係止させる周方向Sとが互いに交差して異なっているため、ガード7に対し挿脱方向Xの力が加わっても、ホルダ4に対するガード7の係止が解除されにくくなる。従って、彫刻刀2の使用時に安全性を高めて使い勝手を良くすることができる。
【0055】
* 前述したガード7に対するキャップ8の閉塞効果とホルダ4に対するガード7の係止解除防止効果とが相俟って、彫刻刀2の使用時により一層安全性を高めて使い勝手を良くすることができる。
【0056】
前記第1〜3実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ ガード7をホルダ4の頭部5に対し着脱できないように一体的に取着したり、ガード7をホルダ4の頭部5に対し一体に成形する。
【0057】
・ ガード7の上下両開放部29のうち、刃先部6aが突出する下側開放部29のみを設ける。
・ 前記実施形態ではキャップ8をガード7に被せた被冠状態M8でガード7をキャップ8により取着状態R7から離脱状態P7へ一体的に移動させることができるとともに離脱状態P7から取着状態R7へ一体的に移動させことができるが、そのいずれか一方のみを行えるようにしてもよい。
【0058】
・ 前記キャップ8にはガード7の上下両開放部29のうち少なくとも下側の開放部29を塞ぐ壁を設ければよく、その壁以外の部分は開放されていてもよい。なお、このキャップ8の壁には指が入らない程度の孔を形成してもよい。
【0059】
・ 第2実施形態ではキャップ8の各小突起39がガード7の基端筒部26の各小突起31に掛止部として係止されるが、この各小突起39に代えてこの各小突起31が係止される凹部を設けてもよい。
【0060】
・ 前記実施形態では、目印として、ガード7の基端筒部26に目印突起36を形成するとともにホルダ4のキャップ支持部12に目印凹部18とガード離脱位置マーク19aとガード取着位置マーク19bとを形成したが、逆にガード7の基端筒部26に目印凹部とガード離脱位置マークとガード取着位置マークとを形成するとともに、ホルダ4のキャップ支持部12に目印突起を形成してもよい。
【0061】
・ 前記キャップ8及びガード7をホルダ4から分離した際にホルダ4やケース1に保持できるようにしてもよい。
・ キャップをホルダに対し分離することなく被冠状態と開放状態との間で移動可能に支持してもよい。
【0062】
・ 図示しないが、ガード7を刃体6に沿って横向きにしたまま上下方向Z(挿脱方向)若しくは左右方向Y(挿脱方向)へ挿脱するとともに前後方向X(係脱方向)へ係脱する。または、ガード7を刃体6に対し交差させた状態で上下方向Z(挿脱方向)若しくは左右方向Y(挿脱方向)へ挿脱するとともに、ガード7をこの交差状態と横向き状態との間で係脱方向へ回動させて係脱する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1実施形態にかかる複数種類の彫刻刀をケースに収容した状態を示す平面図である。
【図2】(a)(b)(c)(d)(e)はそれぞれ第1実施形態にかかる各彫刻刀をケースから取り出してキャップを外した状態を示す平面図である。
【図3】(a)は図2(a)に示すガード付き彫刻刀においてホルダのみを示す部分平面図であり、(b)は同じく部分正面図であり、(c)は同じく側面図であり、(d)は図2(e)に示すガードなし彫刻刀においてホルダのみを示す部分平面図であり、(e)は同じく部分正面図であり、(f)は同じく側面図である。
【図4】(a)は図2(a)(b)(c)(d)に示すガード付き彫刻刀においてガードのみを示す斜視図であり、(b)は同じく正面図であり、(c)は同じく平面図であり、(d)は同じく底面図であり、(e)は同じく側面図であり、(f)は(b)のA1−A1線部分断面図であり、(g)は(b)のA2−A2線部分断面図である。
【図5】(a)は図1に示す各彫刻刀においてキャップのみを示す斜視図であり、(b)は同じく正面図であり、(c)は同じく側面図であり、(d)は(b)のB−B線断面図である。
【図6】(a)は図2(a)に示すガード付き彫刻刀においてホルダからガードを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくホルダに対しガードを着脱する途中状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は同じくホルダに対しガードを取着した状態を示す部分平面図であり、(e)は(d)を平面側から見た部分断面図であり、(f)は同じくホルダに対しガードを取着した状態を示す部分正面図である。
【図7】(a)は図2(a)に示すガード付き彫刻刀においてガードを取着したホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくガードを取着したホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は同じくガードを取着したホルダに対しキャップをガードとともに分離する途中状態を示す部分平面図であり、(e)は同じくホルダに対しキャップをガードとともに分離した状態を示す部分平面図であり、(f)は(e)のキャップを平面側から見た断面図である。
【図8】(a)は図2(a)に示すガード付き彫刻刀においてガードを分離したホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくガードを分離したホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は図2(e)に示すガードなし彫刻刀においてホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(e)は同じくホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(f)は(e)を平面側から見た部分断面図である。
【図9】(a)は第2実施形態にかかるガード付き彫刻刀においてホルダのみを示す部分平面図であり、(b)は同じく部分正面図であり、(c)は同じく側面図であり、(d)は第2実施形態にかかるガードなし彫刻刀においてホルダのみを示す部分平面図であり、(e)は同じく部分正面図であり、(f)は同じく側面図である。
【図10】(a)は第2実施形態にかかるガード付き彫刻刀においてガードを取着したホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくガードを取着したホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は同じくガードを取着したホルダに対しキャップをガードとともに分離する途中状態を示す部分平面図であり、(e)は同じくホルダに対しキャップをガードとともに分離した状態を示す部分平面図であり、(f)は(e)のキャップを平面側から見た断面図である。
【図11】(a)は第2実施形態にかかるガード付き彫刻刀においてガードを分離したホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくガードを分離したホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は第2実施形態にかかるガードなし彫刻刀においてホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(e)は同じくホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(f)は(e)を平面側から見た部分断面図である。
【図12】(a)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(a)に対応するガード付き彫刻刀においてホルダのみを示す部分平面図であり、(b)は同じく部分正面図であり、(c)は同じく側面図であり、(d)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(e)に対応するガードなし彫刻刀においてホルダのみを示す部分平面図であり、(e)は同じく部分正面図であり、(f)は同じく側面図である。
【図13】(a)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(a)(b)(c)(d)に対応するガード付き彫刻刀においてガードのみを示す斜視図であり、(b)は同じく正面図であり、(c)は同じく平面図であり、(d)は同じく底面図であり、(e)は同じく側面図であり、(f)は(b)のC1−C1線部分断面図であり、(g)は(b)のC2−C2線部分断面図である。
【図14】(a)は第3実施形態にかかる各彫刻刀においてキャップのみを示す斜視図であり、(b)は同じく底面図であり、(c)は同じく平面図であり、(d)は同じく平面側から見た断面図であり、(e)は(c)の側面図である。
【図15】(a)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(a)に対応するガード付き彫刻刀においてホルダからガードを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくホルダに対しガードを着脱する途中状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は同じくホルダに対しガードを取着した状態を示す部分平面図であり、(e)は(d)を平面側から見た部分断面図であり、(f)は同じくホルダに対しガードを取着した状態を示す部分正面図である。
【図16】(a)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(a)に対応するガード付き彫刻刀においてガードを取着したホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくガードを取着したホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は(b)を正面側から見た部分断面図であり、(e)は同じくガードを取着したホルダに対しキャップをガードとともに分離する途中状態を示す部分平面図であり、(f)は同じくホルダに対しキャップをガードとともに分離した状態を示す部分平面図であり、(g)は(f)のキャップを平面側から見た断面図であり、(h)は(f)のキャップを正面側から見た断面図である。
【図17】(a)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(a)に対応するガード付き彫刻刀においてガードを分離したホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくガードを分離したホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(e)に対応するガードなし彫刻刀においてホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(e)は同じくホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(f)は(e)を平面側から見た部分断面図である。
【符号の説明】
【0064】
2…彫刻刀、4…ホルダ、5…ホルダの頭部、6…刃体、6a…刃先部、7…ガード、8…キャップ、21…ホルダの頭部の係止部としての係止凸部、28…ガードの壁部としての腕部、29…開放部、31…ガードの掛止部(係合部)としての小突起、32…ガードの掛止部(係合部)やキャップに対する規制部としての突条、34a…ガードの係止部としての案内口部、34b…ガードの係止部としての案内路、34c…ガードの係合部としての透孔、35…ガードの係止部としての係止壁部、38…キャップの掛止部(係合部)やキャップの規制部としての溝、39…キャップの掛止部(係合部)としての小突起、46…キャップに対する規制部としての係止突部、47…キャップの規制部としての係止凹部、48…キャップの係合部としての係止舌片部、P7…ガードの離脱状態、R7…ガードの取着状態、M8…キャップの被冠状態、L8…キャップの開放状態、X…挿脱方向、S…係脱方向としての周方向。
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の指や刃体の刃先部を保護するガードを有する彫刻刀に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1にかかる彫刻刀においては、ホルダに取着された刃体の周囲を囲うループ状のガードがホルダに対し刃体の延設方向に沿って着脱可能に設けられ、このガードの表裏両側に設けられた開放部で刃体の刃先部が露出している。
【特許文献1】特許第3540719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1では、彫刻刀を把持して保管したり持ち運んだり使用したりする際に使用者の指がガードに触れると、ガードの両開放部で使用者の指が刃先部にも不用意に触れるおそれがあり、使い勝手が悪くなる。また、ガードに対し一方向(刃体の延設方向)の力が加わるだけで、ガードがホルダから不用意に抜け落ちるおそれがあり、使い勝手が悪くなる。
【0004】
この発明は、ガードの開放部で使用者の指が刃先部に不用意に触れることを防止したり、ホルダからガードが不用意に抜け落ちることを防止したりして、彫刻刀の使用時に安全性を高めて使い勝手を良くすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
後記実施形態の図面(図1〜8に示す第1実施形態、図9〜11に示す第2実施形態、図12〜17に示す第3実施形態)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかる彫刻刀は、下記のように構成されている。
【0006】
この彫刻刀2においては、ホルダ4の頭部5に刃体6を取着してその頭部5から刃体6を延設している。このホルダ4の頭部5には刃体6の先端側に設けた刃先部6aを挟むようにその刃先部6aの両側に壁部28を配置したガード7を備えている。この両壁部28間を結ぶ方向Yとこの刃体6の延設方向Xとに対し直交する方向Zの両側のうち少なくとも一方の側で刃先部6aが露出する開放部29をこのガード7に設けている。このガード7の開放部29を塞ぐ被冠状態M8と開放する開放状態L8とを取り得るキャップ8を備えている。
【0007】
請求項1の発明では、ガード7とキャップ8との二重構造により、刃体6の刃先部6aが露出するガード7の開放部29をキャップ8により塞ぐことができるので、彫刻刀2を把持して保管したり持ち運んだりする際にガード7の開放部29で使用者の指が刃先部6aに不用意に触れることを防止でき、安全性が高くなって使い勝手が良くなる。
【0008】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記キャップ8は、前記開放状態L8でガード7及びホルダ4に対し分離され、前記被冠状態M8でガード7またはホルダ4に対し支持されるように、基本着脱動作軌跡を取り得る。請求項2の発明では、キャップ8が開放状態L8でガード7及びホルダ4に対し分離されるので、使用時にキャップ8が邪魔にならず、使い勝手が良くなる。
【0009】
請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記ガード7は前記ホルダ4に対し分離された離脱状態P7と支持された取着状態R7とを取り、前記キャップ8を前記ガード7に被せた被冠状態M8でこのガード7をキャップ8とともに前記取着状態R7と離脱状態P7とのうち少なくとも一方の状態から他方の状態へ一体的に移動させるように、このキャップ8はガード着脱動作軌跡を取り得る。請求項3の発明では、ガード7の有無を使い分けることができるとともに、キャップ8の着脱時にガード7も着脱することができ、使い勝手が良くなる。
【0010】
請求項3の発明を前提とする請求項4の発明において、前記キャップ8の基本着脱動作軌跡とガード着脱動作軌跡とが互いに異なる。請求項4の発明では、キャップ8の着脱動作の違いによりガード7の着脱の有無を区別することができ、使い勝手が良くなる。
【0011】
請求項3または請求項4の発明を前提とする請求項5の発明において、前記キャップ8のガード着脱動作軌跡でガード7をキャップ8とともに一体的に移動させる係合部32,38、31,39、34c,48を設けた。請求項5の発明では、キャップ8の着脱に伴うガード7の着脱を円滑に行うことができる。
【0012】
請求項5の発明を前提とする請求項6の発明において、前記キャップ8のガード着脱動作軌跡は、ガード7をホルダ4に対し挿脱させる挿脱方向Xと、この挿脱方向Xに対し交差してガード7をホルダ4に対し係止させる係脱方向Sとを有している。請求項6の発明では、挿脱方向Xと係脱方向Sとを互いに交差させているため、キャップ8に対し挿脱方向Xの力が加わっても、ホルダ4に対するガード7の係止が解除されにくくなって使い勝手が良くなる。
【0013】
請求項2から請求項6のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項7の発明(第3実施形態のみに対応)において、キャップ8を前記被冠状態M8にした際にガード7及びホルダ4の頭部5に対するキャップ8の相対位置を一定にするように、前記キャップ8の基本着脱動作軌跡を限定する規制部32,38、46,47を設けている。請求項7の発明では、キャップ8をガード7及びホルダ4の頭部5に対し円滑に被せることができる。
【0014】
請求項8の発明にかかる彫刻刀は、下記のように構成されている。
この彫刻刀2においては、ホルダ4の頭部5に刃体6を取着してその頭部5から刃体6を延設している。このホルダ4の頭部5には刃体6の先端側に設けた刃先部6aを挟むようにその刃先部6aの両側に壁部28を配置したガード7を備えている。この両壁部28間を結ぶ方向Yとこの刃体6の延設方向Xとに対し直交する方向Zの両側のうち少なくとも一方の側で刃先部6aが露出する開放部29をこのガード7に設けている。このガード7は、前記ホルダ4に対し分離された離脱状態P7と支持された取着状態R7との間で移動するようにガード移動軌跡を取る。このガード移動軌跡は、ガード7をホルダ4に対し挿脱させる挿脱方向Xと、この挿脱方向Xに対し交差してガード7をホルダ4に対し係止させる係脱方向Sとを有している。
【0015】
請求項8の発明では、挿脱方向Xと係脱方向Sとを互いに交差させているため、ガード7に対し挿脱方向Xの力が加わっても、ホルダ4に対するガード7の係止が解除されにくくなり、安全性が高くなって使い勝手が良くなる。
【0016】
請求項8の発明を前提とする請求項9の発明にかかるガード移動軌跡において係脱方向は挿脱方向Xの周りの周方向Sである。請求項9の発明では、ホルダ4に対するガード7の着脱を容易に行うことができる。
【0017】
請求項8または請求項9の発明を前提とする請求項10の発明においては、前記取着状態R7で前記ホルダ4に対する前記ガード7の離脱を阻止する係止部21,35,34a,34bを設けた。請求項10の発明では、係止部21,35,34a,34bによりガード7をホルダ4の頭部5に保持することができる。
【0018】
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項2の発明を前提とする第11の発明において、前記ガード7は前記ホルダ4に対し分離された離脱状態P7と支持された取着状態R7とを取り得る。第11の発明では、ガード7の有無を使い分けることができ、使い勝手が良くなる。
【0019】
請求項3から請求項5のうちいずれかの請求項の発明、または第11の発明を前提とする第12の発明において、前記ガード7は基端筒部26から延設された一対の腕部28を有し、前記壁部はこの腕部28に形成され、前記ホルダ4の頭部5に形成されて前記刃体6が取着された支持部13の外周に対しこのガード7はその基端筒部26の内周で着脱可能に挿嵌されて前記離脱状態P7と取着状態R7とを取り得る。第12の発明では、支持部13に対する基端筒部26の挿嵌構造を簡単にすることができる。
【0020】
第12の発明を前提とする第13の発明において、前記取着状態R7で前記ホルダ4の頭部5の支持部13に対する前記ガード7の基端筒部26の離脱を阻止する係止部21,35,34a,34bを設けた。第13の発明では、係止部21,35,34a,34bによりガード7をホルダ4の頭部5に保持することができる。
【0021】
第13の発明を前提とする第14の発明において、前記係止部は複数組設けられ、ホルダ4の頭部5の支持部13に設けた各係止部21のうち特定の一つの係止部21と、ガード7の基端筒部26に設けた各係止部35,34a,34bのうち特定の一つの係止部35,34a,34bとのみが一組の係止部として互いに係止される。第14の発明では、ホルダ4の頭部5に対しガード7を常に一定の取着状態R7にすることができる。
【0022】
第13の発明または第14の発明を前提とする第15の発明において、前記係止部は、支持部13の外周に形成した係止凸部21と、基端筒部26の内周に形成した係止凸部35と、これらの係止凸部21,35を互いに係止させる取着状態R7と互いに係止解除させる離脱状態P7との間でこれらの係止凸部21,35を支持部13の外周及び基端筒部26の内周に沿って案内する案内部34a,34bとを有している。第15の発明では、ホルダ4の頭部5に対するガード7の着脱を円滑に行うことができる。
【0023】
第15の発明を前提とする第16の発明において、前記案内部は、支持部13に対し基端筒部26を挿脱させるように挿脱方向Xへ延びる案内路34aと、支持部13の係止凸部21に対し基端筒部26の係止凸部35を係脱させるように周方向Sへ延びる案内路34bとを互いに連続させたものである。第16の発明では、ホルダ4の頭部5に対するガード7の着脱を容易に行うことができる。
【0024】
第16の発明を前提とする第17の発明において、前記支持部13に対する前記基端筒部26の位置を示す目印18,19a,19b,36を設けた。第17の発明では、ホルダ4の頭部5に対するガード7の着脱を容易に行うことができる。
【0025】
第17の発明を前提とする第18の発明において、前記目印は、前記基端筒部26に形成した突起36と、前記支持部13に周方向Sの案内路34bに沿って形成した凹部18とを有し、この支持部13に対する基端筒部26の挿嵌時にこの凹部18に挿入された突起36がこの凹部18における周方向Sの両端部間で基端筒部26とともに移動する。第18の発明では、目印を簡単な構造にすることができる。
【0026】
請求項6の発明を前提とする第19の発明(第3実施形態のみに対応)において、前記ガード7に係合凹部34cを設けるとともに、前記キャップ8に弾性係合凸部48aを設け、前記挿脱方向Xのガード着脱動作軌跡で、この弾性係合凸部48aがこの係合凹部34cに対し係合されて、ガード7をキャップ8とともに一体的に移動させる係合部として機能する。第19の発明では、キャップ8のガード着脱動作軌跡で、キャップ8をガード7とともに円滑に移動させることができる。
【0027】
請求項6の発明または第19の発明を前提とする第20の発明(第3実施形態のみに対応)において、前記ホルダ4の頭部5にストッパ46を設けるとともに、前記キャップ8にストッパ47を設け、前記係脱方向Sのガード着脱動作軌跡で、これらのストッパ46,47が互いに当接して、ホルダ4の頭部5に対するキャップ8の移動範囲を規制する。第20の発明では、キャップ8のガード着脱動作軌跡で、キャップ8をガード7とともに円滑に移動させることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、彫刻刀2を把持して保管したり持ち運んだり使用したりする際にガード7の開放部29で使用者の指が刃先部6aに不用意に触れることを防止したり、ホルダ4からガード7が不用意に抜け落ちることを防止したりして、彫刻刀2の使用時に安全性を高めて彫刻刀2の使い勝手を良くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
まず、本発明の第1実施形態にかかる彫刻刀について図1〜8を参照して説明する。
図1に示すケース1内には5本の彫刻刀2,3が収容されている。このケース1は図示しない布袋に収容される。図1及び図2(a)(b)(c)(d)に示す彫刻刀2においては、正面側から見て棒状のホルダ4が屈曲して形成され、そのホルダ4の頭部5の端部に刃体6(大丸刃、小丸刃、三角刃、平刃)が取着されてその頭部5の端部から刃体6が前方へ延設されているとともに、その頭部5の端部にガード7とキャップ8とを備えている。この棒状ホルダ4は平面側及び底面側から見て直線状に形成されている。図2(e)に示す彫刻刀3においては、棒状のホルダ9が平面側及び底面側ばかりでなく正面側から見ても直線状に形成され、そのホルダ9の頭部10の端部に刃体11(切出し刃)が取着されてその頭部10の端部から刃体11が前方へ延設されているが、上記ガード7とキャップ8とのうちガード7を備えていない。なお、刃体11(切出し刃)についてはその使用時の把持状態からして直線状のホルダ9に取着することが好ましい。
【0030】
図3(a)(b)(c)に示すように、前記彫刻刀2において、ホルダ4の頭部5の端部にはキャップ支持部12とガード支持部13とが前後方向Xへ並設され、このガード支持部13がこのキャップ支持部12の前側で段差部14を介して形成されている。このキャップ支持部12において円形状の外周面15には、この段差部14に隣接する前側外周面15aと、この前側外周面15aに対し段差部16を介して隣接する後側外周面15bとが形成されている。上下方向Zの両側にある二箇所の前側外周面15aのうち上側の前側外周面15aには周方向Sへ延びる目印凹部18が段差部14に開放されるように形成されているとともに、この前側外周面15aには周方向Sへ延びる係止溝17がこの目印凹部18に連通するように形成されている。この後側外周面15bには目印としてのガード離脱位置マーク19aとガード取着位置マーク19bとがこの目印凹部18に隣接して周方向Sへ並ぶように形成されている。また、このガード支持部13において、円形状の外周面20には上下方向Zの両側で係止凸部21が周方向Sへ180度間隔で形成されている。
【0031】
図3(d)(e)(f)に示すように、前記彫刻刀3において、ホルダ9の頭部10の端部にはキャップ支持部22のみが形成されている。このキャップ支持部22において円形状の外周面23には、前側外周面23aと、この前側外周面23aに対し段差部24を介して隣接する後側外周面23bとが形成されている。この前側外周面23aには周方向Sへ延びる係止溝25が形成されている。
【0032】
図4に示すように、前記ガード7においては、基端筒部26から前方へ環状部27が延設されている。この環状部27においては、左右方向Yの両側で壁部としての一対の腕部28が延設され、上下方向Zの両側で開放部29が形成されている。この基端筒部26において、円形状の外周面30には四個の小突起31が周方向Sへ90度間隔で形成され、この各小突起31間における四箇所の外周面30のうち左右方向Yの両側にある二箇所の外周面30には前後方向Xへ延びる突条32が周方向Sへ180度間隔で形成されている。この左右両突条32は左右方向Yの突出寸法が基端筒部26の口端縁26a側ほど大きくなるように傾斜している。この基端筒部26において、円形状の内周面33には上下方向Zの両側で口端縁26aから前後方向Xへ延びる案内路としての案内口部34aが形成されているとともに、その案内口部34aから周方向Sへ延びる案内路34bが形成され、この案内路34bと口端縁26aとの間で係止凸部としての係止壁部35が周方向Sへ180度間隔で形成されている。この基端筒部26には透孔34cが外周面30と内周面33の案内路34bとの間で貫設されている。この基端筒部26の口端縁26aの上側には目印突起36が形成されている。このガード7はプラスチック等により透明または半透明に成形されている。なお、前記環状部27で両腕部28の先端部は互いに分離されていてもよい。
【0033】
図5に示すように、前記キャップ8は有底筒状をなし、そのキャップ8において円形状の内周面37には口端縁8aから前後方向Xへ延びる四個の溝38が周方向Sへ90度間隔で形成され、この各溝38間で内周面37には小突起39が口端縁8aに隣接して形成されている。この各溝38の口部38aは口端縁8aで外側へ広がっている。このキャップ8の外周には各溝38に合わせて指掛け突条40が形成されている。このキャップ8はプラスチック等により透明に成形されている。
【0034】
図6(a)に示す前記彫刻刀2においては、図4に示すガード7が図3に示すホルダ4から分離された離脱状態P7にある。図6(b)に示すように、ガード7の基端筒部26内にその口端縁26aからホルダ4のガード支持部13を挿入して基端筒部26の内周面33にガード支持部13の外周面20を挿嵌するとともに、ガード7の目印突起36を目印凹部18に対しガード離脱位置マーク19aに向けて前後方向X(挿脱方向)へ挿入してこの基端筒部26の口端縁26aを段差部14に当接させると、図6(c)に示すようにガード支持部13の係止部としての係止凸部21が基端筒部26の案内部としての案内口部34aに係入され、ガード7がホルダ4に対し挿嵌される途中状態Q7となる。次に、図6(d)に示すように、ガード7の目印突起36が目印凹部18でガード離脱位置マーク19aからガード取着位置マーク19bに向くようにガード7をガード支持部13に対し挿脱方向Xの周りの周方向S(挿脱方向Xに対し交差する係脱方向)へ回動させると、図6(e)に示すようにガード支持部13の係止凸部21が基端筒部26の案内部としての案内路34bに係入されて基端筒部26の係止部としての係止壁部35に対し係止され、図6(d)(f)に示すようにガード7がホルダ4に取着された取着状態R7となって前後方向Xへのガード7の移動が規制される。その場合、この係止凸部21を透孔34cから視認することができる。前記ガード7の途中状態Q7で、上下両係止凸部21のうち上側の係止凸部21が上下両案内口部34aのうち上側の案内口部34aに係入されるとともに、上下両係止凸部21のうち下側の係止凸部21が上下両案内口部34aのうち下側の案内口部34aに係入され、上側の係止凸部21が下側の案内口部34aに係入されたり下側の係止凸部21が上側の案内口部34aに係入されたりすることはなくなり、ホルダ4の頭部5に対しガード7を常に一定の取着状態R7にすることができる。この取着状態R7では、刃体6の先端側に設けられた刃先部6aをガード7の左右両腕部28が挟むように配置され、この刃先部6aが上下両開放部29に露出するとともに下側開放部29から前方へ若干突出している。逆に、この取着状態R7からガード7をガード支持部13に対しガード取着位置マーク19bからガード離脱位置マーク19aに向くように周方向Sへ回動させた後に前後方向Xへ抜くと、ガード7が前記途中状態Q7を経て離脱状態P7となる。このようにしてガード7は離脱状態P7と取着状態R7との間で途中状態Q7を経てガード移動軌跡を取る。
【0035】
図7(a)に示す前記彫刻刀2においては、ガード7がホルダ4に取着された取着状態R7で図5に示すキャップ8がガード7及びホルダ4から分離された開放状態L8にある。図7(b)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからガード7の環状部27を挿入してキャップ8の内周面37にガード7の基端筒部26の外周面30を挿嵌するとともに、キャップ8の両溝38に口部38aから基端筒部26の両突条32を係入してキャップ8をガード7に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の口端縁8aが前記キャップ支持部12の段差部16に当接するとともに、図7(c)に示すようにキャップ8の各小突起39が前記キャップ支持部12の係止溝17に掛止部(係合部)として係止され、キャップ8がガード7及びホルダ4の頭部5に支持されてその両開放部29を塞ぐ被冠状態M8となる。この被冠状態M8では、キャップ8の両溝38に基端筒部26の両突条32が掛止部(係合部)として係入されているため、キャップ8とガード7とを周方向Sへ一体的に回動させることができる。逆に、この被冠状態M8からキャップ8を前後方向Xへ移動させてガード7から抜くと、キャップ8が開放状態L8となる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で基本着脱動作軌跡を取る。
【0036】
次に、図7(d)に示すように、ガード7の目印突起36が目印凹部18でガード取着位置マーク19bからガード離脱位置マーク19aに向くようにキャップ8をガード7とともにガード支持部13に対し周方向Sへ回動させると、図6(c)に示すようにガード支持部13の係止凸部21が基端筒部26の案内口部34aに移動し、キャップ8はガード7がホルダ4に対し離脱される途中状態N8となる。その後、キャップ8をガード支持部13に対し前後方向Xへ移動させると、ガード7の両突条32(係合部)とキャップ8の両溝38(係合部)との圧接により、ガード7もキャップ8とともにガード支持部13に対し前後方向Xへ移動し、ガード支持部13の係止凸部21がガード7の案内口部34aから抜け、図7(e)(f)に示すようにキャップ8が開放状態L8になるとともに、キャップ8内で係止されて収容されているガード7が離脱状態P7となる。逆に、この離脱状態P7からガード7をキャップ8とともにガード支持部13に対し前後方向Xへ挿入すると、キャップ8はガード7がホルダ4に対し挿入される途中状態N8となる。その後、キャップ8をガード7とともに周方向Sへ回動させると、ガード7が前記途中状態Q7を経て取着状態R7となる。その取着状態R7では、前後方向Xへのガード7の移動が規制されるため、被冠状態M8にあるキャップ8のみを抜いて開放状態L8にすることができる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で途中状態N8を経てガード着脱動作軌跡を取り、このガード着脱動作軌跡はガード7のガード移動軌跡に沿う。
【0037】
図8(a)に示す前記彫刻刀2においては、ガード7が離脱状態P7にあるホルダ4からキャップ8が分離された開放状態L8にある。図8(b)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからホルダ4のキャップ支持部12を挿入してキャップ8の内周面37にキャップ支持部12の前側外周面15aを挿嵌し、キャップ8をホルダ4に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の口端縁8aが前記キャップ支持部12の段差部16に当接するとともに、図8(c)に示すようにキャップ8の各小突起39が前記キャップ支持部12の係止溝17に掛止部(係合部)として係止され、キャップ8がホルダ4の頭部5に支持された被冠状態M8となる。また、図8(d)に示す前記彫刻刀3においても、ホルダ9からキャップ8が分離された開放状態L8にある。図8(e)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからホルダ9のキャップ支持部22を挿入してキャップ8の内周面37にキャップ支持部22の前側外周面23aを挿嵌し、キャップ8をホルダ9に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の口端縁8aが前記キャップ支持部22の段差部24に当接するとともに、図8(f)に示すようにキャップ8の各小突起39が前記キャップ支持部22の係止溝25に掛止部(係合部)として係止され、キャップ8がホルダ9の頭部10に支持された被冠状態M8となる。逆に、この被冠状態M8からキャップ8をキャップ支持部12,22に対し前後方向Xへ抜くと、キャップ8が開放状態L8となる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で基本着脱動作軌跡を取る。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態にかかる彫刻刀について第1実施形態との相違点を中心に図9〜11を参照して説明する。
図9(a)(b)(c)に示すように、前記彫刻刀2において、ホルダ4の頭部5の端部にはキャップ支持部12とガード支持部13とが前後方向Xへ並設され、このガード支持部13がこのキャップ支持部12の前側で段差部14を介して形成されている。このキャップ支持部12において、円形状の外周面15には四個の小突起41が周方向Sへ90度間隔で形成され、この各小突起41間における四箇所の外周面15のうち左右方向Yの両側にある二箇所の外周面15には前後方向Xへ延びる小突条42が周方向Sへ180度間隔で形成されているとともに、上下方向Zの両側にある二箇所の外周面15のうち上側の外周面15には周方向Sへ延びる目印凹部18が段差部14に開放されるように形成されている。この上側外周面15には目印としてのガード離脱位置マーク19aとガード取着位置マーク19bとがこの目印凹部18に隣接して周方向Sへ並ぶように形成されている。また、このガード支持部13において、円形状の外周面20には上下方向Zの両側で係止凸部21が周方向Sへ180度間隔で形成されている。
【0039】
図9(d)(e)(f)に示すように、前記彫刻刀3において、ホルダ9の頭部10の端部にはキャップ支持部22のみが形成されている。このキャップ支持部22において、円形状の外周面23には四個の小突起43が周方向Sへ90度間隔で形成され、この各小突起43間における四箇所の外周面23のうち左右方向Yの両側にある二箇所の外周面23には前後方向Xへ延びる小突条44が周方向Sへ180度間隔で形成されている。
【0040】
図10(a)に示す前記彫刻刀2においては、ガード7がホルダ4に取着された取着状態R7で図5に示すキャップ8がガード7及びホルダ4から分離された開放状態L8にある。図10(b)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからガード7の環状部27を挿入してキャップ8の内周面37にガード7の基端筒部26の外周面30を挿嵌するとともに、キャップ8の両溝38に口部38aから基端筒部26の両突条32を係入してキャップ8をガード7に対し前後方向Xへ移動させると、図10(c)に示すようにキャップ8の各小突起39が基端筒部26の各小突起31に掛止部(係合部)として係止され、キャップ8がガード7に支持されてその両開放部29を塞ぐ被冠状態M8となる。この被冠状態M8では、キャップ8の両溝38に基端筒部26の両突条32が掛止部(係合部)として係入されているため、キャップ8とガード7とを周方向Sへ一体的に回動させることができる。逆に、この被冠状態M8からキャップ8を前後方向Xへ移動させてガード7から抜くと、キャップ8が開放状態L8となる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で基本着脱動作軌跡を取る。その際、キャップ8の両溝38と基端筒部26の両突条32とについては前後方向Xの長さがほぼ同一に設定されているため、ホルダ4の頭部5のキャップ支持部12にはキャップ8が被冠されない。
【0041】
次に、図10(d)に示すように、ガード7の目印突起36が目印凹部18でガード取着位置マーク19bからガード離脱位置マーク19aに向くようにキャップ8をガード7とともにガード支持部13に対し周方向Sへ回動させると、ガード支持部13の係止凸部21が基端筒部26の案内口部34aに移動し、キャップ8はガード7がホルダ4に対し離脱される途中状態N8となる。その後、キャップ8をガード支持部13に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の各小突起39と基端筒部26の各小突起31との係止により、ガード7もキャップ8とともにガード支持部13に対し前後方向Xへ移動し、ガード支持部13の係止凸部21がガード7の案内口部34aから抜け、キャップ8が開放状態L8になるとともに、キャップ8内で係止されて収容されているガード7が離脱状態P7となる。逆に、この離脱状態P7からガード7をキャップ8とともにガード支持部13に対し前後方向Xへ挿入すると、キャップ8はガード7がホルダ4に対し挿入される途中状態N8となる。その後、キャップ8をガード7とともに周方向Sへ回動させると、ガード7が前記途中状態Q7を経て取着状態R7となる。その取着状態R7では、前後方向Xへのガード7の移動が規制されるため、被冠状態M8にあるキャップ8のみを抜いて開放状態L8にすることができる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で途中状態N8を経てガード着脱動作軌跡を取り、このガード着脱動作軌跡はガード7のガード移動軌跡に沿う。その際、キャップ8の両溝38と基端筒部26の両突条32とについては前後方向Xの長さがほぼ同一に設定されているため、ホルダ4の頭部5のキャップ支持部12にはキャップ8が被冠されない。
【0042】
図11(a)に示す前記彫刻刀2においては、ガード7が離脱状態P7にあるホルダ4からキャップ8が分離された開放状態L8にある。図11(b)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからホルダ4のキャップ支持部12を挿入してキャップ8の内周面37にキャップ支持部12の外周面15を挿嵌するとともに、キャップ8の両溝38に口部38aからキャップ支持部12の両小突条42を係入してキャップ8をホルダ4に対し前後方向Xへ移動させると、外周面15に形成された鍔部15cにキャップ8の口端縁8aが当接し、図11(c)に示すようにキャップ8の各小突起39がキャップ支持部12の各小突起41に係止され、キャップ8がホルダ4に支持された被冠状態M8となる。また、図11(d)に示す前記彫刻刀3においても、ホルダ9からキャップ8が分離された開放状態L8にある。図11(e)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからホルダ9のキャップ支持部22を挿入してキャップ8の内周面37にキャップ支持部22の外周面23を挿嵌するとともに、キャップ8の両溝38に口部38aからキャップ支持部22の両小突条44を係入してキャップ8をホルダ9に対し前後方向Xへ移動させると、外周面23に形成された鍔部23cにキャップ8の口端縁8aが当接し、図11(f)に示すようにキャップ8の各小突起39がキャップ支持部22の各小突起43に係止され、キャップ8がホルダ9に支持された被冠状態M8となる。逆に、この被冠状態M8からキャップ8をキャップ支持部12,22に対し前後方向Xへ抜くと、キャップ8が開放状態L8となる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で基本着脱動作軌跡を取る。
【0043】
次に、本発明の第3実施形態にかかる彫刻刀について図12〜17を参照して説明する。なお、図12、図13、図14、図15、図16及び図17は、それぞれ、第1実施形態における図3、図4、図5、図6、図7及び図8に対応する。
【0044】
図12(a)(b)(c)に示すように、前記彫刻刀2において、ホルダ4の頭部5の端部にはキャップ支持部12とガード支持部13とが前後方向Xへ並設され、このガード支持部13がこのキャップ支持部12の前側で段差部14を介して形成されている。このキャップ支持部12において円形状の外周面15の上側には、周方向Sへ延びる目印凹部18が段差部14に開放されるように形成されている。また、このガード支持部13において、円形状の外周面20には上下方向Zの両側で係止凸部21が周方向Sへ180度間隔で形成されている。図12(d)(e)(f)に示すように、前記彫刻刀3において、ホルダ9の頭部10の端部にはキャップ支持部22のみが形成されている。このキャップ支持部22において、外周面23の左右方向Yの両側には前後方向Xへ延びる小突条44が周方向Sへ180度間隔で形成されている。このキャップ支持部12及びキャップ支持部22において円形状の外周面15,23には、ホルダ4の頭部5,10との境界部分で、周方向Sの全体に掛止部(係合部)としての係止溝45が形成されているとともに、この係止溝45の上側で係止突部46(規制部またはストッパ)が形成されている。
【0045】
図13に示すように、前記ガード7においては、基端筒部26から前方へ環状部27が延設されている。この環状部27においては、左右方向Yの両側で壁部としての一対の腕部28が延設され、上下方向Zの両側で開放部29が形成されている。この基端筒部26において、円形状の外周面30には左右方向Yの両側で前後方向Xへ延びる突条32(規制部)が周方向Sへ180度間隔で形成されている。この基端筒部26において、円形状の内周面33には上下方向Zの両側で口端縁26aから前後方向Xへ延びる案内路としての案内口部34aが形成されているとともに、その案内口部34aから周方向Sへ延びる案内路34bが形成され、この案内路34bと口端縁26aとの間で係止凸部としての係止壁部35が周方向Sへ180度間隔で形成されている。この基端筒部26には透孔34c(係合部または係合凹部)が外周面30と内周面33の案内路34bとの間で貫設されている。この基端筒部26の口端縁26aの上側には目印突起36が形成されている。このガード7はプラスチック等により透明または半透明に成形されている。なお、前記環状部27で両腕部28の先端部は互いに分離されていてもよい。
【0046】
図14に示すように、前記キャップ8は有底筒状をなし、そのキャップ8において円形状の内周面37には口端縁8aから前後方向Xへ延びる二個の溝38(規制部または係合部)が周方向Sへ180度間隔で形成されているとともに、三個の小突起39(係合部)が口端縁8aに隣接して周方向Sへ120度間隔で形成されている。このキャップ8の外周には各溝38に合わせて指掛け突条40が形成されている。このキャップ8の口端縁8aの上側には係止凹部47(規制部またはストッパ)が形成されている。このキャップ8の内周面37には上下方向Zの両側のうち下側のみに片持ち梁状の係止舌片部48(係合部)が上下方向Zの弾性を有するようにスリット49により形成され、この係止舌片部48の内側には係止突起48a(弾性係合凸部)が形成されている。このキャップ8はプラスチック等により透明に成形されている。なお、このキャップ8の内周面37で上下方向Zの両側または周方向複数個所に片持ち梁状の係止舌片部48を形成したり、片持ち梁状の係止舌片部48に代えて両持ち梁状の係止舌片部48を形成してもよい。
【0047】
図15(a)に示す前記彫刻刀2においては、図13に示すガード7が図12に示すホルダ4から分離された離脱状態P7にある。図15(b)に示すように、ガード7の基端筒部26内にその口端縁26aからホルダ4のガード支持部13を挿入して基端筒部26の内周面33にガード支持部13の外周面20を挿嵌するとともに、ガード7の目印突起36を目印凹部18に対し挿脱方向Xへ挿入してこの基端筒部26の口端縁26aを段差部14に当接させると、図15(c)に示すようにガード支持部13の係止部としての係止凸部21が基端筒部26の案内部としての案内口部34aに係入され、ガード7がホルダ4に対し挿嵌される途中状態Q7となる。次に、図15(d)に示すように、ガード7をガード支持部13に対し挿脱方向Xの周りの周方向S(挿脱方向Xに対し交差する係脱方向)へ回動させると、ガード7の目印突起36が目印凹部18で移動しながら、図15(e)に示すようにガード支持部13の係止凸部21が基端筒部26の案内部としての案内路34bに係入されて基端筒部26の係止部としての係止壁部35に対し係止され、図15(d)(f)に示すようにガード7がホルダ4に取着された取着状態R7となって前後方向Xへのガード7の移動が規制される。その場合、この係止凸部21を透孔34cから視認することができる。前記ガード7の途中状態Q7で、上下両係止凸部21のうち上側の係止凸部21が上下両案内口部34aのうち上側の案内口部34aに係入されるとともに、上下両係止凸部21のうち下側の係止凸部21が上下両案内口部34aのうち下側の案内口部34aに係入され、上側の係止凸部21が下側の案内口部34aに係入されたり下側の係止凸部21が上側の案内口部34aに係入されたりすることはなくなり、ホルダ4の頭部5に対しガード7を常に一定の取着状態R7にすることができる。この取着状態R7では、刃体6の先端側に設けられた刃先部6aをガード7の左右両腕部28が挟むように配置され、この刃先部6aが上下両開放部29に露出するとともに下側開放部29から前方へ若干突出している。逆に、この取着状態R7からガード7をガード支持部13に対し周方向Sへ回動させた後に前後方向Xへ抜くと、ガード7が前記途中状態Q7を経て離脱状態P7となる。このようにしてガード7は離脱状態P7と取着状態R7との間で途中状態Q7を経てガード移動軌跡を取る。
【0048】
図16(a)に示す前記彫刻刀2においては、ガード7がホルダ4に取着された取着状態R7で図14に示すキャップ8がガード7及びホルダ4から分離された開放状態L8にある。図16(b)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからガード7の環状部27を挿入してキャップ8の内周面37にガード7の基端筒部26の外周面30を挿嵌するとともに、キャップ8の両溝38に口部38aから基端筒部26の両突条32を係入してキャップ8をガード7に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の口端縁8aが前記キャップ支持部12でホルダ4の頭部5に当接してこのキャップ支持部12の係止突部46がキャップ8の係止凹部47に係入されるとともに、図16(c)に示すようにキャップ8の各小突起39が前記キャップ支持部12の係止溝45に掛止部(係合部)として係止され、図16(d)に示すようにキャップ8の係止舌片部48の係止突起48aがガード7の下側の透孔34cに係入され、キャップ8がガード7及びホルダ4の頭部5に支持されてその両開放部29を塞ぐ被冠状態M8となる。この被冠状態M8では、キャップ8の両溝38に基端筒部26の両突条32が掛止部(係合部)として係入されているため、キャップ8とガード7とを周方向Sへ一体的に回動させることができる。逆に、この被冠状態M8からキャップ8を前後方向Xへ移動させてガード7から抜くと、キャップ8が開放状態L8となる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で基本着脱動作軌跡を取る。
【0049】
次に、図16(e)に示すように、キャップ8をガード7とともにガード支持部13に対し周方向Sへ回動させると、ガード7の目印突起36が目印凹部18で移動するとともにキャップ支持部12の係止突部46がキャップ8の係止凹部47に対して移動しながら、図15(c)に示すようにガード支持部13の係止凸部21が基端筒部26の案内口部34aに移動し、キャップ8はガード7がホルダ4に対し離脱される途中状態N8となる。その後、キャップ8をガード支持部13に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の係止舌片部48の係止突起48aとガード7の下側の透孔34cとの係合により、ガード7もキャップ8とともにガード支持部13に対し前後方向Xへ移動し、ガード支持部13の係止凸部21がガード7の案内口部34aから抜け、図16(f)(g)(h)に示すようにキャップ8が開放状態L8になるとともに、キャップ8内で係止されて収容されているガード7が離脱状態P7となる。このキャップ8の下側には膨出部8bが形成され、このキャップ8内に収容された刃体6の刃先部6aがこの膨出部8b内の空間によりキャップ8の内面に当らないようになっている。また、このキャップ8の内側はこのガード7の外形に沿うように形成され、ガード7はキャップ8に対し一通りの嵌り方しかできない。逆に、この離脱状態P7からガード7をキャップ8とともにガード支持部13に対し前後方向Xへ挿入すると、キャップ8はガード7がホルダ4に対し挿入される途中状態N8となる。その後、キャップ8をガード7とともに周方向Sへ回動させると、ガード7が前記途中状態Q7を経て取着状態R7となる。その取着状態R7では、前後方向Xへのガード7の移動が規制されるため、被冠状態M8にあるキャップ8のみを抜いて開放状態L8にすることができる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で途中状態N8を経てガード着脱動作軌跡を取り、このガード着脱動作軌跡はガード7のガード移動軌跡に沿う。
【0050】
図17(a)に示す前記彫刻刀2においては、ガード7が離脱状態P7にあるホルダ4からキャップ8が分離された開放状態L8にある。図17(b)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからホルダ4のキャップ支持部12を挿入してキャップ8の内周面37にキャップ支持部12の外周面15を挿嵌し、キャップ8をホルダ4に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の口端縁8aが前記キャップ支持部12でホルダ4の頭部5に当接してこのキャップ支持部12の係止突部46がキャップ8の係止凹部47に係入されるとともに、図17(c)に示すようにキャップ8の各小突起39が前記キャップ支持部12の係止溝45に掛止部(係合部)として係止され、キャップ8がホルダ4の頭部5に支持された被冠状態M8となる。また、図17(d)に示す前記彫刻刀3においても、ホルダ9からキャップ8が分離された開放状態L8にある。図17(e)に示すように、キャップ8内にその口端縁8aからホルダ9のキャップ支持部22を挿入してキャップ8の内周面37にキャップ支持部22の外周面23を挿嵌するとともに、キャップ8の両溝38に口部38aからキャップ支持部22の両小突条44を係入してキャップ8をホルダ9に対し前後方向Xへ移動させると、キャップ8の口端縁8aがキャップ支持部22でホルダ9の頭部10に当接してこのキャップ支持部22の係止突部46がキャップ8の係止凹部47に係入されるとともに、図17(f)に示すようにキャップ8の各小突起39が前記キャップ支持部12の係止溝45に掛止部(係合部)として係止され、キャップ8がホルダ9の頭部10に支持された被冠状態M8となる。逆に、この被冠状態M8からキャップ8をキャップ支持部12,22に対し前後方向Xへ抜くと、キャップ8が開放状態L8となる。このようにしてキャップ8は開放状態L8と被冠状態M8との間で基本着脱動作軌跡を取る。
【0051】
前述したように、前記キャップ8の基本着脱動作軌跡でキャップ8をガード7やホルダ4,9の頭部5,10に被せて被冠状態M8にする際、ガード7やホルダ4,9の頭部5,10に対するキャップ8の相対位置が一定でないと、ガード7の両突条32とキャップ8の両溝38とが互いに合致しないとともに、ホルダ4,9の係止突部46とキャップ8の係止凹部47とが互いに合致しないため、キャップ8をガード7やホルダ4,9の頭部5,10に被せることができない。
【0052】
本実施形態は下記の効果を有する。
* 彫刻刀2において刃体6をガード7で囲う際に刃体6の刃先部6aを露出させるために必要なガード7の開放部29をさらにキャップ8により塞ぐことができる。従って、ガード7の開放部29で使用者の指が刃先部6aに不用意に触れることを防止でき、彫刻刀2の使用時に安全性を高めて使い勝手を良くすることができる。
【0053】
* ガード7を収容したキャップ8をホルダ4に対し着脱させるだけで、ガード7に触れずにガード7をホルダ4に対し着脱させることができる。従って、彫刻刀2の使用時に安全性を高めて使い勝手を良くすることができる。
【0054】
* キャップ8は互いに異なる基本着脱動作軌跡とガード着脱動作軌跡とを取るため、キャップ8の着脱動作の違いによりガード7の着脱の有無を区別することができる。
* ガード7をホルダ4に対し挿脱させる挿脱方向Xと係止させる周方向Sとが互いに交差して異なっているため、ガード7に対し挿脱方向Xの力が加わっても、ホルダ4に対するガード7の係止が解除されにくくなる。従って、彫刻刀2の使用時に安全性を高めて使い勝手を良くすることができる。
【0055】
* 前述したガード7に対するキャップ8の閉塞効果とホルダ4に対するガード7の係止解除防止効果とが相俟って、彫刻刀2の使用時により一層安全性を高めて使い勝手を良くすることができる。
【0056】
前記第1〜3実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ ガード7をホルダ4の頭部5に対し着脱できないように一体的に取着したり、ガード7をホルダ4の頭部5に対し一体に成形する。
【0057】
・ ガード7の上下両開放部29のうち、刃先部6aが突出する下側開放部29のみを設ける。
・ 前記実施形態ではキャップ8をガード7に被せた被冠状態M8でガード7をキャップ8により取着状態R7から離脱状態P7へ一体的に移動させることができるとともに離脱状態P7から取着状態R7へ一体的に移動させことができるが、そのいずれか一方のみを行えるようにしてもよい。
【0058】
・ 前記キャップ8にはガード7の上下両開放部29のうち少なくとも下側の開放部29を塞ぐ壁を設ければよく、その壁以外の部分は開放されていてもよい。なお、このキャップ8の壁には指が入らない程度の孔を形成してもよい。
【0059】
・ 第2実施形態ではキャップ8の各小突起39がガード7の基端筒部26の各小突起31に掛止部として係止されるが、この各小突起39に代えてこの各小突起31が係止される凹部を設けてもよい。
【0060】
・ 前記実施形態では、目印として、ガード7の基端筒部26に目印突起36を形成するとともにホルダ4のキャップ支持部12に目印凹部18とガード離脱位置マーク19aとガード取着位置マーク19bとを形成したが、逆にガード7の基端筒部26に目印凹部とガード離脱位置マークとガード取着位置マークとを形成するとともに、ホルダ4のキャップ支持部12に目印突起を形成してもよい。
【0061】
・ 前記キャップ8及びガード7をホルダ4から分離した際にホルダ4やケース1に保持できるようにしてもよい。
・ キャップをホルダに対し分離することなく被冠状態と開放状態との間で移動可能に支持してもよい。
【0062】
・ 図示しないが、ガード7を刃体6に沿って横向きにしたまま上下方向Z(挿脱方向)若しくは左右方向Y(挿脱方向)へ挿脱するとともに前後方向X(係脱方向)へ係脱する。または、ガード7を刃体6に対し交差させた状態で上下方向Z(挿脱方向)若しくは左右方向Y(挿脱方向)へ挿脱するとともに、ガード7をこの交差状態と横向き状態との間で係脱方向へ回動させて係脱する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1実施形態にかかる複数種類の彫刻刀をケースに収容した状態を示す平面図である。
【図2】(a)(b)(c)(d)(e)はそれぞれ第1実施形態にかかる各彫刻刀をケースから取り出してキャップを外した状態を示す平面図である。
【図3】(a)は図2(a)に示すガード付き彫刻刀においてホルダのみを示す部分平面図であり、(b)は同じく部分正面図であり、(c)は同じく側面図であり、(d)は図2(e)に示すガードなし彫刻刀においてホルダのみを示す部分平面図であり、(e)は同じく部分正面図であり、(f)は同じく側面図である。
【図4】(a)は図2(a)(b)(c)(d)に示すガード付き彫刻刀においてガードのみを示す斜視図であり、(b)は同じく正面図であり、(c)は同じく平面図であり、(d)は同じく底面図であり、(e)は同じく側面図であり、(f)は(b)のA1−A1線部分断面図であり、(g)は(b)のA2−A2線部分断面図である。
【図5】(a)は図1に示す各彫刻刀においてキャップのみを示す斜視図であり、(b)は同じく正面図であり、(c)は同じく側面図であり、(d)は(b)のB−B線断面図である。
【図6】(a)は図2(a)に示すガード付き彫刻刀においてホルダからガードを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくホルダに対しガードを着脱する途中状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は同じくホルダに対しガードを取着した状態を示す部分平面図であり、(e)は(d)を平面側から見た部分断面図であり、(f)は同じくホルダに対しガードを取着した状態を示す部分正面図である。
【図7】(a)は図2(a)に示すガード付き彫刻刀においてガードを取着したホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくガードを取着したホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は同じくガードを取着したホルダに対しキャップをガードとともに分離する途中状態を示す部分平面図であり、(e)は同じくホルダに対しキャップをガードとともに分離した状態を示す部分平面図であり、(f)は(e)のキャップを平面側から見た断面図である。
【図8】(a)は図2(a)に示すガード付き彫刻刀においてガードを分離したホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくガードを分離したホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は図2(e)に示すガードなし彫刻刀においてホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(e)は同じくホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(f)は(e)を平面側から見た部分断面図である。
【図9】(a)は第2実施形態にかかるガード付き彫刻刀においてホルダのみを示す部分平面図であり、(b)は同じく部分正面図であり、(c)は同じく側面図であり、(d)は第2実施形態にかかるガードなし彫刻刀においてホルダのみを示す部分平面図であり、(e)は同じく部分正面図であり、(f)は同じく側面図である。
【図10】(a)は第2実施形態にかかるガード付き彫刻刀においてガードを取着したホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくガードを取着したホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は同じくガードを取着したホルダに対しキャップをガードとともに分離する途中状態を示す部分平面図であり、(e)は同じくホルダに対しキャップをガードとともに分離した状態を示す部分平面図であり、(f)は(e)のキャップを平面側から見た断面図である。
【図11】(a)は第2実施形態にかかるガード付き彫刻刀においてガードを分離したホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくガードを分離したホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は第2実施形態にかかるガードなし彫刻刀においてホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(e)は同じくホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(f)は(e)を平面側から見た部分断面図である。
【図12】(a)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(a)に対応するガード付き彫刻刀においてホルダのみを示す部分平面図であり、(b)は同じく部分正面図であり、(c)は同じく側面図であり、(d)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(e)に対応するガードなし彫刻刀においてホルダのみを示す部分平面図であり、(e)は同じく部分正面図であり、(f)は同じく側面図である。
【図13】(a)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(a)(b)(c)(d)に対応するガード付き彫刻刀においてガードのみを示す斜視図であり、(b)は同じく正面図であり、(c)は同じく平面図であり、(d)は同じく底面図であり、(e)は同じく側面図であり、(f)は(b)のC1−C1線部分断面図であり、(g)は(b)のC2−C2線部分断面図である。
【図14】(a)は第3実施形態にかかる各彫刻刀においてキャップのみを示す斜視図であり、(b)は同じく底面図であり、(c)は同じく平面図であり、(d)は同じく平面側から見た断面図であり、(e)は(c)の側面図である。
【図15】(a)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(a)に対応するガード付き彫刻刀においてホルダからガードを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくホルダに対しガードを着脱する途中状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は同じくホルダに対しガードを取着した状態を示す部分平面図であり、(e)は(d)を平面側から見た部分断面図であり、(f)は同じくホルダに対しガードを取着した状態を示す部分正面図である。
【図16】(a)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(a)に対応するガード付き彫刻刀においてガードを取着したホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくガードを取着したホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は(b)を正面側から見た部分断面図であり、(e)は同じくガードを取着したホルダに対しキャップをガードとともに分離する途中状態を示す部分平面図であり、(f)は同じくホルダに対しキャップをガードとともに分離した状態を示す部分平面図であり、(g)は(f)のキャップを平面側から見た断面図であり、(h)は(f)のキャップを正面側から見た断面図である。
【図17】(a)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(a)に対応するガード付き彫刻刀においてガードを分離したホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(b)は同じくガードを分離したホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(c)は(b)を平面側から見た部分断面図であり、(d)は第3実施形態にかかる各彫刻刀のうち図2(e)に対応するガードなし彫刻刀においてホルダからキャップを分離した状態を示す部分平面図であり、(e)は同じくホルダに対しキャップを取着した状態を示す部分平面図であり、(f)は(e)を平面側から見た部分断面図である。
【符号の説明】
【0064】
2…彫刻刀、4…ホルダ、5…ホルダの頭部、6…刃体、6a…刃先部、7…ガード、8…キャップ、21…ホルダの頭部の係止部としての係止凸部、28…ガードの壁部としての腕部、29…開放部、31…ガードの掛止部(係合部)としての小突起、32…ガードの掛止部(係合部)やキャップに対する規制部としての突条、34a…ガードの係止部としての案内口部、34b…ガードの係止部としての案内路、34c…ガードの係合部としての透孔、35…ガードの係止部としての係止壁部、38…キャップの掛止部(係合部)やキャップの規制部としての溝、39…キャップの掛止部(係合部)としての小突起、46…キャップに対する規制部としての係止突部、47…キャップの規制部としての係止凹部、48…キャップの係合部としての係止舌片部、P7…ガードの離脱状態、R7…ガードの取着状態、M8…キャップの被冠状態、L8…キャップの開放状態、X…挿脱方向、S…係脱方向としての周方向。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダの頭部に刃体を取着してその頭部から刃体を延設した彫刻刀において、このホルダの頭部には刃体の先端側に設けた刃先部を挟むようにその刃先部の両側に壁部を配置したガードを備え、この両壁部間を結ぶ方向とこの刃体の延設方向とに対し直交する方向の両側のうち少なくとも一方の側で刃先部が露出する開放部をこのガードに設け、このガードの開放部を塞ぐ被冠状態と開放する開放状態とを取り得るキャップを備えたことを特徴とする彫刻刀。
【請求項2】
前記キャップは、前記開放状態でガード及びホルダに対し分離され、前記被冠状態でガードまたはホルダに対し支持されるように、基本着脱動作軌跡を取り得ることを特徴とする請求項1に記載の彫刻刀。
【請求項3】
前記ガードは前記ホルダに対し分離された離脱状態と支持された取着状態とを取り、前記キャップを前記ガードに被せた被冠状態でこのガードをキャップとともに前記取着状態と離脱状態とのうち少なくとも一方の状態から他方の状態へ一体的に移動させるように、このキャップはガード着脱動作軌跡を取り得ることを特徴とする請求項2に記載の彫刻刀。
【請求項4】
前記キャップの基本着脱動作軌跡とガード着脱動作軌跡とが互いに異なることを特徴とする請求項3に記載の彫刻刀。
【請求項5】
前記キャップのガード着脱動作軌跡でガードをキャップとともに一体的に移動させる係合部を設けたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の彫刻刀。
【請求項6】
前記キャップのガード着脱動作軌跡は、ガードをホルダに対し挿脱させる挿脱方向と、この挿脱方向に対し交差してガードをホルダに対し係止させる係脱方向とを有していることを特徴とする請求項5に記載の彫刻刀。
【請求項7】
キャップを前記被冠状態にした際にガード及びホルダの頭部に対するキャップの相対位置を一定にするように、前記キャップの基本着脱動作軌跡を限定する規制部を設けたことを特徴とする請求項2から請求項6のうちいずれか一つの請求項に記載の彫刻刀。
【請求項8】
ホルダの頭部に刃体を取着してその頭部から刃体を延設した彫刻刀において、このホルダの頭部には刃体の先端側に設けた刃先部を挟むようにその刃先部の両側に壁部を配置したガードを備え、この両壁部間を結ぶ方向とこの刃体の延設方向とに対し直交する方向の両側のうち少なくとも一方の側で刃先部が露出する開放部をこのガードに設け、
このガードは、前記ホルダに対し分離された離脱状態と支持された取着状態との間で移動するようにガード移動軌跡を取り、このガード移動軌跡は、ガードをホルダに対し挿脱させる挿脱方向と、この挿脱方向に対し交差してガードをホルダに対し係止させる係脱方向とを有している
ことを特徴とする彫刻刀。
【請求項9】
前記ガード移動軌跡において係脱方向は挿脱方向周りの周方向であることを特徴とする請求項8に記載の彫刻刀。
【請求項10】
前記取着状態で前記ホルダに対する前記ガードの離脱を阻止する係止部を設けたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の彫刻刀。
【請求項1】
ホルダの頭部に刃体を取着してその頭部から刃体を延設した彫刻刀において、このホルダの頭部には刃体の先端側に設けた刃先部を挟むようにその刃先部の両側に壁部を配置したガードを備え、この両壁部間を結ぶ方向とこの刃体の延設方向とに対し直交する方向の両側のうち少なくとも一方の側で刃先部が露出する開放部をこのガードに設け、このガードの開放部を塞ぐ被冠状態と開放する開放状態とを取り得るキャップを備えたことを特徴とする彫刻刀。
【請求項2】
前記キャップは、前記開放状態でガード及びホルダに対し分離され、前記被冠状態でガードまたはホルダに対し支持されるように、基本着脱動作軌跡を取り得ることを特徴とする請求項1に記載の彫刻刀。
【請求項3】
前記ガードは前記ホルダに対し分離された離脱状態と支持された取着状態とを取り、前記キャップを前記ガードに被せた被冠状態でこのガードをキャップとともに前記取着状態と離脱状態とのうち少なくとも一方の状態から他方の状態へ一体的に移動させるように、このキャップはガード着脱動作軌跡を取り得ることを特徴とする請求項2に記載の彫刻刀。
【請求項4】
前記キャップの基本着脱動作軌跡とガード着脱動作軌跡とが互いに異なることを特徴とする請求項3に記載の彫刻刀。
【請求項5】
前記キャップのガード着脱動作軌跡でガードをキャップとともに一体的に移動させる係合部を設けたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の彫刻刀。
【請求項6】
前記キャップのガード着脱動作軌跡は、ガードをホルダに対し挿脱させる挿脱方向と、この挿脱方向に対し交差してガードをホルダに対し係止させる係脱方向とを有していることを特徴とする請求項5に記載の彫刻刀。
【請求項7】
キャップを前記被冠状態にした際にガード及びホルダの頭部に対するキャップの相対位置を一定にするように、前記キャップの基本着脱動作軌跡を限定する規制部を設けたことを特徴とする請求項2から請求項6のうちいずれか一つの請求項に記載の彫刻刀。
【請求項8】
ホルダの頭部に刃体を取着してその頭部から刃体を延設した彫刻刀において、このホルダの頭部には刃体の先端側に設けた刃先部を挟むようにその刃先部の両側に壁部を配置したガードを備え、この両壁部間を結ぶ方向とこの刃体の延設方向とに対し直交する方向の両側のうち少なくとも一方の側で刃先部が露出する開放部をこのガードに設け、
このガードは、前記ホルダに対し分離された離脱状態と支持された取着状態との間で移動するようにガード移動軌跡を取り、このガード移動軌跡は、ガードをホルダに対し挿脱させる挿脱方向と、この挿脱方向に対し交差してガードをホルダに対し係止させる係脱方向とを有している
ことを特徴とする彫刻刀。
【請求項9】
前記ガード移動軌跡において係脱方向は挿脱方向周りの周方向であることを特徴とする請求項8に記載の彫刻刀。
【請求項10】
前記取着状態で前記ホルダに対する前記ガードの離脱を阻止する係止部を設けたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の彫刻刀。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−29107(P2009−29107A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−66417(P2008−66417)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000154613)株式会社文溪堂 (12)
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000154613)株式会社文溪堂 (12)
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)
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