説明

微生物農薬の調製に適したバシルス属細菌の胞子の製造方法

【課題】バシルス属細菌の胞子を高濃度で且つ高発芽率の状態で得る培養方法の開発。
【解決手段】本発明は、リン酸塩濃度および亜硫酸酸化法で求めた酸素移動容量係数で規定する酸素の供給量ならびに攪拌機の回転数を調節することによって、バシルス属細菌の胞子を高濃度でかつ高発芽率の状態で得る培養方法を提供するものである。具体的には、リン酸塩濃度0.05M〜0.15M、酸素移動容量係数100〜350/hr、攪拌速度170m/min以下で培養するのが好ましく、得られた胞子は微生物農薬として使用するのに好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸塩濃度および亜硫酸酸化法で求めた酸素移動容量係数で規定する酸素の供給量ならびに撹拌機の回転数を調節することによって、バシルス属細菌の胞子を高濃度でかつ高発芽率の状態で得る培養方法に関するものである。このようにして製造したバシルス属細菌の胞子は、例えば、微生物農薬の製造に好適である。
【背景技術】
【0002】
環境への負荷をできるだけ少なくした形での農業活動を目的として、持続可能な農業を目指したIntegrated Pest Management(IPM)の導入が行われるようになった。IPMの実施において生物農薬は大きな役割を担っており、その重要性は年々増加してきている。このような中でバシルス属菌は、古くから病害防除剤として使用されてきたが生物農薬としての利用が再び注目されている。
【0003】
生物農薬としてバシルス属菌の胞子を利用する例としては特許文献1および2があり、特許文献2では安定した病害防除活性を得るために保湿剤の添加が有効であることが述べられている。さらに、バシルス属菌の胞子を病害防除剤の有効成分として利用するには、胞子を多量に生産させ、高濃度の胞子を得る必要性について述べられており、定着性および持続安定性の優れた病害防除組成物に関する技術が開示されている。
【0004】
また、バシルスsp.D747菌株の病害防除剤としての利用については特許文献3に記載されており、その単離から培養までが述べられている。しかしながら、バシルス属細菌の胞子を高濃度でかつ高発芽率の状態で得るため、本発明のように、リン酸塩濃度、酸素移動容量係数、攪拌の速度の3つの要素に着目しただけでなく、それらの数値を特定し、そして更に効果を実際に確認するのに成功した報告例は知られていない。
【特許文献1】特開平8−175919
【特許文献2】特開平8−175920
【特許文献3】特開2003−219863
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バシルス属細菌の胞子を病害防除剤として利用することについては、上記文献に述べられているが、高濃度のバシルス属細菌の胞子を得る方法、及びバシルス属細菌の胞子を高い発芽率の状態で製造する方法については述べられていなかった。本発明の課題は、バシルス属細菌の胞子を発芽率の高い状態で高濃度に生産する培養方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、バシルス属菌に高濃度で胞子を生産させ、さらには発芽率が高い胞子を生産させる方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、上記目的を達成するには、培地中のリン酸塩濃度、酸素移動容量係数、攪拌の速度の3要素の調整が重要である点をはじめて見出し、更に研究を行って好適値を特定するのにも成功し、遂に完成に至ったものである。
【0008】
更に具体的には、本発明は、デンプン、大豆ペプチド、アミノ酸、酵母エキスおよび無機塩類等からなる培地を使用し、リン酸塩濃度を0.05Mから0.15Mで、攪拌の速度(Vs)を170m/min以下、亜硫酸酸化法で求めた酸素移動容量係数が、100(hr-1)から350(hr-1)の間でバシルス属細菌を培養する培養方法に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明に用いるバシルス属細菌は、バシルス属に属する細菌であれば特に制限はないが、好ましくは胞子を産業上利用できる株あるいは微生物農薬として使用できる株が挙げられ、バシルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス・セレウス(Bacillus cereus)等が例示される。また、先に本発明者らが見出した植物病害防除に有効なバシルスsp.D747菌株も好適例のひとつとして挙げられる。
【0010】
バシルス(Bacillus)sp.D747菌株は、静岡県小笠郡菊川町(現、菊川市)の空気中から単離された自然界由来の新規菌株であって、すぐれた植物病害防除作用を有する。その詳細は、既述した特開2003−219863に記載されているが、その菌学的性質その他は次のとおりである。なお、このD747株は、その有効性に鑑み、(独)特許生物寄託センターに、Bacillus sp. D747の名称で、FERM BP−8234として国際寄託されている。
【0011】
(A)形態学的性質
形態:桿菌
大きさ:幅1.0〜1.2μm、長さ3〜5μm
運動性:+
鞭毛の着生状態:周鞭毛
内生胞子:+
胞子の位置:中央
胞子の膨張:−
【0012】
(B)培養的性質
コロニーの色:白色〜薄い茶色
肉汁寒天平板培養:白色〜クリーム色のコロニーを形成し、表面はしわ状
【0013】
(C)生理学的性質
グラム染色性:+
硝酸塩の還元:+
MR試験:−
VP試験:+
インドールの生成:−
澱粉の加水分解:+
クエン酸の資化性:+
無機窒素源:+
オキシダーゼ:−
カタラーゼ:+
生育pH
6.8、肉エキス培地:+
5.7、肉エキス培地:+
生育温度
30℃:+
50℃:−
生育NaCl濃度
2%:+
5%:+
7%:+
好気的生育:+
嫌気的生育:−
O−Fテスト:O
卵黄反応:−
グルコースからの酸生成:+
マンニトールからの酸生成:−
L−アラビノースからの酸生成:−
D−キシロースからの酸生成:−
グルコースからのガス生成:−
β−ガラクトシダーゼ:−
NaCl及びKCl要求性:−
【0014】
本発明は、バシルス属菌の培養に関するものであるが、その培養はフラスコ培養、ジャーファーメンター等の発酵槽を利用した液体培養で実施可能である。
【0015】
培養に用いる培地は、バシルス属菌の増殖が維持できるものであれば何でもよく、炭素源としてグルコース、デンプン、デキストリン、シュークロース、糖蜜、グリセリン等の糖類、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸類が使用できる。窒素源としては、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等のアンモニウム塩や硝酸塩及び酵母エキス、コーン・スティープ・リカー、肉エキス、大豆粉、大豆ペプチド、ペプトン、グルタミン酸ソーダ、リジン等のアミノ酸類の無機および有機窒素源が利用できる。無機塩としては、リン酸、カリウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、鉄等の塩類の添加が可能である。消泡効果を有するものでバシルス属菌の生育に影響がなければ、いずれの消泡剤も利用可能である。
【0016】
本発明においては、培地中のリン酸塩濃度を0.05Mから0.15Mに調整するのがよく、更に好ましくは、0.06M以上0.13M以下に調整するのがよい。
【0017】
本発明においては、酸素供給量も重要な要素であって、酸素の供給量は、亜硫酸酸化法で求めた酸素移動容量係数(KLa)で規定することができる。酸素移動容量係数は、下記数1で示され、通気攪拌効果を定量的に把握し、酸素供給条件を決定するための重要な項目である。式中、各記号はそれぞれ次のことを表わす。dCt/dt:一定時間における溶存酸素濃度の変化、CL:溶存酸素濃度、C:気泡の酸素分圧と平衡な溶存酸素濃度。
【0018】
(数1)
dCt/dt=KLa(C−CL
【0019】
酸素移動容量係数は、100(hr-1)〜350(hr-1)、好ましくは130(hr-1)〜300(hr-1)とするのがよい。
【0020】
更に本発明においては、培養中の攪拌速度も重要な要素であって、培養中の攪拌が線速度で170m/min以下、好ましくは120〜170m/min、更に好ましくは140〜170m/minとなるよう攪拌機の回転数を調節するのがよい。
【0021】
上記したように、本発明においては、攪拌が線速度が170m/min以下であれば、通気の条件は通常の好気的条件で行うことが好ましく、さらには亜硫酸酸化法で求めた酸素移動容量係数が、100(hr-1)から350(hr-1)の間が好ましい。温度は好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜45℃、さらに好ましくは25〜35℃である。また、pHは好ましくは4〜10、より好ましくは5〜9の範囲である。
【0022】
上記のようにして得られた培養液より、胞子を回収する方法としては、膜分離、遠心分離、濾過分離等が挙げられる。
【0023】
このようにして得られた本発明の製造方法による胞子は、そのまま微生物農薬製剤としても利用出来るが、微生物農薬として、種々の剤型、例えば粒状、粉末状、懸濁状、顆粒状等とすることができる。
【0024】
また、本発明の製造方法で得られる胞子は、微生物農薬とするために、更に必要に応じて、例えば増量剤、結合剤、界面活性剤等の他の成分を配合することができる。これらの任意成分は、微生物に対して無害であるか、あるいはほとんど影響を及ぼさないものが好ましいことはいうまでもない。
【0025】
上記の増量剤としては、水溶性増量剤あるいは非水溶性増量剤を用いることができ、これらを組み合わせて用いることもできる。水溶性増量剤としては、例えば、硫酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の有機または無機酸塩類、クエン酸、コハク酸等の有機酸塩類、ショ糖、ラクトース等の糖類、尿素等を挙げることができる。非水溶性増量剤としては、一般的に鉱物質微粉末が用いられ、例えばクレー類、炭酸カルシウム、タルク、珪藻土、ベントナイト、ホワイトカーボン等を挙げることができる。これら増量剤の配合割合は、組成物100重量部に対して、通常、5重量部〜80重量部、好ましくは10重量部〜60重量部とすることができる。
【0026】
また、本発明の製造方法で得られる胞子を用いて、粒剤または粒状の水和剤などの微生物農薬製剤を調製する場合は、結合剤を配合することが望ましい。結合剤は、農薬粒状組成物に一般的に用いられるもので、水溶性のものが好ましく、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、デキストリン、水溶性デンプン、キサンタンガム、グアシードガム、ショ糖、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらの結合剤の配合割合は、組成物100重量部に対して、通常0.01重量部〜10重量部、好ましくは0.1重量部〜5重量部である。
【0027】
さらに、結合剤を配合する場合には、水への分散を良好にするために、界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としては、例えばポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル、ソルビタンモノアルキレート等のノニオン性界面活性剤、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩及びその縮合物、アルキル硫酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、アルキルアリール燐酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル燐酸塩、ポリカルボン酸型高分子活性剤等のアニオン性界面活性剤等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独であるいは2種類以上を混合して用いることができる。界面活性剤の配合割合は、組成物100重量部に対して、通常0.1重量部〜30重量部、好ましくは0.5重量部〜20重量部、更に好ましくは2重量部〜10重量部とすることができる。
【発明の効果】
【0028】
上記のようにして培養するとバシルス属菌の胞子を高濃度かつ発芽率の高い状態で得ることができ、このような胞子は、微生物農薬への適性が著しく高く、有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、バシルス属細菌の胞子を高濃度、高発芽率で製造するには、培地中のリン酸塩濃度、酸素の供給量、攪拌速度の3要素の調整が必要であることをはじめて見出し、そして更に研究の結果、リン酸塩濃度が0.05M〜0.15M、酸素移動容量係数が100〜350/hr、攪拌速度が170m/min以下の場合が好適であることをつきとめたものである。
【0030】
本発明に係る方法によって、バシルス属細菌の胞子を高濃度に製造できるだけでなく、得られた胞子は発芽率が非常に高く(後記する実施例からも明らかなように、比較例に比して、1.5〜2.9倍も高いという極めて高い発芽率が確認され、3倍以上の高発芽率も期待される。)、したがって、本発明はバシルス属細菌の胞子の製造方法として有用なだけでなく、微生物農薬の製剤調製用のバシルス属細菌の胞子の製造方法として極めて有用である。
【実施例】
【0031】
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0032】
(実施例1)
バシルスsp.D747菌株(FERM BP−8234)をトリプチケースソイブロス培地で1から3日間培養し前培養を行った。得られた培養液を3%デンプン、1%大豆ペプチド、0.5%酵母エキス、0.5%グルタミン酸ナトリウム、1%リン酸水素二カリウム、0.33%リン酸二水素カリウム、0.035%塩化カルシウム、0.005%塩化マンガン、0.001%硫酸マグネシウム、0.001%硫酸第一鉄、0.1%アンチフロスF−103からなる培地15Lを含むジャーファーメンターに植菌し、28℃で4日間本培養を行った。酸素移動容量係数180/hrで、攪拌は線速度145m/minで行った。
【0033】
<比較例1>
前培養と本培養の培養条件は実施例1と同様に行ったが、本培養培地のリン酸塩濃度を0.5%リン酸水素二カリウム、0.17%リン酸二水素カリウムで実施した。
【0034】
<比較例2>
前培養および本培養の培地は実施例1と同様に行ったが、酸素移動容量係数70/hrで、撹拌を線速度106m/minで実施した。
【0035】
<比較例3>
前培養および本培養の培地は実施例1と同様に行ったが、酸素移動容量係数370/hrで、攪拌を215m/minで実施した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
(実施例2)
バシルスsp.D747菌株(Bacillus sp. D747:FERM BP−8234)を1.7%大豆ペプチド、0.3%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム、0.25%リン酸水素二ナトリウム、0.25%グルコースからなる培地で1日間前培養を行った。得られた培養液を3%デンプン、1%大豆ペプチド、1%酵母エキス、1%リン酸水素二カリウム、0.33%リン酸二水素カリウム、0.035%塩化カルシウム、0.005%塩化マンガン、0.001%硫酸マグネシウム、0.001%硫酸第一鉄、0.1%アンチフロスF−103からなる培地15Lを含む30Lジャーファーメンターに植菌し、28℃で4日間本培養を行った。酸素移動容量係数220/hrで、攪拌は線速度170m/minで行った。
【0038】
<比較例4>
前培養および本培養の培地は実施例2と同様に行ったが、酸素移動容量係数70/hrで、撹拌を線速度85m/minで実施した。
【0039】
<比較例5>
前培養および本培養の培地は実施例2と同様に行ったが、酸素移動容量係数370/hrで、攪拌を215m/minで実施した。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】

【0041】
(実施例3)
実施例2と同様に培養したが、本培養培地のリン酸塩の濃度を1.5%リン酸水素二カリウム、0.5%リン酸二水素カリウムとして実施した。
【0042】
(実施例4)
実施例2と同様に培養したが、本培養培地のリン酸塩の濃度を0.75%リン酸水素二カリウム、0.25%リン酸二水素カリウムとして実施した。
【0043】
<比較例6>
実施例2と同様に培養したが、本培養培地のリン酸塩の濃度を2.0%リン酸水素二カリウム、0.66%リン酸二水素カリウムとして実施した。
【0044】
<比較例7>
実施例2と同様に培養したが、本培養培地のリン酸塩の濃度を0.125%リン酸水素二カリウム、0.05%リン酸二水素カリウムとして実施した。結果を表3に示す。
【0045】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
培地中のリン酸塩濃度、亜硫酸酸化法で求めた酸素移動容量係数で規定する酸素の供給量、及び、培養中の攪拌速度を調節することによって、バシルス属細菌の胞子を高濃度で且つ高発芽率の状態で得ること、を特徴とするバシルス属細菌の胞子の製造方法。
【請求項2】
微生物農薬の製剤調製を目的としたものであること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
培地中のリン酸塩濃度が0.05Mから0.15Mであること、を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
培地中のリン酸塩濃度が0.06Mから0.13Mであること、を特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
酸素移動容量係数が100(hr-1)から350(hr-1)であること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
酸素移動容量係数が130(hr-1)から300(hr-1)であること、を特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
培養中の攪拌が線速度で170m/min以下であること、を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
培養中の攪拌が線速度で120m/minから170m/minであること、を特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
バシルス属細菌がバシルス sp. D747菌株(FERM BP−8234)であること、を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。

【公開番号】特開2007−195542(P2007−195542A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−345320(P2006−345320)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(000000169)クミアイ化学工業株式会社 (86)
【出願人】(390034348)ケイ・アイ化成株式会社 (19)
【Fターム(参考)】