急速充電器

【課題】保守性の向上と、筐体内に収容された複数の充電ユニットの放熱性の向上とを両立させることができる小形の急速充電器を提供する。
【解決手段】本発明に係る急速充電器1Aは、縦方向に延びた箱型の筐体と、筐体内において縦方向に延びた少なくとも1つのダクト21と、筐体外の空気をダクト21の下端から上端に向かって一方向に通流させる空気通流手段(6、7、30)と、筐体に対して着脱自在に取り付けられた充電ユニット10(10a−1、2、10b−1、2、10c−1、2)とを備える。充電ユニット10の一部(11、12)は、ダクト21の壁面を構成するとともにダクト21内に突出し、ダクト21内を通流する空気によって空冷される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の車載バッテリを充電するための急速充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車の車載バッテリを短時間のうちに80%程度にまで充電する急速充電器の開発が盛んに行われている。非特許文献1に記載されているように、急速充電器には、1つの高出力充電ユニットで交直変換部を構成したタイプ(以下、「単一ユニット型」という)と、並列接続された複数の充電ユニットで交直変換部を構成したタイプ(以下、「複数ユニット型」という)とがある。
【0003】
図11(A)に、単一ユニット型の急速充電器を示す。同図に示すように、この急速充電器は、漏電遮断器101を介して外部交流電源100から入力される三相交流電力(AC200[V])を直流化する交直変換部102Aを備えている。交直変換部102Aは1つの高出力充電ユニット103を有し、高出力充電ユニット103の出力電力は、充電コネクタ108を介して車載バッテリ200に供給される。
【0004】
高出力充電ユニット103は、三相AC200[V]を所定の直流電圧に変換するコンバータ104と、該直流電圧を高周波交流電圧に変換するインバータ105と、高周波絶縁トランス106と、高周波絶縁トランス106の二次巻線に誘起された交流電圧を整流および平滑する整流器107とを有する。このタイプの急速充電器では、高出力充電ユニット103の出力電力がそのまま車載バッテリ200に供給される。
【0005】
一方、複数ユニット型の急速充電器は、図11(B)に示すように、交直変換部102Bが複数の充電ユニット103a、103b、103cを有しており、各充電ユニット103a、103b、103cから出力される電力の和電力を車載バッテリ200に供給する。より詳しくは、充電ユニット103aは、三相交流電力のa相成分およびb相成分から生成した直流電力を車載バッテリ200に出力する。同様に、充電ユニット103b、103cは、a相成分およびc相成分から生成した直流電力、およびb相成分およびc相成分から生成した直流電力をそれぞれ車載バッテリ200に供給する。
【0006】
なお、交直変換部102Bはさらに多くの充電ユニットを有する場合もある。例えば、充電ユニット1つ当たりの出力電力がa[kW]であり、かつ車載バッテリ200に供給すべき電力がa×9[kW]の場合は、充電ユニット103a、103b、103cを3つずつ備えればよい。すなわち、この場合は、交直変換部102Bが計9つの充電ユニットで構成される。
【0007】
図11(A)に示す単一ユニット型の急速充電器は、部品点数が少ないために設計を簡素化することができるという利点があるものの、仕様(特に、出力電力)が変わる度に交直変換部102Aを再設計しなければならないので、手間がかかるとともに、コスト低減が図りにくいという問題がある。
【0008】
一方、図11(B)に示す複数ユニット型の急速充電器は、個々の充電ユニットを汎用部品で構成することが容易で、しかも1台の急速充電器に複数の充電ユニットが使用されるので、量産効果により充電ユニットのコストを低減しやすいという利点がある。また、複数ユニット型の急速充電器は、一部の充電ユニットで障害が発生したとしても、当該充電ユニットだけを交換すればよいので、保守が容易という利点もある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“急速充電設備の仕様、構造及び設置について”、[online]、平成22年12月17日、CHAdeMO協議会、[平成23年9月26日検索]、インターネット<URL:http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/denki_jidousya/pdf/dai1_siryou3.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、充電インフラを本格的に普及させるためには、急速充電器の小形化(設置面積の低減)および低コスト化が必須となっている。このため、最近では、低コスト化に有利な複数ユニット型の急速充電器が主流となってきている。
【0011】
しかしながら、複数ユニット型の急速充電器において小形化を進めていくと、筐体内に複数の充電ユニットを近接して配置させることになり、各充電ユニットの発熱により筐体内温度が上昇するという問題があった。筐体内の温度が過度に上昇すると、充電ユニットの動作が不安定になったり故障頻度が増加したりする。このため、複数ユニット型の急速充電器では、充電ユニットの放熱性を向上させることが重要となっている。
【0012】
また、充電インフラの安定的な運用という観点から、複数ユニット型の急速充電器は、保守性に優れていることも重要となっている。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、保守性の向上と、筐体内に収容された複数の充電ユニットの放熱性の向上とを両立させることができる小形の急速充電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明に係る急速充電器は、複数の充電ユニットから出力される電力の和電力によりバッテリを充電する急速充電器であって、縦方向に延びた箱型の筐体と、筐体内において縦方向に延びた少なくとも1つのダクトと、筐体外の空気をダクトの下端から上端に向かって一方向に通流させる空気通流手段とを備え、複数の充電ユニットの各々は筐体に対して着脱自在に取り付けられ、各充電ユニットの一部は、ダクトの一壁面を構成するとともに、ダクト内に突出し、ダクト内を通流する空気によって空冷されることを特徴とする。
【0015】
この構成では、筐体に対して充電ユニットが着脱自在に取り付けられているので、充電ユニットの交換が容易となる。また、この構成では、充電ユニットがダクトの一部分となっているので、かつ部品点数を少なくすることができる。すなわち、この構成によれば、保守性を向上させることができる。
【0016】
また、この構成では、ダクト内に充電ユニットの一部分が突出しており、該一部分が該ダクト内を一方向に通流する新鮮な空気に晒され続ける。したがって、この構成によれば、充電ユニットの放熱性を向上させることができる。
【0017】
充電ユニットの構成は種々考えられるが、例えば、ベースプレートと、ベースプレートの表面に接合された発熱部品と、ベースプレートの裏面から突出した複数の放熱フィンとで充電ユニットが構成されている場合は、放熱フィンをダクト内に突出させることにより、発熱部品を効率よく放熱させることができる。
【0018】
ダクトの構成も種々考えられるが、例えば、2組の相対向する一対の壁面を構成する4枚の側板でダクトが構成されている場合は、4枚の側板のうちの少なくとも1枚を充電ユニットのベースプレートとすることにより、容易に充電ユニットをダクトの一部分とすることができる。
【0019】
上記急速充電器は、筐体内の空間を縦方向に隣接した複数の空間層に分割する棚板をさらに備え、棚板の表面には、充電ユニットのベースプレートの厚みに対応した幅を有する一対のガイドが設けられ、放熱フィンをダクト内方に向けた状態で、一対のガイドにベースプレートが挿入されることで充電ユニットが取り付けられることが好ましい。この構成によれば、筐体(棚板)に対して容易に充電ユニットを着脱自在としながらも、ユニット装着時には直ちにダクト内に放熱フィンが突出する姿勢とすることができる。
【0020】
また、充電ユニットが、入力バスバを介して外部から入力された交流電力を所定の直流電力に変換し、該直流電力を出力バスバを介してバッテリに供給するものである場合は、充電ユニットと入力バスバとの接続および充電ユニットと出力バスバとの接続が、工具不要の着脱可能なコネクタによってなされていることが好ましい。この構成によれば、充電ユニットの着脱がより容易になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、保守性の向上と、筐体内に収容された複数の充電ユニットの放熱性の向上とを両立させることができる小形の急速充電器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る急速充電器の外観図であって、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)は左側面図である。
【図2】本発明に係る急速充電器において使用される充電ユニットであって、(A)は平面図、(B)および(C)はそれぞれ別の角度から見た側面図である。
【図3】本発明に係る急速充電器の内部構造を示す図であって、(A)は正面図、(B)は左側面図である。
【図4】本発明に係る急速充電器の内部構造を示す平面図である。
【図5】本発明に係る急速充電器におけるダクトの組み立て方法を説明するための図である。
【図6】本発明の第1実施形態における空気の流れを示す模式図である。
【図7】本発明の第2実施形態における空気の流れを示す模式図である。
【図8】本発明の第3実施形態における空気の流れを示す模式図である。
【図9】本発明の第4実施形態における空気の流れを示す模式図である。
【図10】本発明の第5実施形態における空気の流れを示す模式図である。
【図11】急速充電器のブロック図であって、(A)は単一ユニット型の急速充電器、(B)は複数ユニット型の急速充電器である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る急速充電器の好ましい実施形態について説明する。
【0024】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る急速充電器の外観図である。本実施形態に係る急速充電器1Aは、交直変換部を9つの充電ユニットで構成した複数ユニット型の急速充電器である(図11(B)参照)。
【0025】
図1の各図に示すように、急速充電器1Aは縦方向に伸びた箱型の筐体2とそれを支える台座部2fとを備えている。筐体2は、正面パネル2a、右側面パネル2b、背面パネル2c、左側面パネル2dおよび天井パネル2eからなる。正面パネル2aには、操作ボタンおよびディスプレイを含むインタフェース部3が設けられている。各充電ユニットを制御する制御基板は、2枚の基板に分けて正面パネル2a側に取り付けられている。また、右側面パネル2bの下方と、背面パネル2cおよび左側面パネル2dの上方とには、複数のスリットが開口形成されている。右側面パネル2bにおけるスリットは、筐体2内に外部からの新鮮な空気を取り込むための吸気口6であり、背面パネル2cおよび左側面パネル2dにおけるスリットは、筐体2内の空気を排気するための排気口7である。
【0026】
この他、急速充電器1Aは、右側面パネル2bの上方から引き出された充電ケーブル4、およびその先端に備えられた充電ガン5を備えている。図1(B)以外の各図では、充電ケーブル4および充電ガン5の全部または一部が省略されているので注意されたい。
【0027】
図2は、筐体2内に収容される充電ユニット10である。前記の通り、本実施形態に係る急速充電器1Aでは、筐体2内に9つの充電ユニット10が収容されており、急速充電器1A全体としては、約30[kW]の電力を出力することができる。
【0028】
充電ユニット10は、図11(B)における充電ユニット103a等に相当するもので、三相AC200[V]を所定の直流電圧に変換するコンバータ104と、該直流電圧を高周波交流電圧に変換するインバータ105と、高周波絶縁トランス106と、高周波絶縁トランス106の二次巻線に誘起された交流電圧を整流および平滑する整流器107とを有している。
【0029】
充電ユニット10は、平面視矩形状のベースプレート11と、ベースプレート11の裏面から突出した複数の放熱フィン12とを有する。放熱フィン12は、ベースプレート11の長辺方向に延びている。本実施形態では、28本の放熱フィン12が等間隔に並んでいる。ベースプレート11および放熱フィン12は、アルミニウムにより一体的に成形されたものである。
【0030】
ベースプレート11の表面には、コンバータ104やインバータ105を構成する部品のうち、特に発熱量の大きな部品(例えば、IGBT等のスイッチング素子。以下、「発熱部品」という。)が導電性接着剤または半田により直接的に接合されている。このため、発熱部品から発生した熱は、ベースプレート11および放熱フィン12により素早く拡散される。
【0031】
図3は、本実施形態に係る急速充電器1Aの内部構造を示す図である。図3においては、筐体2を構成する5枚のパネル2a〜2eが全て取り外されており、フレーム13や充電ユニット10(10a−1〜10a−3、10b−1〜10b−3、10c−1〜10c−3)が視認可能となっている。なお、図3(A)は正面図であり、図1(A)に相当する。また、図3(B)は左側面図であり、図1(D)に相当する。
【0032】
フレーム13は棚状構造を有し、主に、底板15と、底板15の四隅から縦方向に伸びた4本の支柱16と、支柱16の内側に設けられた4枚の棚板17a〜17dとを有する。底板15および棚板17a〜17dは金属製の板である。本実施形態に係る急速充電器1Aは、この棚板17a〜17dにより筐体2内の空間が縦方向に隣接した5つの層に分割されている。以下では、最下層の空間を「最下層空間18」、最上層の空間を「最上層空間20」、最下層空間18と最上層空間20の間にある3つの空間を「中層空間19a〜19c」と呼ぶこととする。
【0033】
図3に示すように、急速充電器1Aは第1ダクト21および第2ダクト22を備えている。第1ダクト21および第2ダクト22は、棚板17a〜17dを貫いて縦方向に延びており、最下層空間18と最上層空間20とを連通させる。
【0034】
最下層空間18は、右側面パネル2bに設けられた吸気口6によって外部と繋がっている。また、最上層空間20は、背面パネル2cおよび左側面パネル2dに設けられた排気口7によって外部と繋がっている。一方、本実施形態では、各パネル2a〜2dの中層空間19a〜19cに対応した位置にはスリットが形成されていない。したがって、本実施形態においては、中層空間19a〜19cがほぼ密閉状態となっている。
【0035】
最上層空間20に設けられた排気口7の近傍には排気ファン(図6の符号30)が備えられている。排気ファンが作動すると、最上層空間20内の空気が排気口7を通じて強制的に外部に排気される。
【0036】
なお、本実施形態では、吸気口6、排気口7および排気ファン30が「空気通流手段」となる。後で詳細に説明するが、空気通流手段は、筐体2外の空気を第1ダクト21および第2ダクト22の下端から上端に向かって一方向に通流させる役割を果たす。
【0037】
棚板17aおよび棚板17bの間にある中層空間19aにおいては、第1ダクト21に2つの充電ユニット10(10a−1、10a−2)が固定されるとともに、第2ダクト22に充電ユニット10(10a−3)が固定されている。同様に、中層空間19bにおいては、第1ダクト21に2つの充電ユニット10(10b−1、10b−2)が固定されるとともに、第2ダクト22に充電ユニット10(10b−3)が固定されている。また、中層空間19cにおいては、第1ダクト21に2つの充電ユニット10(10c−1、10c−2)が固定されるとともに、第2ダクト22に充電ユニット10(10c−3)が固定されている。
【0038】
同一の空間に配置された3つの充電ユニットは、外部交流電源100に対して並列に接続されている。具体的には、中層空間19aに配置された3つの充電ユニット10a−1〜10a−3は、不図示の接続ケーブルによって入力端子がa相入力バスバ23およびb相入力バスバ24に接続されている。同様に、中層空間19bに配置された3つの充電ユニット10b−1〜10b−3は、入力端子がa相入力バスバ23およびc相入力バスバ25に接続され、中層空間19cに配置された3つの充電ユニット10c−1〜10c−3は、入力端子がb相入力バスバ24およびc相入力バスバ25に接続されている。また、全充電ユニット10a−1〜10a−3、10b−1〜10b−3、10c−1〜10c−3の出力端子は、不図示の接続ケーブルによって一対の出力バスバ26に接続されている。
【0039】
各接続ケーブルの一端は、充電ユニット10に対して半田付けまたはネジ留めにより固定され、各接続ケーブルの他端は、入力バスバ23〜25または出力バスバ26に対してネジ留めにより固定されている。また、各接続ケーブルは工具不要で着脱可能なコネクタ部を有する。このため、急速充電器1Aでは、半田付けまたはネジ留めされた接続ケーブルの一端または他端を充電ユニット10または入出力バスバ23〜26から外したり付け直したりすることなく、充電ユニット10を交換することができる。
【0040】
図4は、棚板17a、充電ユニット10a−1〜10a−3、第1ダクト21および第2ダクト22を真上から見た平面図である。同図に示すように、第1ダクト21および第2ダクト22は、それぞれ4枚の側板21a〜21d、22a〜22dを隙間なく組み合せたもので、第1ダクト21においては、この4枚の側板21a〜21dのうちの相対向する2枚(21b、21d)が充電ユニット10a−1および充電ユニット10a−2のベースプレート11で構成されている。また、第2ダクト22においては、4枚の側板22a〜22dのうちの1枚(22d)が充電ユニット10a−3のベースプレート11で構成されている。すなわち、充電ユニット10a−1、10a−2および10a−3のベースプレート11が、それぞれ第1ダクト21の側板21b、21dおよび第2ダクト22の側板22dとしての役割も兼ねている。
【0041】
棚板17aは、第1ダクト21および第2ダクト22に対応した位置にそれぞれダクト用連通口27、28が開口形成されている。図4から明らかなように、各充電ユニット10a−1〜10a−3の放熱フィン12は縦方向に真っ直ぐに延びているので、ダクト用連通口27、28を通じて最下層空間18から第1ダクト21内および第2ダクト22内に流れ込んできた空気は、放熱フィン12に遮られることなく一直線に上昇する。
【0042】
棚板17aと同様に、棚板17b、17c、17dにもダクト用連通口27、28が開口形成されている。
【0043】
図5は、第1ダクト21および第2ダクト22を分解した状態の平面図である。同図に示すように、棚板17aの上面には、ダクト用連通口27、28の長辺に沿って設けられた一対の突部からなるガイド40、41が設けられている。また、図示されていないが、棚板17bの下面にもガイド40、41が設けられている。
【0044】
第1ダクト21および第2ダクト22の組み立ては以下の手順で行われる。すなわち、側板21c、22cを取り付けた後、棚板17aの上面および棚板17bの下面にそれぞれ設けられたガイド40(41)に沿ってベースプレート11をスライドさせることにより、充電ユニット10a−1〜10a−3を所定位置に配置し、最後に、側板21a、22a、22bを取り付けることにより、第1ダクト21および第2ダクト22は完成する。
【0045】
上記の通り、本実施形態に係る急速充電器1Aでは、充電ユニット10の取り付けと第1ダクト21および第2ダクト22の組み立てとが同時に行われるので、製造工程を簡略化することができる。また、本実施形態に係る急速充電器1Aでは、充電ユニット10が第1ダクト21および第2ダクト22の一部となっているので、第1ダクト21および第2ダクト22の部品点数を減らすこともできる。
【0046】
図6は、急速充電器1Aにおける空気の流れを模式的に表した図である。なお、同図および図7〜図10においては、説明を簡単にするために、第2ダクト22および第2ダクト22に固定された充電ユニット10a−3、10b−3、10c−3の図示を省略している。
【0047】
排気ファン30が作動すると、最上層空間20内の空気が排気口7を通じて強制的に外部に排気される。これにより、最上層空間20、第1ダクト21内(第2ダクト22内)の空間、および最下層空間18の圧力が低下し、吸気口6を通じて最下層空間18に新鮮な空気が取り込まれる。
【0048】
取り込まれた空気は、第1ダクト21内(第2ダクト22内)を淀むことなく一直線に上昇する。このとき、第1ダクト21内(第2ダクト22内)に突出した各充電ユニットの放熱フィン12は、上昇していく空気によって空冷される。
【0049】
第1ダクト21(第2ダクト22)を通り抜けて最上層空間20に到達した空気は、最終的に排気口7から排気される。これにより、第1ダクト21および第2ダクト22の周囲に配設された充電ユニット10a−1〜10a−3、10b−1〜10b−3および10c−1〜10c−3が効率的に冷却される。
【0050】
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係る急速充電器1Bについて説明する。図7に示すように、急速充電器1Bは、棚板17aに開口形成されたダクト用連通口27に吸気ファン34が設けられている点において、第1実施形態に係る急速充電器1Aと相違している。吸気ファン34は、最下層空間18に取り込まれた空気を第1ダクト21に送り込むためのものである。なお、第2ダクト22に関し、ダクト連通口28にも同様に吸気ファンが設けられている。
【0051】
最下層空間18および最上層空間20の体積が大きい場合は、最上層空間20に設けた排気ファン30を作動させるだけで、これらの空間の圧力を十分に下げることができないことが考えられる。圧力が十分に下がらないと、吸気口6から取り込まれる外部からの新鮮な空気の量が減少し、充電ユニット10の放熱性が低下してしまう。本実施形態に係る急速充電器1Bによれば、このような場合であっても最下層空間18の圧力が確実に低下するので、十分な量の空気を最下層空間18に取り込んで、該空気により充電ユニット10を安定的に放熱させることができる。
【0052】
[第3実施形態]
図8に示すように、本発明の第3実施形態に係る急速充電器1Cは、棚板17a〜17cにさらに連通口31が開口形成されている点と、吸気ファン35が設けられている点において、第1実施形態に係る急速充電器1Aと相違している。連通口31は4枚の棚板のうち最上層空間20と中層空間19cとを分割する棚板17dを除く棚板17a〜17cに開口形成され、隣接した空間層を連通接続する。なお、第2ダクト22側にも、ダクト連通口28に隣接して連通口31が開口形成されている(後述する第4および第5実施形態についても同様である)。吸気ファン35は、最下層空間18に取り込まれた新鮮な空気を第1ダクト21に送るとともに、中層空間19a〜19c内の空気を攪拌するためのものである。
【0053】
充電ユニット10には、発熱部品(IGBT等のスイッチング素子)の他にも冷却することが好ましい部品(コイル等)が多数搭載されている。図4に示すように、各充電ユニット10a−1〜10a−3のベースプレート11の側方に、トランスTとノイズフィルタNFを搭載した基板が取付けられている。トランスTおよびノイズフィルタNFは共に発熱体であるコイルを含み、半導体素子が搭載されたベースプレート11とは別体に構成されている。すなわち、トランスTおよびノイズフィルタNFがベースプレート11上の部品とは別に取り付けられることで、周囲雰囲気に接する外部表面積が拡大されるとともに、ベースプレート11上の半導体素子から隔離されている。このような構成により、トランスT、ノイズフィルタNFの周囲雰囲気を攪拌させることにより、トランスT、ノイズフィルタNFからの発熱を周囲に効率よく放熱させることが可能となっている。このため、ダクト連通口28に隣接して連通口31を開口形成することにより、連通口31から中層空間19a〜19c内に空気が流れ込み、トランスT、ノイズフィルタNFの周囲雰囲気が攪拌され、トランスTおよびノイズフィルタNFが空冷される。このように本実施形態に係る急速充電器1Cによれば、中層空間19a〜19c内の空気を攪拌することができるので、上記コイル等の周辺に熱せられた空気が滞留することによる該コイルの劣化等を防止することができる。しかも、図8に示すように、吸気ファン35をダクト用連通口27と連通口31とに跨るように取り付けることで、1つのファンにより、ダクト内への吸気動作と中層空間19a〜19c内の空気の攪拌動作とを兼用することができる。
【0054】
[第4実施形態]
図9に示すように、本発明の第4実施形態に係る急速充電器1Dは、背面パネル2cの中層空間19bおよび中層空間19cに対応した位置に補助排気口32b、32cとしてのスリットが開口形成されている点において、第3実施形態に係る急速充電器1Cと相違している。
【0055】
本実施形態に係る急速充電器1Dによれば、中層空間19a〜19cの空気を排気して内外雰囲気を入れ替えることができるので、より一層充電ユニット10を放熱させることができる。
【0056】
[第5実施形態]
図10に示すように、本発明の第5実施形態に係る急速充電器1Eは、補助排気口32b、32cに補助排気ファン33b、33cがそれぞれ備えられている点において、第4実施形態に係る急速充電器1Dと相違している。補助排気ファン33b、33cは、中層空間19bおよび中層空間19cの空気を強制的に排気するためのものである。
【0057】
本実施形態に係る急速充電器1Bでは、排気ファン30および2つの補助排気ファン33b、33cが作動するので、より多くの外部からの新鮮な空気が最下層空間18に取り込まれる。そして、取り込まれた空気の一部は、連通口31を通って中層空間19a〜19cに行き渡り、最終的に補助排気口32bまたは補助排気口32cから排気される。したがって、本実施形態に係る急速充電器1Eによれば、中層空間19a〜19cに熱がこもるのを防ぐことができ、充電ユニットをさらに安定的に動作させることができる。
【0058】
以上、本発明に係る急速充電器の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記の構成に限定されるものではない。
【0059】
例えば、上記実施形態に係る急速充電器1A〜1Eは充電ユニットを9つ収容していたが、充電ユニットの数量は充電対象に応じて任意に変更することができる。
一例として、充電ユニットを15個収容して出力電力を50[kW]とする場合は、(A)第1ダクトを1本追加するとともに該第1ダクトに2つの充電ユニットを固定することで、各中層空間に5つの充電ユニットを配置してもよいし、(B)棚板を2枚追加的に備えて5つの中層空間を形成し、各中層空間に3つの充電ユニットを配置してもよい。(A)の手法を採る場合は、急速充電器の奥行きが長くなり、設置面積が大きくなる。一方、(B)の手法を採る場合は、急速充電器が縦長になる。いずれの手法を採るかは、当該急速充電器が設置される環境に応じて決定すればよい。
【符号の説明】
【0060】
1A〜1E 急速充電器
2 筐体
2a 正面パネル
2b 右側面パネル
2c 背面パネル
2d 左側面パネル
2e 天井パネル
2f 台座部
3 インタフェース部
4 充電ケーブル
5 充電ガン
6 吸気口
7 排気口
10 充電ユニット
10a−1〜10a−3 充電ユニット
10b−1〜10b−3 充電ユニット
10c−1〜10c−3 充電ユニット
11 ベースプレート
12 放熱フィン
13 フレーム
15 底板
16 支柱
17a〜17d 棚板
18 最下層空間
19a〜19c 中層空間
20 最上層空間
21 第1ダクト
21a〜21d (第1ダクトの)側板
22 第2ダクト
22a〜22d (第2ダクトの)側板
23 a相入力バスバ
24 b相入力バスバ
25 c相入力バスバ
26 出力バスバ
27 ダクト用連通口
28 ダクト用連通口
30 排気ファン
31 連通口
32b、32c 補助排気口
33b、33c 補助排気ファン
34 吸気ファン
35 吸気ファン
40 ガイド
41 ガイド
100 外部交流電源
101 漏電遮断器
102A、102B 交直変換部
103 高出力充電ユニット
103a〜103c 充電ユニット
104 コンバータ
105 インバータ
106 高周波絶縁トランス
107 整流器
108 充電コネクタ
200 車載バッテリ
NF ノイズフィルタ
T トランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の充電ユニットから出力される電力の和電力によりバッテリを充電する急速充電器であって、
縦方向に延びた箱型の筐体と、
前記筐体内において縦方向に延びた少なくとも1つのダクトと、
前記筐体外の空気を前記ダクトの下端から上端に向かって一方向に通流させる空気通流手段と
を備え、
前記複数の充電ユニットの各々は前記筐体に対して着脱自在に取り付けられ、
前記各充電ユニットの一部は、前記ダクトの一壁面を構成するとともに、前記ダクト内に突出し、前記ダクト内を通流する前記空気によって空冷されることを特徴とする急速充電器。
【請求項2】
前記複数の充電ユニットの各々は、
ベースプレートと、
前記ベースプレートの表面に接合された発熱部品と、
前記ベースプレートの裏面から突出した複数の放熱フィンと
を含み、
前記放熱フィンが前記ダクト内に突出していることを特徴とする請求項1に記載の急速充電器。
【請求項3】
前記ダクトは、2組の相対向する一対の壁面を構成する4枚の側板から構成され、
前記4枚の側板のうちの少なくとも1枚が前記充電ユニットの前記ベースプレートであることを特徴とする請求項2に記載の急速充電器。
【請求項4】
前記筐体内の空間を縦方向に隣接した複数の空間層に分割する棚板をさらに備え、
前記棚板の表面には、前記充電ユニットのベースプレートの厚みに対応した幅を有する一対のガイドが設けられ、
前記放熱フィンを前記ダクト内方に向けた状態で、前記一対のガイドに前記ベースプレートが挿入されることで前記充電ユニットが取り付けられる請求項2または3に記載の急速充電器。
【請求項5】
前記充電ユニットは、入力バスバを介して外部から入力された交流電力を所定の直流電力に変換し、該直流電力を出力バスバを介して前記バッテリに供給するものであり、
前記充電ユニットと前記入力バスバとの接続および前記充電ユニットと前記出力バスバとの接続が、工具不要の着脱可能なコネクタによってなされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の急速充電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−85399(P2013−85399A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224197(P2011−224197)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000004606)ニチコン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】