説明

情報端末装置

【課題】 既存の携帯電話装置に接続可能であり、通信網と通信不可能に構成され、メール情報を作成することができる情報端末装置を提供する。
【解決手段】 情報端末装置1は、携帯電話装置2と機械的および電気的に接続可能であり、通信網と通信不可能に構成され、通信部3は、入力部13によって作成されたメール情報を送信する送信指令を携帯電話装置2に与えるように制御部5によって制御されるので、携帯電話装置2を用いることができない場所であっても、入力部13によってメール情報を作成することができ、入力部13によって作成されたメール情報を、携帯電話装置2を用いてもよい場所に移動した後に、携帯電話装置2に接続して携帯電話装置2を介して通信網に送信させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話装置に電気的および機械的に接続可能な情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電波の発信を禁止されている場所、たとえば病院内、電車内および航空機内などでは、携帯電話装置の使用がすることができない。このような場所では、電波の発信を行わない操作、たとえばメールの作成および閲覧などの操作であっても、操作をすることができない。このような課題を解決する技術として、第1の従来の技術が開示されている。
【0003】
第1の従来の技術の携帯電話装置は、電磁波放射が禁止または制限されている場所において、電磁波放射を伴わない動作であるメール作成のみを実行可能にし、所望時にメール送信を実行可能に構成される。これによって電磁波放射が禁止または制限されている場所であっても、メールを作成することができ、携帯電話装置を有効に用いることができる(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
また携帯電話装置に記憶される個人情報を保護する技術として、第2および第3の従来の技術が開示されている。第2の従来の技術の携帯端末装置は、メモリが内蔵された入力ペンを、携帯端末本体に差込んで、メモリに記憶されているデータを読み書き可能に構成される。メモリには、セキュリティチェックに用いられるID番号データ、送受信メールおよび電話帳データなどの個人情報などが記憶されており、操作者は、携帯端末本体の使用開始時に、自分専用の入力ペンを挿入することによって、メモリに記憶されている各データを読み出して、セキュリティチェックし、各種動作を実行することができる(たとえば特許文献2参照)。
【0005】
また第3の従来の技術の携帯電話機は、ICカードが挿入されていない状態では、利用者が携帯電話機の電源ボタンを押しても電源ONにならず、携帯電話機にICカードを差し込み、電源ボタンを押すと電源ONにすることができるように構成される。これによってICカードを持たない第3者は、携帯電話機本体の電源を入れることができないので、携帯電話機を操作することができず、セキュリティを確保することができる。
【0006】
また操作者がICカードを差し込み、電源がONになると自動的にICカードからデータ読み込まれ、ICカードに記憶される送受信メールおよび電話帳などの個人情報によって、携帯電話機を用いることができる。携帯電話機が用いられて個人情報が変更された場合、それらの情報が差分情報としてICカードに書き込まれ、携帯電話機本体から消去されるように構成される。したがって他のICカードを持つ第3者であっても、それぞれの操作者が有するICカードに個人情報が個別に記憶されているので、同一の携帯電話機を用いた場合であっても、他のICカードを持つ第3者に個人情報の漏洩を防ぐことができる(たとえば特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2002−369248号公報
【特許文献2】特開平10−143269号公報
【特許文献3】特開2004−172885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の第1の従来の技術では、電磁波放射が禁止または制限されている場所であっても、メールを作成することはできるが、前述のような機能を備えない既存の携帯電話装置では、前述の機能を用いることができない。したがって消費者は、既存の携帯電話装置から前述のような機能を備える携帯電話装置を新たに購入する必要があるので、消費者の負担となり、電磁波放射を制限する携帯電話装置を容易に実現することが困難である。
【0009】
また前述の第2および第3の従来の技術では、個人情報が記憶される記憶装置を、携帯電話装置に装着することによって、携帯電話装置が操作可能であるが、電磁波放射が禁止または制限されている場所では用いることができず、不便である。
【0010】
したがって本発明の目的は、既存の携帯電話装置に接続可能であり、通信網と通信不可能に構成され、メール情報を作成することができる情報端末装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、携帯電話装置と機械的および電気的に接続可能であり、通信網と通信不可能に構成される情報端末装置であって、
携帯電話装置と機械的および電気的に接続された接続状態で、携帯電話装置と通信可能な通信手段と、
通信手段を介して、携帯電話装置に記憶される情報を出力可能な出力手段と、
携帯電話装置に記憶される情報を記憶可能な記憶手段と、
携帯電話装置から送信されるべきメール情報を作成するための作成手段と、
通信手段を介して、携帯電話装置に記憶される情報のうち、予め定める情報を受信し、受信した情報を記憶するように記憶手段を制御するとともに、作成手段によって作成されたメール情報を送信する送信指令を携帯電話装置に与えるように通信手段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする情報端末装置である。
【0012】
また本発明は、携帯電話装置と機械的および電気的な接続状態であるか非接続状態であるかを検出する検出手段をさらに含み、
制御手段は、検出手段によって接続状態であることを検出すると、通信手段を介して、携帯電話装置に記憶されるメール情報に関する情報を記憶するように記憶手段を制御することを特徴とすることを特徴とする。
【0013】
さらに本発明は、携帯電話装置と機械的および電気的に接続状態であるか非接続状態であるかを検出する検出手段をさらに含み、
制御手段は、検出手段によって接続状態であることを検出すると、携帯電話装置の予め定める動作を許容する指令を携帯電話装置に与えるように通信手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、情報端末装置は、携帯電話装置と機械的および電気的に接続可能であり、通信網と通信不可能に構成されるので、電波の発信が禁止されている場所であっても用いることができる。記憶手段は、接続状態では通信手段を介して、携帯電話装置に記憶される情報のうち、予め定める情報を受信し、受信した情報を記憶するように制御手段によって制御される。これによって操作者は、情報端末装置を用いて、携帯電話装置に記憶される情報を出力手段によって出力させて、確認することができる。したがって携帯電話装置を用いることができない場所であっても、本発明の情報端末装置を用いることによって、携帯電話装置に記憶される情報を確認することができる。また通信手段は、作成手段によって作成されたメール情報を送信する送信指令を携帯電話装置に与えるように制御手段によって制御される。これによって携帯電話装置を用いることができない場所であっても、作成手段によってメール情報を作成することができる。作成手段によって作成されたメール情報を、携帯電話装置を用いてもよい場所に移動した後に、携帯電話装置に接続して携帯電話装置を介して通信網に送信させることができる。
【0015】
また本発明によれば、記憶手段は、検出手段によって接続状態であることを検出すると、通信手段を介して、携帯電話装置に記憶されるメール情報に関する情報を記憶するように制御手段によって制御される。これによって情報端末装置を携帯電話装置と接続することによって、いわば自動的にメール情報に関する情報を、記憶手段に記憶させることができる。したがって操作者は、なんら特別な操作を行うことなく、単に情報端末装置を携帯電話装置に接続する操作だけで、情報端末装置にメール情報に関する情報を記憶させることができるので、利便性が向上する。これによって操作者は、情報端末装置を用いて、メール情報に関する情報を容易に確認することができ、またメール情報に関する情報に基づいて、新たなメール情報を作成手段によって作成することができる。
【0016】
さらに本発明によれば、通信手段は、検出手段によって接続状態であることを検出すると、携帯電話装置の予め定める動作を許容する指令を携帯電話装置に与えるように制御手段によって制御される。これによって携帯電話装置の予め定める動作は、情報端末装置と接続状態あるか非接続状態であるかで、許容されるか否かが変更される。したがって情報端末装置を接続した接続状態でのみ、携帯電話装置の予め定める動作が許容されるので、第3者に不所望に携帯電話装置が操作された場合であっても、予め定める動作が第3者に実行されることを防ぐことができる。これによって携帯電話装置に記憶される情報の漏洩を防止することができ、セキュリティ性能を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の実施の一形態である情報端末装置1の電気的構成を示すブロック図である。図2は、情報端末装置1および携帯電話装置2を簡略化して示す正面図である。情報端末装置1は、図2に示すように、携帯電話装置2と機械的および電気的に接続可能であって、通信網から独立して構成される。したがって情報端末装置1は、通信網と通信不可能に構成される。換言すると、情報端末装置1は、無線によって他の装置と通信不可能に構成され、電磁波を発信および受信する機能を有していない。これによって情報端末装置1は、電磁波の放射が禁止または制限されている場所、たとえば病院内および飛行機内であっても、支障なく操作することができる。
【0018】
情報端末装置1は、電子装置であって、たとえば操作者が携帯して用いることが容易な携帯型の情報端末装置1である。情報端末装置1は、携帯電話装置2に機械的に接続されることによって、携帯電話装置2と通信可能に構成される。情報端末装置1は、既存の携帯電話装置2に接続可能に構成される。情報端末装置1は、通信部3、表示部4、制御部5、検出部6、記憶部7、音入力部8、音出力部9、カメラ部10および入力部13を含んで構成される。
【0019】
通信部3は、通信手段であって、携帯電話装置2と通信可能に接続するための接続部11を有する。通信部3は、携帯電話装置2と接続部11によって接続され、たとえば記憶部7に記憶される各種の情報を携帯電話装置2と通信可能に構成される。通信部3は、携帯電話装置2から与えられる情報を制御部5に与える。また通信部3は、制御部5から与えられる情報を携帯電話装置2に与える。
【0020】
検出部6は、検出手段であって、携帯電話装置2と機械的および電気的に接続している接続状態であるか非接続状態であるかを検出し、検出した検出情報を制御部5に与える。検出部6は、たとえば電圧検出手段によって実現され、接続状態であるか非接続状態であるかによって変化する電圧を検出し、検出した電圧値を検出情報として制御部5に与える。
【0021】
記憶部7は、記憶手段であって、たとえばフラッシュメモリなどの半導体装置から成り、制御部5の制御に用いられるプログラムおよび各種の情報を記憶する。記憶部7は、制御部5から与えられる情報、たとえば画像情報および音声情報を一時的、または長期的に記憶する。また記憶部7は、メール情報、たとえば未送信メールに基づく未送信メール情報を記憶可能である。また記憶部7は、メール情報に関する情報、たとえばメール送信履歴、メール受信履歴、受信メール、送信メールおよびメールアドレスを記憶可能である。記憶部7は、たとえば、氏名、電話番号、発信履歴、着信履歴、メール情報およびメールに関する情報などの携帯電話装置2に記憶される個人情報も記憶可能である。
【0022】
入力部13は、入力手段であって、情報を入力するための複数の操作部12を有する。各操作部12は、操作によって入力される入力情報が個別に割当てられる。入力部13は、携帯電話装置2に記憶される情報を選択するための選択手段としての機能を有する。各操作部12は、操作によって選択される選択情報を入力可能である。また入力部13は、携帯電話装置2から送信されるべきメール、いわゆる未送信メールを作成するための作成手段としての機能を有する。各操作部12は、操作によってメールの本文、送信先のアドレス、メールに添付する画像情報などの未送信メール情報を入力可能である。操作部12は、テンキーおよびファンクションキーなどを備える。テンキーは、たとえば電話番号などの入力、または文字情報の入力に用いられる。ファンクションキーは、たとえば各種設定などを行うためのキーである。各操作部12は、操作者に操作され、割当てられる入力情報、たとえば各部の動作の指示が入力される。操作部12は、たとえば押下スイッチによって実現される。入力部13は、各操作部12が操作されて入力された入力情報、選択された選択情報、未送信メール情報を制御部5に与える。
【0023】
カメラ部10は、撮像手段であって、たとえば電荷結合素子(Charge Coupled Device:略称CCD)などの撮像素子から成り、被写体を撮像することができる。カメラ部10は、撮像される画像情報を制御部5に与える。またカメラ部10は、制御部5から与えられる指令情報に基づいて制御される。
【0024】
表示部4は、出力手段であって、制御部5から与えられる情報を表示可能な情報、たとえば画像情報および文字情報に変換し表示して出力する。表示される情報は、たとえばカメラ部10によって撮像された画像情報、通信部3を介して与えられる情報、記憶部7に記憶される情報、および各種操作するための情報である。表示部4は、たとえばカラー表示可能な液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:略称LCD)によって実現される。
【0025】
音出力部9は、出力手段であって、制御部5から与えられる音情報、たとえば記憶部7に記憶される情報、たとえば音楽情報、および操作部12を操作したときの操作音を外部に出力する。音出力部9は、たとえばスピーカによって実現される。音入力部8は、外部から与えられる音声情報を制御部5に与える。
【0026】
制御部5は、制御手段であって、記憶部7に記憶されるプログラムとあいまって、与えられる指令情報および入力情報などに基づいて、情報端末装置1全体の動作を決定する。動作が決定すると、制御部5は、各部に対して指令情報を与える。制御部5は、たとえばカメラ部10のシャッター動作およびズーム操作などの動作を制御する。制御部5は、たとえばマイクロコンピュータなどの処理回路によって実現される。制御部5の行う主な制御には、次のようなものがある。
【0027】
(a)通信部3を介して、携帯電話装置2に記憶される情報のうち、入力部13によって選択される情報を記憶するように記憶部7を制御する。
【0028】
(b)入力部13によって作成された未送信メール情報を送信する送信指令を携帯電話装置2に与えるように通信部3を制御する。
【0029】
(c)検出部6によって携帯電話装置2と接続状態であることを検出すると、通信部3を介して、携帯電話装置2に記憶されるメール情報に関する情報などの個人情報を記憶するように記憶部7を制御する。
【0030】
(d)検出部6によって携帯電話装置2と接続状態であることを検出すると、携帯電話装置2の予め定める動作を許容する指令を与える。
【0031】
次に、制御部5の動作に関して、フローチャートを用いて説明する。各フローチャートの動作は、制御部5によって行われる。図3は、制御部5による選択情報送信処理を示すフローチャートである。この処理は、情報端末装置1が電源投入情報で、繰り返し実行される。
【0032】
ステップa1では、検出部6から与えられる検出情報に基づいて、携帯電話装置2と接続状態にあるか、非接続状態にあるかを判断し、接続状態である場合、ステップa2に移り、非接続状態である場合、本フローを終了する。ステップa2では、接続状態であるので、携帯電話装置2に記憶される個人情報を選択する選択画面を表示部4によって表示し、ステップa3に移る。ステップa3では、選択画面に基づいて、操作者から携帯電話装置2に選択情報が入力されたか否かを判断し、選択情報が入力された場合、ステップa4に移り、選択情報が入力されない場合、本フローを終了する。ステップa4では、選択情報は、通信部3を介して携帯電話装置2に送信され、本フローを終了する。
【0033】
以上、図3に関連して説明したように、制御部5は、接続状態において、携帯電話装置2に記憶される情報のうち、入力部13によって選択される選択情報を携帯電話装置2に送信するように制御する。これによって情報端末装置1は、選択情報によって選択された個人情報を、携帯電話装置2から情報端末装置1に送信させる指令を与えることができる。
【0034】
図4は、制御部5による個人情報記憶処理を示すフローチャートである。この処理は、情報端末装置1が電源投入情報で、繰り返し実行される。個人情報記憶処理は、前述の選択情報送信処理に関連しており、携帯電話装置2に選択情報を送信した後の処理である。
【0035】
ステップb1では、選択情報に基づいて、個人情報を受信したか否かを判断し、受信した場合、ステップb2に移り、受信していない場合、本フローを終了する。ステップb2では、受信した個人情報を記憶部7に記憶するように制御し、ステップb3に移る。これによって選択情報によって選択された個人情報が、記憶部7によって記憶される。ステップb3では、記憶部7によって記憶された個人情報を、携帯電話装置2に記憶される情報から削除する削除指令を送信し、本フローを終了する。
【0036】
以上、図4に関連して説明したように、制御部5は、個人情報を受信すると、記憶部7に個人情報を記憶するように制御し、記憶した個人情報を携帯電話装置2から削除するように、携帯電話装置2に削除指令を与える。これによって削除指令が与えられた携帯電話装置2は、削除指令に基づいて、個人情報が削除される。換言すると、携帯電話装置2に記憶される個人情報が、情報端末装置1に移動するように、制御部5によって制御される。したがって操作者は、個人情報、たとえば受信メールなどを、情報端末装置1によって閲覧することができる。また第3者に携帯電話装置2を不所望に操作された場合であっても、情報端末装置1に記憶される個人情報は携帯電話装置2から削除されているので、第3者に不所望に個人情報が閲覧されることを防ぐことができる。
【0037】
図5は、制御部5による未送信メール情報送信処理を示すフローチャートである。この処理は、情報端末装置1が電源投入情報で、繰り返し実行される。ステップc1では、検出部6によって、携帯電話装置2と接続状態にあるか、非接続状態にあるかを判断し、接続状態である場合、ステップc2に移り、非接続状態である場合、本フローを終了する。ステップc2では、接続状態であるので、入力部13によって携帯電話装置2から送信されるべきメール、いわゆる未送信メール情報が記憶部7に記憶されているか否かを判断し、記憶されている場合、ステップc3に移り、記憶されていない場合、本フローを終了する。ステップc3では、未送信メール情報が記憶されているので、未送信メール情報は、通信部3を介して携帯電話装置2に送信され、本フローを終了する。
【0038】
以上、図5に関連して説明したように、制御部5は、接続状態で、未送信メール情報が記憶部7にあると、未送信メール情報を携帯電話装置2に送信するように制御する。これによって携帯電話装置2は、未送信メール情報が与えられると、未送信メールを送信先に送信することができる。したがって未送信メール情報は、携帯電話装置2に与えられると、送信指令となり、この送信指令に基づいて、未送信メール情報に基づく未送信メールを送信するように携帯電話装置2が制御される。したがって携帯電話装置2を用いることなく、情報端末装置1を用いて携帯電話装置2から送信すべきメール情報を作成し、作成した未送信メール情報を携帯電話装置2によって送信させることができる。
【0039】
本実施の形態では、検出部6によって接続状態と判断されると、いわば自動的に未送信メール情報が携帯電話装置2に送信されるように制御されているが、このような制御に限ることはなく、操作者が入力部13を操作することによって未送信メール情報を携帯電話装置2に送信するように制御してもよい。
【0040】
図6は、制御部5によるセキュリティ解除指令送信処理を示すフローチャートである。この処理は、情報端末装置1が電源投入情報で、繰り返し実行される。セキュリティ解除指令は、携帯電話装置2のセキュリティを解除するように制御する指令である。ステップd1では、検出部6によって、携帯電話装置2と接続状態にあるか、非接続状態にあるかを判断し、接続状態である場合、ステップd2に移り、非接続状態である場合、本フローを終了する。ステップd2では、接続状態であるので、情報端末装置1に予め登録される識別(Identification:略称ID)情報と、携帯電話装置2に予め登録されるID情報とが一致するか否かを判断し、一致する場合、ステップd3に移り、一致しない場合、本フローを終了する。ステップd3では、ID情報が一致するので、セキュリティ解除指令を携帯電話装置2に送信し、本フローを終了する。
【0041】
以上、図6に関連して説明したように、制御部5は、接続状態で、情報端末装置1と携帯電話装置2とのID情報が一致するか否かを判断し、一致している場合、セキュリティ解除指令を送信する。したがって制御部5は、許容手段として機能し、検出部6によって接続状態であることを検出すると、携帯電話装置2の予め定める動作を許容するセキュリティ解除指令を携帯電話装置2に与える。これによって携帯電話装置2は、セキュリティ解除指令が与えられると、セキュリティが機能しているセキュリティ状態が解除され、すべての動作が許容されるセキュリティ解除状態となる。携帯電話装置2は、情報端末装置1と非接続状態では、常にセキュリティが機能しているセキュリティ状態であり、ID情報が一致する情報端末装置1を接続することで、セキュリティが解除されセキュリティ解除状態にすることができる。換言すると、情報端末装置1は、携帯電話装置2のセキュリティ状態を解除するための鍵としての機能を有する。
【0042】
ここで、セキュリティが機能しているセキュリティ状態では、携帯電話装置2のすべての操作を禁止する、いわゆるロックモードであってもよいし、予め設定する一部の動作、たとえば発着信などの特定の動作を禁止するセキュリティ状態でもあってもよく、予め定める情報、たとえば受信メールの閲覧を禁止するセキュリティ状態であってもよく、予め定める情報を隠し情報として、情報の存在がわからないようにするセキュリティ状態であってもよい。このようなセキュリティ状態の設定は、操作者によって任意に設定することができる。したがってID情報が一致する情報端末装置1を持たない第3者は、携帯電話装置2を使用することができない。したがって携帯電話装置2を第3者に不所望に用いられることを確実に防ぐことができる。
【0043】
このように本実施の形態では、通信部3は、検出部6によって接続状態であることを検出すると、携帯電話装置2の予め定める動作を許容する指令を携帯電話装置2に与えるように制御部5によって制御される。これによって携帯電話装置2の予め定める動作は、情報端末装置1と接続状態にあるか非接続状態にあるかで、許容されるか否かが変更される。したがって情報端末装置1を接続した接続状態でのみ、携帯電話装置2の予め定める動作が許容されるので、第3者に不所望に携帯電話装置2が操作された場合であっても、予め定める動作が第3者に実行されることを防ぐことができる。これによって携帯電話装置2に記憶される情報の漏洩を防止することができ、セキュリティ性能を向上することができる。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態では、情報端末装置1は、携帯電話装置2と機械的および電気的に接続可能であり、通信網と通信不可能に構成されるので、電波の発信が禁止されている場所であっても、不都合なく用いることができる。記憶部7は、通信部3を介して、携帯電話装置2に記憶される情報のうち、予め定める情報、たとえば特定の個人情報を受信し、受信した情報を記憶するように制御部5によって制御される。これによって操作者は、情報端末装置1を用いて、携帯電話装置2に記憶される情報を表示部4または音出力部9によって出力させて、確認することができる。したがって携帯電話装置2を用いることができない場所であっても、情報端末装置1を用いることによって、携帯電話装置2に記憶される情報を確認することができる。また通信部3は、入力部13によって作成されたメール情報を送信する送信指令を携帯電話装置2に与えるように制御部5によって制御される。これによって携帯電話装置2を用いることができない場所であっても、入力部13によってメール情報を作成することができる。入力部13によって作成されたメール情報を、携帯電話装置2を用いてもよい場所に移動した後に、携帯電話装置2に接続して携帯電話装置2を介して通信網に送信させることができる。
【0045】
前述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することができる。前述の実施の形態では、操作者によって選択された情報を記憶するように制御されているがこれに限ることはない。たとえば検出部6によって接続状態であることを検出すると、携帯電話装置2に記憶される情報のうち、予め定める情報、たとえば個人情報を、いわば自動的に携帯電話装置2から情報端末装置1に送信させる指令を与えるように構成してもよい。これによって操作者は、携帯電話装置2に情報端末装置1を接続することによって、いわば自動的に携帯電話装置2に記憶される個人情報を、情報端末装置1に送信させる指令を与えることができる。したがって利便性が向上する。
【0046】
またたとえば記憶部7は、検出部6によって接続状態であることを検出すると、通信部3を介して、携帯電話装置2に記憶されるメール情報に関する情報を記憶するように制御部5によって制御されるように構成してもよい。これによって情報端末装置1を携帯電話装置2と接続することによって、いわば自動的にメール情報に関する情報を、記憶部7に記憶させることができる。したがって操作者は、なんら特別な操作を行うことなく、単に情報端末装置1を携帯電話装置2に接続する操作だけで、情報端末装置1にメール情報に関する情報を記憶させることができるので、利便性が向上する。これによって操作者は、情報端末装置1を用いて、メール情報に関する情報を容易に確認することができ、またメール情報に関する情報に基づいて、新たなメール情報を入力部13によって作成することができる。
【0047】
また前述の実施の形態では、ID情報に基づいて正規の情報端末装置1であるか否かを判断しているのが、ID情報に限らず、たとえばパスワードを予め定め設定し、パスワードが一致するか否かによって、正規の操作者が情報端末装置1を用いている否かを判定してもよい。
【0048】
また前述の実施の形態では、図2に示すように、情報端末装置1は、携帯電話装置2と類似の形状を有しているが、このような形状に限ることはない。たとえば情報端末装置1は、携帯電話装置2と比類似の形状、たとえば携帯ゲーム機の形状に構成することが好ましい。これによって電磁波の発信が禁止されている場所で、情報端末装置1を用いた場合であっても、周囲の人からは携帯電話装置2ではない電子装置を用いていることが明らかになり、周囲の人に操作者が携帯電話装置2を用いているという不快感を与えることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の一形態である情報端末装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】情報端末装置1および携帯電話装置2を簡略化して示す正面図である。
【図3】制御部5による選択情報送信処理を示すフローチャートである。
【図4】制御部5による個人情報記憶処理を示すフローチャートである。
【図5】制御部5による未送信メール情報送信処理を示すフローチャートである。
【図6】制御部5によるセキュリティ解除指令送信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 情報端末装置
2 携帯電話装置
3 通信部
4 表示部
5 制御部
6 検出部
7 記憶部
8 音入力部
9 音出力部
10 カメラ部
11 接続部
12 操作部
13 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話装置と機械的および電気的に接続可能であり、通信網と通信不可能に構成される情報端末装置であって、
携帯電話装置と機械的および電気的に接続された接続状態で、携帯電話装置と通信可能な通信手段と、
通信手段を介して、携帯電話装置に記憶される情報を出力可能な出力手段と、
携帯電話装置に記憶される情報を記憶可能な記憶手段と、
携帯電話装置から送信されるべきメール情報を作成するための作成手段と、
通信手段を介して、携帯電話装置に記憶される情報のうち、予め定める情報を受信し、受信した情報を記憶するように記憶手段を制御するとともに、作成手段によって作成されたメール情報を送信する送信指令を携帯電話装置に与えるように通信手段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
携帯電話装置と機械的および電気的な接続状態であるか非接続状態であるかを検出する検出手段をさらに含み、
制御手段は、検出手段によって接続状態であることを検出すると、通信手段を介して、携帯電話装置に記憶されるメール情報に関する情報を記憶するように記憶手段を制御することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の情報端末装置。
【請求項3】
携帯電話装置と機械的および電気的に接続状態であるか非接続状態であるかを検出する検出手段をさらに含み、
制御手段は、検出手段によって接続状態であることを検出すると、携帯電話装置の予め定める動作を許容する指令を携帯電話装置に与えるように通信手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の情報端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−264837(P2007−264837A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86600(P2006−86600)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(501289773)
【Fターム(参考)】