情報端末装置
【課題】記憶媒体の容量制限内でユーザーにとって不必要な地理情報を削除し、必要な地理情報を記録する情報端末装置を提供する。
【解決手段】メッシュID毎のアクセス回数とメッシュID内の滞在時間を従来型のユーザー選好度に加えることで、メッシュID毎の新たなユーザー選好度を求め、そのメッシュIDの地理情報(コンテンツ情報)にユーザー選好度を対応付けた。所定の閾値以上のユーザー選好度の地理情報(コンテンツ情報)を選択し、確保する空きデータ容量を決定する。決定したデータ容量以上になるまで、地理情報(コンテンツ情報)をユーザー選好度の低い順に従って消去する。
【解決手段】メッシュID毎のアクセス回数とメッシュID内の滞在時間を従来型のユーザー選好度に加えることで、メッシュID毎の新たなユーザー選好度を求め、そのメッシュIDの地理情報(コンテンツ情報)にユーザー選好度を対応付けた。所定の閾値以上のユーザー選好度の地理情報(コンテンツ情報)を選択し、確保する空きデータ容量を決定する。決定したデータ容量以上になるまで、地理情報(コンテンツ情報)をユーザー選好度の低い順に従って消去する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーションなどの情報端末装置に関わり、ユーザーの選好度、また地理情報のサイズから、保存すべき地理情報、消去すべき地理情報を判別し、記録媒体のデータ容量制限内に地理情報を収める情報端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両地理情報端末に空き記憶容量がない場合、地理情報を新規に追加するために予め保存してある地理情報を時刻情報、自車の位置情報から判断して削除するシステムがある(特許文献1)。また、図10に示すとおりデータセンタあるいは他車からの地理情報に関して、ユーザーの利用価値の高い更新内容を選択し、効果的に通知することが可能な地図情報配信システム(特許文献2)があった。ユーザーの利用価値の高いという判断基準に関しては、図11の保存ポイント数が小さいものほど削除する対象にしていた。
(保存ポイント)=1/{ (時刻情報ポイント)2+(更新内容ポイント)2+
(距離ポイント)2 }・・・数式1
各ポイントは図12に示すとおりである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-162282号公報
【特許文献2】特開2008-20486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、本来のユーザーの選好度によってではなく、一般的なユーザーの観点から地理情報が削除されるため,本来のユーザーの選好度にあったものが情報端末装置に適切に保存されない場合があった。また、地理情報を新規に追加するために現在保存してある地理情報を削除するデータサイズが不明であるという課題があった。
【0005】
そこで本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、情報端末装置が地理情報配信データセンタから受信した更新情報に基づいて、地理情報を更新する場合に、地理情報を受信できる記録容量を確保するため、ユーザーの利用価値の低い地理情報選択し、効果的に削除することが可能な情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上記課題を解決するために本発明は以下の装置を提供するものである。
(1) データセンタから地理情報更新データ表に基づき地理情報を受信して、記憶媒体に記憶されている地理情報データベースの地理情報を、地図の分割単位である区画毎に更新する情報端末装置において、
前記区画毎の当該区画に対応する地理情報データベースへのアクセス回数と当該区画内の本装置の滞在時間とを少なくとも用いて、前記区画毎のユーザー選好度を算出する選好度算出手段と、
前記地理情報データベースの更新時に、前記地理情報更新データ表に基づく地理情報の更新データから、前記ユーザー選好度が所定の閾値以上である区画の地理情報に含まれるコンテンツ情報を選択して、その選択したコンテンツ情報を保存するために確保すべき空きデータ容量を決定し、前記記憶媒体の空きデータ容量が前記決定した空きデータ容量を確保するように、前記ユーザー選好度の低い区画順に従って、当該区画の地理情報に含まれるコンテンツ情報を前記地理情報データベースから削除する削除手段と、
前記選択したコンテンツ情報を前記記憶媒体の地理情報データベースに記憶させる記憶手段と、
を備えることを特徴とする情報端末装置。
(2) 前記削除手段は、前記地理情報データベースの更新時に、前記地理情報更新データ表から算出した前記地理情報の更新データ容量と前記記憶媒体の空きデータ容量とを用いて削除データ容量を算出するデータ容量算出手段を備えることを特徴とする上記(1)記載の情報端末装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によって、記録媒体の容量内で本来のユーザーの選好度にあった地理情報が確実に保存される。
【0008】
また、区画内の滞在時間をユーザー選好度算出の要素としたことで、ユーザーが必要とする区画が確実に選択されるため、本来不必要な区画の情報を削除することができ、地理情報を効率的に保持できる。
【0009】
さらに、地理情報の更新時に、地理情報更新データ表から地理情報の更新データ容量を算出するようにした場合には、その更新データ容量から現在保存してある地理情報を削除するデータ容量を確実に求めることができるようになるので、不必要に地理情報を削除するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1を示すブロック図である。
【図2】実施例1におけるユーザー選好度を説明するための図である。
【図3】実施例1の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図4】実施例1における地図メッシュアクセスログを説明するための図である。
【図5】実施例1における地理情報と地図メッシュとの対応関係を示す図である。
【図6】実施例1における地理情報更新データ表を説明するための図である。
【図7】実施例1におけるユーザー選好度付更新データ表を説明するための図である。
【図8】実施例1におけるユーザー選好度順更新データ表を説明するための図である。
【図9】実施例1におけるメッシュIDを説明するための図である。
【図10】従来例のブロック図である。
【図11】従来の保存ポイントを説明するための図である。
【図12】従来の保存ポイントを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る情報端末装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
[実施例1]
本実施例に係る車両情報端末装置1の概略構成について図1を用いて説明する。
【0012】
図1に示すように本実施例に係る車両情報端末装置1は、地理情報に関してユーザーが地理情報に関心を示す度合いであるユーザー選好度を設定するユーザー選好度設定部5、地図の四方の領域であるメッシュデータ(後述)にアクセスした履歴情報であるメッシュアクセスLOG DB(ログデータベース)7、施設などのコンテンツ情報を含む地理情報12などで構成されるデータベースである地理情報データベース8、ユーザー選好度の閾値とコンテンツのユーザー選好度を比較する比較演算機9、記録媒体の空き容量と地理情報更新データ表4とユーザー選好度とから地理情報データベースの削除データの容量を決定する削除データ容量閾値設定部13から構成されている。
【0013】
また、地理情報データベース8は記憶媒体に記憶されており、地理情報データベース8を更新させるための記録部を備えている。地理情報更新データ表4は少なくとも地理情報の更新単位のデータサイズ情報を含む。
【0014】
図9を用いてメッシュデータの例に関して説明する。図9は日本地図の一部を表したものである。メッシュは緯度・経度に基づいて地域をほぼ同じ大きさの網の目に分割したもの(区画)である。この例で三浦半島の先端部城ヶ島付近のメッシュIDはW30となる。
【0015】
図4はメッシュアクセスLOG DB 7のデータ構造の具体的な一例である。メッシュアクセスLOG DB 7はメッシュID毎に地理情報にアクセスした回数、そのメッシュIDに滞在している時間(時分秒など)、ユーザー選好度を記録してあるログデータベースである。
【0016】
地理情報データベース8には車両情報端末装置1で地図を表示するためのノードデータ、リンクデータ、施設などのPOI(Point Of Interest)データ、住所、電話番号など種々のデータが含まれている。地理情報データベースで位置情報が含まれているものに対してアクセスがあれば、アクセスをカウントすることにしておけば、アクセス回数がわかり、位置情報からメッシュIDが判別でき、メッシュアクセスLOG DB7に記録することが可能となる。
【0017】
図2にユーザー選好度の一例を示す。
(ユーザー選好度)=A*(保存ポイント)2+B*(メッシュアクセス回数)2+C*(メッシュ滞在時間)2 ・・・数式2
ただし、保存ポイントは図10に示す保存ポイントと同様。A,B,Cはユーザー選好度の各ポイントの重み付けを設定するため正の定数である。
【0018】
次に本実施例に係る車両情報端末装置1において地理情報データベースから地理情報に含まれるコンテンツ情報を削除する処理について図3を用いて具体的に説明する。
【0019】
車両端末装置1は地理情報データベースのアクセス履歴であるメッシュアクセスLOG DB(ログデータベース)7からユーザー選好度を設定する(ステップS10)。次に地理情報データベース8内のコンテンツ情報と地図メッシュの対応表(図5)を作成する(ステップS20)。
【0020】
一方、データセンタ2は地理情報更新データ表4(図6)を車両情報端末装置1へ送信する(ステップS200)。車両情報端末装置1は地理情報更新データ表4(図6)を受信する(ステップS30)。
【0021】
地理情報更新データ表4(図6)にユーザー選好度を付けて、ユーザー選好度付更新データ表(図7)を作成する(ステップS40)。ユーザー選好度付更新データ表(図7)をユーザー選好度順にソートしユーザー選好度順更新データ表(図8)を作成する(ステップS50)。
【0022】
一方、ユーザーは更新する地理情報(コンテンツ情報)を選択するためのユーザー選好度の閾値を予め設定し、車両情報端末装置1へ保持する(ステップS250)。例えば、ユーザー選好度の閾値が5の場合、ユーザー選好度順更新データ表(図8)からユーザー選好度が5以上の地理情報(コンテンツ情報)を記録するための必要な記録容量、170M BYTEが求まる(ステップS60)。記録媒体の空き容量、必要な記録容量から消去する地理情報データベース8の容量を以下のように求める(ステップS70)。
(消去する地理情報データベースの容量)=(必要な記録容量)−(記録媒体の空き容量)・・・数式3
例えば、(必要な記録容量)=170M BYTE、(記録媒体の空き容量)=
30M BYTE、であるとき、(消去する地理情報データベースの容量)=140 M BYTEとなる。
【0023】
地理情報データベース8からユーザー選好度の値の小さな順にデータを消去する(ステップS80)。上記例では記録媒体の空き容量が170M BYTEになったかを判断し(ステップS90)、記録媒体の空き容量が確保(Y)できたら処理を終了する。記録媒体の空き容量が不足(N)ならステップS80に戻る。
【0024】
このように、本実施例では、所定の閾値以上のユーザー選好度の地理情報(コンテンツ情報)を選択し、確保する空きデータ容量を決定する。決定したデータ容量以上になるまで、地理情報(コンテンツ情報)をユーザー選好度の低い順に従って消去するようにした。
【0025】
また、本実施例では、メッシュID毎のアクセス回数とメッシュID内の滞在時間とを従来型のユーザー選好度に加えることで、メッシュID毎の新たなユーザー選好度を求め、そのメッシュIDの地理情報(コンテンツ情報)にユーザー選好度を対応付けた。
【0026】
さらに、データセンタ2から更新地理情報のメッシュIDとデータ容量との情報を含む地理情報更新データ表4を受信し、所定の閾値以上のユーザー選好度の地理情報(コンテンツ情報)を選択し、確保する空きデータ容量を決定する。決定したデータ容量分以上になるまで、地理情報(コンテンツ情報)をユーザー選好度の低い順に従って消去するようにした。この地理情報データベースの消去する容量をデータセンタからの地理情報更新データ表で算出できるようにした。
【0027】
よって、本実施の形態における車両情報端末装置1はメッシュIDに関するアクセス履歴とコンテンツとを関連させ、ユーザー選好度としたので、必要な地理情報の優先度を設定でき、ユーザー選好度の低い地理情報を消去できる順番を決定できる。また、データセンタ2から地理情報更新データ表4を受信し、ユーザー選好度の閾値を設けることで更新するデータサイズを設定し、消去する地理情報サイズを決定できるので、ユーザー選好度の低い地理情報を消去できる。
【0028】
地理情報データベースのコンテンツを削除する順番を、ユーザー選好度の低い順にしたため、途中でデータ更新をキャンセルした場合の影響が少なくなった。
【0029】
なお、本実施の形態においては、ユーザー選好度に関しては、単純な地理情報表示のデータアクセスと目的地を設定するためのPOIのデータアクセスとの重み付けを設定してもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 車両情報端末装置
2 データセンタ
4 地理情報更新データ表
5 ユーザー選好度設定部
7 メッシュアクセスLOG DB
8 地理情報データベース
9 比較演算機
12 地理情報
13 削除データ容量閾値設定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーションなどの情報端末装置に関わり、ユーザーの選好度、また地理情報のサイズから、保存すべき地理情報、消去すべき地理情報を判別し、記録媒体のデータ容量制限内に地理情報を収める情報端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両地理情報端末に空き記憶容量がない場合、地理情報を新規に追加するために予め保存してある地理情報を時刻情報、自車の位置情報から判断して削除するシステムがある(特許文献1)。また、図10に示すとおりデータセンタあるいは他車からの地理情報に関して、ユーザーの利用価値の高い更新内容を選択し、効果的に通知することが可能な地図情報配信システム(特許文献2)があった。ユーザーの利用価値の高いという判断基準に関しては、図11の保存ポイント数が小さいものほど削除する対象にしていた。
(保存ポイント)=1/{ (時刻情報ポイント)2+(更新内容ポイント)2+
(距離ポイント)2 }・・・数式1
各ポイントは図12に示すとおりである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-162282号公報
【特許文献2】特開2008-20486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、本来のユーザーの選好度によってではなく、一般的なユーザーの観点から地理情報が削除されるため,本来のユーザーの選好度にあったものが情報端末装置に適切に保存されない場合があった。また、地理情報を新規に追加するために現在保存してある地理情報を削除するデータサイズが不明であるという課題があった。
【0005】
そこで本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、情報端末装置が地理情報配信データセンタから受信した更新情報に基づいて、地理情報を更新する場合に、地理情報を受信できる記録容量を確保するため、ユーザーの利用価値の低い地理情報選択し、効果的に削除することが可能な情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上記課題を解決するために本発明は以下の装置を提供するものである。
(1) データセンタから地理情報更新データ表に基づき地理情報を受信して、記憶媒体に記憶されている地理情報データベースの地理情報を、地図の分割単位である区画毎に更新する情報端末装置において、
前記区画毎の当該区画に対応する地理情報データベースへのアクセス回数と当該区画内の本装置の滞在時間とを少なくとも用いて、前記区画毎のユーザー選好度を算出する選好度算出手段と、
前記地理情報データベースの更新時に、前記地理情報更新データ表に基づく地理情報の更新データから、前記ユーザー選好度が所定の閾値以上である区画の地理情報に含まれるコンテンツ情報を選択して、その選択したコンテンツ情報を保存するために確保すべき空きデータ容量を決定し、前記記憶媒体の空きデータ容量が前記決定した空きデータ容量を確保するように、前記ユーザー選好度の低い区画順に従って、当該区画の地理情報に含まれるコンテンツ情報を前記地理情報データベースから削除する削除手段と、
前記選択したコンテンツ情報を前記記憶媒体の地理情報データベースに記憶させる記憶手段と、
を備えることを特徴とする情報端末装置。
(2) 前記削除手段は、前記地理情報データベースの更新時に、前記地理情報更新データ表から算出した前記地理情報の更新データ容量と前記記憶媒体の空きデータ容量とを用いて削除データ容量を算出するデータ容量算出手段を備えることを特徴とする上記(1)記載の情報端末装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によって、記録媒体の容量内で本来のユーザーの選好度にあった地理情報が確実に保存される。
【0008】
また、区画内の滞在時間をユーザー選好度算出の要素としたことで、ユーザーが必要とする区画が確実に選択されるため、本来不必要な区画の情報を削除することができ、地理情報を効率的に保持できる。
【0009】
さらに、地理情報の更新時に、地理情報更新データ表から地理情報の更新データ容量を算出するようにした場合には、その更新データ容量から現在保存してある地理情報を削除するデータ容量を確実に求めることができるようになるので、不必要に地理情報を削除するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1を示すブロック図である。
【図2】実施例1におけるユーザー選好度を説明するための図である。
【図3】実施例1の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図4】実施例1における地図メッシュアクセスログを説明するための図である。
【図5】実施例1における地理情報と地図メッシュとの対応関係を示す図である。
【図6】実施例1における地理情報更新データ表を説明するための図である。
【図7】実施例1におけるユーザー選好度付更新データ表を説明するための図である。
【図8】実施例1におけるユーザー選好度順更新データ表を説明するための図である。
【図9】実施例1におけるメッシュIDを説明するための図である。
【図10】従来例のブロック図である。
【図11】従来の保存ポイントを説明するための図である。
【図12】従来の保存ポイントを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る情報端末装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
[実施例1]
本実施例に係る車両情報端末装置1の概略構成について図1を用いて説明する。
【0012】
図1に示すように本実施例に係る車両情報端末装置1は、地理情報に関してユーザーが地理情報に関心を示す度合いであるユーザー選好度を設定するユーザー選好度設定部5、地図の四方の領域であるメッシュデータ(後述)にアクセスした履歴情報であるメッシュアクセスLOG DB(ログデータベース)7、施設などのコンテンツ情報を含む地理情報12などで構成されるデータベースである地理情報データベース8、ユーザー選好度の閾値とコンテンツのユーザー選好度を比較する比較演算機9、記録媒体の空き容量と地理情報更新データ表4とユーザー選好度とから地理情報データベースの削除データの容量を決定する削除データ容量閾値設定部13から構成されている。
【0013】
また、地理情報データベース8は記憶媒体に記憶されており、地理情報データベース8を更新させるための記録部を備えている。地理情報更新データ表4は少なくとも地理情報の更新単位のデータサイズ情報を含む。
【0014】
図9を用いてメッシュデータの例に関して説明する。図9は日本地図の一部を表したものである。メッシュは緯度・経度に基づいて地域をほぼ同じ大きさの網の目に分割したもの(区画)である。この例で三浦半島の先端部城ヶ島付近のメッシュIDはW30となる。
【0015】
図4はメッシュアクセスLOG DB 7のデータ構造の具体的な一例である。メッシュアクセスLOG DB 7はメッシュID毎に地理情報にアクセスした回数、そのメッシュIDに滞在している時間(時分秒など)、ユーザー選好度を記録してあるログデータベースである。
【0016】
地理情報データベース8には車両情報端末装置1で地図を表示するためのノードデータ、リンクデータ、施設などのPOI(Point Of Interest)データ、住所、電話番号など種々のデータが含まれている。地理情報データベースで位置情報が含まれているものに対してアクセスがあれば、アクセスをカウントすることにしておけば、アクセス回数がわかり、位置情報からメッシュIDが判別でき、メッシュアクセスLOG DB7に記録することが可能となる。
【0017】
図2にユーザー選好度の一例を示す。
(ユーザー選好度)=A*(保存ポイント)2+B*(メッシュアクセス回数)2+C*(メッシュ滞在時間)2 ・・・数式2
ただし、保存ポイントは図10に示す保存ポイントと同様。A,B,Cはユーザー選好度の各ポイントの重み付けを設定するため正の定数である。
【0018】
次に本実施例に係る車両情報端末装置1において地理情報データベースから地理情報に含まれるコンテンツ情報を削除する処理について図3を用いて具体的に説明する。
【0019】
車両端末装置1は地理情報データベースのアクセス履歴であるメッシュアクセスLOG DB(ログデータベース)7からユーザー選好度を設定する(ステップS10)。次に地理情報データベース8内のコンテンツ情報と地図メッシュの対応表(図5)を作成する(ステップS20)。
【0020】
一方、データセンタ2は地理情報更新データ表4(図6)を車両情報端末装置1へ送信する(ステップS200)。車両情報端末装置1は地理情報更新データ表4(図6)を受信する(ステップS30)。
【0021】
地理情報更新データ表4(図6)にユーザー選好度を付けて、ユーザー選好度付更新データ表(図7)を作成する(ステップS40)。ユーザー選好度付更新データ表(図7)をユーザー選好度順にソートしユーザー選好度順更新データ表(図8)を作成する(ステップS50)。
【0022】
一方、ユーザーは更新する地理情報(コンテンツ情報)を選択するためのユーザー選好度の閾値を予め設定し、車両情報端末装置1へ保持する(ステップS250)。例えば、ユーザー選好度の閾値が5の場合、ユーザー選好度順更新データ表(図8)からユーザー選好度が5以上の地理情報(コンテンツ情報)を記録するための必要な記録容量、170M BYTEが求まる(ステップS60)。記録媒体の空き容量、必要な記録容量から消去する地理情報データベース8の容量を以下のように求める(ステップS70)。
(消去する地理情報データベースの容量)=(必要な記録容量)−(記録媒体の空き容量)・・・数式3
例えば、(必要な記録容量)=170M BYTE、(記録媒体の空き容量)=
30M BYTE、であるとき、(消去する地理情報データベースの容量)=140 M BYTEとなる。
【0023】
地理情報データベース8からユーザー選好度の値の小さな順にデータを消去する(ステップS80)。上記例では記録媒体の空き容量が170M BYTEになったかを判断し(ステップS90)、記録媒体の空き容量が確保(Y)できたら処理を終了する。記録媒体の空き容量が不足(N)ならステップS80に戻る。
【0024】
このように、本実施例では、所定の閾値以上のユーザー選好度の地理情報(コンテンツ情報)を選択し、確保する空きデータ容量を決定する。決定したデータ容量以上になるまで、地理情報(コンテンツ情報)をユーザー選好度の低い順に従って消去するようにした。
【0025】
また、本実施例では、メッシュID毎のアクセス回数とメッシュID内の滞在時間とを従来型のユーザー選好度に加えることで、メッシュID毎の新たなユーザー選好度を求め、そのメッシュIDの地理情報(コンテンツ情報)にユーザー選好度を対応付けた。
【0026】
さらに、データセンタ2から更新地理情報のメッシュIDとデータ容量との情報を含む地理情報更新データ表4を受信し、所定の閾値以上のユーザー選好度の地理情報(コンテンツ情報)を選択し、確保する空きデータ容量を決定する。決定したデータ容量分以上になるまで、地理情報(コンテンツ情報)をユーザー選好度の低い順に従って消去するようにした。この地理情報データベースの消去する容量をデータセンタからの地理情報更新データ表で算出できるようにした。
【0027】
よって、本実施の形態における車両情報端末装置1はメッシュIDに関するアクセス履歴とコンテンツとを関連させ、ユーザー選好度としたので、必要な地理情報の優先度を設定でき、ユーザー選好度の低い地理情報を消去できる順番を決定できる。また、データセンタ2から地理情報更新データ表4を受信し、ユーザー選好度の閾値を設けることで更新するデータサイズを設定し、消去する地理情報サイズを決定できるので、ユーザー選好度の低い地理情報を消去できる。
【0028】
地理情報データベースのコンテンツを削除する順番を、ユーザー選好度の低い順にしたため、途中でデータ更新をキャンセルした場合の影響が少なくなった。
【0029】
なお、本実施の形態においては、ユーザー選好度に関しては、単純な地理情報表示のデータアクセスと目的地を設定するためのPOIのデータアクセスとの重み付けを設定してもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 車両情報端末装置
2 データセンタ
4 地理情報更新データ表
5 ユーザー選好度設定部
7 メッシュアクセスLOG DB
8 地理情報データベース
9 比較演算機
12 地理情報
13 削除データ容量閾値設定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データセンタから地理情報更新データ表に基づき地理情報を受信して、記憶媒体に記憶されている地理情報データベースの地理情報を、地図の分割単位である区画毎に更新する情報端末装置において、
前記区画毎の当該区画に対応する地理情報データベースへのアクセス回数と当該区画内の本装置の滞在時間とを少なくとも用いて、前記区画毎のユーザー選好度を算出する選好度算出手段と、
前記地理情報データベースの更新時に、前記地理情報更新データ表に基づく地理情報の更新データから、前記ユーザー選好度が所定の閾値以上である区画の地理情報に含まれるコンテンツ情報を選択して、その選択したコンテンツ情報を保存するために確保すべき空きデータ容量を決定し、前記記憶媒体の空きデータ容量が前記決定した空きデータ容量を確保するように、前記ユーザー選好度の低い区画順に従って、当該区画の地理情報に含まれるコンテンツ情報を前記地理情報データベースから削除する削除手段と、
前記選択したコンテンツ情報を前記記憶媒体の地理情報データベースに記憶させる記憶手段と、
を備えることを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
前記削除手段は、前記地理情報データベースの更新時に、前記地理情報更新データ表から算出した前記地理情報の更新データ容量と前記記憶媒体の空きデータ容量とを用いて削除データ容量を算出するデータ容量算出手段を備えることを特徴とする請求項1記載の情報端末装置。
【請求項1】
データセンタから地理情報更新データ表に基づき地理情報を受信して、記憶媒体に記憶されている地理情報データベースの地理情報を、地図の分割単位である区画毎に更新する情報端末装置において、
前記区画毎の当該区画に対応する地理情報データベースへのアクセス回数と当該区画内の本装置の滞在時間とを少なくとも用いて、前記区画毎のユーザー選好度を算出する選好度算出手段と、
前記地理情報データベースの更新時に、前記地理情報更新データ表に基づく地理情報の更新データから、前記ユーザー選好度が所定の閾値以上である区画の地理情報に含まれるコンテンツ情報を選択して、その選択したコンテンツ情報を保存するために確保すべき空きデータ容量を決定し、前記記憶媒体の空きデータ容量が前記決定した空きデータ容量を確保するように、前記ユーザー選好度の低い区画順に従って、当該区画の地理情報に含まれるコンテンツ情報を前記地理情報データベースから削除する削除手段と、
前記選択したコンテンツ情報を前記記憶媒体の地理情報データベースに記憶させる記憶手段と、
を備えることを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
前記削除手段は、前記地理情報データベースの更新時に、前記地理情報更新データ表から算出した前記地理情報の更新データ容量と前記記憶媒体の空きデータ容量とを用いて削除データ容量を算出するデータ容量算出手段を備えることを特徴とする請求項1記載の情報端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−137964(P2011−137964A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297439(P2009−297439)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】
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