説明

投票券ホルダ

【課題】所望の分類体系に応じて、購入した投票券を保存、閲覧でき、投票券をコレクションする人の満足感を高めることができる。
【解決手段】台紙上1に公営競技の投票券31を収納する投票券ホルダ100であって、公営競技のレースを所望の体系により分類したシリーズの内容を表記する表記部11と、表記されたシリーズに該当するレースの投票券を保持し、該投票券を閲覧可能とする、複数の保持部21と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公営競技の投票券を保存し、閲覧する投票券ホルダに関し、特に、競馬の投票券(勝馬投票券、馬券)に好適に適用できるものである。
【背景技術】
【0002】
一般に競輪や競馬、競艇などの公営ギャンブルをやる人は、レース場に行ってレースの始まる前に車券、馬券、舟券などの投票券を買い、レース終了後に当たり券と外れ券とを分けて、当たり券は払い戻して現金と交換し、外れ券はそのまま捨ててしまうことが多い。この場合、投票券を買った人は、投票券をそのままポケットに入れたり、手に持ったりしているが、当たり券と外れ券を整理しておくのが面倒で、当たり券を紛失したり、誤って外れ券と一緒に捨ててしまうことがあった。
【0003】
このような問題点を考慮して、購入した投票券や、当たり券、外れ券を整理して保管でき、当たり券の紛失を防止できる投票券ホルダが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3021480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の投票券ホルダは、投票券の整理という、単に利便性だけを求めるものである。競馬をはじめとして、公営ギャンブルをやる人の中には、購入した投票券を単に換金の対象と見るだけでなく、購入した投票券をレースの記念としてコレクションし、それにより、満足感を得るという人も存在する。
【0006】
そして、このような人たちにとっては、従来の投票券ホルダはコレクション用として適したものではなかった。
【0007】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、所望の分類体系に応じて、購入した投票券を保存、閲覧でき、投票券をコレクションする人の満足感を高めることができる投票券ホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、台紙上に公営競技の投票券を収納する投票券ホルダであって、前記公営競技のレースを所望の体系により分類したシリーズの内容を表記する表記部と、表記されたシリーズに該当するレースの投票券を保持し、該投票券を閲覧可能とする、複数の保持部と、を有することを特徴とする。
【0009】
ここで、「台紙」とは、投票券ホルダのベースとなるシートを意味し、紙だけでなく、その他の材質、例えば、樹脂なども含むものである。また、「公営競技」とは、国や地方自治体が収益を得るためのギャンブルとして行うスポーツをいい、例えば、競馬、競輪、競艇、及びオートレースが含まれる。
【0010】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記公営競技は、競馬であることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の本発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記表記部は、シリーズ全体の内容を表記する第1の表記部と、前記保持部に対応して設けられ、前記シリーズ個々の内容を表記する第2の表記部と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記シリーズは、同一年度における複数のレースをシリーズとする第1のシリーズ、同一投票対象における複数のレースをシリーズとする第2のシリーズ、及び同一レース名における複数年度のレースをシリーズとする第3のシリーズの少なくともいずれか1つであることを特徴とする。
【0013】
ここで、「投票対象」とは、競技を実際に行う主体であり、投票の対象となるものをいい、例えば、競馬であれば競走馬を意味する。
【0014】
請求項5記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記表記部は、印字されておらず、書き込みまたは変更が可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の本発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、前記表示部と前記保持部は、分離可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の投票券ホルダによれば、所望の分類体系に応じて、購入した投票券を保存、閲覧でき、投票券をコレクションする人の満足感を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。本発明は、公営競技の中でも、競馬における適用が最も好適であるので、本明細書では競馬における適用を中心に説明を行っていく。
【0018】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る投票券ホルダ100の外観を示す図である。
【0019】
図1に示す投票券ホルダ100は、例えば、紙や樹脂などの台紙1上に、シリーズの内容を示す表記部11として、年度11aと簡潔な説明11bと複数のレース名11cが印刷され表記されている。尚、図1に表記された「クラッシックロード」とは三歳三冠レースと、ほぼ同意の別称であり、このように内容が伝われば、文字や言葉として字面や響き、印象のよい表現に適宜変更してもかまわない。
【0020】
また、投票券ホルダ100は、複数のレース名11c(皐月賞、日本ダービー、菊花賞のそれぞれのレース名)に対応して投票券31を保持できる保持部21として透明のポケット21a、21b、及び21cを備えている。尚、投票券31bに表記された「東京優駿」とは、「日本ダービー」の別称である。このように、投票券ホルダ100は、表記部11及び保持部21を融合させて統一感があり、また競馬をイメージさせるようなデザインがされているのが望ましい。
【0021】
次に、図1に示す投票券ホルダ100を例に、投票券ホルダ100の使い方について説明する。投票券ホルダ100の購入者は、シリーズ最初のレースである皐月賞開催時に、購入者が皐月賞において優勝すると考える競走馬の投票券(例えば、単勝馬券)31aを購入し、その投票券31aを皐月賞の投票券ポケット21aに入れて保持し閲覧する。その後の、日本ダービー、菊花賞開催時にも同様のことを行う。図1では、皐月賞の投票券31aと日本ダービーの投票券31bまでの投票券31を挿入し保持されている状態を示している。よって、投票券ホルダ100は、基本的に当該ホルダのシリーズにおける最初のレースが始まる前の時期に、販売や配布が開始されていることが望ましい。
【0022】
ここで、本発明における投票券31とは、所謂、勝馬投票券や馬券と呼ばれるものである。また、ホルダ購入者は、基本的には、単勝馬券を購入し、投票券ホルダ100に飾ることになると考えられる。これは、単勝馬券は、優勝する競走馬を的中させることを目的とした投票券であり、また、日付やレース名だけでなく競走馬名が記入してあるので、コレクションに非常に適しているからである。
【0023】
尚、投票券ホルダ100の購入者は、皐月賞、日本ダービー、菊花賞で、全て同一の競走馬の投票券を購入してもよいし、それぞれのレースで優勝すると思われる競走馬が異なると思う場合には、異なる競走馬の投票券を購入してもよいもので、購入者の嗜好に応じたコレクションを完成させることができる。
【0024】
また、投票券31の保持部21は、上述した透明のポケット以外にも、種々の方法が考えられるものであり、例えば、台紙1に切れ込みを入れ投票券31の四隅を引っかける方法や、投票券31や台紙1を透明シートなどで挟み保持する方法、さらには、あまり望ましくはないが、台紙1に投票券31を両面テープなどで貼る方法などが考えられ、保持の方法は透明のポケットに限定されない。
【0025】
投票券ホルダ100の購入者は、シリーズが行われる過程で、三つのレースの投票券31が的中(実際の優勝馬と一致)していれば、大きな興奮と優越感、達成感が得られる。また、不的中であっても、自分が購入した投票券31の履歴として、応援した競走馬の思い出として、三歳牡馬三冠レースの期間を、いつも以上に楽しむことができる。
【0026】
最近では、競馬愛好者は、自分の好きな競走馬や大きなレースの投票券31を記念やコレクションとして残しておくことが多くなっている。このことは、例えば、ネットオークションなどで有名な競走馬の投票券31が数多く取り扱われていることからもわかる。また、記念やコレクションとしての投票券31は、購入した投票券31が的中して払い戻しを行わない場合でも、金額的なロスが少なくなるように、最少金額単位(100円分)の投票券31を予め購入しておくことが多い。さらに、投票券31が的中し払い戻さず、金額的な負担があったとしても、投票券31を残しておきたいと思うくらい、競馬愛好者は、投票券31の記念やコレクションに対する価値を感じている。そのため、複数のレースの投票券31を個別に無秩序に保管するのに比べ、意味のあるシリーズとしてまとめて保持し閲覧できることは、競馬愛好者にとって、価値や楽しみが増すことになる。例えば、三冠レースにおいて、皐月賞だけの投票券31を持つよりも、皐月賞、日本ダービー、菊花賞の全て投票券を持つことに価値や楽しみを感じる。さらに、それらの投票券31を美しくデザインされた投票券ホルダ100にまとめて飾り閲覧することができれば、さらに価値や楽しみが増すことは確実である。つまり、投票券31がコレクションされれば、それを保持し閲覧する本発明の投票券ホルダ100が求められ、逆に本発明の投票券ホルダ100があれば、投票券31をコレクションしようという意欲にもつながる。
【0027】
さらに、本発明の効果として、投票券31を集める過程を楽しむことができ、競馬への参加意欲も持続されるという効果もある。よって、シリーズ期間の長期に渡って競馬を楽しむことができるし、競馬の新たな楽しみ方にもつながることになる。つまり、本発明の投票券ホルダ100は、競馬愛好者にとって、意味のあるシリーズ内容を付加することによって、単なる投票券ホルダではなく、多くの価値や重要な価値を持つ投票券ホルダなのである。
【0028】
具体的には、本実施の形態のように、同一年度の皐月賞、日本ダービー、菊花賞の組み合わせの投票券ホルダの場合は意味があるシリーズであり、例えば、皐月賞、天皇賞・春、エリザベス女王杯の組み合わせや、異なる年度の皐月賞、日本ダービー、菊花賞(例えば、2001年皐月賞、2002年日本ダービー、2003年菊花賞)の組み合わせでは、意味を持たないシリーズになってしまう。つまり、競馬愛好者にとって意味のあるシリーズ(複数のレースの組み合わせ)であることが、本発明の投票券ホルダ100の最大のポイントである。だからこそ、単なる投票券ホルダではなく、競馬愛好者にとっては、非常に価値のある投票券ホルダになるのである。
【0029】
これに加えて、本発明の投票券ホルダ100は、簡単な構成であるため、低コストで実現可能である。さらに、長い目で見れば、投票券ホルダ100が普及することにより、競馬の売り上げ増加にもつながるという可能性もある。
【0030】
競馬というスポーツは、年間の開催レースが系統立てて整理されていて、複数のレースを意味のあるシリーズと見なすことが可能なレース体系を持っているスポーツである。例えば、新馬戦(デビュー戦)から条件戦を経て、重賞レース(G3、G2、G1)とクラス、レベルを上げていく過程もわかりやすく、また、競走馬の馬場適性(芝、ダート)や距離適性(短距離、長距離)などによって、様々な種類のレースが用意されているため、複数のレースを系統立てたシリーズとすることが可能で、これらは競馬を楽しむ者、投票券31を購入する者にとって意味を持つシリーズとなっている。
【0031】
シリーズの例としては、「三歳牡馬三冠路線」として、皐月賞、日本ダービー(東京優駿)、菊花賞。「三歳牝馬三冠路線」として、桜花賞、オークス(優駿牝馬)、秋華賞。三歳三冠路線として、皐月賞、日本ダービー、菊花賞、桜花賞、オークス、秋華賞。牡馬世代別G1路線として、朝日杯フューチュリティステークス、皐月賞、日本ダービー、菊花賞。牝馬世代別G1路線として、阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞、オークス、秋華賞。牝馬G1路線として、桜花賞、オークス、秋華賞、エリザベス女王杯。古馬中長距離路線として、天皇賞・春、宝塚記念、天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念。古馬短距離路線として、高松宮記念、安田記念、スプリンターズステークス、マイルチャンピオンシップ。中央ダート路線として、フェブラリーステークス、ジャパンカップダート。中央・地方三歳ダート路線として、ジャパンダートダービー、ダービーグランプリ。中央・地方ダート路線として、川崎記念、フェブラリーステークス、かしわ記念、帝王賞、南部杯、JBCクラッシック、JBCスプリント、ジャパンカップダート、東京大賞典。障害レースG1路線として、中山グランドジャンプ、中山大障害。さらに、中央競馬全G1レースなど、様々なシリーズが考えられる。上記シリーズ以外でも競馬愛好者にとって意味あるシリーズは、いろいろな組み合わせが考えられる。ただし、これらは2005年現在のレース体系におけるシリーズであって、将来的には組み合わせるレース数の増減やレース名の変更の可能性はあり得る。よって、競馬愛好者が競馬のレース体系を理解し、シリーズ内容の意味について知れば知るほど、本発明の投票券ホルダ100の存在価値を理解することができ、逆に、競馬の初心者にとっては、本発明の投票券ホルダ100は、競馬のレース体系を理解するための一助になる可能性がある。
【0032】
<第2の実施の形態>
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る投票券ホルダ200の外観を示す図である。 尚、以下の説明において、図1と同様の構成については、同様の符号を付し重複する説明は省略する。
【0033】
本実施の形態における投票券ホルダ200は、第1の実施の形態と同様に、台紙1上に、シリーズの内容を示す表記部11として、年度と簡潔な説明と複数のレース名が印刷され表記されている。ここで、図2に表記された「トリプルクラウン」とは三歳三冠レースと、ほぼ同意の別称であり、このように内容が伝われば、表現は適宜変更してもかまわない。さらに、皐月賞、日本ダービー、菊花賞のそれぞれのレース名に対応して投票券31を保持できる保持部21として透明のポケットを備えている。本実施の形態では、さらに、シリーズの内容を示す表記部11として、特定の競走馬名「○○号」と印刷され表記されている。
【0034】
次に、図2に示す投票券ホルダ200を例に、投票券ホルダ200の使い方について説明する。第1の実施の形態と同様に、ホルダ購入者は、皐月賞、ダービー、菊花賞開催時に投票券を購入するが、基本的にホルダ購入者は、投票券ホルダ200に表記されている競走馬「○○号」の投票券(例えば、単勝馬券)31を購入し、投票券ホルダ200の投票券ポケット21に入れて保持し閲覧する。図2では、皐月賞の投票券31aとダービーの投票券31bまで投票券31を挿入し保持されている状態を示している。
【0035】
○○号が皐月賞に優勝すれば、○○号は三冠馬の可能性を持つ唯一の競走馬になり、購入者は、次の日本ダービー、菊花賞でも○○号の投票券を買うことが、より楽しみになり、三冠馬誕生の過程を、より身近に感じることができる。そして、○○号が三冠馬になれば、ホルダ購入者は、自分の予想の正しかったことや三冠シリーズ始まる前から自分は○○号の活躍を信じていたという証明になり、達成感や満足感を大いに感じることができる。また、○○号が三冠馬にならなかったとしても、自分が○○号を応援したという記念や履歴として残る。
【0036】
本実施の形態の投票券ホルダ200は、特定の競走馬におけるシリーズをよりイメージさせるために、図2のように、○○号の馬主の服飾(勝負服)のデザインや○○号の血統表、生年月日などを表記しているが、これに加えて、さらに、○○号の写真などを表記してもよい。
【0037】
また、本実施の形態のように競走馬名が表記されている場合は、例えば、シリーズ最初のレースである皐月賞に出走する全競走馬分の投票券ホルダを販売、配布してもよい。こうすることによって、購入者は自分が三冠レースを優勝すると思う競走馬や、応援していきたいと思う競走馬の競走馬名が表記された投票券ホルダ200を選び購入する楽しみが増す。また、シリーズの始まる前に、自分はこの競走馬を選んだという思い入れのようなものが感じられるのもよい。さらに、シリーズ最初のレースが終了した後では、本実施の形態の投票券ホルダ200を入手するのが困難になる場合などは、投票券31をコレクションする側にとっては、本発明の投票券ホルダ200自体にも新たな価値を持つ可能性もある。
【0038】
<第3の実施の形態>
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る投票券ホルダ300の外観を示す図である。尚、以下の説明においても、図1と同様の構成については、同様の符号を付し重複する説明は省略する。
【0039】
本実施の形態における投票券ホルダ300は、第1の実施の形態と同様に、台紙1上に、シリーズの内容を示す表記部11として、簡潔な説明「日本ダービー10年史」と、またレース実施年度として、「2001」から「2010」と印刷され表記されている。ここで、図3に表記された「日本ダービー10年史」という表現は、このような内容が伝われば、ほぼ同様な意味の別な表現に適宜変更してもかまわない。
【0040】
次に、図3に示す投票券ホルダ300を例に、投票券ホルダ300の使い方について説明する。ホルダの購入者は、シリーズ最初の年度である2001年の日本ダービー開催時に、ホルダ購入者が優勝すると考える競走馬の投票券(例えば、単勝馬券)31を購入し、その投票券31を2001年の投票券ポケット21に入れて保持し閲覧する。2002年以降も同様のことを行う。図3では、2001年から2003年までの日本ダービーの投票券31を挿入し保持されている状態を示している。
【0041】
ホルダ購入者は、シリーズの過程で、レースの投票券31が的中(実際の優勝馬と一致)していれば、大きな興奮と優越感、達成感が得られる。不的中であっても、自分が購入した投票券31の履歴として、応援した競走馬の思い出として、複数年に渡る長い期間、日本ダービーを、いつも以上に楽しむことができる。また、本実施の形態におけるコレクションは、複数年に渡る時間を必要とするため、投票券ホルダ300の購入者は、毎年毎年の思いが重なり、シリーズ終了時の価値や思い入れが非常に大きくなる。
【0042】
<第4の実施の形態>
図4は、本発明の第4の実施の形態に係る投票券ホルダ400の外観を示す図である。尚、以下の説明においても、図1と同様の構成については、同様の符号を付し重複する説明は省略する。
【0043】
本実施の形態における投票券ホルダ400においては、上記実施形態のように、予め固有の内容が印刷された表記部11を備えるのではなく、必要に応じて空欄にしておき、自由に書き込み可能にしたり、透明のポケットにしておき、それぞれの内容が印刷されたカードを挿入したりして交換可能な構成の表記部11を備えている。そして、交換用のカードは、予め想定されるカードを用意して印刷しておいてもよい。このようにして、シリーズの内容を示す表記部11の年度、簡潔な説明、競走馬名、レース名などを書き換え可能、入れ替え可能にすることによって、汎用性が大きく増すことになる。例えば、年度を入れ替えての投票券ホルダ400の再利用や、あまり有名でない競走馬に対応する場合や、大きなレースや有名なレースに出走するまでの競走馬の成長過程における条件戦など事前に対応しておくのが困難なレース名の場合などに適用できる。また、それぞれのレース終了後にレース結果(着順)などを書き込むための欄を用意しておいてもよい。
【0044】
<第5の実施の形態>
図5は、本発明の第5の実施の形態に係る投票券ホルダ500の外観を示す図である。尚、以下の説明においても、図1と同様の構成については、同様の符号を付し重複する説明は省略する。
【0045】
本実施の形態における投票券ホルダ500は、表記部用台紙2上に、シリーズの内容を示す表記部11として、年度と簡潔な説明と複数のレース名「2006 牡馬3冠路線 皐月賞 日本ダービー 菊花賞」と印刷され表記されたホルダ部品500aと、表記部用台紙2を保持することができるポケット41を備えた透明部材3上に、複数のレースにおける、それぞれのレース名に対応して投票券31を保持できる保持部21として透明のポケットを備えたホルダ部品500bと、から構成されている。従って、ホルダ部品500aをホルダ部品500bのポケット41に挿入した状態においては、投票券ホルダ500は、第1の実施の形態の投票券ホルダ100とほぼ同一の構成となる。
【0046】
本実施の形態では、ホルダ部品500aとホルダ部品500bを、別部品とすることによって、ホルダ部品500bは、別のシリーズ内容の投票券ホルダと共用の部品として製造できるので製造コストが下げられる可能性がある。例えば、「2006 牝馬3冠路線 桜花賞 オークス 秋華賞」と表記された別のシリーズ内容の投票券ホルダとは、ホルダ部品500aの部分は異なるが、ホルダ部品500bは、同一の部品として共用できるので、ホルダ部品500bは、生産数として多くなり、量産の効果からコストダウンが期待できる。また、別の効果として、ホルダ購入者が、ホルダ部品500bを再利用することも可能になる。例えば、「2007 牡馬3冠路線 皐月賞 日本ダービー 菊花賞」と表記された、別のシリーズ内容(次年度)のホルダ部品500aだけを購入し、入れ替えをすることにより、新しいシリーズ内容(次年度)の投票券ホルダとして使用することが可能になる。従って、ホルダ購入者は、必要以上のコストを掛けることなく、新しいシリーズ内容の投票券ホルダ500を手にすることができる。
【0047】
以上、各実施の形態による投票券ホルダ100、200、300、400及び500によれば、例えば、紙や樹脂などの台紙1の上に、シリーズの内容を示す表記部11と、複数のレースにおける、それぞれのレースに対応して投票券31を保持できる保持部21として透明のポケットを備えたので、投票券購入者は、購入した投票券31をコレクションや記念として閲覧、保存でき、さらに投票券購入者の満足感を高めることができる。
【0048】
<その他の実施形態>
さらに、本発明としては、上述した投票券ホルダ100乃至500を応用した商品も種々考えられるものである。例えば、ホルダ購入者が所定のシリーズを通じて購入した投票券31により、自分にとって満足のいく投票券ホルダ100乃至500としてシリーズを終えることができた場合などは、壁などに展示したりすることも考えられるので、このような場合には、より便利に、より美しく展示するための当該投票券ホルダ用の額なども考えられる。
【0049】
また、上述した投票券ホルダ100乃至500は、競馬を続けていくことにより、複数の投票券ホルダ100乃至500がコレクションされていくことが予想されるので、このような場合には、コレクションとして複数の投票券ホルダ100乃至500を、まとめて保存や閲覧ができる投票券ホルダ用のアルバムなども考えられる。
【0050】
尚、上述した投票券ホルダ100乃至500は、競馬に限定されるものではなく、競輪などの他の公営競技の投票券に、同様に適用できるのは勿論である。
【0051】
また、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う投票券ホルダもまた本発明の思想に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る投票券ホルダ100の外観を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る投票券ホルダ200の外観を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る投票券ホルダ300の外観を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る投票券ホルダ400の外観を示す図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係る投票券ホルダ500の外観を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 台紙
11 表記部
21 保持部
31 投票券
100,200,300,400,500 投票券ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙上に公営競技の投票券を収納する投票券ホルダであって、
前記公営競技のレースを所望の体系により分類したシリーズの内容を表記する表記部と、
表記されたシリーズに該当するレースの投票券を保持し、該投票券を閲覧可能とする、複数の保持部と、
を有することを特徴とする投票券ホルダ。
【請求項2】
前記公営競技は、競馬であることを特徴とする請求項1記載の投票券ホルダ。
【請求項3】
前記表記部は、シリーズ全体の内容を表記する第1の表記部と、前記保持部それぞれに対応して設けられ、前記シリーズ個々の内容を表記する第2の表記部と、を有することを特徴とする請求項1又は2記載の投票券ホルダ。
【請求項4】
前記シリーズは、同一年度における複数のレースをシリーズとする第1のシリーズ、同一投票対象における複数のレースをシリーズとする第2のシリーズ、及び同一レース名における複数年度のレースをシリーズとする第3のシリーズの少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投票券ホルダ。
【請求項5】
前記表記部は、印字されておらず、書き込みまたは変更が可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の投票券ホルダ。
【請求項6】
前記表示部と前記保持部は、分離可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の投票券ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−15748(P2007−15748A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−201250(P2005−201250)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(505262239)
【Fターム(参考)】