説明

折板屋根緑化設備及び折板屋根緑化設備の固定構造

【課題】良好な植物の育成が可能であると共に、安価で、緑化面を容易に歩行することが
でき、メンテナンス性、施工性を向上することができる折板屋根緑化設備を提供する。
【解決手段】少なくとも底板10aを有し、折板屋根Rの山部1のピッチと略同一の幅を有する基盤材10が、折板屋根Rの山部1に架け渡すように配置され、基盤材10の底板10a上に植栽部(育成材20及び植物30)Gが設けられる折板屋根緑化設備Wであって、基盤材10に、少なくとも折板屋根Rの山部1に直交する方向にリブ12が形成され、リブ12の両端部がそれぞれ山部1の頂面まで延びるように設けられる折板屋根緑化設備W。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折板屋根に設けられる折板屋根緑化設備及び折板屋根緑化設備の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都市の緑化対策の重要性が認識されつつあり、平坦でない折板屋根等においても緑化が図られている。かかる緑化に貢献するものとして、特許文献1には、山部と谷部が交互に繰り返し、山部頂面から上方に突出するハゼ部を有する折板屋根に、ハゼ部の高さよりも高い下地体若しくはハゼ部の高さと同一高さの下地体を山部頂面に載置して隣り合う山部間に架橋し、その下地体上に緑化ユニットを敷設する緑化設備が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、金属折板屋根の互いに隣り合う山部に、方形状で且つ横幅が山部の間隔と略同寸法に設定された複数枚の植栽トレイを架設し、折板屋根のハゼ部にボルト・ナット等で挟持固定される固定用金具で植栽トレイの四隅を押さえ込んだ状態で固定し、金属折板屋根を被覆する植生による緑化面を形成する緑化設備が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−89437号公報
【特許文献2】特開2005−105536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の緑化設備は、折板屋根に下地体を設ける必要があるため、重量が増し、コスト高になると共に、施工が面倒であるとの不具合を生ずる。他方で、特許文献2の緑化設備は、直接折板屋根に植栽トレイを架設できるため、この不具合は解消できるが、植栽トレイ上に人が乗ることを想定していないため、メンテナンスや施工に劣るという不具合がある。この際、植栽トレイ自体を肉厚にすることも考えられるが、重量が増え、コスト高となると共に、育成材の収容空間も減り、植物の育成に悪影響を与えてしまう虞がある。
【0006】
また、特許文献1の緑化設備は、下地材上に緑化ユニットを載置して緑化ユニットを下地材に固定する構成であるため、折板屋根の頂面から緑化ユニットの上面までの距離が高くなってしまい、美観を損ねる虞があった。他方で、特許文献2の緑化設備では、折板屋根のハゼ部にボルト・ナット等で挟持固定してなる固定用金具を設け、この固定金具で植栽トレイを固定する構成であるため、固定用金具を設ける空間、ボルト・ナット等を取付けるための寸法等を考慮すると、植栽トレイ相互間に無駄な空間を形成する必要があると共に、上方への寸法に関しても、ボルト・ナットで締め付けるための寸法が必要となり、植栽トレイ自体の高さを高くする必要が生じて、結果的に美観を損ねてしまうという不具合を生ずる。
【0007】
本発明は上記不具合を解消するためになされたものであり、その目的は、良好な植物の育成が可能であると共に、安価で、緑化面を容易に歩行することができ、メンテナンス性、施工性を向上することができる折板屋根緑化設備及びその固定構造を提供することにある。また、本発明の別の目的は、折板屋根緑化設備と折板屋根とを強固に固定可能であると共に、美観に優れる折板屋根緑化設備及びその固定構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の折板屋根緑化設備は、少なくとも底板を有し、折板屋根の山部のピッチと略同一の幅を有する基盤材が、前記山部に架け渡すように配置され、前記基盤材の前記底板上に植栽部が設けられる折板屋根緑化設備であって、前記基盤材に、少なくとも前記折板屋根の山部に直交する方向にリブが形成され、前記リブの両端部がそれぞれ前記山部の頂面まで延びるように設けられることを特徴とする。
この構成によれば、良好な植物の育成が可能であると共に、安価で、基盤材自体の強度や基盤材の設置強度を高められ、緑化面を容易に歩行することができ、メンテナンス性、施工性を向上することができる。尚、リブは複数あると好適であり、強度向上が望める。
【0009】
本発明の折板屋根緑化設備は、前記リブの頂部に穴が穿設され、前記リブの頂部よりも低い部分が貯水可能になっていることを特徴とする。
この構成によれば、良好な排水と貯水を行うことができる。
【0010】
本発明の折板屋根緑化設備は、前記リブは、前記基盤材の前記底板の底面よりも高く形成されていると共に、上面が略平坦な頂部と、前記頂部の両端縁から下方に屈曲して延設されている傾斜面とから構成され、上面側が凸状で、下面側が凹状になっていることを特徴とする。
この構成によれば、リブの強度を確実に高めることができる。
【0011】
本発明の折板屋根緑化設備は、前記基盤材の底面の平面視面積が、前記頂部及び前記傾斜面の平面視面積よりも大きく設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、より十分な貯水を行うことが可能となる。
【0012】
本発明の折板屋根緑化設備は、前記基盤材が前記底板から立ち上がる側面を有し、前記リブが前記底板から前記側面まで一連に延びて形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、基盤材の強度を一層高めることができる。
【0013】
本発明の折板屋根緑化設備は、前記基盤材が前記底板から立ち上がる側面を有し、前記側面の内の少なくとも平面視で対向する2辺に凹部が形成され、前記凹部に潅水パイプが配設されることを特徴とする。
この構成によれば、潅水パイプを安定して設置することができると共に、折板屋根緑化設備に適切な給水を行うことが可能となる。
【0014】
本発明の折板屋根緑化設備は、前記凹部が前記折板屋根の前記山部に直交する前記側面に形成され、前記凹部近傍の前記底板に、前記山部と平行方向に延びて上方に突出する平行リブが形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、凹部に配置される潅水パイプを平行リブで支持することが可能となり、潅水パイプの破損、変形などによる潅水不良を未然に防止することができる。
【0015】
本発明の折板屋根緑化設備は、前記凹部が前記折板屋根の前記山部に並行する前記側面に形成され、前記凹部近傍の前記底板に、前記山部と直交方向に延びて上方に突出するリブが形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、凹部に配置される潅水パイプをリブで支持することが可能となり、潅水パイプの破損、変形などによる潅水不良を未然に防止することができる。
【0016】
本発明の折板屋根緑化設備は、前記基盤材が前記底板から立ち上がる側面を有し、前記側面の上端に外方に屈曲して延設されている突出片が形成され、平面視で隣り合う二辺の前記突出片が他の隣り合う二辺の前記突出片よりも長く形成され、前記長い突出片が前記短い突出片よりも高い位置に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、基盤材から折板屋根が殆ど目視不能な状態にして美観を高めることができると共に、植栽部の育成材が風などで飛散することを防止することができる。
【0017】
本発明の折板屋根緑化設備は、前記基盤材が鋼板の絞り加工により形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、基盤材の強度、コスト、加工性、防錆性を高めることが可能となる。
【0018】
本発明の折板屋根緑化設備の固定構造は、前記折板屋根緑化設備を折板屋根に固定する固定構造であって、前記折板屋根上に接着剤又は両面テープからなる固定手段が設けられ、前記固定手段上に前記基盤材を配設して前記基盤材の前記底板と前記折板屋根とが固定されることを特徴とする。
この構成によれば、接着剤又は両面テープにより、折板屋根緑化設備と折板屋根が固定状態となるため、美観を損ねることなく、折板屋根緑化設備を折板屋根に固定することが可能となる。
【0019】
本発明の折板屋根緑化設備の固定構造は、前記折板屋根緑化設備を折板屋根に固定する固定構造であって、前記折板屋根と前記リブとの間に空間が形成され、前記空間に前記折板屋根と固定状態となる固定部材が配設され、前記固定部材と前記基盤材とが結合手段により結合されることを特徴とする。
この構成によれば、固定部材により、折板屋根緑化設備と折板屋根が固定状態となるため、美観を損ねることなく、折板屋根緑化設備を折板屋根に固定することが可能となる。
【0020】
本発明の折板屋根緑化設備の固定構造は、前記固定部材が前記結合手段で結合されることにより、少なくとも前記基盤材の垂直方向に対して固定されることを特徴とする。
この構成によれば、基盤材をより安定して固定することができ、耐風圧強度等を増すことができる。
【0021】
本発明の折板屋根緑化設備の固定構造は、前記折板屋根の前記山部の頂面に形成されているハゼ部に前記固定部材が係合されることを特徴とする。
この構成によれば、基盤材の固定強度を一層増すことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の折板屋根緑化設備或いはその固定構造では、良好な植物の育成が可能であると共に、安価で、緑化面を容易に歩行することができ、メンテナンス性、施工性を向上することができ、更に、結果的にコストダウン効果を発揮することができる。
【0023】
また、基盤材に側面を有し、潅水パイプを配設可能な構成の場合、リブにより、潅水パイプを支持することが可能であり、潅水パイプの破損、変形などによる潅水不良を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)は実施例1の折板屋根緑化設備を示す平面図、(b)は実施例1の折板屋根緑化設備を示す正面図。
【図2】(a)は実施例1の基盤材を示す平面図、(b)は実施例1の基盤材を示す正面図、(c)は図2(a)のA−A断面図、(d)は図2(a)のB−B断面図、(e)は実施例1の基盤材を示す側面図、(f)は図2(a)のC−C断面図、(g)は図2(a)のD−D断面図。
【図3】(a)は実施例1の育成材を示す平面図、(b)は実施例1の育成材を示す正面図、(c)は図3(a)のA−A断面図、(d)は図3(a)のB−B断面図、(e)は実施例1の育成材を示す側面図、(f)は図3(a)のC−C断面図、(g)は図3(a)のD−D断面図。
【図4】(a)は実施例1の折板屋根緑化設備の施工途中を示す平面説明図、(b)は実施例1の折板屋根緑化設備の施工途中を示す正面説明図。
【図5】図1のA部拡大図。
【図6】(a)は実施例2の折板屋根緑化設備の施工途中を示す平面説明図、(b)は図6(a)のA−A断面図。
【図7】図6のA部拡大図。
【図8】(a)は第1例の基盤材の変形例を示す平面図、(b)は第2例の基盤材の変形例を示す平面図、(c)は第3例の基盤材の変形例を示す平面図、(d)は第4例の基盤材の変形例を示す平面図。
【図9】(a−1)は第1例の固定部材の使用状態を示す正面説明図、(a−2)は第1例の固定部材の斜視図、(b−1)は第2例の固定部材の使用状態を示す正面説明図、(b−2)は第2例の固定部材の斜視図、(c−1)は第3例の固定部材の使用状態を示す正面説明図、(c−2)は第3例の固定部材の斜視図、(d−1)は第4例の固定部材の使用状態を示す正面説明図、(d−2)は第4例の固定部材の斜視図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の折板屋根緑化設備及びその固定構造に関する具体的な実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、各実施例の各構成要件を組み合わせ或いは組み替える構成や、各実施例の各構成要件を削除するなど本発明の要旨の範囲内の全ての構成が含まれる。
【0026】
〔実施例1〕
本実施例1の折板屋根緑化設備W(以下において、単に「緑化設備W」ということもある)は、図1に示すように山部1と谷部2が交互に設けられ、山部1頂面にカシメ結合されたハゼ部3を有する折板屋根R上に、隣り合う山部1のピッチと略同一幅からなる基盤材10が架け渡すように配置され、基盤材10の底板10a上に植物30を栽培可能な育成材20が載置されると共に、育成材20に植物30が植栽されることにより、緑化が可能な設備として構成されている。尚、育成材20及び植物30が、底板10a上に設けられる植栽部Gに相当する。
【0027】
図2に示すように、本実施例の基盤材10は、略矩形状の底板10aと、底板10aの外縁から立上がる4つの側面10bとを有する上面開放の箱型に形成されている。また、底板10aには、折板屋根Rの山部1に直交する方向に複数のリブ12が形成され、本例では折板屋根Rの流れ方向(図2(a)、図1中のY方向)に直交する方向に上方に突出した4本のリブ12が形成されている。このリブ12は、その両端部がそれぞれ山部1の頂面まで延びるように設けられている(図4参照)。また、リブ12の頂部に穴19が穿設され、リブ12の頂部よりも低い部分に貯水可能になっている。本例では、リブ12の頂面には1つのリブ12に対して4つの穴19が穿設されており、リブ12以外の底板10aの底面上に貯水可能な構成となっている。この構成により、リブ12の頂面を超えた余剰水は穴19から排出される。
【0028】
リブ12は、基盤材10の底板10aの底面よりも高く形成されていると共に、上面が略平坦な頂部12aと、頂部12aの両端縁から下方に屈曲して延設されている傾斜面12b(12b1、12b2)とから構成され、上面側が凸状で、下面側が凹状になっている(図2(e)〜(g)参照)。換言すれば、リブ12は、底板10aの底面から上方に屈曲延設してなる傾斜面12b1と、傾斜面12b1の上端を底板10aの底面と略平行になるような略平坦な頂部12aと、頂部12aの端部を下方に屈曲延設してなる傾斜面12b2とを有する構成となっている。尚、基盤材10の底面(頂部12a及び傾斜面12b1、12b2以外の部分)の平面視面積は、頂部12a及び傾斜面12b1、12b2の平面視面積よりも大きく設定すると好適である。
【0029】
また、リブ12は、基盤材10の底板10aから立ち上がる側面10bまで一連に延びて形成されており、折板屋根Rの流れ方向(図2(a)に示すY方向)に平行な側面10bにまで及んでいる。また、側面10bは、上方に向かって開口が大きくなるようなテーパ面で形成されており、側面10bの上端には外方に屈曲して延設されている突出片13、14が形成されている。平面視で隣り合う二辺の突出片13は、他の隣り合う二辺の突出片14よりも長く形成されている。尚、説明の便宜上、突出片13、14のうち、外方に長く突出するものを長突出片13といい、外方に短く突出するものを短突出片14という。即ち、基盤材10の側面10b上端は、一の隣り合う2辺に外方に長く突出する長突出片13が形成され、他の隣り合う2辺に外方に短く突出する短突出片14が形成されて、全周を突出片13、14で囲まれて構成されている。また、長突出片13は、短突出片14よりも高い位置に形成されている。
【0030】
また、基盤材10の側面10bの内の少なくとも平面視で対向する2辺には凹部15が形成され、その凹部15に潅水パイプPが配設されるようになっている。本例では、凹部15が折板屋根Rの山部1に直交する側面10b、換言すれば基盤材10の折板屋根Rの流れ方向に直交する側面10bの上端で、且つ中央よりも折板屋根Rの山部1側に位置する箇所に、潅水パイプPを配設可能な凹部15が形成され、折板屋根Rの流れ方向に沿って潅水パイプPを配設可能に構成されている。尚、凹部15を辺(側面10bの上端部)の中央部に設けない構成とすることにより、基盤材10の上方からの圧力に対して基盤材10自体の強度アップを可能としている。また、凹部15の最下端は、補強機能を有するリブ12の上端より僅かに高い位置に設けると好適であり、潅水パイプPを補強機能を有するリブ12で支持することが可能となる。
【0031】
基盤材10は、合成樹脂製、発泡体、鋼板、木製、陶器製、石製等で構成するなど適宜であるが、好適には鋼板製、より好適にはガルバニウム鋼板製を絞り加工を施すことにより成形される構成にすると、強度、コスト、加工性、防錆性を高めることができて良好である。
【0032】
また、図3に示すように、本実施例の育成材20は、上面20aと下面20bを有するマット状であり、その外周において基盤材側面10bのテーパ面に沿うようなテーパ面になっている側面20cが形成されている。また、下面20bから下方に円形状の突出部21が複数形成され、突出部21に対応する上面には突出部21に対応する形状の凹状部22が形成され、育成材20相互を重ね合わせた際に、突出部21が凹状部22に入り込み、積み重ねの際の嵩を低くすることができると共に、位置決め効果を発揮し、安定した積み重ねが可能となるように構成されている。更には、凹状部22の存在により、吸い上げた水分が上方に移動するのではなく、横方向に広がる助けとなるため好適である。また、基盤材10の側面10bの凹部15に対応する箇所には育成材凹部23が形成され、後述する潅水パイプPを敷設可能な構成となっている。具体的には、育成材凹部23は、育成材20の上面20aの一端部から、当該一端部に対向する他端部まで延設されている。また、育成材凹部23は、潅水パイプPを敷設可能な大きさ寸法の形状(例えば、潅水パイプPを外嵌する大きさ寸法の円弧凹状の溝形状)に形成されている。
【0033】
尚、突出部21は、基盤材10の貯水箇所(「リブ12以外の底板10aの底面と、リブ12の傾斜面12bと、側面10bとで囲まれている領域」)にそれぞれ2つずつ形成され、且つ当該貯水箇所の中心に設けられている。また、リブ12相互間の距離と、突出部21の下端の直径とが略同一に構成されている。このように突出部21を構成することにより、確実に貯水箇所の水分を吸水することが可能になっている。また、育成材凹部23を基盤材10の凹部15よりも浅く形成すると好適であり、硬い基盤材10の凹部15により潅水パイプPが切断されるなどの不具合を未然に防止することが可能となっている。
【0034】
育成材20は植物30を育成可能なものであればどのようなものであっても良く、例えば、パーライト、バーミキュウライト、ピートモス、バーク堆肥、チャフコン、木質腐朽有機物、ゼオライト、下水或いは浄水場から発生する汚泥、或いは汚泥の焼却灰などを単体で、或いは複数種類を混合して、更には根腐れ防止用の硅酸塩白土等を植物の種類、環境等に応じて適宜選定し、これらを保水性、排水性を良好にするためにバランス良く配合したものをバインダーで固化したもの、或いはウレタン、スポンジやヤシガラ等の繊維材等の軽量育成材など適宜である。
【0035】
そして、基盤材10及び育成材20などを折板屋根Rに載置する場合、図4に示すように、先ず、折板屋根Rの山部1頂面に両面テープ或いは接着剤、粘着剤等の固定手段5を設け、その上に、育成材20を収納した基盤材10をリブ12が折板屋根Rの流れ方向に直交するように、且つ山部1頂面のハゼ部分(ハゼ部3)に挟まれるような位置に載置することにより、折板屋根Rと基盤材10の底面とが固定状態となる。また、図4の点線から明らかなように、この固定状態において、基盤材10のリブ12の長さ方向両端縁部が、折板屋根Rの山部1上に位置することから、基盤材10上方からの圧力に対して、リブ12を介して折板屋根Rの山部1で支持することができ、圧力に対する強度が向上する構成となっている。また、図2から明らかなように平面視において、基盤材10は、底面(底板10aのリブ12以外の部分)の面積がリブ12の部分より大きくなっており、これにより、接着強度が確保できると共に、貯水量も十分に確保することが可能となる。
【0036】
また、図5に示すように、一の基盤材10は、隣り合う他の基盤材10の短突出片14上に長突出片13が位置するように隣接して敷設することにより、基盤材10から折板屋根(ハゼ部分を含む)Rが殆ど目視不能な状態になっている。この際、長突出片13が隣り合う他の育成材20上まで延びていることから、育成材20の隣り合う2辺が長突出片13により押えられ、育成材10自体が風などにより飛散することを防止している。
【0037】
その後、図1に示すように折板屋根Rの勾配に沿って1直線上になっている基盤材10の凹部15及び育成材凹部23内に潅水パイプPを敷設し、その上から切り芝などのマット状の植物(例えば、植栽マット)30を載置することにより、施工が完了する。尚、潅水パイプPは、多孔質パイプ、ドリップチューブ、しみ出しパイプ等適宜である。
【0038】
また、前記植栽マットも芝に限らず、様々な植物、例えばタマリュウ、セダム、地被類、コケ、キリンソウ等をマット状にしたもの、或いは育成材20の上面20aに凹部22内に苗を植え付ける構成、或いは育成材20上に植物の種子をまく、或いは育成材20内に種子を混合させておくなど適宜である。
【0039】
以上、本発明の実施例1の折板屋根緑化設備W及び固定構造を使用することにより、単純な構成であっても、基盤材10上方からの圧力をリブ12を介して折板屋根Rの頂部(山部1)で支持することが可能となり、高強度な折板屋根緑化設備Wを提供することが可能となり、メンテナンス性、施工性が向上し、コストダウン効果を発揮することができる。
【0040】
また、本実施例では、折板屋根Rの頂部(山部1)と基盤材10の底面(底板10a)が固定手段5により強固に固定していることから、耐風圧対策も十分に取られており、且つ固定手段5により固定状態となっていることもあいまって、より一層基盤材10上方からの圧力に対する強度が増すこととなる。
【0041】
〔実施例2〕
次に、本発明の実施例2について上記実施例1と異なる箇所の詳細を説明する。実施例2の折板屋根緑化設備Wは、図6に示すように実施例1と同様に折板屋根Rの隣り合う山部1上に載置される構成となっている。尚、実施例2において、上述した実施例1で示した構成と同様の構成(或いは相当する構成)については、説明の便宜上、同じ符号を付している。また、実施例2においては、育成材60及び植物30が、基盤材50の底板50a上に設けられる植栽部Gに相当する。
【0042】
図6に示すように、実施例2の基盤材50は、略矩形状の底板50aと、底板50aの外縁から立上がる4つの側面50bとを有する上面開放の箱型で、実施例1同様に、折板屋根Rの山部1に直交する方向である折板屋根Rの流れ方向に直交する方向に複数の第1リブ51が形成されている。また、折板屋根Rの流れ方向に直交する側面(折板屋根Rの山部1に直交する側面)50bの略中央には凹部55が形成され、且つ凹部55近傍の底板50aに、山部1と平行方向に延びて上方に突出する第2リブ(平行リブ)53が形成されている。具体的には、基盤材50の底板50aには、凹部55近傍から折板屋根Rの流れ方向で、且つ第1リブ51のうち、一番外側の第1リブ51まで延設した第2リブ53が形成されており、この第2リブ53により潅水パイプPを下から支持する構成となっている。尚、実施例2においても、実施例1と同様、第1リブ51の頂面には複数の穴19が穿設され、第1リブ51の頂面を超えた余剰水が排出されるようになっている。
【0043】
また、育成材60は、図6に示すように、上面60aと下面60bとを有するマット状であり、上面60aの中央に育成材凹部63が形成されている。この育成材凹部63は、第1実施例の育成材凹部23に相当する構成であり、潅水パイプPを敷設可能な大きさ寸法の形状に形成されている。また、育成材60の上面60aには、楕円形状の凹状部62が複数形成され、凹状部62に対応する下面には、楕円形状の突出部61が形成され、基盤材50に貯水されている水分を吸水可能な構成となっていると共に、吸収した水分を育成材60全体に広がり易い構成となっている。また、楕円形状の突出部61は、基盤材50のリブ(第1リブ51、第2リブ53)相互間或いは当該リブと側面50bとの間の貯水空間における低勾配側に位置するように形成されており、より多くの水分を吸収することが可能となっていると共に、楕円形であることから、育成材60に対する上方からの圧力を支持可能な構成となっている。
【0044】
また、図7に示すように、緑化設備Wの折板屋根Rへの固定は、実施例1と同様に山部1に固定手段5を設け、且つ固定手段5上で且つ第1リブ51に囲まれる箇所に固定部材64を固定手段5に貼着してなり、固定部材64が貼着された状態で、上から基盤材50を配置する構成となっている。ここで、固定部材64は、板状の上部64aと、上部64aの両端部から下方に屈曲延設している2つの側面部64cと、一方の側面部64cの下端から他方の側面部64cの下端まで延びる下部64b(上部64aに相対向し且つ上部64aと平行な板状の下部64b)とを有する中空筒状に形成されている。また、一方の側面部64c(ハゼ部3側の側面部64c)には、ハゼ部3の首部3aに係止可能な係止部64dが設けられている。尚、図示する例では、係止部64dは、側面部64cの下部64b側が凸状に突出する段差状に形成されている。
【0045】
そして、固定部材64は、折板屋根Rの山部1の頂面に形成されているハゼ部3の首部分(首部3a)に突出する一部(係止部)64dが入り込んだ状態で係合され、折板屋根Rに設けた固定手段5に貼着されており、その後、上から基盤材50を配置し、基盤材50のリブ51上方からビス等の結合手段100で、基盤材50と固定部材64とを結合して、固定部材64を少なくとも基盤材50の垂直方向に対して固定する構成となっている。即ち、折板屋根Rとリブ51との間に形成される空間に折板屋根Rと固定状態となる固定部材64が配設され、固定部材64と基盤材50とが結合手段100により結合される。尚、固定部材64は、基盤材50と固定できる上部64aとハゼ部3の首部分(首部3a)に係止可能な係止部64dを有していればどのような形状であっても良いが、本実施例のように押し出し成形にて成形できれば、安価である。
【0046】
以上の構成により、基盤材50の折板屋根Rの流れ方向に対しては固定手段5で強固に固定されると共に、基盤材50の折板屋根Rの垂直方向に対しては固定部材64で強固に固定されることから、耐風圧強度が増し、より安定した緑化構造(緑化設備W)を提供することが可能となる。尚、固定手段5として両面テープ等を使用すると、両面テープは水平方向への力に対して強固に固定できることから、より顕著な効果となる。つまり、固定部材64は、基盤材50に結合手段100で結合されることにより、ハゼ3の首部3aに係止した状態が維持され、上方への引っ張りによる強度が増すこととなる。
【0047】
以上、本発明の実施例2を使用することにより、実施例1同様の効果を発揮すると共に、耐風圧強度が増し、より安定した緑化構造を提供することが可能となる。また、潅水パイプPを基盤材50の中心を通すことが可能となることから、確実に育成材60全体に水分を行き渡らすことが可能となり、より良好な植物の生育が可能となる。
【0048】
〔実施例の変形例等〕
本明細書開示の発明には、解決手段に記載の各発明や実施例等の構成のほかに、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものも含まれ、例えば下記の変形例も包含される。尚、下記の変形例において、上述した実施例で示した構成と同様の構成(及び相当する構成)については、説明の便宜上、同じ符号を付している。
【0049】
例えば、基盤材10、50は上記実施例に限定されず、例えば図8に示すように、様々な構成が考えられる。図8(a)に示すように、水を貯水しないのであれば、実施例2の基盤材50の側面50bを無くした構成であっても良く、より低コストに製造することが可能となる。
また、図8(b)に示すように、基盤材50は、リブ71を格子状に設け、格子状のリブ71相互間に通水用の凹溝部72を設け、且つ基盤材50の凹部55を対向する2辺に3箇所設ける構成であってもよい。これにより、水分を基盤材50に行き渡らすことが可能となると共に、施工状態に応じて3箇所の潅水パイプ配設箇所を適宜選んで、或いは複数個所に潅水パイプPを配設することが可能となり、施工現場にあった施工が可能となる。
また、図8(c)に示すように、基盤材50のリブ81は必ずしも側面50bまで延びている必要がなく、折板屋根Rの山部1の一部まで延びていれば良い。また、必ずしもリブ81の頂面に穴を穿設する必要がなく、また、潅水パイプPも折板屋根Rの流れ方向に直交する方向に配設可能に基盤材50の凹部55を設けることも可能である。また、リブ81の形状により折板屋根Rと固定手段5による固定を強固に行うことが可能となり、また、潅水パイプPの配設も、水源の位置、施工現場に応じて選択的に行うことが可能となる。即ち、凹部55(説明の便宜上、「凹部55a」という)が折板屋根Rの山部1に並行する基盤材50の側面50bに形成され、凹部55aの近傍の底板50aに、山部1と直交方向に延びて上方に突出するリブ81が形成されている構成としてもよい。
【0050】
また、図8(d)に示すように、リブ91を基盤材50の側面50bの上端まで延びるように形成しても良く、より基盤材50自体の強度が増すこととなる。更に、上述した突出片13、14や基盤材の凹部15、55は必須条件ではなく、無くても良く、より安価に製造することが可能となる。更に図示しないが、上記実施例のように、リブは必ずしも傾斜面12bと頂部12aを有する必要は無く、底板10a(50a)から壁状に突出するリブであっても良く、壁状のリブの場合は樹脂の射出成形が好適である。また、リブの傾斜面が垂直面であっても良いことは言うまでもない。更に、リブは斜め方向、円形、曲線状に形成しても良いことも言うまでもない。更に、リブの高さも適宜であり、異なる高さのリブを設けても良い。また、リブは底板に対して成形する必要は無く、別体のリブを底板上に載置する構成であっても良い。
【0051】
また、固定部材64は、1つの基盤材50に対して、4つ設ける必要は無く、基盤材50が設置される対向する山部1に対して1つずつ以上設ければよく、2個以上であればいくつであっても良く、更には、固定部材64の数によって、耐風圧強度を設定するようにしても良い。また、結合手段100も好適には1つの固定部材64に対して2個であり、固定部材64の回転を未然に防止することが可能となる。
【0052】
また、上述した固定部材64には、図9に示すように様々な構成のものを用いることができる。例えば、図9(a−1)、(a−2)に示すように、固定部材65は、実施例2の固定部材64と同様に、上部65aと下部65bを有する筒状に形成され、ハゼ部3側にハゼ部3の首部3aに係止可能な係止部65dを有すると共に、下部65bの下面に溝65eを設ける構成としてもよい。これにより、山部1に対する固定部材65の接着面が増え、固定強度が増すという効果が得られる。尚、本例は、金属、樹脂等適宜であり、押し出し成形にて成形可能で、安価に製造することが可能である。
また、図9(b−1)、(b−2)に示すように、1つのリブ51に対して1つの固定部材66である必要は無い。固定部材66は、折板屋根Rの山部1上に載置される平板状の連結帯66aと、連結帯66a間に少なくとも上部66b1を有する固定部66bと、連結帯66aのハゼ部3側に設けられ、上方に屈曲延設してなる係止部66cを有する構成であってもよい。この構成により、接着面が確保される。尚、本例は固定部66bが下部を有さない構成としているが、固定部66bに下部があっても良い。また、本例は、鋼板の曲げによる成形、樹脂による射出成形など適宜である。更に、本例では、基盤材50の底板50a下面が連結帯66a上に載置されることになる。
また、図9(c−1)、(c−2)に示すように、固定部材67が、図9(a−1)、(a−2)で示した固定部材65を射出成形にし、下部67bの溝67eの方向を折板屋根Rの流れ方向に直交する方向にした構成であっても良い。この構成により、基盤材50の水平方向への力に対する強度を増すことが可能となる。特に固定部材67に接着剤或いは厚みのある両面テープ等を使用した場合に効果が顕著に現れる。
また、図9(d−1)、(d−2)に示すように、固定部材68は、ハゼ部3を跨いで係合する構成であってもよく、この構成により、垂直方向への力に対する強度が増す。尚、本例の固定部材68は、折板屋根Rの山部1上に貼着される下部68aと、下部68aの外端を上方に屈曲延設する側部68b(下部68に対して略垂直に屈曲立設する側部68b)と、側部68b上端を水平方向に屈曲延設した上部68cとを有している。また、本例の固定部材68は、下部68aの内端に、ハゼ部3を跨いで反対側のハゼ部3の首部3aに係止する係止部68dを有する構成となっている。この係止部68dは、下部68aの内端から斜め上方に延設される斜面部68d1と、斜面部68d1の端部から略円弧に湾曲した断面視略C字状の湾曲部68d2とを備えた弾性を有する板状に形成され、湾曲部68d2がハゼ部3の首部3aに係止するようになっている。そして、本例を使用する場合、隣り合う基盤材50において、ずれた位置のリブ51を使用することが可能となる。
【0053】
また、育成材20、60は、どのような材質、形状、構成であってもよく、側面を有する場合は粒状のものを採用しても良く、また、側面を有さない場合はマット状のもの或いはブロック状のものなどが採用可能であり、これらを組み合わせるなど適宜である。
【0054】
また、本発明の基盤材10、50は、ハゼタイプの折板屋根R上に必ずしも設置する必要はなく、ボルトタイプの折板屋根上や陸屋根上等に設置しても良い。
【0055】
また、基盤材10、50の折板屋根Rに対する固定において、接着は必須条件ではなく、固定部材64、65、66、67、68のみにて行っても良く、また、固定部材64、65、66、67、68を使用せずに、接着だけで行っても良く、更に、両面テープを使用する場合は、両面テープは折板屋根Rの山部1全長に設ける必要は無く、部分的に設ける構成、基盤材10、50の底板10a、50a側に設ける構成等適宜である。更に、接着、固定部材両方使用しない構成であってもよく、両方しない場合は公知のハゼ掴みなどを使用して基盤材を固定することが考えられる。尚、ハゼ掴みを使用する場合、ハゼ掴みの上面を平らにし、この平らのハゼ掴み上に隣り合う基盤材(基盤材10、基盤材50)の底面角部分(四隅)が載置され、当該基盤材の底面上からビス等でハゼ掴みの平ら面に固定する構成、或いはハゼ掴みのような、ハゼ部に対して固定が行われる部材を本願の固定部材として利用する構成等適宜である。
【0056】
また、側面10b、50bを有する基盤材10、50であっても、潅水パイプPを配設するための凹部15、55は必須条件ではなく、無くても良い。この場合は、育成材20、50上に潅水パイプPを配設し、その上に切り芝を載置する構成、或いは育成材20、50上に切り芝等の植栽マットを載置し、その上に潅水パイプPを配設する構成等適宜であり、これにより、基盤材10、50の成形コストを低減することが可能となる。
【0057】
また、上記実施例では基盤材10、50を平面視正方形に形成しているが、本発明は長方形であっても良く、幅のみあっていれば全て含まれる。
【0058】
また、基盤材(基盤材10、基盤材50)に穿設される穴19は無くても良く、また、穿設する場合であっても、必ずしもリブ(リブ12、第1リブ51)の頂部に穿設する必要はなく、前記リブの側面に設ける等適宜であり、また、穴19の形状も丸形以外に、スリット形、三角形、四角形等の多角形等適宜である。
【0059】
また、隣り合う基盤材10相互を側面相互を覆うように被せられる連結材や相互嵌合構造等により連結する構成を付加しても良く、より耐風圧強度が増すこととなる。更に、基盤材10は間隔をあけて設置しても良い。
【0060】
また、基盤材10内に育成材20を収納して、その上にデッキ材などを設ける構成であってもよく、より美観に優れた緑化エリアを形成することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、例えば折板屋根の緑化に利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
R…折板屋根
1…山部、2…谷部、3…ハゼ部、3a…首部
5…固定手段
W…折板屋根緑化設備
P…潅水パイプ
10…基盤材、10a…底板、10b…側面、12…リブ、12a…頂部、12b…斜面部、12b1…斜面部、12b2…斜面部、13…突出片(長突出片)、14…突出片(短突出片)、15…凹部、19…穴
G…植栽部
20…育成材、20a…上面、20b…下面、20c…側面、21…突出部、22…凹状部、23…育成材凹部
30…植物
50…基盤材、50a…底板、50b…側面、51…第1リブ、53…第2リブ、55…凹部、55a…凹部
71、81、91…リブ、72…凹溝部、
60…育成材、60a…上面、60b…下面、61…突出部、62…凹状部、63…育成材凹部
64…固定部材、64a…上部、64b…下部、64c…側面部、64d…係止部
65…固定部材、65a…上部、65b…下部、65d…係止部、65e…溝
66…固定部材、66a…連結帯、66b…固定部、66b1…上部(固定部)、66c…係止部
67…固定部材、67b…下部、67e…溝
68…固定部材、68a…下部、68b…側部、68c…上部、68d…係止部、68d1…斜面部(係止部)、68d2…湾曲部(係止部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも底板を有し、折板屋根の山部のピッチと略同一の幅を有する基盤材が、前記山部に架け渡すように配置され、
前記基盤材の前記底板上に植栽部が設けられる折板屋根緑化設備であって、
前記基盤材に、少なくとも前記折板屋根の山部に直交する方向にリブが形成され、
前記リブの両端部がそれぞれ前記山部の頂面まで延びるように設けられることを特徴とする折板屋根緑化設備。
【請求項2】
前記リブの頂部に穴が穿設され、
前記リブの頂部よりも低い部分が貯水可能になっていることを特徴とする請求項1記載の折板屋根緑化設備。
【請求項3】
前記リブは、前記基盤材の前記底板の底面よりも高く形成されていると共に、
上面が略平坦な頂部と、前記頂部の両端縁から下方に屈曲して延設されている傾斜面とから構成され、
上面側が凸状で、下面側が凹状になっていることを特徴とする請求項1又は2記載の折板屋根緑化設備。
【請求項4】
前記基盤材の底面の平面視面積が、前記頂部及び前記傾斜面の平面視面積よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項3記載の折板屋根緑化設備。
【請求項5】
前記基盤材が前記底板から立ち上がる側面を有し、
前記リブが前記底板から前記側面まで一連に延びて形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の折板屋根緑化設備。
【請求項6】
前記基盤材が前記底板から立ち上がる側面を有し、
前記側面の内の少なくとも平面視で対向する2辺に凹部が形成され、
前記凹部に潅水パイプが配設されることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の折板屋根緑化設備。
【請求項7】
前記凹部が前記折板屋根の前記山部に直交する前記側面に形成され、
前記凹部近傍の前記底板に、前記山部と平行方向に延びて上方に突出する平行リブが形成されていることを特徴とする請求項6記載の折板屋根緑化設備。
【請求項8】
前記凹部が前記折板屋根の前記山部に並行する前記側面に形成され、
前記凹部近傍の前記底板に、前記山部と直交方向に延びて上方に突出するリブが形成されていることを特徴とする請求項6記載の折板屋根緑化設備。
【請求項9】
前記基盤材が前記底板から立ち上がる側面を有し、
前記側面の上端に外方に屈曲して延設されている突出片が形成され、
平面視で隣り合う二辺の前記突出片が他の隣り合う二辺の前記突出片よりも長く形成され、
前記長い突出片が前記短い突出片よりも高い位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の折板屋根緑化設備。
【請求項10】
前記基盤材が鋼板の絞り加工により形成されていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の折板屋根緑化設備。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載の折板屋根緑化設備を折板屋根に固定する固定構造であって、
前記折板屋根上に接着剤又は両面テープからなる固定手段が設けられ、
前記固定手段上に前記基盤材を配設して前記基盤材の前記底板と前記折板屋根とが固定されることを特徴とする折板屋根緑化設備の固定構造。
【請求項12】
請求項1〜10の何れかに記載の折板屋根緑化設備を折板屋根に固定する固定構造、又は請求項11記載の折板屋根緑化設備の固定構造であって、
前記折板屋根と前記リブとの間に空間が形成され、
前記空間に前記折板屋根と固定状態となる固定部材が配設され、
前記固定部材と前記基盤材とが結合手段により結合されることを特徴とする折板屋根緑化設備の固定構造。
【請求項13】
前記固定部材が前記結合手段で結合されることにより、少なくとも前記基盤材の垂直方向に対して固定されることを特徴とする請求項12記載の折板屋根緑化設備の固定構造。
【請求項14】
前記折板屋根の前記山部の頂面に形成されているハゼ部に前記固定部材が係合されることを特徴とする請求項12又は13記載の折板屋根緑化設備の固定構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate