折版屋根材の固定金具
【課題】スパッタや切粉を生じることなく屋根下地材に固定でき、したがって屋内に設置された機械設備や製品になんら影響を与えることもなく、スレート屋根の改修作業や折版屋根の構築作業等を行うことができる折版屋根材用の固定金具を提供する。
【解決手段】屋根下地材1の装着壁4に掛止装着される第1金具6と、屋根下地材1の支持壁3に接合される第2金具7とからなる。係止部11を装着壁4に掛止した状態の第1金具6と、座壁21を支持壁3に接合した状態の第2金具7とを締結体8・9で締結固定する。締結状態における両金具6・7は、屋根下地材を上下に挟持している。この状態の固定金具に折版屋根材2を組み付ける。
【解決手段】屋根下地材1の装着壁4に掛止装着される第1金具6と、屋根下地材1の支持壁3に接合される第2金具7とからなる。係止部11を装着壁4に掛止した状態の第1金具6と、座壁21を支持壁3に接合した状態の第2金具7とを締結体8・9で締結固定する。締結状態における両金具6・7は、屋根下地材を上下に挟持している。この状態の固定金具に折版屋根材2を組み付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折版屋根材を屋根下地材に固定するための固定金具、なかでも屋根下地材に対して締結固定される固定金具に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のスレート屋根の改修に際しては、スレート屋根の外面に折版屋根材を葺く工法(特許文献1参照)と、スレート屋根材を全て撤去して、新たに折版屋根材を葺く工法とがある。前者では、既存のフックボルトを利用して、スレート屋根の外面に折版屋根材用の屋根下地を構築するので屋根構造が複雑になる。多くの場合、スレート屋根材は屋根下地に掛止されるフックボルトで締結固定してある。そのため、後者工法においては、スレート屋根材やフックボルトを撤去した後、屋根下地に対して新たにタイトフレームを固定する必要がある。タイトフレームは屋根下地に溶接して固定するか、ボルト締結によって屋根下地に固定することになる。
【0003】
本発明の固定金具は、屋根下地材に対してボルトで締結固定されるが、折版屋根材を組み付けるための金具を屋根下地材に対してボルトで締結固定することは例えば特許文献2に公知である。
【0004】
【特許文献1】特開2004−100239号公報(段落番号0017、図2)
【特許文献2】特開平08−120840号公報(段落番号0020、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タイトフレームを屋根下地に溶接する場合には、スパッタが飛散し落下するのを避けられない。また、タイトフレームをボルト締結で屋根下地に固定する場合には、屋根下地にボルト挿通穴をドリルで形成する際に、切粉が飛散し落下するのを避けられない。いずれの場合にも、飛散するスパッタや切粉によって、屋内に設置された機械設備や製品などが傷付くおそれがある。このようなスパッタ等による傷付きを防ぐには、屋内の機械設備や製品などを保護すればよいが、その分だけ屋根改修に余分な手間とコストが掛かる。タイトフレームの溶接作業は人手で行うしかないため、作業結果がばらつきやすく、安定した屋根強度が得られにくい不利もある。また、屋内温水プールの屋根に代表されるように、高温多湿の環境下では、タイトフレームを溶接する際に、屋根下地材に塗布された塗料が焼失するため溶接箇所が錆びやすく、防錆のためのコストが余分に必要となる。
【0006】
本発明の目的は、折版屋根材を葺くための固定金具を、スパッタや切粉を生じることなく屋根下地材に固定でき、したがって屋内に設置された機械設備や製品になんら影響を与えることもなく、スレート屋根の改修作業や折版屋根の構築作業等を行うことができる折版屋根材の固定金具を提供することにある。本発明の目的は、既存の屋根下地材をそのまま利用して屋根を葺き替えることができる折版屋根材の固定金具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の折版屋根材の固定金具は、上面の支持壁3と、支持壁3に連続して下向きに折れ曲がる装着壁4とを備えた屋根下地材1に締結固定される第1金具6、および第2金具7とからなる。第1金具6は、前記装着壁4に下方から掛止装着される係止部11と、折版屋根材2を固定する取付体15が設けられる屋根受部12と、これら両者11・12を接続する縦壁13の中途部に設けられる段部14とを含む。第2金具7は、前記支持壁3に接合される座壁21と、座壁21に連続して上向きに延びる縦壁22の上部に設けられる接当部23とを備えている。以て、係止部11が前記装着壁4に掛止された第1金具6の縦壁13と、座壁21が前記支持壁3に接合された第2金具7の縦壁22とを締結体8・9で締結することにより、第2金具7の座壁21と接当部23とが、支持壁3と第1金具6の段部14とに接当して、両金具6・7を屋根下地材1を上下に挟持する状態で締結固定する。
【0008】
断面U字状の係止部11から上方に延びる縦壁13の中途部を段違い状に折り曲げて段部14を形成する。さらに、段部14に連続する縦壁13の上端を段部14と同じ向きに折り曲げて、屋根受部12を支持壁3と上下に対向させる。
【0009】
第1金具6の段部14より下側の縦壁13と、第2金具6の縦壁22のそれぞれに締結体8用の挿通穴16・24を形成し、これら挿通穴16・24のいずれか一方を、上下方向に長い長穴で形成する。
【0010】
屋根受部12の上面に設けられる取付体15を、剣先ボルト15と、吊子のいずれかで構成する。
【0011】
第1金具6と第2金具7とのいずれかに、桁方向に隣接する両金具6・7の設置間隔を規定する位置決め壁31を張り出し形成する。
【発明の効果】
【0012】
屋根下地材1の装着壁4に下方から掛止される第1金具6と、屋根下地材1の上面の支持壁3に接合される第2金具7とで固定金具を構成し、両金具6・7を締結体8・9で締結して、両金具6・7が屋根下地材1を上下に挟持するように固定すると、第1金具6と第2金具7とが互いに締結相手を拘束する状態で強固に固定される。これにより、従来避けられなかったスパッタや切粉の発生を伴うこともなく、固定金具を屋根下地材1に固定して折版屋根材2を葺きあげることができ、したがって屋内に設置された機械設備や製品になんら影響を与えることもなく、スレート屋根の改修作業や折版屋根の構築作業等を行える。また、屋根下地材1の支持壁3と装着壁4とを利用して両金具6・7を締結するので、屋根下地材1に何ら加工を施す必要なくそのまま利用してスレート屋根の改修作業や折版屋根の構築作業等を行える。
【0013】
縦壁13の中途部を段違い状に折り曲げて段部14を形成し、縦壁13の上端を段部14と同じ向きに折り曲げて屋根受部12を支持壁3と上下に対向させるようにした固定金具によれば、折版屋根材2に風圧や雪圧などの外力が作用するとき、第1金具6と第2金具7とが協働して外力に対向できるので、その分だけ折版屋根の耐圧強度を向上できる。
【0014】
第1金具6と第2金具7の縦壁13・22に設けられる締結体8用の挿通穴16・24の一方を、上下方向に長い長穴で形成すると、装着壁4の上下長さのばらつきを吸収して固定金具を確実に締結できるうえ、予め、両金具6・7を締結体8・9で緩やかに一体化しておくことにより、施工現場における両金具6・7の屋根下地材1に対する組み付けを簡易にしかも迅速に行って、その分だけ作業能率を向上できる。
【0015】
屋根受部12の上面に設けられる取付体15をボルトと吊子のいずれかで構成すると、折版屋根材2の接合構造に応じて、第1金具6の屋根受部12に設けられる取付体15を変更するだけで、固定金具を各種の折版屋根材2に共通して適用できるので、共通使用できる分だけ固定金具のコストを削減できる。さらに、スレート屋根の改修などを行う場合には、多様な折版屋根材2から好みの折版屋根材2を選定できる。
【0016】
第1金具6の縦壁13と、第2金具7の座壁21とのいずれかに、桁方向に隣接する両金具6・7の設置間隔を規定する位置決め壁31を張り出し形成すると、桁方向に隣接する位置決め壁31の端部どうしが接当するように第1金具6や第2金具7を屋根下地材1に組むことで、固定金具の桁方向の締結位置を的確に確定でき、両金具6・7の屋根下地材1に対する締結作業を更に簡便に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施例1) 図1ないし図5は、本発明に係る折版屋根材の固定金具の実施例を示す。この実施例では、既存のスレート屋根材やフックボルトを撤去した後の屋根下地材1に固定金具を締結固定したうえで、固定金具に折版屋根材2を固定する場合について説明する。屋根下地材1は断面がC字状の形鋼(チャンネル材)からなり、上面の支持壁3と、支持壁3に連続して下向きに折れ曲がる装着壁(リップ壁)4とを備えている。折版屋根材2は山部と谷部とを交互に折り曲げ形成した、軒棟方向に長い折版材からなる。
【0018】
図2および図3において、固定金具は屋根下地材1に締結固定される第1金具6と第2金具7と、両者6・7を締結するボルト(締結体)8、およびナット9(締結体)などで構成する。第1金具6は、屋根下地材1の装着壁4に下方から掛止装着される断面U字状の係止部11と、折版屋根材2を受け止める上端の屋根受部12と、これら両者11・12を上下に接続する縦壁13と、縦壁13の中途部を段違い状に折り曲げて形成される段部14とを一体に備えたプレス金具からなる。屋根受部12と段部14とは、いずれも支持壁3と上下に対向する向きに折り曲げられる。屋根受部12の上面には剣先ボルト(取付体)15がかしめ固定してある。
【0019】
段部14より下側の縦壁13には、先のボルト8を挿通するための挿通穴16が上下方向に長い長穴として形成してある。縦壁13の両側縁の過半上部には、補強リブ17が一体に折り曲げ形成してあり、縦壁13の下端を反転状に折り曲げて形成した係止部11の板面には、2個の補強リブ18が外向きに膨出する状態で形成してある。これらの補強リブ17・18を設けることにより、第1金具6の構造強度を格段に高めることができる。
【0020】
第2金具7は、屋根下地材1の支持壁3に接合される座壁21と、座壁21に連続して上向きに延びる縦壁22と、縦壁22の上部を座壁21と平行に折り曲げて形成される接当部23とを一体に備えたプレス金具からなる。縦壁22には先のボルト8を挿通するための挿通穴24が通設してある。座壁21および接当部23と縦壁22の隅部分には、内隅側へ膨出する補強リブが形成してある。第2金具7の幅寸法B(図4参照)は、第1金具6の補強リブ17の対向寸法より僅かに小さく設定してあり、第2金具の高さ寸法H(図1参照)は、係止部11を装着壁4に下方から掛止した状態における第1金具6の段部14と支持壁3との対向寸法より僅かに小さく設定してある。
【0021】
作業現場での施工の手間を省くために、第1金具6と第2金具7は、それぞれの縦壁13・22が向き合う状態で、各挿通穴16・24にボルト8を挿通し、ばね座金を介してナット9をボルト8にねじ込んだ状態で供給される。この状態の第1金具6の係止部11を、図5に示すように屋根下地材1の装着壁4に下方から掛止し、第2金具7の座壁21を支持壁3に接合し、さらに第2金具7を第1金具6側へ引き寄せることにより、両金具6・7の縦壁13・22どうしが接合し、段部14の基部に接当部23が嵌まり込む。最後にナット9を締め込むことにより、両金具6・7が屋根下地材1を上下に挟持する状態で締結固定される。
【0022】
上記の締結状態においては、係止部11が装着壁4と係合しているので、第1金具6は上方移動できない。さらに、接当部23が段部14と接当して、第1金具6の下方移動を規制する。つまり、第2金具は、支持壁3と接当部23との間に嵌まり込んで突っ支い棒状に機能して第1金具6の動きを拘束する。同時に、第1金具6は第2金具の動きを拘束する。このように、互いに締結相手を拘束しあう状態で両金具6・7を締結すると、両金具6・7を屋根下地材1に対して安定した状態で強固に固定できる。もちろん、両金具6・7が装着壁4に沿って桁方向へ移動することもない。
【0023】
図2に示すように、一群の固定金具を屋根下地材1に締結固定したのち、折版屋根材2の山部分に剣先ボルト(ボルト)15を挿入し、剣先ボルト15にウールパッキン26および座金27を介してナット28をねじ込み固定することにより、折版屋根材2が屋根下地材1に取り付けられる。以上のように構成した折版屋根によれば、第1・第2の両金具6・7を単に締結することで屋根下地材1に強固に固定できるので、従来の屋根改修において避けられなかった、溶接に伴うスパッタの発生や、穴あけ加工に伴う切粉の発生を一掃できる。
【0024】
(実施例2) 上記の固定金具は、図6に示すように屋根下地材1がアングル材で形成してある場合にも適用できる。その場合には、アングル材の横向きの辺部が支持壁3として機能し、下向きの辺部が装着壁4として機能する。この場合の固定金具は、基本的に実施例1で説明した第1金具6および第2金具7とで構成するが、第1金具6の段部14から係止部11までの上下長さを装着壁4の上下寸法に対応して大きく設定し、さらに係止部11の溝幅を、装着壁4の厚み寸法より僅かに大きく設定する必要がある。他の構成は先の実施例1と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同様に扱う。
【0025】
(実施例3) 図7は第1金具6の一部を変更した別の実施例を示す。そこでは、縦壁13の中途部を壁面どうしが密着する状態で折り曲げて段部14を形成するようにした。この場合にも、段部14は支持壁3と上下に対向する向きに張り出し形成する。
【0026】
(実施例4) 図8は第1金具6の一部を変更したさらに別の実施例を示す。そこでは、第1金具6の縦壁13の下端両側から位置決め壁31を張り出し形成した。位置決め壁31の張り出し寸法は、桁方向に隣接する第1・第2の両金具6・7の設置間隔を基準にして設定してあり、この実施例では、隣接する第1金具6どうしを先の設置間隔に等しい長さの位置決め壁31で連続させ、さらに、各第1金具6の両側から先の設置間隔の半分の長さの位置決め壁31を張り出すようにした。個々の第1金具6の両側から、先の設置間隔の半分の長さの位置決め壁31をそれぞれ張り出してもよい。このように、位置決め壁31を設けた第1金具6によれば、桁方向に隣接する位置決め壁31の端部どうしが接当するように第1金具6を屋根下地材1に組むことで、固定金具の桁方向の締結位置を的確に確定できるので、個々に独立した複数の固定金具を個々に所定の取り付けピッチごとに取り付ける場合に比べて、施工の手間を省くことができる。
【0027】
(実施例5) 図9は第2金具7の一部を変更したさらに別の実施例を示す。そこでは、第2金具7の座壁21に連続して位置決め壁31を張り出し形成した。位置決め壁31の張り出し寸法は、実施例4の位置決め壁31と同様に設定する。この実施例における固定金具も、実施例4の固定金具と同様に、桁方向に隣接する位置決め壁31の端部どうしが接当するように第2金具7を屋根下地材1に組むことで、固定金具の桁方向の締結位置を的確に確定できる。
【0028】
図10は、固定金具のさらに別の実施例を示す。そこでは、断面U字状の係止壁33と、係止壁33に連続して支持壁3の下面に接当する挟持壁34とで係止部11を構成した。また、縦壁13の中途部に係合穴35を設けて、係合穴35の上内縁を段部14とした。さらに、第2金具7の縦壁22の上部に、前記係合穴35と斜めに係合する接当壁(接当部)23を折り曲げ形成し、接当壁23を段部14で受け止めるようにした。接当壁23は、屈曲端から遊端へ向かって上り傾斜させてある。そのため、ナット9を締め込むことで第2金具7が第1金具6に引き寄せられるのに伴い、第2金具7は支持壁3に強く押し付けられ、その反力で第1金具6の挟持壁34が支持壁3の下面に強く押し付けられるので、両金具6・7を屋根下地材1に対してさらに強固に固定できる。
【0029】
図11は、第2金具7のさらに別の実施例を示す。そこでは、座壁21を縦壁22に対して僅かな角度θだけ下り傾斜させた。この第2金具7によれば、上記の第2金具7と同様に、第2金具7が第1金具6に引き寄せられるとき支持壁3に強く押し付けられるので、その反力で第1金具6を押し上げて、両金具6・7を屋根下地材1に対してさらに強固に固定できる。
【0030】
上記の実施例では、第1金具6側の挿通穴16を長穴で形成したが、第2金具7側の挿通穴24を長穴で形成してもよい。屋根受部12に設ける取付体15としては、剣先ボルトに換えて吊子を設けて、はぜ折接合される折版屋根材2を吊子に巻き締めて連結することができる。締結体としては、ボルト8、ナット9を適用する以外に、リベットやブラインドリベットなどを適用することができる。
【0031】
上記の実施例では、接当部23を横向きの折り曲げ壁で構成したが、その必要はなく、例えば縦壁22の上部を下向きに反転するように折り曲げて、その屈曲部分を接当部23とすることができる。図1に示すように、屋根受部12は支持壁3と上下に対向する向きに折り曲げるのが好ましいが、必要があれば逆向きに折り曲げることができる。なお、本発明の固定金具は折版屋根を新設するときにも同様に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例1に係る固定金具の使用状態を示す縦断側面図である。
【図2】屋根下地材と固定金具と折版屋根材の三者の関係を示す分解斜視図である。
【図3】固定金具の分解斜視図である。
【図4】固定金具の使用状態を示す縦断正面図である。
【図5】固定金具の装着手順を示す縦断側面図である。
【図6】実施例2に係る固定金具の使用状態を示す縦断側面図である。
【図7】実施例3に係る固定金具の使用状態を示す縦断側面図である。
【図8】実施例4に係る固定金具を示す分解斜視図である。
【図9】実施例5に係る固定金具を示す分解斜視図である。
【図10】固定金具のさらに別の実施例を示す縦断側面図である。
【図11】第2金具の別の実施例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 屋根下地材
2 折版屋根材
3 支持壁
4 装置壁
6 第1金具
7 第2金具
8 ボルト(締結体)
9 ナット(締結体)
11 係止部
12 屋根受部
13 縦壁
14 段部
15 剣先ボルト(取付体)
21 座壁
22 縦壁
23 接当部
【技術分野】
【0001】
本発明は、折版屋根材を屋根下地材に固定するための固定金具、なかでも屋根下地材に対して締結固定される固定金具に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のスレート屋根の改修に際しては、スレート屋根の外面に折版屋根材を葺く工法(特許文献1参照)と、スレート屋根材を全て撤去して、新たに折版屋根材を葺く工法とがある。前者では、既存のフックボルトを利用して、スレート屋根の外面に折版屋根材用の屋根下地を構築するので屋根構造が複雑になる。多くの場合、スレート屋根材は屋根下地に掛止されるフックボルトで締結固定してある。そのため、後者工法においては、スレート屋根材やフックボルトを撤去した後、屋根下地に対して新たにタイトフレームを固定する必要がある。タイトフレームは屋根下地に溶接して固定するか、ボルト締結によって屋根下地に固定することになる。
【0003】
本発明の固定金具は、屋根下地材に対してボルトで締結固定されるが、折版屋根材を組み付けるための金具を屋根下地材に対してボルトで締結固定することは例えば特許文献2に公知である。
【0004】
【特許文献1】特開2004−100239号公報(段落番号0017、図2)
【特許文献2】特開平08−120840号公報(段落番号0020、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タイトフレームを屋根下地に溶接する場合には、スパッタが飛散し落下するのを避けられない。また、タイトフレームをボルト締結で屋根下地に固定する場合には、屋根下地にボルト挿通穴をドリルで形成する際に、切粉が飛散し落下するのを避けられない。いずれの場合にも、飛散するスパッタや切粉によって、屋内に設置された機械設備や製品などが傷付くおそれがある。このようなスパッタ等による傷付きを防ぐには、屋内の機械設備や製品などを保護すればよいが、その分だけ屋根改修に余分な手間とコストが掛かる。タイトフレームの溶接作業は人手で行うしかないため、作業結果がばらつきやすく、安定した屋根強度が得られにくい不利もある。また、屋内温水プールの屋根に代表されるように、高温多湿の環境下では、タイトフレームを溶接する際に、屋根下地材に塗布された塗料が焼失するため溶接箇所が錆びやすく、防錆のためのコストが余分に必要となる。
【0006】
本発明の目的は、折版屋根材を葺くための固定金具を、スパッタや切粉を生じることなく屋根下地材に固定でき、したがって屋内に設置された機械設備や製品になんら影響を与えることもなく、スレート屋根の改修作業や折版屋根の構築作業等を行うことができる折版屋根材の固定金具を提供することにある。本発明の目的は、既存の屋根下地材をそのまま利用して屋根を葺き替えることができる折版屋根材の固定金具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の折版屋根材の固定金具は、上面の支持壁3と、支持壁3に連続して下向きに折れ曲がる装着壁4とを備えた屋根下地材1に締結固定される第1金具6、および第2金具7とからなる。第1金具6は、前記装着壁4に下方から掛止装着される係止部11と、折版屋根材2を固定する取付体15が設けられる屋根受部12と、これら両者11・12を接続する縦壁13の中途部に設けられる段部14とを含む。第2金具7は、前記支持壁3に接合される座壁21と、座壁21に連続して上向きに延びる縦壁22の上部に設けられる接当部23とを備えている。以て、係止部11が前記装着壁4に掛止された第1金具6の縦壁13と、座壁21が前記支持壁3に接合された第2金具7の縦壁22とを締結体8・9で締結することにより、第2金具7の座壁21と接当部23とが、支持壁3と第1金具6の段部14とに接当して、両金具6・7を屋根下地材1を上下に挟持する状態で締結固定する。
【0008】
断面U字状の係止部11から上方に延びる縦壁13の中途部を段違い状に折り曲げて段部14を形成する。さらに、段部14に連続する縦壁13の上端を段部14と同じ向きに折り曲げて、屋根受部12を支持壁3と上下に対向させる。
【0009】
第1金具6の段部14より下側の縦壁13と、第2金具6の縦壁22のそれぞれに締結体8用の挿通穴16・24を形成し、これら挿通穴16・24のいずれか一方を、上下方向に長い長穴で形成する。
【0010】
屋根受部12の上面に設けられる取付体15を、剣先ボルト15と、吊子のいずれかで構成する。
【0011】
第1金具6と第2金具7とのいずれかに、桁方向に隣接する両金具6・7の設置間隔を規定する位置決め壁31を張り出し形成する。
【発明の効果】
【0012】
屋根下地材1の装着壁4に下方から掛止される第1金具6と、屋根下地材1の上面の支持壁3に接合される第2金具7とで固定金具を構成し、両金具6・7を締結体8・9で締結して、両金具6・7が屋根下地材1を上下に挟持するように固定すると、第1金具6と第2金具7とが互いに締結相手を拘束する状態で強固に固定される。これにより、従来避けられなかったスパッタや切粉の発生を伴うこともなく、固定金具を屋根下地材1に固定して折版屋根材2を葺きあげることができ、したがって屋内に設置された機械設備や製品になんら影響を与えることもなく、スレート屋根の改修作業や折版屋根の構築作業等を行える。また、屋根下地材1の支持壁3と装着壁4とを利用して両金具6・7を締結するので、屋根下地材1に何ら加工を施す必要なくそのまま利用してスレート屋根の改修作業や折版屋根の構築作業等を行える。
【0013】
縦壁13の中途部を段違い状に折り曲げて段部14を形成し、縦壁13の上端を段部14と同じ向きに折り曲げて屋根受部12を支持壁3と上下に対向させるようにした固定金具によれば、折版屋根材2に風圧や雪圧などの外力が作用するとき、第1金具6と第2金具7とが協働して外力に対向できるので、その分だけ折版屋根の耐圧強度を向上できる。
【0014】
第1金具6と第2金具7の縦壁13・22に設けられる締結体8用の挿通穴16・24の一方を、上下方向に長い長穴で形成すると、装着壁4の上下長さのばらつきを吸収して固定金具を確実に締結できるうえ、予め、両金具6・7を締結体8・9で緩やかに一体化しておくことにより、施工現場における両金具6・7の屋根下地材1に対する組み付けを簡易にしかも迅速に行って、その分だけ作業能率を向上できる。
【0015】
屋根受部12の上面に設けられる取付体15をボルトと吊子のいずれかで構成すると、折版屋根材2の接合構造に応じて、第1金具6の屋根受部12に設けられる取付体15を変更するだけで、固定金具を各種の折版屋根材2に共通して適用できるので、共通使用できる分だけ固定金具のコストを削減できる。さらに、スレート屋根の改修などを行う場合には、多様な折版屋根材2から好みの折版屋根材2を選定できる。
【0016】
第1金具6の縦壁13と、第2金具7の座壁21とのいずれかに、桁方向に隣接する両金具6・7の設置間隔を規定する位置決め壁31を張り出し形成すると、桁方向に隣接する位置決め壁31の端部どうしが接当するように第1金具6や第2金具7を屋根下地材1に組むことで、固定金具の桁方向の締結位置を的確に確定でき、両金具6・7の屋根下地材1に対する締結作業を更に簡便に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施例1) 図1ないし図5は、本発明に係る折版屋根材の固定金具の実施例を示す。この実施例では、既存のスレート屋根材やフックボルトを撤去した後の屋根下地材1に固定金具を締結固定したうえで、固定金具に折版屋根材2を固定する場合について説明する。屋根下地材1は断面がC字状の形鋼(チャンネル材)からなり、上面の支持壁3と、支持壁3に連続して下向きに折れ曲がる装着壁(リップ壁)4とを備えている。折版屋根材2は山部と谷部とを交互に折り曲げ形成した、軒棟方向に長い折版材からなる。
【0018】
図2および図3において、固定金具は屋根下地材1に締結固定される第1金具6と第2金具7と、両者6・7を締結するボルト(締結体)8、およびナット9(締結体)などで構成する。第1金具6は、屋根下地材1の装着壁4に下方から掛止装着される断面U字状の係止部11と、折版屋根材2を受け止める上端の屋根受部12と、これら両者11・12を上下に接続する縦壁13と、縦壁13の中途部を段違い状に折り曲げて形成される段部14とを一体に備えたプレス金具からなる。屋根受部12と段部14とは、いずれも支持壁3と上下に対向する向きに折り曲げられる。屋根受部12の上面には剣先ボルト(取付体)15がかしめ固定してある。
【0019】
段部14より下側の縦壁13には、先のボルト8を挿通するための挿通穴16が上下方向に長い長穴として形成してある。縦壁13の両側縁の過半上部には、補強リブ17が一体に折り曲げ形成してあり、縦壁13の下端を反転状に折り曲げて形成した係止部11の板面には、2個の補強リブ18が外向きに膨出する状態で形成してある。これらの補強リブ17・18を設けることにより、第1金具6の構造強度を格段に高めることができる。
【0020】
第2金具7は、屋根下地材1の支持壁3に接合される座壁21と、座壁21に連続して上向きに延びる縦壁22と、縦壁22の上部を座壁21と平行に折り曲げて形成される接当部23とを一体に備えたプレス金具からなる。縦壁22には先のボルト8を挿通するための挿通穴24が通設してある。座壁21および接当部23と縦壁22の隅部分には、内隅側へ膨出する補強リブが形成してある。第2金具7の幅寸法B(図4参照)は、第1金具6の補強リブ17の対向寸法より僅かに小さく設定してあり、第2金具の高さ寸法H(図1参照)は、係止部11を装着壁4に下方から掛止した状態における第1金具6の段部14と支持壁3との対向寸法より僅かに小さく設定してある。
【0021】
作業現場での施工の手間を省くために、第1金具6と第2金具7は、それぞれの縦壁13・22が向き合う状態で、各挿通穴16・24にボルト8を挿通し、ばね座金を介してナット9をボルト8にねじ込んだ状態で供給される。この状態の第1金具6の係止部11を、図5に示すように屋根下地材1の装着壁4に下方から掛止し、第2金具7の座壁21を支持壁3に接合し、さらに第2金具7を第1金具6側へ引き寄せることにより、両金具6・7の縦壁13・22どうしが接合し、段部14の基部に接当部23が嵌まり込む。最後にナット9を締め込むことにより、両金具6・7が屋根下地材1を上下に挟持する状態で締結固定される。
【0022】
上記の締結状態においては、係止部11が装着壁4と係合しているので、第1金具6は上方移動できない。さらに、接当部23が段部14と接当して、第1金具6の下方移動を規制する。つまり、第2金具は、支持壁3と接当部23との間に嵌まり込んで突っ支い棒状に機能して第1金具6の動きを拘束する。同時に、第1金具6は第2金具の動きを拘束する。このように、互いに締結相手を拘束しあう状態で両金具6・7を締結すると、両金具6・7を屋根下地材1に対して安定した状態で強固に固定できる。もちろん、両金具6・7が装着壁4に沿って桁方向へ移動することもない。
【0023】
図2に示すように、一群の固定金具を屋根下地材1に締結固定したのち、折版屋根材2の山部分に剣先ボルト(ボルト)15を挿入し、剣先ボルト15にウールパッキン26および座金27を介してナット28をねじ込み固定することにより、折版屋根材2が屋根下地材1に取り付けられる。以上のように構成した折版屋根によれば、第1・第2の両金具6・7を単に締結することで屋根下地材1に強固に固定できるので、従来の屋根改修において避けられなかった、溶接に伴うスパッタの発生や、穴あけ加工に伴う切粉の発生を一掃できる。
【0024】
(実施例2) 上記の固定金具は、図6に示すように屋根下地材1がアングル材で形成してある場合にも適用できる。その場合には、アングル材の横向きの辺部が支持壁3として機能し、下向きの辺部が装着壁4として機能する。この場合の固定金具は、基本的に実施例1で説明した第1金具6および第2金具7とで構成するが、第1金具6の段部14から係止部11までの上下長さを装着壁4の上下寸法に対応して大きく設定し、さらに係止部11の溝幅を、装着壁4の厚み寸法より僅かに大きく設定する必要がある。他の構成は先の実施例1と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同様に扱う。
【0025】
(実施例3) 図7は第1金具6の一部を変更した別の実施例を示す。そこでは、縦壁13の中途部を壁面どうしが密着する状態で折り曲げて段部14を形成するようにした。この場合にも、段部14は支持壁3と上下に対向する向きに張り出し形成する。
【0026】
(実施例4) 図8は第1金具6の一部を変更したさらに別の実施例を示す。そこでは、第1金具6の縦壁13の下端両側から位置決め壁31を張り出し形成した。位置決め壁31の張り出し寸法は、桁方向に隣接する第1・第2の両金具6・7の設置間隔を基準にして設定してあり、この実施例では、隣接する第1金具6どうしを先の設置間隔に等しい長さの位置決め壁31で連続させ、さらに、各第1金具6の両側から先の設置間隔の半分の長さの位置決め壁31を張り出すようにした。個々の第1金具6の両側から、先の設置間隔の半分の長さの位置決め壁31をそれぞれ張り出してもよい。このように、位置決め壁31を設けた第1金具6によれば、桁方向に隣接する位置決め壁31の端部どうしが接当するように第1金具6を屋根下地材1に組むことで、固定金具の桁方向の締結位置を的確に確定できるので、個々に独立した複数の固定金具を個々に所定の取り付けピッチごとに取り付ける場合に比べて、施工の手間を省くことができる。
【0027】
(実施例5) 図9は第2金具7の一部を変更したさらに別の実施例を示す。そこでは、第2金具7の座壁21に連続して位置決め壁31を張り出し形成した。位置決め壁31の張り出し寸法は、実施例4の位置決め壁31と同様に設定する。この実施例における固定金具も、実施例4の固定金具と同様に、桁方向に隣接する位置決め壁31の端部どうしが接当するように第2金具7を屋根下地材1に組むことで、固定金具の桁方向の締結位置を的確に確定できる。
【0028】
図10は、固定金具のさらに別の実施例を示す。そこでは、断面U字状の係止壁33と、係止壁33に連続して支持壁3の下面に接当する挟持壁34とで係止部11を構成した。また、縦壁13の中途部に係合穴35を設けて、係合穴35の上内縁を段部14とした。さらに、第2金具7の縦壁22の上部に、前記係合穴35と斜めに係合する接当壁(接当部)23を折り曲げ形成し、接当壁23を段部14で受け止めるようにした。接当壁23は、屈曲端から遊端へ向かって上り傾斜させてある。そのため、ナット9を締め込むことで第2金具7が第1金具6に引き寄せられるのに伴い、第2金具7は支持壁3に強く押し付けられ、その反力で第1金具6の挟持壁34が支持壁3の下面に強く押し付けられるので、両金具6・7を屋根下地材1に対してさらに強固に固定できる。
【0029】
図11は、第2金具7のさらに別の実施例を示す。そこでは、座壁21を縦壁22に対して僅かな角度θだけ下り傾斜させた。この第2金具7によれば、上記の第2金具7と同様に、第2金具7が第1金具6に引き寄せられるとき支持壁3に強く押し付けられるので、その反力で第1金具6を押し上げて、両金具6・7を屋根下地材1に対してさらに強固に固定できる。
【0030】
上記の実施例では、第1金具6側の挿通穴16を長穴で形成したが、第2金具7側の挿通穴24を長穴で形成してもよい。屋根受部12に設ける取付体15としては、剣先ボルトに換えて吊子を設けて、はぜ折接合される折版屋根材2を吊子に巻き締めて連結することができる。締結体としては、ボルト8、ナット9を適用する以外に、リベットやブラインドリベットなどを適用することができる。
【0031】
上記の実施例では、接当部23を横向きの折り曲げ壁で構成したが、その必要はなく、例えば縦壁22の上部を下向きに反転するように折り曲げて、その屈曲部分を接当部23とすることができる。図1に示すように、屋根受部12は支持壁3と上下に対向する向きに折り曲げるのが好ましいが、必要があれば逆向きに折り曲げることができる。なお、本発明の固定金具は折版屋根を新設するときにも同様に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例1に係る固定金具の使用状態を示す縦断側面図である。
【図2】屋根下地材と固定金具と折版屋根材の三者の関係を示す分解斜視図である。
【図3】固定金具の分解斜視図である。
【図4】固定金具の使用状態を示す縦断正面図である。
【図5】固定金具の装着手順を示す縦断側面図である。
【図6】実施例2に係る固定金具の使用状態を示す縦断側面図である。
【図7】実施例3に係る固定金具の使用状態を示す縦断側面図である。
【図8】実施例4に係る固定金具を示す分解斜視図である。
【図9】実施例5に係る固定金具を示す分解斜視図である。
【図10】固定金具のさらに別の実施例を示す縦断側面図である。
【図11】第2金具の別の実施例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 屋根下地材
2 折版屋根材
3 支持壁
4 装置壁
6 第1金具
7 第2金具
8 ボルト(締結体)
9 ナット(締結体)
11 係止部
12 屋根受部
13 縦壁
14 段部
15 剣先ボルト(取付体)
21 座壁
22 縦壁
23 接当部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面の支持壁(3)と、支持壁(3)に連続して下向きに折れ曲がる装着壁(4)とを備えた屋根下地材(1)に締結固定される第1金具(6)、および第2金具(7)とからなり、
第1金具(6)は、前記装着壁(4)に下方から掛止装着される係止部(11)と、折版屋根材(2)を固定する取付体(15)が設けられる屋根受部(12)と、これら両者(11・12)を接続する縦壁(13)の中途部に設けられる段部(14)とを含み、
第2金具(7)は、前記支持壁(3)に接合される座壁(21)と、座壁(21)に連続して上向きに延びる縦壁(22)の上部に設けられる接当部(23)とを備えており、
係止部(11)が前記装着壁(4)に掛止された第1金具(6)の縦壁(13)と、座壁(21)が前記支持壁(3)に接合された第2金具(7)の縦壁(22)とを締結体(8・9)で締結することにより、第2金具(7)の座壁(21)と接当部(23)とが、支持壁(3)と第1金具(6)の段部(14)とに接当して、両金具(6・7)が屋根下地材(1)を上下に挟持する状態で締結固定してある折版屋根材の固定金具。
【請求項2】
断面U字状の係止部(11)から上方に延びる縦壁(13)の中途部を段違い状に折り曲げて段部(14)が形成されており、
段部(14)に連続する縦壁(13)の上端を段部(14)と同じ向きに折り曲げて、屋根受部(12)が支持壁(3)と上下に対向させてある請求項1記載の折版屋根材の固定金具。
【請求項3】
第1金具(6)の段部(14)より下側の縦壁(13)と、第2金具(6)の縦壁(22)のそれぞれに締結体(8)用の挿通穴(16・24)が形成されており、
前記挿通穴(16・24)のいずれか一方が、上下方向に長い長穴で形成してある請求項1または2記載の折版屋根材の固定金具。
【請求項4】
屋根受部(12)の上面に設けられる取付体(15)が、ボルト(15)と、吊子のいずれかで構成してある請求項1記載の折版屋根材の固定金具。
【請求項5】
第1金具(6)と、第2金具(7)とのいずれかに、桁方向に隣接する両金具(6・7)の設置間隔を規定する位置決め壁(31)が張り出し形成してある請求項1から4のいずれかに記載の折版屋根材の固定金具。
【請求項1】
上面の支持壁(3)と、支持壁(3)に連続して下向きに折れ曲がる装着壁(4)とを備えた屋根下地材(1)に締結固定される第1金具(6)、および第2金具(7)とからなり、
第1金具(6)は、前記装着壁(4)に下方から掛止装着される係止部(11)と、折版屋根材(2)を固定する取付体(15)が設けられる屋根受部(12)と、これら両者(11・12)を接続する縦壁(13)の中途部に設けられる段部(14)とを含み、
第2金具(7)は、前記支持壁(3)に接合される座壁(21)と、座壁(21)に連続して上向きに延びる縦壁(22)の上部に設けられる接当部(23)とを備えており、
係止部(11)が前記装着壁(4)に掛止された第1金具(6)の縦壁(13)と、座壁(21)が前記支持壁(3)に接合された第2金具(7)の縦壁(22)とを締結体(8・9)で締結することにより、第2金具(7)の座壁(21)と接当部(23)とが、支持壁(3)と第1金具(6)の段部(14)とに接当して、両金具(6・7)が屋根下地材(1)を上下に挟持する状態で締結固定してある折版屋根材の固定金具。
【請求項2】
断面U字状の係止部(11)から上方に延びる縦壁(13)の中途部を段違い状に折り曲げて段部(14)が形成されており、
段部(14)に連続する縦壁(13)の上端を段部(14)と同じ向きに折り曲げて、屋根受部(12)が支持壁(3)と上下に対向させてある請求項1記載の折版屋根材の固定金具。
【請求項3】
第1金具(6)の段部(14)より下側の縦壁(13)と、第2金具(6)の縦壁(22)のそれぞれに締結体(8)用の挿通穴(16・24)が形成されており、
前記挿通穴(16・24)のいずれか一方が、上下方向に長い長穴で形成してある請求項1または2記載の折版屋根材の固定金具。
【請求項4】
屋根受部(12)の上面に設けられる取付体(15)が、ボルト(15)と、吊子のいずれかで構成してある請求項1記載の折版屋根材の固定金具。
【請求項5】
第1金具(6)と、第2金具(7)とのいずれかに、桁方向に隣接する両金具(6・7)の設置間隔を規定する位置決め壁(31)が張り出し形成してある請求項1から4のいずれかに記載の折版屋根材の固定金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−274571(P2008−274571A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116250(P2007−116250)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000006910)株式会社淀川製鋼所 (34)
【出願人】(390035301)株式会社マルイチ (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000006910)株式会社淀川製鋼所 (34)
【出願人】(390035301)株式会社マルイチ (16)
【Fターム(参考)】
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