説明

押出成形した動物用リター

本発明は、押出成形した動物用リター並びにそのようなリターの作製方法及び使用方法を提供する。動物用リターは、約10〜約90%の1種又は複数の粘土と約90〜約10%の1種又は複数のデンプンとの押出成形した混合物を含む。デンプンを使用して押出成形したリターを製造することによって、従来の粘土系動物用リターより低密度であるので運搬及び使用がより容易なリターとなる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2010年1月29日に出願の米国特許仮出願第61/337019号に対して優先権を主張し、その開示は、この参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
[発明の背景]
[発明の分野]
本発明は一般に動物用リター(animal litters)に関し、物理的、機能的及び関連する特性が改善された押出成形した動物用リターに特に関する。
【0003】
[関連技術の説明]
動物用リターとして使用される従来の粘土系組成物は、例えばネコ、イヌ、ウサギ、アレチネズミ及び他の小動物用のリターといった動物用リター市場のかなりの部分を占める。しかし、リターを製造するために使用される比較的高密度の粘土によって、リターが重くなり、特に多量の場合に取扱い及び運搬が不便になる。加えて、粘土のリターは容易に生分解されず、特に、このリターを使用する動物によってリター箱から運び出されるときに、環境を汚染する粉塵を生じさせやすい。こうした従来の粘土系動物用リターは、典型的には非膨潤粘土、膨潤粘土又はそれらの組合せからできており、非凝集リター及び凝集リターの形態で販売されている。
【0004】
非凝集動物用リターは、典型的には、動物用リター粒子中に非膨潤粘土を配合することによって作製される。このようなリター及びこのようなリターの作製方法は、当技術分野で既知である。米国特許第4949672号には、水性アルカリ金属水酸化物中のホウ素化合物溶液を吸収した粘土を含む、ホウ素系臭気制御動物用リターが開示されている。米国特許第7228819号には、非凝集の吸収性粒子状材料と磁気吸引性金属粒子とを互いに結合して含む、磁気吸引性非凝集動物用リターが開示されている。米国特許第7316201号には、吸収繊維、ゼオライト、鉱物充填剤及び結合剤を含有する非凝集動物用リターが開示されている。非粘土材料からできた非凝集リターも既知であり、例えば、米国特許第6276300号には、紙、ミズゴケ、ゼオライトモレキュラシーブ及び場合によってはおがくずを含む動物用リターが開示されている。多くのこのようなリターが当技術分野で既知である。
【0005】
典型的には、凝集動物用リターは、非膨潤粘土又は他の材料をベントナイトなどの膨潤粘土でコーティングする、例えば非膨潤粘土又は塊状の非膨潤粘土粒子(粘土微粒子)をベントナイトでコーティングすることで作製される。このようなリター及びこのようなリターの作製方法は、当技術分野で既知である。米国特許第6887570号には、動物排泄物の制御及び除去に有用なコーティングされた凝集リター粒子が開示されている。一実施形態では、この粒子は、非膨潤粘土粒子と非膨潤粒子上にコーティングされた膨潤粘土粒子とを含む。米国特許第7429421号には、非膨潤粒子を含むコーティングされた凝集リターが開示されている。米国特許第7331309号には、水溶液と接触すると固形の凝集塊を形成する凝集動物用リターが開示されている。このリターは、均質な混合物を形成する吸収ポリマーとゴムと製粉用穀物とを含有し、この混合物中で水溶液との水和により瞬時に凝集塊が形成される。
【0006】
さらに、押出成形を含む方法によって作製される動物用リターが当技術分野で既知である。米国特許第3923005号には、押出成形プロセスを使用して作製される、アルファルファ及びデンプンを含む動物用リターが開示されている。米国特許第4206718号には、アルファルファ粉砕物及びゼラチン化可能な穀物などの粉末又はデンプンから軽量な動物用リターを製造する方法が開示されている。一実施形態では、リターは、結合剤として10%までのベントナイトを含有する。米国特許第5452684号及び米国特許第5577463号には、動物の尿で濡れたときにより強固な凝集塊を形成する押出成形したスメクタイト粘土を含む、動物用リターが開示されている。米国特許第7603964号には、粘土材料と軽量な材料とを混合すること並びに凝塊形成、圧縮、及び押出成形などの様々な方法を使用して、その混合物を複合粒子に形成することが開示されている。国際公開第2009133212A1号パンフレットには、50%を超える含量のアタパルジャイトを有する鉱物及び押出成形プロセスを使用した、低密度塊状ペット用リターの製造方法が開示されている。
【0007】
一般にこれら全てのリターは、リターの意図された目的、例えば動物の尿及び糞便の管理のために機能する。さらに状況次第で、リターは、他の目的、例えば環境汚染物の吸収に使用することができる。しかし、述べたように、これらのリターは、取扱い及び運搬が比較的困難で高価な高密度の粘土から大抵作製されている。さらに、これらのリターは、例えば粉塵制御などの幾つかの機能に関して不十分なことが多い。したがって、例えば製造者及び消費者が取扱い及び運搬するのにより容易で経済的な動物用リターといった、物理的、機能的及び関連する特性が改善された新規なリター及び新規なリターの作製方法が必要である。
【0008】
[発明の概要]
したがって、本発明の一目的は、従来の粘土系動物用リターと比較した場合に、物理的、機能的又は関連する特性が改善された動物用リターを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、従来の粘土系動物用リターよりも低密度であるので軽量である動物用リターを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、従来の粘土系動物用リターよりも取扱い及び運搬が容易で経済的な動物用リターを提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、従来の粘土系動物用リターよりも粉塵発生の少ない動物用リターを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、従来の粘土系動物用リターよりも生分解性が高い動物用リターを提供することである。
【0013】
これら及び他の目的は、約10〜約90%の又はそれより多い粘土及び約90〜約10%の1種又は複数のデンプンを含む押出成形した動物用リターを使用して達成される。
【0014】
本発明の追加の及びさらなる目的、特徴及び利点は、当業者に容易に明らかになるであろう。
【0015】
[発明の詳細な説明]
定義
用語「動物用リター(複数可)」は、動物用リター(例えば動物排泄物の管理)として使用するのに適切であるが、任意の他の適切な目的に使用することもできる組成物を意味する。例えば、本発明の動物用リターは、漏出化学物質の吸収、漏出油の吸収、滑りやすい面上に摩擦を作り出すことなどに使用することができる。
【0016】
本明細書で示す全ての百分率は、特に記載のない限り、組成物の総重量の重量基準である。
【0017】
全体を通して、本明細書では、長々と並べなければならないこと、及び範囲内のありとあらゆる値を記載しなければならないことを避けるために、範囲は簡略して使用される。範囲内の任意の適切な値が選択でき、必要に応じて上位値、下位値又は範囲の末端として選択することができる。
【0018】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、文脈において特に明記しない限り、単語の単数形は複数形を含み、逆もまた同様である。したがって、「1つ(a)」、「1つ(an)」及び「その(the)」の言及は、概してそれぞれの用語の複数形を含める。例えば、「1つの粘土(a clay)」又は「1つの方法(a method)」への言及は、「複数の粘土(clays)」又は「複数の方法(methods)」などの複数形を含む。同様に、単語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」は、排他的ではなく包括的に解釈されるべきである。同じく、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は、文脈からこうした解釈が明確に禁止されていない限り、全て包括的に解釈されるべきである。本明細書において使用する場合、特に用語の列挙が後ろに続く場合は、用語「例(examples)」は、単に例及び例示に過ぎず、排他的又は包括的と見なすべきではない。
【0019】
ここに開示された方法及び組成物並びに他の進歩は、当業者が理解するように、変更可能であるので、本明細書に記載の特定の方法、プロトコル及び試薬に限定されるものではない。さらに、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのみであり、開示された又は特許請求されたものの範囲を限定する意図はなく、限定するものではない。
【0020】
本発明
一態様では、本発明は動物用リターを提供する。この動物用リターは、約10〜約90%の又はそれより多い粘土及び約90〜約10%の1種又は複数のデンプンを含む押出成形した混合物を含む。本発明は、これらの押出成形した動物用リター組成物が幾つかの驚くべき特徴を有しているという発見に基づく。このリターは、従来の粘土系動物用リターと比較した場合、比較的低密度である、すなわち、このリターは、単位体積当たりの重量がより小さいので、取扱い及び運搬がより容易である。
【0021】
さらに、押出成形プロセスによって、リターの表面上に「薄膜」を有する動物用リターを製造する。食料品のための従来の押出成形プロセスにおいては、製品の表面は多孔性である。本発明では、粘土を使用することによって表面の孔を埋めて薄膜を作り出す。この薄膜は、リター中の粘土が、特にこのリターを使用する動物によって環境中に運び出されるときに、環境を汚染する粉塵粒子を形成することを妨げるのに役立つ。理論に束縛されるものではないが、粘土及びデンプンがゼラチン化して粘土とデンプンとの薄膜をリターの表面上に生じさせるときに、この薄膜が形成されると考えられている。さらに、粘土の使用は、動物用リターの内部により大きなハニカム構造を作り出す。この構造は、リター組成物の密度を減少させるのに役立つ。
【0022】
加えて、組成物におけるデンプンの使用によって、リターは、従来の粘土系リター組成物よりも生分解性が高められる、すなわち、リター中のデンプンは環境中で分解されることになる。
【0023】
本発明に有用な粘土は、動物用リターの形成に有用な任意の粘土であり、特に本明細書に記載の押出成形方法に有用な任意の粘土である。様々な実施形態では、粘土は、非膨潤粘土、膨潤粘土又はそれらの組合せである。粘土は、天然の粘土鉱床の採掘によって直接得られる粘土、合成粘土又は例えば、粘土の使用を含むリター若しくは他の製作方法によって製造される粘土粒子(例えば粘土微粒子)などの粘土粒子の凝塊形成に由来する粘土であることができる。
【0024】
非膨潤粘土には、カオリナイト、イライト、バーミキュライト、アタパルジャイト、セピオライト及び非膨潤スメクタイトが含まれる。好ましい実施形態では、非膨潤粘土は以下の粘土鉱物、すなわち、パリゴルスカイト、セピオライト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、イライト、グロコナイト、セラドナイト及びフェンジャイトに富む。最も好ましくは、非膨潤粘土は、粘土鉱物のCa−モンモリロナイト、カオリナイト及びイライトを含有する。
【0025】
膨潤粘土には、スメクタイト並びにカオリナイト、イライト及びバーミキュライトの膨潤形態が含まれる。好ましい実施形態では、膨潤粘土は、以下の粘土鉱物、すなわち、ヘクトライト、バイデライト(beidelite)、モンモリロナイト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、バーミキュライト及びハロイサイトを含有する。最も好ましくは、この粘土は、ベントナイト、例えばNa−モンモリロナイト(Na−ベントナイト)である。一般に、ベントナイトは、粘土鉱物と幾つかの非粘土鉱物性成分とが組合わさった天然起源のものである。Na−ベントナイトはNa−モンモリロナイトに富むが、他の粘土及び幾つかの非粘土鉱物性成分を含むこともできる。様々な実施形態では、膨潤粘土はNa−モンモリロナイト、ヘクトライト及びバーミキュライトを含む。
【0026】
組み合わせて使用する場合は、動物用リターの形成に適した任意の量で、非膨潤粘土と膨潤粘土とを混合することができる。一般に、約10〜約90%の非膨潤粘土及び約90〜約10%の膨潤粘土という量で、非膨潤粘土と膨潤粘土とを混合することができる。
【0027】
本発明に有用なデンプンは、動物用リターの形成に有用な任意のデンプンであり、特に本明細書に記載の押出成形方法に有用な任意の粘土である。様々な実施形態では、デンプンは、例えばグリコーゲンなどのアミロース及び/又はアミロペクチンを含む。デンプンは、グリコーゲンなどの精製デンプン、又は小麦粉、モロコシ、バナナ、ジャガイモ、コメ、トウモロコシ又はコムギなどの天然源に由来するデンプンであることができる。様々な実施形態では、デンプンがトウモロコシなどの天然源に由来する場合、このデンプン源を単に粘土と混合し、本明細書に記載の方法に従って処理する。好ましい実施形態では、デンプン源を粉砕して、例えば約10〜約150メッシュの粒径の微粒子径にした後、粘土と混合する。デンプンが天然源に由来する場合、リターの配合物中に含める源の量を計算するときに、源中のデンプンの量を考慮しなければならない。このような各デンプン源は、デンプン、タンパク質、脂肪及び繊維の化学的バランスが取れている。精製デンプンを使用することができるが、天然のままの穀物を使用する方が費用効率が高い。この場合、当業者に既知の方法を使用して、所望の量のデンプンが得られるように動物用リターの作製に使用する配合を調整することができる。
【0028】
デンプンの総量は、示したようにリターについての範囲内、すなわち、10〜90%でなければならない。好ましい実施形態では、デンプンは天然源に由来するデンプンである。最も好ましくは、デンプンは、ジャガイモ、トウモロコシ、コメ及びコムギのデンプンである。
【0029】
粘土及びデンプンは、粘土約10%〜約90%及びデンプン約90〜約10%の任意の量、好ましくは約20〜約80%及び約80〜約20%、最も好ましくは約30〜約70%及び約70〜約30%で混合される。一実施形態では、リターは、約50%の粘土と約30%のデンプンとを含み、残りは、デンプン源特有の他の配合成分又はリターを改善する他の追加配合成分(例えば臭気制御剤又は抗菌剤)若しくはリターの作製方法を改善する他の追加配合成分(例えば潤滑剤)である。
【0030】
本発明の動物用リターは、密度が約10〜約40ポンド/立方フィート(lbs/ft)(169〜641キログラム/立方メートル(kg/m))であり、好ましくは約16〜約36lbs/ft(256〜577kg/m)であり、最も好ましくは約20〜約32lbs/ft(320〜513kg/m)である。典型的な従来の粘土系動物用リターは、約40〜約60lbs/ft(641〜961kg/m)の密度を有する。したがって、本発明の動物用リターは、密度が従来の粘土系動物用リターの密度よりも低い。したがって、押出成形したリターは、製造者及び消費者が取扱い及び運搬するのにより経済的である。さらにこのリターは、デンプンが存在するため、より生分解性が高い。加えて、例えば、この押出成形したリターは、従来のリターと比較した場合に同様又は優れた特性を有し、例えばこの押出成形したリターは、従来の粘土系リターと同様に水分を吸収し臭気を制御する。密度の低下によって、ゴミ処分場に運搬され処分されなければならない総質量の量が低下する。
【0031】
一実施形態では、リターは、1種又は複数の潤滑剤をさらに含む。潤滑剤は、押出成形プロセスの間に混合物が受ける摩擦をより小さくするように混合物の特性を変化させる、任意の潤滑剤であることができる。押出成形の間に摩擦がより小さいということは、潤滑剤無しの混合物と比較して混合物が押出機を通ってより短時間で移動することができ、リターの製造の速度を増加できることを意味する。潤滑剤は、約0.5〜約8%、好ましくは約1〜約6%、最も好ましくは約2〜約4%の量で加える。混合物の摩擦を低下させる任意の潤滑剤を使用することができる。本発明で有用な潤滑剤には、鉱物油、植物油、獣脂などが含まれる。
【0032】
別の実施形態では、リターは、1種又は複数の可塑剤をさらに含む。可塑剤は、混合物の可塑性若しくは流動性を増大させること、デンプンの粘性を変化させること又はデンプンの膨潤若しくはゼラチン化を変化させることによって混合物の特性を変化させる、任意の可塑剤とすることができる。可塑性又は流動性が増加した混合物は、可塑剤無しの混合物と比較して押出機を通ってより短時間で移動することができ、リターの製造の速度を増加できる。同様に、デンプンの特性を変化させることによって、本方法により製造される動物用リターを改変する、例えば、程度の差はあるがリターを高密度にし、又はリターの破壊強度を変化させる。可塑剤は、約2〜約20%、好ましくは約4〜約16%、最も好ましくは約6〜約12%の量で加える。
【0033】
混合物の可塑性又は流動性を増大させる任意の可塑剤を使用することができる。本発明で有用な可塑剤には、グリセロール、プロピレングリコール又はソルビトールなどのポリオールが含まれる。多くのそのような可塑剤が当業者に既知である。一実施形態では、可塑剤はグリセロールであり、別の実施形態では、可塑剤はグリセロール、ソルビトール及び水素化されたコーンシロップの組合せである。
【0034】
さらなる実施形態では、リターは、1種又は複数の結合剤をさらに含む。結合剤は、混合物によって望ましい破壊強度を有するリターがもたらされるように混合物の特性を変化させる任意の結合剤とすることができる。破壊強度を変化させる異なる結合剤を有するということは、混合物を使用して、例えば動物の大きさ、動物の種類、屋内使用対野外使用などに基づく異なる状況で使用されることとなるリターの要求を満たす異なる物理的特性を有するリターを製造することができることを意味する。結合剤は、約1〜約12%、好ましくは約2〜約8%、最も好ましくは約3〜約6%の量で加える。
【0035】
リターの破壊強度を低下又は変化させる任意の結合剤を使用することができる。本発明で有用な結合剤には、ゴム、デンプン、ペクチン、寒天、ゼラチン、アルギネート、カラゲナン及びタンパク質が含まれる。具体例としては、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カシアガム、ゼラチン、小麦グルテン、血漿、ダイズタンパク質及び乳タンパク質が挙げられる。好ましい結合剤としては、グアー及びカルボキシメチルセルロース(CMC)が挙げられる。
【0036】
追加の実施形態では、リターは、1種又は複数の潤滑剤、1種又は複数の可塑剤及び1種又は複数の結合剤のうちの少なくとも2つを任意の様々な組合せでさらに含む。潤滑剤、可塑剤及び結合剤は、粘土とデンプンとの混合物に、本明細書に記載の利益を実現する量で加えられる。一般に、潤滑剤、可塑剤及び結合剤は個別に加える。一実施形態では、潤滑剤、可塑剤及び結合剤は、混合してから混合物に加える。別の実施形態では潤滑剤及び可塑剤は混合してから加え、結合剤は個別に加える。いかなるそのような組合せも本発明に包含される。
【0037】
リターは、組成物の機能的特性を改善する性能向上用の追加的な材料を含有することができる。多くのそのような材料が当技術分野で既知である。例えば、米国特許出願公開第20050005869号及びその関連特許出願には、多くのそのような性能向上用材料及び吸収性組成物と共に材料、例えば抗菌剤、臭気低減材料、芳香性成分、健康指標材料(health indicating materials)、色変更剤(color altering agents)、粉塵低減剤、非粘着剥離剤(nonstick release agents)、超吸収性材料、シクロデキストリン、ゼオライト、活性炭、pH調整剤(pH altering agents)、塩形成材料、リシノール酸塩及びそれらの混合物などの材料を使用するための方法が開示されている。米国特許第7533630号には、尿中の糖の存在の検出及び糖尿病の検出に有用な機能性薬剤が開示されている。
【0038】
一実施形態では、リターは活性炭を含有する。活性炭は、悪臭の原因の可能性がある有機物の優れた吸収材であることが知られている。例えば、米国特許第5860391号には、臭気制御用の活性炭を含有する吸収剤が開示されている。米国特許第6287550号には、活性炭を含有する悪臭低減のための組成物が開示されている。活性炭は、使用する場合、動物用リターに約0.01〜約6%、好ましくは約2〜約5%、最も好ましくは約3〜約4%の量で加えられる。
【0039】
別の実施形態では、リターは重曹を含有する。重曹は、悪臭の原因の可能性がある有機物の優れた吸収材であることが知られている。動物排泄物の制御のための重曹の使用が知られており、例えば米国特許第6955136号及び米国特許第6837181号である。重曹は、使用する場合、本発明の動物用リターに約0.01〜約6%、好ましくは約0.05〜約5%、最も好ましくは約2〜約4%の量で加えられる。
【0040】
他の実施形態では、リターは、1種又は複数の膨潤粘土の部分的又は完全なコーティングをさらに含む。リターを膨潤粘土でコーティングすることによって、凝集性がリターに与えられるとともに、このリターの利点の殆ど、例えば従来の粘土系リターよりも低い密度などが依然として保たれる。膨潤粘土はリター上に、リターの約5〜約40%、好ましくは約10〜約45%、最も好ましくは約15〜約30%を構成する量でコーティングされる。リターのコーティング方法及び凝集動物用リターの製造方法は、当技術分野、例えば米国特許第6887570号で既知である。一実施形態では、本発明の動物用リター粒子を1種又は複数の膨潤(凝集)粘土とともにローラーミル中に置き、必要とされる範囲内で粒子が粘土でコーティングされるまで、好ましくは約30%がコーティングされるまで、粒子を粘土と混合する。一実施形態では、膨潤粘土はベントナイトである。
【0041】
本発明の他の利点には、従来の粘土系リターと比較して粉塵が比較的少なく、形状を変更すること、動物の許容性を最大にすること、臭気制御を改善すること、散らかされたり運び出されたりすることを減らすこと及び世話人のアピールを最大にすることに対する柔軟性をもたらす処方を有する動物用リターを得ることが含まれる。
【0042】
理論に束縛されるものではないが、押出成形プロセスはデンプンを伸長させ、それによって、粘土単独よりも低密度なセルを有する伸長したセル状構造がリター中に作り出されると考えられている。このことによって、動物用リターとして機能する材料の能力に悪影響を及ぼすことなく、リターの密度が低下する。さらにデンプンは、粉々になって粉塵又は粘土微粒子を生じさせない組成物をもたらし、例えば、デンプンは、リターの取扱いの際にその完全性を維持する被膜を動物用リター上にもたらし、それによって本発明の動物用リターの小粒子が生じない。
【0043】
別の態様では、本発明は、本発明の動物用リターと動物用リターとして機能する1種又は複数の異なる化合物、組成物又は他の材料との組合せとを含む動物用リターを提供する。そのような材料には、従来の粘土系動物用リター(凝集又は非凝集)、トウモロコシの穂軸、おがくず、木材、紙、シリカゲル(例えば米国特許第06860234号、米国特許第06543385号及び米国特許第06578521号)、ヒマワリ種子などが含まれる。多くのそのような動物用リターが当業者に既知である。好ましい実施形態では、材料は、膨潤粘土、非膨潤粘土、シリカゲル又はそれらの組合せからできた異なるリターである。本発明の動物用リターは、組み合わせるのに適切な任意の量で、そのような他の材料と組み合わせることができる。組合せは、本発明のリターと他の材料との混合によって作製される。一般に、本発明の動物用リターは、約5〜約95%、好ましくは約10〜約90%の混合物を含む。一実施形態では、混合物は、約50%の本発明の動物用リターと約50%のシリカゲル、凝集動物用リター、非凝集動物用リター又はそれらの組合せとを含む。別の実施形態では、混合物は、約90%の本発明の動物用リターと約10%のシリカゲルとを含む。さらなる実施形態では、混合物は、約70%の本発明の動物用リターと約30%の凝集リターとを含む。
【0044】
さらなる態様では、本発明は、動物用リターの作製方法を提供する。この方法は、
約10〜約90%又はそれより多い粘土と約90〜約10%の1種又は複数のデンプンとを含む混合物の作り出すステップと、
必要に応じて、混合物の水分含量を約5%〜約30%に調整するステップと、
混合物を約200〜約1200ポンド/平方インチの圧力(psi)及び約200〜約350°F(93〜177℃)の温度で押出成形するステップとを含む。
【0045】
粘土とデンプンとの混合物は、任意の適切な方法及び機器を使用して作り出される。典型的には、粘土とデンプンとを単に混合攪拌し、好ましくは均質になるまでミキサーなどの任意の適切な機器を使用して混合攪拌する。本方法で有用な粘土及びデンプンは、本発明の動物用リター組成物に関して本明細書に記載している。好ましい実施形態では、粘土及びデンプンは、約10〜約200メッシュ、好ましくは約20〜150メッシュ、最も好ましくは約30〜100メッシュの粒径を有する。しかし、リターの製造に使用する機器に適合さえすれば、任意の適切な粒径を使用することができる。
【0046】
混合物の水分含量は、混合物の元来の水分含量が示された範囲外の場合のみ調整する。粘土及びデンプン中の水分によって、示された範囲内の水分含量を有する混合物が作り出される場合は、水分含量の調整は必要ない。必要に応じて、任意の適切な方法及び機器を使用して混合物の水分含量を調整する。典型的には、水を粘土とデンプンとの混合物に攪拌しながら、望ましい水分レベルに達するのに必要な量で加える。得られた混合物は押出成形に適切である。
【0047】
得られた混合物は、適切な方法及び機器を使用して押出成形する。適切な押出機及び関連機器は、市販品として入手可能であり、当技術分野で既知である。典型的な押出機としては、ウェンガー(Wenger)から販売されている単軸及び二軸スクリュー押出機並びに同様の製品が挙げられる。押出機並びに食品、プラスチック及び多数の材料の製造のための押出機の使用は、当業者に既知であり、例えば、動物用リターの密度、大きさ及び形は全てこの機器の設定及び処理条件に強く影響される。混合物及び機器に適合する任意の押出成形の送り速度が使用可能である。一般に混合物は、約10〜約40ポンド/分、好ましくは約12〜約30ポンド/分の速度で押出機を通って送り込まれる。
【0048】
押出成形は、約200〜約1200psi、好ましくは約300〜約1000psi、最も好ましくは約400〜約800psiの圧力で行われる。
【0049】
押出成形は、約200〜約350°F(93〜177℃、好ましくは約220〜約320°F(104〜160℃)、最も好ましくは約240〜約280°F(116〜138℃)の温度で行われる。
【0050】
リターは押出機から出るときに、当業者に既知の任意の適切な機器を使用して、任意の適切な大きさ及び形状の小片に切断することができる。典型的には、リターは回転式のカッターナイフを使用して切断され、長さが約0.5〜約12センチメートル(cm)であり、直径が約0.3〜約2.5cmである円筒状のペレットの形状にされる。適切なダイスを使用して、リターを任意の望ましい形態の形状にすることができる。同様に、カッターの速さを変えることで、リターを任意の特定の使用に望ましい大きさにすることができる。
【0051】
必須ではないが、押出成形した動物用リターは、リターに望ましい水分含量になるように乾燥させることができる。したがって、一実施形態では、本方法は、約1〜約14%、好ましくは約2〜約12%、最も好ましくは約3〜約10%の水分含量になるように、押出成形した動物用リターを乾燥させるステップをさらに含む。リターを乾燥させる方法は、例えばオーブン及び送風機など、当技術分野で既知である。一実施形態では、ベルト乾燥機を使用して動物用リターを処理して、リターを約175°F(80℃)の温度に約4分間さらして、水分を約4〜約6%、好ましくは約5%に減少させる。一般に、乾燥条件は、処方、密度、製造速度及び条件に依存する。
【0052】
一実施形態では、本方法は、混合物を押出成形する前に、1種又は複数の潤滑剤を混合物に加えるステップをさらに含む。潤滑剤は、押出成形前の本方法における任意の適切な段階で加えることができる。一般に、潤滑剤は水分調整前に加えられる。しかし、潤滑剤は水分調整後に加えることもできる。本方法で有用な潤滑剤及び潤滑剤の有用な量は、本発明の動物用リターに関して本明細書に記載している。
【0053】
別の実施形態では、本方法は、混合物を押出成形する前に、1種又は複数の可塑剤を混合物に加えるステップをさらに含む。可塑剤は、押出成形前の本方法における任意の適切な段階で加えることができる。一般に、可塑剤は水分調整前に加えられる。しかし、可塑剤は水分調整後に加えることもできる。本方法で有用な可塑剤及び可塑剤の有用な量は、本発明の動物用リターに関して本明細書に記載している。
【0054】
さらなる実施形態では、本方法は、混合物を押出成形する前に、1種又は複数の結合剤を混合物に加えるステップをさらに含む。結合剤は、押出成形前の本方法における任意の適切な段階で加えることができる。一般に、結合剤は水分調整前に加えられる。しかし、結合剤は水分調整後に加えることもできる。結合剤は、単独又は潤滑剤若しくは可塑剤の1種若しくは複数との混合物で加えることができる。本方法で有用な結合剤及び結合剤の有用な量は、本発明の動物用リターに関して本明細書に記載している。
【0055】
追加の実施形態では、本発明は、1種又は複数の潤滑剤、1種又は複数の可塑剤及び1種又は複数の結合剤を任意の様々な組合せで混合するステップ、並びに得られた混合物を押出成形する前に、そのような混合物を粘土とデンプンとの混合物に加えるステップをさらに含む。例えば、(1)潤滑剤及び結合剤、(2)潤滑剤及び可塑剤、(3)可塑剤及び結合剤並びに(4)潤滑剤、結合剤及び可塑剤の組合せを、論じるように混合物に加えることができる。潤滑剤、可塑剤及び結合剤は粘土とデンプンとの混合物に、本明細書に記載の量で本明細書に記載の方法を使用して加えられる。潤滑剤、可塑剤及び結合剤は、押出成形前の本方法における任意の適切な段階で加えることができる。一般に、潤滑剤、可塑剤及び結合剤は、水分調整前に個別に加えられる。しかし、潤滑剤、可塑剤及び結合剤は、水分調整後に加えることもできる。或いは、潤滑剤、可塑剤及び結合剤の1つ又は複数を水分調整前に加え、残りのものを水分調整後に加えることができる。一実施形態では、潤滑剤、可塑剤及び結合剤を、混合物に加える前で、水分調整前後のどちらかで混合する。
【0056】
別の態様では、本発明は、本発明の方法を使用して作製される動物用リターを提供する。
【0057】
別の態様では、本発明は、動物用リターを収容するのに適切であり動物が動物排泄物を排出するときに使用するのに適切なデバイス及び1種又は複数の本発明の動物用リターを備える動物用リター箱を提供する。デバイスは、動物による使用に適切であり本発明の動物用リターに適合する任意のデバイスである。多くのそのようなデバイスが当技術分野で既知であり、市販品として入手可能であり、例えば、US20090250014A1、US20090272327A1、US20090000560A1、US20070277740A1、米国特許第7628118号などに開示されているリター箱などである。
【0058】
さらなる態様では、本発明は、動物排泄物の管理に有用な動物用リターを収容するのに適切なキットを提供する。このキットは、単一パッケージ中の独立した容器中に又は仮(virtual)パッケージ中の独立した容器中に、キット構成要素に適切なように、本発明の動物用リター並びに(1)リターを収容するのに適切であり動物が動物排泄物を排出するときに使用するのに適切なデバイス、例えばリター箱、(2)リターとともに堆積した動物排泄物の取扱いに適切なデバイス、例えば動物の糞便をリターから除去するためのシャベル(例えば米国特許第7523973号)又はリター箱若しくは他の容器中の動物用リターを整えるのに適切なレーキ、(3)異なる動物用リター、例えば本発明のリターとそのような異なる動物用リターとの混合物を作り出すのに適切な異なる動物用リター、(4)動物排泄物の管理のためのリターの使用法の指示及び(5)動物用リターの処分法の指示、例えば特にリターを使用した後に環境に配慮した方式でのリターの処分法のうちの1つ又は複数を備える。
【0059】
キットが仮パッケージを備える場合は、このキットは、1つ又は複数の物理的なキット構成要素と組み合わせた仮環境内の指示に限定される。キットは、様々な組合せ及び/又は混合物のうちのいずれかでキット構成要素を収容することができる。一実施形態では、キットは、リター及びリターから動物排泄物を除去するのに適切なシャベルを収容するパッケージを収容する。
【0060】
別の態様では、本発明は、本発明の動物用リターを収容するのに適切な材料と、パッケージに取り付けられ、例えばリターの密度及び/又はその物理的、機能的及び関連する特性についての情報など、パッケージの中身が本発明の押出成形した動物用リターを含有することを示す1つの単語若しくは複数の単語、画像、デザイン、頭字語、スローガン、フレーズ又は他のデバイス或いはそれらの組合せを含むラベルとを備えるパッケージを提供する。典型的には、そのようなデバイスは、パッケージ上に印刷された「押出成形した動物用リター」又は「低密度な動物用リター」又はこれに準ずる表現の単語を備える。例えば紙、プラスチック、ホイル、金属などから製作された袋、箱、瓶、缶、ポーチなど、動物用リターを収容するのに適切な任意のパッケージ又はパッケージング材料が本発明に有用である。
【0061】
別の態様では、本発明は、(1)動物の尿及び糞便などの動物排泄物の管理、(2)臭気制御、(3)水分制御、(4)微生物制御並びに(5)粉塵制御のうちの1つ又は複数のために本発明の動物用リターを使用することに関する情報又は指示を伝達する手段を提供する。この手段は、情報又は指示を含む文書、デジタル蓄積メディア、光記録媒体、オーディオプレゼンテーション又は視覚ディスプレイを備える。特定の実施形態では、伝達手段は、表示されたウェブサイト、視覚ディスプレイキオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、ビラ、公示、オーディオテープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピュータが読込可能なチップ、コンピュータが読込可能なカード、コンピュータが読込可能なディスク、USBデバイス、ファイヤーワイヤーデバイス、コンピュータメモリ及びそれらの任意の組合せである。有用な情報には、(1)リターを使用するように動物を訓練する又は適応させる方法及び技術(2)本発明の動物用リターの機能的又は他の特性並びに(3)リター及びリターの使用に関して質問がある場合に消費者又は他の者が使用するための問合せ先情報のうちの1つ又は複数が含まれる。有用な指示には、リターの清掃及び処分方法が含まれる。伝達手段は、本発明の使用の利益に関して指示すること及び動物のために本発明を使用する是認された方法を伝達することに有用である。
【0062】
別の態様では、本発明は動物排泄物の管理方法を提供する。この方法は、動物排泄物を本発明の動物用リター組成物と接触させるステップを含む。一般に、リターは、リター箱又は適切な容器中に置かれ、動物は排泄物(尿又は糞便)がリターと接触するように排泄物を堆積させることができる。必要に応じて、リターは、例えば芝生上などに排泄物が堆積した後に排泄物と接触させて置くことができる。
【0063】
[実施例]
本発明を、以下の実施例によってさらに例示することができるが、これらの実施例は例示目的のためだけに含まれ、特に他に指示がない限り、本発明の範囲を限定することを意図しないことを理解されたい。
【0064】
実施例1
動物用リターの製造
動物用リターは、99.5ポンドのトウモロコシ粉砕物(約65%のデンプン含量)と0.5ポンドの蒸留したモノグリセリドと19ポンドの水とを擢型ミキサー中で混合して作製した。次に、この混合物をハンマミルで粉砕し4/64インチの篩に通して、押出ダイ開口部をミックスが通過できるように粒径を縮めた。その次に、この混合物を14ポンド/分の速度で二軸スクリュー押出機中に送り込んだ。0.56ポンド/分で水を、0.42ポンド/分で蒸気を押出機中に注入した。押出機のスクリュー回転数は350rpmに設定した。押出機の吐出し圧力ヘッドの圧力は750psiと測定され、内部の生成物温度は220〜270°F(104〜132℃)の範囲で変化した。次いで、この溶融混合物を、円形のダイ開口部を通して押し出し、ダイスの表面を横切ってスイープするブレードでペレットに切断した。得られたペレットは、平均すると直径3/16インチ、及び長さ1/4インチであった。空気圧システムを使用してペレットをベルト乾燥機へ運搬した。乾燥機を250°F(121℃)に設定し、乾燥時間が3.6分となるようにベルトの速度を調整して、乾燥後に生成物の水分を5%に低下させた。
【0065】
実施例2
かさ密度の測定
実施例1の動物用リターのかさ密度を、シードブロ(Seedburo)(登録商標)充填用ホッパー(開口部の直径が1と1/4インチ)、スタンド及びパイントサイズ(550.06cm3の乾量体積)のサンプルカップを使用して測定した。実施例1のリターペレットを、充填用ホッパーが満杯になるまで充填用ホッパーに流し込んだ。次に、空のパイントカップをはかりの上に置き、はかりをゼロに合わせた。その次に、このカップを充填用ホッパーの下に置いた。充填用ホッパーの排出部とカップの上端との間の距離を2インチに設定した。そして、充填用ホッパーの排出スライドを開けて、生成物が空のサンプルカップに落下できるようにした。カップが満杯になるまでペレットを流し込み、次いでさらに1〜2秒間溢流させた。次に、直定規を使用して過剰な生成物をカップの上部から除去した、つまりカップの中身をカップの縁に均した。ペレットが入ったカップをはかりに戻して、1乾量パイント当たりのペレットの重量を記録した。3回決定し、ペレットの平均重量は、1乾量パイント中で177グラムであった。最後に、1グラム/立法センチメートル(gm/cm)が62.4269lb/ftに等しいという換算係数を使用して、かさ密度(単位体積当たりの質量)値をポンド/立方フィート(lb/ft)に変換した。比較用に、従来の粘土系リター及び従来の紙系リターのかさ密度を上記のように決定した。その結果を表1に示す。表1を参照すると、本発明の動物用リターは、従来のリターよりも有意に低密度であったことが明らかである。
【0066】
実施例3
動物用リターの吸収能力
1、5、15及び25分の時間間隔にわたってペレットを水に浸し、各間隔で保持された水の量を測定して、実施例1の動物用リターの吸収能力を決定した。10gのペレットを4オンスサイズのサンプルカップ中で正確に秤量した。次に水を加えて、上部から1/2インチ以内までカップを満たした。加えた水の質量を記録した。この生成物は非常に浮揚性があったので、別のサンプルカップを使用して、いかなる浮遊ペレットにも押しつけて確実に全てを完全に水中に沈めた。いかなる溢流も起こらないように注意した。各時間間隔につき、3回の独立した測定を行った。サンプルを所定時間の間浸した後、過剰な水をデカントし秤量した。全ての質量はグラムで記録した。次いで、以下の式を使用して質量基準の吸収パーセントを計算した。
質量基準の吸収%=(加えた水の総質量)−(過剰な水の質量)
サンプルの質量
【0067】
各時間間隔における3回の測定の平均標準偏差を計算した。比較用に、従来の粘土系リター及び従来の紙系リターの吸収能力を上記のように決定した。その結果を表2に示す。表2を参照すると、実施例1の動物用リターは、従来のリターに匹敵する水分を吸収した。
【0068】
実施例4
水及び他の液体を有する動物用リター
119ポンドの動物用リターペレットを、99.5ポンドのトウモロコシ粉砕物、0.5ポンドの蒸留したモノグリセリド、8ポンドの水、9ポンドのグリセリン及び2ポンドの鉱物油を使用し、それらを擢型ミキサー中で混合して作製した。次に、この混合物をハンマミルで粉砕し4/64インチの篩に通して、押出ダイ開口部をミックスが通過できるように粒径を縮めた。その次に、この混合物を14ポンド/分の速度で二軸スクリュー押出機中に送り込んだ。追加の水(0.28ポンド/分)及び0.42ポンド/分で蒸気を押出機中に注入した。押出機のスクリュー回転数は350rpmに設定した。押出機の吐出し圧力ヘッドの圧力は750psiと測定され、内部の生成物温度は220〜270°F(104〜132℃)の範囲で変化した。次いで、この溶融混合物を円形のダイ開口部を通して押し出し、ダイスの表面を横切ってスイープするブレードでペレットに切断した。得られたペレットは、平均すると直径3/16インチ、及び長さ1/4インチであった。空気圧システムを使用してペレットをベルト乾燥機へ運搬した。乾燥機を250°F(121℃)に設定し、乾燥時間が3.6分となるようにベルトの速度を調整し、乾燥後に生成物の水分を5%に低下させた。ペレットのかさ密度を実施例2に従って決定した。その結果を表1に示す。表1を参照すると、このリターのかさ密度は、比較用に使用した従来のリターのかさ密度よりも有意に低かった。リターの吸収能力を実施例3に従って決定した。その結果を表2に示す。表2を参照すると、この動物用リターの吸収能力は、従来のリターの吸収能力に匹敵するものであった。
【0069】
実施例5
28%Na−ベントナイトを有する動物用リター
30ポンドのNa−ベントナイト及び69.5ポンドのトウモロコシ粉砕物を99.5ポンドのトウモロコシ粉砕物の代わりに使用したことを除いて、実施例1の手順を反復した。リターのかさ密度を実施例2に従って決定した。その結果を表1に示す。表1を参照すると、リターのかさ密度は、比較用に使用した従来のリターよりも有意に低かった。リターの吸収能力を実施例3に従って決定した。その結果を表2に示す。表2を参照すると、この動物用リターの吸収能力は、従来のリターの吸収能力に匹敵するものであった。
【0070】
実施例6
25%Na−ベントナイトに加えて追加的な液体を有する動物用リター
119ポンドの動物用リターを、30ポンドのNa−ベントナイト、69.5ポンドのトウモロコシ粉砕物、0.5ポンドの蒸留したモノグリセリド、8ポンドの水、9ポンドのグリセリン及び2ポンドの鉱物油を使用して、350rpmのスクリュー回転数における吐出圧力が900psiであったことを除いて実施例4に従って作製した。ペレットのかさ密度を実施例2に従って決定した。その結果を表1に示す。表1を参照すると、このリターのかさ密度は、比較用に使用した従来のリターのかさ密度よりも有意に低かった。このリターの吸収能力を実施例3に従って決定した。その結果を表2に示す。表2を参照すると、この動物用リターの吸収能力は、従来のリターの吸収能力に匹敵するものであった。
【0071】
実施例7
27.8%Na−ベントナイト及び27.8%Ca−モンモリロナイトの粘土を有する動物用リター
30ポンドのNa−ベントナイト、30ポンドの非膨潤粘土(Ca−モンモリロナイト粘土)及び39.5ポンドのトウモロコシを99.5ポンドのトウモロコシの代わりに使用したことを除いて、実施例1の手順を反復した。リターのかさ密度を実施例2に従って決定した。その結果を表1に示す。表1を参照すると、リターのかさ密度は、比較用に使用した従来のリターよりも有意に低かった。このリターの吸収能力を実施例3に従って決定した。その結果を表2に示す。表2を参照すると、この動物用リターの吸収能力は、従来のリターの吸収能力に匹敵するものであった。
【0072】
実施例8
50.4%Na−ベントナイトに加えて追加的な液体を有する動物用リター
119ポンドの動物用リターを、60ポンドのNa−ベントナイト、39.5ポンドのトウモロコシ、0.5ポンドの蒸留したモノグリセリド、8ポンドの水、9ポンドのグリセリン及び2ポンドの鉱物油を使用して、実施例4に従って作製した。ペレットのかさ密度を実施例2に従って決定した。その結果を表1に示す。表1を参照すると、このリターのかさ密度は、比較用に使用した従来のリターのかさ密度よりも有意に低かった。このリターの吸収能力を実施例3に従って決定した。その結果を表2に示す。表2を参照すると、この動物用リターの吸収能力は、従来のリターの吸収能力に匹敵するものであった。
【0073】
実施例9
13.9%Na−ベントナイト13.9%Ca−モンモリロナイトの粘土を有する動物用リター
15ポンドのNa−ベントナイト、15ポンドの非膨潤粘土(Ca−モンモリロナイト粘土)及び69.5ポンドのトウモロコシを99.5ポンドのトウモロコシの代わりに使用したことを除いて、実施例1の手順を反復した。リターのかさ密度を実施例2に従って決定した。その結果を表1に示す。表1を参照すると、リターのかさ密度は、比較用に使用した従来のリターよりも有意に低かった。リターの吸収能力を実施例3に従って決定した。その結果を表2に示す。表2を参照すると、この動物用リターの吸収能力は、従来のリターの吸収能力と匹敵するものであった。
【0074】
実施例10
33.6%Ca−モンモリロナイトに加えて追加的な液体を有する動物用リター
119ポンドの動物用リターを、40ポンドのCa−モンモリロナイト、59.5ポンドのトウモロコシ、0.5ポンドの蒸留したモノグリセリド、8ポンドの水、9ポンドのグリセリン及び2ポンドの鉱物油を使用して、実施例4に従って作製した。ペレットのかさ密度を実施例2に従って決定した。その結果を表1に示す。表1を参照すると、このリターのかさ密度は、比較用に使用した従来のリターのかさ密度よりも有意に低かった。このリターの吸収能力を実施例3に従って決定した。その結果を表2に示す。表2を参照すると、この動物用リターの吸収能力は、従来のリターの吸収能力と匹敵するものであった。
【表1】


【表2】

【0075】
本明細書では、本発明の典型的な好ましい実施形態を開示してきており、特定の用語を用いるが、それらは一般的で記述的な意味のみで使用されており、限定を目的としたものではない。上記の教示の観点から、本発明の多くの変形及び変更が可能であることは明らかである。したがって、具体的に記載した以外でも本発明を実施することができることを理解されたい。
【0076】
別段定義されない限りは、本明細書で使用した全ての技術用語及び科学用語並びにいかなる頭字語も、本発明の分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似若しくは同等の任意の組成物、方法及び情報伝達手段を本発明の実施のために使用することができるが、好ましい組成物、方法及び情報伝達手段が本明細書に記載されている。
【0077】
上記で引用した全ての引用文献は、法律が許す範囲で、参照により本明細書に組み込まれている。それらの引用文献の考察は、引用文献の著者によって行われる主張を単に要約することを意図するにすぎない。いかなる引用文献(又はいかなる引用文献の一部)も関連する先行技術であると認めるものではない。出願人らはいかなる引用した引用文献の正確性及び適切性に異議を申し立てる権利を保有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約10〜約90%の又はそれより多い粘土及び約90〜約10%の1種又は複数のデンプンを含む押出成形した混合物を含む動物用リター。
【請求項2】
粘土が非膨潤粘土、膨潤粘土又はそれらの組合せである、請求項1に記載のリター。
【請求項3】
非膨潤粘土がカオリナイト、イライト、バーミキュライト、アタパルジャイト、セピオライト及び非膨潤スメクタイトである、請求項2に記載のリター。
【請求項4】
膨潤粘土がスメクタイト並びにカオリナイト、イライト及びバーミキュライトの膨潤形態である、請求項2に記載のリター。
【請求項5】
非膨潤粘土と膨潤粘土との組合せが、約10〜約90%の非膨潤粘土と約90〜約10%の膨潤粘土とを含む、請求項2に記載のリター。
【請求項6】
デンプンがアミロース、アミロペクチン又はそれらの組合せを含むデンプンである、請求項1に記載のリター。
【請求項7】
デンプンが小麦粉、モロコシ、バナナ、ジャガイモ、コメ、トウモロコシ又はコムギに由来する、請求項1に記載のリター。
【請求項8】
密度が約10〜約40lbs/ftである、請求項1に記載のリター。
【請求項9】
1種又は複数の潤滑剤をさらに含む、請求項1に記載のリター。
【請求項10】
潤滑剤が鉱物油、植物油及び獣脂である、請求項9に記載のリター。
【請求項11】
潤滑剤がリターの約0.5〜約8%で含まれる、請求項9に記載のリター。
【請求項12】
1種又は複数の可塑剤をさらに含む、請求項1に記載のリター。
【請求項13】
可塑剤がポリオールである、請求項12に記載のリター。
【請求項14】
可塑剤がリターの約2〜約20%で含まれる、請求項12に記載のリター。
【請求項15】
1種又は複数の結合剤をさらに含む、請求項1に記載のリター。
【請求項16】
結合剤がゴム、デンプン、ペクチン、寒天、ゼラチン、アルギネート、カラゲナン及びタンパク質である、請求項15に記載のリター。
【請求項17】
結合剤がリターの約1〜約12%を構成する、請求項15に記載のリター。
【請求項18】
1種又は複数の潤滑剤、1種又は複数の可塑剤及び1種又は複数の結合剤のうちの少なくとも2つをさらに含む、請求項1に記載のリター。
【請求項19】
活性炭をさらに含む、請求項1に記載のリター。
【請求項20】
活性炭がリターの約0.01〜約6%を構成する、請求項19に記載のリター。
【請求項21】
重曹をさらに含む、請求項1に記載のリター。
【請求項22】
重曹がリターの約0.01〜約6%を構成する、請求項21に記載のリター。
【請求項23】
1種又は複数の膨潤粘土の部分的又は完全なコーティングをさらに含む、請求項1に記載のリター。
【請求項24】
膨潤粘土がベントナイトである、請求項23に記載のリター。
【請求項25】
膨潤粘土がリターの約5〜約40%を構成する、請求項23に記載のリター。
【請求項26】
約5〜約95%の請求項1に記載の動物用リターと95〜約5%の動物用リターとして機能可能な異なる材料との組合せを含む動物用リター。
【請求項27】
材料が、膨潤粘土、非膨潤粘土、シリカゲル又はそれらの組合せからできたリターである、請求項26に記載の動物用リター。
【請求項28】
約10〜約90%の又はそれより多い粘土と約90〜約10%の1種又は複数のデンプンとを含む混合物を作り出すステップと、
必要に応じて、混合物の水分含量を約5%〜約30%に調整するステップと、
約200〜約1200ポンド/平方インチ(psi)の圧力及び約200〜約350°F(93〜177℃)の温度で混合物を押出成形するステップと
を含む、動物用リターの作製方法。
【請求項29】
粘土が非膨潤粘土、膨潤粘土又はそれらの組合せである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
非膨潤粘土がカオリナイト、イライト、バーミキュライト、アタパルジャイト、セピオライト及び非膨潤スメクタイトである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
膨潤粘土がスメクタイト並びにカオリナイト、イライト及びバーミキュライトの膨潤形態である、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
非膨潤粘土と膨潤粘土との組合せが、約10〜約90%の非膨潤粘土と約90〜約10%の膨潤粘土とを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
デンプンがアミロース、アミロペクチン又はそれらの組合せを含むデンプンである、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
デンプンが小麦粉、モロコシ、バナナ、ジャガイモ、コメ、トウモロコシ又はコムギに由来する、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
密度が約10〜約40lbs/ftである、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
押出成形した動物用リターを乾燥させるステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
混合物が約0.5〜約8%の1種又は複数の潤滑剤をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項38】
潤滑剤が鉱物油、植物油及び獣脂である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
混合物が約2〜約20%の1種又は複数の可塑剤をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項40】
可塑剤がポリオールからなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
混合物が約1〜約12%の1種又は複数の結合剤をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項42】
結合剤がゴム、デンプン、ペクチン、寒天、ゼラチン、アルギネート、カラゲナン及びタンパク質である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
混合物が1種又は複数の潤滑剤、1種又は複数の可塑剤及び1種又は複数の結合剤のうちの少なくとも2つをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項44】
請求項28に記載の方法を使用して作製される動物用リター。
【請求項45】
(1)動物用リターを収容するのに適切であり、動物が動物排泄物を排出するときに使用するのに適切なデバイス及び(2)1種又は複数の請求項1に記載の動物用リターを備える動物用リター箱。
【請求項46】
動物排泄物の管理に有用な動物用リターを収容するのに適切なキットであって、単一パッケージ中の独立した容器中に又は仮パッケージ中の独立した容器中に、キット構成要素に適切なように、請求項1に記載の動物用リター、並びに(1)リターを収容するのに適切であり、動物が動物排泄物を排出するときに使用するのに適切なデバイス、(2)リターとともに堆積した動物排泄物の取扱いに適切なデバイス、(3)異なる動物用リター、(4)動物排泄物の管理のためのリターの使用法の指示及び(5)動物用リターの処分法の指示、のうちの1つ又は複数を備えるキット。
【請求項47】
請求項1に記載の動物用リターを収容するのに適切な材料と、パッケージに取り付けられ、パッケージの中身が請求項1に記載の押出成形した動物用リターを含有することを示す1つの単語若しくは複数の単語、画像、デザイン、頭字語、スローガン、フレーズ又は他のデバイス或いはそれらの組合せを含むラベルとを備えるパッケージ。
【請求項48】
(1)動物の尿及び糞便などの動物排泄物の管理、(2)臭気制御、(3)水分制御、(4)微生物制御並びに(5)粉塵制御のうちの1つ又は複数のために請求項1に記載の動物用リターを使用することについての情報又は指示を伝達する手段であって、情報又は指示を含む文書、デジタル蓄積メディア、光記録媒体、オーディオプレゼンテーション又は視覚ディスプレイを備える手段。
【請求項49】
表示されたウェブサイト、視覚ディスプレイキオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、ビラ、公示、オーディオテープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピュータが読込可能なチップ、コンピュータが読込可能なカード、コンピュータが読込可能なディスク、USBデバイス、ファイヤーワイヤーデバイス、コンピュータメモリ及びそれらの任意の組合せである、請求項48に記載の手段。
【請求項50】
動物排泄物を請求項1に記載の動物用リター組成物に接触させるステップを含む、動物排泄物の管理方法。

【公表番号】特表2013−517795(P2013−517795A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551178(P2012−551178)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2011/000171
【国際公開番号】WO2011/094022
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】