拡張カテーテル
【課題】プッシャビリティに優れ且つ病変部等を通過し易い拡張カテーテルを提供する。
【解決手段】拡張カテーテル10は、可撓性を有する長尺なカテーテル本体11と、当該カテーテル本体に設けられた拡張可能で且つ収縮又は折り畳み可能な拡張体14と、カテーテル本体において拡張体が配置された拡張体配置部122に取付けられるとともに拡張体配置部より基端側へと伸びる補強体15と、を有し、補強体は、拡張体配置部から外れないように且つ拡張体配置部に沿って進退可能に拡張体配置部に取付けられている。
【解決手段】拡張カテーテル10は、可撓性を有する長尺なカテーテル本体11と、当該カテーテル本体に設けられた拡張可能で且つ収縮又は折り畳み可能な拡張体14と、カテーテル本体において拡張体が配置された拡張体配置部122に取付けられるとともに拡張体配置部より基端側へと伸びる補強体15と、を有し、補強体は、拡張体配置部から外れないように且つ拡張体配置部に沿って進退可能に拡張体配置部に取付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管等に生じた狭窄部又は閉塞部の改善に用いられる拡張カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、血管に生じた狭窄部又は閉塞部をカテーテルによって拡張する治療が広く行われている。術者は、経皮的に血管内へと挿入したカテーテルを狭窄部又は閉塞部等の病変部へと進め、そして病変部に通したバルーン等の拡張体によって病変部を広げる。
【0003】
カテーテルは、押し込む力が基端側から先端側へと伝わることによって進むため、押し込む力を基端側から先端側へと伝達し得る性質、いわゆるプッシャビリティが必要とされる。例えば特許文献1に開示されたバルーンカテーテルでは、金属製のコアワイヤが、バルーンカテーテルの先端近傍に配置されたバルーンの内側でバルーンカテーテルに固定されるとともにバルーンカテーテルの基端側へ伸びており、このため、押し込み力が基端側から先端側へと伝わり易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4249150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術のようにバルーンの内側でコアワイヤが固定されていると、コアワイヤの剛性によって、バルーンが病変部又は血管等の管腔臓器における曲がりくねった湾曲部若しくは分岐した分岐部を通過するときこれらに合わせて変形し難いため、これら病変部等との間で接触抵抗が増し、よってバルーンが病変部等を通過し難くなる。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、プッシャビリティに優れ且つ病変部等を通過し易い拡張カテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための拡張カテーテルは、可撓性を有する長尺なカテーテル本体と、当該カテーテル本体に設けられた拡張可能で且つ収縮又は折り畳み可能な拡張体と、前記カテーテル本体において前記拡張体が配置された拡張体配置部に取付けられるとともに当該拡張体配置部より基端側へと伸びる補強体と、を有し、当該補強体は、前記拡張体配置部から外れないように且つ前記拡張体配置部に沿って進退可能に前記拡張体配置部に取付けられている。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した拡張カテーテルにあっては、補強体が拡張体配置部から外れないように取付けられているため、押し込み力が基端側から先端側へ伝わり易く、また、補強体が進退可能に拡張体配置部に取付けられているため、拡張体が病変部等を通過するとき病変部等に合わせて変形し易いように補強体が拡張体配置部における位置を変えることができ、その結果、拡張体と病変部等との接触抵抗が抑制される。従って、上記のように構成した拡張カテーテルは、プッシャビリティに優れ且つ病変部等を通過し易い。
【0009】
また、前記補強体は、前記拡張体配置部のまわりに回転可能に前記拡張体配置部に取り付けられているようにすれば、補強体が拡張体配置部における位置をより自由に変えられるため、拡張体が病変部等を通過するとき病変部等に合わせてより変形し易くなり、よって拡張体が一段と病変部等を通過し易くなる。
【0010】
また、前記カテーテル本体は、前記拡張体配置部を構成する管状体を有し、前記補強体は、前記管状体の周囲に摺動可能に配置された、当該管状体の軸方向に直交する断面が環形状を有する環状体に取付けられることによって前記拡張体配置部に取付けられているようにすれば、補強体が環状体によって拡張体配置部から外れないように取付けられているため、押し込み力が基端側から先端側へ伝わり易い。また、拡張体が病変部等を通過するとき病変部等に合わせて変形し易いように補強体が環状体とともに拡張体配置部における位置を変えることができ、その結果、拡張体と病変部等との接触抵抗が抑制される。従って、上記のように構成した拡張カテーテルは、プッシャビリティに優れ且つ病変部等を通過し易い。
【0011】
また、前記補強体の基端は、当該補強体において前記拡張体配置部に取付けられた部分に追従して進退動するとともに回転するようにすれば、補強体の基端が固定されている場合に比べ補強体がより自由に動き易くなるため、拡張体が病変部等を通過するとき病変部等に合わせてより変形し易くなり、よって拡張体が一段と病変部等を通過し易くなる。
【0012】
また、前記カテーテル本体は、前記管状体が内部に配置された外管と、当該外管の基端に接続し且つ当該外管に連通した、中空形状を有する基端シャフトと、を有し、前記補強体は、前記拡張体配置部から前記外管を通じて前記基端シャフトの内部へと伸びるとともに前記基端シャフトの内面に固定されているようにすれば、基端シャフトに加えられる押し込み力が、補強体を介して基端側から先端側へと伝わり易い。
【0013】
また、前記管状体の基端は、前記外管の内部から当該外管の外周に貫通して前記外管の外部と連通し、前記補強体は、前記基端シャフトの軸心を含み且つ前記外管において前記管状体の基端が貫通した貫通部を通る断面において前記基端シャフトの軸心に対し前記貫通部と反対側に位置する前記基端シャフトの内側部分、又は当該内側部分から前記基端シャフトの軸心まわりに90°以内の範囲で広がる前記基端シャフトの内面に固定されているようにすれば、補強体と管状体とが接触し難くなるため、補強体が内管に対して動き易い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態のバルーンカテーテルを示す図である。
【図2】実施形態のバルーンカテーテルの先端近傍を拡大して示す断面図である。
【図3】実施形態の補強体の位置が変化する様子を示す断面図である。
【図4】図2の4‐4線に沿う断面図である。
【図5】補強体の基端近傍を拡大して示す断面図である。
【図6】変形例のバルーンカテーテルの先端近傍を拡大して示す断面図である。
【図7】他の変形例のバルーンカテーテルの先端近傍を拡大して示す断面図である。
【図8】図7の8−8線に沿う断面図である。
【図9】さらに他の変形例のバルーンカテーテルを示す図である。
【図10】図9に示すバルーンカテーテルにおける基端シャフトと補強体との固定部分を拡大して示す断面図である。
【図11】図10の11−11線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる。
【0016】
図1に示すように、実施形態のバルーンカテーテル10(拡張カテーテル)は、可撓性を有する長尺なカテーテル本体11と、カテーテル本体11の先端に近接して設けられたバルーン14(拡張体)と、カテーテル本体11の基端に設けられたハブ18と、を有する。また、バルーンカテーテル10は、カテーテル本体11に設けられ基端側から先端側へと押し込み力を伝える補強体15を有する。
【0017】
カテーテル本体11は、軸方向に並び且つ相互に接合した先端シャフト12及び基端シャフト13を有する。先端シャフト12は、可撓性を有する外管121と、外管121の内部に配置された可撓性を有する内管120(管状体)と、を有する。
【0018】
外管121を形成する材料は、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びこれらの架橋もしくは部分架橋物)、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂である。内管120も例えば外管121と同様の材料によって形成される。
【0019】
内管120の先端は、外管121の先端から突出している。内管120の基端は、カテーテル本体11の軸方向中央又はそれよりも先端側で、外管121の内部から外管121の外周に貫通して外管121の外部と連通している。ガイドワイヤGWが内管120に挿通可能である。内管120の基端から挿入されたガイドワイヤGWは、内管120の先端から出る。バルーンカテーテル10は、カテーテル本体11の側面からガイドワイヤGWが挿通される、いわゆるラピッドエクスチェンジ型である。
【0020】
バルーン14は、内管120のうち外管121の先端から突出した突出部122(拡張体配置部)に配置される。バルーン14は、突出部122を囲むように設けられる。バルーン14は、突出部122の先端近傍で突出部122の外周に接合され、また、外管121の先端近傍で外管121の外周に接合される。これらの接合は、例えば、融着(具体的には、熱融着、高周波融着、超音波融着)、又は接着剤による接着である。バルーン14の内部は、外管121と連通している。バルーン14は、拡張する前、突出部122の外周に収縮又は折り畳まれた状態にしてある。
【0021】
バルーン14は可撓性を有する。バルーン14を形成する材料は、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアリレーンサルファイド等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等である。
【0022】
造影性を有するマーカ123、124が、突出部122に配置されている。本実施形態では、2つのマーカ123、124が互いに離隔して配置されている。マーカ123、124は環形状を有する。マーカ123、124は、突出部122に嵌合するとともに固定されている。マーカ123、124は、例えば、X線造影性、又は超音波造影性を有する。マーカ123、124に含まれる造影性材料は、例えば、プラチナ若しくはプラチナ合金、又は金若しくは金合金等の造影性金属、又は、硫酸バリウム、酸化ビスマス、若しくはタングステン粉末等の造影剤である。X線撮影等によって体内におけるマーカ123、124の位置が確認できる。
【0023】
基端シャフト13は、外管121の基端に挿入されるとともに接合されている。基端シャフト13は、軸方向に貫通するルーメン(不図示)を有する。基端シャフト13と外管121とは連通している。
【0024】
基端シャフト13は可撓性を有する。また、基端シャフト13は、先端シャフト12に比べ比較的高い剛性を有する。基端シャフト13を形成する材料は、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリイミド、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等である。また、基端シャフト13は、ステンレス、超弾性合金等の金属によって形成されてもよい。
【0025】
ハブ18は、基端シャフト13に固定され、また、基端シャフト13と連通している。また、ハブ18は、例えばシリンジ等のバルーン拡張器具(不図示)と接続可能である。バルーン拡張器具から供給される作動流体が、ハブ18、基端シャフト13、及び外管121を通って、バルーン14内に流入する。バルーン14内への作動流体の流入によって、バルーン14は拡張する。一方、バルーン14内の作動流体が、外管121、基端シャフト13、及びハブ18を通じ、バルーン拡張器具によって抜き取られることによって、バルーン14は収縮又は折り畳まれる。作動流体は好ましくは液体である。作動流体は、例えば、X線造影剤を生理食塩水によって希釈したものである。
【0026】
ハブ18を形成する材料は、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル‐スチレン‐ブタジエン共重合体等の樹脂材料またはステンレス鋼、チタンのような各種金属材料である。
【0027】
補強体15は、例えば、一本の線材、又は複数本の線材を拠ったものである。補強体15の剛性は、好ましくは、内管120の剛性以上である。補強体15の形成材料は、例えば、ステンレス鋼線、若しくはピアノ線、又は超弾性合金線、若しくはNi‐Ti合金、Cu‐Zn合金、Ni‐Al合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等の各種金属により形成された線材である。また、補強体15の形成材料は、比較的剛性の高い樹脂であってもよい。
【0028】
補強体15は、突出部122の周囲に摺動可能に配置された補強体取付部16(環状体)によって突出部122に取付けられ、また、突出部122より基端側へと伸びる。補強体15は、突出部122に沿って進退可能に且つ突出部122から外れないように突出部122に取付けられている。また、補強体15は、基端シャフト13に設けられた補強体取付部17によって基端シャフト13に取付けられている。補強体15は、基端シャフト13の軸状の先端部130に沿って進退可能に且つ先端部130から外れないように基端シャフト13に取付けられている。
【0029】
図2に示すように、補強体取付部16は、補強体15が挿入されて収まった挿入部160を有する。補強体15の先端150が挿入部160に挿入されている。補強体15は、補強体取付部16と突出部122との間で挟まれて突出部122に取付けられている。補強体15と補強体取付部16とは互いに干渉し合って突出部122に力を伝える。
【0030】
挿入部160は突出部122に沿って伸びている。補強体15は挿入部160で突出部122に沿って進退可能である。挿入部160では、補強体15が引き出される開口部161を除き、外部との連通が遮断されており、また、開口部161で補強体15の球状の先端150が補強体取付部16に引っ掛かるため、補強体15は補強体取付部16から外れない。補強体15の先端150は、開口部161における突出部122のまわりの隙間よりも大きい径を有するため、開口部161で補強体取付部16に引っ掛かる。
【0031】
補強体取付部16は、突出部122に進退可能に取付けられている。補強体15は、補強体取付部16とともに進退可能である。補強体取付部16は、マーカ123、124に引っ掛かって止まるため、突出部122よりも先端側及び基端側への補強体取付部16及び補強体15の移動が妨げられる。すなわち、マーカ123、124が、補強体取付部16及び補強体15が突出部122から外れるのを妨げるストッパとして機能する。
【0032】
補強体15と内管120との剛性が異なる場合、バルーンカテーテル10が例えば血管内を目的の病変部に向かって何度も曲がりながら進むうちに、補強体15及び内管120の曲率の相違に起因して突出部122に対する補強体15の位置が変化し易い。例えば、補強体15の剛性が内管120の剛性より大きい場合、補強体15は内管120よりも小さい曲率で曲がり易く、そのため、バルーンカテーテル10が目的の病変部に向かって何度も曲がりながら進むうちに、図3(A)〜(C)で順に示すように、補強体15は突出部122に対し基端側へ移動すると想定される。しかし、このように補強体15が移動したとしても、マーカ124によって、補強体取付部16及び補強体15が突出部122から外れることが防止される。
【0033】
図4に示すように、補強体取付部16にあっては突出部122の軸方向に直交する断面が環形状を有し、また、開口部161及び挿入部160は、突出部122のまわりの全周にわたって形成されている。このため、補強体15は、突出部122のまわりに回転可能である。
【0034】
図5に示すように、補強体取付部17は、補強体15が挿入されて収まった挿入部170を有する。補強体15の基端151が挿入部170に挿入されている。補強体15は、補強体取付部17と基端シャフト13の先端部130との間で挟まれて先端部130に取付けられている。
【0035】
挿入部170は先端部130に沿って伸びている。補強体15は挿入部170で先端部130に沿って進退可能である。挿入部170では、補強体15が引き出される開口部171を除き、外部との連通が遮断されており、また、開口部171で補強体15の球状の基端151が補強体取付部17に引っ掛かるため、補強体15は補強体取付部17から外れない。補強体15の基端151は、開口部171における先端部130のまわりの隙間よりも大きい径を有するため、開口部171で補強体取付部17に引っ掛かる。
【0036】
補強体取付部17は、先端部130に進退可能に取付けられている。補強体15は、補強体取付部17とともに進退可能である。先端部130に設けられたストッパ131、及び先端部130より軸方向基端側へ拡径するテーパ部132が、先端部130よりも先端側及び基端側への補強体取付部17及び補強体15の移動を妨げるため、これらが先端部130から外れない。
【0037】
補強体取付部17においても、補強体取付部16と同様、挿入部170及び開口部171は、先端部130のまわりに全周にわたって形成されており、このため、補強体15は、先端部130のまわりに回転可能である。
【0038】
補強体15の基端151は、補強体15の先端150の進退動にともなって進退動する。また、補強体15の基端151は、補強体15の先端150の回転にともなって回転する。
【0039】
次に、バルーンカテーテル10の使用方法の一例として、血管に生じた狭窄部又は閉塞部等の病変部を拡張する場合におけるバルーンカテーテル10の使用方法について述べる。血管とは、例えば心臓の冠状動脈又は下肢動脈等である。
【0040】
概説すると、バルーンカテーテル10の使用方法は、病変部へとバルーンカテーテル10を進める挿入工程と、挿入工程後、病変部でバルーン14を拡張する拡張工程と、を有する。
【0041】
挿入工程では、術者は、血管に穿刺した中空形状を有する針を通じガイドワイヤGWを血管内に導入し、続いて、ガイドワイヤGWに沿わせてバルーンカテーテル10を経皮的に血管内へ挿入する。術者は、先行したガイドワイヤGWを内管120に通すとともに、バルーンカテーテル10を基端側から先端側へ押込むことによって、ガイドワイヤGWに沿わせてバルーンカテーテル10を進める。術者は、X線透視下でマーカ123、124の位置を確認しつつ、目的とする病変部へとバルーンカテーテル10を進める。
【0042】
拡張工程では、術者は、病変部にバルーン14を通した状態で、バルーン14内に作動流体を供給することによってバルーン14を拡張させる。術者は、ハブ18に接続したバルーン拡張器具(不図示)から基端シャフト13及び外管121を通じバルーン14内に作動流体を供給する。拡張したバルーン14は病変部を拡張する。
【0043】
拡張工程後、術者は、ハブ18に接続したバルーン拡張器具(不図示)によってバルーン14から作動流体を抜き取ることによって、バルーン14を収縮させる。バルーン14の収縮後、術者は、バルーンカテーテル10を血管内から抜去し、次いでガイドワイヤGWを抜去する。
【0044】
本実施形態のバルーンカテーテル10の作用効果を述べる。
【0045】
バルーンカテーテル10にあっては、補強体15が突出部122から外れないように取付けられているため、押し込み力が基端側から先端側へと伝わり易い。その上、補強体15が進退可能に突出部122に取付けられているため、バルーン14が、病変部、又は血管等の管腔臓器における曲がりくねった湾曲部若しくは分岐した分岐部を通過するとき、これら病変部等に合わせてバルーン14が変形し易いように補強体15が突出部122における位置を変えることができ、その結果、バルーン14と病変部等との接触抵抗が抑制される。従って、バルーンカテーテル10は、プッシャビリティに優れ且つ病変部等を通過し易い。
【0046】
また、補強体15が突出部122から外れないように突出部122に取付けられているため、病変部等を通過する際に抵抗を受け易いバルーン14の屈曲防止を図り得る。
【0047】
また、補強体15が、突出部122のまわりに回転可能に突出部122に取り付けられていることによって、補強体15が突出部122における位置をより自由に変えられるため、バルーン14が病変部等を通過するとき病変部等に合わせてより変形し易く、よってバルーン14が一段と病変部等を通過し易い。
【0048】
また、補強体15の基端151が、補強体15の先端150に追従して進退動するとともに回転することによって、基端151が固定されている場合に比べ補強体15がより自由に動き易いため、バルーン14が病変部等を通過するとき病変部等に合わせてより変形し易く、よってバルーン14が一段と病変部等を通過し易い。
【0049】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変できる。
【0050】
例えば、補強体は拡張体配置部から外れないように且つ拡張体配置部に沿って進退可能に拡張体配置部に取付けられていればよく、従って、図6に示すように、上記実施形態における補強体取付部16を、他の補強体取付部16Aに変更してもよい。
【0051】
補強体取付部16Aは、突出部122に進退可能に嵌合した環状の部材である。また、補強体取付部16Aは、突出部122のまわりに回転可能である。補強体15は、先端150で補強体取付部16Aの内周に固定されることによって補強体取付部16Aを介して突出部122に取付けられている。補強体15は、補強体取付部16Aとともに進退動するとともに回転する。補強体15の先端150がマーカ123、124に引っ掛かることによって、突出部122から補強体15が外れることが防止される。
【0052】
また、図7に示すように、上記実施形態における補強体取付部16を、さらに他の補強体取付部16Bに変更してもよい。補強体取付部16Bは、突出部122に沿って伸びる貫通孔160Bを有する。補強体15は貫通孔160Bに挿通されており、貫通孔160Bで突出部122に沿って進退可能である。貫通孔160Bは基端側に向かって縮径するテーパ形状を有する。貫通孔160Bにおける基端側の開口部の径は、補強体15の先端150の径より小さい。従って、先端150が貫通孔160Bにおける基端側の開口部に引っ掛かるため、補強体15が補強体取付部16Bから基端方向へ外れることが防止される。また、補強体15は、上記実施形態で述べたように基端151で基端シャフト13に取付けられているため、補強体取付部16Bから先端方向へ抜けることが防止される。
【0053】
図8に示すように、補強体取付部16Bにあっては突出部122の軸方向に直交する断面が環形状を有し、また、貫通孔160Bは突出部122のまわりに形成されている。そのため、補強体15は突出部122のまわりに回転するように動くことができる。補強体取付部16Bは、突出部122に進退可能に取付けられている。補強体取付部16Bは、マーカ123、124に引っ掛かって止まるため、突出部122よりも先端側及び基端側への補強体取付部16Bの移動が妨げられる。
【0054】
また、拡張体はバルーンに限定されず、ステントのようなカテーテル本体のまわりに拡張収縮するネット状の部材、又はカテーテル本体のまわりに周方向に複数配列された拡張収縮する線状の部材であってもよい。
【0055】
また、バルーンカテーテルは、上記実施形態のようなラピッドエクスチェンジ型に限定されず、ガイドワイヤが挿通されるルーメンがカテーテル本体の先端から基端までの全体にわたって伸びるオーバーザワイヤ型であってもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、補強体15が、突出部122に沿って進退可能であり且つ突出部122のまわりに回転可能であるが、これに限定されない。すなわち補強体15が突出部122に沿って進退可能であるが、突出部122のまわりに回転しない形態を含む。
【0057】
また、上記実施形態では補強体取付部16が突出部122に沿って進退動するが、補強体取付部16は突出部122に固定されていてもよい。この場合、補強体15は、挿入部160で突出部122に沿って進退動する。
【0058】
また、上記実施形態では、補強体15がマーカ123、124の間で進退動するが、これに限定されない。すなわち、補強体は、拡張体配置部から外れない範囲で進退動すればよく、上記実施形態において、補強体15が突出部122の端から端まで進退動するようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態において、補強体取付部17がなく、補強体15の基端151が外管121内で自由に動ける状態であってもよい。また、ハブ18内に補強体取付部を設け、ハブ内で補強体取付部とともに補強体が進退動するようにしてもよい。
【0060】
また、バルーンカテーテルは、血管で用いられるものに限定されず、例えば胆管、食道、気管、尿道、及び消化管等の他の管腔臓器で用いられるものであってもよい。
【0061】
また、補強体15の基端151は例えば基端シャフト13又はハブ18内に固定されていてもよい。また、図9に示す変形例のカテーテル10Cのように、上記実施形態と異なり基端151を有さない補強体15Cが、基端近傍の外周で、管状の基端シャフト13Cの内面に固定されていてもよい。
【0062】
補強体15Cは、球状の基端151を有さない点で上記実施形態の補強体15と異なるが、これ以外の点、例えば補強体取付部16によって突出部122から外れないように且つ進退可能に突出部122に取付けられていること等については、補強体15Cは補強体15と同様である。また、基端シャフト13Cは、上記実施形態のように軸方向先端に向かって縮径しておらず、軸方向に略一定の外径を有する。このこと以外については、基端シャフト13Cは、上記実施形態の基端シャフト13と同様である。また、補強体15C、及び基端シャフト13C以外については、変形例のカテーテル10Cは上記実施形態のカテーテル10と略同様である。
【0063】
本変形例にあっては、補強体15Cは、突出部122から外管121を通じて基端シャフト13Cの内部へと伸びるとともに基端シャフト13Cの内面に固定されている。ここで、補強体15Cは、図10に示すように、基端シャフト13Cの軸心SCを含み且つ外管121において内管120の基端が貫通した貫通部125を通る断面において、軸心SCに対し貫通部125と反対側に位置する基端シャフト13Cの内側部分130Cに固定されている。補強体15Cは、基端近傍の外周で、例えば接着剤によって内側部分130Cに固定される。
【0064】
補強体15Cが基端シャフト13Cに固定されているため、基端シャフト13Cに加えられる押し込み力が、補強体15Cを介して基端側から先端側へと伝わり易い。また、補強体15Cが、内側部分130Cで基端シャフト13Cに固定されており、そのため補強体15Cと内管120とが接触し難くなるので、補強体15Cの先端が内管120に対して動き易い。
【0065】
本変形例では補強体15Cが内側部分130Cで基端シャフト13Cに固定されるが、これに限定されない。補強体15Cは、図11に示すように、内側部分130Cから基端シャフト13Cの軸心SCまわりに90°以内の範囲で広がる基端シャフト13Cの内面131Cに固定されていてもよい。このように固定されることによって、補強体15Cと内管120とが接触し難くなるので、補強体15Cの先端が内管120に対して動き易い。
【符号の説明】
【0066】
10、10C バルーンカテーテル(拡張カテーテル)、
11、11C カテーテル本体、
12 先端シャフト、
120 内管(管状体)、
121 外管、
122 突出部(拡張体配置部)、
123、124 マーカ、
125 貫通部、
13、13C 基端シャフト、
130 基端シャフトの先端部、
131 ストッパ、
132 テーパ部、
130C 基端シャフトの軸心に対し貫通部と反対側に位置する基端シャフトの内側部分、
131C 基端シャフトの内側部分から基端シャフトの軸心まわりに90°以内の範囲で広がる内面、
14 バルーン(拡張体)、
15、15C 補強体、
150 補強体の先端(補強体において拡張体配置部に取付けられた部分)、
151 補強体の基端、
16、16A、16B 補強体取付部(環状体)、
17 補強体取付部、
GW ガイドワイヤ、
SC 軸心。
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管等に生じた狭窄部又は閉塞部の改善に用いられる拡張カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、血管に生じた狭窄部又は閉塞部をカテーテルによって拡張する治療が広く行われている。術者は、経皮的に血管内へと挿入したカテーテルを狭窄部又は閉塞部等の病変部へと進め、そして病変部に通したバルーン等の拡張体によって病変部を広げる。
【0003】
カテーテルは、押し込む力が基端側から先端側へと伝わることによって進むため、押し込む力を基端側から先端側へと伝達し得る性質、いわゆるプッシャビリティが必要とされる。例えば特許文献1に開示されたバルーンカテーテルでは、金属製のコアワイヤが、バルーンカテーテルの先端近傍に配置されたバルーンの内側でバルーンカテーテルに固定されるとともにバルーンカテーテルの基端側へ伸びており、このため、押し込み力が基端側から先端側へと伝わり易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4249150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術のようにバルーンの内側でコアワイヤが固定されていると、コアワイヤの剛性によって、バルーンが病変部又は血管等の管腔臓器における曲がりくねった湾曲部若しくは分岐した分岐部を通過するときこれらに合わせて変形し難いため、これら病変部等との間で接触抵抗が増し、よってバルーンが病変部等を通過し難くなる。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、プッシャビリティに優れ且つ病変部等を通過し易い拡張カテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための拡張カテーテルは、可撓性を有する長尺なカテーテル本体と、当該カテーテル本体に設けられた拡張可能で且つ収縮又は折り畳み可能な拡張体と、前記カテーテル本体において前記拡張体が配置された拡張体配置部に取付けられるとともに当該拡張体配置部より基端側へと伸びる補強体と、を有し、当該補強体は、前記拡張体配置部から外れないように且つ前記拡張体配置部に沿って進退可能に前記拡張体配置部に取付けられている。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した拡張カテーテルにあっては、補強体が拡張体配置部から外れないように取付けられているため、押し込み力が基端側から先端側へ伝わり易く、また、補強体が進退可能に拡張体配置部に取付けられているため、拡張体が病変部等を通過するとき病変部等に合わせて変形し易いように補強体が拡張体配置部における位置を変えることができ、その結果、拡張体と病変部等との接触抵抗が抑制される。従って、上記のように構成した拡張カテーテルは、プッシャビリティに優れ且つ病変部等を通過し易い。
【0009】
また、前記補強体は、前記拡張体配置部のまわりに回転可能に前記拡張体配置部に取り付けられているようにすれば、補強体が拡張体配置部における位置をより自由に変えられるため、拡張体が病変部等を通過するとき病変部等に合わせてより変形し易くなり、よって拡張体が一段と病変部等を通過し易くなる。
【0010】
また、前記カテーテル本体は、前記拡張体配置部を構成する管状体を有し、前記補強体は、前記管状体の周囲に摺動可能に配置された、当該管状体の軸方向に直交する断面が環形状を有する環状体に取付けられることによって前記拡張体配置部に取付けられているようにすれば、補強体が環状体によって拡張体配置部から外れないように取付けられているため、押し込み力が基端側から先端側へ伝わり易い。また、拡張体が病変部等を通過するとき病変部等に合わせて変形し易いように補強体が環状体とともに拡張体配置部における位置を変えることができ、その結果、拡張体と病変部等との接触抵抗が抑制される。従って、上記のように構成した拡張カテーテルは、プッシャビリティに優れ且つ病変部等を通過し易い。
【0011】
また、前記補強体の基端は、当該補強体において前記拡張体配置部に取付けられた部分に追従して進退動するとともに回転するようにすれば、補強体の基端が固定されている場合に比べ補強体がより自由に動き易くなるため、拡張体が病変部等を通過するとき病変部等に合わせてより変形し易くなり、よって拡張体が一段と病変部等を通過し易くなる。
【0012】
また、前記カテーテル本体は、前記管状体が内部に配置された外管と、当該外管の基端に接続し且つ当該外管に連通した、中空形状を有する基端シャフトと、を有し、前記補強体は、前記拡張体配置部から前記外管を通じて前記基端シャフトの内部へと伸びるとともに前記基端シャフトの内面に固定されているようにすれば、基端シャフトに加えられる押し込み力が、補強体を介して基端側から先端側へと伝わり易い。
【0013】
また、前記管状体の基端は、前記外管の内部から当該外管の外周に貫通して前記外管の外部と連通し、前記補強体は、前記基端シャフトの軸心を含み且つ前記外管において前記管状体の基端が貫通した貫通部を通る断面において前記基端シャフトの軸心に対し前記貫通部と反対側に位置する前記基端シャフトの内側部分、又は当該内側部分から前記基端シャフトの軸心まわりに90°以内の範囲で広がる前記基端シャフトの内面に固定されているようにすれば、補強体と管状体とが接触し難くなるため、補強体が内管に対して動き易い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態のバルーンカテーテルを示す図である。
【図2】実施形態のバルーンカテーテルの先端近傍を拡大して示す断面図である。
【図3】実施形態の補強体の位置が変化する様子を示す断面図である。
【図4】図2の4‐4線に沿う断面図である。
【図5】補強体の基端近傍を拡大して示す断面図である。
【図6】変形例のバルーンカテーテルの先端近傍を拡大して示す断面図である。
【図7】他の変形例のバルーンカテーテルの先端近傍を拡大して示す断面図である。
【図8】図7の8−8線に沿う断面図である。
【図9】さらに他の変形例のバルーンカテーテルを示す図である。
【図10】図9に示すバルーンカテーテルにおける基端シャフトと補強体との固定部分を拡大して示す断面図である。
【図11】図10の11−11線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる。
【0016】
図1に示すように、実施形態のバルーンカテーテル10(拡張カテーテル)は、可撓性を有する長尺なカテーテル本体11と、カテーテル本体11の先端に近接して設けられたバルーン14(拡張体)と、カテーテル本体11の基端に設けられたハブ18と、を有する。また、バルーンカテーテル10は、カテーテル本体11に設けられ基端側から先端側へと押し込み力を伝える補強体15を有する。
【0017】
カテーテル本体11は、軸方向に並び且つ相互に接合した先端シャフト12及び基端シャフト13を有する。先端シャフト12は、可撓性を有する外管121と、外管121の内部に配置された可撓性を有する内管120(管状体)と、を有する。
【0018】
外管121を形成する材料は、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びこれらの架橋もしくは部分架橋物)、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂である。内管120も例えば外管121と同様の材料によって形成される。
【0019】
内管120の先端は、外管121の先端から突出している。内管120の基端は、カテーテル本体11の軸方向中央又はそれよりも先端側で、外管121の内部から外管121の外周に貫通して外管121の外部と連通している。ガイドワイヤGWが内管120に挿通可能である。内管120の基端から挿入されたガイドワイヤGWは、内管120の先端から出る。バルーンカテーテル10は、カテーテル本体11の側面からガイドワイヤGWが挿通される、いわゆるラピッドエクスチェンジ型である。
【0020】
バルーン14は、内管120のうち外管121の先端から突出した突出部122(拡張体配置部)に配置される。バルーン14は、突出部122を囲むように設けられる。バルーン14は、突出部122の先端近傍で突出部122の外周に接合され、また、外管121の先端近傍で外管121の外周に接合される。これらの接合は、例えば、融着(具体的には、熱融着、高周波融着、超音波融着)、又は接着剤による接着である。バルーン14の内部は、外管121と連通している。バルーン14は、拡張する前、突出部122の外周に収縮又は折り畳まれた状態にしてある。
【0021】
バルーン14は可撓性を有する。バルーン14を形成する材料は、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアリレーンサルファイド等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等である。
【0022】
造影性を有するマーカ123、124が、突出部122に配置されている。本実施形態では、2つのマーカ123、124が互いに離隔して配置されている。マーカ123、124は環形状を有する。マーカ123、124は、突出部122に嵌合するとともに固定されている。マーカ123、124は、例えば、X線造影性、又は超音波造影性を有する。マーカ123、124に含まれる造影性材料は、例えば、プラチナ若しくはプラチナ合金、又は金若しくは金合金等の造影性金属、又は、硫酸バリウム、酸化ビスマス、若しくはタングステン粉末等の造影剤である。X線撮影等によって体内におけるマーカ123、124の位置が確認できる。
【0023】
基端シャフト13は、外管121の基端に挿入されるとともに接合されている。基端シャフト13は、軸方向に貫通するルーメン(不図示)を有する。基端シャフト13と外管121とは連通している。
【0024】
基端シャフト13は可撓性を有する。また、基端シャフト13は、先端シャフト12に比べ比較的高い剛性を有する。基端シャフト13を形成する材料は、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリイミド、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等である。また、基端シャフト13は、ステンレス、超弾性合金等の金属によって形成されてもよい。
【0025】
ハブ18は、基端シャフト13に固定され、また、基端シャフト13と連通している。また、ハブ18は、例えばシリンジ等のバルーン拡張器具(不図示)と接続可能である。バルーン拡張器具から供給される作動流体が、ハブ18、基端シャフト13、及び外管121を通って、バルーン14内に流入する。バルーン14内への作動流体の流入によって、バルーン14は拡張する。一方、バルーン14内の作動流体が、外管121、基端シャフト13、及びハブ18を通じ、バルーン拡張器具によって抜き取られることによって、バルーン14は収縮又は折り畳まれる。作動流体は好ましくは液体である。作動流体は、例えば、X線造影剤を生理食塩水によって希釈したものである。
【0026】
ハブ18を形成する材料は、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル‐スチレン‐ブタジエン共重合体等の樹脂材料またはステンレス鋼、チタンのような各種金属材料である。
【0027】
補強体15は、例えば、一本の線材、又は複数本の線材を拠ったものである。補強体15の剛性は、好ましくは、内管120の剛性以上である。補強体15の形成材料は、例えば、ステンレス鋼線、若しくはピアノ線、又は超弾性合金線、若しくはNi‐Ti合金、Cu‐Zn合金、Ni‐Al合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等の各種金属により形成された線材である。また、補強体15の形成材料は、比較的剛性の高い樹脂であってもよい。
【0028】
補強体15は、突出部122の周囲に摺動可能に配置された補強体取付部16(環状体)によって突出部122に取付けられ、また、突出部122より基端側へと伸びる。補強体15は、突出部122に沿って進退可能に且つ突出部122から外れないように突出部122に取付けられている。また、補強体15は、基端シャフト13に設けられた補強体取付部17によって基端シャフト13に取付けられている。補強体15は、基端シャフト13の軸状の先端部130に沿って進退可能に且つ先端部130から外れないように基端シャフト13に取付けられている。
【0029】
図2に示すように、補強体取付部16は、補強体15が挿入されて収まった挿入部160を有する。補強体15の先端150が挿入部160に挿入されている。補強体15は、補強体取付部16と突出部122との間で挟まれて突出部122に取付けられている。補強体15と補強体取付部16とは互いに干渉し合って突出部122に力を伝える。
【0030】
挿入部160は突出部122に沿って伸びている。補強体15は挿入部160で突出部122に沿って進退可能である。挿入部160では、補強体15が引き出される開口部161を除き、外部との連通が遮断されており、また、開口部161で補強体15の球状の先端150が補強体取付部16に引っ掛かるため、補強体15は補強体取付部16から外れない。補強体15の先端150は、開口部161における突出部122のまわりの隙間よりも大きい径を有するため、開口部161で補強体取付部16に引っ掛かる。
【0031】
補強体取付部16は、突出部122に進退可能に取付けられている。補強体15は、補強体取付部16とともに進退可能である。補強体取付部16は、マーカ123、124に引っ掛かって止まるため、突出部122よりも先端側及び基端側への補強体取付部16及び補強体15の移動が妨げられる。すなわち、マーカ123、124が、補強体取付部16及び補強体15が突出部122から外れるのを妨げるストッパとして機能する。
【0032】
補強体15と内管120との剛性が異なる場合、バルーンカテーテル10が例えば血管内を目的の病変部に向かって何度も曲がりながら進むうちに、補強体15及び内管120の曲率の相違に起因して突出部122に対する補強体15の位置が変化し易い。例えば、補強体15の剛性が内管120の剛性より大きい場合、補強体15は内管120よりも小さい曲率で曲がり易く、そのため、バルーンカテーテル10が目的の病変部に向かって何度も曲がりながら進むうちに、図3(A)〜(C)で順に示すように、補強体15は突出部122に対し基端側へ移動すると想定される。しかし、このように補強体15が移動したとしても、マーカ124によって、補強体取付部16及び補強体15が突出部122から外れることが防止される。
【0033】
図4に示すように、補強体取付部16にあっては突出部122の軸方向に直交する断面が環形状を有し、また、開口部161及び挿入部160は、突出部122のまわりの全周にわたって形成されている。このため、補強体15は、突出部122のまわりに回転可能である。
【0034】
図5に示すように、補強体取付部17は、補強体15が挿入されて収まった挿入部170を有する。補強体15の基端151が挿入部170に挿入されている。補強体15は、補強体取付部17と基端シャフト13の先端部130との間で挟まれて先端部130に取付けられている。
【0035】
挿入部170は先端部130に沿って伸びている。補強体15は挿入部170で先端部130に沿って進退可能である。挿入部170では、補強体15が引き出される開口部171を除き、外部との連通が遮断されており、また、開口部171で補強体15の球状の基端151が補強体取付部17に引っ掛かるため、補強体15は補強体取付部17から外れない。補強体15の基端151は、開口部171における先端部130のまわりの隙間よりも大きい径を有するため、開口部171で補強体取付部17に引っ掛かる。
【0036】
補強体取付部17は、先端部130に進退可能に取付けられている。補強体15は、補強体取付部17とともに進退可能である。先端部130に設けられたストッパ131、及び先端部130より軸方向基端側へ拡径するテーパ部132が、先端部130よりも先端側及び基端側への補強体取付部17及び補強体15の移動を妨げるため、これらが先端部130から外れない。
【0037】
補強体取付部17においても、補強体取付部16と同様、挿入部170及び開口部171は、先端部130のまわりに全周にわたって形成されており、このため、補強体15は、先端部130のまわりに回転可能である。
【0038】
補強体15の基端151は、補強体15の先端150の進退動にともなって進退動する。また、補強体15の基端151は、補強体15の先端150の回転にともなって回転する。
【0039】
次に、バルーンカテーテル10の使用方法の一例として、血管に生じた狭窄部又は閉塞部等の病変部を拡張する場合におけるバルーンカテーテル10の使用方法について述べる。血管とは、例えば心臓の冠状動脈又は下肢動脈等である。
【0040】
概説すると、バルーンカテーテル10の使用方法は、病変部へとバルーンカテーテル10を進める挿入工程と、挿入工程後、病変部でバルーン14を拡張する拡張工程と、を有する。
【0041】
挿入工程では、術者は、血管に穿刺した中空形状を有する針を通じガイドワイヤGWを血管内に導入し、続いて、ガイドワイヤGWに沿わせてバルーンカテーテル10を経皮的に血管内へ挿入する。術者は、先行したガイドワイヤGWを内管120に通すとともに、バルーンカテーテル10を基端側から先端側へ押込むことによって、ガイドワイヤGWに沿わせてバルーンカテーテル10を進める。術者は、X線透視下でマーカ123、124の位置を確認しつつ、目的とする病変部へとバルーンカテーテル10を進める。
【0042】
拡張工程では、術者は、病変部にバルーン14を通した状態で、バルーン14内に作動流体を供給することによってバルーン14を拡張させる。術者は、ハブ18に接続したバルーン拡張器具(不図示)から基端シャフト13及び外管121を通じバルーン14内に作動流体を供給する。拡張したバルーン14は病変部を拡張する。
【0043】
拡張工程後、術者は、ハブ18に接続したバルーン拡張器具(不図示)によってバルーン14から作動流体を抜き取ることによって、バルーン14を収縮させる。バルーン14の収縮後、術者は、バルーンカテーテル10を血管内から抜去し、次いでガイドワイヤGWを抜去する。
【0044】
本実施形態のバルーンカテーテル10の作用効果を述べる。
【0045】
バルーンカテーテル10にあっては、補強体15が突出部122から外れないように取付けられているため、押し込み力が基端側から先端側へと伝わり易い。その上、補強体15が進退可能に突出部122に取付けられているため、バルーン14が、病変部、又は血管等の管腔臓器における曲がりくねった湾曲部若しくは分岐した分岐部を通過するとき、これら病変部等に合わせてバルーン14が変形し易いように補強体15が突出部122における位置を変えることができ、その結果、バルーン14と病変部等との接触抵抗が抑制される。従って、バルーンカテーテル10は、プッシャビリティに優れ且つ病変部等を通過し易い。
【0046】
また、補強体15が突出部122から外れないように突出部122に取付けられているため、病変部等を通過する際に抵抗を受け易いバルーン14の屈曲防止を図り得る。
【0047】
また、補強体15が、突出部122のまわりに回転可能に突出部122に取り付けられていることによって、補強体15が突出部122における位置をより自由に変えられるため、バルーン14が病変部等を通過するとき病変部等に合わせてより変形し易く、よってバルーン14が一段と病変部等を通過し易い。
【0048】
また、補強体15の基端151が、補強体15の先端150に追従して進退動するとともに回転することによって、基端151が固定されている場合に比べ補強体15がより自由に動き易いため、バルーン14が病変部等を通過するとき病変部等に合わせてより変形し易く、よってバルーン14が一段と病変部等を通過し易い。
【0049】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変できる。
【0050】
例えば、補強体は拡張体配置部から外れないように且つ拡張体配置部に沿って進退可能に拡張体配置部に取付けられていればよく、従って、図6に示すように、上記実施形態における補強体取付部16を、他の補強体取付部16Aに変更してもよい。
【0051】
補強体取付部16Aは、突出部122に進退可能に嵌合した環状の部材である。また、補強体取付部16Aは、突出部122のまわりに回転可能である。補強体15は、先端150で補強体取付部16Aの内周に固定されることによって補強体取付部16Aを介して突出部122に取付けられている。補強体15は、補強体取付部16Aとともに進退動するとともに回転する。補強体15の先端150がマーカ123、124に引っ掛かることによって、突出部122から補強体15が外れることが防止される。
【0052】
また、図7に示すように、上記実施形態における補強体取付部16を、さらに他の補強体取付部16Bに変更してもよい。補強体取付部16Bは、突出部122に沿って伸びる貫通孔160Bを有する。補強体15は貫通孔160Bに挿通されており、貫通孔160Bで突出部122に沿って進退可能である。貫通孔160Bは基端側に向かって縮径するテーパ形状を有する。貫通孔160Bにおける基端側の開口部の径は、補強体15の先端150の径より小さい。従って、先端150が貫通孔160Bにおける基端側の開口部に引っ掛かるため、補強体15が補強体取付部16Bから基端方向へ外れることが防止される。また、補強体15は、上記実施形態で述べたように基端151で基端シャフト13に取付けられているため、補強体取付部16Bから先端方向へ抜けることが防止される。
【0053】
図8に示すように、補強体取付部16Bにあっては突出部122の軸方向に直交する断面が環形状を有し、また、貫通孔160Bは突出部122のまわりに形成されている。そのため、補強体15は突出部122のまわりに回転するように動くことができる。補強体取付部16Bは、突出部122に進退可能に取付けられている。補強体取付部16Bは、マーカ123、124に引っ掛かって止まるため、突出部122よりも先端側及び基端側への補強体取付部16Bの移動が妨げられる。
【0054】
また、拡張体はバルーンに限定されず、ステントのようなカテーテル本体のまわりに拡張収縮するネット状の部材、又はカテーテル本体のまわりに周方向に複数配列された拡張収縮する線状の部材であってもよい。
【0055】
また、バルーンカテーテルは、上記実施形態のようなラピッドエクスチェンジ型に限定されず、ガイドワイヤが挿通されるルーメンがカテーテル本体の先端から基端までの全体にわたって伸びるオーバーザワイヤ型であってもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、補強体15が、突出部122に沿って進退可能であり且つ突出部122のまわりに回転可能であるが、これに限定されない。すなわち補強体15が突出部122に沿って進退可能であるが、突出部122のまわりに回転しない形態を含む。
【0057】
また、上記実施形態では補強体取付部16が突出部122に沿って進退動するが、補強体取付部16は突出部122に固定されていてもよい。この場合、補強体15は、挿入部160で突出部122に沿って進退動する。
【0058】
また、上記実施形態では、補強体15がマーカ123、124の間で進退動するが、これに限定されない。すなわち、補強体は、拡張体配置部から外れない範囲で進退動すればよく、上記実施形態において、補強体15が突出部122の端から端まで進退動するようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態において、補強体取付部17がなく、補強体15の基端151が外管121内で自由に動ける状態であってもよい。また、ハブ18内に補強体取付部を設け、ハブ内で補強体取付部とともに補強体が進退動するようにしてもよい。
【0060】
また、バルーンカテーテルは、血管で用いられるものに限定されず、例えば胆管、食道、気管、尿道、及び消化管等の他の管腔臓器で用いられるものであってもよい。
【0061】
また、補強体15の基端151は例えば基端シャフト13又はハブ18内に固定されていてもよい。また、図9に示す変形例のカテーテル10Cのように、上記実施形態と異なり基端151を有さない補強体15Cが、基端近傍の外周で、管状の基端シャフト13Cの内面に固定されていてもよい。
【0062】
補強体15Cは、球状の基端151を有さない点で上記実施形態の補強体15と異なるが、これ以外の点、例えば補強体取付部16によって突出部122から外れないように且つ進退可能に突出部122に取付けられていること等については、補強体15Cは補強体15と同様である。また、基端シャフト13Cは、上記実施形態のように軸方向先端に向かって縮径しておらず、軸方向に略一定の外径を有する。このこと以外については、基端シャフト13Cは、上記実施形態の基端シャフト13と同様である。また、補強体15C、及び基端シャフト13C以外については、変形例のカテーテル10Cは上記実施形態のカテーテル10と略同様である。
【0063】
本変形例にあっては、補強体15Cは、突出部122から外管121を通じて基端シャフト13Cの内部へと伸びるとともに基端シャフト13Cの内面に固定されている。ここで、補強体15Cは、図10に示すように、基端シャフト13Cの軸心SCを含み且つ外管121において内管120の基端が貫通した貫通部125を通る断面において、軸心SCに対し貫通部125と反対側に位置する基端シャフト13Cの内側部分130Cに固定されている。補強体15Cは、基端近傍の外周で、例えば接着剤によって内側部分130Cに固定される。
【0064】
補強体15Cが基端シャフト13Cに固定されているため、基端シャフト13Cに加えられる押し込み力が、補強体15Cを介して基端側から先端側へと伝わり易い。また、補強体15Cが、内側部分130Cで基端シャフト13Cに固定されており、そのため補強体15Cと内管120とが接触し難くなるので、補強体15Cの先端が内管120に対して動き易い。
【0065】
本変形例では補強体15Cが内側部分130Cで基端シャフト13Cに固定されるが、これに限定されない。補強体15Cは、図11に示すように、内側部分130Cから基端シャフト13Cの軸心SCまわりに90°以内の範囲で広がる基端シャフト13Cの内面131Cに固定されていてもよい。このように固定されることによって、補強体15Cと内管120とが接触し難くなるので、補強体15Cの先端が内管120に対して動き易い。
【符号の説明】
【0066】
10、10C バルーンカテーテル(拡張カテーテル)、
11、11C カテーテル本体、
12 先端シャフト、
120 内管(管状体)、
121 外管、
122 突出部(拡張体配置部)、
123、124 マーカ、
125 貫通部、
13、13C 基端シャフト、
130 基端シャフトの先端部、
131 ストッパ、
132 テーパ部、
130C 基端シャフトの軸心に対し貫通部と反対側に位置する基端シャフトの内側部分、
131C 基端シャフトの内側部分から基端シャフトの軸心まわりに90°以内の範囲で広がる内面、
14 バルーン(拡張体)、
15、15C 補強体、
150 補強体の先端(補強体において拡張体配置部に取付けられた部分)、
151 補強体の基端、
16、16A、16B 補強体取付部(環状体)、
17 補強体取付部、
GW ガイドワイヤ、
SC 軸心。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する長尺なカテーテル本体と、
当該カテーテル本体に設けられた拡張可能で且つ収縮又は折り畳み可能な拡張体と、
前記カテーテル本体において前記拡張体が配置された拡張体配置部に取付けられるとともに当該拡張体配置部より基端側へと伸びる補強体と、を有し、
当該補強体は、前記拡張体配置部から外れないように且つ前記拡張体配置部に沿って進退可能に前記拡張体配置部に取付けられている、拡張カテーテル。
【請求項2】
前記補強体は、前記拡張体配置部のまわりに回転可能に前記拡張体配置部に取付けられている、請求項1に記載の拡張カテーテル。
【請求項3】
前記カテーテル本体は、前記拡張体配置部を構成する管状体を有し、前記補強体は、前記管状体の周囲に摺動可能に配置された、当該管状体の軸方向に直交する断面が環形状を有する環状体に取付けられることによって前記拡張体配置部に取付けられている、請求項1又は請求項2に記載の拡張カテーテル。
【請求項4】
前記補強体の基端は、当該補強体において前記拡張体配置部に取付けられた部分に追従して進退動するとともに回転する、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1つに記載の拡張カテーテル。
【請求項5】
前記カテーテル本体は、前記管状体が内部に配置された外管と、当該外管の基端に接続し且つ当該外管に連通した、中空形状を有する基端シャフトと、を有し、
前記補強体は、前記拡張体配置部から前記外管を通じて前記基端シャフトの内部へと伸びるとともに前記基端シャフトの内面に固定されている、請求項3に記載の拡張カテーテル。
【請求項6】
前記管状体の基端は、前記外管の内部から当該外管の外周に貫通して前記外管の外部と連通し、
前記補強体は、前記基端シャフトの軸心を含み且つ前記外管において前記管状体の基端が貫通した貫通部を通る断面において前記基端シャフトの軸心に対し前記貫通部と反対側に位置する前記基端シャフトの内側部分、又は当該内側部分から前記基端シャフトの軸心まわりに90°以内の範囲で広がる前記基端シャフトの内面に固定されている、請求項5に記載の拡張カテーテル。
【請求項1】
可撓性を有する長尺なカテーテル本体と、
当該カテーテル本体に設けられた拡張可能で且つ収縮又は折り畳み可能な拡張体と、
前記カテーテル本体において前記拡張体が配置された拡張体配置部に取付けられるとともに当該拡張体配置部より基端側へと伸びる補強体と、を有し、
当該補強体は、前記拡張体配置部から外れないように且つ前記拡張体配置部に沿って進退可能に前記拡張体配置部に取付けられている、拡張カテーテル。
【請求項2】
前記補強体は、前記拡張体配置部のまわりに回転可能に前記拡張体配置部に取付けられている、請求項1に記載の拡張カテーテル。
【請求項3】
前記カテーテル本体は、前記拡張体配置部を構成する管状体を有し、前記補強体は、前記管状体の周囲に摺動可能に配置された、当該管状体の軸方向に直交する断面が環形状を有する環状体に取付けられることによって前記拡張体配置部に取付けられている、請求項1又は請求項2に記載の拡張カテーテル。
【請求項4】
前記補強体の基端は、当該補強体において前記拡張体配置部に取付けられた部分に追従して進退動するとともに回転する、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1つに記載の拡張カテーテル。
【請求項5】
前記カテーテル本体は、前記管状体が内部に配置された外管と、当該外管の基端に接続し且つ当該外管に連通した、中空形状を有する基端シャフトと、を有し、
前記補強体は、前記拡張体配置部から前記外管を通じて前記基端シャフトの内部へと伸びるとともに前記基端シャフトの内面に固定されている、請求項3に記載の拡張カテーテル。
【請求項6】
前記管状体の基端は、前記外管の内部から当該外管の外周に貫通して前記外管の外部と連通し、
前記補強体は、前記基端シャフトの軸心を含み且つ前記外管において前記管状体の基端が貫通した貫通部を通る断面において前記基端シャフトの軸心に対し前記貫通部と反対側に位置する前記基端シャフトの内側部分、又は当該内側部分から前記基端シャフトの軸心まわりに90°以内の範囲で広がる前記基端シャフトの内面に固定されている、請求項5に記載の拡張カテーテル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−90820(P2013−90820A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234919(P2011−234919)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】
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