拡散シート及び光源ユニット
【課題】正面および斜め視野から見た輝度むらを軽減させることの出来る拡散シートを提供すること。
【解決手段】本発明の拡散シートは、シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が前記シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する拡散シートであって、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のボトム値が11°以上40°以下であり、拡散角度のピーク値とボトム値との差が40°以上80°以下であることを特徴とする。
【解決手段】本発明の拡散シートは、シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が前記シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する拡散シートであって、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のボトム値が11°以上40°以下であり、拡散角度のピーク値とボトム値との差が40°以上80°以下であることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等のバックライトに用いられる拡散シートと、これを用いた光源ユニット、および液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶表示装置は、携帯電話、PDA端末、デジタルカメラ、テレビ、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、デジタルフォトフレームなどの幅広い分野で利用されている。液晶表示装置は、液晶パネルとその背面に光源ユニット(バックライト)を備える装置であり、このバックライトからの光を液晶パネルに供給することにより、画像を表示する。このバックライトは、従来、側面に光源となる冷陰極管を有した導光板を通じて面状の出射光分布を得るエッジライト型が主流であったが、最近は、高い輝度と価格の安さとの希求により、光源が液晶パネルの真下にある直下型が一般的になりつつある。
【0003】
直下型バックライトにおいては、光源として線状光源である冷陰極管や点状光源であるLEDを複数用いるために、光源上に拡散板、拡散シート、及びその他の光学シート(総称して「光学シート等」という。)を積層して、点状または線状の発光分布を均一な面状の出射光分布に変換して使用する。
【0004】
直下型バックライトを使用した液晶表示装置においても、最近の薄型化指向を受けて、光源とその上に積層される光学シート等との距離をより狭くするようになりつつある。かつ、省電力化のために光源数を減らす(複数の光源間の間隔を広くする)傾向もある。このような薄型化、光源数減少を推し進めると、画面の輝度むらが発生しやすくなるため、輝度むらのより効果的な解消方法が必要となっている。上述した線状光源または点状光源の光源上領域の画面が高輝度となることに由来する輝度むらの解消方法の一例として、拡散シートの平面視における光源の投影領域の拡散角度が光源の間の投影領域よりも高くなるような多数の凹凸構造を出光面に有する拡散シートが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−244846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年は、液晶表示技術の発達に伴い、より広視野角から映像が視聴できるようになっている。このとき、光源ユニットは正面から見たときの輝度むら(「正面輝度むら」ともいう。)解消だけでなく、斜め視野から見たときの輝度むら(「斜め輝度むら」ともいう。)解消も必要となる。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、正面輝度むら及び斜め輝度むらを軽減させることができる拡散シート、光源ユニット及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の拡散シートは、シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が前記シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する拡散シートであって、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のボトム値が11°以上40°以下であり、拡散角度のピーク値とボトム値との差が40°以上80°以下であることを特徴とする。
【0009】
本発明の拡散シートにおいては、前記拡散角度分布図において、前記シート面の全領域における拡散角度が11°〜120°の範囲内であることが好ましい。
【0010】
本発明の拡散シートにおいては、シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が前記シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する拡散シートであって、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のピーク値と前記拡散角度のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の拡散角度の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する拡散角度の算術平均値より大きいことが好ましい。
【0011】
本発明の拡散シートにおいては、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、一つの高拡散角度領域に複数のピーク値を含むことが好ましい。
【0012】
本発明の拡散シートにおいては、前記高拡散角度領域における隣接するピーク間の拡散角度分布が直線状であることが好ましい。
【0013】
本発明の拡散シートにおいては、前記高拡散角度領域における隣接するピーク間の拡散角度分布が、下に凸の曲線状または曲線と直線の混合形状であることが好ましい。
【0014】
本発明の拡散シートにおいては、前記拡散シートの、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のボトム値があり、前記ボトム値を含む低拡散角度領域における拡散角度分布が、前記ボトム値を極小値とする下に凸の曲線状であることが好ましい。
【0015】
本発明の拡散シートにおいては、前記拡散角度が、前記拡散シート面に形成された凹凸構造により生じることが好ましい。
【0016】
本発明の拡散シートにおいては、前記拡散シートの前記凹凸形状が干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成されることが好ましい。
【0017】
本発明の光源ユニットは、2つ以上の光源と、前記光源の上方に配設される前記拡散シートと、を備え、且つ斜め方向から見た場合の輝度むらにおける標準偏差値が0.008以下であることを特徴とする。
【0018】
本発明の液晶表示装置は、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を供給する前記光源ユニットと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の拡散シート、光源ユニット及び液晶表示パネルによれば、正面輝度むら、および斜め輝度むらを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る拡散シートを正面から見た場合の模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る拡散シートを正面から見た場合の模式図である。
【図3】(a),(b)は、拡散角度の定義の説明図を示す。
【図4】本発明の拡散シートにおける拡散角度の分布の一例であり、ピーク値・ボトム値・算術平均値等の概念を説明するための図である。
【図5】(a)〜(f)は、本発明の実施の形態に係る拡散シートの拡散角度と光源との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る、光源ユニットの構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る、光源ユニットの構成を示す図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る、光源ユニットの構成の他の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る、光源ユニットの構成の他の例を示す図である。
【図10】(a)(b)本発明の実施例及び比較例に用いたLED光源の配置を示す図である。
【図11】本発明の実施例に係る白色LEDの出向分布を示す図である。
【図12】(a)〜(d)は、本発明の実施例、比較例において、拡散シートの拡散角度と光源距離の関係を示す図である。
【図13】(a)〜(e)は、本発明の実施例、比較例において、拡散シートの拡散角度と光源距離の関係を示す図である。
【図14】(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る光源直上領域と光源間領域を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとし、さらに図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。
【0022】
まず、図14(a)、(b)を参照して本実施の形態に係る拡散シートの光源の投影領域(以下、光源直上領域という)と光源の間の投影領域(以下、光源間領域という)について説明する。図14(a)、(b)は、本実施の形態に係る拡散シート15の光源直上領域と光源間領域を示す平面図である。光源は、複数(少なくとも2つ)配設されている。光源としては、図14(a)に示すように、冷陰極管(CCFL)11などの線光源や、図14(b)に示すように、LED(発光ダイオード)12、レーザーなどの点光源を用いることができる。光源として3つの冷陰極管11を平行に配置した場合、冷陰極管11近傍の平面視矩形形状の領域が光源直上領域A1となり、各光源直上領域A1間の領域が光源間領域A2となる。また、光源として複数のLED12を用いた場合、各LED12近傍の平面視円形形状の領域が光源直上領域A1となり、各光源直上領域A1間の領域が光源間領域A2となる。なお、図14(a)、(b)では、拡散シート15全体の領域を光源直上領域A1と、光源間領域A2との2つに分割している例を示しているが、光源直上領域A1、光源間領域A2以外の領域を設けるように分割してもよい。また、光源間領域A2は、光源直上領域A1に隣接していなくてもよく、近接する光源の中間に位置する領域を含んでいればよい。
【0023】
本発明に係る拡散シートは、拡散シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が拡散シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する。この拡散シートを光源の上方に配設する場合、拡散シートの拡散角度の周期を、光源直上領域と光源間領域とからなる投影領域周期に合わせることが好ましい。これにより、正面輝度むら及び斜め輝度むらを低減することができる。
【0024】
図1は、本発明の一態様の拡散シートを正面から見た場合の模式図であり、高拡散角度領域1と低拡散角度領域2が、前記拡散シート面内のx軸方向において周期的に存在すること、すなわち、拡散角度が周期的に変化することを示している。この態様は、光源が線光源の場合に好ましい。
【0025】
図2は、本発明の別の態様の拡散シートを正面から見た場合の模式図であり、高拡散角度領域3と低拡散角度領域4が、前記シート面内のx軸方向及びy軸方向において周期的に存在すること、すなわち、拡散角度が周期的に変化することを示している。この態様は、光源が点光源である場合に好ましい。
【0026】
図3(a)は、本発明の拡散角度の定義を示した図である。本発明における「拡散角度」とは、透過光強度がピーク強度の半分に減衰する角(半値角)の2倍の角度(FWHM:Full Width Half Maximum)をいう。この拡散角度は、例えば、photon社製のGoniometric Radiometers Real−Time Far−Field Angular Profiles Model LD8900(以下「LD8900」と略する。)で、拡散シートの凹凸面を入射面とし、前記凹凸面の法線方向に入射した光に対する透過光強度の角度分布を測定することによって求めることができる。ここで、拡散シートの法線方向とは、図3(b)に示す方向を指す。
【0027】
また、本発明の拡散シートとしては、測定方向によらず、ほぼ同じ拡散角度が得られる等方拡散シートと、測定方向によって、拡散角度が異なる異方拡散シートの両方を用いることができる。異方拡散シートとは、例えば、直交する2つの方向で拡散角度を測定した場合に、拡散角度が異なるような拡散シートである。
【0028】
図4は、本発明の拡散シートにおける拡散角度の分布の一例を示す図である。この拡散シートは、拡散シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が拡散シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化するものである。図4に示す拡散角度分布図においては、シート面内の所定の方向における拡散シート面内の相対位置を横軸にとり、拡散シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとっている。本発明に係る拡散シートにおいては、拡散角度のピーク値と拡散角度のボトム値とが複数有る(図4においては1つ示している)。ピーク値とは、拡散角度の分布の1周期の中で最も高い拡散角度の値をいい、ボトム値とは、拡散角度の分布の1周期の中で最も低い拡散角度の値をいう。
【0029】
本発明の拡散シートは、前記拡散角度のボトム値が11°以上40°以下であり、拡散角度のピーク値とボトム値との差(「拡散角度差」ともいう。)が40°以上80°以下であることを特徴とする。前記ボトム値を11°以上40°以下とすることで、斜め輝度むらが軽減される。また、前記拡散角度差を40°以上とすることにより、十分な拡散特性の差が得られ、光源ユニットの薄型化や光源数削減などにおける高い輝度むら解消要求に応えることができる。さらに、前記拡散角度差を80°以下とし、前記シート面内の位置の変化に対する拡散特性の変化量を抑えることにより、前記拡散角分布を精細に制御することが可能となるため、輝度むら解消効果が高くなる。これにより、拡散特性の差を好ましい範囲に設定することが可能となり、輝度むらの少ない光源ユニットが得られる。特に、液晶表示装置の薄型化や光源数の削減を目的とした際に、高い輝度むら解消性能を示すため、好ましく用いられる。
【0030】
本発明の拡散シートの拡散角度は、シート面の全領域において11°から120°の範囲であることが好ましい。ここで、輝度の均一性をさらに向上させるために、拡散角度の差及び拡散角度の分布状態を調整することができる。斜め輝度むら解消には、前記ボトム値が13°以上35°以下であることがより好ましく、17°以上であることがさらに好ましい。また、前記拡散角度のピーク値は、高い正面輝度を得るために、100°以下の範囲であることが好ましく、80°以下の範囲であることがより好ましい
【0031】
本発明の拡散シートでは、図4に示したような拡散角度分布図において、隣り合うピーク値とボトム値との間の拡散角度の算術平均値が、前記隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する全点における拡散角度の算術平均値より大きいことが好ましい。ここで述べる「全点」とは、測定点の全てを意味するものである。
【0032】
拡散角度の変化は、隣り合うピーク値とボトム値との算術平均値が、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する拡散角度の算術平均値より大きければ厳密に直線状、曲線状、階段状でなくてもよく、拡散角度の測定バラツキ等により、直線状、曲線状、階段状から若干はずれた形状や、直線と曲線の混合形状であってもよい。光源直上領域から光源間領域へ推移する場合、その位置に対する入光角度は直線的に大きくなっていく。入光角度が大きいほど拡散シートより下へ反射される光や拡散シートの法線方向に対して斜めに抜けてゆく光が大きくなっていくことを考慮すると、光源上領域から光源間領域へ推移するにつれて拡散すべき光の量は直線的ではなく、それ以上に大きく減衰する。つまり、隣り合うピーク値とボトム値との算術平均値が、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する拡散角度の算術平均値より大きい拡散シートであれば、拡散すべき光の減衰に合わせて輝度むらを低減することが可能となる。図5(a)〜図5(f)に、拡散角度が、光源上の投影領域から光源の間の投影領域にかけて直線状、曲線状、または直線と曲線の混合形状に変化している拡散シートの例を示す。
【0033】
シート内の高拡散角度領域と低拡散角度領域の光源に対する配置は、相対的に拡散角度が高い領域を光源直上に配置することが好ましく、各領域間の拡散角度はなめらかに変化することが好ましい。特に、高拡散角度領域に連続する複数のピーク値を含む形状があることが輝度むら低減の観点から好ましく、その形状は直線状又は下に凸の曲線状又は直線と下に凸の曲線の混合形状であることが好ましい(図5(d)、(f))。このようなパターンは光源が線光源の場合、特に効果的である。また、拡散角度のボトム値があり、ボトム値を含む低拡散角度領域における拡散角度分布が、ボトム値を極小値とする下に凸の曲線状であるものも輝度むら低減の観点から好ましい(図5(a)〜(d))。図5(c)に示す例においては、拡散角度の分布がピーク値を含み上に凸の曲線形状を有する第一の区間と、拡散角度の分布がボトム値を含み下に凸の曲線形状を有する第二の区間とを有しているが、このようなパターンは光源が点光源である場合、特に効果的である。点光源として、例えば、LED(発光ダイオード)を用いる場合、光の出光角度によらず照度分布に対して本発明に係る拡散シートにおける拡散角度を設計することができる。
【0034】
ここで、高拡散角度領域とは、拡散角度がピーク値の最大値とボトム値の最小値との算術平均値より大きい角度領域とし、低拡散角度領域とは、拡散角度がピーク値の最大値とボトム値の最小値との算術平均値より小さい角度領域とする。本発明におけるピーク値とボトム値との算術平均値は、上記定義に基づく拡散角度の分布を用いて算出するものとする。なお、一周期の中で、ピーク値、ボトム値は1つとは限らず、同一の値が複数存在していてもよい。例えば、図4では、一つの高拡散角度領域に複数(2つ)のピーク値が存在している。
【0035】
また、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する拡散角度とは、図4の破線区間部分に存在する拡散角度をいうものとする。すなわち、ピーク値が複数存在する場合、隣り合うボトム値に対応する位置とピーク値に対応する位置との間の区間内に存在する拡散角度をいうものとする。
【0036】
また、「周期的に変化する」とは、繰り返されたパターン同士を比較して、同じ繰り返しに相当するピーク値及びピーク値を与える周期の開始点からの変位、並びに、ボトム値及びボトム値を与える周期の開始点からの変位が、それぞれ、全繰り返しパターンの平均値の±15%以内(好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内)の範囲内にあれば、周期的に変化しているものとする。上記の周期性を示す方向は、拡散シート面内に少なくとも一つあれば良く、拡散シート面についての拡散角度分布図を作成することにより特定することができる。本発明においては、繰り返された複数のピーク値の拡散角度は、測定された全てのピーク値の拡散角度の差が5°以内と成ることが好ましく、3°以内がより好ましく、2°以内であることが最も好ましい。ボトム値についても同様である。
【0037】
本発明の拡散シートにおける高拡散角度領域と低拡散角度領域とは、いかなる方法によって実現してもよい。例えば、シート上に、拡散角度が異なる複数のエリアを、少なくとも一方向に沿って周期的に配置することによって製造してもよい。この場合、拡散角度は段階的になる。
【0038】
また、シートの拡散角度を周期的に連続的に変化させてもよい。このうち、拡散角度を連続的に変化させる方法としては、例えば、基材内部に基材とは屈折率の異なる二種の形状の粒子(たとえば球状粒子と楕円球状粒子)をそれぞれの含有比率を面内で変化させて実現してもよい。この場合、表面は平坦な形状になる。あるいは、表面に形状の異なる多数の凹凸構造を形成することで拡散角度を異ならせても良い。
【0039】
これらの方法の中で、表面に形状の異なる凹凸構造を設けて拡散角度を異ならせる方法が、拡散シートの厚みを薄くできる、拡散角度制御が容易になる、光源ユニットに組み込んだ場合により高い輝度むら解消効果を発揮する、という点で好ましい。
【0040】
凹凸構造とは、例えば、表面に複数の凹部又は凸部が設けられた構造である。凹部又は凸部の形状は、略円錐状、略球状、略楕円体状、略レンチキュラーレンズ状、略放物面状、又はこれらの逆形状のいずれでもよく、各凹部又は凸部は、規則的に配列していても、不規則に配列していてもよい。また、凹部又は凸部間は連続的な曲面でつながっていてもよい。また、不規則な凹凸が連続的な曲面でつながっている擬似ランダム構造も、好ましく用いることができる。この擬似ランダム構造としては、干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成される微細な3次元構造であることが好ましい。
【0041】
なお、本発明において、拡散シート表面とは、拡散シートが有する面のうち、面積が最も広い面(一対の面)をいう。また、本発明において、表面に凹凸構造を有する拡散シートは、単層構造のもの(単体)であってもいいし、基材と、その上に形成された拡散層を含む多層構造のもの(積層体)であってもよい。拡散シートが、基材と、その上に形成された拡散層を有する積層体である場合、凹凸構造は拡散層に形成することができる。
【0042】
拡散シート表面の凹凸構造は、例えば、干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成することができる。干渉露光によるスペックルパターンを用いる微細な3次元構造の形成方法は、機械加工では困難であった10μm以下の微細な凹凸構造の形成に適している。特に、非平面スペックルを用いて凹凸を形成する方法は、拡散シート上の領域に応じて、拡散角度を変えるような場合に、適した製法である。また、マイクロレンズのような等方的な形状や、レンチキュラーレンズのような異方的な形状も容易に形成することができる。この凹凸構造は、モアレ抑制などの観点から、個々の凹部又は凸部の深さ又は高さ及びピッチが不規則であることが好ましい。
【0043】
本発明の拡散シートは、シート面内に上記のような光を拡散する光学的機能を示す部分を有するが、光学的機能を有する必要のない部分、例えば接続目的のみに使用する周縁部においては、シート表面が平滑になっている部分が存在していてもよい。
【0044】
干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成された凹凸構造を表面に有し、拡散シート上の領域に応じて拡散角度が変化するような拡散シートは、具体的には次のようにして製造することができる。
【0045】
まず、予め干渉露光により、レーザー光をレンズやマスクを介して感光性材料やフォトレジストに照射し、拡散角度が位置によって変化するようにスペックルパターンを形成したサブマスタ型を作製する。レーザー照射システムを構成する部材間の距離やサイズを変えサブマスタ型のスペックルパターンの寸法、形状及び方向を調節することにより、拡散シート面に平行な直交する方向において異なる拡散角度をもつ凹凸構造を記録することができ、これを用いて製造される拡散シートの拡散角度を制御することができる。
【0046】
一般に、複数の凹部又は凸部からなる凹凸構造によって実現される拡散シートの拡散角度は、凹部又は凸部の平均サイズ及び形状に依存する。
【0047】
各凹部又は凸部のサイズが小さいほど、凹部又は凸部から構成される凹凸構造を表面に有する拡散シートの拡散角度は大きくなる。
【0048】
また、各凹部又は凸部の開口又は底面の形状が等方性であると、凹部又は凸部から構成される凹凸構造を表面に有する拡散シートの拡散角度は方向によらず均一となり、異方性のものであると、拡散角度が方向によって異なる(ただし、各凹部又は凸部が同じ方向に方向性をもち、同じ向きに配置されている場合)。具体的には、各凹部又は凸部スペックルの開口又は底面の形状が横方向に長い楕円であれば、この楕円が同じ向きに複数個配列された拡散シートの光拡散分布の形は縦方向に長い楕円となる。すなわち、縦方向の拡散角度が大きく、横方向の拡散角度が小さくなる。
【0049】
目的に応じて、等方/異方拡散状態を選択し、高拡散角度領域と低拡散角度領域とを周期的に配置することにより、拡散角度が周期的に変化する(段階的)な拡散シートを製造することができる。
【0050】
このように拡散シートの拡散角度が位置、方向によって所望の値となるようにサブマスタ型の凹凸パターンのサイズ・形状を調整する。このサブマスタ型に電鋳などの方法で金属を被着してこの金属に前記凹凸パターンを転写してマスタ型を作製する。そして、光硬化性樹脂層に、上記マスタ型を用いて紫外線による賦形を行って光硬化性樹脂層の光取り出し面にスペックルパターンを転写する。
【0051】
スペックルパターンを利用して、拡散角度を位置によって変えた拡散シートの製造方法については、その一例が特表2003−525472号公報(国際公開01/065469号パンフレット)に開示されている。具体的には、光源と、光源から投射された光の光路に設けられたサイズおよび形状可変の開口を備えたマスクと、光源から投射された光により生ずる拡散パターンを記録するためのプレートと、マスクとプレートの間に配置された光を拡散させる拡散板と、光の一部をブロックするために拡散板とプレートの間に設けられたブロッカーを用い、マスクの開口とブロッカーのサイズ及び形状、拡散板の拡散度合い、及び各構成部材間の距離を変化させて作る。
【0052】
拡散シートは、たとえば、以下のようにして製造される。
1.マスクの開口形状を縦長にすることで、プレート上に記録される凸部の底面の形状を横長の楕円にし、縦長の楕円拡散能を示す(直交する2方向の拡散角度が異なる)領域を形成する。
2.マスクの開口形状を正方形にすることで、プレート上に記録される凸部の底面の形状を等方にし、等方拡散能を示す(全方向で拡散角度が同一となる)領域を形成する。
【0053】
上記1および2のパターンを組み合わせて、周期的パターンを形成すれば、本発明の拡散シート、すなわち面内で拡散角度が周期的に変化する拡散シートが製造できる。また、表面に凹凸構造を有する拡散シートの拡散角度は、各凹部又は凸部の形状だけでなく、凹凸構造のピッチ、深さ又は高さ、アスペクト比を変えて制御することもできる。具体的には、ピッチを小さくするほど、又は、高さを高くするほどアスペクト比が大きくなり、アスペクト比が大きくなるほど、拡散角度が大きくなる。
【0054】
本発明の拡散シートを拡散シート表面の凹凸構造によって実現する場合、凹凸構造はシートの入光面、出光面どちらにあっても、あるいは両方にあっても良いが、輝度向上、及び輝度むら軽減の観点からは、主たる凹凸構造は出光面にあることが好ましく、入射面側が平滑面となっていることがより好ましい。また、光源と拡散シートの面内における位置合わせが容易に行えるという観点からは、主たる凹凸構造は入光面にあることが好ましい。なお、一般に拡散シートを積層する場合等に、傷つき防止のため、平滑性を失わない範囲で、入射面に極微量のビーズを塗布する場合がある。このような場合も平滑面に含まれるものとする。
【0055】
表面の拡散角度を変化させる手法については、前述した手法を複数組み合わせて用いても良い。
【0056】
次に、上述した本発明に関わる拡散シートを用いた光源ユニットの一例について説明する。図6及び図7は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットの概略構成を示す図である。
【0057】
光源ユニットは、基本的には、二つ以上の複数の光源(光源11又は光源12)と、前記光源の上方に配設された本発明に係る拡散シート15と、を具備する構成を採ることができる。また、光源11、12の下方には、光を反射させるための反射シート13が使用されることが好ましい。この場合、拡散シートの凹凸形成面側を出光面とするのがより好ましい。
【0058】
また、光源ユニットは、上記構成を有していれば、さらに、光学シート、拡散シート等を配設しても良く、例えば、光源11,12と拡散シート15との間に拡散板14も受けた構成とすることができる。
【0059】
光源11、12としては、図6に示すように、冷陰極管(CCFL)などの線光源や、図7に示すLED(発光ダイオード)、レーザーなどの点光源を用いることができる。光源の配置は画像の表示面に対して、直下に配列されている。
【0060】
本実施の形態に係る光源ユニットにおいては、斜め方向から見た場合の輝度むらにおける標準偏差値が0.008以下であることが好ましい。斜め方向から見た場合の輝度むらは、線光源の場合は図14(a)のy軸方向について算出した標準偏差値とした。点光源の場合は、図14(b)のx軸方向及びy軸方向の2方向について算出した標準偏差値の平均値とした。一例として、点光源の場合の、光源ユニットの標準偏差値算出方法を図10(a)を用いて以下に示す。
【0061】
輝度の測定範囲は光源ユニットの画面中心部を含むx軸方向120mm×y軸方向120mmの範囲で、測定間隔はx軸方向、y軸方向とも2mm間隔とする(測定点は61×61)。まず、yを固定してx軸方向61点の平均輝度値を求め、y軸方向について、各々の点の前記平均輝度値を各々の点から±15.2mmの範囲内にある点の前記平均輝度値の平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求める。
【0062】
ここで15.2mmとは、y軸方向におけるLED間距離の半値に相当する。同様に、y軸(120mm)方向の平均輝度値を求め、x軸方向について、各々の点の輝度値を各々の点から±20.8mm分の輝度平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求める。20.8mmについても同様にx軸方向におけるLED間距離の半値で与えられる。最後に、線光源の場合はy軸方向の標準偏差値、点光源の場合はx軸方向の標準偏差とy軸方向の標準偏差を平均した値(以下、S.D.で表わす。)を、光源ユニットの輝度むらとする。
【0063】
正面輝度むらは、画面に対して法線方向からの輝度むらを測定し、斜め輝度むらは画面に対してX軸方向に45°方向から見た輝度むらを測定することで得られる。本発明の光源ユニットにおいては、斜め輝度むらのS.D.値が0.008以下である。0.008を超えるとむらとして識別可能であるため、0.008以下とすることにより斜め輝度むらを抑制できる。
【0064】
拡散板14は、光を拡散させることのできるものであれば、様々なものを用いることができる。例えばポリスチレン、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー等に、光を拡散させる効果がある有機ポリマーや無機微粒子を添加したものを用いることができる。これらの拡散板は、光を拡散させ、下部光源の光を均一化させる効果がある。また、拡散板14は、表面に凹凸形状が形成されていても良い。これらには、必要に応じて、前記有機ポリマーや無機微粒子を添加したものを用いることができる。また、2成分以上の樹脂を混合し、延伸してシート状とした拡散板も用いることができる。
【0065】
反射シート13は、光を反射させることのできるものであれば、様々なものを用いることができる。例えば、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂を発泡させて内部に微細な空気の粒を入れシート状としたもの、2成分以上の樹脂を混合してシート状としたもの、屈折率の異なる樹脂層を積層したシート等を用いることができる。また、前記反射シート13は、表面に凹凸形状が形成されていても良い。これらには、必要に応じて、表面に無機微粒子などを添加したものを用いることができる。
【0066】
本発明に関わる光源ユニットは、本発明の拡散シートを用いて他の配設構成、例えば図8(a)から図8(c)に示す配設構成を採用することができる。図8(a)から図8(c)は、いずれも本発明の実施の形態に係る光源ユニットの他の構成を示す図である。光源ユニットについては、光源として直下型LEDを用いても良く、本発明の拡散シートを用いて、図9に示すような配設構成を採用することができる。
【0067】
図8(a)は、図6に示す構成において、光源11直上に配置される拡散板14と本発明の拡散シート15の間に、微細な凹凸構造が表面に形成された表面賦形型拡散シート16を配置し、さらに本発明の拡散シートの直上に、前記表面賦形型拡散シート16を配置してなる光源ユニットを示す。
【0068】
ここで、表面賦形型拡散シート16としては、アクリル系樹脂の球状ビーズがポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、或いはポリカーボネート等のシート上に塗布されたシートを用いることができる。また、表面賦形型拡散シート16としては、紫外線硬化樹脂による微細な凹凸構造がポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、或いはポリカーボネート等のシート上に転写されたシートを用いることができる。このような表面賦形型拡散シート16は、光を拡散させ均一化させる効果とともに、拡散板14で拡散された光を集光する機能を有する。これらの表面賦形型拡散シート16と、本発明の拡散シート15とを組み合わせて使用することにより、輝度むらを軽減し、光源ユニットの薄型化や光源数の削減を実現することができる。
【0069】
図8(b)は、図6に示す構成において、光源11直上に配置される拡散板14及び本発明の拡散シート15の上方に、アレイ状のプリズム配列構造を有する光学シート17(以下、「プリズムシート」ともいう。)と、微細な凹凸構造が表面に形成された表面賦形型拡散シート16と、をこの順で配置してなる光源ユニットを示す。また図8(c)は、図6に示す構成において、光源11直上に配置される拡散板14及び本発明の拡散シート15の上方に、微細な凹凸構造が表面に形成された表面賦形型拡散シート16と、アレイ状のプリズム配列構造を有する光学シート17と反射型偏光シート18と、を配置してなる光源ユニットを示す。
【0070】
プリズムシート17としては、表面に、断面形状が略三角形状、略台形状、略楕円状であるプリズム条列がアレイ状に配列しているような光学シートを用いることができる。前記断面形状の頂点を丸めた形状としたものも、耐擦傷性向上などの観点から、好ましく用いることができる。これらのプリズムシートとしては、紫外線硬化樹脂によるプリズム条列がポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、或いはポリカーボネート等の基材シート上に転写された形態として用いることができる。このようなプリズムシート17は再帰反射性を示すため、入射光を正面へ集光する機能を有する。このプリズムシートと、本発明の拡散シートとを組み合わせて使用することにより、輝度むらを軽減し、光源ユニットの薄型化や光源数の削減を実現することができる。
【0071】
反射型偏光シート18としては、自然光又は偏光から直線偏光を分離する機能を有するシートを用いることができる。前記直線偏光を分離するシートとしては、例えば、軸方向で直交する直線偏光の一方を透過し、他方を反射するフィルム等が挙げられる。前記反射型偏光シートとしては、具体的には、複屈折位相差の大きい樹脂(ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等)と、複屈折位相差の小さい樹脂(シクロオレフィンポリマー等)とを交互に多層積層し一軸延伸して得られるシートや、複屈折性のポリエステル樹脂を数百層積層した構造からなるシート(DBEF、3M(株)製)等を用いることができる。
【0072】
図9は、図7に示す構成において、光源12直上に配置される拡散板14及び本発明の拡散シート15の上方に、微細な凹凸構造が表面に形成された表面賦形型拡散シート16を2枚配置し、反射型偏光シート18と、をこの順で配置してなる光源ユニットを示す。
【0073】
これらの光源ユニットは、液晶表示パネルに光を供給することで、液晶表示装置としても用いることができる。
【実施例】
【0074】
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例および比較例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0075】
実施例および比較例に示される拡散角度は、微細な凹凸構造を有する面から入光させ、LD8900で測定した角度を示している。例えば、5°は、どの方向のFWHMも、5°であることを表す。拡散角度分布については、拡散シートのx軸方向および/またはy軸方向に対して、2mm間隔でFWHMを測定し、分布図を作成した。
【0076】
実施例1〜2、及び比較例1〜2においては、光学シートとして記載がないものについて、すなわち反射シート、拡散板、表面賦形型拡散シート、反射型偏光シートについては、それぞれポリエステル樹脂からなる白色反射シート(以下、RSと略記)、ポリスチレンからなり、厚さ1.5mm、拡散剤濃度13000ppmの拡散板(以下、DPと略記)、厚さ250μmのPET基材上に樹脂ビーズとバインダーが塗工された拡散シート(以下、DSと略記)と反射型偏光シート(以下、DBEFと略記。3M社製)を用いた。
【0077】
実施例1〜2及び比較例1〜2においては、光源ユニットの光源として、白色LEDを図10(a)に示すように、LED間隔X軸方向:41.6mm、Y軸方向:30.4mmの千鳥状配置で133個実装し、画面サイズ320×320mmのLED光源ユニットを作製した。白色LEDはCREE社製の3.5mm角、高さ2mmのものを用いた。この白色LEDの出光特性を図11に示す。LEDを実装した基板の発光面側に、反射シートを両面テープで貼り付けた。
【0078】
輝度むらは、x軸方向及びy軸方向の2方向について算出した値の平均値とした。まず、x軸(120mm)方向の平均輝度値を求め、y軸方向について、各々の点の輝度値を各々の点から±15.2mm分の輝度平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求めた。同様に、y軸方向(120mm)の平均輝度値を求め、x軸方向について、各々の点の輝度値を各々の点から±20.8mm分の輝度平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求めた。最後に、x軸方向の標準偏差とy軸方向の標準偏差を平均した値(S.D.値)を、光源ユニットの輝度むらとした。なお、LED光源は点光源であるので、図14(b)のように、隣接する光源の直線距離が最大となるような線(図14(b)における破線)上において、拡散角度の分布を考えた。正面輝度むらは、画面に対して法線方向からの輝度むらを測定した。斜め輝度むらは画面に対してx軸方向に45°方向から見た輝度むらを測定した。
【0079】
ここで、正面輝度むらの判定基準を下記のように、2段階(○、×)に分類した。
○:S.D.≦0.005
×:0.005<S.D.
【0080】
また、斜め輝度むらの判定基準を下記のように、2段階(○、×)に分類した。
○:S.D.≦0.008
×:0.008<S.D.
【0081】
(実施例1)
図9に示すように、光源上方にDP、本発明の拡散シート、DS、DS、DBEFと、をこの順で配置し、実施例1の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を16.3mmとした。本発明の拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である64°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である17°で、図12(a)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。実施例1の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表1に示す。また、実施例1の拡散シートについて、拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との算術平均値は40°であり、連続する拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との間に分布する全測定点の拡散角度の算術平均値は31°であった。
【0082】
(実施例2)
図9に示すように、光源上方にDP、本発明の拡散シート、DS、DS、DBEFと、をこの順で配置し、実施例2の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を16.3mmとした。本発明の拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である66°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である16°で、図12(b)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。実施例2の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表1に示す。また、実施例2の拡散シートについて、拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との算術平均値は41°であり、連続する拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との間に分布する全測定点の拡散角度の算術平均値は31°であった。
【0083】
(比較例1)
図9に示すように、光源上方にDP、拡散シート、DS、DS、DBEFと、をこの順で配置し、比較例1の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を16.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である35°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である9°で、図12(c)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。比較例1の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表1に示す。
【0084】
(比較例2)
図9に示すように、光源上方にDP、拡散シート、DS、DS、DBEFと、をこの順で配置し、比較例2の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を16.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である37°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である13°で、図12(d)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。比較例2の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
表1より、図9に示すDP/拡散シート/DS/DS/DBEFの構成を持つ光源ユニットにおいて、本発明の拡散シートは、拡散角度のボトム値が低いものおよび拡散角度差が小さい拡散シートと比較して、正面輝度むらと斜め視野での輝度むらの軽減により効果的であることが分かる。
【0087】
実施例3、4及び比較例3〜5においては、光学シートとして記載がないものについて、すなわち反射シート、拡散板、レンズシート、反射型偏光シートについては、それぞれポリエステル樹脂からなる白色反射シート(以下、RSと略記)、ポリスチレンからなり、厚さ1.5mm、拡散剤濃度13000ppmの拡散板(以下、DPと略記)、厚さ250μmのPET基材上に半球レンズがUV硬化性樹脂によって賦形されたレンズシート16(以下、MLFと略記。シンファインターテック社製)と反射型偏光シート(以下、DBEFと略記。3M社製)を用いた。
【0088】
実施例3、及び比較例3〜5においては、光源ユニットの光源として、白色LEDを図10(b)に示すように、LED間隔X軸方向:55.8mm、Y軸方向:32.2mmの千鳥状配置で104個実装し、画面サイズ320×320mmのLED光源ユニットを作製した。白色LEDは実施例1と同様に、CREE社製の3.5mm角、高さ2mmのものを用いた。LEDを実装したLED基板の上に、反射シートを両面テープで貼り付けた。
【0089】
輝度むらは、x軸方向及びy軸方向の2方向について算出した値の平均値とした。まず、x軸方向(120mm)の平均輝度値を求め、y軸方向について、各々の点の輝度値を各々の点から±16.1mm分の輝度平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求めた。同様に、y軸方向(120mm)の平均輝度値を求め、x軸方向について、各々の点の輝度値を各々の点から±27.9mm分の輝度平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求めた。最後に、x軸方向の標準偏差とy軸方向の標準偏差を平均した値(以下、S.D.で表わす。)を、光源ユニットの輝度むらとした。正面輝度むらは、画面に対して法線方向からの輝度むらを測定した。斜め輝度むらは画面に対してx軸方向に45°方向から見た輝度むらを測定した。
【0090】
ここで、正面輝度むらの判定基準を下記のように、2段階(○、×)に分類した。
○:S.D.≦0.005
×:0.005<S.D.
【0091】
また、斜め輝度むらの判定基準を下記のように、2段階(○、×)に分類した。
○:S.D.≦0.008
×:0.008<S.D.
【0092】
(実施例3)
図9に示すように、光源上方にDP、拡散シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、実施例3の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を20.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である57°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である15°で、図13(a)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。実施例3の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。また、実施例3の拡散シートについて、拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との算術平均値は35°であり、連続する拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との間に分布する全測定点の拡散角度の算術平均値は24°であった。
【0093】
(実施例4)
図9に示すように、光源上方にDP、拡散シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、実施例4の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を20.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である74°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である11°で、図13(b)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。実施例4の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。また、実施例4の拡散シートについて、拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との算術平均値は42°であり、連続する拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との間に分布する全測定点の拡散角度の算術平均値は28°であった。
【0094】
(比較例3)
図9(b)に示すように、光源上方にDP、拡散シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、比較例2の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を20.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である37°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である9°で、図13(c)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。比較例3の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。
【0095】
(比較例4)
図9に示すように、光源上方にDP、拡散シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、比較例2の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を20.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である80°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である8°で、図13(d)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。比較例4の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。
【0096】
(比較例5)
図9に示すように、光源上方にDP、拡散シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、比較例2の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を20.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である35°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である14°で、図13(e)示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。比較例5の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】
表2より、図9に示すDP/拡散シート/MLF/MLF/DBEFの構成を持つ光源ユニットにおいて、本発明の拡散シートは、拡散角度のボトム値が低いものおよび拡散角度差が小さい拡散シートと比較して、正面輝度むらと斜め視野での輝度むらの軽減により効果的であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、液晶表示装置のような表示デバイスの拡散シートに有効である。
【符号の説明】
【0100】
1 高拡散角度領域
2 低拡散角度領域
3 高拡散角度領域
4 低拡散角度領域
11 冷陰極管(CCFL)
12 LED(発光ダイオード)
13 反射シート
14 拡散板
15 本発明の拡散シート
16 表面賦形型拡散シート
17 プリズムシート
18 反射型偏光シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等のバックライトに用いられる拡散シートと、これを用いた光源ユニット、および液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶表示装置は、携帯電話、PDA端末、デジタルカメラ、テレビ、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、デジタルフォトフレームなどの幅広い分野で利用されている。液晶表示装置は、液晶パネルとその背面に光源ユニット(バックライト)を備える装置であり、このバックライトからの光を液晶パネルに供給することにより、画像を表示する。このバックライトは、従来、側面に光源となる冷陰極管を有した導光板を通じて面状の出射光分布を得るエッジライト型が主流であったが、最近は、高い輝度と価格の安さとの希求により、光源が液晶パネルの真下にある直下型が一般的になりつつある。
【0003】
直下型バックライトにおいては、光源として線状光源である冷陰極管や点状光源であるLEDを複数用いるために、光源上に拡散板、拡散シート、及びその他の光学シート(総称して「光学シート等」という。)を積層して、点状または線状の発光分布を均一な面状の出射光分布に変換して使用する。
【0004】
直下型バックライトを使用した液晶表示装置においても、最近の薄型化指向を受けて、光源とその上に積層される光学シート等との距離をより狭くするようになりつつある。かつ、省電力化のために光源数を減らす(複数の光源間の間隔を広くする)傾向もある。このような薄型化、光源数減少を推し進めると、画面の輝度むらが発生しやすくなるため、輝度むらのより効果的な解消方法が必要となっている。上述した線状光源または点状光源の光源上領域の画面が高輝度となることに由来する輝度むらの解消方法の一例として、拡散シートの平面視における光源の投影領域の拡散角度が光源の間の投影領域よりも高くなるような多数の凹凸構造を出光面に有する拡散シートが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−244846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年は、液晶表示技術の発達に伴い、より広視野角から映像が視聴できるようになっている。このとき、光源ユニットは正面から見たときの輝度むら(「正面輝度むら」ともいう。)解消だけでなく、斜め視野から見たときの輝度むら(「斜め輝度むら」ともいう。)解消も必要となる。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、正面輝度むら及び斜め輝度むらを軽減させることができる拡散シート、光源ユニット及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の拡散シートは、シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が前記シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する拡散シートであって、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のボトム値が11°以上40°以下であり、拡散角度のピーク値とボトム値との差が40°以上80°以下であることを特徴とする。
【0009】
本発明の拡散シートにおいては、前記拡散角度分布図において、前記シート面の全領域における拡散角度が11°〜120°の範囲内であることが好ましい。
【0010】
本発明の拡散シートにおいては、シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が前記シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する拡散シートであって、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のピーク値と前記拡散角度のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の拡散角度の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する拡散角度の算術平均値より大きいことが好ましい。
【0011】
本発明の拡散シートにおいては、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、一つの高拡散角度領域に複数のピーク値を含むことが好ましい。
【0012】
本発明の拡散シートにおいては、前記高拡散角度領域における隣接するピーク間の拡散角度分布が直線状であることが好ましい。
【0013】
本発明の拡散シートにおいては、前記高拡散角度領域における隣接するピーク間の拡散角度分布が、下に凸の曲線状または曲線と直線の混合形状であることが好ましい。
【0014】
本発明の拡散シートにおいては、前記拡散シートの、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のボトム値があり、前記ボトム値を含む低拡散角度領域における拡散角度分布が、前記ボトム値を極小値とする下に凸の曲線状であることが好ましい。
【0015】
本発明の拡散シートにおいては、前記拡散角度が、前記拡散シート面に形成された凹凸構造により生じることが好ましい。
【0016】
本発明の拡散シートにおいては、前記拡散シートの前記凹凸形状が干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成されることが好ましい。
【0017】
本発明の光源ユニットは、2つ以上の光源と、前記光源の上方に配設される前記拡散シートと、を備え、且つ斜め方向から見た場合の輝度むらにおける標準偏差値が0.008以下であることを特徴とする。
【0018】
本発明の液晶表示装置は、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を供給する前記光源ユニットと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の拡散シート、光源ユニット及び液晶表示パネルによれば、正面輝度むら、および斜め輝度むらを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る拡散シートを正面から見た場合の模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る拡散シートを正面から見た場合の模式図である。
【図3】(a),(b)は、拡散角度の定義の説明図を示す。
【図4】本発明の拡散シートにおける拡散角度の分布の一例であり、ピーク値・ボトム値・算術平均値等の概念を説明するための図である。
【図5】(a)〜(f)は、本発明の実施の形態に係る拡散シートの拡散角度と光源との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る、光源ユニットの構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る、光源ユニットの構成を示す図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る、光源ユニットの構成の他の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る、光源ユニットの構成の他の例を示す図である。
【図10】(a)(b)本発明の実施例及び比較例に用いたLED光源の配置を示す図である。
【図11】本発明の実施例に係る白色LEDの出向分布を示す図である。
【図12】(a)〜(d)は、本発明の実施例、比較例において、拡散シートの拡散角度と光源距離の関係を示す図である。
【図13】(a)〜(e)は、本発明の実施例、比較例において、拡散シートの拡散角度と光源距離の関係を示す図である。
【図14】(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る光源直上領域と光源間領域を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとし、さらに図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。
【0022】
まず、図14(a)、(b)を参照して本実施の形態に係る拡散シートの光源の投影領域(以下、光源直上領域という)と光源の間の投影領域(以下、光源間領域という)について説明する。図14(a)、(b)は、本実施の形態に係る拡散シート15の光源直上領域と光源間領域を示す平面図である。光源は、複数(少なくとも2つ)配設されている。光源としては、図14(a)に示すように、冷陰極管(CCFL)11などの線光源や、図14(b)に示すように、LED(発光ダイオード)12、レーザーなどの点光源を用いることができる。光源として3つの冷陰極管11を平行に配置した場合、冷陰極管11近傍の平面視矩形形状の領域が光源直上領域A1となり、各光源直上領域A1間の領域が光源間領域A2となる。また、光源として複数のLED12を用いた場合、各LED12近傍の平面視円形形状の領域が光源直上領域A1となり、各光源直上領域A1間の領域が光源間領域A2となる。なお、図14(a)、(b)では、拡散シート15全体の領域を光源直上領域A1と、光源間領域A2との2つに分割している例を示しているが、光源直上領域A1、光源間領域A2以外の領域を設けるように分割してもよい。また、光源間領域A2は、光源直上領域A1に隣接していなくてもよく、近接する光源の中間に位置する領域を含んでいればよい。
【0023】
本発明に係る拡散シートは、拡散シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が拡散シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する。この拡散シートを光源の上方に配設する場合、拡散シートの拡散角度の周期を、光源直上領域と光源間領域とからなる投影領域周期に合わせることが好ましい。これにより、正面輝度むら及び斜め輝度むらを低減することができる。
【0024】
図1は、本発明の一態様の拡散シートを正面から見た場合の模式図であり、高拡散角度領域1と低拡散角度領域2が、前記拡散シート面内のx軸方向において周期的に存在すること、すなわち、拡散角度が周期的に変化することを示している。この態様は、光源が線光源の場合に好ましい。
【0025】
図2は、本発明の別の態様の拡散シートを正面から見た場合の模式図であり、高拡散角度領域3と低拡散角度領域4が、前記シート面内のx軸方向及びy軸方向において周期的に存在すること、すなわち、拡散角度が周期的に変化することを示している。この態様は、光源が点光源である場合に好ましい。
【0026】
図3(a)は、本発明の拡散角度の定義を示した図である。本発明における「拡散角度」とは、透過光強度がピーク強度の半分に減衰する角(半値角)の2倍の角度(FWHM:Full Width Half Maximum)をいう。この拡散角度は、例えば、photon社製のGoniometric Radiometers Real−Time Far−Field Angular Profiles Model LD8900(以下「LD8900」と略する。)で、拡散シートの凹凸面を入射面とし、前記凹凸面の法線方向に入射した光に対する透過光強度の角度分布を測定することによって求めることができる。ここで、拡散シートの法線方向とは、図3(b)に示す方向を指す。
【0027】
また、本発明の拡散シートとしては、測定方向によらず、ほぼ同じ拡散角度が得られる等方拡散シートと、測定方向によって、拡散角度が異なる異方拡散シートの両方を用いることができる。異方拡散シートとは、例えば、直交する2つの方向で拡散角度を測定した場合に、拡散角度が異なるような拡散シートである。
【0028】
図4は、本発明の拡散シートにおける拡散角度の分布の一例を示す図である。この拡散シートは、拡散シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が拡散シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化するものである。図4に示す拡散角度分布図においては、シート面内の所定の方向における拡散シート面内の相対位置を横軸にとり、拡散シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとっている。本発明に係る拡散シートにおいては、拡散角度のピーク値と拡散角度のボトム値とが複数有る(図4においては1つ示している)。ピーク値とは、拡散角度の分布の1周期の中で最も高い拡散角度の値をいい、ボトム値とは、拡散角度の分布の1周期の中で最も低い拡散角度の値をいう。
【0029】
本発明の拡散シートは、前記拡散角度のボトム値が11°以上40°以下であり、拡散角度のピーク値とボトム値との差(「拡散角度差」ともいう。)が40°以上80°以下であることを特徴とする。前記ボトム値を11°以上40°以下とすることで、斜め輝度むらが軽減される。また、前記拡散角度差を40°以上とすることにより、十分な拡散特性の差が得られ、光源ユニットの薄型化や光源数削減などにおける高い輝度むら解消要求に応えることができる。さらに、前記拡散角度差を80°以下とし、前記シート面内の位置の変化に対する拡散特性の変化量を抑えることにより、前記拡散角分布を精細に制御することが可能となるため、輝度むら解消効果が高くなる。これにより、拡散特性の差を好ましい範囲に設定することが可能となり、輝度むらの少ない光源ユニットが得られる。特に、液晶表示装置の薄型化や光源数の削減を目的とした際に、高い輝度むら解消性能を示すため、好ましく用いられる。
【0030】
本発明の拡散シートの拡散角度は、シート面の全領域において11°から120°の範囲であることが好ましい。ここで、輝度の均一性をさらに向上させるために、拡散角度の差及び拡散角度の分布状態を調整することができる。斜め輝度むら解消には、前記ボトム値が13°以上35°以下であることがより好ましく、17°以上であることがさらに好ましい。また、前記拡散角度のピーク値は、高い正面輝度を得るために、100°以下の範囲であることが好ましく、80°以下の範囲であることがより好ましい
【0031】
本発明の拡散シートでは、図4に示したような拡散角度分布図において、隣り合うピーク値とボトム値との間の拡散角度の算術平均値が、前記隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する全点における拡散角度の算術平均値より大きいことが好ましい。ここで述べる「全点」とは、測定点の全てを意味するものである。
【0032】
拡散角度の変化は、隣り合うピーク値とボトム値との算術平均値が、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する拡散角度の算術平均値より大きければ厳密に直線状、曲線状、階段状でなくてもよく、拡散角度の測定バラツキ等により、直線状、曲線状、階段状から若干はずれた形状や、直線と曲線の混合形状であってもよい。光源直上領域から光源間領域へ推移する場合、その位置に対する入光角度は直線的に大きくなっていく。入光角度が大きいほど拡散シートより下へ反射される光や拡散シートの法線方向に対して斜めに抜けてゆく光が大きくなっていくことを考慮すると、光源上領域から光源間領域へ推移するにつれて拡散すべき光の量は直線的ではなく、それ以上に大きく減衰する。つまり、隣り合うピーク値とボトム値との算術平均値が、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する拡散角度の算術平均値より大きい拡散シートであれば、拡散すべき光の減衰に合わせて輝度むらを低減することが可能となる。図5(a)〜図5(f)に、拡散角度が、光源上の投影領域から光源の間の投影領域にかけて直線状、曲線状、または直線と曲線の混合形状に変化している拡散シートの例を示す。
【0033】
シート内の高拡散角度領域と低拡散角度領域の光源に対する配置は、相対的に拡散角度が高い領域を光源直上に配置することが好ましく、各領域間の拡散角度はなめらかに変化することが好ましい。特に、高拡散角度領域に連続する複数のピーク値を含む形状があることが輝度むら低減の観点から好ましく、その形状は直線状又は下に凸の曲線状又は直線と下に凸の曲線の混合形状であることが好ましい(図5(d)、(f))。このようなパターンは光源が線光源の場合、特に効果的である。また、拡散角度のボトム値があり、ボトム値を含む低拡散角度領域における拡散角度分布が、ボトム値を極小値とする下に凸の曲線状であるものも輝度むら低減の観点から好ましい(図5(a)〜(d))。図5(c)に示す例においては、拡散角度の分布がピーク値を含み上に凸の曲線形状を有する第一の区間と、拡散角度の分布がボトム値を含み下に凸の曲線形状を有する第二の区間とを有しているが、このようなパターンは光源が点光源である場合、特に効果的である。点光源として、例えば、LED(発光ダイオード)を用いる場合、光の出光角度によらず照度分布に対して本発明に係る拡散シートにおける拡散角度を設計することができる。
【0034】
ここで、高拡散角度領域とは、拡散角度がピーク値の最大値とボトム値の最小値との算術平均値より大きい角度領域とし、低拡散角度領域とは、拡散角度がピーク値の最大値とボトム値の最小値との算術平均値より小さい角度領域とする。本発明におけるピーク値とボトム値との算術平均値は、上記定義に基づく拡散角度の分布を用いて算出するものとする。なお、一周期の中で、ピーク値、ボトム値は1つとは限らず、同一の値が複数存在していてもよい。例えば、図4では、一つの高拡散角度領域に複数(2つ)のピーク値が存在している。
【0035】
また、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する拡散角度とは、図4の破線区間部分に存在する拡散角度をいうものとする。すなわち、ピーク値が複数存在する場合、隣り合うボトム値に対応する位置とピーク値に対応する位置との間の区間内に存在する拡散角度をいうものとする。
【0036】
また、「周期的に変化する」とは、繰り返されたパターン同士を比較して、同じ繰り返しに相当するピーク値及びピーク値を与える周期の開始点からの変位、並びに、ボトム値及びボトム値を与える周期の開始点からの変位が、それぞれ、全繰り返しパターンの平均値の±15%以内(好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内)の範囲内にあれば、周期的に変化しているものとする。上記の周期性を示す方向は、拡散シート面内に少なくとも一つあれば良く、拡散シート面についての拡散角度分布図を作成することにより特定することができる。本発明においては、繰り返された複数のピーク値の拡散角度は、測定された全てのピーク値の拡散角度の差が5°以内と成ることが好ましく、3°以内がより好ましく、2°以内であることが最も好ましい。ボトム値についても同様である。
【0037】
本発明の拡散シートにおける高拡散角度領域と低拡散角度領域とは、いかなる方法によって実現してもよい。例えば、シート上に、拡散角度が異なる複数のエリアを、少なくとも一方向に沿って周期的に配置することによって製造してもよい。この場合、拡散角度は段階的になる。
【0038】
また、シートの拡散角度を周期的に連続的に変化させてもよい。このうち、拡散角度を連続的に変化させる方法としては、例えば、基材内部に基材とは屈折率の異なる二種の形状の粒子(たとえば球状粒子と楕円球状粒子)をそれぞれの含有比率を面内で変化させて実現してもよい。この場合、表面は平坦な形状になる。あるいは、表面に形状の異なる多数の凹凸構造を形成することで拡散角度を異ならせても良い。
【0039】
これらの方法の中で、表面に形状の異なる凹凸構造を設けて拡散角度を異ならせる方法が、拡散シートの厚みを薄くできる、拡散角度制御が容易になる、光源ユニットに組み込んだ場合により高い輝度むら解消効果を発揮する、という点で好ましい。
【0040】
凹凸構造とは、例えば、表面に複数の凹部又は凸部が設けられた構造である。凹部又は凸部の形状は、略円錐状、略球状、略楕円体状、略レンチキュラーレンズ状、略放物面状、又はこれらの逆形状のいずれでもよく、各凹部又は凸部は、規則的に配列していても、不規則に配列していてもよい。また、凹部又は凸部間は連続的な曲面でつながっていてもよい。また、不規則な凹凸が連続的な曲面でつながっている擬似ランダム構造も、好ましく用いることができる。この擬似ランダム構造としては、干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成される微細な3次元構造であることが好ましい。
【0041】
なお、本発明において、拡散シート表面とは、拡散シートが有する面のうち、面積が最も広い面(一対の面)をいう。また、本発明において、表面に凹凸構造を有する拡散シートは、単層構造のもの(単体)であってもいいし、基材と、その上に形成された拡散層を含む多層構造のもの(積層体)であってもよい。拡散シートが、基材と、その上に形成された拡散層を有する積層体である場合、凹凸構造は拡散層に形成することができる。
【0042】
拡散シート表面の凹凸構造は、例えば、干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成することができる。干渉露光によるスペックルパターンを用いる微細な3次元構造の形成方法は、機械加工では困難であった10μm以下の微細な凹凸構造の形成に適している。特に、非平面スペックルを用いて凹凸を形成する方法は、拡散シート上の領域に応じて、拡散角度を変えるような場合に、適した製法である。また、マイクロレンズのような等方的な形状や、レンチキュラーレンズのような異方的な形状も容易に形成することができる。この凹凸構造は、モアレ抑制などの観点から、個々の凹部又は凸部の深さ又は高さ及びピッチが不規則であることが好ましい。
【0043】
本発明の拡散シートは、シート面内に上記のような光を拡散する光学的機能を示す部分を有するが、光学的機能を有する必要のない部分、例えば接続目的のみに使用する周縁部においては、シート表面が平滑になっている部分が存在していてもよい。
【0044】
干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成された凹凸構造を表面に有し、拡散シート上の領域に応じて拡散角度が変化するような拡散シートは、具体的には次のようにして製造することができる。
【0045】
まず、予め干渉露光により、レーザー光をレンズやマスクを介して感光性材料やフォトレジストに照射し、拡散角度が位置によって変化するようにスペックルパターンを形成したサブマスタ型を作製する。レーザー照射システムを構成する部材間の距離やサイズを変えサブマスタ型のスペックルパターンの寸法、形状及び方向を調節することにより、拡散シート面に平行な直交する方向において異なる拡散角度をもつ凹凸構造を記録することができ、これを用いて製造される拡散シートの拡散角度を制御することができる。
【0046】
一般に、複数の凹部又は凸部からなる凹凸構造によって実現される拡散シートの拡散角度は、凹部又は凸部の平均サイズ及び形状に依存する。
【0047】
各凹部又は凸部のサイズが小さいほど、凹部又は凸部から構成される凹凸構造を表面に有する拡散シートの拡散角度は大きくなる。
【0048】
また、各凹部又は凸部の開口又は底面の形状が等方性であると、凹部又は凸部から構成される凹凸構造を表面に有する拡散シートの拡散角度は方向によらず均一となり、異方性のものであると、拡散角度が方向によって異なる(ただし、各凹部又は凸部が同じ方向に方向性をもち、同じ向きに配置されている場合)。具体的には、各凹部又は凸部スペックルの開口又は底面の形状が横方向に長い楕円であれば、この楕円が同じ向きに複数個配列された拡散シートの光拡散分布の形は縦方向に長い楕円となる。すなわち、縦方向の拡散角度が大きく、横方向の拡散角度が小さくなる。
【0049】
目的に応じて、等方/異方拡散状態を選択し、高拡散角度領域と低拡散角度領域とを周期的に配置することにより、拡散角度が周期的に変化する(段階的)な拡散シートを製造することができる。
【0050】
このように拡散シートの拡散角度が位置、方向によって所望の値となるようにサブマスタ型の凹凸パターンのサイズ・形状を調整する。このサブマスタ型に電鋳などの方法で金属を被着してこの金属に前記凹凸パターンを転写してマスタ型を作製する。そして、光硬化性樹脂層に、上記マスタ型を用いて紫外線による賦形を行って光硬化性樹脂層の光取り出し面にスペックルパターンを転写する。
【0051】
スペックルパターンを利用して、拡散角度を位置によって変えた拡散シートの製造方法については、その一例が特表2003−525472号公報(国際公開01/065469号パンフレット)に開示されている。具体的には、光源と、光源から投射された光の光路に設けられたサイズおよび形状可変の開口を備えたマスクと、光源から投射された光により生ずる拡散パターンを記録するためのプレートと、マスクとプレートの間に配置された光を拡散させる拡散板と、光の一部をブロックするために拡散板とプレートの間に設けられたブロッカーを用い、マスクの開口とブロッカーのサイズ及び形状、拡散板の拡散度合い、及び各構成部材間の距離を変化させて作る。
【0052】
拡散シートは、たとえば、以下のようにして製造される。
1.マスクの開口形状を縦長にすることで、プレート上に記録される凸部の底面の形状を横長の楕円にし、縦長の楕円拡散能を示す(直交する2方向の拡散角度が異なる)領域を形成する。
2.マスクの開口形状を正方形にすることで、プレート上に記録される凸部の底面の形状を等方にし、等方拡散能を示す(全方向で拡散角度が同一となる)領域を形成する。
【0053】
上記1および2のパターンを組み合わせて、周期的パターンを形成すれば、本発明の拡散シート、すなわち面内で拡散角度が周期的に変化する拡散シートが製造できる。また、表面に凹凸構造を有する拡散シートの拡散角度は、各凹部又は凸部の形状だけでなく、凹凸構造のピッチ、深さ又は高さ、アスペクト比を変えて制御することもできる。具体的には、ピッチを小さくするほど、又は、高さを高くするほどアスペクト比が大きくなり、アスペクト比が大きくなるほど、拡散角度が大きくなる。
【0054】
本発明の拡散シートを拡散シート表面の凹凸構造によって実現する場合、凹凸構造はシートの入光面、出光面どちらにあっても、あるいは両方にあっても良いが、輝度向上、及び輝度むら軽減の観点からは、主たる凹凸構造は出光面にあることが好ましく、入射面側が平滑面となっていることがより好ましい。また、光源と拡散シートの面内における位置合わせが容易に行えるという観点からは、主たる凹凸構造は入光面にあることが好ましい。なお、一般に拡散シートを積層する場合等に、傷つき防止のため、平滑性を失わない範囲で、入射面に極微量のビーズを塗布する場合がある。このような場合も平滑面に含まれるものとする。
【0055】
表面の拡散角度を変化させる手法については、前述した手法を複数組み合わせて用いても良い。
【0056】
次に、上述した本発明に関わる拡散シートを用いた光源ユニットの一例について説明する。図6及び図7は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットの概略構成を示す図である。
【0057】
光源ユニットは、基本的には、二つ以上の複数の光源(光源11又は光源12)と、前記光源の上方に配設された本発明に係る拡散シート15と、を具備する構成を採ることができる。また、光源11、12の下方には、光を反射させるための反射シート13が使用されることが好ましい。この場合、拡散シートの凹凸形成面側を出光面とするのがより好ましい。
【0058】
また、光源ユニットは、上記構成を有していれば、さらに、光学シート、拡散シート等を配設しても良く、例えば、光源11,12と拡散シート15との間に拡散板14も受けた構成とすることができる。
【0059】
光源11、12としては、図6に示すように、冷陰極管(CCFL)などの線光源や、図7に示すLED(発光ダイオード)、レーザーなどの点光源を用いることができる。光源の配置は画像の表示面に対して、直下に配列されている。
【0060】
本実施の形態に係る光源ユニットにおいては、斜め方向から見た場合の輝度むらにおける標準偏差値が0.008以下であることが好ましい。斜め方向から見た場合の輝度むらは、線光源の場合は図14(a)のy軸方向について算出した標準偏差値とした。点光源の場合は、図14(b)のx軸方向及びy軸方向の2方向について算出した標準偏差値の平均値とした。一例として、点光源の場合の、光源ユニットの標準偏差値算出方法を図10(a)を用いて以下に示す。
【0061】
輝度の測定範囲は光源ユニットの画面中心部を含むx軸方向120mm×y軸方向120mmの範囲で、測定間隔はx軸方向、y軸方向とも2mm間隔とする(測定点は61×61)。まず、yを固定してx軸方向61点の平均輝度値を求め、y軸方向について、各々の点の前記平均輝度値を各々の点から±15.2mmの範囲内にある点の前記平均輝度値の平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求める。
【0062】
ここで15.2mmとは、y軸方向におけるLED間距離の半値に相当する。同様に、y軸(120mm)方向の平均輝度値を求め、x軸方向について、各々の点の輝度値を各々の点から±20.8mm分の輝度平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求める。20.8mmについても同様にx軸方向におけるLED間距離の半値で与えられる。最後に、線光源の場合はy軸方向の標準偏差値、点光源の場合はx軸方向の標準偏差とy軸方向の標準偏差を平均した値(以下、S.D.で表わす。)を、光源ユニットの輝度むらとする。
【0063】
正面輝度むらは、画面に対して法線方向からの輝度むらを測定し、斜め輝度むらは画面に対してX軸方向に45°方向から見た輝度むらを測定することで得られる。本発明の光源ユニットにおいては、斜め輝度むらのS.D.値が0.008以下である。0.008を超えるとむらとして識別可能であるため、0.008以下とすることにより斜め輝度むらを抑制できる。
【0064】
拡散板14は、光を拡散させることのできるものであれば、様々なものを用いることができる。例えばポリスチレン、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー等に、光を拡散させる効果がある有機ポリマーや無機微粒子を添加したものを用いることができる。これらの拡散板は、光を拡散させ、下部光源の光を均一化させる効果がある。また、拡散板14は、表面に凹凸形状が形成されていても良い。これらには、必要に応じて、前記有機ポリマーや無機微粒子を添加したものを用いることができる。また、2成分以上の樹脂を混合し、延伸してシート状とした拡散板も用いることができる。
【0065】
反射シート13は、光を反射させることのできるものであれば、様々なものを用いることができる。例えば、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂を発泡させて内部に微細な空気の粒を入れシート状としたもの、2成分以上の樹脂を混合してシート状としたもの、屈折率の異なる樹脂層を積層したシート等を用いることができる。また、前記反射シート13は、表面に凹凸形状が形成されていても良い。これらには、必要に応じて、表面に無機微粒子などを添加したものを用いることができる。
【0066】
本発明に関わる光源ユニットは、本発明の拡散シートを用いて他の配設構成、例えば図8(a)から図8(c)に示す配設構成を採用することができる。図8(a)から図8(c)は、いずれも本発明の実施の形態に係る光源ユニットの他の構成を示す図である。光源ユニットについては、光源として直下型LEDを用いても良く、本発明の拡散シートを用いて、図9に示すような配設構成を採用することができる。
【0067】
図8(a)は、図6に示す構成において、光源11直上に配置される拡散板14と本発明の拡散シート15の間に、微細な凹凸構造が表面に形成された表面賦形型拡散シート16を配置し、さらに本発明の拡散シートの直上に、前記表面賦形型拡散シート16を配置してなる光源ユニットを示す。
【0068】
ここで、表面賦形型拡散シート16としては、アクリル系樹脂の球状ビーズがポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、或いはポリカーボネート等のシート上に塗布されたシートを用いることができる。また、表面賦形型拡散シート16としては、紫外線硬化樹脂による微細な凹凸構造がポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、或いはポリカーボネート等のシート上に転写されたシートを用いることができる。このような表面賦形型拡散シート16は、光を拡散させ均一化させる効果とともに、拡散板14で拡散された光を集光する機能を有する。これらの表面賦形型拡散シート16と、本発明の拡散シート15とを組み合わせて使用することにより、輝度むらを軽減し、光源ユニットの薄型化や光源数の削減を実現することができる。
【0069】
図8(b)は、図6に示す構成において、光源11直上に配置される拡散板14及び本発明の拡散シート15の上方に、アレイ状のプリズム配列構造を有する光学シート17(以下、「プリズムシート」ともいう。)と、微細な凹凸構造が表面に形成された表面賦形型拡散シート16と、をこの順で配置してなる光源ユニットを示す。また図8(c)は、図6に示す構成において、光源11直上に配置される拡散板14及び本発明の拡散シート15の上方に、微細な凹凸構造が表面に形成された表面賦形型拡散シート16と、アレイ状のプリズム配列構造を有する光学シート17と反射型偏光シート18と、を配置してなる光源ユニットを示す。
【0070】
プリズムシート17としては、表面に、断面形状が略三角形状、略台形状、略楕円状であるプリズム条列がアレイ状に配列しているような光学シートを用いることができる。前記断面形状の頂点を丸めた形状としたものも、耐擦傷性向上などの観点から、好ましく用いることができる。これらのプリズムシートとしては、紫外線硬化樹脂によるプリズム条列がポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、或いはポリカーボネート等の基材シート上に転写された形態として用いることができる。このようなプリズムシート17は再帰反射性を示すため、入射光を正面へ集光する機能を有する。このプリズムシートと、本発明の拡散シートとを組み合わせて使用することにより、輝度むらを軽減し、光源ユニットの薄型化や光源数の削減を実現することができる。
【0071】
反射型偏光シート18としては、自然光又は偏光から直線偏光を分離する機能を有するシートを用いることができる。前記直線偏光を分離するシートとしては、例えば、軸方向で直交する直線偏光の一方を透過し、他方を反射するフィルム等が挙げられる。前記反射型偏光シートとしては、具体的には、複屈折位相差の大きい樹脂(ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等)と、複屈折位相差の小さい樹脂(シクロオレフィンポリマー等)とを交互に多層積層し一軸延伸して得られるシートや、複屈折性のポリエステル樹脂を数百層積層した構造からなるシート(DBEF、3M(株)製)等を用いることができる。
【0072】
図9は、図7に示す構成において、光源12直上に配置される拡散板14及び本発明の拡散シート15の上方に、微細な凹凸構造が表面に形成された表面賦形型拡散シート16を2枚配置し、反射型偏光シート18と、をこの順で配置してなる光源ユニットを示す。
【0073】
これらの光源ユニットは、液晶表示パネルに光を供給することで、液晶表示装置としても用いることができる。
【実施例】
【0074】
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例および比較例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0075】
実施例および比較例に示される拡散角度は、微細な凹凸構造を有する面から入光させ、LD8900で測定した角度を示している。例えば、5°は、どの方向のFWHMも、5°であることを表す。拡散角度分布については、拡散シートのx軸方向および/またはy軸方向に対して、2mm間隔でFWHMを測定し、分布図を作成した。
【0076】
実施例1〜2、及び比較例1〜2においては、光学シートとして記載がないものについて、すなわち反射シート、拡散板、表面賦形型拡散シート、反射型偏光シートについては、それぞれポリエステル樹脂からなる白色反射シート(以下、RSと略記)、ポリスチレンからなり、厚さ1.5mm、拡散剤濃度13000ppmの拡散板(以下、DPと略記)、厚さ250μmのPET基材上に樹脂ビーズとバインダーが塗工された拡散シート(以下、DSと略記)と反射型偏光シート(以下、DBEFと略記。3M社製)を用いた。
【0077】
実施例1〜2及び比較例1〜2においては、光源ユニットの光源として、白色LEDを図10(a)に示すように、LED間隔X軸方向:41.6mm、Y軸方向:30.4mmの千鳥状配置で133個実装し、画面サイズ320×320mmのLED光源ユニットを作製した。白色LEDはCREE社製の3.5mm角、高さ2mmのものを用いた。この白色LEDの出光特性を図11に示す。LEDを実装した基板の発光面側に、反射シートを両面テープで貼り付けた。
【0078】
輝度むらは、x軸方向及びy軸方向の2方向について算出した値の平均値とした。まず、x軸(120mm)方向の平均輝度値を求め、y軸方向について、各々の点の輝度値を各々の点から±15.2mm分の輝度平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求めた。同様に、y軸方向(120mm)の平均輝度値を求め、x軸方向について、各々の点の輝度値を各々の点から±20.8mm分の輝度平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求めた。最後に、x軸方向の標準偏差とy軸方向の標準偏差を平均した値(S.D.値)を、光源ユニットの輝度むらとした。なお、LED光源は点光源であるので、図14(b)のように、隣接する光源の直線距離が最大となるような線(図14(b)における破線)上において、拡散角度の分布を考えた。正面輝度むらは、画面に対して法線方向からの輝度むらを測定した。斜め輝度むらは画面に対してx軸方向に45°方向から見た輝度むらを測定した。
【0079】
ここで、正面輝度むらの判定基準を下記のように、2段階(○、×)に分類した。
○:S.D.≦0.005
×:0.005<S.D.
【0080】
また、斜め輝度むらの判定基準を下記のように、2段階(○、×)に分類した。
○:S.D.≦0.008
×:0.008<S.D.
【0081】
(実施例1)
図9に示すように、光源上方にDP、本発明の拡散シート、DS、DS、DBEFと、をこの順で配置し、実施例1の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を16.3mmとした。本発明の拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である64°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である17°で、図12(a)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。実施例1の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表1に示す。また、実施例1の拡散シートについて、拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との算術平均値は40°であり、連続する拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との間に分布する全測定点の拡散角度の算術平均値は31°であった。
【0082】
(実施例2)
図9に示すように、光源上方にDP、本発明の拡散シート、DS、DS、DBEFと、をこの順で配置し、実施例2の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を16.3mmとした。本発明の拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である66°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である16°で、図12(b)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。実施例2の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表1に示す。また、実施例2の拡散シートについて、拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との算術平均値は41°であり、連続する拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との間に分布する全測定点の拡散角度の算術平均値は31°であった。
【0083】
(比較例1)
図9に示すように、光源上方にDP、拡散シート、DS、DS、DBEFと、をこの順で配置し、比較例1の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を16.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である35°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である9°で、図12(c)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。比較例1の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表1に示す。
【0084】
(比較例2)
図9に示すように、光源上方にDP、拡散シート、DS、DS、DBEFと、をこの順で配置し、比較例2の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を16.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である37°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である13°で、図12(d)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。比較例2の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
表1より、図9に示すDP/拡散シート/DS/DS/DBEFの構成を持つ光源ユニットにおいて、本発明の拡散シートは、拡散角度のボトム値が低いものおよび拡散角度差が小さい拡散シートと比較して、正面輝度むらと斜め視野での輝度むらの軽減により効果的であることが分かる。
【0087】
実施例3、4及び比較例3〜5においては、光学シートとして記載がないものについて、すなわち反射シート、拡散板、レンズシート、反射型偏光シートについては、それぞれポリエステル樹脂からなる白色反射シート(以下、RSと略記)、ポリスチレンからなり、厚さ1.5mm、拡散剤濃度13000ppmの拡散板(以下、DPと略記)、厚さ250μmのPET基材上に半球レンズがUV硬化性樹脂によって賦形されたレンズシート16(以下、MLFと略記。シンファインターテック社製)と反射型偏光シート(以下、DBEFと略記。3M社製)を用いた。
【0088】
実施例3、及び比較例3〜5においては、光源ユニットの光源として、白色LEDを図10(b)に示すように、LED間隔X軸方向:55.8mm、Y軸方向:32.2mmの千鳥状配置で104個実装し、画面サイズ320×320mmのLED光源ユニットを作製した。白色LEDは実施例1と同様に、CREE社製の3.5mm角、高さ2mmのものを用いた。LEDを実装したLED基板の上に、反射シートを両面テープで貼り付けた。
【0089】
輝度むらは、x軸方向及びy軸方向の2方向について算出した値の平均値とした。まず、x軸方向(120mm)の平均輝度値を求め、y軸方向について、各々の点の輝度値を各々の点から±16.1mm分の輝度平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求めた。同様に、y軸方向(120mm)の平均輝度値を求め、x軸方向について、各々の点の輝度値を各々の点から±27.9mm分の輝度平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求めた。最後に、x軸方向の標準偏差とy軸方向の標準偏差を平均した値(以下、S.D.で表わす。)を、光源ユニットの輝度むらとした。正面輝度むらは、画面に対して法線方向からの輝度むらを測定した。斜め輝度むらは画面に対してx軸方向に45°方向から見た輝度むらを測定した。
【0090】
ここで、正面輝度むらの判定基準を下記のように、2段階(○、×)に分類した。
○:S.D.≦0.005
×:0.005<S.D.
【0091】
また、斜め輝度むらの判定基準を下記のように、2段階(○、×)に分類した。
○:S.D.≦0.008
×:0.008<S.D.
【0092】
(実施例3)
図9に示すように、光源上方にDP、拡散シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、実施例3の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を20.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である57°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である15°で、図13(a)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。実施例3の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。また、実施例3の拡散シートについて、拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との算術平均値は35°であり、連続する拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との間に分布する全測定点の拡散角度の算術平均値は24°であった。
【0093】
(実施例4)
図9に示すように、光源上方にDP、拡散シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、実施例4の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を20.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である74°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である11°で、図13(b)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。実施例4の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。また、実施例4の拡散シートについて、拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との算術平均値は42°であり、連続する拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との間に分布する全測定点の拡散角度の算術平均値は28°であった。
【0094】
(比較例3)
図9(b)に示すように、光源上方にDP、拡散シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、比較例2の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を20.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である37°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である9°で、図13(c)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。比較例3の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。
【0095】
(比較例4)
図9に示すように、光源上方にDP、拡散シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、比較例2の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を20.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である80°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である8°で、図13(d)に示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。比較例4の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。
【0096】
(比較例5)
図9に示すように、光源上方にDP、拡散シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、比較例2の光源ユニットを構成した。このときLED最上部とDP間の距離を20.3mmとした。拡散シートは、光源の投影領域の拡散角度がピーク値である35°、光源と光源の中間点の投影領域の拡散角度がボトム値である14°で、図13(e)示すように、拡散角度がなめらかに変化しているような拡散シートを、凹凸面が出光面となるように用いた。比較例5の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】
表2より、図9に示すDP/拡散シート/MLF/MLF/DBEFの構成を持つ光源ユニットにおいて、本発明の拡散シートは、拡散角度のボトム値が低いものおよび拡散角度差が小さい拡散シートと比較して、正面輝度むらと斜め視野での輝度むらの軽減により効果的であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、液晶表示装置のような表示デバイスの拡散シートに有効である。
【符号の説明】
【0100】
1 高拡散角度領域
2 低拡散角度領域
3 高拡散角度領域
4 低拡散角度領域
11 冷陰極管(CCFL)
12 LED(発光ダイオード)
13 反射シート
14 拡散板
15 本発明の拡散シート
16 表面賦形型拡散シート
17 プリズムシート
18 反射型偏光シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が前記シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する拡散シートであって、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のピーク値と前記拡散角度のボトム値が複数有り、前記拡散角度のボトム値が11°以上40°以下であり、拡散角度のピーク値とボトム値との差が40°以上80°以下であることを特徴とする拡散シート。
【請求項2】
前記拡散角度分布図において、前記シート面の全領域における拡散角度が11°〜120°の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の拡散シート。
【請求項3】
シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が前記シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する拡散シートであって、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のピーク値と前記拡散角度のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の拡散角度の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する拡散角度の算術平均値より大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の拡散シート。
【請求項4】
前記拡散シートの、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、一つの高拡散角度領域に複数のピーク値を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の拡散シート。
【請求項5】
前記高拡散角度領域における隣接するピーク間の拡散角度分布が直線状であることを特徴とする請求項4に記載の拡散シート。
【請求項6】
前記高拡散角度領域における隣接するピーク間の拡散角度分布が、下に凸の曲線状または曲線と直線の混合形状であることを特徴とする請求項5に記載の拡散シート。
【請求項7】
前記拡散シートの、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のボトム値があり、前記ボトム値を含む低拡散角度領域における拡散角度分布が、前記ボトム値を極小値とする下に凸の曲線状であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の拡散シート。
【請求項8】
前記拡散角度が、前記拡散シート面に形成された凹凸構造により生じることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の拡散シート。
【請求項9】
前記拡散シートの前記凹凸形状が干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成されたものである請求項8に記載の拡散シート。
【請求項10】
2つ以上の光源と、前記光源の上方に配設される請求項1から請求項9のいずれかに記載の拡散シートと、を備え、且つ斜め方向から見た場合の輝度むらにおける標準偏差値が0.008以下であることを特徴とする光源ユニット。
【請求項11】
液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を供給する請求項10に記載の光源ユニットと、を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項1】
シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が前記シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する拡散シートであって、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のピーク値と前記拡散角度のボトム値が複数有り、前記拡散角度のボトム値が11°以上40°以下であり、拡散角度のピーク値とボトム値との差が40°以上80°以下であることを特徴とする拡散シート。
【請求項2】
前記拡散角度分布図において、前記シート面の全領域における拡散角度が11°〜120°の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の拡散シート。
【請求項3】
シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が前記シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する拡散シートであって、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のピーク値と前記拡散角度のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の拡散角度の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する拡散角度の算術平均値より大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の拡散シート。
【請求項4】
前記拡散シートの、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、一つの高拡散角度領域に複数のピーク値を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の拡散シート。
【請求項5】
前記高拡散角度領域における隣接するピーク間の拡散角度分布が直線状であることを特徴とする請求項4に記載の拡散シート。
【請求項6】
前記高拡散角度領域における隣接するピーク間の拡散角度分布が、下に凸の曲線状または曲線と直線の混合形状であることを特徴とする請求項5に記載の拡散シート。
【請求項7】
前記拡散シートの、前記所定の方向における前記シート面内の相対位置を横軸にとり、前記シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のボトム値があり、前記ボトム値を含む低拡散角度領域における拡散角度分布が、前記ボトム値を極小値とする下に凸の曲線状であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の拡散シート。
【請求項8】
前記拡散角度が、前記拡散シート面に形成された凹凸構造により生じることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の拡散シート。
【請求項9】
前記拡散シートの前記凹凸形状が干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成されたものである請求項8に記載の拡散シート。
【請求項10】
2つ以上の光源と、前記光源の上方に配設される請求項1から請求項9のいずれかに記載の拡散シートと、を備え、且つ斜め方向から見た場合の輝度むらにおける標準偏差値が0.008以下であることを特徴とする光源ユニット。
【請求項11】
液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を供給する請求項10に記載の光源ユニットと、を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−22271(P2012−22271A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162166(P2010−162166)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】
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