説明

振動吸収緩衝機能を具えたソール

【課題】 振動吸収緩衝機能を具えたソールの提供。
【解決手段】 ヒール1の踵骨に対応する位置に凹溝10を設け、該凹溝に対応するアウトソール2とミッドソール3の後端の対称位置にそれぞれ貫通孔20,30を設け、この凹溝と貫通孔の形成する貫通空間内にマッシュルーム状の振動吸収ヒールパッド4の弾性柱体40を収容し、また、アウトソールの前端の中足骨に対応する位置に貫通する適当な深さの凹溝21を設け、ミッドソールにあって該アウトソールの凹溝に対応する位置に貫通溝31を設け、このアウトソールの凹溝と該貫通溝の形成する収容空間に中足骨パッド5を固定し、足裏のソールに対する最大加圧位置に、それぞれ振動吸収緩衝機能を具えた弾性パッドを設けることで、走行時或いは長時間立つ時の足裏への圧迫感を緩和する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は一種の振動吸収緩衝機能を具えたソールに係り、特に、足裏のソールに対する最大加圧位置に、それぞれ振動吸収緩衝機能を具えた弾性パッドを設けることで、走行時或いは長時間立つ時の足裏への圧迫感を緩和するようにした振動吸収緩衝機能を具えたソールに関する。
【0002】
【従来の技術】
台湾人の足形は欧米人に比べて幅広で厚く短小である。このため、流行を取り入れると共に健康によく且つ自分に合った靴を選択することで、ウォーキングや運動を楽しむことができる。教師、エレベーターガール等の職業では長時間立ったままでいるため、足裏筋膜炎を起こす人が多い。足裏筋膜炎は、一般には、踵や中足骨の痛み、足裏筋肉の炎症である。足裏筋膜は一層の足裏に位置する組織であり、足裏後部の踵骨から前に延伸されて末節骨に至る。足裏筋膜の足部にあっての機能は非常に重要であり、それは足部のアーチ形の構造の維持を補助する。足裏筋膜炎をもたらす原因は非常に多く、不当な訓練方式、不適合の靴、及び過度の走行或いは訓練は、いずれも足裏筋膜の過度の使用を形成し、偏平足と高弓足も、不正常な動作による疲れや損傷を悪化させる。
【0003】
足裏筋膜炎の治療に最も重要であるのは足裏筋膜に対する不当な負荷の因子を排除して、良好な治癒環境を形成することであり、適当な急速、訓練方式或いは環境の改善、適合する靴の着用、硬質材料を用いて踵を高くする(約1cm)、適当な物理治療或いは薬物の組合せ等の方法がある。
【0004】
いかに積極的に自分で健康を維持し足裏筋膜炎を防止するかは相当に重要であり、適当なエアパッドを選択し、弾性振動吸収し、土踏まずを支え、土踏まずの空間を保護することにより足の受ける圧力を軽減することができ、並びに足の快適度をを増加することも、保健のための重要な方法である。
【0005】
エアクッションは身体用の緩衝器のようであり、走ったり運動する時に、身体の受ける圧力による傷害を防止する。一般にエアクッション靴は衝撃を軽減する能力を有するが、エアクッションの厚さはその振動吸収の能力に関係し、市販されているエアクッション靴は多いが、優れた振動吸収を行えるものは多くない。
特にエアクッションの厚さと振動吸収能力は正比例の関係にあり、このため市販されているエアクッション靴の多くは運動靴、レジャー用靴或いは海難用靴等、ソールの比較的厚い靴に限られ、紳士靴やハイヒールには厚過ぎるソールは全体の外観を悪くするためエアクッション機能を具備しているものは少ない。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
本考案はエアクッション靴の概念を皮靴製品に応用し、紳士靴或いはハイヒールを愛好する人のために開発した、振動吸収緩衝機能を具えたソールである。
即ち、本考案の主要な目的は、一種の振動吸収緩衝機能を具えたソールを提供することにあり、それは、ヒールの踵骨に対応する位置に凹溝を設け、該凹溝に対応するアウトソールとミッドソールの後端の対称位置にそれぞれ貫通孔を設け、この凹溝と貫通孔の形成する貫通空間内にマッシュルーム状の振動吸収ヒールパッドの弾性柱体を収容し、また、アウトソールの前端の中足骨に対応する位置に貫通する適当な深さの凹溝を設け、ミッドソールにあって該アウトソールの凹溝に対応する位置に貫通溝を設け、このアウトソールの凹溝と該貫通溝の形成する収容空間に中足骨パッドを固定し、足裏のソールに対する最大加圧位置に、それぞれ振動吸収緩衝機能を具えた弾性パッドを設けることで、走行時或いは長時間立つ時の足裏への圧迫感を緩和するようにしたソールであるものとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案は、ヒール、アウトソール、ミッドソール、振動吸収踵骨パッド、弾性中足骨パッド、中敷、及びアッパーで組成されて、ヒールがアウトソールと結合され一体とされ、アッパーとアウトソールが結合されて靴体が形成され、アウトソールの上にミッドソールが結合され、ミッドソールの上に中敷が敷かれてなる靴の振動吸収緩衝機能を具えたソールにおいて、 ヒールの踵骨に対応する位置に凹溝が設けられ、該凹溝に対応するアウトソール及びミッドソールの後端位置に、それぞれ貫通孔が設けられ、この凹溝と貫通孔により一つの貫通空間が形成されてマッシュルーム状の振動吸収踵骨パッドの下向きに延伸された弾性柱体が該貫通空間に挿入され、アウトソールの前端の中足骨に対応する位置に凹溝が設けられ、ミッドソールにあってアウトソールの凹溝に対応する位置に貫通する貫通溝が設けられ、これによりアウトソールの凹溝とそれに対応する位置のミッドソールの貫通溝が共同で収容空間を形成し、弾性中足骨パッドが該収容空間に固定されたことを特徴とする、振動吸収緩衝機能を具えたソールとしている。
請求項2の考案は、請求項1に記載の振動吸収緩衝機能を具えたソールにおいて、弾性中足骨パッドと振動吸収踵骨パッドがPU、シリコンゴム、ゲルのいずれかで形成され、良好な振動吸収効果を有する緩衝材とされたことを特徴とする、振動吸収緩衝機能を具えたソールとしている。
【0008】
【考案の実施の形態】
本考案は一種の振動吸収緩衝機能を具えたソールを提供する。本考案は、ソールの適当な位置に複数の振動吸収弾性パッドを設けた振動吸収緩衝機能を具えたソールにおいて、ヒールの踵骨に対応する位置に凹溝を設け、該凹溝に対応するアウトソールとミッドソールの後端の対称位置にそれぞれ貫通孔を設け、この凹溝と貫通孔の形成する貫通空間内にマッシュルーム状の振動吸収ヒールパッドの弾性柱体を収容し、また、アウトソールの前端の中足骨に対応する位置に貫通する適当な深さの凹溝を設け、ミッドソールにあって該アウトソールの凹溝に対応する位置に貫通溝を設け、このアウトソールの凹溝と該貫通溝の形成する収容空間に中足骨パッドを固定し、足裏のソールに対する最大加圧位置に、それぞれ振動吸収緩衝機能を具えた弾性パッドを設けることで、走行時或いは長時間立つ時の足裏への圧迫感を緩和するようにしたことを特徴とする。
【0009】
【実施例】
本考案はソールの適当な位置に複数の振動吸収緩衝パッドを具えている。特に、それはソールにあって最大の足裏重力の圧迫を受ける区域に凹溝が設けられ、靴のミッドソールに該凹溝の大きさと形状に対応するよう穿孔が設けられ、穿孔と凹溝に共同で支持パッドの収容溝を形成させ、該支持パッドを収容溝に置き入れることにより安定したソール構造を形成する。
【0010】
図1から図3に示される実施例によると、靴は、ヒール1、アウトソール1、ミッドソール3、振動吸収踵骨パッド4、弾性中足骨パッド5、中敷6、及びアッパー7で構成されている。そのうち、ヒール1はアウトソール2と結合され一体とされ、アッパー7とアウトソール2が結合されて靴体が形成され、アウトソール2の上にミッドソール3が結合され、ミッドソール3の上に中敷6が敷かれている。そのうち、ミッドソール3には固定円弧の変形を防止する鉄心32が設けられている。
【0011】
本考案の特徴は、ソールにあって最大の足裏重力圧迫を受ける区域に凹んだ収容溝を設置したことにある。図3に示されるように、ソールにあって最大の足裏重力圧迫を受ける区域は踵骨と中足骨に対応する部分である。これによりヒール1の踵骨に対応する位置に凹溝10が設けられ、該凹溝10に対応するアウトソール2及びミッドソール3の後端位置に、それぞれ貫通孔20、30が設けられ、この凹溝10と貫通孔20、30により一つの貫通空間が形成され、マッシュルーム状の振動吸収踵骨パッド4の下向きに延伸された弾性柱体40がその間に挿入される。また、アウトソール2の前端の中足骨に対応する位置に凹溝21が設けられ、ミッドソール3にあってアウトソール2の凹溝21に対応する位置に貫通する貫通溝31が設けられ、これによりアウトソール2の凹溝21と貫通溝31が共同でもう一つの収容空間を形成し、弾性中足骨パッド5がその間に固定される。
【0012】
人体重力の足裏の圧力分布に関しては、上述の中足骨と踵骨の部分に集中し、これにより本考案の弾性パッドの位置は踵骨と中足骨に対応する。踵骨がマッシュルーム状の振動吸収踵骨パッド4のマッシュルームヘッド41を圧迫する時、振動吸収踵骨パッド4の弾性柱体40の凹溝10、貫通孔20、30の形成する空間内での緩衝効果により、圧力が緩和される。同様に、弾性中足骨パッド5の中足骨に対する緩衝効果が、起立と動態運動時に、足裏が最良の弾性支持を提供し、足裏が最良の弾性支持を得られ、これにより足部関節が保護を獲得すると共に快適な効果を得られる。
【0013】
本考案の弾性パッドはPU、シリコンゴム、ゲル等の材料で形成された良好な振動吸収効果を有する緩衝材である。
【0014】
以上に説明された構造と表現の図面は男性用の靴に適用されるだけでなく、女性用のヒールの高い靴に対しても、同じ形式で、上述の要求に符合する振動吸収緩衝効果を有するソールを製造することができる。
【0015】
【考案の効果】
本考案は、ヒールの踵骨に対応する位置に凹溝を設け、該凹溝に対応するアウトソールとミッドソールの後端の対称位置にそれぞれ貫通孔を設け、この凹溝と貫通孔の形成する貫通空間内にマッシュルーム状の振動吸収ヒールパッドの弾性柱体を収容し、また、アウトソールの前端の中足骨に対応する位置に貫通する適当な深さの凹溝を設け、ミッドソールにあって該アウトソールの凹溝に対応する位置に貫通溝を設け、このアウトソールの凹溝と該貫通溝の形成する収容空間に中足骨パッドを固定し、足裏のソールに対する最大加圧位置に、それぞれ振動吸収緩衝機能を具えた弾性パッドを設けることで、走行時或いは長時間立つ時の足裏への圧迫感を緩和する。
【0016】
総合すると、本考案は極めて簡単な構造で極めて良好なエアクッション機能を創造し、振動吸収緩衝効果を有する弾性パッドに振動軽減の目的を達成させ、健康意義を有し、その実用効果は明らかである。また本考案は未だ公開されておらず、実用新案登録の要件を具備している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の立体分解図である。
【図2】本考案の立体外観図である。
【図3】本考案の全体断面図である。
【符号の説明】
1 ヒール
10 凹溝
2 アウトソール
20 貫通孔
21 凹溝
3 ミッドソール
30 貫通孔
31 貫通溝
32 鉄心
4 振動吸収踵骨パッド
40 弾性柱体
41 マッシュルームヘッド
5 弾性中足骨パッド
6 中敷
7 アッパー

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 ヒール、アウトソール、ミッドソール、振動吸収踵骨パッド、弾性中足骨パッド、中敷、及びアッパーで組成されて、ヒールがアウトソールと結合され一体とされ、アッパーとアウトソールが結合されて靴体が形成され、アウトソールの上にミッドソールが結合され、ミッドソールの上に中敷が敷かれてなる靴の振動吸収緩衝機能を具えたソールにおいて、ヒールの踵骨に対応する位置に凹溝が設けられ、該凹溝に対応するアウトソール及びミッドソールの後端位置に、それぞれ貫通孔が設けられ、この凹溝と貫通孔により一つの貫通空間が形成されてマッシュルーム状の振動吸収踵骨パッドの下向きに延伸された弾性柱体が該貫通空間に挿入され、アウトソールの前端の中足骨に対応する位置に凹溝が設けられ、ミッドソールにあってアウトソールの凹溝に対応する位置に貫通する貫通溝が設けられ、これによりアウトソールの凹溝とそれに対応する位置のミッドソールの貫通溝が共同で収容空間を形成し、弾性中足骨パッドが該収容空間に固定されたことを特徴とする、振動吸収緩衝機能を具えたソール。
【請求項2】 請求項1に記載の振動吸収緩衝機能を具えたソールにおいて、弾性中足骨パッドと振動吸収踵骨パッドがPU、シリコンゴム、ゲルのいずれかで形成され、良好な振動吸収効果を有する緩衝材とされたことを特徴とする、振動吸収緩衝機能を具えたソール。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【登録番号】実用新案登録第3095615号(U3095615)
【登録日】平成15年5月21日(2003.5.21)
【発行日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【考案の名称】振動吸収緩衝機能を具えたソール
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2003−425(U2003−425)
【出願日】平成15年1月30日(2003.1.30)
【出願人】(500326547)老牛皮國際股▲ふん▼有限公司 (1)