説明

挿入補助器具

【課題】勃起機能が低下した男性器であっても、無理なく女性器内に挿入でき、挿入後、数分、例えば、10分以内、好ましくは、3〜6分の短い時間で溶解させることができ、男性器を女性器内に自然な挿入状態で保つことができ、夫婦の円満なスキンシップ、良好な夫婦関係を維持することができる挿入補助器具を提供する。
【解決手段】男性器を女性器内に挿入するために、先端が丸く閉塞するようカーブした先端部および末端が開放された円筒部を有し、男性器を被覆する円筒状部材からなり、この円筒状部材が、女性器内の体液によって溶解する溶解性素材をハードカプセル化したものであることにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、勃起機能の低下した男性器であっても女性器に挿入することができるように補助するための挿入補助器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、心因的な要因から、または物理的な要因から、さらには年齢的な要因などの様々な要因から、勃起機能が低下した男性器を物理的または擬似的に回復させようとする試みがなされ、そのために、男性器に装着する器具などが提案されてきた。
しかしながら、男性器の勃起機能の低下は、「性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないため、満足な性交が行えない状態」と定義されるED(Erectile Dysfunction)と呼ばれる、男性であれば多くの人に起こり得る疾患であるにもかかわらず、「インポテンツ(性的不能)」などと呼ばれ、人間として能力の欠如であるかのように言われ、長い間偏見にさらされてきた。
【0003】
このため、男性器の勃起機能の低下や勃起不全を回復するための器具の使用は、一部の好事家のものであるとして、また、口にするのが恥ずかしいこととして、蔑視されるものであった。
しかしながら、日本では、最近、40〜70歳の男性の半数以上が何らかの原因でEDになっているという疫学調査の結果もあり、EDに悩む男性は、1000万人以上とも言われている。
このような状況下で、男性がEDにかかると、男性の悩みが大きくなり、夫婦のスキンシップが途絶え、円満な夫婦関係が壊れ、離婚につながる場合があった。年齢的な要因によるEDは、避けられないことであるにもかかわらず、長年連れ添った信頼関係による精神的なつながりのある老齢夫婦にも、破綻が訪れる場合があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上のような状況を鑑みてなされたものであって、その課題は、勃起機能が低下した男性器であっても無理なく女性器内に挿入でき、挿入後、数分、例えば、10分以内、好ましくは3〜6分の短い時間で溶解させることができ、その結果、男性器を女性器内に自然な挿入状態で保つことができ、夫婦の円満なスキンシップを保つことができ、良好な夫婦関係を維持することができる挿入補助器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、男性器を女性器内に挿入するための挿入補助器具であって、先端が丸く閉塞するようカーブした先端部および末端が開放された円筒部を有し、男性器を被覆する円筒状部材からなり、この円筒状部材が、女性器内の体液によって溶解する溶解性素材をハードカプセル化したものであることを特徴とする挿入補助器具を提供するものである。
【0006】
ここで、前記溶解性素材は、前記溶解性植物素材であるのが好ましい。
また、前記溶解性植物素材は、植物性プルランまたはHPMCであるのが好ましい。
また、前記溶解性素材は、前記溶解性動物素材であるのが好ましい。
また、前記溶解性動物素材は、豚ゼラチンまたは牛ゼラチンもしくはそれらの混合物であるのが好ましい。
また、前記円筒状部材は、その内面または外面の少なくとも一部に避妊薬を含有する層が形成されているのが好ましい。
また、前記円筒状部材は、避妊薬を含有する溶解性素材をハードカプセル化したものであるのが好ましい。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、男性器を女性器内に挿入するための挿入補助器具であって、先端が丸く閉塞するようカーブした先端部および末端が開放された円筒部を有し、男性器を被覆する円筒状部材からなり、この円筒状部材が、男性器および女性器の体温によって融解性素材をハードカプセル化したものであることを特徴とする挿入補助器具を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ED等の疾患により勃起機能が低下した男性器であっても無理なく女性器内に挿入でき、挿入後、数分、例えば、10分以内、好ましくは、3〜6分の短い時間で溶解させることができるので、その結果、男性器を女性器内に自然な挿入状態に維持することができ、夫婦の円満なスキンシップを保つことができ、良好な夫婦関係を維持することができる。
また、本発明において、挿入補助器具を構成する円筒状部材の溶解性素材を、植物性プルランやHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)などの溶解性植物素材や、豚ゼラチンまたは牛ゼラチンなどの溶解性動物素材等の天然素材を用いるもので、安全性が高く、使用者に安心感を与えるので、安心して使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の挿入補助器具を添付の図面に示される好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1(a)および(b)は、それぞれ本発明の挿入補助器具の一実施形態の正面図および末端側から見た側面図である。
これらの図に示すように、本発明の挿入補助器具10は、ED等の疾患により勃起機能が低下し、例えば、勃起していない男性器であっても、無理なく女性器内に挿入することができ、挿入後体液によって溶解し、好ましくは、短時間で溶解し、男性器を女性器内に自然な挿入状態に保つための円筒状部材であって、先端頂部12aが丸く閉塞する先端部12と、末端が開放された末端開放部14aを持つ円筒部14とを有する。
【0011】
本発明の挿入補助器具10は、内部に男性器(20;図3参照)を保持したまま、女性器(22;図3参照)内に挿入された状態で、体液によって自然に溶解し、男性器を女性器22内に自然に留まらせるためのものである。
したがって、本発明の挿入補助器具10は、たとえ勃起していない男性器であっても、末端開放部14aから男性器を挿入し、男性器を被覆する必要があるし、内部に男性器20を保持した状態で、女性器内に挿入される必要があるので、たとえ勃起していない男性器を保持する機能および男性器を保持したまま女性器内に挿入されることが可能な機能の2つの機能を発揮するだけの強度、すなわち、男性器を保持して形状を維持する保持性を備えている必要がある。
【0012】
また、本発明の挿入補助器具10は、男性器を保持したまま女性器内に挿入された後には、女性器内にて体液にてできるだけ速やかに自然溶解して、男性器を女性器22内に自然に留まらせる機能を発揮するだけの溶解性を備えている必要があるし、さらに、溶解前後においても無害である、すなわち人体への悪影響がないことはもちろん、男性器の女性器内への自然な挿入状態の維持や感触などを阻害することがなく、安全であることが必要である。
このため、この挿入補助器具10は、このような保持性と溶解性と安全性とを兼ね備えた材料で製造する必要がある。なお、挿入補助器具10の製造材料としては、このような保持性と溶解性と安全性とを兼ね備えた材料であれば、特に制限的ではなく、どのような材料でも良い。
【0013】
例えば、本発明の挿入補助器具10は、上述したように、例えば女性器内の体液または男性器の体液等の水分により経時的に溶解可能なものであり、例えば、女性器内に挿入されてから5分以内溶解するのが好ましく、より好ましくは2分以内に少なくとも一部が溶解するのがよい。このため、溶解性の挿入補助器具10としては、上記の水分に加え、体温による熱にも起因して、または水分に代えて体温の熱で溶解するものでもよい。
【0014】
本発明においては、豚ゼラチン、牛ゼラチンまたは両者の混合物等を含むゼラチンなどの溶解性動物素材、または、プルラン等の多糖類(ポリサッカライド)やHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)等のセルロース誘導体(セルロースエーテル類)などの溶解性植物素材などの溶解性素材から挿入補助器具10を形成することができる。
本発明においては、ゼラチンや、プルランや、HPMCなどの溶解性素材の粉末を攪拌溶解後、ゼリー状にしてゼリー槽に供給し、このゼリー槽に挿入補助器具10専用の成形ピンを浸漬して、成形ピンに所定厚み付着させ、乾燥後、成形ピンから抜き取ることにより、挿入補助器具10を形成することができる。ここで、挿入補助器具10を製造するために、挿入補助器具10専用の成形ピンが使用できるように、従来のカプセル製造機等を改造して用いることができる。
【0015】
なお、このような成形ピンに、もしくは成形ピンに付着しているゼリー(ゼリー状溶解性素材)の表面に、単糖類、高分子、脂肪やロウ等のワックスをコーティングして挿入補助器具10を製造してももよいし、これら自体から挿入補助器具10を形成してもよい。また、溶解性素材をフィルム状にした後に、挿入補助器具10を形成しても良いし、上記コーティング材自体をフィルム状にして挿入補助器具10を形成してもよい。
なお、上述したように、挿入補助器具10にワックスなどを用いる場合には、女性器や男性器の体熱によって表面が溶解または融解して、潤滑剤の役目を果たすので、挿入補助器具10に男性器を挿入しやすくなるし、男性器を保持した挿入補助器具10を女性器を挿入しやすくなるという効果もある。
【0016】
このような挿入補助器具10の製造材料としては、例えば、経口投薬のために内服用薬剤等をその中に充填して包み込む飲薬用(医薬品用)カプセル、または、サプリメント、健康食品など医薬品以外の食品用カプセル、もしくは、医薬部外品、動物薬、農薬、健康食品、一般加工食品、雑貨などの多種多様な分野で広く利用されているカプセルなどの全ての従来公知のカプセル用素材を用いることができ、特に、ハードマイクロカプセル用素材を用いるのが好ましい。
例えば、豚ゼラチン、牛ゼラチンまたは両者の混合物などを含むゼラチンなどの溶解性動物素材、プルラン等の多糖類や、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、MC(メチルセルロース)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、CMC・Na(カルボキシメチルセルロースナトリウム)、CMC・Ca(カルボキシメチルセルロースカルシウム)などのセルロース誘導体(セルロースエーテル類)などの溶解性植物素材であるのがより好ましく、特に、動物性の素材である豚ゼラチン、牛ゼラチンまたは両者の混合物などのゼラチンや、植物性の素材であるプルランやHPMCがより好ましい。
【0017】
ここで、ゼラチンは、動物の皮、骨、腱などに含まれ、動物の結合組織の細胞間物質の主成分であるコラーゲンから作られるもので、コラーゲンを長時間、水と加熱するとにより水に可溶化したもの、すなわち熱変性して可溶化されたコラーゲンである。
なお、ゼラチン、特に、豚ゼラチン、牛ゼラチンまたは両者の混合物などのゼラチン類は、人体に無害であり、かつ、くせが無く、体内で容易に消化吸収される動物性たんぱく質であり、また、ゾルやゲルに変化し、乾燥すると強固な皮膜を形成し、また、酸素や水分を透過しにくく、しかも、入手が容易で、安価であることから、今まで、カプセル用途に広く用いられてきている素材である。
【0018】
一方、プルランは、とうもろこしデンプン、特に好ましくは、非遺伝子組換とうもろこしデンプンを原材料とする黒酵母(オーレオバシディウムプルランス:Aureobasidium Pullulans)による発酵で得られる水溶性多糖類からなる安全で優れた機能を有する植物性の溶解性材料である。なお、本発明において、多糖類は、二糖類、三糖類、四糖類などのオリゴ糖類をも含めて、加水分解によって2分子以上の単糖を生ずるすべての炭水化物をさす。また、多糖類としては、例えばデンプン、グリコーゲン、イヌリン、リケニン、セルロース、キチン、ヘミセルロース(寒天等)、ガラクトース、ペクチンなどを挙げることができる。
プルランの安全性は、急性毒性試験、亜急性毒性試験、慢性毒性試験、突然変異誘発試験等で確認されており、国内では使用制限のない添加物として、食品、医薬品、化粧品に広く用いられているもので、国外でも、同様に広く使用が認められているものである。
【0019】
なお、HPMCは、国内、米国、EU(欧州連合)において、食品添加物として指定されており、保健機能食品のカプセル基剤および錠剤の結合剤として使用されている素材であり、HPMC同様、MC、CMC、CMC・Na、CMC・Ca等も、同様に、欧米において、一般食品用添加物、もしくは、ダイエタリーサプりメント用カプセル基剤および錠剤の結合剤、コーティング剤等として使用されている素材である。
【0020】
したがって、本発明の挿入補助器具10の製造材料として、動物性の素材である豚ゼラチン、牛ゼラチンまたは両者の混合物などゼラチンや、植物性の素材であるプルランや、HPMCなどを用いることにより、人体への影響も無く、形状保持性と溶解性と安全性とを兼ね備えた挿入補助器具10を製造することができる。
なお、ゼラチンや、プルランや、HPMCなどの溶解性素材から挿入補助器具10を製造する際にも、これらの溶解性素材からカプセルを製造する場合にこれらの溶解性素材に混入するゲル化剤や補助剤などの従来公知の添加物、例えばカラギーナン、塩化カリウム、さらに、ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、大豆レシチンなどを添加しても良いことはもちろんである。
【0021】
なお、挿入補助器具10の厚みは、上述した保持性からは厚い方が好ましいが、迅速な溶解性の点からは薄い方が好ましいので、要求される保持性と溶解性とをバランスから適宜設定すれば良く、特に制限的ではないが、0.08mm(80μm)〜1mmとするのが良く、好ましくは、0.08mm(80μm)〜0.3mm(300μm)とするのが良く、より好ましくは、0.08mm(80μm)〜0.15mm(150μm)とするのが良く、さらに、特に好ましくは、0.09mm(90μm)〜0.12mm(120μm)とするのが良い。
なお、挿入補助器具10の内径は、内部に男性器を収納でき、その外形が女性器に挿入できれば、特に制限的ではないが、例えば、30〜45mmとするのが好ましく、より好ましくは33〜38mmとするのが良い。
【0022】
また、挿入補助器具10の長さも、内部に男性器を収納でき、その外形が女性器に挿入できれば、特に制限的ではないが、例えば、50〜100mmとするのが好ましく、より好ましくは、50〜80mmとするのが良い。
なお、挿入補助器具10の先端部12は、内部に男性器の先端部分を収納でき、その外形が女性器に挿入でき、先端頂部12aが丸く閉塞していれば、その形状や寸法は、特に制限的ではなく、必要に応じて適宜設定すればよい。例えば、その長さは、例えば、30〜45mmとするのが好ましく、より好ましくは36〜38mmとするのが良い。その先端の形状も、球面、楕円面、放物線面などのなめらかな凸状であれば良い。
【0023】
上述した挿入補助器具10は、その先端部12が閉塞しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、図2(a)および(b)に示す挿入補助器具11のように、先端部12の最先端に形成された開口16を備えるものであってもよい。なお、図示例では、開口16は、挿入補助器具11の強度や形状保持性等の点から、先端部12の最先端に形成されているが、本発明はこれに限定されず、開口は、挿入補助器具11の強度や形状保持性が維持できれば、どこに設けてもよい。例えば、先端部12の最先端に換えて、もしくはこれに加えて、先端部12および円筒部14に設けてもよいが、先端部12に設けるのが好ましい。
【0024】
図2(a)および(b)に示す挿入補助器具11おいては、開口16を先端部12の最先端に、あるいは、その他の位置に開口を形成することにより、男性器を円筒部14の末端開放部14aから挿入し易くして、男性器への挿入補助器具11の装着を容易にすることができるともに、女性器の体液の量と男性器の体液の量とに差がある場合などは特に、男性器を保持した挿入補助器具11を女性器に挿入した状態で、豊富な体液をより少ない側に送りことができるので、挿入補助器具11の内側および外側から同時に挿入補助器具10の溶解を促進することができる。
【0025】
また、本発明の挿入補助器具10および11においては、その内面または外面の少なくとも一部に避妊薬を含有する層が形成されていても良いし、挿入補助器具10および11を避妊薬を含有する溶解性素材をハードカプセル化して形成しても良い。なお、挿入補助器具10および11の内面または外面の少なくとも一部に避妊薬を含有する層を形成する場合には、いずれの面に避妊薬の層を形成しても良いが、内面には男性用避妊薬の層、外面には女性用避妊薬の層を形成するのが好ましく、これらの層は、一方のみでも良いし、両方の層を形成しても良い。溶解性素材に避妊薬を含有させる場合には、いずれの避妊薬を含有させても良い。
なお、本発明において、用いられる避妊薬は、特に制限的ではなく、従来公知の種々の避妊薬を用いることができる。
【0026】
本発明に係る挿入補助器具は、基本的に以上のように構成されるものであり、以下に、その作用、その使用方法について説明する。
図3(a)および(b)は、図1に示す挿入補助器具の装着方法を示す説明図である。
まず、図3(a)に示すように、たとえ勃起していない男性器20であっても、男性器20が挿入補助器具10の末端開放部14aから挿入される。ここでは、男性器20の先端が挿入補助器具10の先端部12の先端頂部12aに突き当たるまで挿入を続ける。こうして、挿入補助器具10が、男性器、好ましくはその略全体を被覆するように男性器20に装着される。
【0027】
次に、図3(a)に示す男性器20への装着が完了した挿入補助器具10を、そのまま、例えば、片手で包むように保持しながら、女性器22にあてがうように挿入していく。そして、内部に男性器20収納した挿入補助器具10が、女性器22内に十分に挿入されると、挿入を停止する。
この後、女性器22の体液や、あるいはこれに加えて男性器の体液により、あるいは女性器および/または男性器の体温等により、女性器22と男性器20との間に介在する挿入補助器具10が自然溶解して、図3(b)に示すように、男性器20を女性器22内に挿入された状態で留まらせることができる。
【0028】
こうして、ED等の疾患により、勃起機能が低下した、あるいは勃起不全の男性器であっても無理なく女性器内に挿入でき、挿入後、数分、例えば、10分以内、好ましくは、3〜6分の短い時間で溶解させることができるので、その結果、男性器を女性器内に自然な挿入状態で保つことができ、夫婦の円満なスキンシップを保つことができ、良好な夫婦関係を維持することができ、仮に高齢夫婦であっても、長年連れ添った信頼関係による精神的なつながりのみならず、肉体的なつながりを確認でき、その後を幸せに仲良く暮らしていくことができる。その結果、ED等の疾患のために、肉体的なつながりを始めとする夫婦のスキンシップが途絶え、円満な夫婦関係が壊れ、離婚につながる危機や破綻の訪れをなくすことができる。
【0029】
次に、本発明に係る挿入補助器具の製造方法について説明する。
原料として、ゼラチン、HPMC、プルランなどの溶解性素材、または、これに必要に応じてゲル化剤や補助剤を添加した溶解性素材を用意する。
まず、こうして準備した溶解性素材を、所定の温度の温水を注入した溶解タンクに、攪拌しながら直接投入して溶解する。
次に、溶解終了後、粗熱を取り、固まらない程度の温度まで溶解溶液の温度を下げる。
次に、改造したカプセル製造機にぜリーを供給し、挿入補助器具専用の成型ピンをぜリー槽に浸漬し、その後、温湿度および一定風量の管理した乾燥室にて乾燥するまで乾燥する。
最後に、成形ピン上の乾燥したカプセル状器具を成形ピンから抜き、所定サイズに切断して、本発明の挿入補助器具を製造することができる。
【実施例】
【0030】
(実施例1)
本発明の挿入補助器具を以下に示す実施例に基づいて具体的に説明する。
まず、原料として、ゼラチン(豚、牛)粉末、HPMC粉末、プルラン粉末を用意した。なお、これらの粉末にゲル化剤として、カラギーナンを0.35〜1.00%、補助剤として、塩化カリウムを0.35〜0.50%添加した。
次に、こうして準備した溶解性素材を、50〜70℃の温水を注入した溶解タンクに攪拌しながら直接投入して溶解した。ここで、溶解温度は、50〜70℃、溶解時間は15〜20分であった。
次に、溶解終了後、粗熱を取り、固まらない程度の40℃前後まで溶解溶液の温度を下げた。このとき、溶液のpHは、6.0付近であり、粘度は、40〜50mpであった。
次に、改造したカプセル製造機にぜリーを供給し、挿入補助器具10専用の成型ピンをぜリー槽に浸漬し、その後、温湿度および一定風量の管理した乾燥室にて30〜60分間乾燥した。
最後に、成形ピン上の乾燥したカプセル状器具を成形ピンから抜き、所定サイズに切断して、図1に示す本発明の挿入補助器具10を製造した。
こうして得られたハードカプセル状の、本発明の挿入補助器具10のサイズは、直径が35mm、長さが60mmであり、厚みは、80〜130μmであった。
【0031】
得られたハードカプセル状の、本発明の挿入補助器具10を、試料として崩壊試験を行った。
以下のものを準備した。
まず、二層式崩壊試験機(富山産業(株)製)および試料を入れるカゴ2ケを準備した。
次に、崩壊液として、生理食塩水(中性付近)、生理食塩水(pH4)および崩壊液試験第1液(pH1.5)の3種を準備した。なお、生理食塩水は、0.9%生理食塩水を使用した。
試料は、ゼラチン由来の挿入補助器具、HPMC由来の挿入補助器具およびプルラン由来の挿入補助器具の3種であった。なお、ゼラチン由来の挿入補助器具の水分含有量は、15%前後であり、HPMCおよびプルラン由来の挿入補助器具の水分含有量は、共に2〜4%であった。
【0032】
ここで、試験方法は、以下のようなものであった。
準備した二層式崩壊試験機に調製した3種の崩壊液を1種類ごとに注入した。
なお、二層共に、同じ崩壊液を使用した。各層には、1000ml注入した。
次に、温度(36〜37℃)に調整し、予備テストを行った。予備テストの結果、36℃の場合も37℃の場合も殆ど変化が無かった。なお、崩壊試験機は、対流式になっており、温水は斑無く撹拝されていた。
試料をカゴに入れて、崩壊試験機の各層に浸漬し、崩壊時間の測定をした。
その結果を表1、表2および表3に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
以上の表1、表2および表3から明らかなように、3種の全ての崩壊液について、どの試料も、試験開始から10分以内に崩壊した。全ての条件について、試料の崩壊は良好であった。なお、崩壊時間は、試料が形を失う時間とした。
以上から、ゼラチン、HPMCおよびプルラン由来の試料では、崩壊時間に差は、見られないものと思われる。
また、崩壊液のpHが低くなるにしたがい(酸性に傾くにつれ)、僅かだが試料の崩壊時間が短くなる(崩壊が早くなる)傾向が見られる。
このことから、試料の崩壊に影響を及ぼすのは、崩壊液の組成(pH)、物理的な衝撃の強度であると思われる。
この実施例1の結果から、本発明の挿入補助器具は、体液によって5分以内、したがって、10分以内に溶解することは明らかであり、本発明の効果は明らかである。
【0037】
(実施例2)
原料として、ゼラチン(豚)粉末のみを用意し、実施例1と同様にして、図1に示す本発明の挿入補助器具10を、表4に示す異なるサイズに製造した。
表4に示す異なるサイズの、本発明の挿入補助器具10を、試料1、試料2、試料3として、実施例1と同様にして崩壊試験を行った。
その結果を表5、表6および表7に示す。
【0038】
【表4】

【0039】
【表5】

【0040】
【表6】

【0041】
【表7】

【0042】
以上の表5、表6および表7から明らかなように、3種の全ての崩壊液について、どの試料も、試験開始から10分以内に崩壊した。全ての条件について、試料の崩壊は良好であった。なお、崩壊時間は、試料が形を失う時間とした。
以上から、豚ゼラチン由来の試料では、サイズによる崩壊時間に差は、見られないものと思われる。
なお、実施例1および実施例2の結果から、試料の厚みによる崩壊時間に差が見られ、その厚みが厚くなれば、崩壊時間が長くなる(崩壊が遅くなる)ことが分かる。
また、実施例1の場合と同様に、崩壊液のpHが低くなるにしたがい(酸性に傾くにつれ)、僅かだが試料の崩壊時間が短くなる(崩壊が早くなる)傾向が見られる。
このことから、実施例1の場合と同様に、試料の崩壊に影響を及ぼすのは、崩壊液の組成(pH)、物理的な衝撃の強度であると思われる。
この実施例2の結果からも、本発明の挿入補助器具は、体液によって10分以内に溶解することは明らかであり、本発明の効果は明らかである。
【0043】
以上、本発明の挿入補助器具について種々の実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
例えば、本発明の挿入補助器具の製造材料として、座薬用の担体や基材を用いて、挿入補助器具に成型しても良い。例えば、このような担体や基材としては、体温で融解するかあるいは軟化する材料を挙げることができ、具体的には、カカオ脂、グリセロゼラチン、ステアリン酸ナトリウム、プロピレングリコールモノステアレートなどをあげることができる。このような座薬用の担体や基材は、これをそのまま成型して、挿入補助器具としても良いし、上述した多糖類や単糖類等によって製造された挿入補助器具の表面にコーティングする材料として用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】 (a)および(b)は、それぞれ本発明の挿入補助器具の一実施形態の正面図および末端側から見た側面図である。
【図2】 (a)および(b)は、それぞれ本発明の挿入補助器具の他の実施形態の正面図および末端側から見た側面図である。
【図3】 (a)および(b)は、それぞれ図1に示す挿入補助器具の装着方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0045】
10 挿入補助器具
12 先端部
12a 先端頂部
14 円筒部
14a 末端開放部
16 先端開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
男性器を女性器内に挿入するための挿入補助器具であって、
先端が丸く閉塞するようカーブした先端部および末端が開放された円筒部を有し、男性器を被覆する円筒状部材からなり、
この円筒状部材が、女性器内の体液によって溶解する溶解性素材をハードカプセル化したものであることを特徴とする挿入補助器具。
【請求項2】
前記溶解性素材は、前記溶解性植物素材である請求項1に記載の挿入補助器具。
【請求項3】
前記溶解性植物素材は、植物性プルランまたはHPMCである請求項2に記載の挿入補助器具。
【請求項4】
前記溶解性素材は、前記溶解性動物素材である請求項1に記載の挿入補助器具。
【請求項5】
前記溶解性動物素材は、豚ゼラチンまたは牛ゼラチンもしくはそれらの混合物である請求項4に記載の挿入補助器具。
【請求項6】
前記円筒状部材は、その内面または外面の少なくとも一部に避妊薬を含有する層が形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の挿入補助器具。
【請求項7】
前記円筒状部材は、避妊薬を含有する溶解性素材をハードカプセル化したものである請求項1〜5のいずれかに記載の挿入補助器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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