接地部品実装構造及び接地部品実装方法

【課題】グランドラインのインピーダンスが小さく、かつ、基板におけるパターン配線の自由度が高い接地部品実装構造を提供すること。
【解決手段】第1の回路のグランドラインに接続され、接地されるグランドパターンと、第2の回路のグランドラインに接続される1又は複数の第1のランドとが配線された基板と、該グランドパターンに実装されるバスプレートと、板形状を有し、該グランドパターン及び/又は該バスプレートと該第1のランドとを接続する1又は複数の第1のバスバーとを備え;該第1のバスバーが、該バスプレートに対して垂直に該基板へ実装される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接地部品実装構造に関し、さらに詳しくは、オーディオ機器の電源回路における接地部品実装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オーディオ機器の電源回路では、グランド電位を安定化させるため、電源回路のグランドラインの一部であるグランドパターンの面積を比較的大きくし、さらにグランドパターンへバスプレートを実装して、グランドラインのインピーダンスを下げる。また、グランドパターンから離れた位置に構成される他の回路(例えば、アンプ回路)などのグランドラインを当該グランドパターンに接続して接地する場合、図11に示すように、接地部品であるバスプレート500がバスバー部501を有し、基板400に配線されたグランドパターン401へ半田付けされるとともに、バスバー部501の先端が他の回路のグランドライン(図示せず)に接続されているランド402へ半田付けされる。これにより、ランド402がグランドパターン401に接続されるので、ランド402に接続される他の回路のグランドラインの電位をグランド電位にすることができる。
【0003】
このような複数回路を接地する接地部品実装構造において、銅板又は黄銅板からプレス加工した1枚板のバスプレート500を用いる場合、バスバー部501の幅を狭くすると、バスバー部501の強度が弱くなるのでプレス加工の際に変形してしまい、所望する寸法とおりにバスプレート500を加工することが難しい。また、バスバー部501の幅が狭いと、バスプレート500のインピーダンスが高くなってしまうという問題がある。逆にバスバー部501の幅を大きくすると、その分バスプレート500の大きさが大きくなってしまい、グランドパターン401も大きくしなければならず、基板400における他のパターン配線の自由度に制限が生じるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−350335号
【特許文献2】特開平07−184311号
【特許文献3】特開平02−199779号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、複数回路を接地する接地部品実装構造において、グランドラインのインピーダンスが小さく、かつ、基板におけるパターン配線の自由度が高い接地部品実装構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態による接地部品実装構造は、第1の回路のグランドラインに接続され、接地されるグランドパターンと、第2の回路のグランドラインに接続される1又は複数の第1のランドとが配線された基板と、該グランドパターンに実装されるバスプレートと、板形状を有し、該グランドパターン及び/又は該バスプレートと該第1のランドとを接続する1又は複数の第1のバスバーとを備え;該第1のバスバーが、該バスプレートに対して垂直に該基板へ実装される。
【0007】
第1のバスバーがバスプレートに対して垂直に基板へ実装される。これにより、バスプレートの大きさをバスバーの幅に合わせる必要が無い。従って、バスバーの幅を大きくすることが可能であり、第2の回路のグランドラインのインピーダンスを小さくすることができる。さらに、バスプレートを小さくすることができるので、グランドパターンの面積も小さくすることができ、基板におけるパターン配線の自由度が高くなる。
【0008】
好ましい実施形態においては、上記第2の回路が第1のチャンネル音声信号アンプ回路であり;第2のチャンネル音声信号アンプ回路のグランドラインに接続される1又は複数の第2のランドがさらに上記基板に配線され;板形状を有し、上記グランドパターン及び/又は上記バスプレートと該第2のランドとを接続する1又は複数の第2のバスバーをさらに備え;該第2のバスバーが、該バスプレートに対して垂直に該基板へ実装され、該グランドパターンの形状と、該バスプレートの形状と、上記第1のランドに対する該第2のランドの配線と、上記第1のバスバーに対する該第2のバスバーの実装位置とが、該基板に規定される所定軸に対して線対称である。
【0009】
グランドパターンの形状と、バスプレートの形状と、第1のランドに対する第2のランドの配線と、第1のバスバーに対する第2のバスバーの実装位置とが、基板に規定される所定軸に対して線対称であるので、第1のチャンネル音声信号アンプ回路(特に限定されないが、例えばLチャンネル音声信号アンプ回路)におけるグランドラインのインピーダンスと、第2のチャンネル音声信号アンプ回路(特に限定されないが、例えばRチャンネル音声信号アンプ回路)におけるグランドラインのインピーダンスとを同じにすることができる。インピーダンスが同じであれば、第1のチャンネル音声信号アンプ回路及び第2のチャンネル音声信号アンプ回路におけるグランドラインの電位を揃えることができ、その結果、音質が向上する。
【0010】
好ましい実施形態においては、上記バスプレートが、1又は複数の切欠部を有し、上記第1のバスバー又は第2のバスバーの一端が該切欠部に係入される。
【0011】
第1のバスバー又は第2のバスバーの一端を切欠部へ係入することで、基板へ実装する際の位置出しが可能であり、第1のバスバー又は第2のバスバーの基板への実装が容易になる。
【0012】
好ましい実施形態においては、上記基板は、第1のスルーホールが規定され、上記バスバーが、第1のリード部を有し、該基板の第1の面へ実装され、上記バスプレートが、該基板の第2の面へ実装され、該第1の面から該第1のスルーホールへ挿通された該第1のリード部が、該第2の面へ実装された該バスプレートを該基板へ係止する
【0013】
本発明によると、基板の第2の面に実装されたバスプレートがバスバーによって基板へ係止されるので、第2の面を半田ディップすることで、バスプレート及びバスバーを基板へ固定し、バスバーをバスプレートに固定することができる。したがって、半田ディップでバスバーとバスプレートとを固定することができ、作業時間が短縮される。
【0014】
好ましい実施形態においては、上記第1のリード部が略鉤状である
【0015】
第1のリード部を略鉤状とすることで、第1のスルーホールへ挿通された第1のリード部を基板の裏面側で捻れば、バスバーとバスプレートとを密着させることができ、半田ディップの際、バスバーとバスプレートの間へ半田が入り込まず、直接電気的に接続されるのでインピーダンスの増加を防ぐことができる。
【0016】
好ましい実施形態においては、上記バスバーが、第2のリード部をさらに有し、上記基板は、第2のスルーホールが規定され、該第2のリード部が、該第2のスルーホールに挿入され、該第2の面側で該基板を係止する
【0017】
第2のリード部が基板を第2の面側で係止するので、バスバーが基板から外れることがなく、第1のリード部が着実にバスプレートを基板へ係止し、バスバーとバスプレートとが密着される。その結果、バスバー、バスプレート間における熱伝導性が向上するので、半田ディップの代わりに半田付けによってバスバーとバスプレートとを固着することが可能である。
【0018】
好ましい実施形態においては、上記バスバーが、上記基板100から所定の高さへ保持する第1の係止部及び第2の係止部をさらに有し、上記第1のリード部が、該第1の係止部から延伸され、上記第2のリード部が、該第2の係止部から延伸され、該第1の係止部が、上記第1のスルーホールへ挿入可能であり、該第2の係止部が、上記第2のスルーホールへ挿入可能である
【0019】
第1の係止部を第1のスルーホールへ挿入可能とし、第2の係止部を第2のスルーホールへ挿入可能とすることで、バスプレートを基板へ実装するときに基板を裏返する場合、第1の係止部を第1のスルーホールへ、第2の係止部を第2のスルーホールへ挿入することで、第1のリード部及び第2のリード部が基板にひっかかり易くなり、バスバーが基板から外れにくくなる。
【0020】
好ましい実施形態においては、上記バスバーが、該上記第1の面側から基板を係止する突片部をさらに有する。
【0021】
突片部で基板を第1の面側から係止することで、第1の係止部が第1のスルーホールへ入り込むのを防ぐことができる。
【0022】
好ましい実施形態においては、上記バスバーが、第3のリード部をさらに有し、上記基板は、第3のスルーホールがさらに規定され、該第3のスルーホールに該第3のリード部が挿入され、半田によって該第3のリード部が該基板へ固定され、上記第2のスルーホールに上記第2のリード部が挿入され、半田によって該第2のリード部が該基板へ固定され、上記第1のリード部は、該基板へ固定されない
【0023】
第2のリード部及び第3のリード部を基板へ固定することで、第1のリード部を基板へ固定する必要がなく、第1のスルーホールで固定されない第1のリード部は捻り易くなる。
【0024】
本発明の別の好ましい実施形態による接地部品実装構造は、第1の回路のグランドラインに接続され、接地されるグランドパターンと、第2の回路のグランドラインに接続される1又は複数の第1のランドとが配線された基板と、該グランドパターンに実装されるバスプレートと、板形状を有し、該グランドパターン及び/又は該バスプレートと該第1のランドとを接続する1又は複数の第1のバスバーとを備え;該基板は、第1のスルーホールが規定され、該バスバーが、第1のリード部を有し、該基板の第1の面へ実装され、該バスプレートが、該基板の第2の面へ実装され、該第1の面から該第1のスルーホールへ挿通された該第1のリード部が、該第2の面へ実装された該バスプレートを該基板へ係止する。
【0025】
本発明の好ましい実施形態による接地部品実装方法は、リード部を有する複数のバスバーを基板の第1の面へ実装する工程と、バスプレートを該基板の第2の面に配線されるグランドパターン上に実装する工程と、該第2の面に突出した該リード部によってバスプレートを該基板へ係止する工程と、該第2の面を半田ディップする工程とを含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明の接地部品実装構造によると、バスバーをバスプレートに対して垂直に基板へ実装することにより、バスバーの幅を大きくすることが可能であり、第2の回路のグランドラインのインピーダンスを小さくすることができる。さらに、バスプレートを小さくすることができるので、グランドパターンの面積も小さくすることができ、基板におけるパターン配線の自由度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の好ましい実施形態における基板を示す平面図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態におけるバスプレートを示す平面図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態におけるバスバーを示す平面図である。
【図4】本発明の好ましい実施形態による接地部品実装構造を示す三面図であり、(a)は基板の裏面から見た平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図5】本発明の別の好ましい実施形態によるバスバーを示す平面図である。
【図6】本発明の別の好ましい実施形態による接地部品実装方法を示す図である。
【図7】本発明のさらに別の好ましい実施形態によるバスバーを示す平面図である。
【図8】本発明のさらに別の好ましい実施形態による接地部品実装方法を示す図である。
【図9】本発明のさらに別の好ましい実施形態によるバスバーを示す平面図である。
【図10】本発明のさらに別の好ましい実施形態による接地部品実装構造を示す断面図である。
【図11】従来の接地部品実装構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施形態による接地部品実装構造について、図を参照して説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明を援用する。
【0029】
本発明の好ましい実施形態による接地部品実装構造は、オーディオ機器の電源回路及びアンプ回路などの複数回路を接地するための接地部品実装構造であり、接地部品及び回路部品を実装する基板100と、接地部品であるバスプレート200と、バスバー300a、300a…及び300b、300b…とを備える。
【0030】
まず、本発明の好ましい実施形態における基板100について説明する。図1は、本発明の好ましい実施形態における基板100の裏面を示す平面図である。
【0031】
基板100は、少なくとも一方の面に回路部品が実装され、電源回路やアンプ回路など(図示せず)が基板100上に実装される。本実施例では、基板100の一方の面(以下、表面)に電源回路やアンプ回路の部品が実装される。一方、基板100の他方の面(以下、裏面)に、銅箔で形成されるグランドパターン101、ランド102a、102a、102a、102a及びランド102b、102b、102b、102bが配線されている。
【0032】
グランドパターン101は、電源回路のグランドライン(図示せず)の一部であり、接地されることでグランド電位に保たれる。また、グランドパターン101には基板100を貫通する複数のスルーホール103a、103a、103a、103aが規定されており、後述のバスバー300aの一端が挿入される。また、グランドパターン101には複数のスルーホール103b、103b、103b、103bが規定されており、バスバー300bの一端が挿入される。
【0033】
ランド102aは、基板100上に実装されるRチャンネル音声信号用アンプ回路のグランドライン(図示せず)に接続されており、ランド102bはLチャンネル音声信号用アンプ回路のグランドライン(図示せず)に接続されている。ランド102aは、後述するバスバー300aによりグランドパターン101へ接続される。ランド102bは、バスバー300bによりグランドパターン101へ接続される。これにより、ランド102a及びランド102bはグランド電位に保たれる。また、ランド102aには、基板100を貫通するスルーホール104aが規定されており、バスバー300aの他端が挿入される。また、ランド102bには、基板100を貫通するスルーホール104bが規定されており、バスバー300bの他端が挿入される。
【0034】
さらに、グランドパターン101は、その面形状が基板100に規定する所定軸Xに対して線対称であり、スルーホール103a、103a、103a、103aに対してスルーホール103b、103b、103b、103bが所定軸Xに対して線対称に規定される。さらに、ランド102a、102a、102a、102aは、ランド102b、102b、102b、102bに対して所定軸Xに対して線対称に配線されている。
【0035】
なお、本実施例では、Lチャンネル音声信号用アンプ回路及びRチャンネル音声信号用アンプ回路がグランドパターン101から離れた位置に構成されており、グランドパターン101とランド102との間に、電力供給ラインや信号伝播ラインなどの他のパターン105、105が配線されている。
【0036】
次に、本発明の好ましい実施形態におけるバスプレート200について説明する。図2は、本発明の好ましい実施形態におけるバスプレート200を示す平面図である。
【0037】
バスプレート200は、銅板又は黄銅板からプレス加工して形成した板状の導電板であり、グランドラインのインピーダンスを下げる。バスプレート200は、基板100のグランドパターン101へ実装され、グランド電位に保たれる。バスプレート200は、複数の切欠部201a、201a、201a、201a及び切欠部201b、201b、201b、201bが規定される。切欠部201a、201a、201a、201aは、後述するバスバー300aの一端が係入されて接続され、切欠部201b、201b、201b、201bはバスバー300bの一端が係入されて接続される。なお、バスプレート200は、その面形状がグランドパターン101と略同一であり、グランドパターン101に実装された際に所定軸Xで線対称となるよう、切欠部201a、201a、201a、201a及び切欠部201b、201b、201b、201bが規定される。また、切欠部201a、201a、201a、201aは、バスプレート200がグランドパターン101へ実装されたときに、スルーホール103a、103a、103a、103aと略同一の位置に配置されるようバスプレート200に規定され、切欠部201b、201b、201b、201bは、スルーホール103b、103b、103b、103bと略同一の位置に配置されるようバスプレート200に規定されている。さらに、切欠部201の切り欠き幅は、後述するバスバー300の厚みと略同一である。
【0038】
次に、本発明の好ましい実施形態におけるバスバー300a及び300bについて説明する。図3は、本発明の好ましい実施形態におけるバスバー300aを示す平面図である。
【0039】
バスバー300a及び300bは、グランドパターン101から離れた位置に実装されているLチャンネル音声信号アンプ回路のグランドライン及びRチャンネル音声信号アンプ回路のグランドラインをグランドパターン101へ接続するための導電板である。バスバー300aは、銅板又は黄銅板からプレス加工して形成され、略コの字状の形状を有する。具体的には、バスバー300aは、略長方形のバー部301と、バー部301の長軸方向に対して垂直にバー部301両端から延伸されている係止部302、302と、バー部301の長軸方向に対して垂直に係止部302からそれぞれ延伸されているリード部303、303とを有する。バスバー300aは、一方のリード部303がスルーホール103aへ挿入され、他方のリード部303がスルーホール104aへ挿入されて、係止部302、302によって基板100へ係止される。また、バスバー300bもバスバー300aと同様の形状を有し、一方のリード部303がスルーホール103bへ挿入され、他方のリード部303がスルーホール104bへ挿入されて、係止部302、302によって基板100へ係止される。なお、本実施例では長手方向(図3中、矢印方向)の長さL1が異なるバスバー300a、300bも用いられる。また、本発明ではバスバー300a及び300bの幅を、バー部301の短軸方向の長さW1と規定する。
【0040】
次に、本発明の好ましい実施形態による接地部品実装構造について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の好ましい実施形態による接地部品実装構造を示す三面図であり、(a)は基板100の裏面から見た平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。なお、図4において、スルーホール103a、103b、104a、104bの図示は省略されている。
【0041】
バスプレート200は、平面視で切欠部201とスルーホール103が重なるように、グランドパターン101へ半田付けされる。そして、バスバー300aは立てた状態で基板100へ実装される。具体的には、バスバー300aは、バスバー300aの板面がグランドパターン101に対して垂直になるように、バスバー300aの一方のリード部303がバスプレート200の切欠部201へ係入されてスルーホール103へ挿入され、半田付けにより固定される。他方のリード部303はスルーホール104aへ挿入され、半田付けにより固定される。これにより、ランド102aがグランドパターン101へ接続されるので、ランド102aに接続されるLチャンネル音声信号アンプ回路のグランドラインをグランド電位にすることができる。なお、バスバー300bもバスバー300aと同様に立てた状態で基板100へ実装されることで、ランド102bがグランドパターン101へ接続され、ランド102bに接続されるRチャンネル音声信号アンプ回路のグランドラインをグランド電位にすることができる。
【0042】
このように、本発明に係る接地部品実装構造では、バスプレート200に対してバスバー300a及び300bを立てた状態で基板100へ実装するので、バスプレート200の大きさをバスバー300a及び300bの幅(図3中、W)に合わせる必要が無い。従って、バスバー300a及び300bの幅Wを大きくすることが可能であり、Lチャンネル音声信号アンプ回路及びRチャンネル音声信号アンプ回路のグランドラインのインピーダンスを小さくすることができる。
【0043】
また、バスプレート200の面積を小さくすることができるので、グランドパターン101の面積も小さくすることができ、基板におけるパターン配線の自由度が高くなる。
【0044】
さらに、グランドパターン101の形状と、バスプレート200の形状と、ランド102aに対するランド102bの配線と、バスバー300aに対するバスバー300bの実装位置とが、基板100に規定される所定軸Xに対して線対称であるので、Lチャンネル音声信号アンプ回路におけるグランドラインのインピーダンスと、Rチャンネル音声信号アンプ回路におけるグランドラインのインピーダンスとを同じにすることができる。インピーダンスが同じであれば、Lチャンネル音声信号アンプ回路及びRチャンネル音声信号アンプ回路におけるグランドラインの電位を揃えることができ、その結果、音質が向上する。
【0045】
さらには、バスバー300a、300bの一端を切欠部201a、201bへ係入することで、バスバー300a、300bを基板100へ実装する際の位置出しが可能であり、バスバー300a、300bの基板100への実装が容易になる。具体的には、切欠部201a、201bが、バスプレート200がグランドパターン101へ実装されたときに、スルーホール103a及び103bと略同一の位置に配置されるよう規定されているので、リード部303を切欠部201a、201bへ係入すれば、リード部303をスルーホール103へ容易に挿入することができる。
【0046】
以上の実施例では、グランドパターン101及びランド102a、102bが基板の裏面(電源回路やアンプ回路の実装面の裏側)に配線されているが、配線面積の余裕があれば、電源回路やアンプ回路の実装面と同一面にグランドパターン101及びランド102が配線されていても良い。
【0047】
次に、本発明の別の好ましい実施形態による接地部品実装構造について説明する。図4で説明した接地部品実装構造では、バスプレート200及びバスバー300を半田付けする際、バスプレート200とバスバー300との間に隙間ができてしまった場合、半田ごてではバスプレート200と全てのバスバー300を同時に温められないため、半田付けに時間がかかる。さらに、隙間が半田で埋められてしまうと、グランドラインのインピーダンスが増加してしまう。そこで、本発明の別の好ましい実施形態による接地部品実装構造は、基板100の表面にバスバー300が実装され、裏面にバスプレート200が実装され、表面に実装されたバスバー300が、裏面に実装されたバスプレート200を基板100へ係止する。バスプレート200の構成は、図2で説明したとおりである。
【0048】
図5は、本発明の別の好ましい実施形態におけるバスバー300aを示す平面図である。バスバー300aは、バスプレート200と接続される側のリード部303aが、L字状(鉤状)に形成されている。具体的には、リード部303aが係止部302aから略垂直に延伸され、その端部304aがバー部301と平行に内側へさらに延伸されている。言い換えると、図5に示すように、バスバー300aは、バー部301、係止部302及びリード部303aで略コの字形状を有する。また、リード部303aは捻ることができる。具体的には、端部304aを板面に対して垂直方向(実装後でいうと、基板100の面方向)に曲げることで、リード部303aが捻られる。なお、係止部302と端部304aとで規定される長さL2は、基板100の厚みとバスプレート200の厚みを足した長さと略同一である。バスバー300bはバスバー300aと同じ構成であるので以下説明を省略する。
【0049】
次に、図5のバスバー300aを用いた接地部品実装構造について、その実装方法を図6を参照して説明する。図6は、本発明の別の好ましい実施形態による接地部品実装方法を示す図であり、(a)及び(b)は断面図、(c)及び(d)は断面図(左側)及び基板100の裏面側の平面図(右側)である。なお、(c)及び(d)の平面図において、基板100に規定されているランドは図示を省略している。
【0050】
まず、バスバー300aは、リード部303aがスルーホール103aへ挿入され、リード部303bがスルーホール104aへ挿入されて、基板100の表面へ実装される(図6(a))。なお、スルーホール103aはリード部303aの端部304aが挿入可能な大きさ及び位置に、スルーホール104aはリード部303bが挿入可能な大きさに規定され、その他は図1で説明したものと同じである。そして、バスバー300aが基板100へ実装されると、リード部303aが裏面側に突出する(図6(b))。次に、裏面側に突出しているリード部303aが切欠部201aに係入されるように、バスプレート200が基板100の裏面に配線されているグランドパターン101上へ実装される(図6(c))。次に、リード部303aが作業者等によって捻られることで、端部304aがバスプレート200を基板100へ係止する(図6(d))。具体的には、端部304aが、板面に対して垂直方向に曲げられ、バスプレート200を基板100へ係止する。このとき、端部304aはバスプレート200と密着され、電気的に接続される。なお、他のバスバー300aも同様に基板100へ実装され、バスプレート200を基板100へ係止する。
【0051】
以上のように裏面に実装されたバスプレート200がバスバー300によって基板100から外れないように係止されるので、基板100の裏面を半田ディップすることで、バスプレート200及びバスバー300を基板100へ固定し、バスバー300をバスプレート200に固定することができる。これにより、半田付け作業が半田ごてでバスバー300を一つずつ半田付けするより容易になり、作業時間が短縮される。また、バスバー300のリード部303aが捻られ、バスバー300とバスプレート200が密着されるので、バスバー300とバスプレート200の間への半田が入り込まず、直接電気的に接続されるのでインピーダンスの増加を防ぐことができる。
【0052】
また、バスバー300aは、図7(a)に示すように、リード部303aの端部304aが、図5で説明した端部304aと逆向きの方向に延伸されていてもよい。バスバー300aは、端部304aがバー部301と平行に外側へ延伸されている。さらに、バスバー300aは、図7(b)に示すように、リード部303bにも端部304bが規定されていてもよい。係止部302bと端部304bとで規定される長さL3は、基板100の厚み略同一である。リード部303bが基板100へ挿入された後、基板100の裏面に突出した端部304bが板面に対して垂直方向に曲げられることによって、端部304bが基板100の裏面側にひっかかり、リード部303bがスルーホール104aから抜けない状態となる。なお、スルーホール104aは端部304bが挿入可能な大きさに規定される。
【0053】
さらに、図7(b)のバスバー300aで、係止部302aがスルーホール103aに、係止部302bがスルーホール104aに挿入できるように、係止部302aの幅W2を端部304aの長さL4以下に規定し、係止部302bの幅W3を端部304bの長さL5以下に規定する。以下、このバスプレート300bを用いた接地部品実装構造について、その実装方法を図8を参照して説明する。図8は、本発明のさらに別の好ましい実施形態による接地部品実装方法を示す図であり、(a)及び(b)は断面図、(c)及び(d)は断面図(左側)及び基板100の裏面側の平面図(右側)である。なお、(c)及び(d)の平面図において、基板100に規定されているランドは図示していない。
【0054】
まず、バスバー300aは、表面側から、リード部303a及びリード部303bが、それぞれスルーホール103a及びスルーホール104aへ挿入され(図8(a))、さらに係止部302aがスルーホール103aへ、係止部302bがスルーホール104aへ挿入される(図8(b))。この状態にすることで、バスプレート200を基板100へ実装するときに基板100を裏返する場合、端部304a、304bが基板100にひっかかり易くなり、バスバー300aが基板100から抜け落ちにくくなる。なお、スルーホール103aはリード部303aの端部304aが挿入可能な大きさ及び位置に、スルーホール104aはリード部303bの端部304bが挿入可能な大きさ及び位置に規定される。次に、バスプレート200が裏面へ実装され、そして端部304a、304bが板面に対して垂直方向に曲げられてから、スルーホール103a、104bから係止部302a、302bを出すようにバスバー300aが引き出される(図8(c))。次に、バスバー300aを基板面方向(本実施例では、端部304a、304bの向きと逆方向)にずらして係止部302a及び302bを基板100に係止させる(図8(d))。このとき、端部304bが基板100を係止しているので、リード部303b側が基板100から外れることがない(基板100から浮き上がることがない)。そのため、リード部303aの端部304aが着実にバスプレート200を基板100へ係止し、バスバー300aとバスプレート200とが密着されるので、バスバー300a、バスプレート200間における熱伝導性が向上し、半田ディップの代わりに半田付けによる固着も可能になる。また、バスバー300aとバスプレート200が十分密着しているのであれば、半田付けによる固着を省略することも可能である。
【0055】
ところで、図8(c)の状態のとき、引き出したバスバー300aが、係止部302aが再度スルーホール103aに入ってしまい、端部304aによってバスプレート200が基板100へ係止されない可能性がある。そこで、リード部303a側の係止部302aに突片部を規定する。図9は、本発明のさらに別の好ましい実施形態におけるバスバー300aを示す平面図である。図8(c)と同様の状態のとき、突片部305が板面に対して垂直方向に曲げられることで、係止部302aがスルーホール103aに再び入り込んでしまうことを防ぐことができる。なお、突片部305と端部304aとで規定される長さL6は、基板100の厚みとバスプレート200の厚みを足した長さと略同一である。また、係止部302a及び突片部305をスルーホール103aへ挿入することができるように、係止部302a及び突片部305を併せた幅W4は、端部304aの長さL4と同等以下に規定される。
【0056】
また、バスバー300aは、図10に示すように、基板100への固定用にリード部303cをさらに有していてもよい。図10は、本発明のさらに別の好ましい実施形態による接地部品実装構造を示す断面図である。この場合、基板100には、リード部303cを挿入するスルーホール106aが規定される。リード部303b及びリード部303cは、基板100への固定用とし、半田ディップによってこれらが基板100へ固定される。一方、リード部303aは、基板100へ半田で固定されない。具体的には、スルーホール103aを孔内表面が銅コーティングされていない孔とし、裏面側にランドを規定しないことで、半田ディップの際にスルーホール103aに半田が付着せず、リード部303aはスルーホール103a部分で基板100に固定されない。その結果、端部304aを板面に対して垂直方向に曲げて、リード部304aが捻り易くなる。なお、スルーホール104a及びスルーホール106は孔内表面が銅コーティングされている孔とし、スルーホール103aの裏面側にランドを規定することで、半田ディップ後にリード部303c及びリード部303bが基板100へ固定される。
【0057】
また、図10に示すバスバー300aを用いる場合であれば、バスプレート200を半田ディップ後に実装することも可能である。具体的には、バスバー300aを基板100の表面側へ実装し、その後、裏面側を半田ディップしてバスバー300aを基板100へ固定する。その次に、リード部303aがバスプレート200の切欠部201aへ係入されることでバスプレート200が位置出しされ、バスプレート200が基板100へ実装される。そして、端部304aが板面に対して垂直方向に曲げられ、バスプレート200と半田付けされる。このとき、端部304aは、ディップされた際に表面に半田がコーティングされた状態になっているので半田付けし易い。また、端部304aを板面に対して垂直方向に曲げるだけでバスプレート200と密着するのであれば、半田付けの必要はない。
【0058】
以上、本発明に係る接地部品実装構造の好ましい実施形態の例について説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、オーディオ機器に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0060】
100 基板
101 グランドパターン
102 ランド
103、104、106 スルーホール
105 パターン
200 バスプレート
201 切欠部
300 バスバー
301 バー部
302 係止部
303 リード部
304 端部
305 突片部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回路のグランドラインに接続され、接地されるグランドパターンと、第2の回路のグランドラインに接続される1又は複数の第1のランドとが配線された基板と、
該グランドパターンに実装されるバスプレートと、
板形状を有し、該グランドパターン及び/又は該バスプレートと該第1のランドとを接続する1又は複数の第1のバスバーとを備え;
該第1のバスバーが、該バスプレートに対して垂直に該基板へ実装される、接地部品実装構造。
【請求項2】
前記第2の回路が第1のチャンネル音声信号アンプ回路であり;
第2のチャンネル音声信号アンプ回路のグランドラインに接続される1又は複数の第2のランドがさらに前記基板に配線され;
板形状を有し、前記グランドパターン及び/又は前記バスプレートと該第2のランドとを接続する1又は複数の第2のバスバーをさらに備え;
該第2のバスバーが、該バスプレートに対して垂直に該基板へ実装され、
該グランドパターンの形状と、該バスプレートの形状と、前記第1のランドに対する該第2のランドの配線と、前記第1のバスバーに対する該第2のバスバーの実装位置とが、該基板に規定される所定軸に対して線対称である、請求項1に記載の接地部品実装構造。
【請求項3】
前記バスプレートが、1又は複数の切欠部を有し、前記第1のバスバー又は第2のバスバーの一端が該切欠部に係入される、請求項1又は2に記載の接地部品実装構造。
【請求項4】
前記基板は、第1のスルーホールが規定され、
前記バスバーが、第1のリード部を有し、該基板の第1の面へ実装され、
前記バスプレートが、該基板の第2の面へ実装され、
該第1の面から該第1のスルーホールへ挿通された該第1のリード部が、該第2の面へ実装された該バスプレートを該基板へ係止する、請求項1に記載の接地部品実装構造。
【請求項5】
前記第1のリード部が略鉤状である、請求項4に記載の接地部品実装構造。
【請求項6】
前記バスバーが、第2のリード部をさらに有し、
前記基板は、第2のスルーホールが規定され、
該第2のリード部が、該第2のスルーホールに挿入され、該第2の面側で該基板を係止する、請求項5又は6に記載の接地部品実装構造。
【請求項7】
前記バスバーが、前記基板から所定の高さへ保持する第1の係止部及び第2の係止部をさらに有し、
前記第1のリード部が、該第1の係止部から延伸され、
前記第2のリード部が、該第2の係止部から延伸され、
該第1の係止部が、前記第1のスルーホールへ挿入可能であり、
該第2の係止部が、前記第2のスルーホールへ挿入可能である、前記請求項6に記載の接地部品実装構造。
【請求項8】
前記バスバーが、該前記第1の面側から基板を係止する突片部をさらに有する、請求項7に記載の接地部品実装構造。
【請求項9】
前記バスバーが、第3のリード部をさらに有し、
前記基板は、第3のスルーホールがさらに規定され、
該第3のスルーホールに該第3のリード部が挿入され、半田によって該第3のリード部が該基板へ固定され、
前記第2のスルーホールに前記第2のリード部が挿入され、半田によって該第2のリード部が該基板へ固定され、
前記第1のリード部は、該基板へ固定されない、請求項4に記載の接地部品実装構造。
【請求項10】
第1の回路のグランドラインに接続され、接地されるグランドパターンと、第2の回路のグランドラインに接続される1又は複数の第1のランドとが配線された基板と、
該グランドパターンに実装されるバスプレートと、
板形状を有し、該グランドパターン及び/又は該バスプレートと該第1のランドとを接続する1又は複数の第1のバスバーとを備え;
該基板は、第1のスルーホールが規定され、
該バスバーが、第1のリード部を有し、該基板の第1の面へ実装され、
該バスプレートが、該基板の第2の面へ実装され、
該第1の面から該第1のスルーホールへ挿通された該第1のリード部が、該第2の面へ実装された該バスプレートを該基板へ係止する、接地部品実装構造。
【請求項11】
リード部を有する複数のバスバーを基板の第1の面へ実装する工程と、
バスプレートを該基板の第2の面に配線されるグランドパターン上に実装する工程と、
該第2の面に突出した該リード部によってバスプレートを該基板へ係止する工程と、
該第2の面を半田ディップする工程とを含む、接地部品実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−96990(P2011−96990A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291395(P2009−291395)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000000273)オンキヨーサウンド&ビジョン株式会社 (502)
【Fターム(参考)】