説明

接続枠及び枠用コーナージョイント部材

【課題】枠構成部材とコーナージョイント部材とを強固に結合する。
【解決手段】上下に配置される一対の横枠部材6、左右に配置される一対の縦枠部材7からなる4つの枠構成部材2と、これら枠構成部材2の突合わせ端部をそれぞれ連結するコーナージョイント部材3とを備えるとともに、前記コーナージョイント部材3は、枠構成部材2の端面に形成された差込孔12に挿入される複数の連結片32と、これら連結片32の基端部を支持しかつ差込孔12の位置に応じて連結片32を配列する支持軸部31とを有し、前記連結片32は、弾性体からなる平板部の中央部に、差込孔12への挿入方向に沿って延びる凸条部33が形成されてなり、該凸条部33の頂面が差込孔12の内壁面に押圧接触される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、浴室の出窓等に用いられ、室内壁に窓サッシュ、壁埋め込み収納棚家具を接続する接続枠及びこれに用いられる枠用コーナージョイント部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室の出窓等に用いられる窓サッシュには様々な形状寸法のものがあるため、設置される窓サッシュの形状に沿うように複数の枠構成部材を施工現場において組み立てることで造形される接続枠により、内壁の窓用開口と、外壁に設けられる窓サッシュとの間を接続するようになっている。このような接続枠は、複数の枠構成部材とこれらを連結する連結部材とから構成されている。例えば、上枠部材と左右の縦枠部材及び下枠部材からなる4つの枠構成部材の突合わせ端部を4個のコーナージョイント部材でそれぞれ連結した後、各枠構成部材の前面を長尺状の前面カバーで覆うようにして組み立てられる接続枠が開示されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−148061号公報
【特許文献2】特開平11−131913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これら特許文献に記載されている接続枠は、コーナージョイント部材に形成した連結片を枠構成部材の孔に単に差し込むことにより、コーナージョイント部材と枠構成部材とを結合するものであるので、両者の結合力が弱く、特許文献2記載の接続枠では、コーナージョイント部材を枠構成部材に連結した後に、コーナージョイント部材と縦枠部材及び横枠部材とをビス等で固定する必要が生じるものであった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、枠構成部材とコーナージョイント部材とを強固に結合することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の接続枠は、上下に配置される一対の横枠部材、左右に配置される一対の縦枠部材からなる4つの枠構成部材と、これら枠構成部材の突合わせ端部をそれぞれ連結するコーナージョイント部材とを備えるとともに、前記コーナージョイント部材は、枠構成部材の端面に形成された差込孔に挿入される複数の連結片と、これら連結片の基端部を支持しかつ差込孔の位置に応じて連結片を配列する支持軸部とを有し、前記連結片は、弾性体からなる平板部の中央部に、差込孔への挿入方向に沿って延びる凸条部が形成されてなり、該凸条部の頂面が差込孔の内壁面に押圧接触されることを特徴とする。
【0006】
枠構成部材の差込孔に挿入される連結片を、弾性体からなる平板により形成し、かつその中央部に差込孔への挿入方向に沿う凸条部を形成したので、枠構成部材の差込孔に挿入した際、連結片の凸条部の頂面が、枠構成部材の差込孔の一方側内壁面(幅方向に沿う内壁面の一方側)を押圧する。また、凸条部が差込孔の一方側内壁面を押圧した場合には、凸条部が弾性変形するとともにその弾性変形が戻る際のバネ力で、連結片の平板部の裏面が差込孔の他方側内壁面(幅方向に沿う内壁面の他方側)を押圧する。そして、このような凸条部と平板部とが共に、差込孔を形成する対向内壁面をそれぞれ押圧することにより、枠構成部材の差込孔内に、連結片が強固に嵌合されることになる。
【0007】
また、前記連結片に形成された凸条部は、枠構成部材の差込孔内に挿入したときに、枠構成部材の外側に向けて配置される。
連結片を枠構成部材の差込孔内に挿入し、連結片の凸条部の頂面が、枠構成部材の差込孔の一方側内壁面(幅方向に沿う内壁面の一方側)を押圧した場合、その連結片の凸条部によって、差込孔の一方側の内壁面が外側に膨らむことがあるが、その凸条部を枠構成部材の外側に向けて配置したことにより、膨らんだとしても枠構成部材の外側になり、枠の内側からは見えない状態となる。
【0008】
このような接続枠に用いられるコーナージョイント部材は、枠構成部材の端面に形成された差込孔に挿入される複数の連結片と、これら連結片の基端部を支持しかつ差込孔の位置に応じて連結片を配列する支持軸部とを有し、前記連結片は、弾性体からなる平板により形成され、かつその中央部に差込孔への挿入方向に沿って延びる凸条部が形成され、該凸条部の頂面が差込孔の内壁面に押圧接触されることを特徴とする。
【0009】
この場合、前記連結片の先端部は、先細りのテ−パ状に形成されていると、連結片を枠構成部材の差込孔内に挿入するに際して、そのテ−パの傾斜面によって連結片が差込孔へ案内され、コーナージョイント部材を枠構成部材に取り付ける作業を円滑に行うことができるとともに、連結片を差込孔に挿入するに従って、当該連結片が差込孔の内壁面を押圧する力が増してゆき、この点においても、差込孔に対して連結片を強固に嵌合することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の接続枠によれば、コーナージョイント部材の連結片を枠構成部材の差込孔に挿入することにより、連結片の凸条部が差込孔の内壁面を押圧して、枠構成部材の差込孔内に連結片が強固に嵌合されるので、特にビス等を用いることなく、コーナージョイント部材を枠構成部材に固定することができ、枠取り付け作業能率を向上させることが可能となる。
また、連結片の凸条部を枠構成部材の外側に向けて配置することにより、連結片を枠構成部材の差込孔内に挿入したときに、凸条部の押圧により生じる枠構成部材の膨らみが枠の内側からは見えず、美しい外観を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の接続枠を浴室の出窓構成に適用した場合の浴室内部を示すもので、外壁に設けられる窓サッシュ100と、内壁101に形成された窓用開口102とを繋ぐように接続枠1が設けられている。
【0012】
窓用開口102の形状は、窓サッシュ100の形状に即して例えば四角形状とされており、窓用開口102の全周を覆うようにして接続枠1が設置されている。接続枠1は、窓用開口102の各辺に配置される4つの枠構成部材2(図1において2つのみ図示)と、これら枠構成部材2の突き合わせ端部同士を連結するコーナージョイント部材3,4(連結部材)と、各枠構成部材2の浴室側となる前面を隠すようにしてそれぞれに被せられる化粧板としての複数の前面カバー5とを備えてなるものである。
【0013】
枠構成部材2は、窓サッシュ100と窓用開口102とを繋ぐ役割を果たすもので、窓の上下に配置される横枠部材6と、左右に配置される縦枠部材7とに分けられる。また、各枠構成部材2は、それぞれ押出成形によって形成され、窓用開口102の各辺に配置される平板状の基板部10と、該基板部10の一端側であってその内側端縁部から外方へと垂直に延出するフランジ部11とを備えており、該フランジ部11が窓用開口102の周縁に係止された状態で、ビス止め或いは接着剤による接着、又はその両方を併用することにより内壁101に固定されるようになっている。
【0014】
前記基板部10は、図2〜図5に示すように扁平筒状に形成されており、その内部に、前記フランジ部11に平行な複数の差込孔12が端面に臨むように一列に並んで形成され、各差込孔12の間がリブ13とされている。この場合、図5に示すように、この基板部10において、窓枠の内方に向けられる側の側板10aは、その反対側の側板10bよりも若干厚肉に形成される。
【0015】
フランジ部11は、その前面11aに、前面カバー5を取り付けるためのカバー取付部20を備えている。このカバー取付部20は、フランジ部11の前面11aから垂直に起立する第1係止リブ21及び第2係止リブ22からなるもので、これら第1係止リブ21及び第2係止リブ22は、フランジ部11の前面11aの長手方向に延在するとともに互いに所定間隔をおいて平行をなし、図5に示すように第2係止リブ22よりも第1係止リブ21の方が突出するように、互いの突出量を異ならせている。
【0016】
第1係止リブ21は、フランジ部11の端縁部に配置され、対向する第2係止リブ22とは反対側の側部に外方へと突出する二つの係止凸部24,24を有している。これら係止凸部24,24は、側断面視略三角形状を呈するもので第1係止リブ21の先端から基部側に向かって連設されている。一方、第2係止リブ22は、基板部10側の端部から若干内側に配置されており、対向する第1係止リブ21とは反対側の側部から外方に突出する係止凸部24を一つ有している。この係止凸部24は、上記第1係止リブ21の係止凸部24と同様の形態をなすもので、第2係止リブ23の先端側に設けられている。
なお、第2係止リブ22は、フランジ部11の前面11aにおける基板部10側の端部から若干幅方向内側に配設してあるが、この前面11aにおける基板部10側の端部には、前面11bよりも基板部10側に低く形成された当接面25(当接部)が前面11aと平行に設けられている。
【0017】
一方、 コーナージョイント部材3,4は、窓用開口102の各コーナー部分に位置し、各枠構成部材2同士の突き合わせ端部を連結するもので、互いに対称的な形状を呈し、対角同士に一組ずつ配設される。そのうち、図7〜図10に示すコーナージョイント部材3は、図2及び図3に示す窓用開口102の左下のコーナーに位置して左側用の枠構成部材(縦枠部材7)3と下側用の枠構成部材(横枠部材6)3との突合せ端部を連結するよう構成されているとともに、窓用開口102の右上のコーナー部に位置して右側用の枠構成部材(縦枠部材7)3と上側用の枠構成部材(横枠部材)3との突き合わせ端部を連結するよう構成されている。もう一方のコーナージョイント部材4は、窓用開口102の右下のコーナーに位置して右側用の枠構成部材(縦枠部材7)3と下側用の枠構成部材(横枠部材6)3との突き合わせ端部を連結するよう構成されているとともに、窓用開口102の左上のコーナーに位置して左側用の枠構成部材(縦枠部材7)3と上側用の枠構成部材(横枠部材6)3との突き合わせ端部を連結するよう構成されている。
【0018】
これらコーナージョイント部材3,4は、図7から図10に詳細に示したように、枠構成部材2の基板部10に沿って延出する例えばアングル材からなる支持軸部31と、この支持軸部31から突出して枠構成部材2の基板部10の各差込孔12に挿入される多数の連結片32とを有するものであって、この支持軸部31には、横枠部材6に挿入される連結片32と、縦枠部材7に挿入される連結片32とが支持軸部31の長さ方向に沿って一列に配列されかつ互いが直角となる位置関係に支持されている。
【0019】
各連結片32は、プラスチック等の弾性体からなる平板により形成され、かつその中央部に差込孔12への挿入方向(図2の矢印(ア)、(イ)で示す)に沿う凸条部33が連続形成されてなるものである。この凸条部33は、断面形状がU字状に形成されたものであり、この凸条部33において突出側となる凸部頂面は、連結片32を横枠部材6、縦枠部材7における基板部10の各差込孔12内に挿入したときに、横枠部材6、縦枠部材7の外側に位置する内壁に接触するように配置される。また凸条部33の両側は平坦な平板部34となっている。
【0020】
この連結片32において、平板部34から凸条部22の頂面までの全体の高さ寸法は、挿入する差込孔12の高さ寸法より若干大きく設定され、平板部34の両側端間の距離(連結片32の幅寸法)は差込孔12の幅方向寸法よりも若干小さく設定されている。一方、連結片31の先端部は、先端に向けて幅及び厚さが縮小するテ−パ状に形成されている。なお、図7〜図9に示すように、各連結片32のうち、後述の閉塞板35に最も近い連結片32は、成形し易さを考慮して、凸条部22の中央から縦割りされた半分のみの形状とされている。
【0021】
また、これらコーナージョイント部材3,4には、支持軸部31の端部に閉塞板35が一体に形成されており、該閉塞板35に、前面カバー5が取り付けられるカバー取付部36が外側に向けて形成されている。このカバー取付部36には、閉塞板35の外面から突出する突出部37が形成されるとともに、該突出部37の外側部に、枠構成部材2となる横枠部材6及び縦枠部材7と同様の配置で複数(一方の側部に二つ、他方の側部に一つ)の係止凸部24が外側に向けて形成され、また、支持軸部31の端部に当接面25が形成されている。これら係止凸部24は、枠構成部材2におけるものと同様に位置をずらせて配置されており、コーナージョイント部材3,4により横枠部材6及び縦枠部材7の枠構成部材2が連結された場合には、これら枠構成部材2のフランジ部11に形成されている係止凸部24と連続された状態となり、これら連続状態の係止凸部24に対して、前面カバー5が取り付けられるようになっている。なお、図中符号38は前面カバー5を取り付けたときに端部を覆う端板を示している。
【0022】
さらに、前面カバー5は、図6に示すように、フランジ部11の前面11aを覆う蓋部41と、該蓋部41の幅方向両端縁部から垂直に起立する第1係止板部42及び第2係止板部43とから側断面視略コ字状を呈してなるもので、第2係止板部43よりも第1係止板部42の方が蓋部41から突出するように構成されている。これら第1係止板部42及び第2係止板部43の先端側には、互いに対向する係止爪44,44がそれぞれ備えられており、これら第1係止板部42及び第2係止板部43でフランジ部11のカバー取付部20を挟み込むようにして枠構成部材2に取り付けられる。その際、前面カバー5の第1係止板部42及び第2係止板部43の係止爪44,44が、第1係止リブ21の係止凸部24及び第2係止リブ22の先端側の係止凸部24を乗り越えて弾性的に係合することでフランジ部11へと装着されるようになっている。
【0023】
同時に、この前面カバー5は、コーナージョイント部材3,4のカバー取付部36にも取り付け可能となっており、第1係止板部42及び第2係止板部43でこのカバー取付部36における突出部37を挟み込むようにして取り付けられる。その際、前面カバー5の第1係止板部42及び第2係止板部43の係止爪44,44が、突出部37の両側部の係止凸部24を乗り越えて弾性的に係合することで、フランジ部11と同時にコーナージョイント部材3,4へと装着される。
【0024】
また、この前面カバー5には、蓋部41の内面側から所定の突出高さで突出する凸部51が第1係止板部42側に設けられている。前面カバー5は、フランジ部11に対する取り付け方向を反転させた状態でも、フランジ部11のカバー取付部20に取り付けることが可能となっており、前面カバー5をフランジ部11に取り付けた際に、凸部51の先端が第1係止リブ21の端面或いは第2係止リブ22の端面のいずれかに当接することによって、装着時に前面カバー5の蓋部41をフランジ部11の前面11aに対して平行となるように保持することができる。
【0025】
なお、フランジ部11の係止凸部24及びコーナージョイント部材3,4の係止凸部24は、前面カバー5のフランジ部11への取り付け方向に係わらず係止爪44,44と係合可能となっており、前面カバー5を反転させてフランジ部11及びコーナージョイント部材3,4へ取り付けた場合にも良好な嵌合状態が得られる。
また、各枠構成部材2の突き合わせ部分は、基板部10の端面どうしが90°の角度で突き合わせられることになるので、図2及び図4に示すように、その外側にアングル状のコーナー部材61が取り付けられる。このコーナー部材61は、90°に直交する帯板部62の内側角部に、基板部10の端面どうしの突き合わせ部に係合する角部材63が一体に形成された構成とされ、図4に示すように、枠構成部材2の基板部10がなす角部に角部材63を係合させて、両帯板部62を粘着テープ等によって基板部10に貼付することにより取り付けられる。なお、各枠構成部材2の突き合わせ部分の内側にはシーリングが施され、このシーリングと前記コーナー部材61とによって二重の防水構造とされる。
【0026】
このように構成した枠構成部材2の横枠部材6及び縦枠部材7の各差込孔12にコーナージョイント部材3,4の各連結片32を挿入して接続枠1を組み立てる場合、コーナージョイント部材3,4の連結片32における凸条部33が枠構成部材2の外側に向くようにして配置する。そして、各連結片32を差込孔12に挿入すると、凸条部33の頂面が、差込孔12内壁を図10に実線矢印で示すように押圧しながら内部に嵌合されるとともに、該凸条部33が差込孔12の内壁を押圧する力の反作用で自らが破線矢印で示すように弾性変形し、その復元力によって凸条部33の両側の平板部34も差込孔12の内壁面を押圧する。つまり、凸条部33と平板部34とによって差込孔12の対向内壁面を押し広げるように押圧しながら挿入されるのであり、この連結片32のバネ力によって差込孔12に強固に結合される。
この場合、連結片32の幅寸法は、凸条部33が差込孔12の内壁に押圧されて、連結片32が弾性変形して横方向に広がったとしても、差込孔12の側壁を余計に押圧しないように設定されている。
【0027】
また、連結片32を差込孔12に挿入するに際して、先端のテ−パ状の傾斜面によって連結片32が差込孔12内へと案内され、コーナージョイント部材3,4を横枠部材6及び縦枠部材7に取り付ける作業を円滑に行うことができるとともに、連結片32を差込孔12内に挿入するに従って、当該連結片32が差込孔12の内壁面を押圧する力が増してゆき、この点においても、差込孔12に対して連結片32を強力に嵌合することができる。
【0028】
以上説明したように本実施例の接続枠によれば、そのコーナージョイント部材3,4について、横枠部材6及び縦枠部材7の差込孔12に挿入される連結片32を、弾性体からなる平板により形成し、かつその中央部に差込孔12への挿入方向に沿う凸条部32を連続形成するようにしたので、横枠部材6及び縦枠部材7の差込孔12に挿入した際、連結片32の屈曲部33の凸部頂面が、横枠部材6及び縦枠部材7の差込孔12の内壁面を押圧する一方、差込孔12の内壁面を押圧した際に生じた屈曲部33の弾性変形が戻る際のバネ力で、連結片32の平板部34の裏面が差込孔12の内壁面を押圧する。そして、このような屈曲部33と平板部34とが共に、差込孔12を形成する対向内壁面をそれぞれ押圧することにより、横枠部材16及び縦枠部材7の差込孔12内に、連結片32が強固に嵌合されることになり、特にビス等を用いることなく、コーナージョイント部材3,4を枠構成部材2に固定することができ、窓枠取り付け作業能率を向上させることが可能となる。
【0029】
また、上述したコーナージョイント部材3,4では、連結片32を差込孔12内に挿入し、連結片32の凸条部33の凸部頂面が差込孔12の内壁面を押圧した場合、その連結片32の屈曲部33によって、これら差込孔12を構成する壁面が膨らむことがあるが、本実施例では、連結片32に形成された凸条部33を、差込孔12の外側の内壁面に接触するように配置したので、その膨らみが窓枠の内側からは見えず、美しい外観を得ることが可能となる。
また、枠構成部材2の基板部10において,連結片32の差込孔12を構成する表面側(枠の内面側)の側板10aの肉厚をその裏面側(枠の外面側)の側板10bの肉厚よりも若干厚く形成したことにより、窓枠の内側への変形が確実に防止され、前記連結片32の平板部34を前記枠構成部材2の表面側に位置させることと相まって、差込孔12の壁面の表面側への膨らみ防止効果をより確実にすることが出来る。
なお、本実施例において、基板部10の外側の側板10bも膨らみが生じないように肉厚を大きくすることを妨げるものではない。
【0030】
さらに、本発明のコーナージョイント部材としては、その連結片32において,その平板部34の支持軸部31の付根にスリットを形成し,該支持軸部31から遊離させた構造にすることも可能である。このような構造とすることにより,より一層,前記平板部34のバネ力を効果的に作用させることが出来る。
そして、この構成とした場合には,連結片32の凸条部33の弾性変形によるバネ力よりも,支持軸部31から遊離された平板部34(初期形状は若干両端が上向き状態)の弾性変形によるバネ力により,差込孔12に圧入され強固に嵌合される。したがって,前記凸条部33の形状は無垢の棒状体でも良い。
【0031】
また、図12〜図15は、本発明の他の実施形態を示している。この実施形態においては、そのコーナージョイント部材71が、前述の図7〜図10に示したコーナージョイント部材3における端板38を別部材としたものである。
つまり、コーナージョイント部材71における閉塞板35の側部に端板部材72が係脱可能に取り付けられるようになっている。この場合、閉塞板35には、前記一実施形態における突出部37ではなく、枠構成部材2における係止リブ21,22と同じ係止リブ73,74が一体に形成され、この係止リブ73,74の外側方に係止凸部24が枠構成部材2のものと同じように形成されて、カバー取付部75が構成されている。また、この係止リブ73,74の内側面には爪部76が突出して形成されるとともに、端板部材72の表面にはフック部77が突出形成されており、閉塞板35の側部に端板部材72を被せたときに、フック部77が爪部76に係止される構成である。
【0032】
図1に示すように、部屋の内側から目視される部分は、枠構成部材2及び前カバー5とこの実施形態では端板部材72となるが、この端板部材72を別部材としてコーナージョイント部材71と分けたことにより、隠れて見えないコーナージョイント部材71を低コストの樹脂で製造することが可能になる。また、枠構成部材2及び前カバー5の色を変えた場合であっても、端板部材72のみを枠構成部材2等に合わせるだけで対応することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明における一実施形態の接続枠を浴室の出窓構成に適用した場合の浴室内部を示す図である。
【図2】図1における左下隅部の枠構成部材とコーナージョイント部材とを分解して示した斜視図である。
【図3】図2の組立て状態を示す斜視図である。
【図4】図1における左上隅部の枠構成部材の組み立て状態を背面から見た斜視図である。
【図5】図2に示されている枠構成部材の端面図である。
【図6】図2に示されている前面カバー部材の側面図である。
【図7】図2に示されているコーナージョイント部材の正面図である。
【図8】図5のコーナージョイント部材の上面図である。
【図9】図5のコーナージョイント部材の下面図である。
【図10】図5のコーナージョイント部材の(a)が左側面図、(b)が右側面図である。
【図11】枠構成部材の差込孔にコーナージョイント部材の連結片を挿入した状態を示す断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態の接続枠の左下隅部を示す分解斜視図である。
【図13】図12におけるコーナージョイント部材の部分を向きを変えて示す斜視図である。
【図14】図13のコーナージョイント部材と端板部材とを分離した状態を示す斜視図である。
【図15】図12のコーナージョイント部材の正面図である。
【符号の説明】
【0034】
1…接続枠、2…枠構成部材、3,4…コーナージョイント部材、5…前面カバー、6…横枠部材、7…縦枠部材、10…基板部、11…フランジ部、12…差込孔、31…支持軸部、32…連結片、33…凸条部、34…平板部、71…コーナージョイント部材、72…端板部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に配置される一対の横枠部材、左右に配置される一対の縦枠部材からなる4つの枠構成部材と、これら枠構成部材の突合わせ端部をそれぞれ連結するコーナージョイント部材とを備えるとともに、
前記コーナージョイント部材は、枠構成部材の端面に形成された差込孔に挿入される複数の連結片と、これら連結片の基端部を支持しかつ差込孔の位置に応じて連結片を配列する支持軸部とを有し、前記連結片は、弾性体からなる平板部の中央部に、差込孔への挿入方向に沿って延びる凸条部が形成されてなり、該凸条部の頂面が差込孔の内壁面に押圧接触されることを特徴とする接続枠。
【請求項2】
前記連結片に形成された凸条部は、枠構成部材の差込孔内に挿入したときに、枠構成部材の外側に向けて配置されることを特徴とする請求項1に記載の接続枠。
【請求項3】
上下に配置される一対の横枠部材、左右に配置される一対の縦枠部材からなる4つの枠構成部材の突合わせ端部をそれぞれ連結する枠用コーナージョイント部材であって、
枠構成部材の端面に形成された差込孔に挿入される複数の連結片と、これら連結片の基端部を支持しかつ差込孔の位置に応じて連結片を配列する支持軸部とを有し、前記連結片は、弾性体からなる平板により形成され、かつその中央部に差込孔への挿入方向に沿って延びる凸条部が形成され、該凸条部の頂面が差込孔の内壁面に押圧接触されることを特徴とする枠用コーナージョイント部材。
【請求項4】
前記連結片の先端部は、先細りのテ−パ状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の枠用コーナージョイント部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−95374(P2008−95374A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277820(P2006−277820)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)
【出願人】(390014029)株式会社八木熊 (31)
【Fターム(参考)】