説明

揮発性棒状化粧材を内蔵する化粧材容器のカートリッジ

【課題】
本発明は、揮発性棒状化粧材を内蔵するカートリッジにおいて、棒状化粧材の揮発を防止することを目的とする。
【解決手段】
本発明の化粧材容器のカートリッジには、第1のOリングと第2のOリングが備えられているため、先筒と基筒の連結部からの空気漏れや、基筒とホルダーの連結部からの空気漏れを防ぎ、気密性を確保することができる。
また、このカートリッジは、キャップと、エラストマー等の弾性体で出来た下蓋とで構成されるコンテナー内に内蔵され、単体で販売される。このコンテナー内は、空気を密塞した構造となっているため、店頭で長期間販売される際も、揮発性棒状化粧材を内蔵するカートリッジは、棒状化粧材の揮発を防止することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイブロー、アイライナー、リップライナー等の揮発性棒状化粧材のカートリッジ式繰出容器のカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
カートリッジ式棒状化粧材繰出容器は、多くの発明がなされている。特に、棒状化粧材が揮発成分を含むカートリッジ式固形化粧料容器としては、実開平8−1298号公報及び特許第3965391号公報が挙げられる。
【0003】
実開平8−1298号公報の容器には、揮発成分を有する化粧料をパイプに充填し、これをカートリッジ筒に気密に内挿するとともに、このカートリッジ筒を軸筒先端に回動自在に嵌合し、かつ、小さい繰出ピッチを持つ繰出機構の摺動軸をカートリッジ内に固定するねじ筒に螺合し、その摺動軸の先端には、パイプ内を気密摺動するパッキンを嵌着するとともに、摺動軸後端内周に扁平面を設け、この扁平面をねじ筒前方に固定する回止筒の角形孔に嵌挿し、先端に嵌着するキャップ内には、カートリッジ筒先端を被冠する中栓を嵌合固着してなる方法をとっている。
【0004】
実開平8−1298号公報は、揮発成分を有する化粧料を溶解してパイプに充填する方法を特徴としているため、繰出された化粧料は元に戻ることが出来ない。図3には、パイプごと繰出・繰戻しができる構造にはなっているが、そのストロークは限定される。消費者の使用方法は様々であるため、化粧料のストローク分繰出・繰戻しできない構造は、大きな事故の原因となる。
【0005】
揮発成分の含有された化粧材は、すべりがよく、又、化粧後、揮発成分が揮発すると、発色効果があざやかに出る事と、落ちにくくなるため、高付加価値を有する化粧品となる。そのため、揮発性成分の含有された化粧材は軟らかく、化粧材の保持方法は限定される。又、長期間空気に触れると、硬化して化粧ができなくなる特徴をもっている。
【0006】
カートリッジ式棒状化粧材繰出容器では、カートリッジとホルダーは別個に販売される事が多く、特に揮発成分を含有する化粧材を内蔵するカートリッジは、少なくとも1年〜1年半位は全く揮発成分が放出しないカートリッジとして販売する必要がある。実開平8−1298号の第2図に、カートリッジ単体で販売される際の状態が描かれているが、カートリッジ2’に仮キャップ3’をしただけであり、この状態で包装紙や箱に入れて販売されても、揮発成分の放出はまぬかれない、という欠点を有する事となる。
【0007】
次に、特許第3965391号公報の棒状化粧材繰出容器においては、棒状化粧料の後端部を支持する支持片を横断面略半円形状に構成し、外周部に雄ネジを有する支持棒と、前記支持片と支持棒が進退可能とする溝を備えた貫通孔が穿設された先筒と、この先筒に回転可能に連結され前記雄ネジに螺合する雌ネジを有する本体筒が、前記支持棒における前記支持片より後ろ側に対し、軸線回りに同期回転可能、且つ、軸線方向に移動可能、且つ、軸線方向に移動不能に装着されるとともに、前記進退案の内周面形状に放った外周面形状とされることにより、当該進退孔に対して圧接して気密を維持し、且つ、回り止め機構を構成して前記支持棒を前記先筒に対して軸線周りに同期回転可能とするパッキンを備えている事を特徴としている。
【0008】
以上の説明より、支持棒9は、雄ネジが配されている軸体部9bの先端と、棒状化粧材を支持する支持片9cが連結部9mで回動可能に連結され、その間に、パッキン10が配置される事となり(図7参照)、少なくとも、3部材によって支持棒9が構成され、尚且つ、このパッキン10が回転止め機構と先筒8の貫通孔8bの空気の流通遮断を行う発明となっている。詳細は、明細書本文の段落0023〜0034に記載されている。
【0009】
パッキン10は、先筒8の貫通孔8bをスムーズに軸方向に移動しなければならず、又、圧接状態を条件とし、更には、支持棒9に対しては負荷がかかるし、パッキンの貫通孔10aに対して支持棒9が回動する構造のため、組付けが複雑で、尚且つ気密に対する安全性が疑われる。
【特許文献1】実開平8−1298号
【特許文献2】特許第3965391号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明のカートリッジによれば、実開平8−1298号公報と違い、カートリッジ単体で販売しても長い間カートリッジからの空気の放出を防止でき、揮発性棒状化粧材の揮発を最小限にとどめることができ、又、ホルダーに挿入してカートリッジとして使用する際も、使用者は、棒状化粧材を自在に前進後退することが出来るので、芯材の出しすぎで芯材を折る等の事故は全くなくなる。
【0011】
又、特許第3965391号公報における支持棒9が、支持片9cとパッキン10の3部材から構成され、先筒8の貫通孔8bを軸方向に移動するパッキン10によって気密を図ろうとするのに対し、本発明は、基筒20に第1のOリングAを巻装し、この第1のOリングAを先筒10に備えたU溝15の外周壁15aに当接することで、作動時の空気の流通の遮断を図ることを特徴とする。
【0012】
本発明は、前記問題点を解決し、顧客ニーズに答える、安心できる、揮発性棒状化粧材を内蔵するカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明では、揮発性棒状化粧材を先端開口孔から繰出す先筒と、前記先筒に回動可能に連結される基筒と、前記先筒と前記基筒に内挿される芯チャック部材で構成されるカートリッジが、化粧材容器のホルダーに対し、回転可能かつ着脱自在に収容され、前記先筒は、先端開口孔とほぼ同寸法の貫通孔を設け、該貫通孔に沿って摺動溝を形成し、前記先筒下端の外径と前記摺動溝を含む貫通孔との間にU溝を穿設し、該U溝の外周壁に前記基筒との嵌合部が設けられ、前記芯チャック部材は、先端に揮発性棒状化粧材を保持する爪片を備え、該爪片は、前記先筒の貫通孔に沿って形成された摺動溝に位置し、前記爪片より係合条部を形成する棒軸が延設され、該棒軸後端には円筒部を形成し、該円筒部の外周に係合突起が突設され、軸方向にU溝嵌合部とホルダー嵌入部より構成される円筒形状の前記基筒は、腔部に螺旋部を螺刻するとともに、前記先筒のU溝に嵌入して連結するU溝嵌入部外周には第1のOリングが巻装され、前記先筒のU溝外周壁に当接回動し、前記ホルダー嵌入部外周には、ホルダーと同期に回動するための縦リブが形成されるとともに、ホルダー内周面に当接する第2のOリングを設置する手段を講じたものである。
【0014】
第2の発明では、前記基筒の底面には、ピン孔を塞ぐ手段が採られている手段を講じたものである。
【0015】
第3の発明では、前記カートリッジは、前記ホルダーに被冠されるキャップと、該キャップに密封嵌合する下蓋とで構成したコンテナーの中に内蔵され、保管されている手段を講じたものである。
【0016】
第4の発明では、前記化粧材容器のホルダーは、貫通孔が穿設され、両端より前記カートリッジが挿入可能とするとともに、両端の前記キャップが被冠するキャップ嵌合部には、第3のOリングが巻装されている手段を講じたものである。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明により、本発明のカートリッジは、先筒と、先端に爪片を備えた芯チャック部材と、前記先筒と回動可能に連結される基筒より構成され、前記先筒は、先端に揮発性棒状化粧材が進退する先端開口孔を備え、この先端開口孔とほぼ同寸法の貫通孔を設け、この貫通孔に沿って摺動溝を形成し、芯チャック部材の爪片は、この摺動溝に位置して揮発性棒状化粧材を保持する。
【0018】
また、前記先筒下端の外径と、前記摺動溝を含む貫通孔との間にU溝を穿設し、前記基筒のU溝嵌入部は、第1のOリングが巻装された状態で前記先筒のU溝に連結される。前記第1のOリングは、前記先筒のU溝外周壁に当接して回動するため、前記先筒と前記基筒の連結部より、空気が漏れることがない。前記基筒のU溝嵌入部は、前記先筒のU溝の外周壁と内周壁に挟持されるため、前記先筒と前記基筒は、回動に対してもぐらつきが全くなく、第1のOリングに対して偏った力も加わらないので、安全性と気密性が確保できる。
【0019】
また、前記基筒のホルダー嵌入部には、ホルダーと同期に回動するための縦リブが備えられ、更に第2のOリングが巻装されている。カートリッジがホルダーに嵌入した時は、第2のOリングは、ホルダーの内周面に当接して空気の流通を遮断する。この第2のOリングによって、カートリッジが挿入されていない側のホルダー端面が、何らかの形で開放されていてもキャップ内の空気が下方へ漏れることがない。
【0020】
第2の発明では、前記基筒内径に螺刻されている螺旋部の成形時に起こりやすい偏肉を防止するために設けた前記基筒のピン孔に、シールを貼ることで、基筒下方よりの空気の漏れを遮断している。勿論、このピン孔を塞ぐ手段は、シールのみに限定されるものではなく、空気の流路をこのピン孔より防ぐ手段であれば良い。
【0021】
第3の発明において、前記カートリッジは、カートリッジ単品で販売される場合、ホルダーに被冠されているキャップと、このキャップに密封嵌合する下蓋とで構成したコンテナーの中に内蔵されており、外気との空気の流通を遮断する手段がとられている。これにより、棒状化粧材の揮発を防止することが可能である。このキャップは、当然ホルダーに被冠されて使用される。
【0022】
第4の発明の前記化粧材容器のホルダーは、貫通孔が穿設され、両端よりカートリッジが挿入可能であり、前記カートリッジの前記基筒と前記ホルダーが同期の回転をするとともに、両端の前記キャップが被冠するキャップ嵌合部には、第3のOリングが巻装されるため、カートリッジは密封性を維持することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を図により詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の揮発性棒状化粧材を内蔵する化粧材容器のカートリッジ1の縦一部断面図であり、図2と図3は、カートリッジ1を構成する各部材を示している。
【0025】
図2の(A)先筒10は、揮発性棒状化粧材Xが進退する先端開口孔11を備え、この先端開口孔11とほぼ同寸法で貫通孔12が設けられ、この貫通孔12に沿って4本の摺動溝17が穿設される。
【0026】
また、先筒10は、軸方向に摘部13として形成され、下端の外径14と摺動溝17を含む貫通孔12との間にU溝15が穿設されていることを特徴としている。このU溝15の外周壁15aの下端には、基筒20との嵌合部16が設けられる。
【0027】
(B)の芯チャック部材30は、先端に保持部31が4片の爪片32より構成され、この爪片より延設される係合条部33が棒軸34を形成している。棒軸34の下端は、円筒部35が設けられ、この外周より係合突起36が突設される。
【0028】
図3の(C)は、基筒20を示す図で、軸方向にU溝嵌入部22とホルダー嵌入部23が構成され、内径には、腔部21と、芯チャック部材30がストロークするための螺旋部27が螺刻され、底面には、成形時に螺旋部27を偏肉させないためのピン孔28が穿設されている。
【0029】
このピン孔28は、空気の漏れとなるため、実施例では、シール5を貼ることで気密を維持する手段としているが、このシール5に限るものではなく、ピン孔28を塞ぐ手段を選択すれば良いことである。
【0030】
U溝嵌入部22には、第1のOリングAが巻装され、環状凸部24により、先筒10に連結される。
【0031】
以上のように、カートリッジ1は、(A)先筒10、(B)芯チャック部材30、(C)基筒20より構成され、基筒20の底面のピン孔28を塞ぐシール5と、基筒20に巻装される第1のOリングAと第2のOリングBが備えられている。
【0032】
図4の(D)は、カートリッジ1を単体で販売する時のコンテナー102を示す図であり、(E)のキャップ103は、図5に示すカートリッジ式両軸繰出容器101のキャップ103を使用したもので、キャップ103内にカートリッジ1を挿入し、更に、エラストマー等の弾性体で出来た下蓋104を嵌合することで、コンテナー102内の空気の漏れを防止する手段を採ったものである。
【0033】
カートリッジ式繰出容器の場合、カートリッジとホルダーは別個に販売されることが多く、また、揮発性棒状化粧材を内蔵するカートリッジ1を単体で販売中には、空気の漏れを防止する必要性がある。
【0034】
本発明では、ホルダー40に嵌合するキャップ103をコンテナー102でも使用し、気密を保った状態で揮発性棒状化粧材を内蔵するカートリッジ1を販売することを特徴としている。
【0035】
図5に示すのは、カートリッジ1を使用したカートリッジ式両軸繰出容器101を示す図で、カートリッジ1は、ホルダー40の両端より挿入され、キャップ103が両端より被冠されて気密を保っている。
【0036】
図6の(F)に示すキャップ103は、天面を有する筒体形状となっており、開口端部内径に設けた嵌合部103aが、ホルダー40のキャップ嵌合部47に設けた凸部45と着脱自在に嵌合する。
【0037】
(G)は、ホルダー40の一方側にカートリッジ1を挿入し、キャップ103を被冠し、反対側のホルダー40の開口孔が開口された状態を示す図で、キャップ103が、ホルダー40のキャップ嵌合部47に嵌合するとともに、キャップ嵌合部47のOリング溝46に第3のOリングCが巻装されている。この時、キャップ内の空気は、先筒10の外周に沿って矢印αの方向へ逃げようとするが、第2のOリングBによって空気の流通が遮断されるため、カートリッジは、ホルダー40の反対側が開口されていても気密を保持可能とすることが本発明の一つの特徴である。
【0038】
(H)は、ホルダー40を示す図で、両端にキャップ嵌合部47を設けた筒体形状を形成し、貫通孔41が穿設されるとともに、内径には、ローレット44、ローレット44aが設けられ、カートリッジ1の基筒20のホルダー嵌入部23が挿入されると、凸部25とカートリッジ係合部42が嵌合すると同時に基筒20外周の縦リブ26がローレット44と係合する。
【0039】
図6の(G)に図示したカートリッジ1の作動を説明する。
【0040】
第3のOリングCによって圧接嵌合しているキャップ103をホルダー40のキャップ嵌合部47より離脱し、先筒10の摘部13とホルダー40を相互回転すると、基筒20は、縦リブ26とホルダー40内径のローレット44と係合しているため、先筒10と基筒20を回動することとなる。
【0041】
基筒20の螺旋部27と芯チャック部材30の円筒部35外周より突設している係合突起36との係合による螺合機構と、芯チャック部材30の係合条部33と先筒10の摺動溝17との係合による回転止機構とで、繰出機構が働くため、爪片32に保持された揮発性棒状化粧材Xは、先端開口孔11より突出して化粧を可能とする。
【0042】
基筒20のU溝嵌入部22に巻装された第1のOリングAは、先筒10のU溝15の外周壁15aに当接して、先筒10と基筒20の間の気密を維持する。更に、基筒20の底面のピン孔28には、シール5が貼られ、カートリッジ1全体から基筒20下方へ流れて行く空気を遮断している。
【0043】
コンテナー102に挿入されたカートリッジ1は、カートリッジ単体で気密を保持するとともに、ホルダー40挿入時には、基筒20のホルダー嵌入部23の外周に巻装された第2のOリングBがホルダー40の内周面43に当接して、ホルダー40の反対側が開放された状態でも気密が保持できるため、ホルダー40の反対側に刷毛やチップ等の備品をキャップなしで付けても、カートリッジ1は気密を保った状態を保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】カートリッジ1の縦一部断面図を示すものである。
【図2】カートリッジ1の部材を示す図で、(A)と(A’)は先筒10を、(B)と(B’)は芯チャック部材30を示すものである。
【図3】基筒20の透視図と断面図を示すものである。
【図4】キャップ103と下蓋104から構成されるコンテナー102と、カートリッジ1を示す図で、(D)はコンテナー102に入ったカートリッジ1を、(E)はキャップ103と下蓋104を示すものである。
【図5】ホルダー40の両端に、カートリッジ1とキャップ103を装着した、カートリッジ式両軸繰出容器101を示す図である。
【図6】カートリッジ式両軸繰出容器101を構成する部材の縦一部断面図を示す図で、(F)はキャップ103を、(G)はホルダー40にカートリッジ1とキャップ103を装着した状態を、(H)はホルダー40を示すものである。
【符号の説明】
【0045】
1・・・・・カートリッジ
5・・・・・シール
10・・・・先筒
10a・・・下端面
11・・・・先端開口孔
12・・・・貫通孔
13・・・・摘部
14・・・・外径
15・・・・U溝
15a・・・外周壁
15b・・・内周壁
16・・・・嵌合部
17・・・・摺動溝
20・・・・基筒
20a・・・Oリング溝
20b・・・Oリング溝
21・・・・腔部
22・・・・U溝嵌入部
23・・・・ホルダー嵌入部
24・・・・環状凸部
25・・・・凸部
26・・・・縦リブ
27・・・・螺旋部
28・・・・ピン孔
30・・・・芯チャック部材
31・・・・保持部
32・・・・爪片
33・・・・係合条部
34・・・・棒軸
35・・・・円筒部
35a・・・上端面
35b・・・下端面
36・・・・係合突起
40・・・・ホルダー
41・・・・貫通孔
42・・・・カートリッジ係合部
43・・・・内周面
44・・・・ローレット
44a・・・ローレット
45・・・・凸部
46・・・・Oリング溝
47・・・・キャップ嵌合部
101・・・カートリッジ式両軸繰出容器
102・・・コンテナー
103・・・キャップ
103a・・嵌合部
104・・・下蓋
X・・・・・揮発性棒状化粧材
A・・・・・第1のOリング
B・・・・・第2のOリング
C・・・・・第3のOリング
α・・・・・矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性棒状化粧材を先端開口孔から繰出す先筒と、前記先筒に回動可能に連結される基筒と、前記先筒と前記基筒に内挿される芯チャック部材で構成されるカートリッジが、化粧材容器のホルダーに対し、回転可能かつ着脱自在に収容され、
前記先筒は、先端開口孔とほぼ同寸法の貫通孔を設け、該貫通孔に沿って摺動溝を形成し、前記先筒下端の外径と前記摺動溝を含む貫通孔との間にU溝を穿設し、該U溝の外周壁に前記基筒との嵌合部が設けられ、
前記芯チャック部材は、先端に揮発性棒状化粧材を保持する爪片を備え、該爪片は、前記先筒の貫通孔に沿って形成された摺動溝に位置し、前記爪片より係合条部を形成する棒軸が延設され、該棒軸後端には円筒部を形成し、該円筒部の外周に係合突起が突設され、
軸方向にU溝嵌合部とホルダー嵌入部より構成される円筒形状の前記基筒は、腔部に螺旋部を螺刻するとともに、前記先筒のU溝に嵌入して連結するU溝嵌入部外周には第1のOリングが巻装され、前記先筒のU溝外周壁に当接回動し、前記ホルダー嵌入部外周には、ホルダーと同期に回動するための縦リブが形成されるとともに、ホルダー内周面に当接する第2のOリングを設置したことを特徴とする、揮発性棒状化粧材を内蔵する化粧材容器のカートリッジ。
【請求項2】
前記基筒の底面には、ピン孔を塞ぐ手段が採られていることを特徴とする、請求項1記載の揮発性棒状化粧材を内蔵する化粧材容器のカートリッジ。
【請求項3】
前記カートリッジは、前記ホルダーに被冠されるキャップと、該キャップに密封嵌合する下蓋とで構成したコンテナーの中に内蔵され、保管されていることを特徴とする、請求項1記載の揮発性棒状化粧材を内蔵する化粧材容器のカートリッジ。
【請求項4】
前記化粧材容器のホルダーは、貫通孔が穿設され、両端より前記カートリッジが挿入可能とするとともに、両端の前記キャップが被冠するキャップ嵌合部には、第3のOリングが巻装されていることを特徴とする、請求項1記載の揮発性棒状化粧材を内蔵する化粧材容器のカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−136971(P2010−136971A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317878(P2008−317878)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000252090)鈴野化成株式会社 (32)