搬送装置
【課題】搬送装置における型替えを効率化する。
【解決手段】搬送装置１００は、物品を下方から支持して搬送するコンベア１０（１２、１４、１６）と、物品を側方からガイドするガイド構造２０とを備える。ガイド構造２０は、重ねて配置された複数のガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）、２４（２４ａ、２４ｂ）と、複数のガイド部材２２、２４を固定する固定部２６ａ、２６ｂとを含み、固定部２６ａ、２６ｂによる固定を解除することによって複数のガイド部材２２、２４の各位置を調整することができるように構成されている。
【解決手段】搬送装置１００は、物品を下方から支持して搬送するコンベア１０（１２、１４、１６）と、物品を側方からガイドするガイド構造２０とを備える。ガイド構造２０は、重ねて配置された複数のガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）、２４（２４ａ、２４ｂ）と、複数のガイド部材２２、２４を固定する固定部２６ａ、２６ｂとを含み、固定部２６ａ、２６ｂによる固定を解除することによって複数のガイド部材２２、２４の各位置を調整することができるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、物品を搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
１つの製造ラインにおいて種々の物品が扱われることがある。製造すべき物品の種類に応じて製造ライン上の各装置を調整することは、型替えと呼ばれる。例えば、製造すべき物品の形状が変更される場合には、物品を搬送する搬送装置についても型替えが要求されうる。
【０００３】
搬送装置の型替えにおいては、特に、搬送路のコーナー部分における搬送路の幅（物品の側方をガイドする一対のガイドの間隔）が重要である。例えば、飲料容器の搬送装置では、コーナー部分における搬送路の幅は、ミリメートルオーダーでの調整が要求されうる。例えば、幅が狭すぎると容器がガイドに引っ掛かり、逆に広すぎると容器が倒れる。また、断面が円形以外の容器は方向性（幅が広い方向と狭い方向）を有する。したがって、そのような容器は、中途半端に搬送路が広いと、搬送路において容器の幅と搬送路の幅とが一致する方向に向いたときに、搬送路に引っ掛かることになる。
【特許文献１】特開平１０−１０９７３０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
搬送装置の型替えは、典型的には、搬送すべき物品の側方をガイドするガイド部材を交換する作業を伴う。ガイド部材は、例えば樹脂や金属で構成され、相当な重量を有する。したがって、使用していたガイド部材を取り外してそれを保管場所に運び、更に、次に使用すべきガイド部材を保管場所から搬送装置に運んで適所に配置することは、かなりの重労働である。また、種々のガイド部材を保管しておくためには、そのためのスペースを確保する必要もある。
【０００５】
本発明は、上記の課題認識を基礎としてなされたものであり、例えば、搬送装置における型替えを効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、物品を搬送する搬送装置に係り、前記装置は、物品を下方から支持して搬送するコンベアと、物品を側方からガイドするガイド構造とを備える。前記ガイド構造は、重ねて配置された複数のガイド部材と、前記複数のガイド部材を固定する固定部とを含み、前記固定部による固定を解除することによって前記複数のガイド部材の各位置を調整することができるように構成されている。
【０００７】
本発明の好適な実施形態によれば、前記装置は、前記複数のガイド部材が第１種類の物品の搬送に適合した第１配置になるように前記複数のガイド部材を位置決めするための第１位置決め手段と、前記複数のガイド部材が第２種類の物品の搬送に適合した第２配置になるように前記複数のガイド部材を位置決めするための第２位置決め手段とを備えることが好ましい。
【０００８】
本発明の好適な実施形態によれば、前記複数のガイド部材がそれぞれ第１、第２位置決め孔を有し、前記複数のガイド部材を支持する支持体が第１、第２基準孔を有し、前記複数のガイド部材のそれぞれの前記第１位置決め孔及び前記第１基準孔に位置決め部材が挿入されることによって前記複数のガイド部材が第１種類の物品の搬送に適合した第１配置になり、前記複数のガイド部材のそれぞれの前記第２位置決め孔及び前記第２基準孔に位置決め部材が挿入されることによって前記複数のガイド部材が第２種類の物品の搬送に適合した第２配置になることが好ましい。
【０００９】
本発明の好適な実施形態によれば、前記複数のガイド部材は、第１形状を有するガイド部材と、前記第１形状とは異なる第２形状を有するガイド部材とを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の搬送装置によれば、例えば、型替えを効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【００１２】
図１、図２は、それぞれ本発明の好適な実施形態の搬送装置の構成を示す斜視図、平面図である。また、図３は、図１及び図２のＡ−Ａ’線の断面図である。図４は、図１及び図２に示す状態から型替えを行った場合における図１及び図２のＢ−Ｂ’線の断面図である。
【００１３】
本発明の好適な実施形態の搬送装置１００は、例えば、液体が充填された容器又は空の容器などの物品を搬送するために好適である。図１〜図４に示された搬送装置１００は、型替えによって形状が異なる２種類の物品の搬送に対応可能に構成されているが、これは例示に過ぎず、搬送装置１００は、型替えによって３種類以上の物品の搬送に対応可能にも構成されうる。
【００１４】
搬送装置１００は、物品を下方から支持して搬送するコンベア１０（１２、１４、１６）と、物品を側方からガイドするガイド構造２０とを備える。コンベア１０は、例えば、第１無端コンベア１２と、第２無端コンベア１４と、それらの交差部付近の内側（搬送路のコーナー部）に配置されたターンテーブル１６とを含んで構成されうる。無端コンベア１２、１４としては、例えば、テーブルトップチェーンコンベア、ベルトコンベア等が好適である。ターンテーブル１６は、第１無端コンベア１２から第２無端コンベア１４に物品に送るように配置される。
【００１５】
ガイド構造２０は、重ねて配置された複数のガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）、２４（２４ａ、２４ｂ）と、複数のガイド部材２２、２４を固定する固定部２６（２６ａ、２６ｂ）とを含む。ガイド構造２０は、固定部２６による固定を解除することによって複数のガイド部材２２、２４の各位置を調整することができるように構成されている。以下では、ガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）を第１ガイド部材、ガイド部材２４（２４ａ、２４ｂ）を第２ガイド部材とも記す。
【００１６】
第１ガイド部材２２は、物品の両側方をガイドするように一対（１組）のガイド部材２２ａ、２２ｂで構成され、第２ガイド部材２４も同様に、物品の両側方をガイドするように一対（１組）のガイド部材２４ａ、２４ｂで構成されている。なお、一対のガイド部材２２ａ、２２ｂの双方が位置調整可能に構成されてもよいし、いずれか一方のみが位置調整可能に構成されてもよい。また、一対のガイド部材２４ａ、２４ｂの双方が位置調整可能に構成されてもよいし、いずれか一方のみが位置調整可能に構成されてもよい。
【００１７】
第１ガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）は、固定部（例えば、ねじ）２６（２６ａ、２６ｂ）によって支持体２０（２０ａ、２０ｂ）に固定される。第１ガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）は、遊び（自由度）をもった位置調整用孔２２ａｈ、２２ｂｈを有し、固定部２６（２６ａ、２６ｂ）による固定が解除されることによって水平方向の位置が自由になる。したがって、固定部２６（２６ａ、２６ｂ）による固定を解除し、第１ガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）の位置をそれらによってガイドすべき第１種類の物品の形状に適合するように調整した後にそれらを固定部２６（２６ａ、２６ｂ）によって固定することによって、第１種類の物品用の型替えが完了する。
【００１８】
同様に、第２ガイド部材２４（２４ａ、２４ｂ）は、固定部（例えば、ねじ）２６（２６ａ、２６ｂ）によって支持体２０（２０ａ、２０ｂ）に固定される。第２ガイド部材２４（２４ａ、２４ｂ）は、遊び（自由度）をもった位置調整用孔（不図示）を有し、固定部２６（２６ａ、２６ｂ）による固定が解除されることによって水平方向の位置が自由になる。したがって、固定部２６（２６ａ、２６ｂ）による固定を解除し、第２ガイド部材２４（２４ａ、２４ｂ）の位置をそれらによってガイドすべき第２種類の物品の形状に適合するように調整した後にそれらを固定部２６（２６ａ、２６ｂ）によって固定することによって、第２種類の物品用の型替えが完了する。
【００１９】
ここで、第１種類又は第２種類の物品に適合するようにガイド構造２０の型替えを行う作業を容易化するために、ガイド部材２２、２４の位置決め手段を設けることが好ましい。より具体的には、複数のガイド部材２２、２４が第１種類の物品ａの搬送に適合した第１配置になるように複数のガイド部材２２、２４を位置決めするための第１位置決め手段と、複数のガイド部材２２、２４が第２種類の物品ｂの搬送に適合した第２配置になるように複数のガイド部材２２、２４を位置決めするための第２位置決め手段とを備えることが好ましい。
【００２０】
第１位置決め手段は、例えば、図１〜図３に例示的に示すように、第１ガイド部材２２ａ、２２ｂに設けられた第１位置決め孔２２ａ１、２２ｂ１と、第２ガイド部材２４ａ、２４ｂに設けられた第１位置決め孔２４ａ１、２４ｂ１と、支持体２０ａ、２０ｂに設けられた第１基準孔２０ａ１、２０ｂ１と、位置決めピン３２ａ、３２ｂとによって構成されうる。第１位置決め孔２２ａ１、２２ｂ１、第２位置決め孔２４ａ１、２４ｂ１、及び、第１基準孔２０ａ１、２０ｂ１は、位置決めピン３２ａ、３２ｂが差し込まれることによって第１種類の物品ａの搬送に適合した第１配置が得られる位置に形成されている。
【００２１】
第２位置決め手段は、例えば、図１、図２、図４に例示的に示すように、第１ガイド部材２２ａ、２２ｂに設けられた第２位置決め孔２２ａ２、２２ｂ２と、第２ガイド部材２４ａ、２４ｂに設けられた第２位置決め孔２４ａ２、２４ｂ２と、支持体２０ａ、２０ｂに設けられた第２基準孔２０ａ２、２０ｂ２と、位置決めピン３２ａ’、３２ｂ’とによって構成されうる。第２位置決め孔２２ａ２、２２ｂ２、第２位置決め孔２４ａ２、２４ｂ２、及び、第２基準孔２０ａ２、２０ｂ２は、位置決めピン３２ａ’、３２ｂ’が差し込まれることによって第２種類の物品ｂの搬送に適合した第２配置が得られる位置に形成されている。
【００２２】
第１、第２ガイド部材２２、２４に代表される複数組のガイド部材のうち少なくとも２組のガイド部材は、互いに異なる形状（例えば、曲率半径が異なる形状）を有する。例えば、第１ガイド部材２２は、第１形状を有し、第２ガイド部材２４は、第１形状とは異なる第２形状を有しうる。
【００２３】
第１、第２ガイド部材２２、２４に代表される複数組のガイド部材は、１つの種類の物品に対していずれか１組のガイド部材のみが接触しうるように（つまり、ガイドとして実際に機能するように）位置決めされてもよいが、図５に例示的に示すように、２組以上のガイド部材が接触するように位置決めされてもよい。図５に示す例では、５組のガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）、２４（２４ａ、２４ｂ）、４２（４２ａ、４２ｂ）、４４（４４ａ、４４ｂ）、４６（４６ａ、４６ｂ）が１つの種類の物品ｃに対して接触しうるように位置決めされている。
【００２４】
以上のように、本発明の好適な実施形態によれば、ガイド部材２０は、重ねて配置された複数のガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）、２４（２４ａ、２４ｂ）と、複数のガイド部材２２、２４を固定する固定部２６（２６ａ、２６ｂ）とを含み、固定部２６による固定を解除することによって複数のガイド部材２２、２４の各位置を調整することができるように構成されている。したがって、固定部２６による固定を解除して複数のガイド部材２２、２４を位置決めするだけで簡単に搬送対象の物品の種類或いは形状に応じた型替えを行うことができる。また、型替えの度に、不要なガイド部材を搬送装置から撤去し、次に使用すべきガイド部材を搬送装置に取り付ける必要がないので、ガイド部材を運ぶ作業が不要になるとともに、ガイド部材の保管場所の問題が軽減或いは解消されうる。
【００２５】
更に、複数のガイド部材の位置決め手段を設けることにより、型替えを迅速かつ正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明の好適な実施形態の搬送装置の構成を示す斜視図である。
【図２】本発明の好適な実施形態の搬送装置の構成を示す平面図である。
【図３】図１及び図２のＡ−Ａ’線の断面図である。
【図４】図１及び図２に示す状態から型替えを行った場合における図１及び図２のＢ−Ｂ’線の断面図である。
【図５】ガイド構造の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【００２７】
１０ コンベア
１２ 第１無端コンベア
１４ ターンテーブル
１６ 第２無端コンベア
２０ ガイド構造
２２（２２ａ、２２ｂ） 第１ガイド部材
２２ａ１、２２ｂ１ 第１位置決め孔
２２ａ２、２２ｂ２ 第２位置決め孔
２２ａｈ、２２ｂｈ 位置調整用孔
２４（２４ａ、２４ｂ） 第２ガイド部材
２４ａ１、２４ｂ１ 第１位置決め孔
２４ａ２、２４ｂ２ 第２位置決め孔
２６（２６ａ、２６ｂ） 固定部
３２ａ、３２ｂ、３２ａ’、３２ｂ’ 位置決めピン
４２（４２ａ、４２ｂ） ガイド部材
４４（４４ａ、４４ｂ） ガイド部材
４６（４６ａ、４６ｂ） ガイド部材
１００ 搬送装置
ａ、ｂ、ｃ 物品
【技術分野】
【０００１】
本発明は、物品を搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
１つの製造ラインにおいて種々の物品が扱われることがある。製造すべき物品の種類に応じて製造ライン上の各装置を調整することは、型替えと呼ばれる。例えば、製造すべき物品の形状が変更される場合には、物品を搬送する搬送装置についても型替えが要求されうる。
【０００３】
搬送装置の型替えにおいては、特に、搬送路のコーナー部分における搬送路の幅（物品の側方をガイドする一対のガイドの間隔）が重要である。例えば、飲料容器の搬送装置では、コーナー部分における搬送路の幅は、ミリメートルオーダーでの調整が要求されうる。例えば、幅が狭すぎると容器がガイドに引っ掛かり、逆に広すぎると容器が倒れる。また、断面が円形以外の容器は方向性（幅が広い方向と狭い方向）を有する。したがって、そのような容器は、中途半端に搬送路が広いと、搬送路において容器の幅と搬送路の幅とが一致する方向に向いたときに、搬送路に引っ掛かることになる。
【特許文献１】特開平１０−１０９７３０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
搬送装置の型替えは、典型的には、搬送すべき物品の側方をガイドするガイド部材を交換する作業を伴う。ガイド部材は、例えば樹脂や金属で構成され、相当な重量を有する。したがって、使用していたガイド部材を取り外してそれを保管場所に運び、更に、次に使用すべきガイド部材を保管場所から搬送装置に運んで適所に配置することは、かなりの重労働である。また、種々のガイド部材を保管しておくためには、そのためのスペースを確保する必要もある。
【０００５】
本発明は、上記の課題認識を基礎としてなされたものであり、例えば、搬送装置における型替えを効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、物品を搬送する搬送装置に係り、前記装置は、物品を下方から支持して搬送するコンベアと、物品を側方からガイドするガイド構造とを備える。前記ガイド構造は、重ねて配置された複数のガイド部材と、前記複数のガイド部材を固定する固定部とを含み、前記固定部による固定を解除することによって前記複数のガイド部材の各位置を調整することができるように構成されている。
【０００７】
本発明の好適な実施形態によれば、前記装置は、前記複数のガイド部材が第１種類の物品の搬送に適合した第１配置になるように前記複数のガイド部材を位置決めするための第１位置決め手段と、前記複数のガイド部材が第２種類の物品の搬送に適合した第２配置になるように前記複数のガイド部材を位置決めするための第２位置決め手段とを備えることが好ましい。
【０００８】
本発明の好適な実施形態によれば、前記複数のガイド部材がそれぞれ第１、第２位置決め孔を有し、前記複数のガイド部材を支持する支持体が第１、第２基準孔を有し、前記複数のガイド部材のそれぞれの前記第１位置決め孔及び前記第１基準孔に位置決め部材が挿入されることによって前記複数のガイド部材が第１種類の物品の搬送に適合した第１配置になり、前記複数のガイド部材のそれぞれの前記第２位置決め孔及び前記第２基準孔に位置決め部材が挿入されることによって前記複数のガイド部材が第２種類の物品の搬送に適合した第２配置になることが好ましい。
【０００９】
本発明の好適な実施形態によれば、前記複数のガイド部材は、第１形状を有するガイド部材と、前記第１形状とは異なる第２形状を有するガイド部材とを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の搬送装置によれば、例えば、型替えを効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【００１２】
図１、図２は、それぞれ本発明の好適な実施形態の搬送装置の構成を示す斜視図、平面図である。また、図３は、図１及び図２のＡ−Ａ’線の断面図である。図４は、図１及び図２に示す状態から型替えを行った場合における図１及び図２のＢ−Ｂ’線の断面図である。
【００１３】
本発明の好適な実施形態の搬送装置１００は、例えば、液体が充填された容器又は空の容器などの物品を搬送するために好適である。図１〜図４に示された搬送装置１００は、型替えによって形状が異なる２種類の物品の搬送に対応可能に構成されているが、これは例示に過ぎず、搬送装置１００は、型替えによって３種類以上の物品の搬送に対応可能にも構成されうる。
【００１４】
搬送装置１００は、物品を下方から支持して搬送するコンベア１０（１２、１４、１６）と、物品を側方からガイドするガイド構造２０とを備える。コンベア１０は、例えば、第１無端コンベア１２と、第２無端コンベア１４と、それらの交差部付近の内側（搬送路のコーナー部）に配置されたターンテーブル１６とを含んで構成されうる。無端コンベア１２、１４としては、例えば、テーブルトップチェーンコンベア、ベルトコンベア等が好適である。ターンテーブル１６は、第１無端コンベア１２から第２無端コンベア１４に物品に送るように配置される。
【００１５】
ガイド構造２０は、重ねて配置された複数のガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）、２４（２４ａ、２４ｂ）と、複数のガイド部材２２、２４を固定する固定部２６（２６ａ、２６ｂ）とを含む。ガイド構造２０は、固定部２６による固定を解除することによって複数のガイド部材２２、２４の各位置を調整することができるように構成されている。以下では、ガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）を第１ガイド部材、ガイド部材２４（２４ａ、２４ｂ）を第２ガイド部材とも記す。
【００１６】
第１ガイド部材２２は、物品の両側方をガイドするように一対（１組）のガイド部材２２ａ、２２ｂで構成され、第２ガイド部材２４も同様に、物品の両側方をガイドするように一対（１組）のガイド部材２４ａ、２４ｂで構成されている。なお、一対のガイド部材２２ａ、２２ｂの双方が位置調整可能に構成されてもよいし、いずれか一方のみが位置調整可能に構成されてもよい。また、一対のガイド部材２４ａ、２４ｂの双方が位置調整可能に構成されてもよいし、いずれか一方のみが位置調整可能に構成されてもよい。
【００１７】
第１ガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）は、固定部（例えば、ねじ）２６（２６ａ、２６ｂ）によって支持体２０（２０ａ、２０ｂ）に固定される。第１ガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）は、遊び（自由度）をもった位置調整用孔２２ａｈ、２２ｂｈを有し、固定部２６（２６ａ、２６ｂ）による固定が解除されることによって水平方向の位置が自由になる。したがって、固定部２６（２６ａ、２６ｂ）による固定を解除し、第１ガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）の位置をそれらによってガイドすべき第１種類の物品の形状に適合するように調整した後にそれらを固定部２６（２６ａ、２６ｂ）によって固定することによって、第１種類の物品用の型替えが完了する。
【００１８】
同様に、第２ガイド部材２４（２４ａ、２４ｂ）は、固定部（例えば、ねじ）２６（２６ａ、２６ｂ）によって支持体２０（２０ａ、２０ｂ）に固定される。第２ガイド部材２４（２４ａ、２４ｂ）は、遊び（自由度）をもった位置調整用孔（不図示）を有し、固定部２６（２６ａ、２６ｂ）による固定が解除されることによって水平方向の位置が自由になる。したがって、固定部２６（２６ａ、２６ｂ）による固定を解除し、第２ガイド部材２４（２４ａ、２４ｂ）の位置をそれらによってガイドすべき第２種類の物品の形状に適合するように調整した後にそれらを固定部２６（２６ａ、２６ｂ）によって固定することによって、第２種類の物品用の型替えが完了する。
【００１９】
ここで、第１種類又は第２種類の物品に適合するようにガイド構造２０の型替えを行う作業を容易化するために、ガイド部材２２、２４の位置決め手段を設けることが好ましい。より具体的には、複数のガイド部材２２、２４が第１種類の物品ａの搬送に適合した第１配置になるように複数のガイド部材２２、２４を位置決めするための第１位置決め手段と、複数のガイド部材２２、２４が第２種類の物品ｂの搬送に適合した第２配置になるように複数のガイド部材２２、２４を位置決めするための第２位置決め手段とを備えることが好ましい。
【００２０】
第１位置決め手段は、例えば、図１〜図３に例示的に示すように、第１ガイド部材２２ａ、２２ｂに設けられた第１位置決め孔２２ａ１、２２ｂ１と、第２ガイド部材２４ａ、２４ｂに設けられた第１位置決め孔２４ａ１、２４ｂ１と、支持体２０ａ、２０ｂに設けられた第１基準孔２０ａ１、２０ｂ１と、位置決めピン３２ａ、３２ｂとによって構成されうる。第１位置決め孔２２ａ１、２２ｂ１、第２位置決め孔２４ａ１、２４ｂ１、及び、第１基準孔２０ａ１、２０ｂ１は、位置決めピン３２ａ、３２ｂが差し込まれることによって第１種類の物品ａの搬送に適合した第１配置が得られる位置に形成されている。
【００２１】
第２位置決め手段は、例えば、図１、図２、図４に例示的に示すように、第１ガイド部材２２ａ、２２ｂに設けられた第２位置決め孔２２ａ２、２２ｂ２と、第２ガイド部材２４ａ、２４ｂに設けられた第２位置決め孔２４ａ２、２４ｂ２と、支持体２０ａ、２０ｂに設けられた第２基準孔２０ａ２、２０ｂ２と、位置決めピン３２ａ’、３２ｂ’とによって構成されうる。第２位置決め孔２２ａ２、２２ｂ２、第２位置決め孔２４ａ２、２４ｂ２、及び、第２基準孔２０ａ２、２０ｂ２は、位置決めピン３２ａ’、３２ｂ’が差し込まれることによって第２種類の物品ｂの搬送に適合した第２配置が得られる位置に形成されている。
【００２２】
第１、第２ガイド部材２２、２４に代表される複数組のガイド部材のうち少なくとも２組のガイド部材は、互いに異なる形状（例えば、曲率半径が異なる形状）を有する。例えば、第１ガイド部材２２は、第１形状を有し、第２ガイド部材２４は、第１形状とは異なる第２形状を有しうる。
【００２３】
第１、第２ガイド部材２２、２４に代表される複数組のガイド部材は、１つの種類の物品に対していずれか１組のガイド部材のみが接触しうるように（つまり、ガイドとして実際に機能するように）位置決めされてもよいが、図５に例示的に示すように、２組以上のガイド部材が接触するように位置決めされてもよい。図５に示す例では、５組のガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）、２４（２４ａ、２４ｂ）、４２（４２ａ、４２ｂ）、４４（４４ａ、４４ｂ）、４６（４６ａ、４６ｂ）が１つの種類の物品ｃに対して接触しうるように位置決めされている。
【００２４】
以上のように、本発明の好適な実施形態によれば、ガイド部材２０は、重ねて配置された複数のガイド部材２２（２２ａ、２２ｂ）、２４（２４ａ、２４ｂ）と、複数のガイド部材２２、２４を固定する固定部２６（２６ａ、２６ｂ）とを含み、固定部２６による固定を解除することによって複数のガイド部材２２、２４の各位置を調整することができるように構成されている。したがって、固定部２６による固定を解除して複数のガイド部材２２、２４を位置決めするだけで簡単に搬送対象の物品の種類或いは形状に応じた型替えを行うことができる。また、型替えの度に、不要なガイド部材を搬送装置から撤去し、次に使用すべきガイド部材を搬送装置に取り付ける必要がないので、ガイド部材を運ぶ作業が不要になるとともに、ガイド部材の保管場所の問題が軽減或いは解消されうる。
【００２５】
更に、複数のガイド部材の位置決め手段を設けることにより、型替えを迅速かつ正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明の好適な実施形態の搬送装置の構成を示す斜視図である。
【図２】本発明の好適な実施形態の搬送装置の構成を示す平面図である。
【図３】図１及び図２のＡ−Ａ’線の断面図である。
【図４】図１及び図２に示す状態から型替えを行った場合における図１及び図２のＢ−Ｂ’線の断面図である。
【図５】ガイド構造の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【００２７】
１０ コンベア
１２ 第１無端コンベア
１４ ターンテーブル
１６ 第２無端コンベア
２０ ガイド構造
２２（２２ａ、２２ｂ） 第１ガイド部材
２２ａ１、２２ｂ１ 第１位置決め孔
２２ａ２、２２ｂ２ 第２位置決め孔
２２ａｈ、２２ｂｈ 位置調整用孔
２４（２４ａ、２４ｂ） 第２ガイド部材
２４ａ１、２４ｂ１ 第１位置決め孔
２４ａ２、２４ｂ２ 第２位置決め孔
２６（２６ａ、２６ｂ） 固定部
３２ａ、３２ｂ、３２ａ’、３２ｂ’ 位置決めピン
４２（４２ａ、４２ｂ） ガイド部材
４４（４４ａ、４４ｂ） ガイド部材
４６（４６ａ、４６ｂ） ガイド部材
１００ 搬送装置
ａ、ｂ、ｃ 物品
【特許請求の範囲】
【請求項１】
物品を搬送する搬送装置であって、
物品を下方から支持して搬送するコンベアと、
物品を側方からガイドするガイド構造とを備え、
前記ガイド構造は、
重ねて配置された複数のガイド部材と、
前記複数のガイド部材を固定する固定部とを含み、
前記固定部による固定を解除することによって前記複数のガイド部材の各位置を調整することができるように構成されている、
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項２】
前記複数のガイド部材が第１種類の物品の搬送に適合した第１配置になるように前記複数のガイド部材を位置決めするための第１位置決め手段と、前記複数のガイド部材が第２種類の物品の搬送に適合した第２配置になるように前記複数のガイド部材を位置決めするための第２位置決め手段とを備えることを特徴とする請求項１に記載の搬送装置。
【請求項３】
前記複数のガイド部材がそれぞれ第１、第２位置決め孔を有し、
前記複数のガイド部材を支持する支持体が第１、第２基準孔を有し、
前記複数のガイド部材のそれぞれの前記第１位置決め孔及び前記第１基準孔に位置決め部材が挿入されることによって前記複数のガイド部材が第１種類の物品の搬送に適合した第１配置になり、
前記複数のガイド部材のそれぞれの前記第２位置決め孔及び前記第２基準孔に位置決め部材が挿入されることによって前記複数のガイド部材が第２種類の物品の搬送に適合した第２配置になる、
ことを特徴とする請求項１に記載の搬送装置。
【請求項４】
前記複数のガイド部材は、第１形状を有するガイド部材と、前記第１形状とは異なる第２形状を有するガイド部材とを含む、
ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の搬送装置。
【請求項１】
物品を搬送する搬送装置であって、
物品を下方から支持して搬送するコンベアと、
物品を側方からガイドするガイド構造とを備え、
前記ガイド構造は、
重ねて配置された複数のガイド部材と、
前記複数のガイド部材を固定する固定部とを含み、
前記固定部による固定を解除することによって前記複数のガイド部材の各位置を調整することができるように構成されている、
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項２】
前記複数のガイド部材が第１種類の物品の搬送に適合した第１配置になるように前記複数のガイド部材を位置決めするための第１位置決め手段と、前記複数のガイド部材が第２種類の物品の搬送に適合した第２配置になるように前記複数のガイド部材を位置決めするための第２位置決め手段とを備えることを特徴とする請求項１に記載の搬送装置。
【請求項３】
前記複数のガイド部材がそれぞれ第１、第２位置決め孔を有し、
前記複数のガイド部材を支持する支持体が第１、第２基準孔を有し、
前記複数のガイド部材のそれぞれの前記第１位置決め孔及び前記第１基準孔に位置決め部材が挿入されることによって前記複数のガイド部材が第１種類の物品の搬送に適合した第１配置になり、
前記複数のガイド部材のそれぞれの前記第２位置決め孔及び前記第２基準孔に位置決め部材が挿入されることによって前記複数のガイド部材が第２種類の物品の搬送に適合した第２配置になる、
ことを特徴とする請求項１に記載の搬送装置。
【請求項４】
前記複数のガイド部材は、第１形状を有するガイド部材と、前記第１形状とは異なる第２形状を有するガイド部材とを含む、
ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の搬送装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００７−１７６６０６（Ｐ２００７−１７６６０６Ａ）
【公開日】平成１９年７月１２日（２００７．７．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３７３４６５（Ｐ２００５−３７３４６５）
【出願日】平成１７年１２月２６日（２００５．１２．２６）
【出願人】（０００１１０９１８）ニッカウヰスキー株式会社 (21)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年７月１２日（２００７．７．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１２月２６日（２００５．１２．２６）
【出願人】（０００１１０９１８）ニッカウヰスキー株式会社 (21)
【Ｆターム（参考）】
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