説明

携帯型送風機

【課題】簡単に風を顔にあてることができる携帯型送風機を提供する。
【解決手段】携帯型送風機1は、環状紐部2およびこの環状紐部2から下方に向って延びる線状紐部3を有する首掛け体4を備える。線状紐部3には送風機本体7を線状紐部3に沿って移動可能に設ける。線状紐部3の上端側にはフック受け体22を設ける。線状紐部3の下端側には、フック受け体22と係合して送風機本体7を上方送風姿勢に保つフック体23を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡単に風を自分の顔にあてることが可能な携帯型送風機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型送風機として、例えばポリウレタン製の3枚の回転羽根部を有する扇風機本体に首掛け用のロープを取り付けた首掛け携帯扇風機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−18195
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のような首掛け携帯扇風機では、この首掛け携帯扇風機を首に掛けた使用者が、風を自分の顔にあてるためには、扇風機本体を把持して、扇風機本体を回転羽根部の回転により発生する風が上方に向う上方送風姿勢に保つ必要がある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、送風機本体を把持することなく、簡単に風を自分の顔にあてることができる携帯型送風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の携帯型送風機は、首掛け体と、この首掛け体に設けられた送風機本体と、互いに係脱可能に係合して前記送風機本体を上方送風姿勢に保つ一方の係合部および他方の係合部とを備えるものである。
【0006】
そして、一方の係合部と他方の係合部とを互いに係合させることで、送風機本体を上方送風姿勢に保つことができるため、送風機本体を把持することなく、簡単に風を自分の顔にあてることが可能となる。
【0007】
請求項2記載の携帯型送風機は、環状紐部およびこの環状紐部から下方に向って延びる線状紐部を有する首掛け体と、前記線状紐部にこの線状紐部に沿って移動可能に設けられた送風機本体と、前記線状紐部の上端側に設けられた一方の係合体と、前記線状紐部の下端側に設けられ、前記一方の係合体と係脱可能に係合して前記送風機本体を上方送風姿勢に保つ他方の係合体とを備えるものである。
【0008】
そして、首掛け体の線状紐部の上端側に設けられた一方の係合体と首掛け体の線状紐部の下端側に設けられた他方の係合体とを互いに係合させることで、送風機本体を上方送風姿勢に保つことができるため、送風機本体を把持することなく、簡単に風を自分の顔にあてることが可能となる。
【0009】
請求項3記載の携帯型送風機は、請求項2記載の携帯型送風機において、一方の係合体は、引掛孔部を有するフック受け体であり、他方の係合体は、前記引掛孔部に引っ掛けるフック体であるものである。
【0010】
そして、フック体をフック受け体の引掛孔部に引っ掛けることによって送風機本体を上方送風姿勢に適切に保つことが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、一方の係合部と他方の係合部とを互いに係合させることで、送風機本体を上方送風姿勢に保つことができるため、送風機本体を把持することなく、簡単に風を自分の顔にあてることができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、首掛け体の線状紐部の上端側に設けられた一方の係合体と首掛け体の線状紐部の下端側に設けられた他方の係合体とを互いに係合させることで、送風機本体を上方送風姿勢に保つことができるため、送風機本体を把持することなく、簡単に風を自分の顔にあてることができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、フック体をフック受け体の引掛孔部に引っ掛けることによって送風機本体を上方送風姿勢に適切に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の携帯型送風機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1ないし図3において、1は携帯型送風機である首掛け携帯扇風機で、この首掛け携帯扇風機1は、例えば遊園地等において使用者Aが首に掛けて使用するものである。
【0016】
首掛け携帯扇風機1は、使用者Aの首に掛ける環状紐部2およびこの環状紐部2の下部から下方に向って延びる線状紐部3を有する首掛け体である首掛け紐体4を備えている。なお、環状紐部2の上部には、首掛け紐体4の首掛けを容易にできるように互いに接離可能な例えばマグネット製の一対の接離部5が設けられている。
【0017】
また、首掛け携帯扇風機1は、首掛け紐体4の線状紐部3にこの線状紐部3に沿って上下方向に移動可能に設けられた送風機本体である扇風機本体7を備えている。
【0018】
扇風機本体7は、略円筒状の本体ケース部8を有し、この本体ケース部8内にはモータ等の駆動源(図示せず)からの動力で回転する例えば2枚の回転羽根部9が回転可能に配設されている。本体ケース部8の表面部には風がでる複数の略扇形状の送風口10が放射状に形成され、本体ケース部8の裏面部(使用者Aの身体前面部と接する側の面部)には複数の略扇形状の吸風口11が放射状に形成されている。また、本体ケース部8の裏面部には、複数、例えば3つの紐挿通孔部12が設けられ、これら3つの紐挿通孔部12には首掛け紐体4の線状紐部3が挿通されている。さらに、本体ケース部8の上部左右両側には、左右一対の略円形状の突出部13が一体に突設されている。
【0019】
さらに、首掛け携帯扇風機1は、首掛け紐体4の線状紐部3の上端部に固設された一方の係合体(係合部)であるフック受け体22を備えている。フック受け体22の表面部には、左右方向にやや長手状の引掛孔部21が形成されている。
【0020】
また、首掛け携帯扇風機1は、首掛け紐体4の線状紐部3の下端部に固設され、フック受け体22の引掛孔部21と係脱可能に係合して扇風機本体7をこの扇風機本体7が上方に向けて送風する上方送風姿勢(送風口10が上方に向って開口した姿勢)に保つ他方の係合体(係合部)であるフック体23を備えている。フック体23は、扇風機本体7の本体ケース部8の下部に設けられた紐挿通孔部12と当接して扇風機本体7の線状紐部3からの下方への抜出しを防止する当接部24を有し、この当接部24の下面部にフック受け体22の引掛孔部21に引っ掛ける略J字状のフック部25が設けられている。
【0021】
次に、上記一実施の形態の作用等を説明する。
【0022】
使用者Aは、首掛け紐体4の環状紐部2を利用して首掛け携帯扇風機1を首から吊り下げる。
【0023】
そして、使用者Aは、扇風機本体7を線状紐部3の下端位置から線状紐部3の略中央位置までその線状紐部3に沿って持ち上げながら、線状紐部3を折り曲げつつフック体23のフック部25をフック受け体22の引掛孔部21に引っ掛ける。
【0024】
フック部25が引掛孔部21に引っ掛けられると、図3に示すように、扇風機本体7は、左右一対の身体当接部である突出部13が使用者Aの身体前面部に当接した状態で上方送風姿勢に保たれ、回転羽根部9の回転により送風口10からでた風が使用者Aの顔にあたる。なお、フック体23のフック部25とフック受け体22の引掛孔部21との係合を解除すれば、図1および図2に示すような送風口10が前方に向って開口した携帯姿勢に戻る。
【0025】
このように首掛け携帯扇風機1によれば、フック体23のフック部25とフック受け体22の引掛孔部21とを互いに係合させることで、扇風機本体7を上方送風姿勢に保つことができるため、使用者Aは、扇風機本体7を把持することなく、簡単に風を自分の顔にあてることができる。
【0026】
なお、上記実施の形態では、本体ケース部8の表面部に送風口10が形成され、本体ケース部8の裏面部に吸風口11が形成され、
本体ケース部8の上部両側に突出部13が突設され、フック受け体22の表面部に引掛孔部21が形成された構成について説明したが、例えば図4ないし図6に示すように、本体ケース部8の表面部に吸風口11が形成され、本体ケース部8の裏面部に送風口10が形成され、本体ケース部8の下部両側に突出部13が突設され、フック受け体22の裏面部に引掛孔部21が形成された構成でも同様の作用効果を奏し得る。
【0027】
また、本体ケース部8の裏面部に紐挿通孔部12が設けられた構成には限定されず、例えば本体ケース部8の上下面部に紐用開口を形成して首掛け紐体4の線状紐部3が本体ケース部8内を通るようにしてもよい。
【0028】
さらに、送風機本体は、回転羽根部9の回転により風を発生する扇風機本体7には限定されず、例えば揺動板の揺動動作、或いは進退板の進退動作等にて風を発生するようなものでもよい。
【0029】
また、一方の係合体がフック受け体22で、他方の係合体がフック体23である構成には限定されず、例えば吸着により係合するマグネットを利用したものや面状ファスナを利用したもの、或いは、他方の係合部がクリップで一方の係合部がそのクリップにて挟まれる線状紐部3の一部分であるようなもの等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の携帯型送風機の一実施の形態を正面図である。
【図2】同上携帯型送風機の背面図である。
【図3】同上携帯型送風機の上方送風姿勢時の斜視図である。
【図4】本発明の携帯型送風機の他の実施の形態を正面図である。
【図5】同上携帯型送風機の背面図である。
【図6】同上携帯型送風機の上方送風姿勢時の斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 携帯型送風機である首掛け携帯扇風機
2 環状紐部
3 線状紐部
4 首掛け体である首掛け紐体
7 送風機本体である扇風機本体
21 引掛孔部
22 一方の係合体(係合部)であるフック受け体
23 他方の係合体(係合部)であるフック体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
首掛け体と、
この首掛け体に設けられた送風機本体と、
互いに係脱可能に係合して前記送風機本体を上方送風姿勢に保つ一方の係合部および他方の係合部と
を備えることを特徴とする携帯型送風機。
【請求項2】
環状紐部およびこの環状紐部から下方に向って延びる線状紐部を有する首掛け体と、
前記線状紐部にこの線状紐部に沿って移動可能に設けられた送風機本体と、
前記線状紐部の上端側に設けられた一方の係合体と、
前記線状紐部の下端側に設けられ、前記一方の係合体と係脱可能に係合して前記送風機本体を上方送風姿勢に保つ他方の係合体と
を備えることを特徴とする携帯型送風機。
【請求項3】
一方の係合体は、引掛孔部を有するフック受け体であり、
他方の係合体は、前記引掛孔部に引っ掛けるフック体である
ことを特徴とする請求項2記載の携帯型送風機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−144626(P2006−144626A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−334424(P2004−334424)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000102108)イワヤ株式会社 (10)