説明

携帯電話用情報再生装置

【課題】携帯電話に記録された各種の記録情報をバックアップし、再生するための携帯電話用情報再生装置を得る。
【解決手段】携帯電話2に接続して前記携帯電話に記録された記録情報を再生するための携帯電話用情報再生装置1であり、前記携帯電話2に接続するコネクタ部15と、前記コネクタ部15を介して前記携帯電話2に記録された記録情報を読み取るデータ読取部11と、前記データ読取部11により読み取られた記録情報を記録する記録部12と、前記記録部12に記録された記録情報を再生して表示する表示部13と、前記データ読取部11による読取開始操作を行う入力部14と、前記入力部14からの信号を受け前記データ読取部11、記録部12、表示部13との間で読取・記録・表示を行う演算処理部16とを有することで、携帯電話2がなくと再生装置1側で携帯電話に記録されている各種情報を表示させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話で使用するメモリーカード等に記録された各種の記録情報を再生するための装置に関し、各種情報をバックアップするための携帯電話用情報再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話は高機能化し電話機という範疇から携帯型の情報端末に変化しつつある。そして、携帯電話側に記憶されている情報に関しても、相手方の電話番号のみならず、住所やパーソナル情報、その他の各種情報を記憶させておく場合がある。また、携帯電話が各種サービスに対する課金端末として使用される場合(課金処理)も想定され、メモリーカード等の外部記憶手段を使用することで、記録される情報の種類や量、その価値の重要性も増加する一方となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
携帯電話に記録されている情報は、通常は携帯電話上でしか見ることができない。携帯電話に記録している情報は上記したように多種に及ぶので、携帯電話以外に表示させたいという要望があった。これに対しては専用のソフトを使用することでパーソナルコンピューター上に表示させることも行われているが、専用ソフトが必要であるとともに、携帯電話を紛失した場合には、各種情報を見る事が出来なくなるという問題点があった。
すなわち、携帯電話を紛失した場合には、各種情報を携帯電話以外の場所にバックアップしていないと新しい携帯電話に情報を移植して入力することができないという不都合があった。
【0004】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、携帯電話に記録された各種の記録情報を再生するための携帯電話用情報再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため請求項1は、携帯電話2に接続して前記携帯電話に記録された記録情報を再生するための携帯電話用情報再生装置1であって、次の構成を含むことを特徴としている。
前記携帯電話2に接続するコネクタ部15。
前記コネクタ部15を介して前記携帯電話2に記録された記録情報を読み取る読取部(データ読取部11)。
前記読取部(データ読取部11)により読み取られた記録情報を記録する記録部12。
前記記録部12に記録された記録情報を再生して表示する表示部13。
前記読取部(データ読取部11)による読取開始操作を行う入力部14。
前記入力部14からの信号を受け前記読取部(データ読取部11)、記録部12、表示部13との間で読取・記録・表示を行う演算処理部16。
【0006】
請求項2は、請求項1の携帯電話用情報再生装置において、携帯電話2に記録された記録情報を一定時間毎に受信し書換記録する書換手段を有することを特徴としている。
【0007】
請求項3は、請求項1の携帯電話用情報再生装置において、前記記録部12に記録されたデータを前記携帯電話2へ転送するための発信手段17を有することを特徴としている。
【0008】
請求項4は、請求項1の携帯電話用情報再生装置において、予め設定された認証情報を記録部12に記録し、前記認証情報が入力部14に入力された場合にのみ前記表示部13で記録情報が再生されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の携帯電話用情報再生装置1によれば、携帯電話2に記録されている記録情報を読み取る読取部(データ読取部11)と、読み取られた記録情報を記録する記録部12と、記録された記録情報を再生して表示する表示部13を有しているので、携帯電話2の記録情報を予め読み取らせて記憶させておけば、携帯電話2がなくとも携帯電話に記録された各種情報を表示させることができる。
【0010】
携帯電話用情報再生装置1側において、携帯電話2に記録された記録情報を一定時間毎に受信し書換記録する書換手段を有することで、情報の更新を自動的に行うようにすることができる。
【0011】
また、携帯電話用情報再生装置において、前記携帯電話2へデータを転送するための発信手段17を有することで、携帯電話用情報再生装置1側で入力した情報を携帯電話2に転送させることができる。
【0012】
更に、予め設定された認証情報が入力部14に入力された場合にのみ前記表示部13で記録情報が再生されるようにすれば、認証情報を知得している者しか情報を表示させることができないので、第三者への情報漏洩を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態の一例としての携帯電話用情報再生装置について、図面を参照しながら説明する。
携帯電話用情報再生装置1は、携帯電話2に記録された記録情報をバックアップし再生するための再生装置であり、図1に示すように、携帯電話2に設けられている接続端子3と、携帯電話用情報再生装置1に設けたコネクタ部15との間を接続コード4により接続して使用するものである。この接続コード4は、複数の信号線や電源線から構成されている。
【0014】
携帯電話用情報再生装置1は、携帯電話2に記録された記録情報を読み取るデータ読取部11と、前記データ読取部11により読み取られた記録情報を記録する記録部12、記録部12に記録された記録情報を再生して表示する表示部(ディスプレイ部)13と、認証番号等を入力するためのテンキーから成る入力部14と、充電器3を介して携帯電話2からの記録情報を取り込むためのコネクタ部15と、これら各部との間でデータのやり取りを行う演算処理部16とを有して構成されている。
コネクタ部15は、携帯電話用情報再生装置1の正面位置に形成されている。
また、携帯電話用情報再生装置1には、アダプタ5を介して充電できる電池が内在されている。
【0015】
携帯電話2の接続端子3及び再生装置1のコネクタ部15は、図3に示すように複数の接点を有する櫛状端子31の両側に同軸端子32,32がそれぞれ形成され、更にその両側に充電用の金属片33,33が露出して構成されている。前記した接続コード4を構成する各信号線等は各接点同士が接続されるように対応する本数を有している。
【0016】
そして、接続コード4中、接続端子及びコネクタ部の金属片33,33に接続する信号線は途中で分岐されて充電コード41を形成し、この充電コード41はトランス付きアダプタ5を介して商用電源に接続するように構成されている。
したがって、充電コード41が商用電源に接続された接続コード4の他端側を携帯電話2の接続端子3及び再生装置1のコネクタ部15に接続することで、携帯電話2及び再生装置1を充電するとともに、携帯電話2と再生装置1との間を電気的に接続することができる。
【0017】
データ読取部11は、上記コネクタ部15を介して携帯電話2の記録情報を読み取るもので、携帯電話2側に内蔵されている発信手段により、所定時間毎に携帯電話用情報再生装置1側へ最新の記録情報が送信されることにより行われる。
携帯電話2に記録され再生装置1へ発信手段により転送される情報としては、電話番号、メールアドレス、課金履歴情報、電話番号に付随して記録される住所等の個人情報等が考えられる。
【0018】
記録部12は、データ読取装置11で読み取られたデータを記録するもので、携帯電話2から発信される最新情報を記録するための書換手段を有して構成されている。すなわち、接続コード4を介して携帯電話側から所定時間毎に最新記録情報が発信された場合に、発信された最新記録情報が記録部12に書き換えられる(書換手段を有する)ようになっている。
また、この記録部12には、予め設定された認証情報が入力部14から入力された場合にのみ記録情報を表示部13で再生するため、認証に関する認証情報が記録されている。
【0019】
表示部13は、携帯電話用情報再生装置1の上面に形成されたディスプレイ部より構成されている。また、表示部13の下側には、入力部14としてのテンキー部等が形成されている。
【0020】
演算処理部16は、データ読取部11により携帯電話2からの情報を読み取り記録部12に記録する処理、入力部14からの指示で記録部12から情報を取り出して表示部13に表示する処理、入力部14から入力した情報を記録部12に記録する処理等、データ読取部11・記録部12・表示部・入力部14の各部との間でデータのやり取りを行うものであり、また、発信手段17を具備することで入力部14から入力し一時的に記録部12に記録したデータを携帯電話2側へ発信して転送することができるようになっている。
【0021】
上記例では、携帯電話2と再生装置1との間を接続コード4で接続するようにしたが、接続コードを使用することなく無線で情報が転送できる構造としてもよい。すなわち、携帯電話2の接続端子3に送信装置(図示せず)を接続し、再生装置1のコネクタ部15に前記送信装置からの信号が受信可能な受信装置(図示せず)を接続することで、無線(例えば、通信機器をワイヤレスに接続する規格であるブルートゥースを使用する)で情報を転送することが可能となる。
【0022】
次に上記構造の携帯電話用情報再生装置の使用方法について説明する。
携帯電話用情報再生装置1のコネクタ部15と携帯電話の接続端子3とを接続コード4により接続し、接続コード4の分岐コード41に装着されたアダプタ5のプラグ6,6をコンセント(商用電源)に差し込む。
この状態で再生装置1と携帯電話2のコネクタ部同士が接続コード4を介して接続されているので、両者間での信号の送受信が可能となる。また、再生装置1及び携帯電話2へは、アダプタ5を介して直流電源が供給される。
【0023】
携帯電話2に内在する発信手段からは一定時間毎に記録されている情報が発信され、その際に携帯電話2が再生装置1に接続コード4で接続されていれば、データ読取部11により携帯電話2に記録されている情報が読み取られ、過去のデータに書き換わる最新データとして自動的に記録部12に記録される。
【0024】
再生装置1で情報を再生する場合、入力部14から予め記録してある認証番号を入力し、この番号が記録部12に記録されている認証番号と一致するかどうかの認証を演算処理部16と記録部12との間で行い、一致している場合には表示部13に携帯電話2から記録部12に記録したデータのインデックス画面が表示される。インデックス画面では登録名と課金情報の種別が表示され、登録名を選択することで複数の名前を表示させ、一つを選択することで、選択された名前に該当する電話番号が表示され、更にこの名前で管理される各種データ(メールアドレス、住所等の個人情報)について、入力部14による操作で選択し表示部13に表示させることができる。
課金情報を表示させる場合には、インデックス画面で課金情報を選択すれば、例えば月別の課金処理を観ることができる。または、店舗において商品を購入した際の課金処理を行うための情報を表示させることも可能である。
【0025】
上記例では、アダプタ5のプラグ6,6をコンセントに差し込んだ状態で再生装置1の操作を行うようにしたが、再生装置1内の電池が充電されている場合には、接続コード4を介してコネクタ間(コネクタ部15と接続端子3との間)が接続されていればアダプタ5をコンセントに接続することなく携帯電話1の情報を記録することができ、また、再生装置単独で記録部12の情報を表示部13に表示させることが可能となる。
【0026】
また、発信手段17を具備することにより再生装置1側で入力した情報について記録部12に記録し、その情報を携帯電話2側へ転送することができる。したがって、例えばコネクタ部15にキーボード部(図示せず)を接続することで再生装置1へのキーボード入力を可能とし、キーボード入力した文字などを記録部12に記録したあとに転送するようにすれば、和文や英文の入力を容易に行うことができる。
【0027】
上記構造によれば、携帯電話1に記憶されている情報を再生装置1側の記録部12に転送できるので、例えば課金のための処理情報や個人特定のための個人情報を再生装置1側に転送させておけば、携帯電話2がなくても再生装置のみを使用することで課金処理や個人情報データの閲覧を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す携帯電話用情報再生装置を示すもので、携帯電話及び充電器とに接続状態な状態を示す斜視説明図である。
【図2】携帯電話用情報再生装置の構成を示すブロック説明図である。
【図3】コネクタ部(接続端子)の形状を示す正面説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 携帯電話用情報再生装置
2 携帯電話
3 接続端子
4 接続コード
5 アダプタ
6 プラグ
11 データ読取部
12 記録部
13 表示部(ディスプレイ部)
14 入力部
15 コネクタ部
16 演算処理部
17 発信手段
41 分岐コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話に接続して前記携帯電話に記録された記録情報を再生するための再生装置であって、
前記携帯電話に接続するコネクタ部と、
前記コネクタ部を介して前記携帯電話に記録された記録情報を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた記録情報を記録する記録部と、
前記記録部に記録された記録情報を再生して表示する表示部と、
前記読取部による読取開始操作を行う入力部と、
前記入力部からの信号を受け前記読取部、記録部、表示部との間で読取・記録・表示を行う演算処理部と
を具備することを特徴とする携帯電話用情報再生装置。
【請求項2】
携帯電話に記録された記録情報を一定時間毎に受信し書換記録する書換手段を有する請求項1に記載の携帯電話用情報再生装置。
【請求項3】
前記記録部に記録されたデータを前記携帯電話へ転送するための発信手段を有する請求項1に記載の携帯電話用情報再生装置。
【請求項4】
予め設定された認証情報を記録部に記録し、前記認証情報が入力部に入力された場合にのみ前記表示部で記録情報が再生される請求項1に記載の携帯電話用情報再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−148371(P2006−148371A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333722(P2004−333722)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(000114293)株式会社ミヨシ (3)
【Fターム(参考)】