説明

撮像ユニットおよび撮像モジュール

【課題】簡易に製造可能である撮像ユニットおよび撮像モジュールを提供すること。
【解決手段】光を入射する入射面33bと、入射面33bから入射した光を入射面33bと異なる方向に反射する反射面33cと、入射面33bと直交する方向から入射し、反射面33cで反射された光を直進させて外部に出射する出射面33dとを有し、光の入射方向からみて略円をなす柱状のプリズム33と、出射面33dから出射された光を受光して光電変換する受光部が表面に形成された撮像素子32と、一端の少なくとも一部の外縁部からプリズム33の側面形状に応じて突出し、入射面33bの位置を規定してプリズム33を保持する円筒状の撮像ホルダ31と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子および光学部材を有する撮像ユニットおよび撮像モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタルカメラおよびデジタルビデオカメラを始め、撮像機能を備えた携帯電話機、被検者の臓器内部を観察するための内視鏡システムなど、各種に対応した電子撮像モジュールが登場している。このうち、内視鏡システムは、可撓性を有する細長の挿入具の先端部に撮像素子を実装した撮像ユニットが内蔵されており、この挿入具を体腔内に挿入することによって、被検部位の観察等を行っている。
【0003】
この撮像ユニットは、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ等の撮像素子を内蔵し、レンズ等の光学系によって撮像素子の受光部に被写体の光学像を結像し、この撮像素子の光電変換処理によって被写体の画像データを撮像する。
【0004】
ここで、従来から、被験者の負担軽減などのために、内視鏡装置には挿入具先端部の細径化が求められている。近年では、この挿入具先端部の細径化によって撮像ユニット用に使用できる光軸に対する鉛直面の面積が狭くなった場合でも撮像素子上に十分な受光面積を確保できるように、対物レンズ系の光軸と略平行に配置した撮像素子上にプリズムを載置した撮像ユニットが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−106055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の撮像ユニットは、プリズムにカバーガラスを貼り付けた部組を撮像ホルダの一端に嵌め込み、さらに、撮像ホルダの他端にレンズユニットを取り付けるという複雑な製造工程によって製造されていた。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易に製造可能である撮像ユニットおよび撮像モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる撮像ユニットは、光を入射する入射面と、該入射面から入射した光を前記入射面と異なる方向に反射する反射面と、前記入射面と直交する方向から入射し、前記反射面で反射された光を直進させて外部に出射する出射面とを有し、光の入射方向からみて略円をなす柱状の光学部材と、前記出射面から出射された光を受光して光電変換する受光部が表面に形成された撮像素子と、一端の少なくとも一部の外縁部から前記光学部材の側面形状に応じて突出し、前記入射面の位置を規定して前記光学部材を保持する円筒状の撮像ホルダと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる撮像ユニットは、上記の発明において、前記撮像ホルダは、前記入射面の最大径に応じた円筒状の内部空間を形成する開口部を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる撮像ユニットは、上記の発明において、前記光学部材は、前記柱状をなす側面の前記出射面と異なる位置に設けられ、前記柱状に延びる方向に平面状に延びる複数の光学部材側平面部を有し、前記開口部は、前記光学部材側平面部の位置に応じて設けられる平面状をなすホルダ側平面部を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる撮像ユニットは、上記の発明において、前記光学部材は、前記柱状をなす側面の前記出射面と異なる位置に設けられ、前記柱状に延びる方向に延び、外部に向けて開口した凹状をなす複数の凹部を有し、前記開口部は、前記凹部の位置に応じて設けられ、前記凹状の内部空間に収容可能な平板状をなして突出する突出部と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる撮像ユニットは、上記の発明において、前記撮像ホルダは、外縁から円筒の中心軸方向に棒状をなして突出する複数の棒状部材を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる撮像モジュールは、光を入射する入射面と、該入射面から入射した光を前記入射面と異なる方向に反射する反射面と、前記入射面と直交する方向から入射し、前記反射面で反射された光を直進させて外部に出射する出射面とを有し、光の入射方向からみて略円をなす柱状の光学部材、前記出射面から出射された光を受光して光電変換する受光部が表面に形成された撮像素子、一端の少なくとも一部の外縁部から前記光学部材の側面形状に応じて突出し、前記入射面の位置を規定して前記光学部材を保持する円筒状の撮像ホルダを有する撮像ユニットと、両端が開口し、一端から入射した光を集光するとともに、該集光した光を射出するレンズ、および該レンズを保持する中空のレンズホルダを有するレンズユニットと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、撮像素子に連結し、光の入射方向からみて略円をなす柱状のプリズムと、少なくとも一部がプリズムの側面形状に応じて突出し、プリズムの光の入射面の位置を規定してプリズムを保持する円筒状の撮像ホルダとを嵌め合わせるのみで、撮像ユニットおよび撮像モジュールを簡易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる内視鏡装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】図2は、図1に示す内視鏡装置の先端部に搭載される撮像モジュールを示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す内視鏡装置の先端部に搭載される撮像モジュールを示す部分断面図である。
【図4】図4は、図1に示す内視鏡装置の先端部に搭載される撮像モジュールを示す分解斜視図である。
【図5】図5は、図2に示す撮像モジュールのプリズムを示す斜視図である。
【図6】図6は、図2に示す撮像モジュールのプリズムを示す側面図である。
【図7】図7は、図2に示す撮像モジュールの撮像ホルダを示す斜視図である。
【図8】図8は、図2に示す撮像モジュールを示す部分断面図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態2にかかる撮像モジュールを示す分解斜視図である。
【図10】図10は、図9に示す撮像モジュールのプリズムを示す斜視図である。
【図11】図11は、図9に示す撮像モジュールのプリズムを示す側面図である。
【図12】図12は、図9に示す撮像モジュールの撮像ホルダを示す斜視図である。
【図13】図13は、図9に示す撮像モジュールを示す部分断面図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態3にかかる撮像モジュールを示す側面図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態3にかかる撮像モジュールを示す分解斜視図である。
【図16】図16は、図14に示す撮像モジュールのプリズムを示す斜視図である。
【図17】図17は、図14に示す撮像モジュールのプリズムを示す側面図である。
【図18】図18は、図14に示す撮像モジュールの撮像ホルダを示す斜視図である。
【図19】図19は、図14に示す撮像モジュールを示す部分断面図である。
【図20】図20は、本発明の実施の形態4にかかる撮像モジュールを示す側面図である。
【図21】図21は、本発明の実施の形態4にかかる撮像モジュールを示す分解斜視図である。
【図22】図22は、図20に示す撮像モジュールの撮像ホルダを示す斜視図である。
【図23】図23は、図20に示す撮像モジュールを示す部分断面図である。
【図24】図24は、本発明の実施の形態4の変形例にかかる撮像モジュールの撮像ホルダを示す斜視図である。
【図25】図25は、本発明の実施の形態4の変形例にかかる撮像モジュールの撮像ホルダを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1における内視鏡装置について説明する。図1は、本実施の形態1における内視鏡装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態1における内視鏡装置1は、細長な挿入部2と、この挿入部2の基端側であって内視鏡装置操作者が把持する操作部3と、この操作部3の側部より延伸する可撓性のユニバーサルコード4とを備える。ユニバーサルコード4は、ライトガイドケーブルや電気系ケーブルなどを内蔵する。
【0018】
挿入部2は、CCDなどの撮像素子を有する撮像モジュールを内蔵した先端部5と、複数の湾曲駒によって構成され湾曲自在の湾曲部6と、この湾曲部6の基端側に設けられた長尺であって可撓性を有する可撓管部7とを備える。
【0019】
ユニバーサルコード4の延伸側端部にはコネクタ部8が設けられており、コネクタ部8には、光源装置に着脱自在に接続されるライトガイドコネクタ9、CCDなどで光電変換した被写体像の電気信号を信号処理装置や制御装置に伝送するための電気接点部10、先端部5のノズルに空気を送るための送気口金11などが設けられている。なお、光源装置は、ハロゲンランプなどが内蔵されたものであり、ハロゲンランプからの光を、ライトガイドコネクタ9を介して接続された内視鏡装置1へ照明光として供給する。また、信号処理装置や制御装置は、撮像素子に電源を供給し、撮像素子から光電変換された電気信号が入力される装置であり、撮像素子によって撮像された電気信号を処理して接続する表示装置に画像を表示させるとともに、撮像素子のゲイン調整などの制御および駆動を行なう駆動信号の出力を行なう。
【0020】
操作部3には湾曲部6を上下方向および左右方向に湾曲させる湾曲ノブ12、体腔内に生検鉗子、レーザプローブ等の処置具を挿入する処置具挿入部13、信号処理装置や制御装置あるいは送気、送水、送ガス手段などの周辺機器の操作を行なう複数のスイッチ14が設けられている。処置具挿入口に処置具が挿入された内視鏡装置1は、内部に設けられた処置具挿通用チャンネルを経て処置具の先端処置部を突出させ、たとえば生検鉗子によって患部組織を採取する生検などを行なう。
【0021】
つぎに、内視鏡装置1の先端部5に搭載される撮像モジュールの構成について説明する。図2は、図1に示す内視鏡装置の先端部に搭載される撮像モジュールを示す斜視図である。図3は、図1に示す内視鏡装置の先端部に搭載される撮像モジュールを示す部分断面図である。図4は、図1に示す内視鏡装置の先端部に搭載される撮像モジュールを示す分解斜視図である。図3は、図2に示す撮像ユニットの断面図であり、撮像ユニットを構成する撮像素子の受光部表面に対して鉛直な面で切断した場合の断面図である。
【0022】
図1に示す内視鏡装置1の先端部5に搭載される撮像モジュール15は、複数の対物レンズを有するレンズユニット20と、撮像素子32を有する撮像ユニット30とによって構成される(図4参照)。
【0023】
レンズユニット20は、遮光材料で形成された両端が開口した中空円筒形のレンズホルダ21と、外部からの光を集光するレンズ22,23,24と、外部からの光を透過させる観察窓25とによって構成される。
【0024】
レンズホルダ21の開口サイズは、レンズ22,23,24および観察窓25の外周と合致する大きさであり、図3に示すように、レンズ22,23,24および観察窓25は、それぞれの中心が同一軸(軸N1)上に位置するように、レンズホルダ21内部に組みつけられる。レンズホルダ21の各光学部材の組み付け時には、レンズホルダ21の外径中心軸と、レンズ22,23,24および観察窓25の中心、すなわちレンズ22,23,24および観察窓25によって構成されるレンズユニット20の光軸中心とは一致するように、各光学部材およびレンズホルダ21の形状が設計されている。なお、レンズホルダ21は、たとえば耐食鋼で形成されており、少なくとも外側は遮光されている。
【0025】
レンズホルダ21端部の開口部21aから観察窓25を介してレンズホルダ21内部に入射した外部からの光は、レンズ22,23,24によって集光される。そして、レンズ22,23,24によって集光された集光光は、レンズホルダ21他端の開口部21bから出射する。レンズホルダ21の開口部21b側の出射側端部の厚さは、周方向のいずれもほぼ均一な厚さである。
【0026】
撮像ユニット30は、両端が開口した中空の撮像ホルダ31と、撮像対象からの光を受光して光電変換する撮像素子32と、撮像素子32上に載置されるプリズム33と、撮像素子32およびプリズム33上に載置され、撮像素子32と電気的に接続する基板34とによって構成される。撮像ホルダ31は、たとえば耐食鋼で形成される。
【0027】
撮像素子32は、CCDまたはCMOSイメージセンサ等に例示されるベアチップ状の半導体素子であり、被写体からの光を受光して被写体の画像を撮像する撮像機能を有する。図3に示すように、撮像素子32には、チップ基板の上面に、被写体からの光を受光し、この受光した光を光電変換処理する受光部32aが形成されている。撮像ユニット30完成時にレンズユニット20の光軸と受光部32a面とは略平行となるように撮像素子32は配置される。
【0028】
受光部32aは、格子形状等の所定の形状に配置される画素群、および、光を効率よく集光するために画素群上に形成されるマイクロレンズ等を用いて実現される。受光部32aの表面は長方形をなし、受光部32aは撮像素子32のチップ基板上の所定位置に形成される。また、撮像素子32は、撮像動作を実行するための駆動回路が形成された駆動回路部(図示しない)と、外部接続用電極(図示しない)とを備える。
【0029】
撮像素子32は、外部接続用電極と基板34の外部接続用電極とが導線35で接続される。このとき、撮像素子32は、受光部32aが形成された面に基板34を載置する。受光部32aは、受光した光を光電変換処理し、駆動回路部は、受光部32aにおいて光電変換処理された信号をもとに被写体の画像信号を生成し、この生成した画像信号を、外部接続用電極を介して基板34に出力する。基板34に出力された画像信号は、基板34に接続された導線35を介して配線ケーブル36によって画像信号が信号処理装置や制御装置に伝送される。なお、基板34には、信号制御用の部品34aが実装される場合もある。
【0030】
図5は、図2に示す撮像モジュール15のプリズム33を示す斜視図である。図6は、図2に示す撮像モジュールのプリズムを示す側面図である。プリズム33は、撮像素子32の受光部32a上に載置され、外部からの光を屈折させる。プリズム33は、図5,6に示すように、円柱状部材を用いて形成され、この円柱状の中心軸に垂直な断面が略円弧状をなす側面を形成する側面部33aと、側面部33aの一方の端部に設けられ、円柱の中心軸と直交する平面からなり、レンズホルダ21からの光を入射する入射面33bと、側面部33aの他方の端部に設けられ、円柱の中心軸に対して傾斜した平面からなり、入射面33bに入射した光を反射する反射面33cと、入射面33bと反射面33cとの間の距離が拡大する側であって、入射面33bと直交する方向から入射し、反射面33cで反射された光の光軸が通過する側面に設けられ、円筒の中心軸方向に平面状に延び、反射面33cが反射した光を直進させて外部に出射する出射面33dと、を有する。側面部33a(入射面33b)は、光の入射方向(入射面33bを正面とした方向)からみて略円をなしている。
【0031】
プリズム33によって軸N2方向に屈折された光は、出射面33dから出射され、撮像素子32の受光部32aで受光される。また、プリズム33の底面(出射面33d)には、受光部32aのマイクロレンズの直上にエアギャップを形成するための凹部(図示しない)が形成される。また、図3に示すように、プリズム33は、プリズム33の入射面33bの点C1で示す位置を通った光が、プリズム33の屈折面で屈折後に撮像素子32の受光部32aの中心C2に到達するように撮像素子32上に実装されている。この点C1は、プリズム33の入射面33bのうち、受光部32aで受光される光が入射する領域である基準領域の中心に該当する。
【0032】
図7は、図2に示す撮像モジュール15の撮像ホルダ31を示す斜視図である。撮像ホルダ31は、略円筒状をなし、内部にレンズホルダ21およびプリズム33の一部を収容するものであって、一方の端部側に設けられ、プリズム33の入射面33bの直径(最大径)に応じた円筒状の内部空間を形成するプリズム側開口部31aと、他方の端部側に設けられ、レンズホルダ21の接続側端部の外周の径に応じた内部空間を形成するレンズ側開口部31b(図3参照)と、プリズム側開口部31aの内部側の端部に設けられ、円筒の中心軸に直交する平板状をなす平板部31dと、を有する。また、プリズム側開口部31aは、円筒側面の一部が切り欠かれた切欠き形状をなす切欠部31cを有する。平板部31dには、レンズホルダ21からの光が通過するための孔31eが形成されている。
【0033】
撮像ホルダ31は、プリズム側開口部31aにおいて、撮像素子32および基板34が実装されたプリズム33を収容して、プリズム33を撮像ホルダ31内に組み付けるとともに、レンズ側開口部31bにおいて、レンズホルダ21を撮像ホルダ31内に組み付ける。組み付け時、プリズム33の入射面33bは、撮像ホルダ31の平板部31dに当て付けられ、面接触している。この際、プリズム33の入射面33bと撮像ホルダ31の平面部31d間にフレア絞りを挿入、もしくはプリズム33の入射面33bにフレア絞りを蒸着してもよい(図示しない)。これにより、撮像ホルダ31とプリズム33との軸N1方向の位置が決められる。
【0034】
このとき、図8に示すように、プリズム33の入射面33bの外周面の一部が撮像ホルダ31のプリズム側開口部31aの内周面と接触して固定される。ここで、プリズム側開口部31aは、プリズム33の外周に沿って内周面が接触することによって、プリズム33が内周面に沿って回転した場合であっても点C1が軸N1上に位置するようにプリズム33を保持する。すなわち、プリズム側開口部31aは、内周面によってプリズム33を保持することによって、プリズム33の光軸のずれを防止する。
【0035】
ここで、レンズホルダ21の光出射側端部の外径と、撮像ホルダ31の光入射側端部の内径とは一致するように設定されている。すなわち、レンズホルダ21の撮像ホルダ31接続側の開口部の外径と、撮像ホルダ31のレンズ側開口部31bの内径とは、同径である。
【0036】
このため、図4に示す矢印のように、レンズホルダ21の光出射側端部が、撮像ホルダ31内部に差し込まれることによって、レンズホルダ21の光出射側端部と撮像ホルダ31の光入射側端部とを直接嵌合することが可能である。
【0037】
このように、レンズホルダ21および撮像ホルダ31は、レンズユニット20の各構成部材の大きさ、撮像ホルダ31の各構成部材の大きさおよび各光学系の光軸などをもとに、レンズホルダ21の光出射側端部と撮像ホルダ31の光入射側端部との嵌合時には、レンズホルダ21に組み付けられたレンズ22,23,24の光軸中心が、撮像ホルダ31内部に固定されるプリズム33の基準領域の中心である点C1を通るように、形状が設計されている。また、プリズム33の側面部33aの一部が撮像ホルダ31のプリズム側開口部31aの内周面に沿って保持されるため、レンズユニット20の光軸中心と、プリズム33の入射面33bの基準領域の中心である点C1とが同一の軸N1上に位置するように、撮像ホルダ31のプリズム側開口部31aの内周面によって位置規定される。
【0038】
また、プリズム33は、プリズム33の入射面33bの基準領域の中心である点C1を通った光が受光部32aの中心C2に到達するように撮像素子32上に実装されている。このため、レンズホルダ21の各レンズ22,23,24による集光光は、光軸中心が撮像素子32の受光部32aの中心と一致する状態で、プリズム33の入射面33bに入射する。したがって、レンズホルダ21の光出射側端部と撮像ホルダ31の光入射側端部との嵌合時には、レンズユニット20の各レンズ22,23,24を含む光学部材の光軸中心と、撮像ユニット30の撮像素子32の受光部32aで受光する光の中心とは一致することとなる。
【0039】
上述した実施の形態1によれば、撮像モジュール15において、レンズ22,23,24の中心を通過する光軸中心と、プリズム33の入射面33bの中心である点C1とが一致するように、レンズホルダ21の集光光出射側端部およびプリズム33の外周が、撮像ホルダ31の内周面で位置規定される。このため、レンズホルダ21の集光光出射側端部、およびプリズム33の入射面33b側の端部と、撮像ホルダ31の各端部の開口部とをそれぞれ嵌め合わせるのみという簡易な製造工程で、レンズユニット20の光学部材の光軸中心と撮像ユニット30の撮像素子32の受光部32aで受光する光の中心とを一致させた撮像モジュールを製造することができる。
【0040】
ここで、撮像ホルダ31のプリズム側開口部31aの外周形状は、プリズム33の入射面33b側の外周に応じた円弧状をなしているため、周方向の相対位置に関わらず、プリズム33を撮像ホルダ31に嵌合させることができる。このため、プリズム33の外周形状が角形の場合と比して容易に嵌合させることができる。
【0041】
また、撮像モジュール15は、レンズホルダ21の集光光出射側端部およびプリズム33の入射面33b側端部と撮像ホルダ31の各端部とが、他の部材を介さずにそれぞれ直接嵌合可能であるため、内視鏡装置の挿入具先端部の細径化を図ることができるとともに、部材介在による光量の損失も低減でき良好な画像を取得できる。
【0042】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2においては、レンズホルダを撮像ホルダに差し込むことによって組み立てる撮像モジュールについて説明する。なお、図2等で上述したものと同じ構成要素には同じ符号を付してある。
【0043】
図9は、本実施の形態2にかかる撮像モジュール15aを示す分解斜視図である。図9に示すように、実施の形態2にかかる撮像モジュール15aは、上述したレンズユニット20と、撮像素子32を有する撮像ユニット30aとによって構成される。
【0044】
撮像ユニット30aは、両端が開口した中空の撮像ホルダ37と、撮像対象からの光を光電変換する撮像素子32と、撮像素子32上に載置されるプリズム38とによって構成される。撮像ホルダ37は、たとえば耐食鋼で形成される。
【0045】
図10は、図9に示す撮像モジュール15aのプリズム38を示す斜視図である。図11は、図9に示す撮像モジュール15aのプリズム38を示す側面図である。プリズム38は、撮像素子32の受光部32a(図3参照)上に載置され、外部からの光を屈折させる。プリズム38は、図10,11に示すように、円柱状部材を用いて形成され、この円柱状の中心軸に垂直な断面が略円弧状をなす側面を形成する38aと、側面部38aの一方の端部に設けられ、円筒の中心軸と直交する平面からなり、レンズホルダ21からの光を入射する入射面38bと、側面部38aの他方の端部に設けられ、円筒の中心軸に対して傾斜した平面からなり、入射面38bに入射した光を反射する反射面38cと、入射面38aと反射面38cとの間の距離が拡大する側であって、入射面38bと直交する方向から入射し、反射面38cで反射された光の光軸が通過する側面に設けられ、円筒の中心軸方向に平面状に延び、反射面38cが反射した光を直進させて外部に出射する出射面38dと、を有する。側面部38a(入射面38b)は、光の入射方向(入射面38bを正面とした方向)からみて略円をなしている。
【0046】
また、プリズム38は、側面部38aの出射面38dと異なる箇所に設けられ、円筒の中心軸方向に平面状に延びる複数(本実施の形態2では2つ)のプリズム側平面部38eと、を有する。なお、プリズム側平面部38eは、側面部38aの直径(最大径)上に位置する外周側に設けられることが好ましい。
【0047】
図12は、図9に示す撮像モジュール15aの撮像ホルダ37を示す斜視図である。撮像ホルダ37は、上述した撮像ホルダ31と同様の構成からなり、プリズム側開口部37aに代えて、プリズム38の入射面38bの直径(最大径)に応じた円筒状の内部空間を形成するプリズム側開口部37aを有する。また、プリズム側開口部37aは、円筒側面の一部が切り欠かれた切欠き形状をなす切欠部37bと、各平面部38eの相対位置関係に応じてプリズム側開口部37aの内周面に設けられる複数(本実施の形態2では2つ)のホルダ側平面部37cとを有する。
【0048】
撮像ホルダ37は、プリズム側開口部37aにおいて、撮像素子32および基板34が実装されたプリズム38を収容して、プリズム38を撮像ホルダ37内に組み付ける。このとき、図13に示すように、プリズム38の側面部38aの一部が撮像ホルダ37のプリズム側開口部37aの内周面と接触して固定される。ここで、プリズム側開口部37aは、プリズム38の外周に沿って内周面が接触することによって、プリズム38が内周面に沿って回転した場合であっても点C3が軸N1上に位置するようにプリズム38を保持する。すなわち、プリズム側開口部37aは、内周面によってプリズム38を保持することによって、プリズム38の光軸のずれを防止する。なお、ホルダ側平面部37c間の距離は、プリズム側平面部38e間の距離より大きく設計される。
【0049】
ここで、プリズム38の入射面38bの外周面の一部が撮像ホルダ37のプリズム側開口部37aの内周面に沿って保持されるため、レンズユニット20の光軸中心と、プリズム38の入射面38bの基準領域の中心である点C3とが同一の軸N1上に位置するように、撮像ホルダ37のプリズム側開口部37aの内周面によって位置規定される。また、プリズム38が撮像ホルダ37に嵌合された状態で中心軸まわりに自転した場合、プリズム側平面部38eの端部がホルダ側平面部37cに当接するため、プリズム38のプリズム側開口部37a内での回転量が規制される。
【0050】
また、プリズム38は、上述した実施の形態1と同様、プリズム38の入射面38bの基準領域の中心である点C3を通った光が受光部32aの中心C2(図3参照)に到達するように撮像素子32上に実装されている。このため、レンズホルダ21の各レンズ22,23,24による集光光は、光軸中心が撮像素子32の受光部32aの中心と一致する状態で、プリズム38の入射面38bに入射する。したがって、レンズホルダ21の光出射側端部と撮像ホルダ37の光入射側端部との嵌合時には、レンズユニット20の各レンズ22,23,24を含む光学部材の光軸中心と、撮像ユニット30aの撮像素子32の受光部32aで受光する光の中心とは一致することとなる。
【0051】
上述した実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、撮像モジュール15aにおいて、レンズ22,23,24の中心を通過する光軸中心と、プリズム33の入射面33bの中心である点C3とが一致するように、レンズホルダ21の集光光出射側端部およびプリズム38の外周が、撮像ホルダ37の内周面で位置規定される。このため、レンズホルダ21の集光光出射側端部、およびプリズム38の入射面38b側の端部と、撮像ホルダ37の各端部の開口部とをそれぞれ嵌め合わせるのみという簡易な製造工程で、レンズユニット20の光学部材の光軸中心と撮像ユニット30aの撮像素子32の受光部32aで受光する光の中心とを一致させた撮像モジュールを製造することができる。
【0052】
ここで、撮像ホルダ37のプリズム側開口部37aの外周形状は、プリズム38の入射面38b側の外周に応じた弧状をなしているため、周方向の相対位置に関わらず、プリズム38を撮像ホルダ37に嵌合させることができる。このため、プリズム38の外周形状が角形の場合と比して容易に嵌合させることができる。
【0053】
また、撮像ホルダ37のホルダ側平面部37cおよびプリズム38のプリズム側平面部38eによって、撮像ホルダ37内におけるプリズム38の回転量を規制することができるため、嵌合の容易性を実現するとともに、撮像ホルダ37に対するプリズム38の周方向における大まかな位置決めを行うことができる。
【0054】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3においては、レンズホルダを撮像ホルダに差し込むことによって組み立てる撮像モジュールについて説明する。なお、図2等で上述したものと同じ構成要素には同じ符号を付してある。
【0055】
図14は、本実施の形態3にかかる撮像モジュール15bを示す側面図である。図15は、本実施の形態3にかかる撮像モジュール15bを示す分解斜視図である。図14,15に示すように、実施の形態3にかかる撮像モジュール15bは、上述したレンズユニット20と、撮像素子32を有する撮像ユニット30bとによって構成される。
【0056】
撮像ユニット30bは、両端が開口した中空の撮像ホルダ39と、撮像対象からの光を光電変換する撮像素子32と、撮像素子32上に載置されるプリズム40とによって構成される。撮像ホルダ39は、たとえば耐食鋼で形成される。
【0057】
図16は、図14に示す撮像モジュール15bのプリズム40を示す斜視図である。図17は、図14に示す撮像モジュール15bのプリズム40を示す側面図である。プリズム40は、撮像素子32の受光部32a(図3参照)上に載置され、外部からの光を屈折させる。プリズム40は、図16,17に示すように、断面が略円をなす側面を形成する側面部40aと、側面部40aの一方の端部に設けられ、円筒の中心軸と直交する平面からなり、レンズホルダ21からの光を入射する入射面40bと、側面部40aの他方の端部に設けられ、円筒の中心軸に対して傾斜した平面からなり、入射面40bに入射した光を反射する反射面40cと、入射面40bと反射面40cとの間の距離が拡大する側であって、入射面40bと直交する方向から入射し、反射面40cで反射された光の光軸が通過する側面に設けられ、円筒の中心軸方向に平面状に延び、反射面40cが反射した光を直進させて外部に出射する出射面40dと、を有する。
【0058】
また、プリズム40は、側面部40aの出射面40dと異なる箇所に設けられ、円筒の中心軸方向に延び、外部に向けて開口した凹状をなす複数(本実施の形態3では2つ)の凹部40eと、を有する。なお、凹部40eは、側面部40aの直径(最大径)上に位置する外周側に設けられることが好ましい。
【0059】
図18は、図14に示す撮像モジュール15bの撮像ホルダ39を示す斜視図である。撮像ホルダ39は、レンズユニット21との連結側が上述した撮像ホルダ31と同様の構成からなり、レンズユニット21との連結側と異なる側の端部に設けられ、プリズム40の入射面40bの直径(最大径)に応じた円筒状の内部空間を形成するプリズム側開口部39aと、プリズム側開口部39aの内部側の端部に設けられ、円筒の中心軸に直交する平板状をなす平板部39cと、を有する。また、プリズム側開口部39aは、各凹部40eの相対位置関係に応じてプリズム側開口部39aの内周面に設けられ、平板部39cからプリズム側開口部39aの内部壁面に沿って平板状に突出する複数(本実施の形態3では2つ)の突出部39bを有する。平板部39cには、レンズホルダ21からの光が通過するための孔39dが形成されている。
【0060】
撮像ホルダ39は、プリズム側開口部39aにおいて、撮像素子32および基板34が実装されたプリズム40を収容して、プリズム40を撮像ホルダ39内に組み付ける。このとき、図19に示すように、プリズム40の側面部40aの一部が撮像ホルダ39のプリズム側開口部39aの内周面と接触して固定される。ここで、プリズム側開口部39aは、プリズム40の外周に沿って内周面が接触することによって、プリズム40が内周面に沿って回転した場合であっても点C4が軸N1上に位置するようにプリズム40を保持する。すなわち、プリズム側開口部39aは、内周面によってプリズム40を保持することによって、プリズム40の光軸のずれを防止する。なお、軸N1(図3参照)に直交する方向の断面において、凹部40eの突出部39bを収容する領域の面積は、突出部39bの面積より大きく設計される。
【0061】
ここで、プリズム40の入射面40bの外周面の一部が撮像ホルダ39のプリズム側開口部39aの内周面に沿って保持されるため、レンズユニット20の光軸中心と、プリズム40の入射面40bの基準領域の中心である点C4とが同一の軸N1上に位置するように、撮像ホルダ39のプリズム側開口部39aの内周面によって位置規定される。また、プリズム40が撮像ホルダ39に嵌合された状態で中心軸まわりに自転した場合、凹部40eの内部壁面に突出部39bが当接するため、プリズム40のプリズム側開口部39a内での回転量が規制される。
【0062】
また、プリズム40は、上述した実施の形態1と同様、プリズム40の入射面40bの基準領域の中心である点C4を通った光が受光部32aの中心C2(図3参照)に到達するように撮像素子32上に実装されている。このため、レンズホルダ21の各レンズ22,23,24による集光光は、光軸中心が撮像素子32の受光部32aの中心と一致する状態で、プリズム40の入射面40bに入射する。したがって、レンズホルダ21の光出射側端部と撮像ホルダ39の光入射側端部との嵌合時には、レンズユニット20の各レンズ22,23,24を含む光学部材の光軸中心と、撮像ユニット30bの撮像素子32の受光部32aで受光する光の中心とは一致することとなる。
【0063】
上述した実施の形態3によれば、実施の形態1と同様、撮像モジュール15bにおいて、レンズ22,23,24の中心を通過する光軸中心と、プリズム40の入射面40bの中心である点C4とが一致するように、レンズホルダ21の集光光出射側端部およびプリズム40の外周が、撮像ホルダ39の内周面で位置規定される。このため、レンズホルダ21の集光光出射側端部、およびプリズム40の入射面40b側の端部と、撮像ホルダ39の各端部の開口部とをそれぞれ嵌め合わせるのみという簡易な製造工程で、レンズユニット20の光学部材の光軸中心と撮像ユニット30bの撮像素子32の受光部32aで受光する光の中心とを一致させた撮像モジュールを製造することができる。
【0064】
ここで、撮像ホルダ39のプリズム側開口部39aの外周形状は、プリズム40の入射面40b側の外周に応じた弧状をなしているため、周方向の相対位置に関わらず、プリズム40を撮像ホルダ39に嵌合させることができる。このため、プリズム40の外周形状が角形の場合と比して容易に嵌合させることができる。
【0065】
また、撮像ホルダ39の突出部39bおよびプリズム40の凹部40eによって、撮像ホルダ39内におけるプリズム40の回転量を規制することができるため、嵌合の容易性を実現するとともに、撮像ホルダ39に対するプリズム40の周方向における大まかな位置決めを行うことができる。
【0066】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4においては、レンズホルダを撮像ホルダに差し込むことによって組み立てる撮像モジュールについて説明する。なお、図2等で上述したものと同じ構成要素には同じ符号を付してある。
【0067】
図20は、本実施の形態4にかかる撮像モジュール15cを示す側面図である。図21は、本実施の形態4にかかる撮像モジュール15cを示す分解斜視図である。図20,21に示すように、実施の形態4にかかる撮像モジュール15cは、上述したレンズユニット20と、撮像素子32を有する撮像ユニット30cとによって構成される。
【0068】
撮像ユニット30cは、両端が開口した中空の撮像ホルダ41と、上述した撮像素子32およびプリズム33とによって構成される。撮像ホルダ41は、たとえば耐食鋼で形成される。
【0069】
図22は、図20に示す撮像モジュール15cの撮像ホルダ41を示す斜視図である。撮像ホルダ41は、プリズム33の入射面33bの直径(最大径)より大きい直径の円筒状をなし、レンズユニット21との連結側が上述した撮像ホルダ31と同様の構成からなり、レンズユニット21との連結側と異なる側の端部に設けられ、円筒の中心軸に直交する平板状をなす平板部41aを有する。また、平板部41aは、外縁から円筒の中心軸方向に棒状をなして突出する複数(本実施の形態4では2つ)の棒状部材41bを有する。また、平板部41aには、レンズホルダ21からの光が通過するための孔41cが形成されている。
【0070】
撮像ユニット30cでは、撮像ホルダ41の平板部41aにおいて撮像素子32および基板34が実装されたプリズム33の入射面33bを面接触させるとともに、棒状部材41bと側面部33aとを当接させた後、接触部分を固定する。このとき、図23に示すように、プリズム33の側面部33aの一部が撮像ホルダ41の棒状部材41bと接触して位置決めされることによって、接触部分を固定する前に、プリズム33が棒状部材41bに接触した状態を維持しながら回転した場合、点C5が軸N1(図3参照)上に位置する状態を維持するようにプリズム33を保持する。すなわち、棒状部材41bは、側面部33aと接触した状態を維持することによって、プリズム33の光軸のずれを防止する。
【0071】
ここで、棒状部材41bの配設位置は、例えば平板部41aの中心が点C5である場合、各棒状部材41bの中心と点C5とをそれぞれ結ぶ線分のなす角度θが、0°<θ<180°であることが好ましい(図23参照)。
【0072】
上述した実施の形態4によれば、実施の形態1と同様、撮像モジュール15cにおいて、レンズ22,23,24の中心を通過する光軸中心と、プリズム33の入射面33bの中心である点C5とが一致するように、レンズホルダ21の集光光出射側端部およびプリズム33の外周が、撮像ホルダ41の内周面および棒状部材41bによって位置規定される。このため、レンズホルダ21の集光光出射側端部、およびプリズム33の入射面33b側の端部と、撮像ホルダ41の各端部の開口部とをそれぞれ嵌め合わせるのみという簡易な製造工程で、レンズユニット20の光学部材の光軸中心と撮像ユニット30cの撮像素子32の受光部32aで受光する光の中心とを一致させた撮像モジュールを製造することができる。
【0073】
また、実施の形態4にかかる撮像ユニット41によれば、平板部41aおよび棒状部材41bに対してプリズム33を当て付けるのみで光軸に対する位置決めを行うことができるため、上述した実施の形態1〜3と比して、一段と容易に撮像モジュールを製造することができる。
【0074】
図24は、本実施の形態4の変形例にかかる撮像モジュールの撮像ホルダを示す斜視図である。図25は、本実施の形態4の変形例にかかる撮像モジュールの撮像ホルダを示す平面図である。変形例にかかる撮像ホルダ42のように、円筒の中心軸に直交する平板状をなす平板部41dに対して、凸状をなし、入射面33bと当接する当接部41eを設けてもよい。これにより、棒状部材41bによる側面部33aとの線接触と、当接部41eおよび入射面33bの点(面)接触とによって、プリズム33の光軸に対する位置決めを行うことも可能である。なお、当接部41eは、平板部41dの中心点C6を通過する平面Pで区切られる領域に対して、2つの棒状部材41bを含む領域と異なる側の領域に設けられることが好ましい。
【0075】
また、本実施の形態1〜4においては、内視鏡装置の挿入具の先端部に搭載される撮像ユニットを例に説明したが、もちろん、デジタルカメラおよびデジタルビデオカメラを始め、撮像機能を備えた携帯電話機など、各種態様の電子撮像モジュールに適用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 内視鏡装置
2 挿入部
3 操作部
4 ユニバーサルコード
5 先端部
6 湾曲部
7 可撓管部
8 コネクタ部
9 ライトガイドコネクタ
10 電気接点部
11 送気口金
12 湾曲ノブ
13 処置具挿入部
14 スイッチ
15,15a,15b,15c 撮像モジュール
20 レンズユニット
21 レンズホルダ
22,23,24 レンズ
25 観察窓
30,30a,30b,30c 撮像ユニット
31,37,39,41,42 撮像ホルダ
31a,37a,39a プリズム側開口部
31b レンズ側開口部
31c,37b 切欠部
31d,39c,41a 平板部
31e,39d,41c 孔
32 撮像素子
32a 受光部
33,38,40 プリズム
33a,38a,40a 側面部
33b,38b,40b 入射面
33c,38c,40c 反射面
33d,38d,40d 出射面
34 基板
34a 部品
35 導線
36 配線ケーブル
37c ホルダ側平面部
38e プリズム側平面部
39b 突出部
40e 凹部
41b 棒状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を入射する入射面と、該入射面から入射した光を前記入射面と異なる方向に反射する反射面と、前記入射面と直交する方向から入射し、前記反射面で反射された光を直進させて外部に出射する出射面とを有し、光の入射方向からみて略円をなす柱状の光学部材と、
前記出射面から出射された光を受光して光電変換する受光部が表面に形成された撮像素子と、
一端の少なくとも一部の外縁部から前記光学部材の側面形状に応じて突出し、前記入射面の位置を規定して前記光学部材を保持する円筒状の撮像ホルダと、
を備えたことを特徴とする撮像ユニット。
【請求項2】
前記撮像ホルダは、前記入射面の最大径に応じた円筒状の内部空間を形成する開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項3】
前記光学部材は、前記柱状をなす側面の前記出射面と異なる位置に設けられ、前記柱状に延びる方向に平面状に延びる複数の光学部材側平面部を有し、
前記開口部は、前記光学部材側平面部の位置に応じて設けられる平面状をなすホルダ側平面部を有することを特徴とする請求項2に記載の撮像ユニット。
【請求項4】
前記光学部材は、前記柱状をなす側面の前記出射面と異なる位置に設けられ、前記柱状に延びる方向に延び、外部に向けて開口した凹状をなす複数の凹部を有し、
前記開口部は、前記凹部の位置に応じて設けられ、前記凹状の内部空間に収容可能な平板状をなして突出する突出部と、を有することを特徴とする請求項2に記載の撮像ユニット。
【請求項5】
前記撮像ホルダは、外縁から円筒の中心軸方向に棒状をなして突出する複数の棒状部材を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項6】
光を入射する入射面と、該入射面から入射した光を前記入射面と異なる方向に反射する反射面と、前記入射面と直交する方向から入射し、前記反射面で反射された光を直進させて外部に出射する出射面とを有し、光の入射方向からみて略円をなす柱状の光学部材、前記出射面から出射された光を受光して光電変換する受光部が表面に形成された撮像素子、一端の少なくとも一部の外縁部から前記光学部材の側面形状に応じて突出し、前記入射面の位置を規定して前記光学部材を保持する円筒状の撮像ホルダを有する撮像ユニットと、
両端が開口し、一端から入射した光を集光するとともに、該集光した光を射出するレンズ、および該レンズを保持する中空のレンズホルダを有するレンズユニットと、
を備えたことを特徴とする撮像モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−99477(P2013−99477A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245854(P2011−245854)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】