説明

撮像装置

【課題】ウォブリング動作に伴う倍率変化に起因する撮像映像の品質悪化を防止しながらオートフォーカスの山登り方向の検出性を確保することができる撮像装置の提供。
【解決手段】デジタルビデオカメラ10のマイクロコンピュータ400は、F値とAGCゲインの各観点から山登り方向の検出に必要なウォブリング振幅Ai,Agを用いて、要求振幅量Acを算出する。また、ウォブリング時のコンペンセータレンズ150の移動により生じる倍率変動が引き起こす映像ゆれが生じないように設定された許容振幅量Amをズーム位置と被写体距離から算出する。そして、Ac>Amの場合には、ウォブリング振幅をAmに抑える一方でAF評価値のサンプリング回数を増加させてウォブリングを行うことで、山登り検出性を確保する。Ac≦Amの場合には、ウォブリング振幅をAcとして、ウォブリングを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合焦の状態を調整可能な光学系を介して得られた光学像を撮像手段により映像信号に変換する撮像装置のオートフォーカス技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル技術の発展に伴い、デジタルビデオカメラなどの撮像装置が普及している。これらの撮像装置には、通常、被写体に対してフォーカスレンズを自動合焦させるオートフォーカス機構が設けられている。このようなオートフォーカス機構のひとつに、いわゆる山登り方式と呼ばれる方式がある。この山登り方式では、ウォブリングと呼ばれる動作によって、被写体が合焦するフォーカスレンズの位置の方向を検出し、その方向にフォーカスレンズを移動させていき、CCDなどの撮像素子から得られる輝度信号の高周波成分を検波回路で検波して得られる評価値(以下、「AF評価値」という)がピークとなるフォーカスレンズの位置が合焦位置であるとしてフォーカスレンズの位置を制御する。上述のウォブリング動作は、フォーカスレンズを光軸方向に一定量微振動させることで、AF評価値の変化を検出し、AF評価値が大きくなる方向(いわゆる山登り方向)を、フォーカスレンズの合焦方向として検出するものである。
【0003】
こうしたウォブリング動作では、撮像装置の絞り機構を絞っていくと、被写界深度が深くなることにより、一定のウォブリング振幅ではAF評価値の差が小さくなり、山登り方向の正確な検出が困難となる。そこで、このような場合には、絞り機構を絞っていくに従い、ウォブリング振幅を大きくする制御が行われる。同様に、撮像装置のAGCゲインを上げていくと、S/Nが劣化することにより、AF評価値の変動が大きくなり、AF評価値の信頼性が低下するので、山登り方向の正確な検出が困難となる。そこで、このような場合には、AGCゲインを上げていくに従いウォブリング振幅を大きくする制御が行われる。ただし、振幅を無制限に大きくしていくことは、撮像映像の品質に影響を与えるため、振幅を一定量以上に大きくしたい場合には、ウォブリング振幅を大きくする代わりにAF評価値のサンプル数を増やすことで、山登り方向の検出性を高めることが行われる。こうした制御機構を備えた撮像装置としては、例えば、下記文献のものが知られている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−133205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、一般的に、インナーフォーカスカメラにおいて、コンペンセータレンズは、ズーム時には変倍機能を持つバリエータレンズの像面変動を補正するための補正レンズとしての役割を持ち、フォーカス時は、撮像距離を変化させるためのフォーカスレンズとしての役割を併せ持っている。通常、インナーフォーカスカメラの光学設計を行う場合は、フォーカスレンズの変位による倍率変動がないように設計されるのであるが、コスト、大きさ等の制約条件によって、倍率変動が使用上問題ないとされるレベルで設計される。
【0006】
したがって、インナーフォーカスカメラにおいて、ウォブリング動作によってフォーカスレンズが移動すると、僅かながら倍率が変化するため、撮像映像がゆれるように見え、映像品質に問題が生じることがあった。このような現象は、フォーカスレンズの合焦位置付近でウォブリング動作が行われる場合に、特に顕著に確認できる。そこで、ウォブリング動作に伴う倍率変化に起因する撮像映像の品質悪化を防止しながら、オートフォーカスの山登り方向の検出性を確保することができる撮像装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の撮像装置は、
合焦の状態を調整可能な光学系を介して得られた光学像を撮像手段により映像信号に変換する撮像装置であって、
前記映像信号を撮像条件によって制御された所定のゲインで調整し、該調整された映像信号から、前記光学系を介して得られた光学像が合焦した際に得られる高周波成分を少なくとも含む帯域の信号の強度を検出する高周波成分抽出手段と、
前記光学像を合焦させるための、前記光学系の状態変化の方向である合焦方向を検出するために、前記光学系の状態を変化させる変化範囲を、少なくとも、前記光学系の状態の変化によって起こる光学像の倍率変動の情報に基づいて設定する設定手段と、
前記光学系の状態を前記設定された変化範囲内で変化させながら、該変化範囲内での前記信号の強度の変化を所定の回数検出する信号強度変化検出手段と、
該検出された信号の強度の変化の結果に基づいて、前記合焦方向を検出する合焦方向検出手段と、
該検出された合焦方向に前記光学系の状態を変化させながら、前記信号の強度を検出し、該信号の強度がピークとなる前記光学系の状態を、前記光学系の合焦の状態として、前記光学系を制御する光学系制御手段と
を備えたことを要旨とする。
【0008】
かかる構成の撮像装置は、合焦方向を検出するために光学系の状態を変化させる変化範囲を、少なくとも、光学系の状態の変化によって起こる光学像の倍率変動の情報に基づいて設定し、その設定された変化範囲内で光学系の状態を変化させながら、信号の強度の変化を検出し、その結果に基づいて合焦方向を検出して、その方向に光学系を制御することで合焦の状態を調整する。したがって、光学系の合焦方向を検出する際に、光学系の状態の変化によって起こる光学像の倍率変動による映像品質への影響を調節することができる。
【0009】
また、かかる構成の撮像装置において、設定手段は、倍率変動が大きいほど変化範囲が小さくなるように変化範囲を設定するものとしてもよい。
【0010】
このような構成によれば、倍率変動が大きい場合には、光学系の状態の変化範囲を小さくし、光学系の状態の変化によって起こる光学像の倍率変動を抑制するので、映像の品質が悪化することを防止できる。
【0011】
また、かかる構成の撮像装置において、光学系は、該光学系を構成する複数のレンズのうち少なくとも一枚のレンズの位置を移動することにより、焦点距離を調整可能なレンズユニットと、少なくとも一枚のレンズを移動する移動用アクチュエータとを備え、光学系の状態は、移動用アクチュエータにより移動する少なくとも1枚のレンズの位置であるとしてもよい。
【0012】
このような構成によれば、光学系は複数のレンズにより構成され、レンズを移動することにより焦点距離を調整する撮像装置についても、合焦方向を検出するためにレンズの位置を変化させる際に、レンズの移動によって起こる光学像の倍率変動により、映像の品質が悪化することを防止できる。
【0013】
また、かかる構成の撮像装置において、 設定手段は、倍率変動の情報に加えて、信号の強度に影響を与える光学系に関する第1のパラメータ及び/または信号に含まれるノイズ信号の強度に影響を与える第2のパラメータに基づいて、変化範囲を設定するものとしてもよい。
【0014】
このような構成によれば、光学系の状態の変化によって起こる光学像の倍率変動の情報に加えて、信号の強度や、信号に含まれるノイズ信号の強度に影響を与えるパラメータに基づいて、合焦方向を検出するために光学系の状態を変化させる変化範囲を設定するので、レンズの移動によって起こる光学像の倍率変動に伴い映像の品質が悪化することを防止しながら、効率的に合焦方向の検出を行うことができる。
【0015】
また、かかる構成の撮像装置において、第1のパラメータは光学系の絞り値としてもよい。このような構成によれば、倍率変動の情報に加えて、信号の強度への影響が大きい絞り値にも基づいて、合焦方向を検出するために光学系の状態を変化させる変化範囲を設定するので、効率的に合焦方向の検出を行うことができる。
【0016】
また、かかる構成の撮像装置において、第2のパラメータはゲインとしてもよい。このような構成によれば、倍率変動の情報に加えて、信号に含まれるノイズ信号の強度への影響が大きいゲインにも基づいて、合焦方向を検出するために光学系の状態を変化させる変化範囲を設定するので、効率的に合焦方向の検出を行うことができる。
【0017】
また、かかる構成の撮像装置において、設定手段は、光学像の倍率変動の情報と、第1のパラメータ及び/または第2のパラメータとに基づいて、変化範囲に加えて、所定の回数を設定するものとしてもよい。
【0018】
このような構成によれば、設定手段は、合焦方向を検出するための、光学系の状態の変化範囲だけでなく、信号の強度の変化を検出する回数も調整するので、光学系の状態の変化によって起こる光学像の倍率変動に伴い映像の品質が悪化することを防止しながら、合焦方向の検出性を高めることができる。
【0019】
また、かかる構成の撮像装置において、合焦方向検出手段が、検出された信号の強度の変化の結果からは合焦方向を検出できない場合には、設定手段は、該合焦方向を検出できないときの信号の強度と、光学系が合焦の状態であったときの信号の強度との変化の大きさに基づき、変化範囲が大きくなるように、または所定の回数が増加するように設定を修正することとしてもよい。
【0020】
このような構成によれば、合焦方向検出手段が合焦方向を検出できない場合には、設定手段は、信号の強度の変化の大きさに基づき、合焦方向を検出するための、光学系の状態の変化範囲が大きくなるように、または信号の強度を検出する回数が増加するように設定を修正するので、合焦方向の検出性を高めることができる。
【0021】
なお、本発明は、上述した撮像装置としての構成のほか、焦点自動調整方法としても構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施例について次の順序で説明する。
(1)デジタルビデオカメラの概略構成:
(2)オートフォーカス処理:
(3)ウォブリング振幅等算出処理:
(4)ウォブリング振幅等見直し処理:
【0023】
(1)デジタルビデオカメラの概略構成:
図1は、本発明の実施例としてのデジタルビデオカメラ10の概略構成を示す説明図である。デジタルビデオカメラ10は、山登り方式のオートフォーカス機構を備えた据付式の監視カメラであり、レンズブロック100、CCD200、サンプルホールド(S/H)及びAGC(Automatic Gain Control)回路310、DSP(Digital Signal Processor)320、AF回路330、マイクロコンピュータ400、レンズ等駆動モータ510〜530、レンズ等ドライバ550〜570、ROM600、RAM700、出力インターフェース800を備えている。
【0024】
レンズブロック100は、固定第1レンズ110、変倍機能を持つ可動式のバリエータレンズ120、レンズを通過する光量を制御するアイリス130、固定第2レンズ140、フォーカス機能と変倍時に焦点位置補正を行う機能とを持つ可動式のコンペンセータレンズ150、バリエータレンズ120及びコンペンセータレンズ150の位置をそれぞれ検出する位置検出装置170及び190、アイリス130の絞り値を検出する絞り値検出装置180から構成される。これらのレンズ群は、入射された被写界の光学像の倍率、光量、焦点を調整して、CCD200の面上に結像させる。なお、本実施例においては、上述の各レンズは、説明の便から単一のレンズとして示しているが、複数のレンズから構成されてもよい。
【0025】
CCD200は、結像された光学像を電気信号に変換する撮像素子である。なお、本実施例では、撮像素子としてCCDを用いたが、CMOSなど他の撮像素子を用いてもよい。
【0026】
サンプルホールド及びAGC回路310は、CCD200の出力からスイッチングノイズを除去して信号成分を取り出すとともに、出力信号レベルが一定になるようにゲインを制御する回路である。DSP320は、サンプルホールド及びAGC回路310から出力されたアナログ信号をデジタル信号へ変換して、輝度信号やクロマ信号を生成すると共に、ガンマ補正、アパーチャ補正、ホワイトバランス調整等の処理を行う専用のプロセッサである。AF回路330は、ハイパスフィルタ(本実施例では、遮断周波数を1MHzと数十kHzの2種類から選択できるようにしている)、絶対値回路。ゲート回路、検波回路を備えており、DSPから出力された映像信号をハイパスフィルタにより輝度信号の高周波成分を取り出し、この高周波成分を絶対値回路により絶対値化し、更にゲート回路により測距枠として設定された範囲に該当する信号のみを抽出し、検波回路によりピーク検波することでAF評価値を取得する。
【0027】
ズームモータ510,フォーカスモータ530は、バリエータレンズ120,コンペンセータレンズ150の位置を移動させて、倍率調整または焦点調整を行うためのステッピングモータである。また、アイリスモータ520は、アイリス130を開閉して光量を調整するためのガルバノメータである。
【0028】
マイクロコンピュータ400は、ROM600に記憶された制御プログラムを用いて、AF回路330から得られるAF評価値が最大となるように、フォーカスドライバ570を介してフォーカスモータ530を動作させて、コンペンセータレンズ150の位置を移動させて、オートフォーカス制御を行うほか、デジタルビデオカメラ10の動作全体を制御する。また、ROM600に記憶された制御プログラムをRAM700に展開して実行することで、ウォブリング振幅等算出部410、ウォブリング制御部420、山登り方向検出部430、合焦制御部440として動作する。
【0029】
ROM600には、マイクロコンピュータ400が用いる、デジタルビデオカメラ10の動作に必要な制御プログラムのほか、後述するオートフォーカス処理で使用するF値/振幅テーブル610、AGCゲイン/振幅テーブル620、フォーカス移動許容量テーブル630、振幅比/サンプル数テーブル640が記憶されている。
【0030】
RAM700には、マイクロコンピュータ400が制御プログラムを実行するためのワークエリアなどの記憶領域が確保されている。なお、これらの記憶領域は、マイクロコンピュータ400が備えるレジスタ内に確保することでもよい。
【0031】
出力インターフェース800は、デジタルビデオカメラ10で撮像された映像データを出力するためのインターフェースであり、例えば、図示しないモニタに接続して、モニタ画面上で、デジタルビデオカメラ10で撮像された映像データを見ることができる。
【0032】
(2)オートフォーカス処理
図2は、デジタルビデオカメラ10のオートフォーカス処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、デジタルビデオカメラ10が被写界を撮像する際に、コンペンセータレンズ150の位置を移動させて、自動焦点調整を行う処理である。
【0033】
この処理が開始されると、マイクロコンピュータ400は、ウォブリング振幅等算出部410の処理として、ウォブリング振幅とサンプリング数SRとを決定するウォブリング振幅等算出処理を行う(ステップS100)。上述のウォブリングとは、コンペンセータレンズ150を光軸方向に一定量微振動させて、各移動位置におけるAF評価値を取得し、このAF評価値が大きくなる方向を、コンペンセータレンズ150が合焦する方向として検出する処理である。また、ウォブリング振幅とは、コンペンセータレンズ150がウォブリングのために微振動する振幅である。このステップS100では、ウォブリング振幅を大きくすると、撮像映像にゆれ等の悪影響を与える可能性があるため、映像品質に悪影響を与えずに、山登り方向の検出性を確保するための、ウォブリング振幅とAF評価値のサンプリング数SRを決定するのである。この処理の詳細については、図4を用いて後述する。なお、本実施例においては、このウォブリング振幅は、フォーカスモータ530の1パルス分に対応する移動距離である1ステップを単位とする。
【0034】
次に、マイクロコンピュータ400は、ウォブリング制御部420の処理として、上記ステップS100で決定した振幅でウォブリングを行い、山登り方向検出部430の処理として、ウォブリングによる山登り方向の検出を行う(ステップS110)。この山登り方向の検出については、図3(a)を用いて説明する。上記ステップS100において、例えば、ウォブリング振幅が2ステップ、AF評価値サンプリング数SRが1回と決定された場合、マイクロコンピュータ400は、フォーカスドライバ570を介してフォーカスモータ530を駆動させて、コンペンセータレンズ150を現在の位置P0から、振幅2ステップだけ図中の右方向に移動した位置P+2と,振幅2ステップだけ図中の左方向に移動した位置P−2の間を一往復して位置P0に戻る。そして、これらのステップ位置毎にAF評価値を1回取得する。その結果、各ステップ位置で取得したAF評価値AF−2〜AF+2が、図示するように、右肩上がりの傾向を示していれば、マイクロコンピュータ400は、図中の右方向を山登り方向、すなわちコンペンセータレンズ150の合焦位置が存在する方向として検出する。なお、図中の右方向は、FAR(遠距離)方向であり、左方向はNEAR(近接)方向である。
【0035】
なお、本実施例においては、サンプリング回数を複数回、例えば、3回と決定した場合には、上述の例を用いれば、コンペンセータレンズ150がP+2とP−2の間を3回往復し、1往復毎に各移動位置のAF評価値を1回、計3回取得するものとしたが、これに限られるものではなく、1往復の間に各移動位置で3回AF評価値を取得するものとしてもよい。
【0036】
また、本実施例においては、ウォブリングは、山登り方向の検出性を考慮して、コンペンセータレンズ150を光軸方向に前後に移動させて行うこととしたが、前後いずれか片方向のみに移動するものであってもよい。例えば、上述の例を用いれば、コンペンセータレンズ150を現在の位置P0から、振幅2ステップだけ図中の右方向に移動した位置P+2と,振幅2ステップだけ図中の左方向に移動した位置P−2の間を一往復して位置P0に戻る代わりに、現在の位置P0から、振幅2ステップだけ図中の右方向に移動した位置P+2に移動した後、位置P0に戻るものとしてもよい。
【0037】
次に、マイクロコンピュータ400は、上記ステップS110における山登り方向の検出に成功したか否かを判断する(ステップS120)。こうした判断を設けているのは、ウォブリング振幅の範囲内で取得したAF評価値の変動が極めて小さい、あるいはノイズの影響を受けて不規則に変動しているといった場合には、山登り方向が検出できないことがあるからである。その結果、山登り方向が検出できなかった場合には(ステップS120:No)、マイクロコンピュータ400は、再度、山登り方向の検出を行うために、ウォブリング振幅及びAF評価値のサンプリング数SRを見直して(ステップS150)、処理を上記ステップS110に戻す。このステップS150のウォブリング振幅等見直し処理の詳細については図9を用いて後述する。
【0038】
一方、山登り方向が検出できた場合には(ステップS120:Yes)、図3(b)に示すように、マイクロコンピュータ400は、合焦制御部440の処理として、フォーカスドライバ570を介してフォーカスモータ530を駆動させて、コンペンセータレンズ150を現在の位置P0から山登り方向に移動させながら各ステップ位置のAF評価値AFiを取得し、AF評価値AFiがピーク値AFmaxとなる位置Pmaxを検出する(ステップS130)。この検出された位置Pmaxは、コンペンセータレンズ150が被写界を合焦させる位置であり、マイクロコンピュータ400は、この検出位置Pmaxにコンペンセータレンズ150を移動し(ステップS140)、オートフォーカス処理を完了する。
【0039】
(3)ウォブリング振幅等算出処理
図2のオートフォーカス処理のステップS100で実行されるウォブリング振幅等算出処理の手順を示すフローチャートを図4に示す。この処理が実行されると、マイクロコンピュータ400は、絞り値検出装置180を用いてF値を取得するとともに、F値/振幅テーブル610を参照して、ウォブリング振幅Aiを算出する(ステップS200)。
【0040】
上記のF値/振幅テーブル610については、図5に一例を示す。このテーブルでは、図示するように、F値とウォブリング振幅Aiが対応付けられている。一般的に、F値が大きくなるに従い、被写界深度が深くなって撮像映像のエッジが弱まり、一定のウォブリング振幅において取得されるAF評価値の差が小さくなるために、山登り方向の検出が困難になる。そこで、図示するように、F値が大きくなるに従い、ウォブリング振幅を大きくとり、山登り方向の検出を行いやすくするのである。このようにして算出されたウォブリング振幅Aiは、F値の観点からの、山登り方向の検出性を確保するために必要なウォブリング振幅である。
【0041】
次に、マイクロコンピュータ400は、サンプルホールド及びAGC回路310を用いてAGCゲインGを取得するとともに、AGCゲイン/振幅テーブル620を参照して、AGCゲインGにより決定されるウォブリング振幅Agを算出する(ステップS210)。
【0042】
上記のAGCゲイン/振幅テーブル620については、図6に一例を示す。このテーブルでは、図示するように、AGCゲインGとウォブリング振幅Agが対応付けられている。一般的に、AGCゲインGが大きくなるに従いS/Nが劣化することによりAF評価値の変動が大きくなるために、AF評価値の信頼性が低下し、一定のウォブリング振幅において取得されるAF評価値での山登り方向の検出が困難になる。そこで、図示するように、AGCゲインGが大きくなるに従い、ウォブリング振幅を大きくとり、山登り方向の検出を行いやすくするのである。このようにして算出されたウォブリング振幅Agは、AGCゲインGの観点からの、山登り方向の検出性を確保するために必要なウォブリング振幅である。
【0043】
次に、マイクロコンピュータ400は、ウォブリング振幅Aiとウォブリング振幅Agとを比較し、ウォブリング振幅Aiがウォブリング振幅Agより大きいか否かを判断する(ステップS220)。その結果、ウォブリング振幅Aiがウォブリング振幅Agより大きければ(ステップS220:Yes)、ウォブリング振幅Aiを、F値とAGCゲインGの観点から、山登り方向の検出性を確保するために必要な要求振幅量Acとして決定する(ステップS230)。一方、ウォブリング振幅Aiがウォブリング振幅Ag以下であれば(ステップS220:No)、ウォブリング振幅Agを要求振幅量Acとして決定する(ステップS240)。
【0044】
上記ステップS230またはS240において要求振幅量Acを決定すると、マイクロコンピュータ400は、フォーカス移動許容量テーブル630を参照して、許容振幅量Amを算出する(ステップS250)。この許容振幅量Amの算出については、図7を用いて説明する。コンペンセータレンズ150は、上述の通り、変倍時に焦点位置補正を行うため、その位置が移動されると、僅かながら倍率変動に差が生じる。この倍率変動については、コンペンセータレンズ150の単位ステップの移動量に対して、その時の倍率の変化量を基準位置の倍率での割合で表した値を倍率変動率ZRとして定義できる。この倍率変動率ZRは、コンペンセータレンズ150がFAR方向からNEAR方向に動くときをプラスとして、下式(1)で定義される。
ZR(%)=倍率変化量÷基準位置の倍率×100・・・(1)
【0045】
上記の倍率変動率ZRの一例を図7(a)に示す。倍率変動率ZRは、図示するように、ズーム位置ZPと被写体距離ODにより、カメラの特性に応じて与えられる。この例では、ズーム位置ZPがtele端、被写体距離ODが無限遠(∞)の場合に、最も倍率変動が大きくなる。なお、図示したズーム位置ZP及び被写体距離ODは、代表値としての例示であり、当然、これ以外の組合せについても、カメラの特性に応じて与えられる。
【0046】
図7(a)に示したように、コンペンセータレンズ150の移動により倍率変動が生じるため、コンペンセータレンズ150のウォブリング振幅が大きい場合には、ウォブリング中の撮像映像がゆれるように見えることとなる。図7(a)の例では、最も倍率変動率ZRの高いズーム位置ZPがtele端、被写体距離ODが無限遠(∞)の付近で、最も映像ゆれが起こる可能性が高い。そこで、撮像映像のゆれが肉眼で確認できない範囲で、ウォブリング振幅を決定することが望ましい。このような観点から、撮像映像のゆれが確認されることのないウォブリング振幅を許容振幅量Amとして算出するのである。
【0047】
また、許容振幅量Amを算出するための、フォーカス移動許容量テーブル630の一例を図7(b)に示す。このテーブルは、ズーム位置ZP及び被写体距離ODと、許容振幅量Amとを関連付けるテーブルであり、カメラ特性、すなわち図7(a)に例示した倍率変動率ZRに基づいて、経験的に求められるものである。この例では、例えば、ズーム位置ZPが×1(wide端)、被写体距離ODが5mの場合には、ウォブリングにより映像ゆれが確認されない許容振幅量Amとして4が与えられる。図示したズーム位置ZPと被写体距離ODとの組合せ以外の条件における許容振幅量Amは、図示した条件での許容振幅量Amから補間することにより求められる。本実施例では、直線補間により求めることとしたが、他の方法により補間してもよい。なお、図示したズーム位置ZPと被写体距離ODとの組合せの条件及び組合せ数は、一例に過ぎず、倍率変動率ZRの変化特性や求められる精度に応じて、自由に設定すればよいことは言うまでもない。
【0048】
許容振幅量Amを算出すると、マイクロコンピュータ400は、要求振幅量Acと許容振幅量Amとを比較し、要求振幅量Acが許容振幅量Amより大きいか否かを判断する(ステップS260)。その結果、要求振幅量Acが許容振幅量Amより大きければ(ステップS260:Yes)、許容振幅量Amをウォブリング振幅として決定する(ステップS270)。以降、こうして決定されたウォブリング振幅を決定振幅量Awということとする。この処理は、仮に、山登り方向の検出性を確保するために必要な要求振幅量Acを決定振幅量Awとしてしまうと、要求振幅量Acは許容振幅量Amよりも大きいために、映像ゆれが確認されることとなるため、ウォブリング振幅を映像ゆれが確認されない最大範囲に抑えるということである。
【0049】
許容振幅量Amを決定振幅量Awとして決定すると、マイクロコンピュータ400は、振幅比/サンプル数テーブル640を参照して、ウォブリングの各ステップ位置において取得するAF評価値のサンプリング数SRを算出する(ステップS290)。この処理は、上記ステップS270において、映像ゆれを防止するために、山登り方向の検出性を確保するために必要な要求振幅量Acよりも小さい振幅量を決定振幅量Awとしたことから、山登り方向の検出性を確保する別の方法として、AF評価値のサンプリング数SRを増加させる処理である。なお、本実施例においては、標準のサンプリング回数を1回としている。
【0050】
上記の振幅比/サンプル数テーブル640の一例を図8に示す。このテーブルでは、次式(2)で表される要求振幅量Acと許容振幅量Amとの振幅比ARと、ウォブリングの各ステップ位置において取得するAF評価値のサンプリング数SRとが対応付けられている。
AR=Ac/Am・・・(2)
【0051】
このテーブルでは、例えば、標準のサンプリング回数1回に対して、振幅比ARが2の場合にはAF評価値のサンプリング数SRは2回、振幅比ARが3の場合にはAF評価値のサンプリング数SRは3回というように、振幅比ARが大きくなるに従い、AF評価値のサンプリング数SRを増加させている。当該テーブルをこのような設定とすれば、決定振幅量Awとして決定した許容振幅量Amが、山登り方向の検出性を確保するために必要な要求振幅量Acに対して不足する程度に応じて、サンプリング数SRを増加できるので、効率的に、山登り方向の検出精度を確保できる。なお、本実施例では、振幅比ARに応じてAF評価値のサンプリング数SRを決定することとしたが、このような方法に限られるものではない。例えば、要求振幅量Acと許容振幅量Amとの差に応じて、サンプリング数SRを決定する方法でもよい。
【0052】
一方、要求振幅量Acが許容振幅量Am以下であれば(ステップS260:No)、マイクロコンピュータ400は、要求振幅量Acをウォブリング振幅として決定する(ステップS280)。
【0053】
そして、マイクロコンピュータ400は、AF評価値のサンプリング数SRを、標準のサンプリング数SRである1回と決定する(ステップS300)。これは要求振幅量Acを決定振幅量Awとしたため、標準のサンプリング数SRで山登り方向の検出性を確保できるということである。なお、本実施例においては、標準のサンプリング数SRを1回としているが、山登り方向検出の精度を向上させるために標準のサンプリング数SRを2回以上、例えば3回とする場合には、ステップS300において、サンプリング数SRを3回と決定することとなる。
【0054】
こうして、決定振幅量Aw及びサンプリング数SRを決定すると、マイクロコンピュータ400は、一連のウォブリング振幅等算出処理を終了し、図2のオートフォーカス処理に戻る。
【0055】
なお、本実施例においては、ステップS200,S210,S250,S290において、ROM600に記憶されたテーブルを用いて、それぞれ振幅Ai、振幅Ag、許容振幅量Am、AF評価値のサンプリング数SRを算出したが、所定の関数によって算出するものとしてもよい。
【0056】
(4)ウォブリング振幅等見直し処理
図2のオートフォーカス処理のステップS150で実行されるウォブリング振幅等見直し処理の手順を示すフローチャートを図9に示す。この処理が実行されると、マイクロコンピュータ400は、AF評価値比AFRを算出する(ステップS400)。このAF評価値比AFRは、上記ステップS110においてウォブリングを行った際に取得されたAF評価値AFwと、コンペンセータレンズ150が合焦位置に制御されたときに取得されたAF評価値AFfとの比率であり、次式(3)で表される。
AFR=AFw/AFf・・・(3)
【0057】
なお、本実施例においては、AF評価値AFwは、ウォブリング時に取得したAF評価値が複数ある場合には、これらの平均値を用いるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、最小値、最大値、最後に取得した値など、他の値を用いてもよい。
【0058】
AF評価値比AFRを算出すると、マイクロコンピュータ400は、AF評価値比AFRと所定の閾値THとを比較し、AF評価値比AFRが閾値THよりも大きいか否かを判断する(ステップS410)。その結果、AF評価値比AFRが閾値THよりも大きければ(ステップS420:Yes)、ウォブリング時に取得されたAF評価値は、合焦時に取得されたAF評価値と比べて大きな差がないということであり、ウォブリング時のコンペンセータレンズ150の位置は合焦位置に近いということが予測される。したがって、さらにウォブリング振幅を大きくすると、倍率変動による映像ゆれにより映像品質を悪化させる恐れがあるため、上記ステップS100で決定した決定振幅量Awはそのままにして、サンプリング数SRを所定数増加させる(ステップS420)。
【0059】
なお、本実施例においては、サンプリング数SRが複数回である場合の山登り方向の判断は、最も多く検出されたAF評価値の変化方向を採用するものとした。例えば、サンプリング回数と検出された山登り方向と決定された山登り方向との関係は以下の通りとなる。
サンプリング回数 検出山登り方向 決定山登り方向
(1)2回 非検出/NEAR NEAR
(2)2回 FAR/NEAR 非検出
(3)3回 FAR/NEAR/FAR FAR
しかし、このような態様に限るものではなく、例えば、最も大きなAF評価値の変化から検出された山登り方向を採用したり、所定の回数同じ山登り方向が検出された場合に当該山登り方向を採用したりするなど、別の方法を用いてもよい。
【0060】
一方、AF評価値比AFRが閾値TH以下であれば(ステップS420:No)、ウォブリング時に取得されたAF評価値は、合焦時に取得されたAF評価値と比べて大きな差があるということであり、ウォブリング時のコンペンセータレンズ150の位置は合焦位置から遠い大ボケの位置にあることが予測される。したがって、ウォブリング振幅を大きくしても、倍率変動による映像ゆれが映像品質に影響を与えないため、上記ステップS100で決定したサンプリング数SRはそのままにして、決定振幅量Awを所定量増加させる(ステップS430)。
【0061】
以上により、ウォブリング振幅等見直し処理は終了し、処理を図2に示したオートフォーカス処理に戻す。なお、本実施例においては、ウォブリング時の合焦の程度を判断するためにAF評価値AFRを用いたが、これに限られるものではない。例えば、AF評価値AFwとAF評価値AFfとの差により把握するなど、現在のAF評価値が合焦時のAF評価値からどの程度かけ離れているかを判断できる方法であればよい。
【0062】
かかる構成のデジタルビデオカメラ10は、コンペンセータレンズ150の移動に伴う倍率変動による映像ゆれが肉眼で確認できない範囲でウォブリング幅を決定し、必要に応じてウォブリング時におけるAF評価値のサンプリング数SRを増加させるので、倍率変動による映像ゆれを防止できると共に、オートフォーカスの山登り方向の検出性を確保することができる。
【0063】
また、デジタルビデオカメラ10は、山登り方向の検出に失敗した場合には、ウォブリング時に取得されたAF評価値と、合焦時に取得されたAF評価値とから、現在の合焦の程度を判断し、その判断結果に基づいて、映像品質に影響を与えない範囲でウォブリング幅とウォブリング時におけるAF評価値のサンプリング数SRを設定し直すので、倍率変動による映像ゆれを防止しながら、効率的にオートフォーカスの山登り方向の検出性を確保することができる。
【0064】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、実施例においては、コンペンセータレンズ150の位置を移動させることによりオートフォーカス制御を行うデジタルビデオカメラについて例示したが、CCD200を移動させたり、レンズの形状を電圧で変化させたりして、オートフォーカス制御を行うデジタルビデオカメラに対しても適用可能である。もとより、実施例に示した監視用のカメラに限らず、業務用のデジタルビデオカメラ、民生用のハンディデジタルビデオカメラ、携帯電話搭載のデジタルビデオカメラ、ネットワークカメラなど、種々の撮像装置として実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施例としてのデジタルビデオカメラ10の概略構成を示す説明図である。
【図2】オートフォーカス処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】山登り方向の検出についての説明図である。
【図4】オートフォーカス処理で実行されるウォブリング振幅等算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】F値/振幅テーブル610の一例を示す説明図である。
【図6】AGCゲイン/振幅テーブル620の一例を示す説明図である。
【図7】許容振幅量Amについての説明図である。
【図8】振幅比/サンプル数テーブル640の一例を示す説明図である。
【図9】オートフォーカス処理で実行されるウォブリング振幅等見直し処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
10...デジタルビデオカメラ
100...レンズブロック
110...固定第1レンズ
120...バリエータレンズ
130...アイリス
140...固定第2レンズ
150...コンペンセータレンズ
170,190...位置検出装置
180...絞り値検出装置
200...CCD
310...サンプルホールド及びAGC回路
320...DSP
330...AF回路
400...マイクロコンピュータ
410...ウォブリング振幅等算出部
420...ウォブリング制御部
430...山登り方向検出部
440...合焦制御部
510...ズームモータ
520...アイリスモータ
530...フォーカスモータ
550...ズームドライバ
560...アイリスドライバ
570...フォーカスドライバ
600...ROM
610...F値/振幅テーブル
620...AGCゲイン/振幅テーブル
630...フォーカス移動許容量テーブル
640...振幅比/サンプル数テーブル
700...RAM
800...出力インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合焦の状態を調整可能な光学系を介して得られた光学像を撮像手段により映像信号に変換する撮像装置であって、
前記映像信号を撮像条件によって制御された所定のゲインで調整し、該調整された映像信号から、前記光学系を介して得られた光学像が合焦した際に得られる高周波成分を少なくとも含む帯域の信号の強度を検出する高周波成分抽出手段と、
前記光学像を合焦させるための、前記光学系の状態変化の方向である合焦方向を検出するために、前記光学系の状態を変化させる変化範囲を、少なくとも、前記光学系の状態の変化によって起こる光学像の倍率変動の情報に基づいて設定する設定手段と、
前記光学系の状態を前記設定された変化範囲内で変化させながら、該変化範囲内での前記信号の強度の変化を所定の回数検出する信号強度変化検出手段と、
該検出された信号の強度の変化の結果に基づいて、前記合焦方向を検出する合焦方向検出手段と、
該検出された合焦方向に前記光学系の状態を変化させながら、前記信号の強度を検出し、該信号の強度がピークとなる前記光学系の状態を、前記光学系の合焦の状態として、前記光学系を制御する光学系制御手段と
を備えた撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記設定手段は、前記倍率変動が大きいほど前記変化範囲が小さくなるように前記変化範囲を設定する
撮像装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の撮像装置であって、
前記光学系は、
該光学系を構成する複数のレンズのうち少なくとも一枚のレンズの位置を移動することにより、焦点距離を調整可能なレンズユニットと、
前記少なくとも一枚のレンズを移動する移動用アクチュエータと
を備え、
前記光学系の状態は、前記移動用アクチュエータにより移動する前記少なくとも1枚のレンズの位置である
撮像装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3記載の撮像装置であって、
前記設定手段は、前記倍率変動の情報に加えて、前記信号の強度に影響を与える光学系に関する第1のパラメータ及び/または前記信号に含まれるノイズ信号の強度に影響を与える第2のパラメータに基づいて、前記変化範囲を設定する
撮像装置。
【請求項5】
請求項4記載の撮像装置であって、
前記第1のパラメータは、前記光学系の絞り値である
撮像装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載の撮像装置であって、
前記第2のパラメータは、前記ゲインである
撮像装置。
【請求項7】
請求項4または請求項6記載の撮像装置であって、
前記設定手段は、前記光学像の倍率変動の情報と、前記第1のパラメータ及び/または前記第2のパラメータとに基づいて、前記変化範囲に加えて、前記所定の回数を設定する
撮像装置。
【請求項8】
請求項7記載の撮像装置であって、
前記合焦方向検出手段が、前記検出された信号の強度の変化の結果からは合焦方向を検出できない場合には、前記設定手段は、該合焦方向を検出できないときの前記信号の強度と、前記光学系が合焦の状態であったときの前記信号の強度との変化の大きさに基づき、前記変化範囲が大きくなるように、または前記所定の回数が増加するように設定を修正する
撮像装置。
【請求項9】
合焦の状態を調整可能な光学系の焦点自動調整方法であって
前記光学系を介して得られた光学像を合焦させるための、前記光学系の状態変化の方向である合焦方向を検出するために、前記光学系の状態を変化させる変化範囲を、少なくとも、前記光学系の状態の変化によって起こる光学像の倍率変動の情報に基づいて設定し、
前記光学系の状態を前記設定された変化範囲内で変化させながら、該変化範囲内での、前記光学系を介して得られた前記光学像から変換された映像信号から少なくとも検出される、前記光学像が合焦した際に得られる高周波成分を含む帯域の信号の強度の変化を所定の回数検出し、
該検出された信号の強度の変化の結果に基づいて、前記合焦方向を検出し、
該検出された合焦方向に前記光学系の状態を変化させながら、前記信号の強度を検出し、該信号の強度がピークとなる前記光学系の状態を、前記光学系の合焦の状態として、前記光学系を制御する
焦点自動調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−170508(P2008−170508A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1109(P2007−1109)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】