説明

撮影装置、撮影装置の制御方法

【課題】迅速に撮影レンズ部のリング部のシフト操作を併用して撮影パラメータを変更し、所望の効果を加えた撮影制御が出来るようにした撮影装置を提供する。
【解決手段】ユーザーは表示部8に表示された設定ボタンのアイコンを真上からタッチすればパラメータのメニュー候補一覧が円環上に表示され、レンズ部のリング操作部23を回動させることによって、これらの候補の1つを選択可能となる。回動によって選択されるメニューの色などやコントラストなどが強調されるようにして、設定部アイコンから指を離せば、選択が決定されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置及びカメラ並びに電子機器、または光学装置に関し、より詳細には、所謂、デジタルカメラなどの撮影装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラのような撮影装置は、画像処理技術の進歩や、撮像素子や回路の高速化やインテリジェント化によって、様々な効果による写真撮影が出来るようになっている。しかし、シャッターチャンスを逃さないように、また、適切な構図で撮影できるように、被写体を狙って機器を構えながら、迅速に多彩な操作をすることは困難であった。そこで、操作部を単純化して、撮影者が頻繁な持ち替えなどをしなくとも、思い通りの撮影が出来るようにする工夫がなされていた。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、撮影レンズ用のピントリングとズームリングの回転操作を共用するカメラの提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−73628公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ピントやズームの調整のみならず、撮影者が被写体を観察しながら切り換えたい動作は数多くあり、撮影レンズ部の回転操作だけでは、こうした要求に応えることが出来なかった。
【0006】
また、カメラを構え直すような操作を伴うと、手ぶれが生じたり、撮影のベストな瞬間を逃したりするようなことが起こりえた。
【0007】
本発明は、撮影者が被写体を狙って、右手も左手も不自由な状況において、迅速に、撮影レンズ部のリング部のシフト操作を併用して撮影パラメータを変更し、所望の効果を加えた撮影制御が出来るようにした撮影装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる撮影装置は、撮影光学系と鏡筒部と、該鏡筒部に沿っての回動操作が可能な回転操作部とを有する撮影レンズ部と、上記レンズ部によって導かれた被写体画像を映像信号に変換する撮像部と、メニュー操作部材と、を有する撮影機器において、上記メニュー操作部材の操作時における上記回転操作部の回転操作に関する情報に従って、上記撮影機器のパラメータ切替項目制御を切り換える制御部を具備することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため第2の発明に係わる撮影装置は、上記メニュー操作部材が、上記撮影装置背面に設けられたタッチ操作部材と判定部からなり、上記タッチ操作部材はタッチ操作とスライド操作を識別可能であると共に、上記判定部は、スライド操作を伴わないタッチである時に上記メニュー操作として判定しないことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため第3の発明に係わる撮影装置は、上記映像を表示する表示部を有し、上記回転操作に従って、選択可能なモードを変更する表示を行うことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため第4の発明に係わる光学装置は、上記メニュー操作部の操作終了時に、上記表示部に表示されたモードを決定することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため第5の発明に係わる光学装置は、上記メニュー操作部材が、設定用タッチ操作と設定禁止タッチ操作を識別可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、撮影者が被写体を狙って、レリーズチャンスを逃さず、手ぶれをも注意しながら撮影するような、右手も左手も不自由な状況において、迅速に所望効果を加えた撮影制御が出来るようにした撮影装置を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明を一眼カメラに応用した例を実施例として、そのブロック図を図1に示す。
【0015】
ここでは、撮影装置として、レンズ交換式のカメラを例にして、本発明の一実施例の説明を行う。しかし、レンズ交換式である必要はなく、コンパクトカメラや撮影機能付き携帯機器などに本発明を利用しても問題はない。このようなレンズ交換式のカメラでは、撮影する被写体に応じて、様々なレンズを利用した撮影が行えるので、人物や風景といった一般的な被写体以外の、本発明が主眼としているような身近にあるものをきれいに撮影したいユーザーは、このようなカメラを利用することが多い。このようなレンズ交換式のカメラでは、カメラ本体10に、好みのレンズ20を取り付けて、被写体像を撮像部2に導いて撮影する。このようなカメラでは、図2(b)に示すように、カメラ本体10に対して、比較的大きな交換レンズ20を装着して撮影する場合が多く、撮影時には、図3、図4、図5に示したように、レンズ部20を左手で支え、本体10を右手で把持して手ぶれを防止した構え方をすることが多い。
【0016】
このような構成のカメラでは、交換レンズ(撮影レンズ)を構成する光学系や絞り(26に含まれる)の位置や相対位置を制御するためのズーム部26d、ピント部26e、絞り部26fを有し、これらの位置を検出する位置判定部25a、25bや、これらを駆動する駆動部24a、24b等を具備する。
【0017】
レンズ内のマイクロプロセッサー等からなる制御部21は、ユーザーのレンズに設けられた操作部材の操作を、可変抵抗、ホール素子、フォトインタラプタなどからなるエンコーダーによる操作検出部23aや23bで判定し、あるいは、カメラボディ(本体)との通信部22の結果に従って、レンズ20内の上記光学系や絞り部材を制御する。この操作部材は、レンズ鏡枠の周りを回動するリング部材やプッシュスイッチなどが考えられる。
【0018】
これは、位置検出部25a、bの位置検出結果に従って、モーターなどからなる駆動部24a、24bが部材の位置制御を行うものである。このような制御は、記録部27に記録されたプログラムに従って行われる。
【0019】
一方、カメラ本体側には、上記レンズを介して被写体画像を取得して、それを電気的な像信号に変換する撮像部2が設けられており、この撮像部からの画像信号を画像処理して記録するために、信号処理機能付きの制御部(マイコン等の集積回路)1と記録部4を有する。
【0020】
撮像部で得られた画像はカメラの背面に設けられた液晶パネルや有機ELパネルによる表示部8や、接眼表示部30に表示され、ユーザーはこれを見ながら、撮影タイミングや構図、またはモード、パラメータ等の各種撮影情報を確認し、操作部6を操作して撮影やその制御の切換えなどを行う。
【0021】
この操作部は、プッシュスイッチやスライドスイッチなど、複数のスイッチ群で構成されているが、1つのスイッチで兼用しても良い。
【0022】
なお、接眼表示部30は、図3から図5には図示されていないが、これは、この部位が必ずしも必要でないからである。
【0023】
ただし、カメラのファインダーを覗きながらのフレーミングでは、この発明は、さらに効果が発揮される。この時、接眼表示部30は、カメラの表示部8の上あたりのユーザーが覗きやすい位置に、配置されるものとする。もちろん、カメラと別体にして、眼鏡状の構成として、無線などで接続できるようにしても良い。
【0024】
表示部8の上にユーザーの指が触れた事を検出するタッチパネル8b(抵抗膜方式でも静電容量式でも、光学式でも良い)を設け、ユーザーが行うこれらの操作を制御部1が検出して、予め決められたプログラムに従って制御を行う。
【0025】
タッチパネル8bのタッチポイントやタッチのされ方、スライド等は、タッチ判定部1fで判定される。これは、タッチパネル8bのタッチ位置の座標や、スライド時の範囲などの検出結果を判定するものである。タッチパネル8bでの操作は、表示部8におけるアイコン表示などと連携すれば効果的で、こうしたアイコン表示は、表示制御部1eが、記録されている特定の図形パターンを特定の表示プログラムに従って表示部8に表示する。タッチ判定部1fは、このアイコン表示の位置とタッチ位置の関係を判定し、どのような操作をユーザーが行ったかを判定して、カメラの制御を切り換えることが可能である。
【0026】
被写体の画像信号に含まれる顔画像を判定して、被写体の人物の位置を検出する顔検出部3やカメラの姿勢や振動、動かされた時のモーションを検出するための加速度センサ13を具備して、ピント合わせや手ぶれ補正、その他の制御の補助が出来るようになっている。
【0027】
ピント合わせは、カメラの制御部1とレンズ制御部21がそれぞれの通信部、つまりレンズ通信部(L通信部)5とボディ通信部(B通信部)22を介して信号をやり取りすることによって行うことが出来る。こうした制御は、レンズの種別によって切り換える必要があり、そのような差異は、レンズ部20の記録部27に収められたレンズの固有データをレンズ制御部21が、カメラの制御部1に送信することによって、カメラから、そのレンズに対応した操作を行うことを可能としている。
【0028】
つまり、レンズのピント制御部26eの位置を駆動部24bが位置検出部25bの出力を判定しながら変化させながら、得られた被写体画像のコントラストを撮像素子2の出力からモニタし、コントラスト値が良好な位置にレンズを停止させれば、オートフォーカスとなる。
【0029】
また、ピント合わせを手動で行いたいユーザーは、上述のレンズ20部に設けられたリング操作部を回動させれば、その結果に従って、レンズ制御部21が、ピント制御部26eの制御を行っても良い。
【0030】
このような調整、調節には、ピントばかりでなく、露出補正や画角調節、シャッタースピードや絞り操作などがある。もちろん、画像処理を変更して感度などを変更してもよく、このような調整(調節)をパラメータ調整(調節)と呼ぶ。このパラメータ調整は、画像処理時の数値やそのバランス、レンズの絞りやシャッタースピード調整時の数値などを変更するので、制御部1が有するパラメータ制御部1bで実行する。パラメータの種類は、複数あるので、それの選択の操作の工夫は後述する。パラメータの数値変更の操作の工夫についても後述する。
【0031】
このようなパラメータ調整(調節)も、図3、図4、図5に示したようなカメラの構え方(カメラ上面に設けられたレリーズボタン6aが、右手人差し指で操作しやすい構え方)である場合、レンズ部20に設けられた部材(例えばリング操作部)23で操作すると、カメラを持ち替えなくて良い。また、このような構え方(ホールディング、または把持方法)では、背面にタッチパネルを設けたカメラの場合、タッチパネル部のある表示部8を、カメラを把持したまま、右手親指で容易に無理なく操作可能である。ここでは、右利きのユーザーを前提とした設計のカメラを想定しているが、左利き用のカメラの場合は、左右を反転すれば同様のことが言える。
【0032】
このリング部材が回転されると、回転方向や回転量に従った信号を制御部21が、B通信部22に出力できるようにし、これをボディ側の制御部1がL通信部5を介して検出できるようにすれば良い。具体的には、例えばリング操作部23の回転に応じたパルス信号を回転検出部1cが判定して回転方向や回転量などを判定できるようにする。
【0033】
また、リング操作部が一周しないようにする設計も可能なので、その場合は、回転方向や回転量を判定するのではなく、レンズ部のリング操作部23を回動され、停止された位置を、リング位置検出部1dが判定するようにした。この場合、レンズ部20の制御部21が、位置に応じてコード化した信号をカメラ側制御部1に送信する設計でもよい。
【0034】
また、時計部9は、撮影した日時の管理や、各制御での時間計測機能として利用される。
【0035】
このように図1の構成のカメラでは、様々な種類の光学特性や操作部を有したレンズ部20を、そのレンズの仕様や特性に合わせて最適に制御でき、レンズ部20での操作を反映した撮影が可能なカメラを提供することが出来る。
【0036】
図2は、このような撮影システムのレンズ部を詳しく説明するもので、図2(a)は、レンズの断面図の模式図を示している。鏡枠28で保持された26aは、撮影レンズの前玉であり、26bのピント合わせ用レンズと共に、被写体像を撮像素子(図1の2)に導く。このピント合わせ用レンズ26は、モーターと送りネジなどからなる駆動部24で、鏡枠28を基準にしてピント合わせ用の位置変更が出来る。
【0037】
この位置変更結果は光学的、磁気的に位置をエンコードする、25の位置判定部で検出される。また、リング操作部23は、図2(a)のように、円環状に設けられている。この回転状態や回転方向なども、光学的、磁気的に位置をエンコードする、23aの操作判定部で検出される。
【0038】
図2(b)のように、カメラ本体10とこのレンズ部20は接続されて撮影が行われるが、22aのレンズ側通信端子と5aのカメラ側通信端子を介して信号のやり取りが行われる。
【0039】
図中2aは撮像素子であり、8は表示部で、それぞれ、カメラボディ10のどの位置に配置されているかを図示している。このような配置から、図3から図5のような撮影時のホールディングが有効であることが分かる。表示部8の表面にタッチパネル8bが設けられている。
【0040】
図3は、本発明の特徴である、パラメータ操作が、簡単に出来る様子を示している。つまり、ユーザーは、図2(a)のように、表示部8に表示された設定ボタンのアイコンを真上からタッチ(カメラのホールディング上簡単な右手親指等利用)すれば、図2(b)のようにパラメータのメニュー候補一覧が円環上に表示され、レンズ部のリング操作部23を回動させることによって、これらの候補の1つを選択可能となる。つまり、回動によって、選択されるメニューの色などやコントラストなどが強調されるようにして、設定部アイコンから指を離せば、選択が決定されるようにする。
【0041】
また、このようなメニュー項目からの選択によって、変更するパラメータが決定されれば、図4のように決定された変更項目(パラメータ項目)がアイコン表示され、この決定されたパラメータ項目(ここではズーム)に対して、上記リング操作部23の操作によって、パラメータ数値が変更されるようになっている。
【0042】
従って、カメラの制御部1に設けられたパラメータ制御部1bは、どのパラメータ項目が選択されたかを判定し、その判定結果に従って、パラメータ数値の変更制御を行うことができる。ここでは、ズーム(画角)を変更する設定が選ばれたので、図4(b)のように、リング操作部23の回動によって、パラメータ制御部1bは、撮像素子2からの画像切出し領域を変更する制御を行うので、ユーザーは、撮影する画像を拡大したり縮小したりして、画像の見た目の効果を自由に変更することが可能となる。
【0043】
ただし、このような操作中には、操作に夢中になるので、図5(a)のように親指がうっかりタッチ面に侵入し、設定アイコン部を触ってしまうことがあった。このようなパラメータ数値変更の状況で、急に図3(b)のようなメニューに戻ってしまうと、ユーザーが戸惑ったり、撮影のチャンスを逃してしまったりするので、指がスライドでアイコンをタッチした場合は、これを受付けないように工夫して、パラメータ調整しながらの撮影に専念できるようにしている。
【0044】
このような特徴のカメラの制御は、図6のようなフローチャートにて行う。
【0045】
プッシュスイッチやスライドスイッチ等で構成される操作部6などによって、カメラの電源が入る制御がされていると、それがS101で判定されてYに分岐する。S102で撮影モードか否かの判定を行い、カメラが撮影者の操作で、やはり操作部6の1つ、または、タッチ操作によって撮影モードが設定されていると、S103で、撮像素子2で取得した画像を略リアルタイムで、表示部8または接眼表示部30に順次表示する。このような表示をスルー画表示と呼び、この状態で定期的にレンズ部20のレンズ制御部21との通信を開始する(S104)。
【0046】
これによって、レンズの操作状態の信号などが、カメラの制御部1に入力されるようになる。
【0047】
ここで、カメラ10の背面に設けられた表示パネル上の右端に、撮影者が親指で操作しやすい位置に表示制御部(図1の1e)の働きによって、メニューアイコン(図3の「設定」表示部)が表示されているが、ユーザーが、この「設定」表示部位に相当する箇所をタッチすると、S105をS105bに分岐する。
【0048】
S105bでは、図3(b)に示したようなパラメータ調整の候補項目が表示される。これは、レンズのリング部材を回転させれば、その方向やスピードに応じて、どのアイコンが選ばれるか変更可能なように、円環状にアイコンが配置されている。
【0049】
この状態でリング操作によってレンズ部から生じる信号を、カメラ側制御部1が取得し、S105cで、ユーザーのリング操作の状態を判定する。S105dで、この判定結果に従ったパラメータ調整の項目変更を行う。その変更された様子を画面上で確認できるように、表示制御部1eは、選択される予定の項目アイコンを色やコントラストで強調表示する。
【0050】
また、タッチパネルが設けられているので、状況に応じて、リング操作よりも明快なタッチによる項目選択が出来るようになっていてもよい(S105e)。
【0051】
これは、カメラ側制御部1が、項目アイコンの位置と、タッチされた位置を比較することによって選択可能となる。
【0052】
また、この選択されるパラメータ項目の決定は、設定操作のアイコン部のタッチが終ったことを検出すれば良く、これは、S105のメニュー操作判定がNに分岐したかどうかで判定する。ユーザーが、「設定」アイコンから指を離した時点において、強調表示されていたアイコンに相当する項目を選択する。これが、S106の項目決定ステップとなる。
【0053】
この状態で、レンズ部のリング操作部23が操作されれば、S106aでこの操作(回転方向や回転量)が判定され、それに応じたパラメータ項目の数値変更を行うことが出来る(S106b)。
【0054】
回転検出部1cが検出する、回転方向の判定や、回転量の判定によって、パラメータ制御部1bが、撮影パラメータのプラス方向マイナス方向の数値調整を切り換えたり、数値の増減を行ったりすれば、パラメータ数値調節が可能となる。具体的には、図4に示したような画角切換え(図中アイコンにはズームと表示)の他、図3(b)に図示した、シャッタースピード(図中SS)や絞り(同AV)、露出補正(同露出)、感度(同感度)、マニュアルフォーカス(同ピント)などの項目がある。もちろん、色やその他画像処理の程度を候補に加えてもよい。
【0055】
S107は、レリーズボタンの操作判定である。この操作がカメラの制御部1によって検出されると、S108で、設定されたパラメータ調整結果に応じた撮影やメモリーカードや内蔵メモリなど記録部4への記録が行われる。
【0056】
したがって、スルー画像を見ながら、ユーザーは撮影効果を確認しつつ、余計な手の持ち替えなどしなくとも迅速にパラメータ調整を行い、撮影に専念できる。手ぶれや撮り逃しの心配がなくなる。
【0057】
また、撮影モードではなく、再生モードが設定されている場合、S102をS111、S112に分岐する。この場合は撮影画像を記録部4から読み出して表示部8に再生表示する。
【0058】
違う画像を見たい場合は、ユーザーの操作を、操作部6やタッチパネル8bで判定して、S113をYに分岐して、表示画像データを記録部4から読出し、表示の切換え変更を行う。また、撮影モードでも再生モードでもないモード、例えば、外部への画像送信モードなどに設定する場合や、スイッチなどの機能割り当てなどを変更する場合は、S115でそれら各種設定を変更可能となっている。
【0059】
このように予め決められたプログラムを記録部に記録しておき、制御部1がそれに従って操作部6やタッチパネル8bの操作状態を判定しながら実行する。
【0060】
以下の図7、図8も同様である。
【0061】
図7には、図6のフローチャートのS105の「メニュー操作」のステップをさらに詳しく説明したフローを示す。
【0062】
S151は、タッチパネルがタッチされたかどうかを判定するステップで、S152では、時計機能9を利用した計時を行い、S153でタッチパネルのタッチポイントがずれて、スライド操作を伴っていないかどうかを判定する。スライドを伴う場合は、図5のような不測の動きとしてメニュー操作判定を行わない。S156のメニュー操作判定しない判断に分岐する。
【0063】
スライドなく、同じポイント(図3の「設定」アイコン等)を、所定時間(例えば操作による表示タイムラグを感じさせず、レスポンスよく、なおかつ謝って触った場合は排除できるような時間、0.5秒程度)のタッチした場合、これをS154で判定して、S155のメニュー操作判定を行う。
【0064】
このように、図7のフローで例示したように、メニュー操作(「設定」アイコン)のタッチが、意志を持って行われたかどうかを判定する。
【0065】
また、図6のS106の「項目決定」のステップで行われる制御を詳しいフローで示したのが図8である。
【0066】
S161は、パラメータ変更時のパラメータ項目が決定されているかどうかを判定するステップである。項目がまだ決定されていない場合に、この「項目決定」のフローを有効として、誤動作を防止している。
【0067】
S162は、意志を持ったタッチが行われている状態であったかを判定するステップで、これは、図7でS155に分岐した後であるかどうかを見ることによって、これも誤動作を防止している。
【0068】
また、意志を持ったタッチであることが、上述のように判定された上であれば、ユーザーは、即座に次の操作(S106a)を行いたいので、その後のタッチ終了は、タッチパネルのタッチが終った場合でも、タッチの位置の変化(例えば、図3の「設定」アイコンから指がずれただけ)でも、合わせて判断するようにS163に分岐する。
【0069】
S163でY分岐と判定された場合は、パラメータ調整の項目(選択項目)が決定されたとしてS164に分岐する。
【0070】
これらの条件を満たさない場合は、決定は行わない。
【0071】
このように、右手の親指が、うっかり「設定」アイコンを触ったような場合は図3(b)のようなメニュー表示を行わず、意志を持ってタッチしたことを、アイコンの真上からのタッチ(スライドがない)で、かつ所定時間タッチされた場合を判定して判断した場合のみ、メニュー表示を行うようにして、ユーザーが想定しない表示が急に出て来るような問題を対策した。
【0072】
これは、表示部8に表示された被写体像を隠すのみならず、せっかく設定した結果を変更してしまうような誤操作につながるので、ここでは極力、排除しようとした問題である。この時、意志を持ったタッチが判定された場合のみ、振動部材などを駆動して、正しいタッチがなされた事を、触覚的に確認可能としてもよい。また、図5(b)のように、一度設定した項目が変わってしまわないように、設定「ロック」のアイコン部を設け、ここをタッチした状況では、一度設定された項目が変化しないようにしてもよい。
【0073】
また、一度、正しくタッチ操作がされた後は、レスポンスを優先して、「設定」アイコンからの指の外し方にはこだわらない「項目決定」判断が出来るようにしたので、迅速に次の操作にユーザーは移行できる。正しいタッチからのタッチ解除の仕方は、タッチを終了でも、所定アイコンからの指ずらしでも良い。指ずらしでの決定を可能としたので、上記「ロック」アイコンをタッチしっぱなしの状態にスライド操作ですぐに遷移ができる。この場合、フローチャートでは、図8の「項目決定」後に、「ロック」アイコンタッチを判定するステップを入れ、それがロック部タッチ判定された場合に、項目が変わるのを禁止するステップを入れれば良い。この「ロック」アイコンタッチは、設定禁止操作となる。この「ロック」アイコンは、図のように「設定」アイコンに近接させ、スライドで移行できる位置にすれば良い。スライド操作だけでロックできるような応用も可能である。つまり、ユーザーによる設定の意志は、真上からのタッチで判定し、ロックの意志は、スライドで判定する。タッチパネルならではの、スライド判定、ロック判定を可能とした。
【0074】
なお、ここでは、背面表示部8に表示された被写体やメニュー画面を見ながら操作する例を示したが、接眼表示部30を見ながらの撮影においても、同様のことが言える。ただし、この場合も、背面の右手親指タッチ位置にタッチセンサがある構成を想定している。
【0075】
撮影時の確認のしやすさや、再生表示時の画像の大きさの迫力を優先し、近年、表示部8のサイズは大型化する傾向にあり、カメラの本体は携帯性を重視して小型化されるトレンドであることから、カメラの背面は表示パネルで占められる傾向にある。
【0076】
つまり、小型化を維持したままでは、スイッチ等の操作部材をカメラ外装に配置できない場合が多いが、この発明の場合は、タッチパネル8bを有効利用して多彩な操作が確実にできる。つまり、フラットなパネル表面に触覚的な段差のようなものがなくとも、ユーザーは間違いなく、確実、迅速な操作を可能である。このようにタッチパネルを有効利用すれば、設計の自由度や小型化、コスト削減に貢献できる。誤操作を気にせず、パネルの大型化に貢献することも出来る。
【0077】
つまり、本実施例によれば、ユーザーが被写体を狙いながら、手ぶれやシャッターチャンス逃しを起こすことなく、様々な設定で、撮影を集中して楽しめるカメラを提供することが出来る。
【0078】
ここでは、「設定」アイコンを表示したが、特にこのアイコンは必要なく、所定の所作(真上からのスライドなしタッチ)で、タッチがなされた場合には、メニューを表示するようにしても良い。また、ここでは、「設定」アイコンが1つの例を説明したが、複数あって、異なるメニューが出るようにしても良い。
【0079】
接眼表示部を見つめながらの撮影であれば、このアイコン表示は、タッチパネル上にする必要はなく、接眼表示部に、アイコンを出し、タッチ部位をカーソル表示するような応用も可能である。
【0080】
以上、本発明の各実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)等に内蔵されるカメラでも、リング操作部がある形態であれば、勿論構わない。
【0081】
本発明は、上記各実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0082】
なお、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。また、これらの動作フローを構成する各ステップは、発明の本質に影響しない部分については、適宜省略も可能であることは言うまでもない。


【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係わる撮影機器の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係わる撮影機器のレンズ部の構成、カメラ本体との接続を示した図である。
【図3】本発明に係わる撮影機器の撮影時に、リング操作部を利用して撮影パラメータの選択を行っているところを示す図である。
【図4】本発明に係わる撮影機器の撮影時に、リング操作部を利用して撮影パラメータの調節を行っているところを示す図である。
【図5】本発明に係わる撮影機器の撮影時に、タッチパネル上に撮影者の指がずれてしまうところを示す図と、それを対策するアイコンを図示したものである。
【図6】本発明の撮影機器制御のフローチャート例である。
【図7】本発明の撮影機器のメニュー操作のフローチャート例である。
【図8】本発明の撮影機器の選択項目決定のフローチャート例である。
【符号の説明】
【0084】
1・・・信号処理、制御部、1b・・・リング位置検知部、1c・・・回転検出部、1d・・・表示制御部、1e・・・シフト検知部、2・・・撮像部、3・・・顔検出部、4・・・記録部、5・・・レンズとの通信部、6・・・操作部、8・・・表示部、8b・・・タッチパネル部、9・・・時計、10・・・カメラ本体(ボディ)、20・・・撮像レンズ(交換レンズ)、21・・・レンズ制御部、22・・・ボディとの通信部、23・・・操作環(リング部材)、23a、23b・・・操作検出部、26a・・・撮影光学系、26b・・・ピント合わせ光学系、26c・・・絞り部、28・・・固定枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系と鏡筒部と、
該鏡筒部に沿っての回動操作が可能な回転操作部とを有する撮影レンズ部と、
上記レンズ部によって導かれた被写体画像を映像信号に変換する撮像部と、
メニュー操作部材と、を有する撮影機器において、
上記メニュー操作部材の操作時における上記回転操作部の回転操作に関する情報に従って、上記撮影機器のパラメータ切替項目制御を切り換える制御部を具備することを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
上記メニュー操作部材は、上記撮影装置背面に設けられたタッチ操作部材と判定部からなり、上記タッチ操作部材はタッチ操作とスライド操作を識別可能であると共に、上記判定部は、スライド操作を伴わないタッチである時に上記メニュー操作として判定しないことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
上記撮影装置は、上記映像を表示する表示部を有し、上記回転操作に従って、選択可能なモードを変更する表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項4】
上記メニュー操作部の操作終了時に、上記表示部に表示されたモードを決定することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項5】
上記メニュー操作部材は、上記撮影装置背面に設けられたタッチ操作部材と判定部からなり、上記タッチ操作部材は設定用操作と設定禁止操作を識別可能であることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−110631(P2013−110631A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254867(P2011−254867)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】