説明

撮影装置

【課題】焦点を調節するレンズの移動量をより正確に決定することができる。
【解決手段】過去ログテーブル182は、被写体20の未合焦時点における撮影パラメータと被写体20の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせと、撮影パラメータと撮影情報とで特定される画像を実際に撮影する際の合焦動作にて、フォーカスレンズ11が未合焦時点の位置から合焦位置と推定される位置まで移動したときのレンズ移動量とを関係付けて記憶する。検索部145は、新たに撮影を行う際、類似度が高い組み合わせを、過去ログテーブル182に記憶された被写体20の未合焦時点における撮影パラメータと被写体20の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせから抽出する。選択部15は、検索部145が抽出した組み合わせに関係付けられているレンズ移動量に基づいて、撮影の合焦動作でのレンズ移動量を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラには、コントラスト方式のオートフォーカス(以下、AFと記載する)技術を用いて合焦を行い、被写体を撮影する機能が実装されている。コントラスト方式のAFは、フォーカスレンズを移動させつつ、入射した被写体像を光電変換する撮像素子(以下、イメージャと記載する)から取り込まれた画像信号から、被写体像の高周波成分を抽出および積算してコントラスト値を求め、求めたコントラスト値がピークになるフォーカスレンズの位置を合焦レンズ位置と判定することで、自動でピント位置を調節するものである。
【0003】
図6は、従来知られているコントラスト方式のAF機能が実装されている撮影装置の構成を示したブロック図である。図示する例では、撮影装置100は、フォーカスレンズ122と、撮像デバイス123と、AF演算部124と、レンズ制御部125と、アクチュエータ126とを備えている。
【0004】
フォーカスレンズ122は、撮影対象となる被写体121の光学像を撮像デバイス123のイメージャ面に収束させる。撮像デバイス123は、イメージャ面に収束された被写体の光学像に基づいた画像データを生成する。AF演算部124は、撮像デバイス123が生成した画像データのコントラスト値を演算し、フォーカスレンズ122の移動量(以下、レンズ移動量と記載する)を決定する。レンズ制御部125は、AF演算部124が決定したフォーカスレンズ122の移動量に応じた駆動電圧をアクチュエータ126に入力する。アクチュエータ126は、入力された駆動電圧に応じてフォーカスレンズ122を移動させる。
【0005】
また、コントラスト値がピーク値となる際のフォーカスレンズ122の位置の検出方法は以下の通りである。初めに、AF演算部124は、撮像デバイス123が生成した画像データのコントラスト値を演算する。続いて、レンズ制御部125とアクチュエータ126とは、予め決められた所定移動量だけフォーカスレンズ122を移動させる。その後、AF演算部124は、再度、撮像デバイス123が生成した画像データのコントラスト値を演算する。そして、AF演算部124は、再度算出したコントラスト値と、前回算出したコントラスト値とを比較し、小さい方のコントラスト値を算出した際のフォーカスレンズ122の位置から大きい方のコントラスト値を算出した際のフォーカスレンズ122の方向に、所定の移動量にてフォーカスレンズ122を移動させるように、レンズ移動量を決定する。
【0006】
上記の処理を繰り返し行うことで、撮像装置100は、AF演算部124が算出するコントラスト値が最大となる位置に、フォーカスレンズ122を移動させることができる。この方式を山登り方式と呼ぶ。
【0007】
図7は、オートフォーカス処理にてフォーカスレンズ122の位置を移動させた場合における、オートフォーカス処理を開始してから経過した時間とフォーカスレンズ122の位置との関係を示したグラフである。図示するグラフの横軸はオートフォーカス処理を開始してから経過した時間を示し、縦軸はフォーカスレンズ122の位置を示す。図示する線201は、上述した山登り方式を用いたオートフォーカス処理を行った場合における、オートフォーカス処理を開始してから経過した時間とフォーカスレンズ122の位置との関係を示している。以下、この方式をフォーカスサーチAと記述する。フォーカスサーチAにおいては、図示するように、フォーカスレンズ122の位置が合焦位置となるまでに、フォーカスレンズ122の位置が合焦位置に近づく方向と離れる方向とに交互に移動しつつ、最終的にはフォーカスレンズ122の位置は合焦位置となる。
【0008】
図中の領域202には、フォーカスサーチAの軌跡である線201の一部を拡大した線203が示されている。以下、フォーカスサーチAの軌跡である線203を参照しつつ、フォーカスレンズ122を移動させる基本パターン例について説明する。初めに、位置Aから位置Bまで、移動量Haにてフォーカスレンズ122を駆動する。続いて、フォーカスレンズ122が位置Bに存在する状態にてコントラスト値を取得した後、位置Bから位置Cまで、移動量Ha×2にてフォーカスレンズ122を駆動する。続いて、フォーカスレンズ122が位置Cに存在する状態にてコントラスト値を取得した後、位置Cから位置Dまで、移動量Haにてフォーカスレンズ122を駆動する。その後、フォーカスレンズ122が位置Bに存在する状態にて取得したコントラスト値と、フォーカスレンズ122が位置Cに存在する状態にて取得したコントラスト値とを比較し、フォーカスレンズ122が位置Bに存在する状態にて取得したコントラスト値の方が大きい場合、位置Dから位置Bの方向である位置Eまで、移動量Hbにてフォーカスレンズ122を駆動する。なお、フォーカスレンズ122が位置Bに存在する状態にて取得したコントラスト値と、フォーカスレンズ122が位置Cに存在する状態にて取得したコントラスト値とを比較し、フォーカスレンズ122が位置Cに存在する状態にて取得したコントラスト値の方が大きい場合、位置Dから位置Cの方向である位置Fまで、移動量Hbにてフォーカスレンズ122を駆動する。
【0009】
また、近年、フォーカスレンズ122を合焦位置まで移動させる時間であるフォーカスサーチ時間の更なる短縮化を実現するために、被写体までの距離を推定し、推定結果に基づいてフォーカスレンズ122を駆動する方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
図8は、従来知られている、被写体までの距離に基づいてフォーカスレンズ122を駆動する方式を用いたAF機能が実装されている撮影装置の構成を示したブロック図である。図示する例では、撮影装置200は、フォーカスレンズ122と、撮像デバイス123と、AF演算部124と、レンズ制御部125と、アクチュエータ126と、移動量推定部301と、選択部302とを備えている。
【0011】
フォーカスレンズ122と、撮像デバイス123と、AF演算部124と、レンズ制御部125と、アクチュエータ126とは、図6に示した各部と同様である。移動量推定部301は、撮像デバイス123が生成した画像データから注目する被写体を検出(例えば、顔認識処理を行い、画像データに含まれる顔の画像を検出)し、注目する被写体のサイズを算出する。そして、移動量推定部301は、注目する被写体のサイズに基づいて被写体までの距離を推定し、推定した距離に基づいてフォーカスレンズ122の移動量を決定する。
【0012】
選択部302は、移動量推定部301が注目する被写体を検出した場合には、移動量推定部301が決定したフォーカスレンズ122の移動量を選択し、レンズ制御部125に入力する。また、選択部302は、移動量推定部301が注目する被写体を検出していない場合には、AF演算部124が決定したフォーカスレンズ122の移動量を選択し、レンズ制御部125に入力する。
【0013】
次に、上述した図7を参照して、被写体までの距離に基づいてフォーカスレンズ122を駆動する方式を用いたオートフォーカス処理(以下、この方式をフォーカスサーチBと記述する)を行った場合における、オートフォーカス処理を開始してから経過した時間とフォーカスレンズ122の位置との関係について説明する。図7の線204は、フォーカスサーチBを行った場合における、オートフォーカス処理を開始してから経過した時間とフォーカスレンズ122の位置との関係を示している。
【0014】
フォーカスサーチBにおいては、図示する粗動B_1は、粗動B_1の開始時(被写体121の撮影開始時点)において、注目する被写体が検出されたことで、フォーカスレンズ122の移動量が推定できた場合のフォーカスレンズの動作軌跡である。このように、フォーカスサーチBにおいては、粗動B_1において、推定したレンズ移動量に基づいて大きくフォーカスレンズを駆動するため、短時間でフォーカスレンズ122を合焦位置まで駆動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2008−262001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように、注目する被写体のサイズに基づいて被写体までの距離を推定し、合焦動作におけるフォーカスレンズ122の移動距離を決定する方式は、合焦までの時間を短縮するものである。しかしながら、あくまで演算式を活用した推定によるものなので、レンズ移動量の正確さに欠け、合焦までの整定時間が長引くという問題がある。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、焦点を調節するレンズの移動量をより正確に決定することができる撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと前記撮影被写体の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせと、当該撮影パラメータと当該撮影情報とで特定される前記画像を実際に撮影する際の合焦動作にて、焦点を調節するレンズが前記未合焦時点の位置から合焦位置と推定される位置まで移動したときのレンズ移動量とを関係付けて記憶する記憶部と、新たに撮影を行う際、当該撮影における前記撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと当該撮影被写体の画像に基づく撮影情報との組み合わせと類似度が高い組み合わせを、前記記憶部に記憶された前記撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと前記撮影被写体の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせから抽出する抽出部と、前記抽出部が前記記憶部から抽出した前記組み合わせに関係付けられている前記レンズ移動量に基づいて、当該撮影の合焦動作でのレンズ移動量を決定する決定部と、を備えることを特徴とする撮影装置である。
【0019】
また、本発明の撮影装置において、前記撮影パラメータは、ズーム倍率を含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の撮影装置において、前記撮影情報は、前記撮影被写体のサイズを示す情報を含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の撮影装置において、前記撮影パラメータは、露出情報または絞り情報を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の撮影装置において、前記撮影情報は、前記未合焦時点におけるオートフォーカス評価値を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の撮影装置において、前記記憶部はさらに、前記未合焦時点におけるレンズの位置情報を前記撮影パラメータと前記撮影情報とに関連付けて記憶することを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、オートフォーカス処理により前記レンズ移動量を決定するオートフォーカス演算部と、撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと前記撮影被写体の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせと、当該未合焦時点での前記レンズの位置から前記オートフォーカス処理により決定された前記レンズ移動量に基づいて合焦位置と推定される位置まで前記レンズが移動したときのレンズ移動量とを関係付けて前記記憶部に記憶させる関連情報生成部と、を備えることを特徴とする撮影装置。
【0025】
また、本発明の撮影装置において、前記撮影情報は前記被写体のサイズを含み、前記撮影パラメータは、前記被写体の撮影を行う際のズーム倍率を含み、前記抽出部は、新たに撮影を行う際、当該撮影における前記撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと当該撮影被写体の画像に基づく撮影情報との組み合わせに含まれる前記被写体のサイズおよび前記ズーム倍率と、前記記憶部に記憶された前記撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと前記撮影被写体の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせに含まれる前記被写体のサイズおよび前記ズーム倍率とのそれぞれの差分が所定の範囲内の値である場合、前記類似度が高い組み合わせであると判定することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の撮影装置において、前記撮影情報は前記被写体のサイズを含む複数種類の情報で構成され、前記撮影パラメータは、前記被写体の撮影を行う際のズーム倍率を含む複数種類のパラメータで構成され、前記抽出部は、前記判定の際に、前記被写体のサイズと前記ズーム倍率とを、他の前記情報および他の前記パラメータよりも判定基準を厳しくすることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の撮影装置において、前記撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと前記撮影被写体の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせとで特定される前記画像を実際に撮影する際の合焦動作のシミュレーション処理を行い、前記焦点を調節するレンズが前記未合焦時点の位置から合焦位置と推定される位置まで移動したときのレンズ移動量を取得し、当該撮影パラメータと当該撮影情報と、当該レンズ移動量とを関連付けて前記記憶部に記憶させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、記憶部は、撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと撮影被写体の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせと、当該撮影パラメータと当該撮影情報とで特定される画像を実際に撮影する際の合焦動作にて、焦点を調節するレンズが未合焦時点の位置から合焦位置と推定される位置まで移動したときのレンズ移動量とを関係付けて記憶する。また、抽出部は、新たに撮影を行う際、当該撮影における撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと当該撮影被写体の画像に基づく撮影情報との組み合わせと類似度が高い組み合わせを、記憶部に記憶された撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと撮影被写体の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせから抽出する。また、決定部は、抽出部が記憶部から抽出した組み合わせに関係付けられているレンズ移動量に基づいて、当該撮影の合焦動作でのレンズ移動量を決定する。
【0029】
このように、本発明の撮影装置は、撮影パラメータと撮影情報とで特定される画像を実際に撮影する際の合焦動作にて、焦点を調節するレンズが未合焦時点の位置から合焦位置と推定される位置まで移動したときのレンズ移動量に基づいて、焦点を調節するレンズの移動量を決定する。従って、焦点を調節するレンズの移動量をより正確に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態における撮影装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本実施形態における過去ログテーブルのデータ構造を示した概略図である。
【図3】本実施形態における撮影装置の合焦処理手順を示したフローチャートである。
【図4】本実施形態における検索部の検索処理手順を示したフローチャートである。
【図5】本実施形態におけるシミュレーションモデルの構成を示したブロック図である。
【図6】従来知られているコントラスト方式のAF機能が実装されている撮影装置の構成を示したブロック図である。
【図7】従来知られているオートフォーカス処理にてフォーカスレンズの位置を移動させた場合における、オートフォーカス処理を開始してから経過した時間とフォーカスレンズの位置との関係を示したグラフである。
【図8】従来知られている、被写体までの距離に基づいてフォーカスレンズを駆動する方式を用いたAF機能が実装されている撮影装置の構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における撮影装置の構成を示したブロック図である。図示する例では、撮影装置1は、フォーカスレンズ11と、撮像デバイス12と、AF演算部13(オートフォーカス演算部)と、移動量決定部14と、選択部15(決定部)と、レンズ制御部16と、アクチュエータ17と、記憶部18とを備えている。また、記憶部18は、一時記憶部181と過去ログテーブル182とを備えている。
【0032】
フォーカスレンズ11は、撮影対象となる被写体20の光学像を撮像デバイス12のイメージャ面に収束させる。撮像デバイス12は、CCD(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージャ(撮像素子)を備え、イメージャ面に収束された被写体の光学像に基づいた画像データを生成する。また、撮像デバイス12は、生成した画像データをAF評価部13と移動量決定部14とに入力する。
【0033】
AF演算部13は、AF評価値演算部131とレンズ移動量決定部132とを備えている。AF評価値演算部131は、撮像デバイス12が生成した画像データのコントラスト値を演算する。また、AF評価値演算部131は、演算したコントラスト値をレンズ移動量決定部132と移動量決定部14とに入力する。レンズ移動量決定部132は、AF評価値演算部131が演算したコントラスト値に基づいて、フォーカスレンズ11の移動方向と移動量とを決定する。以下、フォーカスレンズ11の移動方向と移動量とを合わせてレンズ移動量と記載する。また、レンズ移動量決定部132は、決定したレンズ移動量を移動量決定部14と選択部15とに入力する
【0034】
移動量決定部14は、被写体認識部141と、被写体サイズ演算部142と、ズーム倍率特定部143と、露光量特定部144と、検索部145(抽出部)と、過去ログ情報生成部146(関連情報生成部)とを備えている。被写体認識部141は、撮像デバイス12が生成した画像データから注目する被写体を検出する。例えば、注目する被写体が「顔」の場合、被写体認識部141は顔認識処理を行い、撮像デバイス12が生成した画像データに含まれる顔の画像を検出する。被写体サイズ演算部142は、被写体認識部141が検出した注目する被写体のサイズ(注目する被写体が画像中に占める割合)を算出する。なお、本実施形態では、コントラスト値と注目する被写体のサイズとを撮影情報とする。
【0035】
ズーム倍率特定部143は、撮像デバイス12が画像データを生成した際に、撮像装置1に設定されていたズーム倍率を特定する。一般的には、ズーム倍率は撮影装置1を使用するユーザによって設定される。露光量特定部144は、撮像デバイス12が画像データを生成した際に、撮像装置1に設定されていた露光量(撮像デバイス12に当たる光の量)を特定する。露光量はシャッタースピードと絞りとの組み合わせによって変化する値であり、一般的にはユーザの指定またはAE(Automatic Exposure、自動露出)によって設定される。なお、本実施形態では、ズーム倍率と露光量とを撮影パラメータとする。
【0036】
検索部145は、撮影デバイス12が生成した画像データの撮影情報と撮影パラメータとの組み合わせと最も近い組み合わせを、記憶部18が備える、後述する過去ログテーブル182から検索する。そして、検索部145は、検索した結果、撮影デバイス12が生成した画像データの撮影情報と撮影パラメータとの組み合わせと最も近い組み合わせを見つけた場合、その組み合わせと関連付けられているレンズ移動量を過去ログテーブル182から読み出し、選択部15に入力する。
【0037】
過去ログ情報生成部146は、AF評価値演算部131から入力されたコントラスト値と、レンズ移動量決定部132から入力されたレンズ移動量と、被写体サイズ演算部142が算出した注目する被写体のサイズと、ズーム倍率特定部143が特定したズーム倍率と、露光量特定部144が特定した露光量とを関連付けて、過去ログテーブル182に記憶させる。
【0038】
選択部15は、検索部145からレンズ移動量が入力された場合には、検索部145から入力されたレンズ移動量をレンズ制御部16に入力する。また、選択部15は、検索部145からレンズ移動量が入力されない場合には、レンズ移動量決定部132から入力されたレンズ移動量をレンズ制御部16に入力する。
【0039】
レンズ制御部16は、選択部15から入力されたレンズ移動量に応じた駆動電圧をアクチュエータ17に入力する。アクチュエータ17は、レンズ制御部16から入力された駆動電圧に応じてフォーカスレンズ11を移動させる。記憶部18は、一時記憶部181と過去ログテーブル182とを備える。一時記憶部181は、撮影装置1が備える各部が用いる情報を記憶する。過去ログテーブル182は、過去ログ情報を記憶するデータベースである。過去ログ情報は、撮影パラメータと撮影情報とで特定される画像データに基づいてオートフォーカス処理を行った場合に、フォーカスレンズ11を、この画像を取得した際の位置から合焦位置の近傍まで移動させるためのレンズ移動量を示す情報である。
【0040】
次に、本実施形態における過去ログテーブル182について説明する。図2は、本実施形態における過去ログテーブル182のデータ構造を示した概略図である。過去ログテーブル182は、「ズーム倍率」と、「被写体サイズ」と、「AF評価値」と、「露光量(明るさ)」と、「レンズ移動量」とのデータ項目を有しており、各データ項目のデータを行毎に関連付けて過去ログ情報として記憶する。
【0041】
データ項目「ズーム倍率」は、画像データを生成した際に設定されていたズーム倍率を記憶する。データ項目「被写体サイズ」は、画像データに含まれる注目する被写体のサイズを記憶する。データ項目「AF評価値」は、画像データのコントラスト値を記憶する。データ項目「露光量(明るさ)」は、画像データを生成した際に設定されていた露光量を記憶する。データ項目「レンズ移動量」は、同一の行に記憶されている「ズーム倍率」と、「被写体サイズ」と、「AF評価値」と、「露光量(明るさ)」とで特定される画像データに基づいてオートフォーカス処理を行った場合、フォーカスレンズ11を、この画像データを取得した際の位置から合焦位置の近傍(合焦位置と推定される位置)まで移動させるためのレンズ移動量を記憶する。
【0042】
図示する例では、行101のデータ項目「ズーム倍率」に記憶されている値は「Z_1」であり、データ項目「被写体サイズ」に記憶されている値は「S_1」であり、データ項目「AF評価値」に記憶されている値は「F_1」であり、データ項目「露光量(明るさ)」に記憶されている値は「E_1」であり、データ項目「レンズ移動量」に記憶されている値は「X_1」である。
【0043】
これは、ズーム倍率が「Z_1」であり、注目する被写体のサイズが「S_1」であり、コントラスト値が「F_1」であり、露光量が「E_1」である画像データに基づいてオートフォーカス処理を行った場合、フォーカスレンズ11を、移動量「X_1」だけ動かすことを示している。すなわち、ズーム倍率が「Z_1」であり、注目する被写体のサイズが「S_1」であり、コントラスト値が「F_1」であり、露光量が「E_1」である画像データを取得した際のフォーカスレンズ11の位置から、レンズ移動量「X1」だけフォーカスレンズ11を移動させると、フォーカスレンズ11の位置が合焦位置の近傍となることを示している。なお、他の行については図示するとおりである。
【0044】
次に、本実施形態における撮影装置1の合焦処理手順について説明する。図3は本実施形態における撮影装置1の合焦処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS101)撮像デバイス12は、フォーカスレンズ11によって収束された被写体20の光学像に基づいた画像データを生成する。その後、ステップS102の処理に進む。
【0045】
(ステップS102)AF評価値演算部131は、撮像デバイス12が生成した画像データのコントラスト値を演算し、記憶部18の一時記憶部181がコントラスト値を記憶していない場合には、算出したコントラスト値を一時記憶部181に記憶させる。また、ズーム倍率特定部143は、ステップS101の処理で撮像デバイス12が画像データを生成した際に、撮像装置1に設定されていたズーム倍率を特定し、記憶部18の一時記憶部181がズーム倍率を記憶していない場合には、特定したズーム倍率を一時記憶部181に記憶させる。また、露光量特定部144は、ステップS101の処理で撮像デバイス12が画像データを生成した際に、撮像装置1に設定されていた露光量を特定し、記憶部18の一時記憶部181が露光量を記憶していない場合には、特定した露光量を一時記憶部181に記憶させる。その後、ステップS103の処理に進む。
【0046】
(ステップS103)レンズ移動量決定部132は、ステップS102でAF評価値演算部131が演算したコントラスト値に基づいてレンズ移動量を決定し、決定したレンズ移動量を選択部15と移動量決定部14とに入力する。その後、ステップS104の処理に進む。
【0047】
(ステップS104)被写体認識部141は、ステップS101の処理で撮像デバイス12が生成した画像データから注目する被写体を検出する処理を行う。被写体を検出する処理にて被写体認識部141が注目する被写体を検出した場合にはステップS105の処理に進み、被写体認識部141が注目する被写体を検出できなかった場合にはステップS108の処理に進む。
【0048】
(ステップS105)被写体サイズ演算部142は、ステップS104で被写体認識部141が検出した注目する被写体のサイズを算出し、記憶部18の一時記憶部181が注目する被写体のサイズを記憶していない場合には、算出した注目する被写体のサイズを一時記憶部181に記憶させる。その後、ステップS106の処理に進む。
(ステップS106)検索部145は、ステップS102の処理で、AF評価値演算部131が算出したコントラスト値と、ズーム倍率特定部143が特定したズーム倍率と、露光量特定部144が特定した露光量と、ステップS105の処理で被写体サイズ演算部142が算出した注目する被写体のサイズとの組み合わせと、最も近い組み合わせを含む過去ログ情報を過去ログテーブル182から検索する処理を行う。検索処理の詳細については後述する。この検索処理にて検索部145が最も近い組み合わせを含む過去ログ情報を検出した場合にはステップS107の処理に進み、最も近い組み合わせを含む過去ログ情報が過去ログテーブル182に記憶されておらず、検出できなかった場合にはステップS108の処理に進む。
【0049】
(ステップS107)検索部145は、ステップS106で検出した過去ログ情報のレンズ移動量を読み出し、読み出したレンズ移動量を選択部15に入力する。その後、ステップS108の処理に進む。
【0050】
(ステップS108)選択部15は、検索部145からレンズ移動量が入力された場合にはステップS109の処理に進み、それ以外の場合にはステップS110の処理に進む。
(ステップS109)選択部15は、検索部145から入力されたレンズ移動量をレンズ制御部16に入力する。その後、ステップS112の処理に進む。
【0051】
(ステップS110)選択部15は、ステップS103の処理でレンズ移動量決定部132から入力されたレンズ移動量をレンズ制御部16に入力する。その後、ステップS111の処理に進む。
(ステップS111)レンズ制御部16は、ステップS110の処理で入力されたレンズ移動量は「0」であるか否かを判定する。入力されたレンズ移動量は「0」であるとレンズ制御部16が判定した場合にはステップS115の処理に進み、それ以外の場合にはステップS112の処理に進む。
【0052】
(ステップS112)レンズ制御部16は、選択部15から入力されたレンズ移動量を記憶部18の一時記憶部181に記憶させる。なお、既に一時記憶部181がレンズ移動量を記憶している場合には、レンズ制御部16は、既に一時記憶部181に記憶されているレンズ移動量に今回選択部15から入力されたレンズ移動量を加算する。その後、ステップS113の処理に進む。
(ステップS113)レンズ制御部16は、選択部15から入力されたレンズ移動量に応じた駆動電圧をアクチュエータ17に入力する。その後、ステップS114の処理に進む。
(ステップS114)アクチュエータ17は、レンズ制御部16から入力された駆動電圧に応じてフォーカスレンズ11を移動させる。その後、ステップS101の処理に戻る。
【0053】
(ステップS115)過去ログ情報生成部146は、ステップS102の処理で一時記憶部181に記憶させた、AF評価値演算部131が算出したコントラスト値と、ズーム倍率特定部143が特定したズーム倍率と、露光量特定部144が特定した露光量と、ステップS105の処理で一時記憶部181に記憶させた、被写体サイズ演算部142が算出した注目する被写体のサイズと、ステップS112の処理で一時記憶部181に記憶させたレンズ移動量とを関連付けて、過去ログ情報として過去ログテーブル182に記憶させる。その後、過去ログ情報生成部146は、一時記憶部181が記憶している情報を全て消去した後、処理を終了する。
【0054】
次に、ステップS106における検索処理の一例について説明する。図4は、本実施形態における検索部145の検索処理手順を示したフローチャートである。図示する例では、過去ログ情報に含まれている情報と、誤差が10%以内であれば類似度が高いと判定する例である。
(ステップS1061)検索部145は、図3のステップS102の処理でズーム倍率特定部143が特定したズーム倍率の誤差10%のズーム倍率を含む過去ログ情報を過去ログテーブル182から検索する処理を行う。この検索処理にて検索部145が過去ログ情報を検出した場合にはステップS1062の処理に進み、それ以外の場合には、最も近い組み合わせを含む過去ログ情報が過去ログテーブル182に記憶されておらず、検出できなかったと判定して図3のステップS108の処理に進む。
【0055】
(ステップS1062)検索部145は、図3のステップS105の処理で被写体サイズ演算部142が算出した注目する被写体サイズの誤差10%の被写体サイズを含む過去ログ情報を、ステップS1061で検出した過去ログ情報から検出する処理を行う。この検出処理にて検索部145が過去ログ情報を検出した場合にはステップS1063の処理に進み、それ以外の場合には、最も近い組み合わせを含む過去ログ情報が過去ログテーブル182に記憶されておらず、検出できなかったと判定して図3のステップS108の処理に進む。
【0056】
(ステップS1063)検索部145は、図3のステップS102の処理でAF評価値演算部131が算出したコントラスト値の誤差10%のコントラスト値を含む過去ログ情報を、ステップS1062で検出した過去ログ情報から検出する処理を行う。この検出処理にて検索部145が過去ログ情報を検出した場合にはステップS1064の処理に進み、それ以外の場合には、最も近い組み合わせを含む過去ログ情報が過去ログテーブル182に記憶されておらず、検出できなかったと判定して図3のステップS108の処理に進む。
【0057】
(ステップS1064)検索部145は、図3のステップS102の処理で露光量特定部144が特定した露光量の誤差10%の露光量を含む過去ログ情報を、ステップS1063で検出した過去ログ情報から検出する処理を行う。この検出処理にて検索部145が過去ログ情報を検出した場合にはステップS1065の処理に進み、それ以外の場合には、最も近い組み合わせを含む過去ログ情報が過去ログテーブル182に記憶されておらず、検出できなかったと判定して図3のステップS108の処理に進む。
【0058】
(ステップS1065)検索部145は、ステップS1064の処理にて検出した過去ログ情報のうち、ステップS102の処理でズーム倍率特定部143が特定したズーム倍率と最も近いズーム倍率を含む過去ログ情報を検索する処理を行う。この検索処理にて検索部145が検出した過去ログ情報を、図3のステップS102の処理で、AF評価値演算部131が算出したコントラスト値と、ズーム倍率特定部143が特定したズーム倍率と、露光量特定部144が特定した露光量と、図3のステップS105の処理で被写体サイズ演算部142が算出した注目する被写体のサイズとの組み合わせと、最も近い組み合わせを含む過去ログ情報であると検出し、図3のステップS107の処理に進む。
【0059】
なお、ステップS1061〜ステップS1065の処理において、過去ログ情報に含まれている情報またはパラメータと、誤差が10%以内であれば類似度が高いと判定したが、これに限らず、撮影パラメータや撮影情報とのそれぞれにおいて、異なる誤差を設定するようにしてもよい。例えば、撮影情報は、被写体サイズを含む複数種類の情報で構成されており、撮影パラメータは、ズーム倍率を含む複数種類のパラメータで構成されている場合、被写体サイズとズーム倍率とについては、過去ログ情報に含まれている情報またはパラメータと誤差が5%以内であれば類似度が高いと判定し、その他の情報およびパラメータについては、過去ログ情報に含まれている情報またはパラメータと誤差が10%以内であれば類似度が高いと判定するようにしてもよい。これにより、被写体サイズとズーム倍率とは、他の情報および他のパラメータよりも判定基準が厳しいため、重要度が高くなる。
【0060】
また、オートフォーカス処理を行う際においては、ズーム倍率と注目する被写体のサイズとがフォーカスレンズ11の移動距離と関連性が高い。そのため、ステップS1061〜ステップS1065の処理において、撮影パラメータとしてズーム倍率と露光量とを用い、撮影情報としてコントラスト値と注目する被写体のサイズとを用いたがこれに限らず、撮影パラメータとしてズーム倍率のみを用い、撮影情報として注目する被写体のサイズのみを用いるようにしてもよい。
【0061】
上述したように、過去ログテーブル182は、撮影パラメータと撮影情報とで特定される画像データに基づいてオートフォーカス処理を行った場合、フォーカスレンズ11を、この画像データを取得した際の位置から合焦位置の近傍まで移動させるためのレンズ移動量を過去ログ情報として記憶している。また、撮影装置1は、オートフォーカス処理を行う際には、画像データを生成し、生成した画像データの撮影パラメータと撮影情報とを取得する。そして、撮影装置1は、取得した撮影パラメータと撮影情報との組み合わせと同じ又は類似する組み合わせの値を含む過去ログ情報を過去ログテーブル182から検索し、検索した過去ログ情報に含まれるレンズ移動量に基づいて、フォーカスレンズ11を合焦位置または合焦位置の近傍まで移動させる。
【0062】
これにより、本実施形態では、従来のようにフォーカスレンズの位置を合焦位置に近づく方向と離れる方向とに交互に移動しつつ、フォーカスレンズを合焦位置まで移動させる方法と比較して、より迅速にフォーカスレンズを合焦位置または合焦位置近傍まで移動させるためのレンズ移動量を決定することができる。
【0063】
また、本実施形態では、実際にオートフォーカスを行った際のレンズ移動量と、撮影パラメータと撮影情報とを関連付けて過去ログ情報として過去ログテーブル182に記憶しているため、従来のように、注目する被写体のサイズに基づいて被写体までの距離を推定し、演算式を用いてレンズ移動量を推定する方法と比較して、より正確にフォーカスレンズを合焦位置または合焦位置近傍まで移動させるためのレンズ移動量を決定することができる。
【0064】
次に、本実施形態における過去ログテーブル182を予め生成するシミュレーションモデルについて説明する。図5は、本実施形態における過去ログテーブル182を予め生成するシミュレーションモデルの構成を示したブロック図である。図示する例では、シミュレーションモデル2は、画像入力部30と、AF評価値演算部31と、フォーカスレンズ駆動モデル32と、被写体認識部33と、被写体サイズ演算部34と、ズーム倍率特定部35と、露光量特定部36と、過去ログ情報生成部37と、過去ログテーブル38とを備える。
【0065】
画像入力部30は、外部から画像データの入力を受け付ける。なお、入力を受け付ける画像データには、この画像を生成した際のズーム倍率を示す情報と露光量を示す情報とが含まれている。AF評価値演算部31は、撮影装置1が備えるAF評価値演算部131と同様に、画像入力部30が受け付けた画像データのコントラスト値を演算する。フォーカスレンズ駆動モデル32は、従来知られている、注目する被写体のサイズに基づいて被写体までの距離を推定してフォーカスレンズの移動距離を決定する方式(レンズ移動量を推定式で取得する方法)を用いて、AF評価値演算部31が演算したコントラスト値と被写体サイズ演算部34が検出した注目する被写体のサイズとに基づいて、フォーカスレンズ11を、この画像データを取得した際の位置から合焦位置の近傍まで移動させるためのレンズ移動量を決定する。
【0066】
被写体認識部33は、撮影装置1が備える被写体認識部141と同様に、画像入力部30が受け付けた画像データから注目する被写体を検出する。被写体サイズ演算部34は、撮影装置1が備える被写体サイズ演算部142と同様に、被写体認識部33が検出した注目する被写体のサイズを算出する。ズーム倍率特定部35は、画像データに含まれるズーム倍率を示す情報に基づいて、画像データが生成された際のズーム倍率を特定する。露光量特定部36は、画像データに含まれる露光量を示す情報に基づいて、画像データが生成された際の露光量を特定する。
【0067】
過去ログ情報生成部37は、AF評価値演算部31が演算したコントラスト値と、フォーカスレンズ駆動モデル32が決定したレンズ移動量と、被写体サイズ演算部34が算出した注目する被写体のサイズと、ズーム倍率特定部35が特定したズーム倍率と、露光量特定部36が特定した露光量とを関連付けて、過去ログ情報として過去ログテーブル38に記憶させる。
【0068】
上述した構成および処理により、シミュレーションモデル2は、入力された画像データに基づいて、過去ログ情報を生成し、過去ログテーブル38に記憶させることができる。これにより、予め過去ログテーブル38を構成することができるため、上述した撮影装置1に予め生成した過去ログテーブル38を搭載することができ、ユーザが初めて撮影装置1を操作する際にも、撮影装置1は迅速にフォーカスレンズの移動量を決定することができる。
【0069】
以上、この発明の一実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0070】
例えば、本実施形態では、撮影パラメータとしてズーム倍率と露光量とを用い、撮影情報としてコントラスト値と注目する被写体のサイズとを用いたがこれに限らず、他の情報を加えるようにしてもよい。例えば、未合焦時のフォーカスレンズの位置を撮影パラメータに含めるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1・・・撮影装置、2・・・シミュレーションモデル、11・・・フォーカスレンズ、12・・・撮像デバイス、13・・・AF演算部、14・・・移動量決定部、15・・・選択部、16・・・レンズ制御部、17・・・アクチュエータ、18・・・記憶部、30・・・画像入力部、31・・・AF評価値演算部、32・・・フォーカスレンズ駆動モデル、33,141・・・被写体認識部、34,142・・・被写体サイズ演算部、35,143・・・ズーム倍率特定部、36,144・・・露光量特定部、37,146・・・過去ログ情報生成部、38,182・・・過去ログテーブル、131・・・AF評価値演算部、132・・・レンズ移動量決定部、145・・・検索部、181・・・一時記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと前記撮影被写体の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせと、当該撮影パラメータと当該撮影情報とで特定される前記画像を実際に撮影する際の合焦動作にて、焦点を調節するレンズが前記未合焦時点の位置から合焦位置と推定される位置まで移動したときのレンズ移動量とを関係付けて記憶する記憶部と、
新たに撮影を行う際、当該撮影における前記撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと当該撮影被写体の画像に基づく撮影情報との組み合わせと類似度が高い組み合わせを、前記記憶部に記憶された前記撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと前記撮影被写体の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせから抽出する抽出部と、
前記抽出部が前記記憶部から抽出した前記組み合わせに関係付けられている前記レンズ移動量に基づいて、当該撮影の合焦動作でのレンズ移動量を決定する決定部と、
を備えることを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記撮影パラメータは、ズーム倍率を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記撮影情報は、前記撮影被写体のサイズを示す情報を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記撮影パラメータは、露出情報または絞り情報を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項5】
前記撮影情報は、前記未合焦時点におけるオートフォーカス評価値を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記記憶部はさらに、前記未合焦時点におけるレンズの位置情報を前記撮影パラメータと前記撮影情報とに関連付けて記憶する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項7】
オートフォーカス処理により前記レンズ移動量を決定するオートフォーカス演算部と、
撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと前記撮影被写体の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせと、当該未合焦時点での前記レンズの位置から前記オートフォーカス処理により決定された前記レンズ移動量に基づいて合焦位置と推定される位置まで前記レンズが移動したときのレンズ移動量とを関係付けて前記記憶部に記憶させる関連情報生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項8】
前記撮影情報は前記被写体のサイズを含み、
前記撮影パラメータは、前記被写体の撮影を行う際のズーム倍率を含み、
前記抽出部は、新たに撮影を行う際、当該撮影における前記撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと当該撮影被写体の画像に基づく撮影情報との組み合わせに含まれる前記被写体のサイズおよび前記ズーム倍率と、前記記憶部に記憶された前記撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと前記撮影被写体の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせに含まれる前記被写体のサイズおよび前記ズーム倍率とのそれぞれの差分が所定の範囲内の値である場合、前記類似度が高い組み合わせであると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項9】
前記撮影情報は前記被写体のサイズを含む複数種類の情報で構成され、
前記撮影パラメータは、前記被写体の撮影を行う際のズーム倍率を含む複数種類のパラメータで構成され、
前記抽出部は、前記判定の際に、前記被写体のサイズと前記ズーム倍率とを、他の前記情報および他の前記パラメータよりも判定基準を厳しくする
ことを特徴とする請求項8に記載の撮影装置。
【請求項10】
前記撮影被写体の未合焦時点における撮影パラメータと前記撮影被写体の画像の特徴に基づく撮影情報との組み合わせとで特定される前記画像を実際に撮影する際の合焦動作のシミュレーション処理を行い、前記焦点を調節するレンズが前記未合焦時点の位置から合焦位置と推定される位置まで移動したときのレンズ移動量を取得し、当該撮影パラメータと当該撮影情報と、当該レンズ移動量とを関連付けて前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−150167(P2012−150167A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6953(P2011−6953)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】