説明

放電灯点灯装置

【課題】正常点灯中におけるパルス発生の防止、ランプの長寿命化、および、信頼性の高い放電灯点灯装置を提供する。
【解決手段】放電灯点灯装置10は、外部電力から直流電力を生成する直流電力生成回路14、16と、前記直流電力を矩形波交流電力とする矩形波生成回路18と、前記矩形波生成回路18の出力する矩形波電力に対し、パルス状高電圧を重畳し、放電灯22の始動を行なうパルス発生回路20と、を備える。そして、放電灯点灯装置10は、前記放電灯22に供給されるランプ電圧をディジタル検出するランプ電圧検出手段32と、前記ランプ電圧検出手段32の検出値が、無負荷電圧の判断レベルに達した場合に、前記パルス発生回路20にパルス発生指令を出すパルス発生指令手段34と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
放電灯点灯装置に用いられたパルス発生回路へパルスを発生させる指令を出す制御回路の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
放電灯は、安定器とも呼ばれる点灯装置を必要とし、その点灯装置は、放電灯の始動時に放電開始すなわち放電灯電極間の絶縁破壊を行うパルス状高電圧を発生し、また点灯後には電極間電圧(ランプ電圧)の急激な低下に伴う過剰電流の導通を抑制する役目をする。
一方、最近は上記役目に加え、放電灯のチラツキなどを防止するため、高周波点灯、矩形波点灯が汎用され、これらの点灯方式を実現するため半導体素子を用いて降圧チョッパ回路やブリッジ回路などを形成し所望の高周波、矩形波を得る電子式放電灯点灯装置が汎用されている。
【0003】
ランプ始動の際は、まず、ランプ電圧検出部がランプ電圧を検出し、このランプ電圧が無負荷状態のレベルであると判断したら、マイクロコンピュータ等がパルス発生装置にパルス状高電圧を発生させる指令を出していた。特許文献1には、電力変換回路の電圧および電流を検出し、トランスとトランジスタからなる高圧発生回路のトランジスタにトリガ信号を入力して、始動高圧をランプに印加させるように構成された放電灯点灯回路が記載されている。
【0004】
図3に従来の放電灯点灯装置の一例を示す。この点灯装置は、力率改善回路14、降圧チョッパ回路16、フルブリッジ回路18およびパルス発生回路20を備える。また、制御電源回路26からのDC電圧を受けて動作する制御回路124を有する。この制御回路124に設けられたランプ電圧検出部132は、ランプ電圧のアナログ値を検出し、これをパルス発生指令部に与える。安定点灯中は無負荷電圧よりも十分低いランプ電圧が検出される。しかし、ランプ22の点灯中に立ち消えが生じると、検出されるランプ電圧が無負荷電圧まで上昇する。パルス発生指令部134は、ランプ電圧の検出値に基づいて無負荷状態(ランプ消灯)かどうかを判断し、無負荷状態の場合にパルス発生回路20に向けてパルスを発生させる指令を出す。このようにして、ランプ電圧の無負荷状態を検知することにより、再始動が実行されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−100488号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ランプの正常点灯後、使用期間の短いランプであれば、ランプ電圧は無負荷電圧より十分低いレベルに収束する。しかし、使用期間がランプ寿命に近づくほど長くなると、安定点灯中のランプ電圧が高くなり、無負荷電圧に接近する。そのため、アナログ式のランプ電圧検出器では、ランプ電圧が無負荷電圧に接近しただけで、ランプが安定点灯しているにも関わらず無負荷電圧と誤って検知し、不要な始動パルスを発生させてしまうことがあった。そのため光のチラツキやランプ故障に至る場合があった。
【0007】
本発明は前記従来技術に鑑みなされたものであり、その解決すべき課題は、正常点灯中におけるパルス発生の防止、ランプの長寿命化、および、信頼性の高い放電灯点灯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明にかかる放電灯点灯装置は、
外部電力から直流電力を生成する直流電力生成回路と、
前記直流電力を矩形波交流電力とする矩形波生成回路と、
前記矩形波生成回路の出力する矩形波電力に対し、パルス状高電圧を重畳し、放電灯の始動を行なうパルス発生回路と、を備える。
そして、放電灯点灯装置は、前記放電灯に供給されるランプ電圧をディジタル検出するランプ電圧検出手段と、
前記ランプ電圧検出手段の検出値が、無負荷電圧の判断レベルに達した場合に、前記パルス発生回路にパルス発生指令を出すパルス発生指令手段と、を備える。
【0009】
さらに、本発明にかかる放電灯点灯装置は、前記直流電力生成回路の入力電圧をディジタル検出する入力電圧検出手段と、
前記入力電圧検出手段の検出値に基づいて入力電圧の検知信号を前記パルス発生指令手段に与える入力電圧判断手段と、を備え、
前記パルス発生指令手段は、前記ランプ電圧の検出値が所定の無負荷電圧の判断レベルに達し、かつ、前記入力電圧の検出信号がある場合に、前記パルス発生指令を出すことが好適である。
【0010】
また、所定時間以内の過去のランプ電圧の検出値を少なくとも1以上記憶するランプ電圧記憶手段を備える。そして、前記パルス発生指令手段は、前記ランプ電圧の検出値と前記ランプ電圧記憶手段の過去の検出値とに基づくランプ電圧の増分が基準以上の場合に、前記パルス発生指令を出すことが好適である。
【0011】
さらに、前記パルス発生指令手段は、前記ランプ電圧の増分が前記基準以上になった後、かつ、この急増したランプ電圧のレベルが所定時間以上継続した場合に、前記パルス発生指令を出すことが好適である。
【0012】
このように本発明では、ディジタル検出できるランプ電圧検出部を用いてランプ電圧の高分解能検出を行なうので、ランプ電圧が無負荷電圧に達したと誤って検出することを防ぐことができる。その結果、寿命に近づいたランプが正常点灯しているにも関わらず、ランプ電圧の検出値が無負荷電圧に近い値まで上昇した、または、無負荷電圧に達したというだけで、無負荷状態(ランプ消灯)であると誤検出することが無くなる。
【0013】
しかも、寿命に近づいたランプの点灯中に、もし立ち消えが発生した場合には、取得したディジタルデータの履歴情報を用いて、ランプ電圧が立ち消えたことを検知し、パルス発生指令を出して再点灯を試みることもできる。すなわち、正常点灯後の過程で生じるランプ電圧の急激な低下、その後の緩やかな上昇カーブがディジタルデータの履歴情報として記録されているため、立ち消えの発生に伴うランプ電圧の急激な上昇を、正常点灯における上昇カーブと明確に区別できて、立ち消えを正しく検出することができる。
従って、本発明の放電灯点灯装置によれば、正常点灯中におけるパルス発生の防止、ランプの長寿命化、および、信頼性の高い放電灯点灯装置の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の放電灯点灯装置の全体構成図を示す図である。
【図2】前記放電灯点灯装置のランプ電圧の変化を示すグラフである。
【図3】従来の放電灯点灯装置の全体構成図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づき本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる放電灯点灯装置10の概略構成を示している。
本実施形態にかかる放電灯点灯装置(単に安定器とも呼ばれる。)10は、商用交流電源12の交流電流を十分に昇圧し、出力直流電圧を一定に制御するとともに、入力電流の高調波成分を低減する力率改善回路14と、パルス幅変調により電流制御を行う降圧チョッパ回路16と、該降圧チョッパ回路16の出力する直流点灯電力をフルブリッジ構成されたスイッチング素子により矩形波交流電力とするフルブリッジ回路18と、始動用パルスを発生するパルス発生回路20を備える。
【0016】
力率改善回路14や降圧チョッパ回路16の具体的な回路構成は、特に限定されない。例えば、力率改善回路14は、昇圧トランス、スイッチング素子、ダイオード、出力側コンデンサ及びスイッチング素子用のドライバーを備える回路であり、ドライバーによるスイッチング素子の作動制御により出力側コンデンサの端子間に、昇圧された一定の直流電圧を発生させる。
【0017】
また、降圧チョッパ回路16は、例えば、平均電流をパルス幅変調により制御するスイッチング素子と、その変調電流を平滑化するチョークコイル、ダイオード、出力側コンデンサ及びスイッチング素子用のドライバーを備える回路であり、スイッチング素子をドライバーにより作動制御するものでもよい。
フルブリッジ回路18は、ブリッジ接続されたスイッチング素子と、該スイッチング素子のオン/オフを制御するドライバーとを備え、高周波矩形波点灯電力を出力する。
【0018】
なお、降圧チョッパ回路16とフルブリッジ回路18との機能を合わせ持つ、フルブリッジ型の降圧チョッパ回路や、ハーフブリッジ型の降圧チョッパ回路を用いた放電灯点灯装置とすることもできる。また、スイッチング素子の駆動手段にドライバーを使用するのではなく、駆動手段としてアナログ制御ICを使用するものであってもよい。
【0019】
パルス発生回路20は、パルス・トランスを使用するもので、ランプ22に並列接続された一次側トランスとトランジスタと、ランプ22に直列接続された二次側トランスとを有する。この回路では、マイコンからのパルス発生の指令がトライアックのトリガ信号となり、始動パルスが発生する。始動パルスは、フルブリッジ回路18の出力に重畳されて、ランプ22に印加される。
パルス発生回路の構成にこれに限られるものではなく、少なくとも外部からの発生指令により始動パルスを発生できるものであればよい。
【0020】
本実施形態の放電灯点灯装置10には、マイクロコンピュータ(マイコン)を用いた制御回路24を備え、マイコンが各スイッチング素子のドライバーにオン/オフのタイミング信号を与える。そのため、制御回路24には、ランプ電圧をディジタル検出するADコンバータが設けられ、マイコンはランプ電圧の検出値を用いて各ドライバーへのタイミング信号を演算して出力する。このようにして、接続されるランプ22に最適な電流値、電圧値及び矩形波周波数がマイコンにより設定される。
【0021】
また、放電灯点灯装置10には、各ドライバーへ駆動電圧を供給する制御電源回路26が設けられている。制御電源回路26へは、力率改善回路14の入力電圧の一部が供給されて、制御電源回路26において所定の駆動電圧に変換(DC/DCコンバーター)された後、各ドライバーへ駆動電圧が供給される。
【0022】
スイッチング素子用のドライバーは、タイミング信号に基づいて、そのタイミングでオン/オフする駆動電圧をスイッチング素子のゲートに印加する。
【0023】
本発明で特徴的なことは、制御回路24に更に、力率改善回路14への入力電圧を検出する入力電圧検出部28、その入力電圧の有無を判断する入力電圧判断部30、ランプ電圧を検出するランプ電圧検出部32、および、そのランプ電圧の検出値に基づいてパルス発生の指令を出すパルス発生指令部34を設けたことである。
【0024】
入力電圧検出部28は、制御電源回路26に供給される入力電圧を検出するADコンバータを有する。入力電圧判断部30は、入力電圧の検出値を監視して、規定値以上の入力電圧を検知した場合に、その検知信号をパルス発生指令部34に与える。
【0025】
ランプ電圧検出部32は、フルブリッジ回路18の前段、すなわち降圧チョッパ回路16の出力する直流出力電圧をランプ電圧として検出するADコンバータを有する。パルス発生指令部34は、ランプ電圧の検出値を監視して、ランプ電圧が無負荷電圧以上であると判断した場合に、パルス発生回路20へパルスの発生指令を出す。ただし、入力電圧判断部30からの検知信号があることを条件にして、発生指令を出すようにプログラムされている。なお、制御回路24は、ランプ電圧検出部32のディジタル検出値を、各ドライバーへのタイミング信号の演算に用いることができる。
【0026】
図2を用いて本実施形態の放電灯の正常点灯の場合におけるランプ電圧の変化について説明する。
無負荷電圧の検知による始動パルスの発生
まず、交流電源の投入により、力率改善回路14の入力電圧が所定値以上になると、入力電圧検出部28の検出値に基づいて入力電圧判断部30が入力電圧の検知信号をパルス発生指令部34に与える。また、交流電源の投入に伴って、力率改善回路14、降圧チョッパ回路16およびフルブリッジ回路18が順次立ち上がり、フルブリッジ回路18の出力電圧が無負荷電圧の判断レベルを上回る。本実施形態では、無負荷電圧が240V程度になるが、一般には200V以上である。そこで、例えば、使用開始当初のランプ電圧が90Vのものについては、無負荷検出電圧の判断レベルを、240V以上、325V以下に設定する。なお、この設定範囲は一例であり、無負荷検出電圧の設定値は、ランプによって異なっている。例えば、ランプ電圧について90V、130V、250Vなどのものが存在し、ランプ電圧に応じて無負荷検出電圧の判断レベルが設定されるからである。
出力電圧がこの判断レベルを上回ると、ランプ電圧検出部32からの検出値に基づいて、無負荷電圧以上のランプ電圧が検出されて、パルス発生指令部34がパルス発生回路20に発生指令を送る。これにより、ランプ22にパルス状高電圧の重畳された無負荷電圧が印加されて、ランプ22が点灯する。点灯するとランプ電圧が急激に低下するので、パルスの発生が止まる。
【0027】
点灯検出と安定点灯
ランプ電圧検出部32により、始動中のランプ電圧が常に取得される。そのため、点灯直後は、ランプ電圧の急激な低下を検出して、点灯を検出する。この電圧低下は通常20V以下とされる。続いて、ランプ電圧の上昇が始まる。点灯が安定状態に達すれば、ランプ電圧の上昇も緩やかとなる。使用期間の短いランプであれば、ランプ電圧が緩やかなカーブを描いた後、70V以上、本実施形態では110V以下のランプ電圧に収束する。なお、このランプ電圧の収束値についても、ランプによって様々な値になる。
【0028】
図2に示すように、このようなランプ電圧の刻々とした変化は、放電灯の特殊な性質であり、通常の点灯装置では、このような特殊性に配慮して、異常点灯などを適切に検出し、必要に応じて出力電力を遮断して放電灯を保護している。
【0029】
立ち消え発生と再始動
始動中または安定点灯中にランプ22の立ち消えが生じた場合を説明する。ランプ電圧検出部32は、立ち消えによって無負荷電圧の判断レベル以上に上昇したランプ電圧を検出するので、パルス発生指令部34の発生指令が出て、パルス発生回路20による再始動が実行される。これにより、立ち消え後、短時間で再点灯することができる。
【0030】
使用期間の長いランプの点灯
正常点灯後、使用期間の短いランプであれば、ランプ電圧は無負荷電圧より十分低いレベルに収束する。しかし、使用期間が長くなると、安定点灯中のランプ電圧が高くなり、無負荷電圧に接近する。これを図2中の破線で示す。そのため、従来のアナログ式のランプ電圧検出器では、ランプ電圧が無負荷電圧に接近しただけで、ランプが安定点灯しているにも関わらず無負荷電圧を誤って検知し、不要な始動パルスを発生させてしまうことがあった。
【0031】
本発明では、ADコンバータによるランプ電圧のディジタル検出を行なうため、たとえ寿命間近のランプ電圧が無負荷電圧に接近したとしても、無負荷電圧の判断レベルに達していなければ、それを無負荷電圧であると誤って検出することはなく、不要な始動パルスの発生を防ぐことができる。
【0032】
さらに、本発明で特徴的なことは、使用期間の長いランプが安定点灯している状態で、そのランプ電圧が無負荷電圧の判断レベルに達したとしても、立ち消えによる無負荷電圧と区別して、安定点灯を継続させることができ、しかも、安定点灯中に立ち消えた場合には、その立ち消えを正確に検知できることである。
【0033】
例えば、無負荷電圧の判断基準を240〜325Vの範囲内の値に設定した場合、寿命末期のランプの安定点灯中のランプ電圧が、この判断レベルに達することもあり得る。従来のアナログ検出による判断では、立ち消えにより判断レベルに達したものであるのか、寿命末期のランプの安定点灯中のランプ電圧が判断レベルに達したものであるのか、区別することができなかった。しかし、寿命末期のランプ電圧が安定点灯の状態で判断レベルに達する場合は、緩やかな上昇カーブでランプ電圧が判断レベルに達する(図2)。これに対して、ランプが立ち消えた場合には、ランプ電圧が急激に上昇して判断レベルに達する。従って、点灯後のランプ電圧の刻々とした変化(電圧カーブ)を監視することにより、立ち消えによりランプが無負荷状態になったのか、安定点灯を継続しているのかを正確に区別することができる。
【0034】
本発明では、ランプ電圧をディジタル検出するため、ランプ電圧の検出値を高い分解能で取得でき、ランプ電圧の履歴を判断材料として用いることができる。例えば、極短期間のうちにランプ電圧が急上昇して、判断基準に達した場合を、無負荷状態と判断する。また、急上昇を伴わずに判断基準に達する場合は、ランプの安定点灯が継続しているとみなして、無負荷状態とは判断しない。このような判断でランプの点灯状態を監視することができる。
【0035】
本実施形態では、ランプ電圧記憶手段36が設けられ、所定時間(1sec程度)以内の過去の電圧検出値を少なくとも1以上記憶する。そして、パルス発生指令部34は、ランプ電圧の増分が例えば20V/msec以上のときに無負荷電圧に達したと判断する。あるいは、ノイズとの区別のため、ランプ電圧の急増後、その電圧レベルが例えば20msec以上継続した場合に無負荷電圧に達したと判断するようにしてもよい。上記のランプ電圧の増分の基準や、電圧レベルが継続する所定時間については、使用開始当初のランプ電圧などのランプの種類に応じて、適切な数値を設定する。
【0036】
このように本発明の放電灯点灯装置10では、ランプ電圧検出部32にADコンバータを用いてランプ電圧の高分解能検出を可能としたので、ランプ電圧が無負荷電圧に達したと誤って検出することを防ぐことができる。その結果、寿命に近づいたランプが正常点灯しているにも関わらず、ランプ電圧の検出値が無負荷電圧に近い値まで上昇した、または、無負荷電圧に達したというだけで、無負荷状態(ランプ消灯)であると誤検出することが無くなる。
【0037】
しかも、寿命に近づいたランプの点灯中に、もし立ち消えが発生した場合には、取得したディジタルデータの履歴情報を用いて、ランプ電圧が立ち消えたことを検知し、パルス発生指令を出して再点灯を試みることもできる。すなわち、正常点灯後の過程で生じるランプ電圧の急激な低下、その後の緩やかな上昇カーブがディジタルデータの履歴情報として記録されているため、立ち消えの発生に伴うランプ電圧の急激な上昇を、正常点灯における上昇カーブと明確に区別できて、立ち消えを正確に検出することができる。
従って、本発明の放電灯点灯装置によれば、正常点灯中におけるパルス発生の防止、ランプの長寿命化、および、信頼性の高い放電灯点灯装置の提供が可能になる。
【符号の説明】
【0038】
12 交流電源
14 力率改善回路
16 降圧チョッパ回路
18 フルブリッジ回路
20 パルス発生回路
22 ランプ(放電灯)
24 制御回路
26 制御電源回路
28 入力電圧検出部
30 入力電圧判断部
32 ランプ電圧検出部
34 パルス発生指令部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電力から直流電力を生成する直流電力生成回路と、
前記直流電力を矩形波交流電力とする矩形波生成回路と、
前記矩形波生成回路の出力する矩形波電力に対し、パルス状高電圧を重畳し、放電灯の始動を行なうパルス発生回路と、を備えた放電灯点灯装置において、
前記放電灯に供給されるランプ電圧をディジタル検出するランプ電圧検出手段と、
前記ランプ電圧検出手段の検出値が、無負荷電圧の判断レベルに達した場合に、前記パルス発生回路にパルス発生指令を出すパルス発生指令手段と、を備えることを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
請求項1記載の放電灯点灯装置において、
前記直流電力生成回路の入力電圧をディジタル検出する入力電圧検出手段と、
前記入力電圧検出手段の検出値に基づいて入力電圧の検知信号を前記パルス発生指令手段に与える入力電圧判断手段と、を備え、
前記パルス発生指令手段は、前記ランプ電圧の検出値が所定の無負荷電圧の判断レベルに達し、かつ、前記入力電圧の検出信号がある場合に、前記パルス発生指令を出すことを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の放電灯点灯装置において、
所定時間以内の過去のランプ電圧の検出値を少なくとも1以上記憶するランプ電圧記憶手段を備え、
前記パルス発生指令手段は、前記ランプ電圧の検出値と、前記ランプ電圧記憶手段の過去の検出値とに基づくランプ電圧の増分が基準以上の場合に、前記パルス発生指令を出すことを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項4】
請求項3記載の放電灯点灯装置において、
前記パルス発生指令手段は、前記ランプ電圧の増分が前記基準以上になった後、かつ、この急増したランプ電圧のレベルが所定時間以上継続した場合に、前記パルス発生指令を出すことを特徴とする放電灯点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−45673(P2013−45673A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183370(P2011−183370)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000126274)株式会社アイ・ライティング・システム (56)
【Fターム(参考)】