説明

整形パッドおよび整形パッド付き衣類

【課題】装着者自身の身体形状(乳房形状)に対応可能な整形パッド(ブラジャーパッド)や、装着者の所望の身体形状(バストライン形状)を実現する整形パッド(ブラジャーパッド)を、提供する。
【解決手段】ブラジャー1のカップ部2・2に配置されるブラジャーパッド7は、トランスポリイソプレンを素材として一体的に形成されるものとし、トランスポリイソプレンはゴム状弾性を有する熱可塑性ゴムであると共に、トランスポリイソプレンの融点はセ氏67度であって、人体装着状態におけるブラジャーパッド7・7自体の温度より高い温度より高い温度であると共に、水の沸点(一気圧下でのセ氏100度)より低い温度である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形パッドおよび整形パッド付き衣類の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
身体の一部に当てて整形するためのパッドの一例として、ブラジャーに用いられるブラジャーカップがある。
従来より、このようなブラジャーとして、バストライン形状を保持するための手段として、金属ワイヤーがカップ部分の湾曲形状に沿って縫付けられた構成のものがある。特に、ブラジャーを装着した状態でバストライン形状が保持されるように、前記金属ワイヤーが形状記憶合金で形成されたブラジャーも知られている。例えば、特許文献1に開示される技術である。
【0003】
また、特許文献2には、ブラジャーのカップ部分に、バストライン形状の保持を行なうための形状維持補強体を固定する構成としたものである。この形状維持補強体は、カップ部分の基布よりも硬い布等で形成されている。
特許文献2のブラジャーは、金属ワイヤーを用いることなく、バストライン形状の保持を可能としている。つまり、金属ワイヤーを用いる場合には、縫製工程の複雑化を招いたり、装着者に違和感を感じさせたりなどの不具合があるが、特許文献2のブラジャーでは、このような不具合が防止されるものである。
【特許文献1】特開平5−239701号公報
【特許文献2】特開平8−246205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および特許文献2を含めた従来の技術では、ブラジャーは規格品であって、サイズ(アンダーバストとトップバストとの差)毎に、カップ部分の形状が均一に製造されるものである。
ところが、同一のサイズであっても、乳房自体の形状は個人差を有するものである。つまり、対応するサイズのブラジャーを装着しても、装着者が違和感や圧迫感を感じる恐れがある。
また、バストアップを図りたい場合など、装着者が所望のバストライン形状を望む場合には、装着者は用途に応じて異なるブラジャーを購入せざるを得ず、費用がかさむものとなっている。しかも、用途に応じて購入されたブラジャーが規格品である場合は、装着者毎の乳房形状の個人差に対応することができない。
【0005】
前記では、特に、整形の対象を女性の胸部とし、この胸部の整形パッドとしてのブラジャーパッドにおける課題について述べたが、他の身体部分、例えばウエスト周りや足先などの整形パッドであっても、同様の問題が発生する。
つまり、解決しようとする問題点は、装着者自身の身体形状に対応可能なブラジャーパッドや、装着者の所望の身体形状を実現するブラジャーパッドを、提供する点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、
身体の一部に当てて整形するための整形パッドであって、
熱可塑性ポリマーを素材として一体的に成形されると共に、
前記熱可塑性ポリマーの融点は、人体装着状態における前記整形パッド自体の温度より高い温度とする、ものである。
【0008】
請求項2においては、
前記熱可塑性ポリマーを熱可塑性ゴムとする、ものである。
【0009】
請求項3においては、
前記熱可塑性ポリマーを形状記憶ポリマーとする、ものである。
【0010】
請求項4においては、
前記熱可塑性ポリマーの融点を、水の沸点より低い温度とする、ものである。
【0011】
請求項5においては、
前記熱可塑性ポリマーをトランスポリイソプレンとする、ものである。
【0012】
請求項6においては、
前記整形パッドは、
ブラジャーのカップ部分に配置されるブラジャーパッドとする、ものである。
【0013】
請求項7においては、
前記整形パッドの素材は、前記熱可塑性ポリマーに、ゲルマニウム、セレニウム、トルマリン石、貴陽石、麦飯石、又は健緑石よりなる鉱物群のうち、少なくとも一種類の鉱物の粒状体が混入されてなる、ものである。
【0014】
請求項8においては、
整形パッド付き衣類は、
前記の整形パッドが、布地に固定されてなる、ものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、この整形パッドを用いることで、個人差のある装着者自身の身体形状に対応させることが可能であると共に、装着者の所望の身体形状に整形することができる。
【0017】
請求項2においては、請求項1の効果に加えて、前記整形パッドを直接、もしくは整形パッド自体を被覆する布地を介して間接に、身体に当てるようにして装着する者に、違和感や不良な装着感を与えることがない。
【0018】
請求項3においては、請求項1の効果に加えて、前記整形パッドを融点以上に加熱すると、この整形パッドは製造時の原形に復帰する。
【0019】
請求項4においては、請求項1のいずれかの効果に加えて、湯を利用して、前記整形パッドの変形を行なうことが可能であり、変形作業が容易である。
【0020】
請求項5においては、請求項1の効果に加えて、装着者に違和感や不良な装着感を与えることがなく、変形作業が容易である。
【0021】
請求項6においては、請求項1から請求項5のいずれかの効果に加えて、このブラジャーパッドを用いることで、個人差のある装着者自身の乳房形状に対応させることが可能であると共に、装着者の所望のバストライン形状に整形することができる。
【0022】
請求項7においては、
ユーザは個人差のある装着者自身の身体形状に合わせて、前記整形パッド付き衣類を整形することで、自ら自身の身体形状に対応した整形を行なうことができると共に、ユーザ自身が所望の身体形状に合わせるように前記整形パッド付き衣類を整形することで、自らの身体を所望の身体形状に整形することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施の形態であるブラジャーパッド7およびブラジャー1について、図面を用いて説明する。
ブラジャー1は、そのカップ部分の布地に、ブラジャーパッド7が固定されてなるものである。
【0024】
まず、図1を用いて、ブラジャー1の構成を説明する。
ブラジャー1には、バストライン形状の保持手段として、左右の乳房をそれぞれ被覆するカップ部2と、乳房の脇を抑えるサイドボーン部3とが備えられている。加えて、カップ部2・2およびサイドボーン部3・3よりなる前記保持手段を、人体に支持する手段として、胴回りに配置されるアンダーライン部4と、肩回りに配置されるストラップ部5とが、ブラジャー1に設けられている。
また、左右それぞれのアンダーライン部4の先端部には、フック6が設けられており、ブラジャー1を胸部に装着した状態でフック6・6を連結して、人体にブラジャー1を固定することが可能である。
【0025】
カップ部2・2は、蝶形状の布地8・9を重ねて縫い合わせてなるものであり、両布地8・9間には、各カップ部2毎にブラジャーパッド7が配置されている。図1には、布地8・9を連結する縫い目10・10・・・が図示されている。
詳しくは後述するが、各ブラジャーパッド7は各カップ部2の骨格となる部材であり、布地8・9と異なり、剛性を有している。つまり、各ブラジャーパッド7が各カップ部2の内部に配置されることにより、各カップ部2にバストライン形状の保持能力が付与される。
【0026】
図2に示すように、ブラジャーパッド7の形状は椀状である。
人体装着状態におけるブラジャーパッド7の両面において、乳房側に向く面を裏面7aとし、人体の外側に向く面を表面7bとすると、裏面7aが凹状で表面7bが凸状である。ここで、肉厚(裏面7aと裏面7bとの距離)は、ブラジャーパッド7の全体でほぼ一定である。
【0027】
ブラジャーパッド7は、熱可塑性ポリマーを素材として、一体成形されてなっている。
ブラジャーパッド7は熱可塑性ポリマーで構成されるため、ブラジャーパッド7を加熱により軟化して変形することが可能である。加えて、軟化した際には、ブラジャーパッド7を被覆する前記布地8・9に溶着するので、布地8・9内に配置されるブラジャーパッド7に、布地8・9が剥離することなく固定される。なお、ブラジャー1の製造時において、ブラジャーパッド7・7への布地8・9の溶着処理は、行なわれているものとする。
【0028】
前記素材は、本実施の形態では、熱可塑性ポリマーであるトランスポリイソプレンである。
トランスポリイソプレンは、融点がセ氏67度であり、この融点以上の温度に加熱されると、軟化する。また、軟化した状態のトランスポリイソプレンを、融点より低い温度に冷却すると、トランスポリイソプレンは固化する。
この性質を利用して、トランスイソプレンをお湯に浸したり、ドライヤーなどの加熱手段により加熱することで、トランスイソプレンを軟化させることが可能であると共に、冷ますことで固化することが可能である。
【0029】
ブラジャーパッド7は、トランスポリイソプレンにより一体的に成形されてなる部材であるため、お湯やドライヤーを用いることで、ブラジャーパッド7を軟化させて変形可能な状態に移行させることができる。
お湯の場合は、その温度は、トランスポリイソプレンの融点に対応して、セ氏80度程度あれば、適切にブラジャーパッド7を軟化することが可能である。
このため、お湯に浸して軟化した状態のブラジャー1(もしくはブラジャーパッド7単体)を、お湯から取り出して、そのまま装着者自身の胸部に当てても、熱すぎることもなく、型取り作業を容易に行なうことができる。
そして、ブラジャー1(もしくはブラジャーパッド7単体)をお湯から取り出した後は、そのまま自然放熱させておけば、ブラジャーパッド7が固化する。装着者自身が自らの胸部にブラジャー1を当てた状態で、しばらく(数十秒程度)放置すれば、そのままそのまま形状が安定する。
【0030】
ブラジャー1を人体に装着した状態では、懐炉等の保温器具を身に付けるなど別途加熱手段を備える場合を除いて、ブラジャー1の温度が、人体の体温や外気温より高くなることはない。人体の体温は、セ氏36度から37度程度であり、通常の人間生活環境における外気温の最高温度は、日本においてはセ氏40度程度である。
つまり、通常の人体装着状態におけるブラジャーパッド7自体の温度は、人体の体温や前記外気温以下である。
ここで、トランスポリイソプレンの融点はセ氏67度であるため、人体の体温や、通常の人間生活環境における外気温に比して、高い温度である。
このため、ブラジャーパッド7・7を内蔵するブラジャー1を人体に装着した状態において、ブラジャーパッド7・7が軟化することはない。
【0031】
なお、加熱により変形可能であると共に、人体装着状態において固化した状態のブラジャーパッドとしては、トランスポリイソプレンの一体的な成形物に限定されるものではない。
まず、素材としては、トランスポリイソプレンに限定されるものではなく、人体装着状態において軟化することのない熱可塑性ポリマーであればよい。
また、ブラジャーパッドの構成としては、前記熱可塑性ポリマーの一体成形物に限定されるものではなく、一部のみが前記熱可塑性ポリマーで形成されるものであってもよい。
【0032】
ブラジャーパッドを単一素材の一体成形物としない場合の一例としては、ブラジャーパッドの構成として、いわゆるフルカップ(本実施形態のブラジャー1のようにカップをすべて覆うもの)に対応するブラジャーパッドにおいて、いわゆるハーフカップ部分(人体装着時におけるブラジャーパッドの下部)を変形部分とし、残りの部分(人体装着時におけるブラジャーパッドの上部)を、非変形部分するものである。
この場合、変形部分は前記熱可塑性ポリマーで形成されるものとし、非変形部分は、変形部分に用いられる熱可塑性ポリマーの融点付近で軟化することのない素材で形成されるものとする。つまり、非変形部分は、硬化が終了した熱硬化性ポリマーや、変形部分に用いられる熱可塑性ポリマーの融点よりも融点が十分に高い熱可塑性ポリマーで、形成されるものとする。
ここで、「十分に高い」とは、変形部分に対応する加熱手段の温度域を外れる程度に、変形部分の熱可塑性ポリマーの融点よりも、非変形部分の融点が高いことを意味する。例えば、変形部分の熱可塑性ポリマーがトランスポリイソプレンであって、その加熱手段をお湯とする場合は、お湯の可能な温度域はセ氏100度以下であるので、少なくともセ氏100度を越える融点を有する熱可塑性ポリマーで、非変形部分を形成することを意味する。
【0033】
また、ブラジャーパッド7の素材であるトランスポリイソプレンは、熱可塑性ポリマーにおいてゴム状弾性を有するものであり、熱可塑性ゴムに分類されるものである。
このため、ブラジャー1の装着者の乳房が、完全な剛体により抑えつけられるのではなく、熱可塑性ゴムの有する弾性により柔軟に支持される。したがって、ブラジャー1の装着者に、違和感や不良な装着感を与えることがない。
【0034】
また、熱可塑性ポリマーであるトランスポリイソプレンは、形状記憶ポリマーに加工することが可能である。これは、トランスポリイソプレンが、結晶性の熱可塑性ポリマーであって、汎用の方法で架橋構造を構成することが可能であることによる。汎用の方法における架橋反応の反応温度(セ氏130度から160度程度)より、トランスポリイソプレンの融点(セ氏67度)は低い。
【0035】
そして、前記ブラジャーパッド7を形状記憶ポリマーに加工されたトランスポリイソプレンで形成することで、ブラジャーパッド7は変形可能なブラジャーパッドであるだけでなく、製造時の原形に復帰することが可能なブラジャーパッドともなる。
【0036】
また、ブラジャーパッド7の素材を、熱可塑性ポリマー単体ではなく、熱可塑性ポリマーにゲルマニウム等のマイナスイオン発生源となる鉱物の粒状体を、混入させてなる素材としてもよい。
この場合、これらのマイナスイオン発生源となる鉱物のため、ブラジャーパッド7の周辺空気がイオン化されて、マイナスイオンが発生し、ブラジャーパッド7の装着者に、快適感が与えれるなど好適な影響が及ぼされる。
ここで、マイナスイオン発生源となる鉱物としては、ゲルマニウム、セレニウム、トルマリン石、貴陽石、麦飯石、又は健緑石などがある。そして、これらの鉱物を粒状化して、熱可塑性ポリマーに混入させることで、これらの鉱物をブラジャーパッド7等の整形パッド内に固定させることができる。
【0037】
本発明の整形パッドをまとめる。
第一の発明たる整形パッドは、身体の一部に当てて整形するための整形パッドであって、熱可塑性ポリマーを素材として一体的に成形されると共に、前記熱可塑性ポリマーの融点は、人体装着状態における前記整形パッド自体の温度より高い温度としている。
【0038】
本実施の形態では、前記整形パッドは、ブラジャーのカップ部分に配置されるブラジャーパッド7であり、熱可塑性ポリマーを素材として一体的に成形されてなっている。
また、本実施の形態では、前記素材はトランスポリイソプレンであり、その融点はセ氏67度である。この融点は、人体装着状態における整形パッド(ブラジャーパッド)自体の温度、つまり人体の温度または通常の人間生活環境における外気温、のどちらよりも高い温度である。
【0039】
なお、前記整形パッドとしては、乳房に当てて整形するためのブラジャーパッドに限定されるものではなく、ウエスト周りに当てて整形する腹部パッド(コルセットの一部)や、足先に当てて整形する足先パッドなど、身体の一部に当てて整形するためのパッドであれば、どのような整形パッドであっても良い。
【0040】
また、前記一体的に成形される整形パッドは、完成状態において一体的に成形されていれば良く、製造の途中段階で、一体的である必要はない。つまり、整形パッドの各部を構成する部材を熱溶着により貼り合せて、一つの整形パッドを構成するようにしても良い。
例えば、整形パッドがブラジャーパッドである場合には、ハーフカップ用のブラジャーパッドに、同素材のオプション部品を熱溶着させることで、フルカップ用のブラジャーパッドが成形される構成であってもよい。
【0041】
以上構成により、人体装着状態における整形パッド自体の温度より高い温度で整形パッドを加熱すると、一体的に形成されてなる整形パッドが軟化して、その全体形状を変形可能な状態に移行する。
このため、この整形パッドを用いることで、個人差のある装着者自身の身体形状に対応させることが可能であると共に、装着者の所望の身体形状に整形することができる。
【0042】
第二の発明たる整形パッドは、第一の発明において、前記素材とする熱可塑性ポリマーを熱可塑性ゴムとしたものである。
【0043】
本実施の形態では、前記整形パッドとしたブラジャーパッド7の素材は、熱可塑性ゴムに分類されるトランスポリイソプレンである。
【0044】
以上構成により、前記整形パッドは、弾性を有するものとなる。
このため、前記整形パッドを直接、もしくは整形パッド自体を被覆する布地を介して間接に、身体に当てるようにして装着する者に、違和感や不良な装着感を与えることがない。
【0045】
なお、前記「直接」とは、例えばブラジャーパッドの場合、ブラジャーパッド自体が乳房に直接接触するように、例えば汎用のブラジャーとは別体で、そのブラジャーの内側に配置するような場合を意味している。つまり、前記ブラジャーパッドを、ブラジャー等の下着類に内蔵するのではなく、乳房とブラジャー等との間に挟むブラジャーパッドとして活用することも可能である。また、前記「間接」とは、ブラジャーパッドが間接的に乳房に接触するように、例えば、ブラジャーパッドがブラジャー自体に内蔵される場合を意味する。
【0046】
第三の発明たる整形パッドは、第一または第二の発明において、前記素材とする熱可塑性ポリマーを形状記憶ポリマーとしている。
【0047】
本実施の形態で前記素材としているトランスポリイソプレンは、形状記憶ポリマーに加工することが可能である。
【0048】
以上構成により、前記整形パッドを融点以上に加熱すると、この整形パッドは製造時の原形に復帰する。
このため、前記整形パッドは、変形が可能なだけでなく、必要に応じて原形に復帰させることもできる。
【0049】
第四の発明たる整形パッドは、第一から第三の発明のいずれかにおいて、前記素材とする熱可塑性ポリマーの融点を、水の沸点より低い温度としている。
【0050】
本実施の形態で前記素材としているトランスポリイソプレンは、その融点がセ氏67度であり、一気圧下における水の沸点たるセ氏100度よりも、低い温度である。
【0051】
このため、湯を利用して、前記整形パッドの変形を行なうことが可能であり、変形作業が容易である。
【0052】
第五の発明たる整形パッドは、第一から第四の発明のいずれかにおいて、前記熱可塑性ポリマーをトランスポリイソプレンとしている。
【0053】
以上構成により、前記整形パッドは弾性を有し、湯により軟化する。
このため、装着者に違和感や不良な装着感を与えることがなく、変形作業が容易である。
【0054】
第六の発明たる整形パッドは、
この整形パッドを、ブラジャーのカップ部分に配置されるブラジャーパッドとしたものである。
【0055】
以上構成により、人体装着状態におけるブラジャーパッド自体の温度より高い温度でブラジャーパッドを加熱すると、一体的に形成されてなるブラジャーパッドが軟化して、その全体形状を変形可能な状態に移行する。
このため、このブラジャーパッドを用いることで、個人差のある装着者自身の乳房形状に対応させることが可能であると共に、装着者の所望のバストライン形状に整形することができる。
【0056】
例えば、乳房の脇の押さえをブラジャーパッドの全体形状を変形して、バストアップを図るなど、装着者自身の好みのバストライン形状を容易に実現することができる。あるいは、就寝するときに仰向けに横たわる際に、乳房が脇へ流れるのを防止すべく、脇を押さえ込むようにブラジャーパッドを変形することで、就寝時の乳房の形の崩れを防止することができる。
【0057】
第七の発明たる整形パッドは、
前記整形パッドの素材を、前記熱可塑性ポリマーに、ゲルマニウム、セレニウム、トルマリン石、貴陽石、麦飯石、又は健緑石よりなる鉱物群のうち、少なくとも一種類の鉱物の粒状体が混入されてなるものとしている。
【0058】
以上構成により、整形パッドよりマイナスイオンが発生する。
このため、整形パッドの装着者に、快適感が与えれるなど好適な影響が及ぼされる。
【0059】
第八の発明たる整形パッド付き衣類は、第一から第七の発明たる整形パッドのいずれかが、布地に固定されてなる衣類としている。
【0060】
本実施の形態とした整形パッド付き衣類は、整形パッドをブラジャーパッド7とし、このブラジャーパッド7が布地に固定されてなるブラジャー1としている。ブラジャー1は、バストライン形状の保持のみを主たる目的とするものであり、布地8・9間に前記ブラジャーパッド7・7が配置されて、布地8・9の縫付けによりブラジャーパッド7・7がブラジャー1に固定される構成である。ここで、熱可塑性ポリマーで形成されるブラジャーパッド7・7は、その熱可塑性を利用して、ブラジャーパッド7を被覆する前記布地8・9に溶着した状態にあり、ブラジャーパッド7・7に布地8・9が貼り付けられた状態にある。
【0061】
なお、前述したブラジャーパッドを備える衣類としては、ブラジャーに限定されるものではなく、ブラジャーパッド(カップ)付き衣類一般が可能であり、キャミソール(胴付き下着)や水着等であってもよい。
【0062】
また、整形パッドとしては、ブラジャーパッドに限定されるものではなく、ウエスト周りに当てるための腹部パッドや、足先に当てて整形する足先パッドなど、身体の一部に当てて整形するためのパッドであれば、どのような整形パッドであっても良い。
そして、腹部パッドを備える衣類としては例えばコルセットがあり、足先パッドを備える衣類としては靴下などがある。あるいは、靴下ではなく、靴自体に足先パッドを備える構成としても良い。
【0063】
このため、ユーザは個人差のある装着者自身の身体形状に合わせて、前記整形パッド付き衣類を整形することで、自ら自身の身体形状に対応した整形を行なうことができると共に、ユーザ自身が所望の身体形状に合わせるように前記整形パッド付き衣類を整形することで、自らの身体を所望の身体形状に整形することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】ブラジャーの構成を示す図である。
【図2】ブラジャーパッドの構成を示す二面図であり、(a)図はブラジャーパッドの表面側より見た図、(b)図はブラジャーパッドの裏面側より見た図である。
【符号の説明】
【0065】
1 ブラジャー(整形パッド付き衣類)
7 ブラジャーパッド(整形パッド)
8・9 布地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の一部に当てて整形するための整形パッドであって、
熱可塑性ポリマーを素材として一体的に成形されると共に、
前記熱可塑性ポリマーの融点は、人体装着状態における前記整形パッド自体の温度より高い温度とする、
ことを特徴とする整形パッド。
【請求項2】
前記熱可塑性ポリマーを熱可塑性ゴムとする、
ことを特徴とする請求項1に記載の整形パッド。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリマーを形状記憶ポリマーとする、
ことを特徴とする請求項1に記載の整形パッド。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマーの融点を、水の沸点より低い温度とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の整形パッド。
【請求項5】
前記熱可塑性ポリマーをトランスポリイソプレンとする、
ことを特徴とする請求項1に記載の整形パッド。
【請求項6】
前記整形パッドは、
ブラジャーのカップ部分に配置されるブラジャーパッドとする、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の整形パッド。
【請求項7】
前記整形パッドの素材は、前記熱可塑性ポリマーに、ゲルマニウム、セレニウム、トルマリン石、貴陽石、麦飯石、又は健緑石よりなる鉱物群のうち、少なくとも一種類の鉱物の粒状体が混入されてなる、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の整形パッド。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の整形パッドが、布地に固定されてなる、
ことを特徴とする整形パッド付き衣類。

【図1】
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【図2】
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