斜板式ピストンポンプ

【課題】複数の負荷圧に応動する斜板式ピストンポンプの大型化を抑えること。
【解決手段】 負荷圧に応じて吐出容量が変えられる斜板式ピストンポンプ1であって、ポートブロック50から突出されるガイド部材(インナーガイドシリンダ41、アウターガイドシリンダ42)と、このガイド部材に摺動可能に支持されて第一の負荷圧(ピストンポンプ80の吐出圧)に応じて斜板4を傾転角が小さくなる方向に駆動する第一制御ピン31と、ガイド部材に摺動可能に支持されて第二の負荷圧(パイロット圧)に応じて斜板4を傾転角が小さくなる方向に駆動する第二制御ピン32と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷圧に応じて吐出容量が変えられる斜板式ピストンポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ミニショベル等の作業機にあっては、斜板式ピストンポンプがエンジンによって駆動され、ピストンポンプから吐出される作動油によって各種の作業を行う油圧アクチュエータが駆動される。この油圧アクチュエータの負荷圧が変化しても、斜板式ピストンポンプの動力が略一定に制御され、エンジンの回転変動を抑えるようになっている。
【0003】
従来、この種の斜板式ピストンポンプとして、負荷圧に応動する制御ピン(制御ピストン、傾転アクチュエータ)を備え、この制御ピンによって斜板を傾転させるものがある(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−3853号公報
【特許文献2】特開2002−202063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ミニショベル等の作業機にあっては、空調装置(エアコン)が搭載され、この空調装置に備えられるコンプレッサがエンジンによって駆動される場合に、エンジンの動力が消費される要素が増えるため、この空調装置の作動に応じて斜板を傾転させる制御ピンを備える必要があり、制御ピンの本数が増えることによって斜板式ピストンポンプの大型化を招くという問題点があった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の負荷圧に応動する斜板式ピストンポンプの大型化を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、負荷圧に応じて吐出容量が変えられる斜板式ピストンポンプであって、複数のピストンと、このピストンを収容する複数のシリンダを有し、回転するシリンダブロックと、このシリンダブロックの回転に伴ってシリンダの容積室を拡縮するようにピストンを往復動させる斜板と、この斜板を傾転角が大きくなる方向に付勢する付勢手段と、容積室に給排される作動流体を導く通路が設けられるポートブロックと、このポートブロックから突出されるガイド部材と、このガイド部材に摺動可能に支持されて第一の負荷圧に応じて斜板を傾転角が小さくなる方向に駆動する第一制御ピンと、ガイド部材に摺動可能に支持されて第二の負荷圧に応じて斜板を傾転角が小さくなる方向に駆動する第二制御ピンと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第一制御ピンと第二制御ピンが、付勢手段の付勢力と釣り合う位置に斜板を傾転させることにより、第一の負荷圧と第二の負荷圧に応じてピストンポンプを駆動する動力が制御される。ポートブロックから突出されるガイド部材によって第一制御ピンと第二制御ピンがそれぞれ摺動可能に支持されるため、ポートブロックの厚さを小さくし、かつ、第一制御ピンと第二制御ピンをそれぞれ駆動する作動流体圧を導く通路をポートブロックに形成できる。これにより、複数の負荷圧に応じてピストンポンプの消費動力を制御することと、ピストンポンプの大型化を抑えることとが両立される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態を示すピストンポンプの断面図である。
【図2】図1の一部を拡大した断面図である。
【図3】(A)、(B)は、傾転アクチュエータの動作を示す断面図である。
【図4】ピストンポンプの吐出圧と吐出流量の関係を示す特性図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示すピストンポンプの断面図である。
【図6】図5の一部を拡大した断面図である。
【図7】(A)、(B)は、傾転アクチュエータの動作を示す断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態を示すピストンポンプの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1に示すポンプユニット100は、例えばミニショベル等の作業機に搭載され、図示しないエンジンによって駆動されるものである。この作業機には、図示しない空調装置(エアコン)が搭載されており、この空調装置に備えられるコンプレッサが同じくエンジンによって駆動される。
【0012】
エンジンの動力が消費される要素として、メインのピストンポンプ1と、サブのピストンポンプ80と、空調装置に備えられるコンプレッサとがある。後述するように、メインのピストンポンプ1は、これらの消費動力の変化に応じて、その吐出容量(押しのけ容積)が変えられることにより、消費動力の合計値が略一定に保たれるようになっている。
【0013】
ポンプユニット100は、メインの斜板式ピストンポンプ1と、サブの斜板式ピストンポンプ80とが回転軸O上に並んで設けられる。
【0014】
サブのピストンポンプ80は、二連式のものであり、シリンダブロック83と、このシリンダブロック83に対して往復動する複数の大小ピストン88、89と、この大小ピストン88、89が追従する斜板84とが、ケーシング81に収容される。このシリンダブロック83は、シャフト5を介してエンジンから回転が伝達される。シリンダブロック83が回転するのに伴って、シリンダブロック83に対して大小ピストン88、89が往復動することによって、図示しないタンクからの作動流体(作動油)が図示しない配管を介して吸込ポート95から大小ピストン88、89によって画成される大小容積室91、92に吸込まれる一方、大容積室91から吐出ポート93へと吐出される作動流体が図示しない配管を介して流体圧アクチュエータ(油圧シリンダ、油圧モータ)へと導かれ、小容積室92から吐出ポート94へと吐出される作動流体がパイロット圧として後述する第二圧力室44へと導かれる。
【0015】
一方、メインのピストンポンプ1は、シリンダブロック3と、このシリンダブロック3に対して往復動する複数のピストン8と、このピストン8が追従する斜板4とがケーシング2に収容される。このシリンダブロック3は、シャフト5を介してエンジンから回転が伝達される。シリンダブロック3が回転するのに伴って、シリンダブロック3に対してピストン8が往復動することによって、図示しないタンクからの作動流体が図示しない配管を介してピストン8によって画成される容積室7に吸込まれる一方、容積室7から吐出ポートへと吐出される作動流体が図示しない配管を介して流体圧アクチュエータ(油圧シリンダ、油圧モータ)へと導かれる。
【0016】
以下、メインのピストンポンプ1の構成について説明する。
【0017】
ケーシング2として、ブロック状のポートブロック50と、有底筒状のポンプケース70とが設けられ、これらの内側にシリンダブロック3および斜板4が収容される。ポンプケース70はポートブロック50に図示しない複数のボルトを介して締結される。
【0018】
シリンダブロック3は、シャフト5を介して回転駆動される。シャフト5は、ポンプケース70から外部へ突出され、その一端に動力源として設けられるエンジンから回転が伝達される。シャフト5は、ケーシング81にベアリング10を介して支持され、ポートブロック50にベアリング12を介して支持され、ポンプケース70にベアリング11を介して支持される。
【0019】
シリンダブロック3には、複数本のシリンダ6がシリンダブロック3の回転軸Oと略平行に、かつその回転軸Oを中心とする略同一円周上に一定の間隔を持って並んで配置される。
【0020】
シリンダ6には、ピストン8がそれぞれ摺動可能に挿入され、シリンダ6とピストン8との間に容積室7が画成される。ピストン8はシリンダブロック3から突出され、その一端が斜板4に接するシュー9を介して支持される。シリンダブロック3が回転すると、各ピストン8が斜板4に追従して往復動し、容積室7を拡縮させる。
【0021】
ポートブロック50には、シリンダブロック3が摺接するポートプレート15が設けられ、このポートプレート15に各容積室7に連通する図示しない吸込ポートと吐出ポートが形成される。
【0022】
ピストンポンプ1は、シリンダブロック3の1回転につき、各ピストン8がシリンダ6を1回往復動する。シリンダブロック3が回転するのに伴って、シリンダ6の容積室7が拡張する吸込行程では、図示しないタンクからの作動流体が、図示しない配管とポートブロック50内の通路を介して吸込ポートから各容積室7に吸込まれる。一方、シリンダ6の容積室7が収縮する吐出行程では、各容積室7から吐出ポートへと吐出される作動流体が、図示しないポートブロック50内の通路と配管を介して流体圧アクチュエータへと導かれる。ポートブロック50には、作動流体を容積室7に給排する通路(図示せず)が形成される。
【0023】
ピストンポンプ1の吐出容量を可変にするため、斜板4は、軸受13を介してポンプケース70に傾転可能に支持される。
【0024】
軸受13は、ポンプケース70に設けられる。ポンプケース70は、軸受13が取り付けられる底部70Aと、シリンダブロック3等を包囲する筒状の側壁部70Bとを有する。ポンプケース70は、例えばアルミ材等を用いてダイキャストによって形成される。
【0025】
斜板4を傾転角が大きくなる方向に付勢する付勢手段として、ポートブロック50と斜板4との間には、第一、第二傾転スプリング21、22が介装される。
【0026】
コイル状の第一、第二傾転スプリング21、22は、ポートブロック50に取り付けられるリテーナ23と、斜板4に取り付けられるリテーナ24の間に介装される。リテーナ23は、作動流体圧によって変位可能に設けられ、アジャスタ25を介して初期位置が調整される。
【0027】
第一、第二傾転スプリング21、22は、線材の巻径が異なり、巻径の大きい第一傾転スプリング21の内側に巻径の小さい第二傾転スプリング22が配置される。図1のように斜板4の傾転角が最大になった状態で、巻径の大きい第一傾転スプリング21は、リテーナ23、24の間に圧縮された状態で介装される一方、巻径の小さい第二傾転スプリング22は、その一端がリテーナ24から離れた状態で介装されている。これにより、斜板4が所定角度を超えて傾転するのに伴って第二傾転スプリング22の両端がリテーナ23、24に当接して圧縮され、斜板4に付与される第一、第二傾転スプリング21、22のバネ力が段階的に高まる。
【0028】
ピストンポンプ1の吐出容量を制御するため、斜板4の揺動中心軸Sがシリンダブロック3の回転軸Oに対して第一、第二傾転スプリング21、22寄りにオフセットされる。ピストンポンプ1の吐出圧が高まるのに伴って、斜板4が各ピストン8から受ける反力が高まり、斜板4が第一、第二傾転スプリング21、22に抗して傾転角が小さくなる方向に駆動される。
【0029】
ピストンポンプ1の吐出容量を制御するため、さらに、第一、第二傾転スプリング21、22のバネ力に抗して斜板4を押す傾転アクチュエータ30を備える。この傾転アクチュエータ30は、サブのピストンポンプ80の吐出圧が第一の負荷圧として導かれる第一制御ピン31と、空調装置の作動時にパイロット圧が第二の負荷圧として導かれる第二制御ピン32と、を備える。
【0030】
図2に示すように、傾転アクチュエータ30は、ポートブロック50から突出されるガイド部材として、インナーガイドシリンダ41とアウターガイドシリンダ42とが同軸上に並んで設けられる。
【0031】
インナーガイドシリンダ41は、つば付き円柱状に形成され、ポートブロック50に形成された取付穴51のネジ部に螺合して取り付けられる。
【0032】
アウターガイドシリンダ42は、直円筒状に形成され、ポートブロック50に形成された取付穴52に圧入して取り付けられる。
【0033】
第一制御ピン31は、直円筒状に形成され、インナーガイドシリンダ41とアウターガイドシリンダ42の間に摺動可能に挿入される。
【0034】
第二制御ピン32は、有底円筒状に形成され、アウターガイドシリンダ42の外側に摺動可能に嵌合される。
【0035】
第二制御ピン32は、球面状の先端部32Bを有し、この先端部32Bが斜板4に取り付けられるフォロア72に当接し、このフォロア72を介して斜板4を押すようになっている。
【0036】
このように、ポートブロック50から突出されるインナーガイドシリンダ41とアウターガイドシリンダ42によって第一制御ピン31と第二制御ピン32がそれぞれ摺動可能に支持されるため、ポートブロック50の厚さを小さくし、ケーシング2の構造を簡素化できる。
【0037】
第一制御ピン31と第二制御ピン32とが同軸上に並んで設けられることにより、従来の第一制御ピンと第二制御ピンが並列に配置される異なる軸上に設けられる構造に比べて、第一制御ピン31と第二制御ピン32を収容するスペースが小さくて済み、ポンプケース70が小型化される。このため、ポンプユニット100を作業機の限られたスペースに搭載できる。
【0038】
ポートブロック50には、インナーガイドシリンダ41の取付穴51と、アウターガイドシリンダ42の取付穴52とが、それぞれ機械加工によって形成される。ブロック状のポートブロック50は、ポンプケース70が組み付けられる前の状態にて、斜板4に対向する部位が開放されているため、取付穴51、52をそれぞれ機械加工によって形成することが可能となる。
【0039】
傾転アクチュエータ30は、第一制御ピン31に第一の負荷圧を導く第一圧力室43と、第二制御ピン32に第二の負荷圧を導く第二圧力室44と、を備える。
【0040】
第一圧力室43は、ポートブロック50の取付穴52とインナーガイドシリンダ41とアウターガイドシリンダ42と第一制御ピン31との間に画成される。第一制御ピン31の環状端面が第一圧力室43に面する受圧面31Aとなる。
【0041】
第一圧力室43には、サブのピストンポンプ80の吐出圧が吐出ポート93からポートブロック50の通孔45を介して導かれる。第一制御ピン31は、その受圧面31Aに受けるピストンポンプ80の吐出圧が高まるのに伴って図にて右方向に移動する。
【0042】
第二圧力室44は、インナーガイドシリンダ41と第一制御ピン31と第二制御ピン32との間に画成される。第二制御ピン32は、その底面のうち第一制御ピン31に囲まれる部位が第二圧力室44に面する受圧面32Aとなる。
【0043】
取付穴51の奥部には、通孔46が開口し、この通孔46を介してパイロット圧が導かれる。インナーガイドシリンダ41には、これを軸方向に貫通する通孔47が形成され、パイロット圧が取付穴51の奥部から通孔47を介して第二圧力室44に導かれる。第二制御ピン32は、その受圧面32Aに受けるパイロット圧が高まるのに伴って図にて右方向に移動する。
【0044】
第二圧力室44に連通する通孔46は、図示しない配管を介して図示しないサブのピストンポンプ80の吐出ポート94に連通され、この配管には図示しない切り換えバルブが介装される。この切り換えバルブは、空調装置の作動時にピストンポンプ80の吐出圧をパイロット圧として第二圧力室44に導き、空調装置の作動停止時にタンク圧をパイロット圧として第二圧力室44に導く。
【0045】
このように、ポートブロック50に形成される通孔45、46は、第一制御ピン31と第二制御ピン32をそれぞれ駆動する負荷圧(信号圧)を導く通路を構成する。これらの通路を構成する通孔45、46と取付穴51、52を形成する機械加工が、ポートブロック50に集中して行われることにより、製品のコストダウンがはかれる。
【0046】
斜板4は、第一、第二傾転スプリング21、22のバネ力に対して各ピストン8の反力と第一制御ピン31の推力と第二制御ピン32との推力が釣り合う傾転角度に保持される。
【0047】
図3の(A)は、斜板4の傾転角が最大値θmaxとなる最大傾転時の状態を示す断面図である。この最大傾転時に、第一制御ピン31と第二制御ピン32が図にて左方向に位置し、第二制御ピン32の底面(受圧面32A)がアウターガイドシリンダ42の端面42Aに当接している。
【0048】
第一圧力室43、第二圧力室44に導かれる負荷圧がそれぞれ高まるのに伴って、第一制御ピン31と第二制御ピン32が一緒に図にて右方向に移動し、斜板4に取り付けられるフォロア72を介して斜板4を傾転角が小さくなる方向に駆動する。
【0049】
図3の(B)は、斜板4の傾転角が最小値θminとなる最小傾転時の状態を示す断面図である。この最小傾転時に、斜板4の背面がポンプケース70に取り付けられたフォロア72に当接している。
【0050】
図4は、ピストンポンプ1の吐出圧(負荷圧)と吐出流量(押しのけ容積)の関係を示す特性図である。図4において、目標特性(1)は、メインのピストンポンプ1を駆動するエンジンの出力が一定値となる双曲線であり、ピストンポンプ1の吐出圧と吐出流量の積が一定となるように設定されている。実際の設定特性(2)は、この目標特性(1)に近似して設定されるもので、線分ABと、線分BCとで構成される。点Aでは斜板4の傾転角が最大となり、点Aから点Bの間では第一傾転スプリング21のみが斜板4を介して圧縮される。点Bから点Cの間では第一、第二傾転スプリング21、22の両方が圧縮される。すなわち、線分ABの特性は、第一傾転スプリング21のみのバネ力によって定まり、線分BCの特性は、第一、第二傾転スプリング21、22のバネ力を合わせた力によって定まる。ピストンポンプ1の吐出圧に応じて作動するメイン制御ピンが、第一、第二傾転スプリング21、22のバネ力と釣り合う位置に斜板4を傾転させることにより、ピストンポンプ1を駆動する動力が略一定となるように制御される。
【0051】
図4において、目標特性(3)は、メインのピストンポンプ1とサブのピストンポンプ80をそれぞれ駆動するエンジンの出力が一定値となる双曲線であり、ピストンポンプ1の吐出圧と吐出流量の積が上記の目標特性(1)に比べてサブのピストンポンプ80の負荷分だけ小さくなるように設定されている。実際の設定特性(4)は、この目標特性(3)に近似して設定されるもので、線分DEと、線分EFとで構成される。点Dでは斜板4の傾転角が最大となり、点Dから点E間では第一傾転スプリング21のみが斜板4を介して圧縮される。点Eから点Fの間では第一、第二傾転スプリング21、22の両方が圧縮される。サブのピストンポンプ80の吐出圧が高まるのに伴って、サブのピストンポンプ80の吐出圧に応動する第一制御ピン31が第二制御ピン32を介して斜板4を押し、第一、第二傾転スプリング21、22のバネ力と釣り合う位置に斜板4を傾転させることにより、上記の設定特性(2)から設定特性(4)に切り換えられる。この設定特性(4)に切り換えられた状態においても、メインのピストンポンプ1の吐出圧に応じて作動するメイン制御ピンが、第一、第二傾転スプリング21、22のバネ力と釣り合う位置に斜板4を傾転させることにより、ピストンポンプ1とピストンポンプ80をそれぞれ駆動する動力が略一定となるように制御される。
【0052】
図4において、目標特性(5)は、メインのピストンポンプ1とサブのピストンポンプ80と空調装置のコンプレッサ(図示せず)をそれぞれ駆動するエンジンの出力が一定値となる双曲線であり、ピストンポンプ1の吐出圧と吐出流量の積が上記の目標特性(1)に比べてサブのピストンポンプ80の負荷分と空調装置のコンプレッサの負荷分との合計値だけ小さくなるように設定されている。実際の設定特性(6)は、この目標特性(5)に近似して設定されるもので、線分GHと、線分HIとで構成される。点Gでは斜板4の傾転角が最大となり、点Gから点Hの間では第一傾転スプリング21のみが斜板4を介して圧縮される。点Hから点Iの間では第一、第二傾転スプリング21、22の両方が圧縮される。サブのピストンポンプ80の吐出圧に応じて作動する第一制御ピン31と、パイロット圧に応じて作動する第二制御ピン32とが、第一、第二傾転スプリング21、22のバネ力と釣り合う位置に斜板4を傾転させることにより、上記の設定特性(2)から設定特性(6)に切り換えられる。この設定特性(6)に切り換えられた状態においても、メインのピストンポンプ1の吐出圧に応じて作動するメイン制御ピンが、第一、第二傾転スプリング21、22のバネ力と釣り合う位置に斜板4を傾転させることにより、ピストンポンプ1とピストンポンプ80と空調装置のコンプレッサとをそれぞれ駆動する動力が略一定となるように制御される。
【0053】
以上のように、メインのピストンポンプ1、サブのピストンポンプ80、空調装置に備えられるコンプレッサの負荷変動に応じて、これらの消費動力が略一定に保たれるように、メインのピストンポンプ1の吐出容量が変えられ、エンジンの回転変動を抑えられる。
【0054】
(第2実施形態)
次に図5〜7に示す第2実施形態を説明する。これは図1〜4の第1実施形態と基本的に同じ構成を有し、相違する部分のみを説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
【0055】
図5、6に示すように、傾転アクチュエータ60は、サブのピストンポンプ80の吐出圧が第一の負荷圧として導かれる第一制御ピン64と、空調装置の作動時にパイロット圧が第二の負荷圧として導かれる第二制御ピン63と、を備える。
【0056】
第一制御ピン64は、互いに外径が異なる円柱状の小径ピン部61と大径ピン部62を有する。小径ピン部61の外径が、大径ピン部62の外径より小さく形成される。
【0057】
第一制御ピン64は、小径ピン部61と大径ピン部62が同軸上に延び、互いに一体形成される。
【0058】
なお、第一制御ピン64は、小径ピン部61と大径ピン部62は、互いに別体で形成され、両者が結合手段を介して結合される構成としてもよい。
【0059】
第二制御ピン63は、有底円筒状に形成され、大径ピン部62の先端部に結合される。
【0060】
傾転アクチュエータ60は、ポートブロック59から突出されるガイド部材として、ガイドシリンダ69が設けられる。
【0061】
ガイドシリンダ69は、段付き円柱状に形成され、ポートブロック59に形成された取付穴55に圧入して取り付けられる。
【0062】
ガイドシリンダ69は、取付穴55に圧入されるシリンダ大径部69Aと、このシリンダ大径部69Aから環状段部69Bをもって延びるシリンダ小径部69Cと、シリンダ大径部69Aからシリンダ小径部69Cに渡って貫通するガイド穴69Dと、を有する。
【0063】
ポートブロック59には、ガイドシリンダ69が圧入される取付穴55と、この取付穴55と同軸上に開口する小径穴としてシリンダ部54とが形成される。ポートブロック59は、ポンプケース70が組み付けられる前の状態にて、斜板4に対向する部位が開放されているため、取付穴55とシリンダ部54をそれぞれ機械加工によって形成することが可能となる。
【0064】
ポートブロック59のシリンダ部54に小径ピン部61が摺動可能に挿入される。シリンダ部54と小径ピン部61との間には、第一圧力室73が画成される。小径ピン部61の端面が第一圧力室73に面する受圧面61Aとなる。
【0065】
シリンダ部54の奥部には、通孔65が開口し、この通孔65を介してサブのピストンポンプ80の吐出圧が第一圧力室73に導かれる。第一制御ピン64は、その受圧面61Aに受けるピストンポンプ80の吐出圧が高まるのに伴って図にて右方向に移動する。
【0066】
ガイドシリンダ69のガイド穴69Dに大径ピン部62が摺動可能に挿入される。大径ピン部62は、Oリング77を介してガイドシリンダ69のガイド穴69D挿入され、円滑に摺動するようになっている。
【0067】
ポートブロック59の取付穴55と大径ピン部62との間には、中継圧力室74が画成される。第一制御ピン64には、中継圧力室74に面する受圧面62Dが形成される。この受圧面62Dは、小径ピン部61と大径ピン部62の間に環状段部として形成される。受圧面62Dが取付穴55の底面に当接することによって、第一制御ピン64の変位が規制される。
【0068】
取付穴55の奥部には、通孔66が開口し、この通孔66を介してパイロット圧が中継圧力室74に導かれる。大径ピン部62は、その受圧面62Dに受けるパイロット圧が高まるのに伴って図にて右方向に移動する。
【0069】
このように、ポートブロック59に形成される通孔65、66は、第一制御ピン64と第二制御ピン63をそれぞれ駆動する負荷圧(信号圧)を導く通路を構成する。これらの通路を構成する通孔65、66と取付穴55とシリンダ部54を形成する機械加工が、ポートブロック59に集中して行われることにより、製品のコストダウンがはかれる。
【0070】
第二制御ピン63は、大径ピン部62の先端部に嵌合する小径穴63Aと、ガイドシリンダ69のシリンダ小径部69Cの外側に摺動可能に嵌合する大径穴63Bと、球面状の先端部63Cを有する。第二制御ピン63は、先端部63Cが斜板4に取り付けられるフォロア72に当接し、このフォロア72を介して斜板4を押すようになっている。
【0071】
大径ピン部62の先端部は、Oリング76を介して第二制御ピン63の小径穴63Aに嵌合する。Oリング76が設けられることにより、第二制御ピン63の大径穴63Bとガイドシリンダ69のシリンダ小径部69Cとの同軸度が確保され、第二制御ピン63が円滑に摺動するようになっている。
【0072】
ガイドシリンダ69の先端面と第二制御ピン63と大径ピン部62の間には、第二圧力室75が画成される。第二制御ピン63の環状段部が第二圧力室75に面する受圧面63Dとなる。
【0073】
中継圧力室74は、第一制御ピン64のまわりに画成されている。第一制御ピン64には、中継圧力室74と第二圧力室75とを連通する連通路67が設けられる。連通路67は、大径ピン部62の軸方向に延びる通孔67Aと、大径ピン部62の径方向に延びる通孔67B、67Cによって構成される。通孔67Aの開口端は、栓体78によって塞がれる。大径ピン部62の端部側には大径ピン小径部62Aが形成され、この大径ピン小径部62Aに通孔67Bが開口される。
【0074】
第二圧力室75には、連通路67を介して中継圧力室74からパイロット圧がに導かれる。第二制御ピン63は、その受圧面63Dに受けるパイロット圧が高まるのに伴って図にて右方向に移動する。
【0075】
第二制御ピン63にパイロット圧が導かれる受圧面63Dを設けることにより、パイロット圧によって斜板4を押す推力が確保される。
【0076】
斜板4は、第一、第二傾転スプリング21、22のバネ力に対して各ピストン8の反力と第一制御ピン64の推力と第二制御ピン63との推力が釣り合う傾転角度に保持される。
【0077】
図7の(A)は、斜板4の傾転角が最大値θmaxとなる最大傾転時の状態を示す断面図である。この最大傾転時に、第一制御ピン64と第二制御ピン63とが図にて左方向に位置し、大径ピン部62の受圧面62Dが取付穴55の底面に当接している。
【0078】
第一圧力室73、中継圧力室74及び第二圧力室75に導かれる負荷圧がそれぞれ高まるのに伴って、第一制御ピン64と第二制御ピン63が一緒に図にて右方向に移動し、斜板4に取り付けられるフォロア72を介して斜板4を傾転角が小さくなる方向に駆動する。
【0079】
図7の(B)は、斜板4の傾転角が最小値θminとなる最小傾転時の状態を示す断面図である。この最小傾転時に、斜板4の背面がポンプケース70に取り付けられたフォロア72に当接している。
【0080】
以上のように、メインのピストンポンプ1、サブのピストンポンプ80、空調装置に備えられるコンプレッサの負荷変動に応じて、これらの消費動力が略一定に保たれるように、メインのピストンポンプ1の吐出容量が変えられ、エンジンの回転変動を抑えられる(図4参照)。
【0081】
(第3実施形態)
次に図8に示す第3実施形態を説明する。これは図1〜4の第1実施形態と基本的に同じ構成を有し、相違する部分のみを説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
【0082】
傾転アクチュエータ160は、サブのピストンポンプ80の吐出圧が第一の負荷圧として導かれる第一制御ピン164と、空調装置の作動時にパイロット圧が第二の負荷圧として導かれる第二制御ピン163と、を備える。
【0083】
傾転アクチュエータ160は、ポートブロック150から突出されるガイド部材として、ガイドシリンダ169が設けられる。
【0084】
ガイドシリンダ169は、段付き円柱状に形成され、ポートブロック150に形成された取付穴155に圧入して取り付けられる。
【0085】
ガイドシリンダ169は、取付穴155に圧入されるシリンダ大径部169Aと、このシリンダ大径部169Aから環状段部169Bをもって延びるシリンダ小径部169Cと、シリンダ大径部169Aからシリンダ小径部169Cに渡って貫通するガイド穴169Dと、を有する。
【0086】
ポートブロック150には、ガイドシリンダ169が圧入される取付穴155と、この取付穴155と同軸上に開口する小径穴としてシリンダ部154とが形成される。
【0087】
ポートブロック150のシリンダ部154に第一制御ピン164が摺動可能に挿入される。シリンダ部154と第一制御ピン164との間には、第一圧力室173が画成される。第一制御ピン164の端面が第一圧力室173に面する受圧面161Aとなる。
【0088】
シリンダ部154の奥部には、通孔165が開口し、この通孔165を介してサブのピストンポンプ80の吐出圧が第一圧力室173に導かれる。第一制御ピン164は、その受圧面161Aに受けるピストンポンプ80の吐出圧が高まるのに伴って図にて右方向に移動する。
【0089】
ガイドシリンダ169のガイド穴169Dに第一制御ピン164が摺動可能に挿入される。第一制御ピン164は、Oリング177を介してガイドシリンダ169のガイド穴169D挿入され、円滑に摺動するようになっている。
【0090】
ポートブロック150の取付穴155と第一制御ピン164との間には、中継圧力室174が画成される。取付穴155の奥部には、通孔166が開口し、この通孔166を介してパイロット圧が中継圧力室174に導かれる。
【0091】
第二制御ピン163は、第一制御ピン164の先端部に嵌合する小径穴163Aと、ガイドシリンダ169のシリンダ小径部169Cの外側に摺動可能に嵌合する大径穴163Bと、球面状の先端部163Cを有する。第二制御ピン163は、先端部163Cが斜板4に取り付けられるフォロア72に当接し、このフォロア72を介して斜板4を押すようになっている。
【0092】
第一制御ピン164の先端部は、Oリング176を介して第二制御ピン163の小径穴163Aに摺動可能に嵌合する。Oリング176が設けられることにより、第二制御ピン163の大径穴163Bとガイドシリンダ169のシリンダ小径部169Cとの同軸度が確保され、第二制御ピン163が円滑に摺動するようになっている。
【0093】
ガイドシリンダ169の先端面と第二制御ピン163と第一制御ピン164の間には、第二圧力室175が画成される。第二制御ピン163の環状段部が第二圧力室175に面する受圧面163Dとなる。
【0094】
第一制御ピン164の先端面と第二制御ピン163の底面の間には、第三圧力室179が画成される。第二制御ピン163の底面が第三圧力室179に面する受圧面163Eとなる。
【0095】
第一制御ピン164には、中継圧力室174と第二圧力室175と第三圧力室179とを連通する連通路167が設けられる。連通路167は、の軸方向に延びる通孔167Aと、の径方向に延びる通孔167B、167Cによって構成される。
【0096】
第二圧力室175と第三圧力室179には、連通路167を介して中継圧力室174からパイロット圧に導かれる。第二制御ピン163は、その受圧面163D、163Eに受けるパイロット圧が高まるのに伴って図にて右方向に移動する。
【0097】
第二制御ピン163にパイロット圧が導かれる環状の受圧面163Dが設けられるとともに、パイロット圧が導かれる円形の受圧面163Eが設けられることにより、パイロット圧によって斜板4を押す推力が確保される。
【0098】
斜板4は、第一、第二傾転スプリング21、22のバネ力に対して各ピストン8の反力と第一制御ピン164の推力と第二制御ピン163との推力が釣り合う傾転角度に保持される。
【0099】
以下、本発明の要旨と作用、効果を説明する。
【0100】
(ア)負荷圧に応じて吐出容量が変えられる斜板式ピストンポンプ1であって、複数のピストン8と、このピストン8を収容する複数のシリンダ6を有し、回転するシリンダブロック3と、このシリンダブロック3の回転に伴ってシリンダ6の容積室7を拡縮するようにピストン8を往復動させる斜板4と、この斜板4を傾転角が大きくなる方向に付勢する付勢手段(第一、第二傾転スプリング21、22)と、容積室7に給排される作動流体を導く通路が設けられるポートブロック50と、このポートブロック50から突出されるガイド部材(インナーガイドシリンダ41、アウターガイドシリンダ42、ガイドシリンダ69)と、このガイド部材に摺動可能に支持されて第一の負荷圧(ピストンポンプ80の吐出圧)に応じて斜板4を傾転角が小さくなる方向に駆動する第一制御ピン31、64と、ガイド部材に摺動可能に支持されて第二の負荷圧(パイロット圧)に応じて斜板4を傾転角が小さくなる方向に駆動する第二制御ピン32、63と、を備える構成とした(図1〜7参照)。
【0101】
上記構成に基づき、第一制御ピン31、64と第二制御ピン32、63が、付勢手段(第一、第二傾転スプリング21、22)の力と釣り合う位置に斜板4を傾転させることにより、第一の負荷圧と第二の負荷圧に応じてピストンポンプ1を駆動する動力が制御される。ポートブロック50から突出されるガイド部材によって第一制御ピン31、64と第二制御ピン32、63がそれぞれ摺動可能に支持されるため、ポートブロック50の厚さを小さくし、かつ、第一制御ピン31、64と第二制御ピン32、63をそれぞれ駆動する作動流体圧を導く通路(通孔45、46)をポートブロック50に形成できる。これにより、複数の負荷圧に応じてピストンポンプ1の消費動力を制御することと、ピストンポンプ1の大型化を抑えることとが両立される。
【0102】
(イ)第一制御ピン31、64は第二制御ピン32、63の内側に摺動可能に設けられ、第一制御ピン31、64は第二制御ピン32、63を介して斜板4を駆動する構成とした(図1〜7参照)。
【0103】
上記構成に基づき、第一制御ピン31、64が第二制御ピン32、63の内側に配置されることにより、これらによって構成される傾転アクチュエータ30、60の小型化がはかれ、ピストンポンプ1の大型化を抑えられる。
【0104】
(ウ)ガイド部材として、ポートブロック50に同軸上に設けられるインナーガイドシリンダ41とアウターガイドシリンダ42とを備え、第一制御ピン31は、インナーガイドシリンダ41とアウターガイドシリンダ42の間に摺動可能に挿入される直円筒状に形成され、第二制御ピン32は、アウターガイドシリンダ42の外側に摺動可能に嵌合される有底円筒状に形成され、インナーガイドシリンダ41とアウターガイドシリンダ42との間に第一の負荷圧を第一制御ピン31の受圧面31Aに導く第一圧力室43が画成され、インナーガイドシリンダ41の内側に第二の負荷圧を第二制御ピン32の受圧面32Aに導く第二圧力室44が画成される構成とした(図1〜3参照)。
【0105】
上記構成に基づき、インナーガイドシリンダ41とアウターガイドシリンダ42とが同軸上に並んで設けられるとともに、第一制御ピン31と第二制御ピン32とがアウターガイドシリンダ42を挟んで同軸上に並んで設けられるため、これらによって構成される傾転アクチュエータ30の小型化がはかれる。
【0106】
(エ)ガイド部材として、ポートブロック50から突出されるガイドシリンダ69を備え、このガイドシリンダ69の内側に第一制御ピン64が摺動可能に挿入され、ガイドシリンダ69の外側に第二制御ピン63が摺動可能に嵌合され、ガイドシリンダ69と第一制御ピン64と第二制御ピン63の間に第二の負荷圧を第二制御ピン63の受圧面63Dに導く第二圧力室75が画成される構成とした(図5〜7参照)。
【0107】
上記構成に基づき、第二制御ピン63が第一制御ピン64とガイドシリンダ69を挟んで同軸上に並んで設けられるため、これらによって構成される傾転アクチュエータ60の小型化がはかれる。
【0108】
(オ)第一制御ピン64のまわりに第二の負荷圧が導かれる中継圧力室74が画成され、第一制御ピン64に、中継圧力室74と第二圧力室75とを連通する連通路67が形成される構成とした(図5〜7参照)。
【0109】
上記構成に基づき、第二の負荷圧が第一制御ピン64内の連通路67を通して導かれ、傾転アクチュエータ60の小型化がはかれる。
【0110】
第一制御ピン64は、外径の異なる小径ピン部61と大径ピン部62を有し、この小径ピン部61と大径ピン部62の間に中継圧力室74に面する受圧面62Dが形成される構成とした(図5〜7参照)。
【0111】
上記構成に基づき、第二の負荷圧が第一制御ピン64の受圧面62Dに導かれるため、第二の負荷圧によって斜板4に付与する推力が確保される十分な駆動力が得られる。
【0112】
ガイド部材として、ポートブロック150から突出されるガイドシリンダ169を備え、このガイドシリンダ169の内側に第一制御ピン164が摺動可能に挿入され、ガイドシリンダ169の外側に有底筒状の第二制御ピン163が摺動可能に嵌合され、ガイドシリンダ169と第一制御ピン164と第二制御ピン163の間に第二の負荷圧を第二制御ピン163の受圧面163Dに導く第二圧力室175が画成され、 第一制御ピン164の先端面と第二制御ピン163の底面の間に、第二の負荷圧を第二制御ピン163の受圧面163Eに導く第三圧力室179が画成される構成とした(図8参照)。
【0113】
上記構成に基づき、第二の負荷圧が第二制御ピン163の受圧面163Dと受圧面163Eにそれぞれ導かれるため、第二の負荷圧によって斜板4に付与する推力が確保される十分な駆動力が得られる。
【0114】
なお、前記実施形態において、ピストンポンプ1は、各容積室7にて加圧された作動流体が一つの吐出ポートから吐出される一連式(1フロータイプ)のものであったが、これに限らず、各容積室にて加圧された作動流体が二つ以上の吐出ポートから吐出される多連式のものとしてもよい。
【0115】
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【符号の説明】
【0116】
1 ピストンポンプ
2 ケーシング
3 シリンダブロック
4 斜板
6 シリンダ
8 ピストン
13 軸受
21、22 第一、第二傾転スプリング(付勢手段)
41 インナーガイドシリンダ(ガイド部材)
42 アウターガイドシリンダ(ガイド部材)
43、44 第一、第二制御ピン
50 ポートブロック
64、63 第一、第二制御ピン
69 ガイドシリンダ(ガイド部材)
73、75 第一、第二圧力室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷圧に応じて吐出容量が変えられる斜板式ピストンポンプであって、
複数のピストンと、
前記ピストンを収容する複数のシリンダを有し、回転するシリンダブロックと、
前記シリンダブロックの回転に伴って前記シリンダの容積室を拡縮するように前記ピストンを往復動させる斜板と、
前記斜板を傾転角が大きくなる方向に付勢する付勢手段と、
前記容積室に給排される作動流体を導く通路が設けられるポートブロックと、
前記ポートブロックから突出されるガイド部材と、
前記ガイド部材に摺動可能に支持されて第一の負荷圧に応じて前記斜板を傾転角が小さくなる方向に駆動する第一制御ピンと、
前記ガイド部材に摺動可能に支持されて第二の負荷圧に応じて前記斜板を傾転角が小さくなる方向に駆動する第二制御ピンと、を備えることを特徴とする斜板式ピストンポンプ。
【請求項2】
前記ガイド部材として、前記ポートブロックから同軸上に並んで突出されるインナーガイドシリンダとアウターガイドシリンダとを備え、
前記第一制御ピンは、前記インナーガイドシリンダと前記アウターガイドシリンダの間に摺動可能に挿入される直円筒状に形成され、
前記第二制御ピンは、前記アウターガイドシリンダの外側に摺動可能に嵌合される有底円筒状に形成され、
前記インナーガイドシリンダと前記アウターガイドシリンダとの間に前記第一の負荷圧を前記第一制御ピンの受圧面に導く第一圧力室が画成され、
前記インナーガイドシリンダの内側に前記第二の負荷圧を前記第二制御ピンの受圧面に導く第二圧力室が画成されることを特徴とする請求項1に記載の斜板式ピストンポンプ。
【請求項3】
前記ガイド部材として、前記ポートブロックから同軸上に設けられるインナーガイドシリンダとアウターガイドシリンダとを備え、
前記第一制御ピンは、前記インナーガイドシリンダと前記アウターガイドシリンダの間に摺動可能に挿入される直円筒状に形成され、
前記第二制御ピンは、前記アウターガイドシリンダの外側に摺動可能に嵌合される有底円筒状に形成され、
前記インナーガイドシリンダと前記アウターガイドシリンダとの間に前記第一の負荷圧を前記第一制御ピンの受圧面に導く第一圧力室が画成され、
前記インナーガイドシリンダの内側に前記第二の負荷圧を前記第二制御ピンの受圧面に導く第二圧力室が画成されることを特徴とする請求項1に記載の斜板式ピストンポンプ。
【請求項4】
前記ガイド部材として、前記ポートブロックから突出されるガイドシリンダを備え、
前記ガイドシリンダの内側に前記第一制御ピンが摺動可能に挿入され、
前記ガイドシリンダの外側に前記第二制御ピンが摺動可能に嵌合され、
前記ガイドシリンダと前記第一制御ピンと前記第二制御ピンの間に第二の負荷圧を前記第二制御ピンの受圧面に導く第二圧力室が画成されることを特徴とする請求項3に記載の斜板式ピストンポンプ。
【請求項5】
前記第一制御ピンのまわりに第二の負荷圧が導かれる中継圧力室が画成され、
前記第一制御ピンに、前記中継圧力室と前記第二圧力室とを連通する連通路が形成されることを特徴とする請求項4に記載の斜板式ピストンポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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