説明

断熱構造およびこれを備える飲料ディスペンサ

【課題】断熱性能が高く、しかもコスト安価な断熱構造およびこれを備える飲料ディスペンサを提供する。
【解決手段】第1断熱構造体10は、矩形状で且つ折り曲げ可能なシート状の真空断熱材1〜4を用いて形成されている。第1断熱構造体10は、矩形形状の底壁10aと、底壁10aの縁部の一辺から立ち上がった側壁1b,2b,3b,4bを持つ4つの真空断熱材1〜4を組み合わせて形成された収容空間41と、収容空間41の内側から外側に延びる排水管31を挿通するための挿通孔45とを備える。挿通孔45の縁部45aは、真空断熱材1〜4を組み合わせることにより、排水管31の周囲を全周に亘って取り囲むように形成されている。挿通孔45の周囲の少なくとも一部は、対応する真空断熱材1〜4同士を二重に重ねて形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、断熱構造およびこれを備える飲料ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
保温や保冷のために、断熱構造を有する容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。断熱構造を有する容器を備える装置として、ビールディスペンサが知られている(例えば、特許文献2,3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−212042号公報
【特許文献2】特開平7−125797号公報
【特許文献3】特開平7−280411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2や特許文献3のビールディスペンサは、容器としての水槽を備えており、この水槽の外側に断熱材が配置されている。水槽の内側には、飲料を運ぶ飲料管と、低温の冷媒が通過する冷媒管とが配置されているとともに、水が溜められており、飲料管および冷媒管が水に浸かっている。冷媒管を通過する冷媒によって水が冷やされ、これにより、飲料管内の飲料が冷やされる。容器の下方には、冷媒を圧縮する圧縮機等の発熱源が配置されている。この発熱源の熱が容器に伝わらないように、この容器の底および周囲は、通常、発泡ウレタン等の断熱材で囲われている。また、水槽の底には、飲料ディスペンサのメンテナンス時等に水を抜くためのドレン管が接続されるようになっている。ドレン管は、断熱材を貫通して下方(圧縮機側)に延びる。
【0005】
ところで、断熱材として、断熱性能に優れた真空断熱材が知られている。真空断熱材は、例えば、特許文献1に記載されているように、芯材と、芯材を覆うガスバリア性フィルムからなる。フィルムによって形成された空間内は略真空状態に保たれており、この真空雰囲気下に芯材が配置されている。芯材は、例えば無機繊維質集合体である。
前述の発泡ウレタンに代えて、断熱性に優れた真空断熱材を用いて、水槽の周囲を断熱することが考えられる。
【0006】
ここで、容器の底にはドレン管等の部材が接続されているので、断熱材には、この部材を通す孔を設ける必要がある。そこで、特許文献2や特許文献3に示されているように、断熱材を穿孔することで孔を形成し、形成した孔に部材を通す構成を、真空断熱材に適用することが考えられる。しかしながら、真空断熱材を穿孔すると、芯材が収容されている空間の気密性が失われてしまい、本来の断熱性能を発揮できない。一方、ドレン管を通すことのできる孔が予め形成された真空断熱材を用いることも考えられる。しかしながら、この場合、ドレン管の位置に対応する位置に孔が形成された、専用の真空断熱材を用意する必要があり、製造コストが高くなってしまう。
【0007】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、断熱性能が高く、しかもコスト安価な断熱構造およびこれを備える飲料ディスペンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、一対のラミネート材およびこれら一対のラミネート材間の減圧された空間に配置された芯材を有し、矩形状で且つ折り曲げ可能なシート状の真空断熱材を複数用いて形成される断熱構造において、矩形状の底壁と、底壁の縁部の一辺から立ち上がった側壁を持つ4つの真空断熱材を組み合わせて形成され、収容物を収容可能な収容空間と、上記収容空間の内側から外側に延びる延設部材を挿通するための挿通孔とを備え、上記挿通孔の縁部は、複数の真空断熱材を組み合わせることにより上記延設部材の周囲を全周に亘って取り囲むように形成されており、上記挿通孔の周囲の少なくとも一部は、上記真空断熱材を二重に重ねて形成されていることを特徴とする断熱構造である。
【0009】
この発明によれば、シート状の真空断熱材を用いて収容空間を形成している。真空断熱材を用いていることにより、収容空間を外部から断熱する効果に優れており、断熱構造の断熱効果を高くできる。しかも、真空断熱材を組み合わせて挿通孔を形成している結果、真空断熱材を穿孔することにより挿通孔を形成する場合と異なり、真空断熱材の内部の気密性が失われることがなく、高い断熱性能を実現することができる。さらに、挿通孔の周囲の少なくとも一部を二重にしていることにより、挿通孔の周囲の断熱性を十分に高くすることができる。しかも、シート状の真空断熱材を組み合わせる構造であるので、挿通孔の周囲の少なくとも一部を二重に重ねる構成を容易に実現することができる。また、挿通孔の縁部は、延設部材の周囲を全周に亘って取り囲んでいる。これにより、挿通孔の周囲の断熱性をより一層高くすることができる。
【0010】
また、シート状の真空断熱材、すなわち、汎用の真空断熱材を折り曲げて用いることで断熱構造を実現することができるので、製造コストが安価である。延設部材を挿通する挿通孔が予め形成された、専用の真空断熱材を用意する必要がなく、製造コストが安価である。
請求項2記載の発明は、請求項1において、各上記真空断熱材は、端縁部を含み、上記挿通孔の縁部は、所定方向に延び互いの間に隙間を空けて配置された一対の第1の端縁部と、上記所定方向とは交差する方向に延び互いの間に隙間を空けて配置された一対の第2の端縁部と、を真空断熱材の厚み方向に重ね合わせて形成されていることを特徴とする断熱構造である。
【0011】
この発明によれば、真空断熱材の一対の第1の端縁部と、一対の第2の端縁部とを重ね合わせるという簡易な作業により、挿通孔を容易に形成することができる。しかも、この場合、真空断熱材を二重に重ね合わせることになるので、挿通孔の形成作業と、挿通孔の周囲において真空断熱材を二重に重ねる作業とを一括して行うことができる。したがって、断熱構造の形成作業が容易である。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1において、上記真空断熱材は、一隅にへこみ部が形成された所定の真空断熱材を有し、上記挿通孔は、上記所定の真空断熱材の上記へこみ部周辺の縁部を、他の真空断熱材に突き合わせて形成されていることを特徴とする断熱構造である。
この発明によれば、所定の真空断熱材の縁部を他の真空断熱材に突き合わせるという簡易な作業により、挿通孔を容易に形成することができる。所定の真空断熱材の一隅にへこみ部を形成する作業は、例えば、矩形のシート状の真空断熱材の一隅を押し潰す作業で済み、真空断熱材のラミネート材に孔を空ける必要がない。したがって、真空断熱材を穿孔する作業が不要で、真空断熱材の断熱性能が低下することはない。また、予め一隅にへこみ部が形成された真空断熱材を用いてもよい。予めへこみ部が形成された真空断熱材は、予め挿通孔が形成された真空断熱材と異なり、汎用性が高いことから、コスト安価に入手し易い。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の断熱構造と、少なくとも一部が上記収容空間に収容され、飲料が通過する飲料通路と、上記底壁の下方に配置された圧縮機を含み、この圧縮機を通過する熱媒体を用いて上記飲料通路内の飲料の温度を調整する温度調整装置と、を含むことを特徴とする飲料ディスペンサである。
この発明によれば、温度調整装置によって、飲料通路内の飲料を冷却したり、加熱したりすることができる。これにより、快適な温度の飲料を顧客に提供することができる。また、飲料通路内の飲料を温度調整装置によって冷却する場合には、圧縮機からの熱が断熱構造によって遮断されることにより、飲料通路内の飲料の温度がこの圧縮機からの熱で上昇してしまうことを抑制できる。また、飲料通路内の飲料を温度調整装置によって加熱する場合には、圧縮機からの熱が断熱構造によって遮断されることにより、飲料通路内の飲料の温度が圧縮機からの熱によって不用意に変動することを抑制できる。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4において、上記収容空間に配置され、上記熱媒体が通過する媒体通路の一部および上記飲料通路の少なくとも一部を収容し、水を溜めることが可能な箱状の内側容器をさらに備え、上記延設部材は、上記内側容器の底板に接続され、上記底壁に形成された上記挿通孔を通って下方に延びる排水管を含むことを特徴とする飲料ディスペンサである。
【0015】
この発明によれば、例えば、媒体通路内の媒体が水を冷やし、これにより、飲料通路および飲料通路内の飲料を冷却することができる。これにより、内側容器内において、飲料をより効率よく冷却することができる。また、飲料ディスペンサのメンテナンス時等に際して、排水管から内側容器内の水を排水することにより、内側容器内の水を略全部排出することができる。したがって、内側容器内の種々の部材のメンテナンスを容易に行うことができる。容器の底板に排水管が接続されていることにより、挿通孔は、発熱する圧縮機近くの底壁に形成されることになる。しかしながら、挿通孔の周囲の断熱性能が高いので、圧縮機から内側容器内に伝わる熱量を極めて少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は、この発明の一実施形態に係る断熱構造を備える飲料ディスペンサの平面図であり、(b)は、図1(a)のIb−Ib線に沿う一部断面図であり、飲料ディスペンサの概略構成を示す縦断面図である。
【図2】第1断熱構造体に備えられる真空断熱材の構成を説明するための断面図である。
【図3】(a)は、第1断熱構造体の一部について示す斜視図であり、(b)は、第1断熱構造体の分解斜視図であり、(c)は、第1断熱構造体の斜視図である。
【図4】第1断熱構造体の一部を断面で示す平面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う要部の断面図である。
【図6】この発明の別の実施形態の第1断熱構造体の分解斜視図である。
【図7】図6の第1断熱構造体の一部を断面で示す平面図である。
【図8】この発明のさらに別の実施形態の要部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1(a)は、この発明の一実施形態に係る断熱構造を備える飲料ディスペンサの平面図である。図1(b)は、図1(a)のIb−Ib線に沿う一部断面図であり、飲料ディスペンサの概略構成を示す縦断面図である。この実施形態では、飲料ディスペンサ100を正面からみたときを基準として、前後、左右および上下をいうものとする。
【0018】
図1(a)および図1(b)を参照して、飲料ディスペンサ100は、ビール等の飲料を冷却し、ジョッキ101に注ぐためのものである。飲料ディスペンサ100は、外側容器13と、蓋40とを備えている。
外側容器13は、金属板を用いて形成されている。外側容器13は、上面が開放された箱形形状に形成されており、矩形形状の底板13aと、底板13aの4辺から立ち上がる4つの側板13bと、底板13aの上方に配置され4つの側板13bによって支持される中板20と、を含んでいる。4つの側板13bの上端は、外側容器13の内側へ向けて折り曲げられており、四角環状の鍔部13cが形成されている。鍔部13cには、ガスケット15が載せられている。
【0019】
蓋40は、金属板を用いて形成された天板16と、天板16の下面に固定された真空断熱材17と、真空断熱材17の下面に固定された保護板14aとを含んでいる。保護板14aの下面がガスケット15に面接触するようにして、蓋40が外側容器13に被せられている。
外側容器13内において、中板20の上側には、内側容器12、第1断熱構造体10および第2断熱構造体11が配置されている。
【0020】
内側容器12は、上面が開放された箱形形状に形成されており、水を溜めることができるようになっている。内側容器12は、矩形形状の底板12aと、底板12aの4辺から立ち上がる4つの側板12bと、を含んでいる。底板12aの中央には、延設部材としての排水管31が接続されている。排水管31は、内側容器12内に溜められた水を排出するために設けられている。排水管31は、内側容器12の底板12aから下方に延び、中板20に形成された挿通孔を通って中板20の下方に延び、さらに外側容器13の外側に延びている。排水管31の先端には栓(図示せず)が取付けられている。通常時は、栓をしておき、内側容器12内の水を排水するときにこの栓を外す。
【0021】
4つの側板12bの上端は、内側容器12の内側へ向けて折り曲げられており、鍔部12cが形成されている。鍔部12cと鍔部13cとの間には、環状の保護板14bが配置されている。
図1(b)を参照して、第1断熱構造体10は、複数の真空断熱材を適宜貼り合わせることにより形成されており、内側容器12を収容する収容空間41を形成している。第1断熱構造体10は、内側容器12の底板12aの下面および4つの側板12bの外側面にそれぞれ当接している。
【0022】
第2断熱構造体11は、発泡ウレタンや発泡スチロール等の発泡性の材料を用いて形成されており、保護板14b、内側容器12、第1断熱構造体10、排水管31、中板20および4つの側板13bで囲まれた領域に充填されている。
飲料ディスペンサ100は、飲料が通過する飲料通路18を備えている。飲料通路18は、飲料を図示しないタンクから内側容器12内に送るための供給チューブ18aと、供給チューブ18aに接続された飲料用コイルチューブ18bとを含んでいる。供給チューブ18aは、一端が図示しないタンクに接続されており、タンクから上側に延びている。供給チューブ18aは、中板20に形成された挿通孔と、第2断熱構造体11に形成された溝11aとを通って上に延び、第1断熱構造体10よりも上の位置において、保護板14bに形成された挿通孔を通って内側容器12内に延びている。供給チューブ18aの他端には、飲料用コイルチューブ18bの一端が接続されている。
【0023】
飲料用コイルチューブ18bは、内側容器12内に配置されたチューブであり、螺旋状に延びており、全体として環状に形成されている。飲料用コイルチューブ18bの他端には、注ぎ口35が接続されている。上記の構成により、飲料は、供給チューブ18aから飲料用コイルチューブ18bを通って注ぎ口35に送られ、注ぎ口35からジョッキ101に注がれる。
【0024】
飲料ディスペンサ100は、飲料用コイルチューブ18bを通過する飲料を冷却するための温度調整装置としての冷却装置36を備えている。冷却装置36が設けられていることにより、冷やされた飲料を、注ぎ口35からジョッキ101に注ぐことができる。
冷却装置36は、冷却ユニット37と、冷却ユニット37から延びる冷媒通路19とを含んでいる。冷却ユニット37は、熱媒体としての冷媒を圧縮する圧縮機38や、冷媒を凝縮させる凝縮器や、冷媒を膨張させる膨張弁等(図示せず)を含んでいる。
【0025】
冷却ユニット37では、冷媒を圧縮機38で圧縮させることで冷媒を高温高圧のガスにし、さらに凝縮器でこの冷媒を凝縮(液化)し、次いで膨張弁で減圧させる。膨張弁で減圧された冷媒は、冷媒通路19の後述する冷媒用コイルチューブ19b内において蒸発(気化)することにより、熱を吸収し、周囲の温度を低下させる。冷却冷媒用コイルチューブ19bを通った低圧の冷媒は、再び圧縮機38に入り、上述の行程が繰り返される。
【0026】
圧縮機38で冷媒が圧縮されることに伴い、圧縮機38では熱が発生し、圧縮機38が高温になる。圧縮機38は、例えば、内側容器12の底板12aの下方に配置されている。
冷媒通路19は、冷媒供給管19aと、冷媒用コイルチューブ19bと、冷媒戻し管19cとを含んでいる。
【0027】
冷媒供給管19aは、減圧弁で減圧された冷媒が通過する。この冷媒供給管19aは、一端が冷却ユニット37に接続され、冷却ユニット37から上向きに延びている。冷媒供給管19aは、中板20に形成された挿通孔と、第2断熱構造体11に形成された挿通孔と、第1断熱構造体10に形成された後述する冷媒管収容空間44とを通り、内側容器12の上方に延びている。冷媒供給管19aの他端は、冷媒用コイルチューブ19bの一端に接続されている。
【0028】
冷媒用コイルチューブ19bは、内側容器12内に配置されたチューブであり、螺旋状に延びており、全体として環状に形成されている。冷媒用コイルチューブ19bは、飲料用コイルチューブ18bを取り囲むように配置されている。冷媒用コイルチューブ19bは、蒸発器として機能するようになっており、冷媒用コイルチューブ19b内で冷媒が蒸発することで、内側容器12に溜められた水を冷却する。これにより、飲料用コイルチューブ18bが冷却され、飲料用コイルチューブ18b内の飲料が冷却される。
【0029】
冷媒用コイルチューブ19bの他端には、冷媒戻し管19cの一端が接続されている。
冷媒戻し管19cは、冷媒用コイルチューブ19bから一旦上方に延び、冷媒管収容空間44に入っている。冷媒戻し管19cは、さらに、下方に延びており、第2断熱構造体11に形成された挿通孔と、中板20に形成された挿通孔とを通り、他端が冷却ユニット37に接続されている。
【0030】
また、冷却装置36による飲料用コイルチューブ18bの冷却を促進するためのファン42が設けられている。ファン42によって、内側容器12内の水が攪拌される。ファン42は、内側容器12に支持されており、ファンモータ43を含んでいる。ファンモータ43に電力を供給する電線34は、飲料通路18の供給チューブ18aと束ねられており、第2断熱構造体11の溝11a等を通って中板20の下方に延びている。
【0031】
このように、大気温度(雰囲気温度)と同じ温度下に配置しておくことのできる供給チューブ18aおよび電線34は、第1断熱構造体10の外側を通るように配置され、周囲の部材に対して断熱することが必要な冷媒供給管19aおよび冷媒戻し管19cは、第1断熱構造体10の内部を通るように配置されている。
また、内側容器12の上部には、逃がし水管32が接続されており、内側容器12内の水位が一定値を超えないようにされている。逃がし管32は、第2断熱構造体11を通って外側容器13の外側に延びている。
【0032】
以上が飲料ディスペンサ100の概略構成である。次に、第1断熱構造体10について説明する。
図2は、第1断熱構造体10に備えられる真空断熱材1の構成を説明するための断面図である。図2を参照して、真空断熱材1は、断熱性のある繊維等からなる板状の芯材21を、ガスバリア性を有する一対の金属ラミネート材22,22で上下から挟み込むようにして覆って形成されている。芯材21は、金属ラミネート材22,22内の、減圧された略真空状態の空間に配置されている。金属ラミネート材22は、例えば、ガスバリア層であるアルミニウム等の金属箔の外面側にナイロンなどのフィルムを保護層として積層し、ガスバリア層の内面側にポリプロピレン等のフィルムを熱溶着層として積層したものである。
【0033】
金属ラミネート材22,22の外周縁部同士が、ヒートシール等によって溶着されており、シール部1gが形成されている。シール部1gは、金属ラミネート材22の上記熱溶着層同士が熱溶着された部分であり、金属ラミネート材22,22間に芯材21が存在しない部位である。上記の構成により、金属ラミネート材22,22間の空間は、略真空状態が維持されている。なお、シール部1gには、折り曲げられることにより、芯材21と重なるように配置されるようになっているものもある。
【0034】
図3(a)は、第1断熱構造体10の一部について示す斜視図である。図3(b)は、第1断熱構造体10の分解斜視図である。図3(c)は、第1断熱構造体10の斜視図である。
図3(a)を参照して、第1断熱構造体10の真空断熱材1は、全体として矩形状で且つ折り曲げ可能なシート状に形成されたものを、折り曲げることにより、L字形形状に形成してなる。真空断熱材1は、底壁1aと、底壁1aの左端から立ち上がる側壁1bとを含んでいる。
【0035】
第1断熱構造体10は、真空断熱材2、真空断熱材3および真空断熱材4をさらに備えている。
なお、この実施形態における真空断熱材は、真空断熱材1と同様の構成を有しているので、以下では、真空断熱材1以外の真空断熱材については、真空断熱材1との違いについて主に説明する。
【0036】
真空断熱材2、真空断熱材3および真空断熱材4は、それぞれ、真空断熱材1と同様に、全体として矩形状で且つ折り曲げ可能なシート状に形成されたものを、折り曲げることにより、L字形形状に形成してなる。
真空断熱材2は、底壁2aと、底壁2aの右端から立ち上がる側壁2bとを含んでいる。真空断熱材2は、真空断熱材1とは左右に並んで配置されている。前後方向に関して、真空断熱材2の長さは、真空断熱材1よりも短くされている。
【0037】
真空断熱材3は、底壁3aと、底壁3aの前端から立ち上がる側壁3bとを含んでいる。真空断熱材4は、底壁4aと、底壁4aの後端から立ち上がる側壁4bとを含んでいる。
真空断熱材3と真空断熱材4は、前後に並んで配置されており、前後に略対称な形状とされている。真空断熱材4の高さと比べて、真空断熱材3の高さが低くされている。
【0038】
図3(b)を参照して、真空断熱材1および真空断熱材2は、真空断熱材3および真空断熱材4の上に重ね合わされている。第1断熱構造体10には、真空断熱材5および真空断熱材6が取り付けられている。
真空断熱材5は、全体として矩形状で且つ折り曲げ可能なシート状に形成されたものを、折り曲げることにより、U字形形状に形成してなる。真空断熱材5の高さは、真空断熱材3の高さと略同じにされている。真空断熱材5は、前側壁5aと、前側壁5aの左端から後方に延びる左側壁5bと、前側壁5aの右端から後方に延びる右側壁5cとを含んでいる。
【0039】
真空断熱材6は、全体として矩形状で且つ折り曲げ可能なシート状に形成されたものを、折り曲げることにより、U字形形状に形成してなる。真空断熱材6の高さは、真空断熱材4の高さと略同じにされている。真空断熱材6は、後側壁6aと、後側壁6aの左端から前方に延びる左側壁6bと、後側壁6aの右端から前方に延びる右側壁6cとを含んでいる。真空断熱材5と、真空断熱材6とは、真空断熱材1〜4を前後に挟んで相対向している。
【0040】
図4は、第1断熱構造体10の一部を断面で示す平面図である。図3(c)および図4に示すように、真空断熱材6は、真空断熱材1、真空断熱材2および真空断熱材4と嵌り合っている。具体的には、真空断熱材6の後側壁6aは、真空断熱材4の側壁4bの後方に配置され、この側壁4bに面接触している。真空断熱材6の左側壁6bは、真空断熱材1の側壁1bの左方に配置され、この側壁1bに面接触している。真空断熱材6の右側壁6cは、真空断熱材2の側壁2bの右方に配置され、この側壁2bに面接触している。
【0041】
真空断熱材5は、真空断熱材3および真空断熱材6と嵌り合っている。具体的には、真空断熱材5の前側壁5aは、真空断熱材3の側壁3bの前方に配置され、この側壁3bに面接触している。真空断熱材5の左側壁5bは、真空断熱材6の左側壁6bの左方に配置され、この左側壁6bに面接触している。真空断熱材5の右側壁5cは、真空断熱材6の右側壁6cの右方に配置され、この右側壁6cに面接触している。
【0042】
上記の構成により、真空断熱材1〜4の内部に、収容空間41が形成されている。収容空間41には、内側容器12(図1参照)が配置されるようになっている。
図4を参照して、第1断熱構造体10は、真空断熱材1〜4によって形成された挿通孔45を含んでいる。挿通孔45は、排水管31を挿通するためのものであり、真空断熱材1〜4を組み合わせることにより形成されている。
【0043】
具体的には、真空断熱材1の底壁1aの前後に延びる端縁部1cと、真空断熱材2の底壁2aの前後に延びる端縁部2cとが、左右に所定の隙間A1を隔てて相対向している。端縁部1cおよび端縁部2cは、一対の第1の端縁部として形成されている。また、真空断熱材3の底壁3aの左右に延びる端縁部3cと、真空断熱材4の底壁4aの左右に延びる端縁部4cとが、前後に所定の隙間A2を隔てて相対向している。端縁部3cおよび端縁部4cは、一対の第2の端縁部として形成されている。端縁部1cおよび端縁部2cと、端縁部3cおよび端縁部4cとは、底壁1a〜4aの厚み方向に重ね合わされており、略直交(交差)している。
【0044】
平面視において、挿通孔45は、端縁部1cおよび端縁部2cの間で、且つ端縁部3cおよび端縁部4cの間に形成されており、矩形形状とされている。端縁部1c〜4cによって、挿通孔45の縁部45aが形成されている。縁部45aは、排水管31の周囲を全周に亘って取り囲んでいる。この構成により、図1に示すように、収容空間41の内側から外側に向けて下方に排水管31が延びることが可能となっている。
【0045】
図4を参照して、挿通孔45の周囲(縁部45a)の少なくとも一部は、真空断熱材を二重に重ねて形成されている。具体的には、真空断熱材1の底壁1aと、真空断熱材3の底壁3aとが重ね合わされていることにより、挿通孔45の左前側に、第1の重なり部46が形成されている。同様に、真空断熱材1の底壁1aと、真空断熱材4の底壁4aとが重ね合わされていることにより、挿通孔45の左後側周囲に、第2の重なり部47が形成されている。
【0046】
また、真空断熱材2の底壁2aと、真空断熱材3の底壁3aとが重ね合わされていることにより、挿通孔45の右前側に、第3の重なり部48が形成されている。真空断熱材2の底壁2aと、真空断熱材4の底壁4aとが重ね合わされていることにより、挿通孔45の右後側に、第4の重なり部49が形成されている。
第1〜第4の重なり部46〜49が設けられていることにより、挿通孔45の周囲の断熱性能が十分に確保されている。
【0047】
真空断熱材2の側壁2bの前端と、真空断熱材5の前側壁5aとの間には、隙間が形成されており、この隙間が、冷媒管収容空間44とされている。冷媒管収容空間44の右方には、真空断熱材6の右側壁6cが配置されている。
上記の構成を有する第1断熱構造体10の底壁10aは、真空断熱材1の底壁1a、真空断熱材2の底壁2a、真空断熱材3の底壁3a、および真空断熱材4の底壁4aによって矩形形状に形成されている。底壁10aに挿通孔45が形成されている。
【0048】
また、第1断熱構造体10の前側壁は、真空断熱材3の側壁3bによって形成されている。また、第1断熱構造体10の左側壁は、真空断熱材1の側壁1bによって形成されている。また、第1断熱構造体10の後側壁は、真空断熱材4の側壁4bによって形成されている。また、第1断熱構造体10の右側壁は、真空断熱材2の側壁2bによって形成されている。
【0049】
したがって、底壁10aの4つの縁部の対応する一辺から第1断熱構造体10の前側壁としての側壁3b、左側壁としての側壁1b、後側壁としての4bおよび右側壁としての側壁2bが立ち上がっており、これらによって収容空間41が形成されている。
図5は、図4のV−V線に沿う要部の断面図である。図5に示すように、真空断熱材2や真空断熱材3等の真空断熱材は、シール部1gにおける断熱効果が、他の部分と比べて低い傾向にある。しかしながら、真空断熱材2と真空断熱材3とを所定の寸法分重ね合わせている。これにより、矢印B1で示すように、圧縮機38等からの熱は、真空断熱材3のラミネート材22および真空断熱材2のラミネート材22を長い距離をかけて伝わることとなる。したがって、内側容器12の内側と外側(圧縮機38側)との温度差に応じて、真空断熱材2と真空断熱材3とを所定の寸法分重ね合わせることにより、所望の熱抵抗を得ることができる。
【0050】
以上説明したように、この実施形態によれば、シート状の真空断熱材1〜4を用いて収容空間41を形成している。真空断熱材1〜4を用いていることにより、収容空間41を外部から断熱する効果に優れており、第1断熱構造体10の断熱効果を高くすることができる。しかも、真空断熱材1〜4を組み合わせて挿通孔45を形成している結果、真空断熱材を穿孔することにより挿通孔を形成する場合と異なり、真空断熱材1〜4の内部の気密性が失われることがなく、高い断熱性能を実現することができる。
【0051】
さらに、挿通孔45の周囲の少なくとも一部(第1〜第4の重なり領域46〜49)を二重にしていることにより、挿通孔45の周囲の断熱性を十分に高くすることができる。しかも、シート状の真空断熱材1〜4を組み合わせる構造であるので、挿通孔45の周囲の少なくとも一部を二重に重ねる構成を容易に実現することができる。また、挿通孔45の縁部45aは、排水管31の周囲を全周に亘って取り囲んでいる。これにより、挿通孔45の周囲の断熱性をより一層高くすることができる。
【0052】
また、矩形のシート状の真空断熱材、すなわち、汎用の真空断熱材を折り曲げて用いることで第1断熱構造体10を実現することができるので、製造コストが安価である。排水管31を挿通する挿通孔45が予め形成された、専用の真空断熱材を用意する必要がなく、製造コストが安価である。
また、真空断熱材1の端縁部1cおよび真空断熱材2の端縁部2cと、真空断熱材3の端縁部3cおよび真空断熱材4の端縁部4cと、を重ね合わせるという簡易な作業により、挿通孔45を容易に形成することができる。しかも、この場合、対応する真空断熱材1〜4同士を二重に重ね合わせることになるので、挿通孔45の形成作業と、挿通孔45の周囲において真空断熱材を二重に重ねる作業とを一括して行うことができる。したがって、第1断熱構造体10の形成作業が容易である。
【0053】
また、冷却装置36によって、飲料通路18内の飲料を冷却することができる。これにより、冷たくて快適な温度のビールを顧客に提供することができる。また、圧縮機38からの熱が第1断熱構造体10および第2断熱構造体11によって遮断される。これにより、飲料用コイルチューブ18b内の飲料の温度が圧縮機38からの熱で上昇してしまうことを抑制できる。
【0054】
さらに、冷媒用コイルチューブ19b内の冷媒は、内側容器12内に溜められた水を介して、飲料用コイルチューブ18b内の飲料を冷却する。これにより、内側容器12内において、飲料をより効率よく冷却することができる。
また、飲料ディスペンサ100のメンテナンス時等に際して、排水管31から内側容器12内の水を排水することにより、内側容器12内の水を略全部排出することができる。したがって、内側容器12内の種々の部材のメンテナンスを容易に行うことができる。内側容器12の底板12aに排水管31が接続されていることにより、挿通孔45は、発熱する圧縮機38近くの底壁10aに形成されることになる。しかしながら、挿通孔45の周囲の断熱性能が高いので、圧縮機38から内側容器12内に伝わる熱量を極めて少なくすることができる。
【0055】
飲料ディスペンサ100は、比較的小型のディスペンサであり、内側容器12の真下に発熱する圧縮機38が配置されており、しかも断熱のためのスペースを確保し難いのであるが、第1断熱構造体10が設けられていることにより、内側容器12の内側と外側との間で十分に断熱することができる。
また、第1断熱構造体10を、複数の真空断熱材1〜4を折り曲げて形成することにより、断熱効果の比較的弱いシール部1gが占める体積を少なくできるので、各真空断熱材1〜4による断熱効果をより高くすることができる。
【0056】
また、各真空断熱材1〜4のシール部1gの少なくとも一部を折り曲げて芯材21と重なるように配置していることにより、各真空断熱材1〜4の熱抵抗を大きくすることができるので、第1断熱構造体10の断熱効果をより高くできる。
さらに、外側容器13と蓋40との間に、空気の移動を低減させるガスケット15を設けていることにより、収容空間41内での空気の流動を抑制できる。その結果、小型の飲料ディスペンサ100全体として、真空断熱材の断熱効果をより高くすることができる。
【0057】
図6は、この発明の別の実施形態の第1断熱構造体10Aの分解斜視図である。図7は、第1断熱構造体10Aの一部を断面で示す平面図である。なお、以下では、図1〜図5に示す実施の形態と異なる点について説明し、同様の構成には図に同様の符号を付して詳細な説明は省略する。
図6および図7を参照して、この実施形態では、真空断熱材1A〜4Aのそれぞれが、底壁を有しておらず、重ね合わされた2枚の真空断熱材8,8によって第1断熱構造体10Aの底壁10aAが形成されている。
【0058】
各真空断熱材8,8は、所定の真空断熱材として形成されており、右後ろの一隅8aにへこみ部8bが形成された矩形のシート状に形成されており、上下に重ねて配置されている。へこみ部8bは、直線状に形成されており、真空断熱材8の後端縁8cおよび右端縁8dに対して傾くように延びている。
各真空断熱材8,8は、真空断熱材1Aの下端、真空断熱材2Aの下端、真空断熱材3Aの下端および真空断熱材4Aの下端によって取り囲まれている。各真空断熱材8,8は、真空断熱材1A〜4Aに固定されている。
【0059】
第1断熱構造体10Aには、挿通孔45Aが形成されている。挿通孔45Aは、各真空断熱材8,8の後端縁8cおよび右端縁8dを、他の真空断熱材としての真空断熱材4Aの側壁4bの内側面および真空断熱材2Aの側壁2bの内側面に突き合わせることにより形成されている。これにより、第1断熱構造体10Aの右後側に、平面視で三角形形状の挿通孔45Aが形成されている。挿通孔45Aの縁部45aAは、全周に亘って排水管31を取り囲んでいる。
【0060】
この挿通孔45Aを通る排水管31は、上側の真空断熱材8のすぐ上側の位置で、内側容器12の底板12aに接続されるようになっている。挿通孔45Aは、平面視において、圧縮機38とは重ならないように配置されている。
この実施形態によれば、各真空断熱材8,8の端縁部8c,8dを、真空断熱材4Aの側壁4bの内側面および真空断熱材2Aの側壁2bの内側面に突き合わせるという簡易な作業により、挿通孔45Aを容易に形成することができる。
【0061】
各真空断熱材8,8の一隅8aにへこみ部8bを形成する作業は、例えば、矩形状の真空断熱材の一隅を押し潰す作業で済み、各真空断熱材8,8のラミネート材22,22に孔を空ける必要がない。したがって、各真空断熱材8,8を穿孔する作業が不要で、各真空断熱材8,8の断熱性能が低下することはない。なお、予め一隅にへこみ部が形成された真空断熱材を用いてもよい。予め一隅にへこみ部が形成された真空断熱材は、予め挿通孔が形成された真空断熱材と異なり、汎用性が高いことから、コスト安価に入手し易い。
【0062】
なお、図8に示すように、真空断熱材1Aおよび上側の真空断熱材8を1つの真空断熱材で形成するとともに、真空断熱材3Aおよび下側の真空断熱材8を1つの真空断熱材で形成してもよい。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0063】
例えば、飲料通路18の全部を内側容器12内に収容してもよい。この場合、飲料タンクは、内側容器12内に配置される。また、延設部材の一例として排水管31を例示したが、排水管31以外の部材を挿通孔に挿通してもよい。
例えば、冷却装置36を用いて飲料用コイルチューブ18b内の飲料を冷却する構成としたけれども、これに限定されない。冷却装置36に代えて、飲料用コイルチューブ18b内の飲料を加熱する構成を採用してもよい。この場合、例えば、圧縮機38で圧縮された高温高圧の冷媒を冷媒用コイルチューブ19bに供給することで、内側容器12に溜められた水(湯)を介して飲料用コイルチューブ18bおよびこの飲料用コイルチューブ18b内の飲料を加熱することができる。
【0064】
飲料用コイルチューブ18b内の飲料を加熱する場合には、圧縮機38からの熱が第1および第2の断熱構造体によって遮断されることにより、飲料用コイルチューブ18bの飲料の温度が圧縮機38からの熱によって不用意に変動することを抑制できる。
【符号の説明】
【0065】
1〜4 真空断熱材
1A〜4A 真空断熱材
1b,2b 側壁
3b,4b 側壁
1c,2c 端縁部(一対の第1の端縁部)
3c,4c 端縁部(一対の第2の端縁部)
8 真空断熱材(所定の真空断熱材)
8a 一隅
8b へこみ部
8c 後端縁
8d 右端縁
10a,10aA 底壁
12 内側容器(収容物)
12a 底板
18 飲料通路
19 冷媒通路(媒体通路)
21 芯材
22 ラミネート材
31 排水管(延設部材)
36 冷却装置(温度調整装置)
38 圧縮機
41 収容空間
45,45A 挿通孔
45a,45aA 挿通孔の縁部
100 飲料ディスペンサ
A1,A2 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のラミネート材およびこれら一対のラミネート材間の減圧された空間に配置された芯材を有し、矩形状で且つ折り曲げ可能なシート状の真空断熱材を複数用いて形成される断熱構造において、
矩形状の底壁と、
底壁の縁部の一辺から立ち上がった側壁を持つ4つの真空断熱材を組み合わせて形成され、収容物を収容可能な収容空間と、
上記収容空間の内側から外側に延びる延設部材を挿通するための挿通孔とを備え、
上記挿通孔の縁部は、複数の真空断熱材を組み合わせることにより上記延設部材の周囲を全周に亘って取り囲むように形成されており、
上記挿通孔の周囲の少なくとも一部は、上記真空断熱材を二重に重ねて形成されていることを特徴とする断熱構造。
【請求項2】
請求項1において、各上記真空断熱材は、端縁部を含み、
上記挿通孔の縁部は、所定方向に延び互いの間に隙間を空けて配置された一対の第1の端縁部と、上記所定方向とは交差する方向に延び互いの間に隙間を空けて配置された一対の第2の端縁部と、を真空断熱材の厚み方向に重ね合わせて形成されていることを特徴とする断熱構造。
【請求項3】
請求項1において、上記真空断熱材は、一隅にへこみ部が形成された所定の真空断熱材を有し、
上記挿通孔は、上記所定の真空断熱材の上記へこみ部周辺の縁部を、他の真空断熱材に突き合わせて形成されていることを特徴とする断熱構造。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の断熱構造と、
少なくとも一部が上記収容空間に収容され、飲料が通過する飲料通路と、
上記底壁の下方に配置された圧縮機を含み、この圧縮機を通過する熱媒体を用いて上記飲料通路内の飲料の温度を調整する温度調整装置と、
を含むことを特徴とする飲料ディスペンサ。
【請求項5】
請求項4において、上記収容空間に配置され、上記熱媒体が通過する媒体通路の一部および上記飲料通路の少なくとも一部を収容し、水を溜めることが可能な箱状の内側容器をさらに備え、
上記延設部材は、上記内側容器の底板に接続され、上記底壁に形成された上記挿通孔を通って下方に延びる排水管を含むことを特徴とする飲料ディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−141071(P2011−141071A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1365(P2010−1365)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【出願人】(000222990)株式会社テクノアソシエ (11)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【出願人】(510007193)株式会社サーマルテクノ (1)
【Fターム(参考)】