説明

新聞受け管理システム及び方法

【課題】セキュリティを確保しながら、複数企業の入居するオフィスビル用の新聞受けを管理する。
【解決手段】新聞受け管理システム1が設置された施設へ新聞を配達する配達人には配達人カードが発行される。配達人は、配達人カードを用いて当該施設のエントランスに設置された、当該配達人が配達する新聞に対応した収納ボックス32を開錠し、当該施設全体での購読数分の新聞を投函する。各企業の社員は、社員カードにより、当該企業が購読している新聞に対応した収納ボックス32を開錠し、中から自社分の新聞を取り出してオフィスへ持ち帰る。また、管理人は管理人カードを用いて収納ボックス32を開錠し、一定期間内に取り出されなかった新聞を廃棄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のオフィスが入居している施設の新聞受けを管理する新聞受け管理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスビルに入居している各会社宛の新聞は、オフィスビルの各階事務室の新聞受けに配達されていた。しかし、セキュリティの向上とともに新聞配達人のオフィスゾーンへの入館が難しくなっており、最近では、エントランスに設置されたメールボックスへ新聞が投函されている。
【0003】
一方で、着払いもしくは代引き指定の荷物の配送時に受取人が不在のときには、宅配ボックスへ荷物を保管して配達人による集金を不要とする技術がある(例えば、特許文献1参照)。具体的には、配送業者は、宅配ボックスに配送先部屋番号と配送荷物のコードを入力し、配送荷物を入れた後施錠する。荷物受取人は、配送業者名等と配送荷物のコードが印刷された不在票を用いてコンビニエンスストアなどで決済を行うと、POSレジスタと配送業者のコンピュータとの間で決済処理か行われ、配送荷物のコードを示すバーコードと代金支払済みを示すバーコードを印刷したレシートが発行される。宅配ボックスは、レシートのバーコードを読み取り開錠する。
【特許文献1】特開2004−78630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メールボックスに新聞を投函する場合、複数紙の新聞購読を行っている会社用のメールボックスが満杯になっていたり、郵便物と新聞が混在して投函されるためにメールボックスから投函物が溢れてしまっているものが見受けられる。そのため、投函物の紛失や抜き取りなどの危険性が生じている。また、ICカードを用いて開錠するメールボックスの場合、新聞を投函するための十分な大きさの投函口がなく、その普及とともに新聞の投函スペースもなくなってきている。しかしながら、特許文献1は、集金を必要とする荷物を宅配ボックスに保管する場合の技術であり、新聞受けについてそのまま適用することはできず、上記のような問題を解決するものでもない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、セキュリティを確保しながら、複数企業の入居するオフィスビル用の新聞受けを管理することのできる新聞受け管理システム及び方法を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の企業が入居している施設の新聞受けを管理する新聞受け管理システムであって、新聞の収納ボックスと、各新聞に対応した収納ボックスの情報と、各企業が購読している新聞の情報とを記憶する記憶手段と、配達許可データの入力を受け、当該配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して当該配達許可データにより示される新聞に対応した収納ボックスを特定し、この特定した収納ボックスを開錠するよう制御するとともに、購読者許可データの入力を受け、当該購読者許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して、当該購読者許可データにより示される企業に対応した新聞を特定し、さらに特定した新聞に対応する収納ボックスを特定し、特定した収納ボックスを開錠するよう制御する開錠手段と、を備えることを特徴とする新聞受け管理システムである。
【0007】
また、本発明は、上述の新聞受け管理システムであって、前記記憶手段は、前記開錠手段が配達許可データにより認証を行って前記収納ボックスを開錠した時刻である配達時刻の情報と、前記開錠手段が購読者許可データにより認証を行って収納ボックスを開錠した開錠時刻及び当該購読者許可データにより示される企業の情報とを履歴情報として記憶し、前記開錠手段は、前記記憶手段を参照して、認証された前記購読者許可データにより示される企業に対応した新聞を特定し、特定した新聞に対応する収納ボックスを特定し、特定した収納ボックスの最新の配達時刻以降に当該企業が当該収納ボックスを開錠したことを示す情報が履歴情報として登録されていないと判断した場合に、当該収納ボックスの扉を開錠する、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上述の新聞受け管理システムであって、前記記憶手段は、前記開錠手段が配達許可データにより認証を行って前記収納ボックスを開錠した時刻である配達時刻の情報と、前記開錠手段が購読者許可データにより認証を行って収納ボックスを開錠した開錠時刻及び当該購読者許可データにより示される企業の情報とを履歴情報として記憶するとともに、各企業の通知先アドレスを記憶し、前記記憶手段を参照して、各企業それぞれについて、当該企業に対応した新聞を特定し、特定した新聞に対応する収納ボックスを特定し、特定した収納ボックスの最新の配達時刻以降に当該企業が当該収納ボックスを開錠したことを示す情報が履歴情報として登録されていないと判断した場合に、当該企業の通知先アドレス宛に新聞が引き取られていない旨の通知を送信する通知手段をさらに備える、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述の新聞受け管理システムであって、前記記憶手段は、各新聞について当日配達分を収納する収納ボックスの情報と、保留分を収納する収納ボックスの情報とを記憶し、前記開錠手段は、入力された情報に応じて、前記特定した新聞の当日配達分を収納する収納ボックス、または、前記特定した新聞の保留分を収納する収納ボックス、あるいは、その両方の収納ボックスを開錠する、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述の新聞受け管理システムであって、前記記憶手段は、各新聞について保留期間内の各日に対応した保留分を収納する収納ボックスの情報を記憶し、前記開錠手段は、配達許可データ及び保留分の収納ボックスの開錠指示の入力を受け、当該配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して当該配達許可データにより示される新聞に対応し、この新聞の本日の保留分を収納する収納ボックスを特定し、この特定した収納ボックスを開錠するよう制御する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上述の新聞受け管理システムであって、前記開錠手段は、管理人許可データの入力を受け、当該管理人許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して、所定の期間が経過した保留分を収納する全ての新聞の収納ボックスを特定し、この特定した収納ボックスを開錠するよう制御する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上述の新聞受け管理システムであって、新聞の配達人が保持する配達人カードから配達許可データを読み出すとともに、前記企業に属する社員が保持する社員カードから購読者許可データを読み出すカードリーダをさらに備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、複数の企業が入居している施設の新聞受けを管理する新聞受け管理システムであって、新聞の収納ボックスと、各新聞に対応した収納ボックスの情報と、各企業が購読している新聞の情報とを記憶する記憶手段と、配達許可データの入力を受け、当該配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して当該配達許可データにより示される新聞に対応した収納ボックスを特定し、この特定した収納ボックスを開錠するよう制御するとともに、管理人許可データの入力を受け、当該管理人許可データを用いた認証が成功した場合に、全ての新聞に対応する収納ボックスを開錠するよう制御する開錠手段と、を備えることを特徴とする新聞受け管理システムである。
【0014】
また、本発明は、複数の企業が入居している施設の新聞受けを管理する新聞受け管理システムに用いられる新聞受け管理方法であって、前記新聞受け管理システムは、新聞の収納ボックスと、各新聞に対応した収納ボックスの情報と、各企業が購読している新聞の情報とを記憶する記憶手段とを有しており、前記新聞受け管理システムにおいて、開錠手段が、配達許可データの入力を受け、当該配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して当該配達許可データにより示される新聞に対応した収納ボックスを特定し、この特定した収納ボックスを開錠するよう制御するとともに、購読者許可データの入力を受け、当該購読者許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して、当該購読者許可データにより示される企業に対応した新聞を特定し、さらに特定した新聞に対応する収納ボックスを特定し、特定した収納ボックスを開錠するよう制御する、ことを特徴とする新聞受け管理方法である。
【0015】
また、本発明は、複数の企業が入居している施設の新聞受けを管理する新聞受け管理システムに用いられる新聞受け管理方法であって、前記新聞受け管理システムは、新聞の収納ボックスと、各新聞に対応した収納ボックスの情報と、各企業が購読している新聞の情報とを記憶する記憶手段とを有しており、前記新聞受け管理システムにおいて、開錠手段が、配達許可データの入力を受け、当該配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して当該配達許可データにより示される新聞に対応した収納ボックスを特定し、この特定した収納ボックスを開錠するよう制御するとともに、管理人許可データの入力を受け、当該管理人許可データを用いた認証が成功した場合に、全ての新聞に対応する収納ボックスを開錠するよう制御する、ことを特徴とする新聞受け管理方法である。
【発明の効果】
【0016】
上記の本発明の新聞受け管理システムによれば、配達人が入力した配達許可データによる認証が成功した場合に、当該配達人が配達する新聞用の収納ボックスを開錠してオフィスビル内の購読者分の新聞を収納ボックスに配達可能とし、また、オフィスビルに入居している企業(購読者)の社員が入力した購読者許可データによる認証が成功した場合に当該購読者の購読している新聞用の収納ボックスを開錠して新聞の取り出しを可能としたので、正当な配達人のみに新聞の配達を許可し、正当な購読者のみが配達された新聞を受取ることができる。また、メールボックスに新聞が溢れたりすることがなくなり、新聞や郵便物の抜き取りや紛失を防止することができ、さらには、不特定なチラシの投げ込みを防ぐことが可能となる。
加えて、収納ボックスの開錠履歴を保持し、この履歴により収納ボックスの開錠の許可を行うようにしたので、既にある社員によって取り出された新聞が、誤って同じ企業の他の社員によって取り出されることを防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の新聞受け管理システムについて図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施の形態による新聞受け管理システム1の構成を示す概略ブロック図である。この新聞受け管理システム1は、たとえば、複数の企業やテナント(以下、単に「企業」と記載)が入居するオフィスビル等の施設に適用される。この施設内の企業に勤務している者については社員カードが発行され、この社員カードを利用して当該施設への出入りを管理している。これにより、部外者は許可無くオフィスゾーンへは入れないようになっている。そして、本新聞受け管理システム1が設置された施設へ新聞を配達する配達人には配達人カードが発行され、配達人カードを用いて当該施設のエントランスに設置された新聞の収納ボックスを開錠し、当該施設全体での購読数分の新聞を投函する。各企業の社員は、社員カードにより収納ボックスを開錠して中から自社分の新聞を取り出してオフィスへ持ち帰る。また、管理人は管理人カードを用いて収納ボックスを開錠し、一定期間内に取り出されなかった新聞を廃棄する。
【0018】
本実施形態による新聞受け管理システム1は、オフィスビルの出入管理システム2、及び、新聞収納装置3と、これらを制御する制御装置8と、制御装置8に接続される管理サーバ9とを含んでなる。さらに、管理サーバ9は、各企業の連絡先メールアドレスを登録した管理データベース10(以下、データベースを「DB」と記載)と接続されている。また、管理サーバ9は、ルータ11を介して管理センタ端末14に接続される。制御装置8は、ルータ11またはインターネットなどの公衆通信網を介して各企業のパーソナルコンピュータなどの端末16へ電子メールを送信する。
【0019】
本実施形態による新聞受け管理システム1において使用される配達人カード、社員カード及び管理人カードには、ICカードを使用するものとする。
配達人カードには、カードを一意に識別するためのカード識別情報、配達人カードであることを示すカード種別情報、配達対象の新聞の種類を示す新聞種別情報、配達人を特定するための配達人識別情報、配達業者を特定するための配達業者識別情報、発行日時情報、有効期限情報等が含まれる配達許可データを記憶する。なお、カード識別情報を配達人識別情報または配達業者識別情報として使用してもよい。
【0020】
社員カードには、カード識別情報、社員カードであることを示すカード種別情報、社員が所属する企業を特定するための企業識別情報、社員を特定する社員識別情報、発行日時情報等が含まれる社員カードデータを記憶する。カード識別情報を社員識別情報または企業識別情報として使用してもよい。また、管理人カードには、カード識別情報、管理人カードであることを示すカード種別情報、管理人を特定する管理人識別情報、発行日時情報等が含まれる管理人許可データを記憶する。カード識別情報を管理人識別情報として使用してもよい。
【0021】
出入管理システム2は、エントランスに設置されたエントランス自動扉22と、社員カード、管理人カードを受け付けて認証を行い、エントランス自動扉22の開扉を行うエントランス用カードリーダ21、ならびに、オフィスビルのエントランスとオフィスゾーンとを分けるフラッパーゲート26と、社員カード、管理人カードを受け付けて認証を行い、フラッパーゲート26の開扉を行うフラッパーゲート用カードリーダ25を備えている。エントランス自動扉22やフラッパーゲート26は、出入りを行う者の通行を規制する通過規制装置として使用される。
【0022】
新聞収納装置3は、制御装置8と接続された新聞収納装置用カードリーダ31と、新聞収納装置用カードリーダ31と接続された収納ボックス32とを備える。新聞収納装置用カードリーダ31は、配達人カード、社員カード、管理人カードを受け付けて認証を行い、新聞を収納するための収納ボックス32の鍵を開ける。つまり、配達人は、配達人カードにより収納ボックス32の鍵を開けて新聞を投函し、各企業の社員は、社員カードにより収納ボックス32の鍵を開けて中の新聞を受取る。また、管理人は管理人カードを用いて収納ボックス32の鍵を開けて一定期間内に企業により取り出されなかった新聞を廃棄する。
【0023】
管理DB10は、企業識別情報と、通知先となる端末16のアドレスとを対応付けた情報を記憶する。ここでは、通知先アドレスとして、電子メールアドレスが使用される。
管理サーバ9は、オフィスビルの管理人がアクセス可能であり、これによって、制御装置8の調整・設定、管理DB10への情報登録などを行うことができる。オフィスビルに管理人の常駐が困難な場合または時間帯には、管理センタ端末14が緊急対応を行うことになる。
管理センタ端末14は、各種情報を管理サーバ9に出力する機能を有する。管理サーバ9は、制御装置8からの指示に従い、管理DB10への情報の書き込みおよび読み出しを行う。
【0024】
図2は、制御装置8の構成を説明するための概略ブロック図である。
制御装置8において、管理人発行カード記録部80は、管理サーバ9から管理人カードの情報記録媒体内の情報を受信して管理人カード内容情報を記録する。管理人カード内容情報には、管理人カード内に記憶される管理人許可データが含まれる。配達人発行カード記録部81は、管理サーバ9から配達人カードの情報を受信して記録する。発行された配達人カードの情報には、配達人カード内に記憶される配達許可データが含まれる。社員発行カード記録部82は、管理サーバ9から社員カードの情報記録媒体内の情報を受信して社員カード内容情報を記録する。社員カード内容情報には、社員カード内に記憶される社員カードデータが含まれる。この社員カードデータは、新聞の購読者の特定や認証等を行うための購読者許可データとして使用される。
【0025】
新聞収納記録部83は、新聞収納装置用カードリーダ31からの入力情報を得てこれを記録する。具体的には、当日配達分、及び、受取りがなされなかった残置分を収納するための各新聞毎の収納ボックス32の情報や、各企業が契約している新聞の種類とその部数の情報、各企業毎の新聞の引き取り履歴の情報を記憶する。各カードリーダ読取データ受領部85は、各カードリーダが配達人カード、社員カード、管理人カードから読み取った情報を受信して記憶する。データ照合部84(開錠手段)は、この各カードリーダ読取データ受領部85が受信して記憶したデータと、管理人発行カード記録部80、配達人発行カード記録部81、社員発行カード記録部82に記録されたデータとを比較照合し認証又は一致信号を、各カードリーダに送信する。
【0026】
管理人発行カード記録部80、配達人発行カード記録部81、社員発行カード記録部82、新聞収納記録部83、データ照合部84、各カードリーダ読取データ受領部85のデータ送受信の履歴は管理サーバ9にもその都度送信され、履歴データとして記憶される。この履歴データは管理センタ端末14から管理サーバ9にアクセスすることによって参照することが可能である。
【0027】
各カードリーダ読取データ受領部85は、各カードリーダ、すなわち、エントランス用カードリーダ21、フラッパーゲート用カードリーダ25、新聞収納装置用カードリーダ31などが読み取ったデータを受信するが、各カードリーダから受信したデータは、どのカードリーダからのものかを判別するため、カードリーダの識別情報が付加されて送信されてくるか、カードリーダの識別情報が各カードリーダ読取データ受領部85によって付与される。この識別情報に基づき、データ照合部84からの一致不一致或は認証不認証の信号が各カードリーダに送信される。
【0028】
通知部86は、収納ボックス32から新聞を受取っていない企業を検出し、管理DB10に当該企業の企業識別情報と対応付けて記憶されている通知先アドレスを読み出して新聞の引き取りがないことを通知する。
【0029】
図3は、新聞収納装置3の一例を示す正面図である。新聞収納装置3は、新聞収納装置用カードリーダ31と複数の収納ボックス32とからなる。新聞収納装置用カードリーダ31は、新聞収納装置用カードリーダ部33、情報を入力するためのキーボードやボタンなどの入力装置34、その入力情報の表示を行うディスプレイ35を備える。また、収納ボックス32の扉は、開錠時に点灯するランプ36を備える。
【0030】
ここでは、新聞収納装置3は、各新聞に対応して、当日配達分の新聞を投入すべき収納ボックス32と、企業によって受け取りがなされなかった新聞(残置新聞)を保留しておくべき収納ボックス32とを有する。残置新聞を保留しておくべき収納ボックス32の中は、仕切りにより、過去一定期間内の各日分の残置新聞を保留するスペースに区切る。ここでは、過去1週間分の新聞を保留することとするため、1つの保留ボックス内を、月曜〜日曜の残置新聞それぞれを保留するための7つのスペースに区切る。以下、新聞A、B、…に対応する収納ボックス32をそれぞれ収納ボックス32a、32b、…とし、さらにその符号の後ろに、当日配達分の新聞を投入すべきものは−1を、残置新聞を保留すべきものは−2を付加する。例えば、当日配達分の新聞Aを投入すべき収納ボックス32を収納ボックス32a−1、残置されている新聞Aを保留しておく収納ボックス32を収納ボックス32a−2とする。また、当日配達分の新聞Bを投入すべき収納ボックス32を収納ボックス32b−1、残置されている新聞Bを保留しておく収納ボックス32をそれぞれ収納ボックス32b−2とする。
【0031】
図4は、制御装置8の新聞収納記録部83が記憶する収納ボックス割当テーブルのデータ構成例を示す図である。同図において、収納ボックス割当テーブルには、新聞の種類を特定する情報としての新聞種別情報と、当日配達分の新聞を投函する収納ボックス32、及び、残置新聞を保留しておく収納ボックス32のボックス番号とが対応づけて登録されている。新聞種別情報としては、例えば、新聞名を用いることができる。
【0032】
図5は、制御装置8の新聞収納記録部83が記憶する購読者テーブルのデータ構成例を示す図である。同図において、購読者テーブルには、企業識別情報と、購読している新聞の新聞種別情報と、購読部数の情報とが対応づけて登録されている。
【0033】
図6は、制御装置8の新聞収納記録部83が記憶する履歴情報のデータ構成例を示す図である。同図において、履歴情報には、収納ボックス32を開錠した社員の属する企業の企業識別情報と、開錠した収納ボックス32のボックス番号と、開錠した時刻の情報とが対応づけて登録されている。
【0034】
次に、新聞受け管理システム1の動作手順について説明する。
図7は、配達人登録手順の一例を示すフローチャートである。
まず、管理人は、管理サーバ9の配達人(あるいは配達業者)登録ボタンを押し(ステップS110)、当該管理サーバ9の備えるカードリーダへ配達人カードをかざす(ステップS120)。さらに、管理人は、当日配達分、及び、各曜日の残置分を収納するための収納ボックス32のボックス番号とを入力する(ステップS130)。管理サーバ9は、配達人カードから読み出した配達許可データを制御装置8の配達人発行カード記録部81へ書き込む。さらに、管理サーバ9は、制御装置8の新聞収納記録部83に登録されている収納ボックス割当テーブルへ、配達許可データ内の新聞種別情報と、当日配達分、及び、保留分を収納するための収納ボックス32のボックス番号とを対応付けたデータを追加する(ステップS140)。
【0035】
図8は、購読者登録手順の一例を示すフローチャートである。
まず、管理人は、管理サーバ9の購読者登録ボタンを押し(ステップS210)、当該管理サーバ9の備えるカードリーダへ社員カードをかざす(ステップS220)。さらに、管理人は、企業が購読する新聞名(新聞種別)とその購読部数の情報を入力する(ステップS230)。管理サーバ9は、自身のディスプレイに、社員カードから読み出した社員カードデータ内の企業識別情報に対応した企業名と、入力された新聞名及び購読部数の情報とを表示する。管理サーバ9へ登録確認が入力されると(ステップS240)、登録操作を終了する(ステップS250)。
【0036】
ステップS240の動作と並行して、管理サーバ9は、管理DB10から企業識別情報に対応した電子メールアドレスを読み出し、この読み出した電子メールアドレスを宛先として、購読登録を行った新聞及び購読部数の情報を電子メールにより通知する(ステップS260)。該当企業では、端末16により電子メールを受信し、登録内容を確認すると(ステップS270)、受付確認メールを返送する(ステップS280)。管理サーバ9は、受付確認メールを受信すると、企業識別情報と、購読する新聞の新聞名(新聞種別情報)及び購読部数の情報とを対応付けたデータを制御装置8へ送信し、新聞収納記録部83内に登録されている購読者テーブルへ追加する(ステップS290)。
【0037】
図9は、配達人が新聞を配達する手順の一例を示すフローチャートである。
まず、配達人は、配達人カードを新聞収納装置3の新聞収納装置用カードリーダ部33の通信可能な距離内に近づける(ステップS310)。制御装置8のデータ照合部84は、新聞収納装置用カードリーダ部33によって配達人カードから読み取られた配達許可データと配達人発行カード記録部81に記憶された情報とを比較して、認証を行う(ステップS320)。
【0038】
認証が成功すると(ステップS320:YES)、制御装置8のデータ照合部84は、読み取られた配達許可データ内の新聞種別情報に対応した当日配達分の収納ボックス32のボックス番号を収納ボックス割当テーブルから読み出す。そして、読み出したボックス番号で特定される、当日配達分の新聞を投函すべき収納ボックス32の扉を開錠するよう新聞収納装置用カードリーダ31に指示するとともに、当該収納ボックス32のランプ36を点灯するよう指示する(ステップS330)。例えば、新聞種別情報が新聞Aを示す場合には、収納ボックス32a−1の扉が開錠される。さらに、データ照合部84は、配達人識別情報と、開錠した収納ボックス32のボックス番号と、開錠日時とを対応付けたデータを新聞収納記録部83内の履歴情報に書き込む。
【0039】
配達人は、開錠された収納ボックス32にまだ受取られずに残っている残置新聞を取り出し(ステップS340)、当該オフィスビル全体における購読数分の本日配達の新聞を入れる(ステップS350)。つまり、配達人は、当該オフィスビルにおいて当該新聞を購読している全会社それぞれの購読部数の総和部数を入れる。例えば、当該オフィスビルにおいて新聞Aを購読している企業がX,Y,Zの3社であり、それぞれが1部、2部、3部を購読している場合、6部の新聞Aが収納ボックス32a−1に入れられる。配達人は、当日配達分の新聞を収納ボックス32に入れると、扉を閉める(ステップS360)。扉が閉められた収納ボックス32は施錠され、ランプ36は消灯する(ステップS370)。
【0040】
図10は、配達人が残置新聞を保留する手順の一例を示すフローチャートである。
残置新聞があった場合、配達人は、新聞収納装置3の入力装置34に保留ボックス開錠の指示を入力し(ステップS410)、配達人カードを新聞収納装置用カードリーダ部33の通信可能な距離内に近づける(ステップS420)。制御装置8のデータ照合部84は、新聞収納装置用カードリーダ部33によって配達人カードから読み取られた配達許可データと配達人発行カード記録部81に記憶された情報とを比較して、認証を行う(ステップS430)。
【0041】
認証が成功すると(ステップS430:YES)、制御装置8のデータ照合部84は、読み取られた配達許可データ内の新聞種別情報に対応した、残置分の新聞を保留する収納ボックス32のボックス番号を収納ボックス割当テーブルから読み出す。そして、読み出したボックス番号で特定される、残置分の新聞を保留する収納ボックス32の扉を開錠するよう新聞収納装置用カードリーダ31に指示するとともに、当該収納ボックス32のランプ36を点灯するよう指示する(ステップS440)。例えば、新聞種別情報が新聞Aである場合は、収納ボックス32a−2の扉が開錠され、開錠された扉のランプ36が点灯する。さらに、データ照合部84は、配達人識別情報と、開錠した収納ボックス32のボックス番号と、開錠日時とを対応付けたデータを新聞収納記録部83内の履歴情報に書き込む。配達人は、図9のステップS340にて取り出した残置新聞をステップS440において開錠された収納ボックス32内の本日の曜日に対応したスペースに収納し(ステップS450)、扉を閉める(ステップS460)。扉が閉められた収納ボックス32は施錠され、ランプ36が消灯する。
【0042】
なお、図9のステップS320、図10のステップS430において本人確認が失敗した場合には(図9のステップS320:NO、図10のステップS430:NO)、ディスプレイ35に「本人の確認ができません。ご確認の上、キー入力して下さい。」などのメッセージを表示する(図9のステップS370、図10のステップS470)。
また、図9のステップS310、図10のステップS420において、配達人カードを新聞収納装置用カードリーダ部33へかざす代わりに、配達人識別情報、または、配達業者識別情報と、対応する暗証番号とを入力装置34に入力し、制御装置8のデータ照合部84は、この入力された情報により本人の認証を行ってもよい。
【0043】
なお、図9のステップS330において、保留分の収納ボックス32を同時に開けることにより、図10の手順を行わないようにすることもできる。また、上述した手順のように、当日配達分の収納ボックス32を開錠する場合と、保留分の収納ボックス32を開錠する場合とで異なる操作を行わせ、これらを同時に開錠しないようにすることにより、残置分の新聞がなかったときなどに保留用の収納ボックス32の扉の閉め忘れを防止することができる。また、保留用の収納ボックス32の扉のランプを点灯させることにより、どの収納ボックス32に残置分の新聞を保留すればよいかを配達人に分かりやすく示すことが可能となる。
【0044】
図11は、購読者による当日配達分の新聞受取り手順の一例を示すフローチャートである。
オフィスビルに入居している企業の社員は、新聞収納装置3の新聞収納装置用カードリーダ部33の通信可能な距離内に社員カードを近づける(ステップS510)。制御装置8のデータ照合部84は、新聞収納装置用カードリーダ部33によって社員カードから読み取られた社員カードデータと社員発行カード記録部82に記憶された情報とを比較して、認証を行う(ステップS520)。
【0045】
認証が成功すると(ステップS520:YES)、制御装置8のデータ照合部84は、新聞収納記録部83を参照し、社員カードデータ内の企業識別情報に対応した新聞種別情報を購読者テーブルから読み出し、読み出した新聞種別情報に対応した当日配達分の収納ボックス32のボックス番号を収納ボックス割当テーブルから読み出す。そして、企業識別情報と、読み出したボックス番号とをキーにして履歴情報を検索し、最も現在時刻に近い開錠日時を読み出す。さらに、データ照合部84は、配達人識別情報と、当該ボックス番号とをキーにして履歴情報を検索し、最も現在時刻に近い開錠日時を読み出す。そして、配達人識別情報とボックス番号とをキーにして読み出した開錠日時の方が、企業識別情報とボックス番号とをキーにして読み出した開錠日時より現在の日時に近い場合には、まだ新聞が取り出されていないと判断し、そうでなければ、既に新聞が取り出されていると判断する。
【0046】
まだ新聞が取り出されていないと判断した場合(ステップS530:無)、データ照合部84は、読み出したボックス番号により特定される、当日配達分の収納ボックス32の扉を開錠し、ランプ36を点灯するよう指示する。例えば、企業XがA新聞を1部、B新聞を2部購読している旨のデータが購読者テーブルに登録されている場合、収納ボックス32a−1及び32b−1の扉が開錠され、開錠された扉のランプ36が点灯する。さらに、データ照合部84は、企業識別情報と、開錠した収納ボックス32のボックス番号と、開錠日時とを対応付けたデータを新聞収納記録部83内の履歴情報に書き込む。社員は、開錠された収納ボックス32から自社の購読数分の新聞を取り出し(ステップS540)、扉を閉める(ステップS560)。扉が閉められると収納ボックス32は扉を施錠し、ランプ36を消灯する。
【0047】
ステップS530において、既に新聞が取り出されていると判断した場合は(ステップS530:有)、データ照合部84は、新聞収納装置3のディスプレイ35に、「既に取り出されています。ご確認下さい。」などのメッセージを表示する(ステップS560)。
また、ステップS520において、購読者確認に失敗した場合(ステップS520:NO)、新聞収納装置3のディスプレイ35に「本人の確認ができません。ご確認の上、キー入力して下さい。」などのメッセージを表示する。
【0048】
なお、ステップS510において、社員カードを新聞収納装置用カードリーダ部33へかざす代わりに、企業識別情報と、企業毎に割り当てられた暗証番号を入力装置34に入力し、制御装置8のデータ照合部84は、この入力された情報により購読者の認証を行ってもよい。
また、開錠対象となる当日配達分の収納ボックス32のボックス番号を入力装置34により入力させ、ステップS520における購読者認証が成功し、かつ、ステップS530における取り出し有無の確認が成功し、さらに、入力されたボックス番号の収納ボックス32が、当該企業の購読している新聞の収納ボックス32である場合に、入力されたボックス番号の収納ボックス32を開錠してもよい。
【0049】
図12は、購読者による保留分の新聞受取り手順の一例を示すフローチャートである。
オフィスビルに入居している企業の社員は、開錠したい残置新聞保留用の収納ボックス32の番号を入力装置34により入力し(ステップS610)、新聞収納装置3の新聞収納装置用カードリーダ部33の通信可能な距離内に社員カードを近づける(ステップS620)。制御装置8のデータ照合部84は、新聞収納装置用カードリーダ部33によって社員カードから読み取られた社員カードデータと社員発行カード記録部82に記憶された情報とを比較して、認証を行う(ステップS630)。
【0050】
認証が成功すると(ステップS630:YES)、データ照合部84は、社員カードデータ内の企業識別情報に対応した新聞種別情報を購読者テーブルから読み出し、さらに、読み出した新聞種別情報に対応した保留用の収納ボックス32のボックス番号を収納ボックス割当テーブルから読み出す。データ照合部84は、入力されたボックス番号が読み出したボックス番号に含まれているかを確認する。入力されたボックス番号が読み出したボックス番号に含まれている場合、データ照合部84は、企業識別情報と、読み出したボックス番号とをキーにして履歴情報を検索し、当該ボックス番号の収納ボックス32を、配達人が最後に開錠した日時以降に、当該企業が開錠したことを示すデータが登録されていないかにより既に保留分の新聞が取り出されていないかを確認する。保留分の新聞が取り出されていないと判断した場合、データ照合部84は、入力されたボックス番号に対応する収納ボックス32の扉を開錠し、ランプ36を点灯するよう指示する(ステップS640)。データ照合部84は、企業識別情報と、開錠した収納ボックス32のボックス番号と、開錠日時とを対応付けたデータを新聞収納記録部83内の履歴情報に書き込む。
【0051】
社員は、開錠された収納ボックス32から購読数分の新聞を取り出し(ステップS650)、扉を閉める(ステップS660)。扉が閉められると収納ボックス32は扉を施錠し、ランプ36を消灯させる。データ照合部84は、企業識別情報と、開錠した収納ボックス32のボックス番号と、開錠日時とを対応付けたデータを新聞収納記録部83内の履歴情報に書き込む。
【0052】
なお、ステップS630において、購読者確認に失敗した場合(ステップS630:NO)、新聞収納装置3のディスプレイ35に「本人の確認ができません。ご確認の上、キー入力して下さい。」などのメッセージを表示する。
【0053】
次に新聞が引き取られなかった場合の通知手順について説明する。
制御装置8の通知部86は、1日の所定の時間、例えば、夕方のある時刻になると、新聞収納記録部83内の購読者テーブルから、企業識別情報と新聞種別情報との組を読み出し、さらに、新聞収納記録部83内の収納ボックス割当テーブルから、この新聞種別情報に対応した当日配達分の収納ボックス32のボックス番号を読み出す。そして、読み出したボックス番号と、配達人識別情報とをキーにして新聞収納記録部83内の履歴情報を検索し、最も現在日時に近い開錠日時の情報を読み出して、これを最新の配達日時の情報とする。通知部86は、企業識別情報と、読み出したボックス番号とをキーに新聞収納記録部83内の履歴情報を検索し、最新の配達日時以降に開錠されたことを示すデータが登録されているか否かを判断する。最新の配達日時以降に開錠されたことを示すデータが登録されていない場合、通知部86は、まだ当日配達分の新聞が取り出されていないと判断して、企業識別情報に対応するメールアドレスを管理DB10から読み出し、読み出したメールアドレスを宛先として、新聞種別情報により示される新聞名と、当該新聞がまだ引き取られていない旨を通知する電子メールを送信する。
通知部86は、購読者テーブルに登録されている全ての企業識別情報と新聞種別情報との組について、上記のように当日配達分の新聞取り出しのチェックと、取り出されていない場合の通知の処理を行う。
【0054】
また、管理人は、1日の所定の時間、例えば、夕方の所定の時刻になると、新聞収納装置3の入力装置34により残置新聞の引き取りを入力し、新聞収納装置用カードリーダ部33の通信可能な距離内に管理人カードを近づける。制御装置8のデータ照合部84は、新聞収納装置用カードリーダ部33によって管理人カードから読み取られた管理人許可データと管理人発行カード記録部80に記憶された情報とを比較して認証を行う。データ照合部84は、認証が成功すると、残置新聞を保留している収納ボックス32全てのボックス番号を収納ボックス割当テーブルから読み出し、この読み出したボックス番号で特定される収納ボックス32の扉を開錠するよう新聞収納装置用カードリーダ31に指示する。管理人は、開錠された収納ボックス32にまだ引き取られていない1週間前の新聞が残っている場合には、その新聞を取り出して扉を閉める。扉が閉められた収納ボックス32は施錠を行う。管理人は、取り出した新聞を管理人室等に設置する収納箱に集め、有価物として処理する。
【0055】
なお、上記においては、各企業の社員が新聞収納装置3から新聞を取り出しているが、管理人が収納ボックス32を開錠して、各企業に配布してもよい。この場合、管理人は、毎朝、新聞収納装置3の新聞収納装置用カードリーダ部33に管理人カードを近づけ、制御装置8のデータ照合部84は、新聞収納装置用カードリーダ31から読み出した管理人カード内の情報により認証を行う。データ照合部84は、認証が成功した場合に、全新聞の当日配達分の収納ボックス32のボックス番号を収納ボックス割当テーブルから読み出し、この読み出したボックス番号で特定される収納ボックス32の扉を開錠するよう新聞収納装置用カードリーダ31に指示する。管理人は、開錠された収納ボックス32から新聞を取り出し、各企業に配布する。
【0056】
なお、上記においては、配達人は、配達人カードにより収納ボックス32を開錠して新聞を投函するようにしたが、収納ボックス32に投函口を設け、この投函口から新聞を投函するようにしてもよい。
【0057】
なお、社員カード、管理人カードを施設の出入り管理に使用する場合は、以下のように動作する。施設に入居している企業の社員は、施設に入る際、エントランス用カードリーダ21の通信可能な距離内に社員カードを近づける。制御装置8のデータ照合部84は、エントランス用カードリーダ21によって社員カードから読み取られた社員カードデータと社員発行カード記録部82に記憶された情報とを比較して認証を行い、認証が成功するとエントランス自動扉22を開くよう指示する。同様に、社員がフラッパーゲート用カードリーダ25の通信可能な距離内に社員カードを近づけると、制御装置8のデータ照合部84は認証を行い、認証が成功するとフラッパーゲート26を開くよう指示する。
管理人カードの場合も同様である。すなわち、制御装置8のデータ照合部84は、エントランス用カードリーダ21、または、フラッパーゲート用カードリーダ25に近づけられた管理人カードから読み取られた管理人許可データと管理人発行カード記録部80に記憶された情報とを比較して認証を行い、認証が成功するとエントランス自動扉22、または、フラッパーゲート26を開くよう指示する。
【0058】
なお、他の実施の形態として、新聞収納装置3は、各新聞に対応して、当日配達分の新聞を投入すべき収納ボックス32と、過去一定期間内の各日について、企業によって受け取りがなされなかった新聞(残置新聞)を保留しておくべき収納ボックス32とを有することでもよい。例えば、図13に示すように、当日配達分の新聞Aを投入すべき収納ボックス32を収納ボックス32a−1、月曜〜日曜に残置されている新聞Aを保留しておく収納ボックス32をそれぞれ収納ボックス32a−3〜32a−9とする。また、当日配達分の新聞Bを投入すべき収納ボックス32を収納ボックス32b−1、月曜〜日曜に残置されている新聞Bを保留しておく収納ボックス32をそれぞれ収納ボックス32b−3〜32b−9とする。
【0059】
この場合、収納ボックス割当テーブルには、新聞の種類を特定する情報としての新聞種別情報と、当日配達分の新聞を投函する収納ボックス32、及び、月曜〜日曜までの残置新聞それぞれを保留しておく収納ボックス32のボックス番号とが対応づけて登録される。そのため、図7のステップS140においては、収納ボックス割当テーブルへ、配達許可データ内の新聞種別情報と、当日配達分、及び、各曜日の保留分を収納するための収納ボックス32のボックス番号とを対応付けたデータを追加する。
【0060】
そして、図10のステップS440において、制御装置8のデータ照合部84は、配達許可データ内の新聞種別情報に対応した、当日残置分の新聞を保留する収納ボックス32のボックス番号を収納ボックス割当テーブルから読み出し、読み出したボックス番号で特定される収納ボックス32の扉の開錠とランプ36の点灯を指示する。例えば、新聞種別情報が新聞Aであり、当日が火曜である場合は、収納ボックス32a−4の扉が開錠され、開錠された扉のランプ36が点灯する。配達人は、この開錠された収納ボックス32内に残置新聞を収納する。
管理人による残置新聞の引き取り時、制御装置8のデータ照合部84は、1週間前の残置新聞を保留している収納ボックス32全てのボックス番号を収納ボックス割当テーブルから読み出し、この読み出したボックス番号で特定される収納ボックス32の扉を開錠するよう指示する。
【0061】
本実施形態の新聞受け管理システム1によれば、配達人は、配達人カードを新聞収納装置3の新聞収納装置用カードリーダ31にかざすことにより収納ボックス32を開錠してオフィスビル内の購読者分の新聞を収納ボックス32に配達し、オフィスビル内の企業、すなわち、購読者は、新聞収納装置用カードリーダ31に社員カードをかざすことにより収納ボックス32を開錠して新聞を取り出す。制御装置8は、収納ボックス32の開錠の履歴を保持しており、一度取り出した新聞の収納ボックス32は、開錠することができない。また、当日配達分の新聞を取り出さなかった購読者は、後日、保留分回収を入力装置34により入力し、新聞収納装置用カードリーダ31に社員カードをかざすことにより、新聞を保留している収納ボックス32を開錠して取り出すことができる。これにより、メールボックスに新聞が溢れたりすることがなくなり、新聞や郵便物の抜き取りや紛失を防止することができる。さらには、不特定なチラシの投げ込みを防ぐことが可能となる。また、既に取り出された新聞が誤って取り出されることを防ぐことも可能である。
さらに、オフィスビルの出入管理システム2に用いる社員カードをそのまま利用することができるため、コストダウンを図ることができる。また、出入管理と独立したシステムであってもよい。
【0062】
以上、本発明にかかわる実施形態を説明したが、上記したように、カードは、非接触式でカードリーダに内容を読み込める非接触ICカードが望ましいが、他の磁気カードなどの電子カードの場合も可能である。また、上記の実施形態では制御装置8に設けた認証などの機能を、各カードリーダに持たせる構成とすることも、容易にできることは明らかである。
【0063】
なお、制御装置8の各部及び管理サーバ9の動作の過程を、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶しておき、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理を行うことも可能である。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0064】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0065】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態による新聞受け管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態による制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態による新聞収納装置の構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態による新聞収納記録部が保持する収納ボックス割当テーブルのデータ構成例を示すブロック図である。
【図5】同実施形態による新聞収納記録部が保持する購読者テーブルのデータ構成例を示すブロック図である。
【図6】同実施形態による新聞収納記録部が保持する履歴情報のデータ構成例を示すブロック図である。
【図7】同実施形態による新聞受け管理システムの動作手順を示す図である。
【図8】同実施形態による新聞受け管理システムの動作手順を示す図である。
【図9】同実施形態による新聞受け管理システムの動作手順を示す図である。
【図10】同実施形態による新聞受け管理システムの動作手順を示す図である。
【図11】同実施形態による新聞受け管理システムの動作手順を示す図である。
【図12】同実施形態による新聞受け管理システムの動作手順を示す図である。
【図13】他の実施形態による新聞収納装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0067】
1…新聞受け管理システム
2…出入管理システム
3…新聞収納装置
8…制御装置
9…管理サーバ
10…管理DB
14…管理センタ端末
16…端末
21…エントランス用カードリーダ
22…エントランス自動扉
25…フラッパーゲート用カードリーダ
26…フラッパーゲート
31…新聞収納装置用カードリーダ
32…収納ボックス
33…新聞収納装置用カードリーダ部
34…入力装置
35…ディスプレイ
36…ランプ
80…管理人発行カード記録部
81…配達人発行カード記録部
82…社員発行カード記録部
83…新聞収納記録部
84…データ照合部
85…各カードリーダ読取データ受領部
86…通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の企業が入居している施設の新聞受けを管理する新聞受け管理システムであって、
新聞の収納ボックスと、
各新聞に対応した収納ボックスの情報と、各企業が購読している新聞の情報とを記憶する記憶手段と、
配達許可データの入力を受け、当該配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して当該配達許可データにより示される新聞に対応した収納ボックスを特定し、この特定した収納ボックスを開錠するよう制御するとともに、購読者許可データの入力を受け、当該購読者許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して、当該購読者許可データにより示される企業に対応した新聞を特定し、さらに特定した新聞に対応する収納ボックスを特定し、特定した収納ボックスを開錠するよう制御する開錠手段と、
を備えることを特徴とする新聞受け管理システム。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記開錠手段が配達許可データにより認証を行って前記収納ボックスを開錠した時刻である配達時刻の情報と、前記開錠手段が購読者許可データにより認証を行って収納ボックスを開錠した開錠時刻及び当該購読者許可データにより示される企業の情報とを履歴情報として記憶し、
前記開錠手段は、前記記憶手段を参照して、認証された前記購読者許可データにより示される企業に対応した新聞を特定し、特定した新聞に対応する収納ボックスを特定し、特定した収納ボックスの最新の配達時刻以降に当該企業が当該収納ボックスを開錠したことを示す情報が履歴情報として登録されていないと判断した場合に、当該収納ボックスの扉を開錠する、
ことを特徴とする請求項1に記載の新聞受け管理システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記開錠手段が配達許可データにより認証を行って前記収納ボックスを開錠した時刻である配達時刻の情報と、前記開錠手段が購読者許可データにより認証を行って収納ボックスを開錠した開錠時刻及び当該購読者許可データにより示される企業の情報とを履歴情報として記憶するとともに、各企業の通知先アドレスを記憶し、
前記記憶手段を参照して、各企業それぞれについて、当該企業に対応した新聞を特定し、特定した新聞に対応する収納ボックスを特定し、特定した収納ボックスの最新の配達時刻以降に当該企業が当該収納ボックスを開錠したことを示す情報が履歴情報として登録されていないと判断した場合に、当該企業の通知先アドレス宛に新聞が引き取られていない旨の通知を送信する通知手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の新聞受け管理システム。
【請求項4】
前記記憶手段は、各新聞について当日配達分を収納する収納ボックスの情報と、保留分を収納する収納ボックスの情報とを記憶し、
前記開錠手段は、入力された情報に応じて、前記特定した新聞の当日配達分を収納する収納ボックス、または、前記特定した新聞の保留分を収納する収納ボックス、あるいは、その両方の収納ボックスを開錠する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの項に記載の新聞受け管理システム。
【請求項5】
前記記憶手段は、各新聞について保留期間内の各日に対応した保留分を収納する収納ボックスの情報を記憶し、
前記開錠手段は、配達許可データ及び保留分の収納ボックスの開錠指示の入力を受け、当該配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して当該配達許可データにより示される新聞に対応し、この新聞の本日の保留分を収納する収納ボックスを特定し、この特定した収納ボックスを開錠するよう制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載の新聞受け管理システム。
【請求項6】
前記開錠手段は、管理人許可データの入力を受け、当該管理人許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して、所定の期間が経過した保留分を収納する全ての新聞の収納ボックスを特定し、この特定した収納ボックスを開錠するよう制御する、
ことを特徴とする請求項5に記載の新聞受け管理システム。
【請求項7】
新聞の配達人が保持する配達人カードから配達許可データを読み出すとともに、前記企業に属する社員が保持する社員カードから購読者許可データを読み出すカードリーダをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの項に記載の新聞受け管理システム。
【請求項8】
複数の企業が入居している施設の新聞受けを管理する新聞受け管理システムであって、
新聞の収納ボックスと、
各新聞に対応した収納ボックスの情報と、各企業が購読している新聞の情報とを記憶する記憶手段と、
配達許可データの入力を受け、当該配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して当該配達許可データにより示される新聞に対応した収納ボックスを特定し、この特定した収納ボックスを開錠するよう制御するとともに、管理人許可データの入力を受け、当該管理人許可データを用いた認証が成功した場合に、全ての新聞に対応する収納ボックスを開錠するよう制御する開錠手段と、
を備えることを特徴とする新聞受け管理システム。
【請求項9】
複数の企業が入居している施設の新聞受けを管理する新聞受け管理システムに用いられる新聞受け管理方法であって、
前記新聞受け管理システムは、
新聞の収納ボックスと、
各新聞に対応した収納ボックスの情報と、各企業が購読している新聞の情報とを記憶する記憶手段とを有しており、
前記新聞受け管理システムにおいて、
開錠手段が、配達許可データの入力を受け、当該配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して当該配達許可データにより示される新聞に対応した収納ボックスを特定し、この特定した収納ボックスを開錠するよう制御するとともに、購読者許可データの入力を受け、当該購読者許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して、当該購読者許可データにより示される企業に対応した新聞を特定し、さらに特定した新聞に対応する収納ボックスを特定し、特定した収納ボックスを開錠するよう制御する、
ことを特徴とする新聞受け管理方法。
【請求項10】
複数の企業が入居している施設の新聞受けを管理する新聞受け管理システムに用いられる新聞受け管理方法であって、
前記新聞受け管理システムは、
新聞の収納ボックスと、
各新聞に対応した収納ボックスの情報と、各企業が購読している新聞の情報とを記憶する記憶手段とを有しており、
前記新聞受け管理システムにおいて、
開錠手段が、配達許可データの入力を受け、当該配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段を参照して当該配達許可データにより示される新聞に対応した収納ボックスを特定し、この特定した収納ボックスを開錠するよう制御するとともに、管理人許可データの入力を受け、当該管理人許可データを用いた認証が成功した場合に、全ての新聞に対応する収納ボックスを開錠するよう制御する、
ことを特徴とする新聞受け管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−120474(P2008−120474A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−303273(P2006−303273)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【出願人】(000102751)エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 (6)
【Fターム(参考)】