新規なデバイス
舌に沿って動かすことにより舌をクリーニングするために支持されている舌クリーニング面と、舌クリーニング用流体のための貯槽と、舌クリーニング面上か、または直接ユーザーの舌の上に流体を供給するための手段とを有する舌クリーニング用デバイスであって、カバー部を有し、該舌クリーニング面とカバー部とが、使用する際の舌クリーニング面が露出する位置と舌クリーニング面がカバー部で覆われる位置との間で相対的に移動可能になっている舌クリーニング用デバイスが開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舌をクリーニングするためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
細菌の棲みかとなり得、またその結果、口臭やその他口腔内の衛生問題の原因となる堆積物を舌から除去するため、舌のクリーニングは望ましいと考えられる。
【0003】
一般的に、ユーザーの舌に沿って、且つ舌と接触した状態で動かす面を有し、突出部(例えば半球形または円錐形の突出部)や細長いリッジ(突条部)を備えるような、舌をクリーニングするためのデバイスは公知である。一般的に、そのようなデバイスは、その面を舌に沿って往復させることにより舌をクリーニングするために用いられる。例えば突出部がリッジからなる場合には、リッジは、そのリッジの長さ方向に対して横方向に往復させることができる。このデバイスは、プラスチック材料、例えばポリプロピレンあるいはエラストマーの突出部など、口腔内で使用するのに安全とされる様々な材料から形成することができる。
【0004】
当技術分野では舌をクリーニングするための様々なデバイスが公知である。例えば特許文献1には、ゴム材料などの半硬質材料から形成可能なヘッド部を有し、その表面上に舌をクリーニングするための隆起部があり、この表面内の穴を通り表面における開口部を介して舌クリーニング用流体を吐出することができるデバイスが開示されている。特許文献1のデバイスは流体のための貯槽を有し、この貯槽から開口部へ向かって、導管を介して流体をポンプ送りすることができる。舌クリーニング用流体を舌の上に供給するための機器を有する舌クリーニング用デバイスは、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5および特許文献6にも開示されている。
【特許文献1】米国特許第6,132,445号明細書
【特許文献2】米国特許第6,139,558号明細書
【特許文献3】国際公開第00/01311号パンフレット
【特許文献4】国際公開第01/41659号パンフレット
【特許文献5】米国特許第5,779,654号明細書
【特許文献6】米国特許第6,089,865号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献に開示されているデバイスは、一般的に、細長い歯ブラシ状のデバイスである。本発明は、より使いやすい構造のデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、
舌に沿って且つ接触した状態で舌のクリーニング方向に動かすことにより、舌をクリーニングするために支持されている舌クリーニング面と、
舌クリーニング用流体のための貯槽と、
該流体を(a)舌クリーニング面の上、または(b)直接ユーザーの舌の上に供給するための手段と、
カバー部と、
を有する舌をクリーニングするためのデバイスが提供される。
舌クリーニング面とカバー部とは、使用の際に舌クリーニング面が露出する第1の位置と舌クリーニング面がカバー部で覆われる第2の位置との間で相対的に移動可能である。
【0007】
このデバイスにより、舌クリーニング面の上へ直接的に、またはユーザーの舌を介して間接的に流体を供給することができる。
【0008】
好適には、舌クリーニング面は、そのような舌クリーニング面を有するエラストマー部材、すなわちゴム状の面とする。好ましくは、例えば舌クリーニング面と舌との間の擦り効果を大きくすることによって舌のクリーニングを促進するための舌クリーニング面からの突出部(例えば一体型突出部)がある。突出部は、例えば円錐形、半球形、あるいは舌クリーニング面の全部または一部を横切るリッジの形態にあってよい。
【0009】
好適には、舌クリーニング面は少なくとも1つのリッジを有していてもよく、そのリッジの長さ方向は舌のクリーニング方向に対して横向きに配置され、そのリッジの厚さは舌のクリーニング方向における厚さであり、そのリッジの高さ方向は舌のクリーニング方向に対して垂直の方向である。
【0010】
舌クリーニング面は、底面を有し且つ上側枠によって囲まれた凹部を画定する部材を有し、凹部の深さ方向は舌のクリーニング方向に対して垂直であり、その凹部内には、リッジの長さ方向が舌のクリーニング方向に対して横向きである少なくとも1つのリッジが支持されていてもよく、この少なくとも1つのリッジはリッジの長さ方向においてその底面から凸状の湾曲した形状で盛り上がる外形を有している。
【0011】
舌クリーニング面は、舌のクリーニングで使用する際に最初にユーザーの口に入る本明細書で「前方部」と呼ぶ舌のクリーニング方向上の端部、および本明細書で「後方端部」と呼ぶ反対側の端部を有している。後方端部から前方端部に向かう方向は、本明細書では「前方向」と呼ばれ、その反対方向は本明細書では「後方向」と呼ばれる。ユーザーの口の中へ入る方向での舌クリーニング面の移動は本明細書では「イン・ストローク」と呼ばれ、舌クリーニング面のユーザーの口の外へ出る方向での移動は本明細書では「アウト・ストローク」と呼ばれる。
【0012】
好適には、凹部の形状が半楕円体となるように、凹部は、その主軸を舌のクリーニング方向に揃えて、下方に向かって底面を見たときの平面図が卵形形状となる。
【0013】
好適には、そのような少なくとも1つのリッジは、湾曲した凸状の頂上部に盛り上がっている外形を有し、且つその最高点は凹部の横方向の中間点近傍にある。好適には、そのような少なくとも1つのリッジは、湾曲した凸状の頂上部を有する外形をなし、その頂上部の両横側が湾曲して凹状に下降している。好適には、リッジの湾曲した凸状形状の外形が凹部底面から上方へ盛り上がっている高さは、リッジ近傍の凹部の深さよりも低くする。この結果、底面から遠いリッジのエッジ部が凹部の枠より下方に位置することになる。このようなリッジを有している本発明の第2の態様の舌クリーニング面は、ユーザーの舌面、特にユーザーの舌の中央隆線へのリッジのより良好な接触を促進するということを見出した。
【0014】
この少なくとも1つのリッジの形状は、そのリッジの長さ方向において直線であってもよいし、あるいは緩やかに湾曲していてもよい。例えばユーザーの口の中にその部材が挿入される方向へ凸である弧状に湾曲していてもよい。
【0015】
複数のリッジがあってもよく、そうである場合はそれらは好ましくは舌のクリーニング方向において連続的に配置される。この複数のリッジのエッジ部は舌のクリーニング方向に沿って切断したとき全てが直線上に並んでいてもよいが、好ましくはそのようなエッジ部は凸状または凹状曲線をなす。その結果、そのような凸状または凹状曲線における端部が使用の際にユーザーの舌に接触する。この複数のリッジのエッジ部は、舌のクリーニング方向に沿って切断したときに前方端部から後方端部の方へリッジの高さ方向において下降するように並んでいてもよい。
【0016】
複数のリッジが舌のクリーニング方向において連続的に配置されている場合は、リッジは、舌をクリーニングする間に受ける圧力下で全て同じ柔軟特性を有していてもよい。好ましくは、別の形態として、例えば舌の上にある表面苔をアウト・ストロークの際に舌前方部へ向かって外の方への引きずり出すことを促進するために前方端部により近い方、または前方端部近傍に柔軟性の低いリッジを集中させてもよく、また例えば舌をマッサージするために後方端部により近い方、または後方端部近傍により柔軟性の高いリッジを集中させてもよい。例えば、より柔軟性の低いリッジはより柔軟性の高いリッジよりも舌のクリーニング方向における厚みを大きくすることができ、あるいはより柔軟性の低いリッジはより柔軟性の高いリッジよりも高さ:最大厚み比を低くすることができる。
【0017】
リッジは、舌のクリーニング方向に沿って切断したときに、対称的な断面を有していてもよい。好ましくは、リッジ断面は、この方向に沿って切断したときに、リッジをユーザーの口に挿入する側の、舌のクリーニング方向における端部近傍のリッジの半径が、リッジをユーザーの口から取り出す側の、舌のクリーニング方向における端部近傍のリッジの半径よりも大きいという点で非対称であるものとする。そのような断面は、リッジをユーザーの口の中に挿入するときより楽にリッジを舌に沿って滑らせ、同時に堆積物除去動作の際ユーザーの舌から開いている口の方へ堆積物を効果的にかきとる際に助けとなり得る。
【0018】
舌クリーニング面では、1つ以上のリッジと、舌クリーニング面からの部分的例えば半球形や半卵形のドーム状または円錐状の一体型突出部のような他のタイプの舌クリーニング手段とを組み合わせてもよい。
【0019】
好適には、この1つ以上のリッジはエラストマー材料製であり、且つエラストマー部材と一緒に一体につくられたものとする。そのような部材は、例えば、凹部底面の一部から構成されていてもよい。
【0020】
例えば、エラストマー部材は、例えば硬質のプラスチック材料製の裏打ち材および/または例えばプラスチック材料製のフレームによって、部材全体または一部を囲みまた例えば部材をその外縁部で支持することによって支持されていてもよい。
【0021】
本発明の第2の態様に特に適した、そのような裏打ち材の1つの形態は、キャビティ(このキャビティの中にはエラストマー部材を支持する1つ以上の支持部が上方へと延びている)の底面を画定する例えばプラスチック材料製のシェルの形態にある部分から構成しても良い。そのような支持部は例えば1つ以上のリブから構成してもよい。好適には、複数の支持部(例えば複数のリブ)がある。例えば、複数のリブは、そのようなプラスチック材料製のシェルと一体に形成され、またリブの長さ方向が長手方向を横切るように延びていてもよく、さらにエラストマー部材はそのような複数のリブの上側エッジ部によって画定される舌クリーニング面上に支持されていてもよい。そのような配置は、軽いが頑丈な構造を提供し、本発明のデバイスに必要とされるプラスチック材料の量を最少とすることができる。
【0022】
本発明に係るデバイスの舌クリーニング面のいくつかの特徴は、新規で進歩性があるものであり、また一般的には舌クリーニング用デバイスにとって有益なものでもある。
【0023】
したがって第2の態様では、本発明は、舌に沿って、且つ舌と接触させて舌のクリーニング方向に舌クリーニング面を動かすことによって舌をクリーニングするために支持されている舌クリーニング面を有する、舌をクリーニングするためのデバイスであって、該舌クリーニング面が、底面を有し且つ上側枠によって囲まれた凹部を画定する部材を有し、凹部の深さ方向は舌のクリーニング方向に対して垂直であり、該凹部内には長さ方向が舌のクリーニング方向に対して横向きである少なくとも1つのリッジが支持されているデバイスにおいて、該少なくとも1つのリッジが、リッジの長さ方向においてその底面から凸状の湾曲した形状で盛り上がっている外形を有する、舌をクリーニングするためのデバイスを提供する。
【0024】
そのような凹部の好ましい特徴、例えばその形状、リッジの好ましい特徴例えばその材料、外形、横断面と形状、複数リッジの配置、支持部などは、本発明の第1の態様に関して上記で述べたものと同じであってよい。
【0025】
舌クリーニング面またはユーザーの舌の上に流体をそれぞれ供給するための手段は、貯槽から、流体を供給することができる供給オリフィスまで流体をポンプ送りするためのポンプ手段を有していてもよい。ポンプ手段とオリフィスとの間には連通を提供する導管があってもよい。
【0026】
公知のタイプのポンプ手段を用いることができる。例えば香水サンプルスプレーボトル用に用いられるポンプ型の、典型的には直径が約13mmの円筒形で、例えばRexamという会社製の好適な小型ポンプが商業的に入手可能である。貯槽は、例えば、ユーザーの手の圧力でそれを圧縮し、それによって貯槽から流体をポンプ送りできるように、柔軟性があって且つ圧縮可能なものであってよい。貯槽から内包流体を誘導するためには貯槽は例えば圧縮ガスで加圧されていてもよい。例えば、貯槽と供給オリフィスの間にはポンプがあってもよい。貯槽とオリフィスの間には、貯槽からオリフィスへ向かって流体を流動させるためにバイアスされている一方向弁があってもよい。貯槽は交換式であってもよい。舌クリーニング用流体は、舌クリーニング用流体ジェルであってもよい。
【0027】
典型的にはデバイスは1回で約0.75mLの流体を供給できるものであってよく、また貯槽は、例えば1日1回使用した場合の1ヶ月の供給量である約22.5mLの容量を有し得る。
【0028】
選択肢(a)では上記舌クリーニング面上に流体を供給するための手段としては、例えば舌クリーニング面(例えば隔壁の形態にある舌クリーニング面)を完全に貫通している1つ以上のオリフィスを舌クリーニング面に有していてもよい。選択肢(a)では流体は、例えば、舌クリーニング面を舌に当てる前に、または舌クリーニング面を舌に当てている間に舌クリーニング面上に供給され得る。
【0029】
選択肢(b)ではユーザーの舌の上に流体を供給するための手段としては、舌クリーニング面をユーザーの舌に当てる前に、ユーザーの舌の上に流体を供給できるように配置された供給オリフィス(例えばデバイス上のスプレーノズルのようなノズル)を有していてもよい。
【0030】
舌クリーニング面、および好ましくは存在する場合はその支持部は、舌クリーニング面が使用する際に露出する第1の位置と、舌クリーニング面がカバー部によって覆われている第2の位置との間で移動可能となっている。これは様々な方法で達成できる。1つの構造では、デバイスは、第1の部分が舌クリーニング面を有しており、第2の部分がカバー部を有しており、第1の部分と第2の部分とが、第2の位置においてカバー部が舌クリーニング面を覆うように相対的に移動可能である2つの部分で構成されている。カバー部は、第2の位置において舌クリーニング面に隣接するような第2の部分の領域を有していてもよい。例えば舌クリーニング面とカバー部は、第2の位置において互いに対面関係となり且つ接近するような面をいずれもが有していてもよい。
【0031】
そのような第2の部分には舌クリーニング用流体の貯槽が組み込まれていてもよい。
【0032】
そのような第1の部分と第2の部分は、例えば、第2の位置において第2の部分が舌クリーニング面を覆うように互いに対して相対的にスライド式に移動可能となっていてもよい。例えば第1の部分と第2の部分は、第1の部分と第2の部分を一緒に保持し、またスライド移動する際には第1の部分と第2の部分とを案内するための協働的案内手段を有していてもよい。
【0033】
第1の部分と第2の部分は、好ましい構成では、第2の位置においてカバー部が舌クリーニング面を覆うように互いに対してピボット式に移動可能となっていてもよい。例えば第1の部分と第2の部分は、そのようなピボット式移動を可能とするピボット式連結部によって連結されていてもよい。好適には第1の部分と第2の部分は、特に舌クリーニング面が本発明の第2の態様である卵形の凹部を有している場合は、対応する卵形の形状を有していてもよく、またそのピボット式連結部はこの卵形形状の長軸の一方の端部近傍に位置していてもよい。第2の部分は、第1の部分が第2の位置にあるときその舌クリーニング面を覆うカバー部を有していてもよく、そしてピボット式連結部は、第2の位置においてカバー部が舌クリーニング面を覆うように第1の部分と第2の部分に対して配置されていてもよい。好ましい構造では、この相対的ピボット式移動は舌クリーニング面に実質的に平行な平面において、すなわちこの平面に垂直なピボット軸の回りにおいてであってよい。第1の部分と第2の部分が相対的にピボット式移動が可能であるもう1つの構造では、第1の部分と第2の部分は、今では例えば携帯電話で見慣れたいわゆる「二枚貝」配置でピボット式にヒンジ取り付けされていてもよい。そのような配置では舌クリーニング面を有している第1の部分と第2の部分とはそれぞれそれらの外縁部近くでヒンジ取り付けされており、そして第2の部分は、舌クリーニング面の平面に垂直な回転平面において、舌クリーニング面の平面に平行なピボット軸の回りを大きな角度(例えば約180度)で回転することができる。「舌クリーニング面の平面」とは、この面が平坦であるということを意味するのではなく、「最も良く嵌合する」構造とされた平面によって一般的に表され得る。
【0034】
第1の部分と第2の部分は、例えば、互いから完全に分離可能であり、それによって舌クリーニング面が露出する程度まで相対的に移動可能となっていてもよい。この2つの部分は、例えば、従来のスナップ式嵌合や摩擦嵌合あるいは多少便利なラッチによって解除可能に一緒に連結されていてもよい。
【0035】
選択肢(a)に適した1つの実施形態では、舌クリーニング面上に流体を供給するためには、上述の導管は、そのような第1の部分と第2の部分との間にある連結部の中を(例えば第1の部分と第2の部分との間にあるピボット式連結部の中を)通っていてもよく、またそのような導管は、流体をその導管から舌クリーニング面にある1つ以上の供給オリフィスの方へ運ぶための、舌クリーニング面の反対側に位置している導管と連通していてもよい。
【0036】
選択肢(b)に適した1つの実施形態では、舌クリーニング面上に流体を供給するため、第2の部分に、流体のための貯槽、該貯槽から流体を供給するための手段を組み込み、さらに流体をユーザーの舌の上に供給することができるオリフィスを第2の部分に組み込んでもよい。
【0037】
選択肢(b)に適したもう1つの実施形態では、舌クリーニング面上に流体を供給するため、第2の部分に、流体のための貯槽、該貯槽から流体を供給するための手段、流体を第1の部分まで運ぶための導管が組み込まれ、流体をユーザーの舌の上に供給することができるオリフィスが第1の部分に組み込まれていてもよい。そのような導管は第1の部分と第2の部分との間にある連結部の中を(例えば第1の部分と第2の部分との間にあるピボット式連結部の中を)通っていてもよく、またそのような導管は、流体を第1の部分にあるオリフィスの方へ運ぶための、舌クリーニング面の反対側に位置しているさらなる導管と連通していてもよい。
【0038】
デバイスには、デバイスの完成度、特にデバイスの衛生状態を高めるためのさらなる要素が提供されていてもよい。
【0039】
例えば、カバー部が舌クリーニング面を覆っている第2の位置にあるときに、その舌クリーニング面に空気が進入してくるのを促進するための手段がデバイスには提供されていてもよい。空気の進入は細菌の繁殖を防ぐ上で助けとなることができ、また舌クリーニング面上の汚染物を酸化することもできる。例えば、デバイスには、デバイス外部と舌クリーニング面との間に空気の連通を提供する1つ以上の穴があってもよい。上記で述べたような二枚組のデバイスではそのような1つ以上の穴は第2の部分にあってもよい。
【0040】
例えば、デバイスは、その舌クリーニング面上にある残留液体が流れ落ちやすいように、その舌クリーニング面が例えば水平に対して45度以上の角度で垂直なコンポーネントに揃うような静置位置にデバイスが置かれるのを促進する形状または構造のものであってよい。例えばデバイスは、舌クリーニング面がそのような配向状態で並ぶようにデバイスを立てることができる基部を伴った形状とされてもよい。そのような基部は、例えば、上述したデバイスの第1の部分または第2の部分の外面の形状によって提供されてもよい。そのような基部は、例えば、デバイスに組み込まれ且つデバイスの外層を超えて出っ張っている貯槽の外側面によって提供されていてもよい。例えばデバイスには、舌クリーニング面をそのような傾斜にしてデバイスを支持することができる支持部、例えばデバイスの外側面から引き延ばしまたはヒンジ開きされそれによってデバイスがもたれかかるための脚を提供することができる引き延ばし式またはヒンジ式の支持部が提供されていてもよい。デバイスには、例えば、デバイスを載せることができ、且つ舌クリーニング面をそのように傾斜させてデバイスを支持する受け台が一緒に提供されていてもよい。
【0041】
使用する際には、デバイスをその第1の位置に移動させて舌クリーニング面を使用のために露出させることができ、流体を舌クリーニング面に適用することができる。そして舌クリーニング面を用いて、例えば舌クリーニング面を舌に沿って舌のクリーニング方向に往復移動させることで舌をクリーニングする(例えば舌の堆積物を除去する)ことができる。デバイスはこの後、例えばそれを水または洗浄液中ですすぎ洗いすることで使用後に洗うことができる。使用を終えまたそのように洗った後は、デバイスは好ましくは、舌クリーニング面上の残留液体が流れ落ちやすいように、舌クリーニング面が、例えば上述した手段によって、例えば45度以上の角度で垂直なコンポーネントに揃うような静置位置に置かれる。
【0042】
好適な舌クリーニング用流体としては、公知の商業的に入手可能なマウスウォッシュ洗液が挙げられ、これはアルコール無添加であってもよいし、あるいはアルコールが入っていてもよく、また過酸化水素(国の規制に適合する量で[例えばEUでは約0.1%])やセチルピリジニウムクロリド(典型的には0.07%)のような抗菌活性物質が入っていてもよく、また例えばミントで香りがつけられていてもよい。好適なそのような洗液は、例えばGlaxoSmithKlineからSensodyne(商標)ブランドで販売されているOASIS(商標)、Procter&GambleからCrest(商標)ブランドで販売されているPRO−HEALTH(商標)、Colgate−Palmoliveから販売されているFLUORIGUARD(商標)のように、商業的に入手可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
次に本発明を、ほんの一例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【0044】
図1〜4に、選択肢(a)による、舌をクリーニングするためのデバイス1の全体を示す。このデバイス1は、4でピボット式に連結されている第1の部分2と第2の部分3とを有している。第1の部分2はプラスチック材料製であり、一般的には半楕円形シェルの形態である。
【0045】
第1の部分2の楕円形開口部に沿って、エラストマー材料の薄い層の形態にあるエラストマー部材5が取り付けられている。エラストマー部材5は、舌クリーニング面6を有し、硬質プラスチック材料(例えばポリプロピレン)製の裏打ち部材7によって支持されている。舌クリーニング面6からは複数の半球形の突出部8が一体に突き出ている。突出部以外の舌クリーニング面6は概して平坦である。支持部7は、第1の部分2のシェル枠にある適切なスナップ嵌合接続部にスナップ式に嵌合する。舌クリーニング面6には、部材5と裏打ち部材7とを完全に貫通し、また第1の部分2内で導管10と連通しているオリフィス9がある。導管10は、ピボット式連結部4を通り且つ第1の部分2と第2の部分3との間をつなぐ別の導管11と連通している。
【0046】
第2の部分3も、一般的にはプラスチック材料製シェルの形態にある。部分3には、相補的に嵌合している、舌クリーニング用流体のための貯槽12が収納されている。貯槽12は、収容する流体のための吐出ノズル13を有している。吐出ノズル13は、部分3にあるコネクター14に接続されている。
【0047】
第2の部分3には、機械式のポンプ手段15が組み込まれている。このポンプ手段15は、部分3に貯槽12が接続されたときに、貯槽12からオリフィス9へ導管11および10を通って流体をポンプ送りすることができる。ポンプ15は、ピストンポンプなどの公知のタイプであり、ユーザーの手の圧力で、部分3のシェルの一部であるフレキシブル隔壁16をポンプ15に向かって且つポンプ15と接触させるように変形させることにより作動させることができる。貯槽12とオリフィス9との間には、流体が貯槽12からオリフィス9に向かって流れるようにする一方向弁(図示せず)があってもよい。
【0048】
図5、図6および図7に、本発明の選択肢(b)によるデバイス20を示す。図示するように、デバイス20の全体形状とレイアウトは図1〜4のデバイスと類似する。デバイス20は第1の部分21と第2の部分22を有し、23でピボット式に連結されている。この場合もやはり、部分21および部分22はいずれも半楕円形シェルの形態である。部分21のシェルの楕円形開口部に沿って、エラストマー材料の薄い層の形態にあるエラストマー部材24が取り付けられている。エラストマー部材24は、舌クリーニング面25を有し、硬質プラスチック材料製の裏打ち部材26によって支持されている。このエラストマー部材24の表面25にはリブ27がある。
【0049】
第2の部分22には、相補的に嵌合している舌クリーニング用流体のための貯槽28が収納されている。貯槽28は、収容する流体のための吐出ノズル29を有している。吐出ノズル29は、部分22にあるコネクター210に接続されている。第2の部分22には、貯槽28から吐出用スプレーノズルであるオリフィス212まで流体をポンプ送りすることができるポンプ手段211も含まれている。ポンプ211も公知のタイプであり、ユーザーの手の圧力で、部分22のシェルの一部であるフレキシブル隔壁213をポンプ211に向かって且つポンプ211と接触させるように変形させることにより作動させることができる。貯槽28とオリフィス212との間には、流体が貯槽28からオリフィス212に向かって流れるように一方向弁があってもよい。
【0050】
図1、3、5および6に、舌クリーニング面6が使用のために露出している第1の位置にあるデバイス1を示す。
【0051】
図2および図7には、舌クリーニング面6が覆われている第1の位置にあるデバイス1を示す。この状態は、第1の部分2、21と第2の部分3、22とが、ピボット式連結部4、23周りに互いに対してピボット移動することにより達成される。図示するように、第1の部分2、21および第2の部分3、22は、図3および図7に示す楕円形の平面形状に類似する半楕円体形状である。これらの楕円形状の平面に対し垂直に延びるピボット軸周りで、第1の位置では舌クリーニング面6、25が第2の部分3、22の下から回し出され、第2の位置では舌クリーニング面6が第2の部分3の下に回し戻されるように、楕円形状の周縁部近くであって楕円形状の長軸上にピボット式連結部4、23が配置されている。第2の部分3、22は、カバー部17、214を有している。カバー部17、214は、貯槽12、28の表面からなり、第1の部分2が第2の位置にあるときに舌クリーニング面6を覆うものである。
【0052】
使用に際しては、図1〜4のデバイス1は、通常、図2に示すように第2の位置に保持され、舌クリーニング面6がカバー部17で覆われている。その結果、汚染や損傷、もしくはオリフィス9を介する流体漏出からデバイス1が保護される。使用する場合は、デバイスを図1および3に示すような第1の位置に動かし、使用するため舌クリーニング面6を露出させる。ポンプ15を作動させて、適切な容量の流体を舌クリーニング面に適用する。例えば、ポンプ15の1回のストロークにより約0.75mLの流体をオリフィス9を通じて供給することができる。その後、舌クリーニング面5をユーザーの舌に沿って往復させることにより、舌をクリーニングする(例えば舌の堆積物を除去する)ことができる。
【0053】
使用に際し、図5〜7のデバイス20は、通常図7に示すような第2の位置に保持され、舌クリーニング面25がカバー部214によって覆われている。使用する場合には、まずオリフィス212をユーザーの舌に向けるようにデバイスを位置させ、ポンプ211を作動させて貯槽28中の流体をユーザーの舌の上にスプレーする。これは、デバイス20が第1の位置か第2の位置のいずれの状態であっても行うことができる。この後、デバイス20を図5または図6に示すような第2の位置にし、舌クリーニング面25を舌に当て、リブ27を舌表面に沿って往復させて舌をクリーニングする。
【0054】
このようにしてデバイス1、20を使用した後は、舌クリーニング面6、25を例えば蛇口の下ですすぎ洗いするなどして洗浄することができる。そしてデバイス1、20は図2または7に示すような第2の位置に戻される。
【0055】
図8、図9および図10は、第1の部分21の別の好ましい形態を詳細に示したものであり、この好ましい形態は、図1〜図7に示すデバイスの舌クリーニング面として使用するのに好適な舌クリーニング面30を有している。要素23は、雄プラグがスナップ式に嵌合して第2の部分22とのピボット式連結を提供するのに適した雌ソケットを表している。舌クリーニング面30は、前方端部30Aと反対側の後方端部30Bとを有している。部分21はプラスチック材料製のシェル31を有しており、このシェル31は、凹部33の上側枠32を画定しており、また全体的には図8の平面図で示すように長軸A−Aが舌のクリーニング方向に縦に延びる卵形状である。凹部33の下部表面には、シェル31の内面上にエラストマー部材34が配置されている。凹部33は、図9および図10において上向きの方向である深さ方向を有している。この深さ方向は、図8の平面図では長手軸である舌のクリーニング方向A−Aに対して垂直の方向に当たる。部材34の上面には複数のリッジ35が一体に形成され、そのリッジの長さ方向は、図8において舌のクリーニング方向A−Aに対し横に直交する方向である。リッジ35は、舌をクリーニングする長手方向A−Aに沿って連続的に配置されている。図10に示すように、各リッジ36は、リッジの長さ方向において凹部32の底面から離れるように盛り上がる外形を有している。すなわち、部材34の上面が凸状の湾曲形状となっており、湾曲した凸状の頂上部を有し、その頂上部の両横側が湾曲して凹状に下降している。各リッジ35の湾曲した凸状外形の、凹部32の底面から上方に盛り上がる高さは、リッジ35近傍での凹部の深さよりも低くする。この結果、図10に示すように、凹部33の底面から離れたリッジ35のエッジ部が、凹部33の上側枠32より下方に位置するようになる。
【0056】
図8に示すように、リッジ35は、そのリッジの長さ方向が弧状に緩やかに湾曲しており、部材をユーザーの口の中に挿入する方向へ凸である弧になっている。
【0057】
図9に示すように、複数のリッジ35のエッジ部は、全体として、舌のクリーニング方向における切断面に示すように凸状に湾曲している。図9にも示すように、複数のリッジ35のエッジ部は、舌をクリーニングする長手方向A−A(幅方向はB−Bで表される)に沿って切断したとき、全体として前方端部30Aから後方端部30Bの方へリッジ35の高さ方向において下降するように並んでいる。
【0058】
図11および図12は、図8および図9に類似する部分21の構造を示している。柔軟性の低いリッジ35Aが前方端部30Aの近くに配置され、より柔軟性のあるリッジ35Bが後方端部30Bの近くに配置されている。柔軟性の低いリッジ35Aは、より柔軟性のあるリッジ35Bに比べて舌のクリーニング方向における厚みが大きく、また、より柔軟性のあるリッジ35Bに比べて、高さ:最大厚み比が小さくなっている。図11、図12および図13では、リッジ35はまた、舌のクリーニング方向A−Aに沿って切断したときに、後方端部30Aにより近いリッジ35の端部半径が前方端部30Bに隣接しているリッジの端部半径よりも大きいという点で、この方向に沿って切断したときに非対称となる断面を有している。
【0059】
図13は、図8と同じような部分21の構造を示すものであり、図中のリッジ35は、そのリッジの長さ方向が長手方向A−Aに対し直交する直線状となるよう配置されている。
【0060】
図14は、図8と同じような部分21の平面図を示している。図では、舌クリーニング面(すなわち部材34の上面)から一体に突出するドーム状または円錐状の突出部36からなる舌クリーニング手段と、リッジ35とが組み合わされている。突出部36は、面34上の、後方端部30Bにより近い位置に配置されている。図15は、図9に対応する、図14のデバイスの長手方向の断面図である。
【0061】
図11〜図15のデバイスでは、リッジ35の長手方向に見た切断面の外形は、図10の外形と同様である。
【0062】
図16は、部分21、特に図8〜図15の部分21の別の構造の一部を詳細に示すものであり、図8〜図15に対応する部分には同じ番号が付けられている。部分21は、キャビティ41の底面を画定するプラスチック材料製のシェル40を有している。シェル40からは複数のリブ42がキャビティ41内へ向かって上方へ延びている。複数のリブ42はプラスチック材料製のシェル40と一体に形成され、そのリブの長さ方向は、長手方向を横切るように、すなわち図面の面内方向に延びている。複数のリブ42の上側エッジ部22によって画定される面上にはエラストマー部材43が支持され、そのエラストマー部材43の上面に、リッジ35と同じような複数のリッジ44が一体に形成されている。
【0063】
図17には、本発明のデバイス50が模式的に示されている。このデバイス50は、上記図5、図6および図7と同様に、第1の部分51と第2の部分52とを有し、53でピボット式に連結されている。部分51には、図5、図6および図7と同様に舌クリーニング面54が組み込まれ、部分52には、デバイス50を図17に示す第2の位置にしたときに舌クリーニング面54を覆うような面55が組み込まれている。第2の部分52には、デバイス50の外側と舌クリーニング面54との間で空気を連通させる複数の穴56が設けられている。
【0064】
図18には、図5、図6、図7および図17と同様の二部分構造からなるデバイス60を静置位置に置くための様々な手段が示されている。図では、舌クリーニング面上の残留液体が流れ落ちやすいように、舌クリーニング面が垂直なコンポーネントに沿って揃えられている。図18Aには、平坦な基部62が形成された第2の部分61を有するデバイス60が示されている。この平坦な基部62によって、舌クリーニング面63が水平面に対して45度以上の角度で傾斜するようにデバイスを立てることができる。図18Bは、デバイス60を示す。この場合の基部64は、デバイス60の中に組み込まれ、且つデバイスの外層を越えて突き出ているような貯槽65の外面の形状により提供される。その基部によって、舌クリーニング面66を垂直にした状態でデバイス60を立てることができる。図18Cは、第2の部分に68でヒンジ取付される支持部67が設けられているデバイスを示すものである。この支持部67は、舌クリーニング面69をそのような傾斜状態で、図示するように外の方へヒンジ移動して、支持脚のようにデバイス60を支持することができる。支持部67はデバイス60の外面に対して平坦になるよう元にヒンジ移動することができ、そのような平坦な位置で例えばデバイス60とのスナップ嵌合式相互ロックによりロックすることができる。図18Dは、受け台610が一緒に提供される、図5、図6、図7および図17と同じような二部分構造からなるデバイス60を示すものである。受け台610にデバイスを置くことができ、舌クリーニング面611がそのように傾斜した状態でデバイス60が支持される。図18に示すデバイス60には、好ましくは過剰の流体を排出させるための排水孔(図示せず)が設けられ、これに加えて、あるいは別の形態として第1の部分と第2の部分の間の接合部はこの接合部から流体が排出するように十分に非水密としておいてもよい。
【0065】
図19には、第1の部分71と第2の部分72が「二枚貝」配置で相対的にピボット式に移動可能となっているデバイス70の構造を示す。舌クリーニング面73を含む第1の部分71と第2の部分とは、それぞれの外縁部近傍にあるヒンジ74によってヒンジ取付されている。図19Bに示すように、第2の部分72は、図19Cに示すピボット軸A−A周りで、舌クリーニング面73の面と直交する回転面内において約180度にわたり回転可能であり、一般的には舌クリーニング面73の面と平行になる。デバイス70はポンプ作動ボタン75を有しており、これによって舌クリーニング用流体をオリフィス76から供給することができる。
【0066】
図20には、第1の部分81と第2の部分82とが互いに完全に分離可能となっていて、それにより舌クリーニング面83が露出されるようなデバイス80が示されている。部分81と部分82は、それぞれの外縁部のあたりに配置された小さなスナップ式嵌合連結部84によって解除可能に一つに連結されている。図20Aは一つに連結された配置にある部分81、部分82を示し、図20Bは使用のために分離した状態を示している。デバイス80はポンプ作動ボタン85を有しており、これによって舌クリーニング用流体をオリフィス86から供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1の位置にある本発明のデバイスの断面図である。
【図2】第2の位置にある本発明のデバイスの断面図である。
【図3】第2の位置にある本発明のデバイスの平面図である。
【図4】第1の位置にある、貯槽が取り外された本発明のデバイスの断面図である。
【図5】第1の位置にある本発明の別のデバイスの断面図である。
【図6】第2の位置にある図5のデバイスの断面図である。
【図7】第2の位置にある図5のデバイスの平面図である。
【図8】別の舌クリーニング面の平面図である。
【図9】長手方向に切断した、図8の舌クリーニング面の断面図である。
【図10】長手方向を横切るように切断した、図8の舌クリーニング面の断面図である。
【図11】別の舌クリーニング面の平面図である。
【図12】長手方向に切断した図11の舌クリーニング面の断面図である。
【図13】別の舌クリーニング面の平面図である。
【図14】別の舌クリーニング面の平面図である。
【図15】長手方向に切断した図14の舌クリーニング面の断面図である。
【図16】本発明のデバイスの構造を詳細に示す図である。
【図17】舌クリーニング面へ空気を受け入れるための開口部を有する本発明のデバイスを示す図である。
【図18A】本発明デバイスを、舌クリーニング面を傾斜させた状態で静置位置に置くことを可能にする手段を示す図である。
【図18B】本発明デバイスを、舌クリーニング面を傾斜させた状態で静置位置に置くことを可能にする手段を示す図である。
【図18C】本発明デバイスを、舌クリーニング面を傾斜させた状態で静置位置に置くことを可能にする手段を示す図である。
【図18D】本発明デバイスを、舌クリーニング面を傾斜させた状態で静置位置に置くことを可能にする手段を示す図である。
【図19A】本発明の別のデバイスを示す図である。
【図19B】本発明の別のデバイスを示す図である。
【図19C】本発明の別のデバイスを示す図である。
【図20A】本発明の別のデバイスを示す図である。
【図20B】本発明の別のデバイスを示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1 デバイス
2 第1の部分
3 第2の部分
4 ピボット式連結部
5 エラストマー部材
6 舌クリーニング面
7 裏打ち部材
8 突出部
9 オリフィス
10 導管
12 貯槽
13 吐出ノズル
14 コネクター
15 ポンプ手段
16 隔壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、舌をクリーニングするためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
細菌の棲みかとなり得、またその結果、口臭やその他口腔内の衛生問題の原因となる堆積物を舌から除去するため、舌のクリーニングは望ましいと考えられる。
【0003】
一般的に、ユーザーの舌に沿って、且つ舌と接触した状態で動かす面を有し、突出部(例えば半球形または円錐形の突出部)や細長いリッジ(突条部)を備えるような、舌をクリーニングするためのデバイスは公知である。一般的に、そのようなデバイスは、その面を舌に沿って往復させることにより舌をクリーニングするために用いられる。例えば突出部がリッジからなる場合には、リッジは、そのリッジの長さ方向に対して横方向に往復させることができる。このデバイスは、プラスチック材料、例えばポリプロピレンあるいはエラストマーの突出部など、口腔内で使用するのに安全とされる様々な材料から形成することができる。
【0004】
当技術分野では舌をクリーニングするための様々なデバイスが公知である。例えば特許文献1には、ゴム材料などの半硬質材料から形成可能なヘッド部を有し、その表面上に舌をクリーニングするための隆起部があり、この表面内の穴を通り表面における開口部を介して舌クリーニング用流体を吐出することができるデバイスが開示されている。特許文献1のデバイスは流体のための貯槽を有し、この貯槽から開口部へ向かって、導管を介して流体をポンプ送りすることができる。舌クリーニング用流体を舌の上に供給するための機器を有する舌クリーニング用デバイスは、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5および特許文献6にも開示されている。
【特許文献1】米国特許第6,132,445号明細書
【特許文献2】米国特許第6,139,558号明細書
【特許文献3】国際公開第00/01311号パンフレット
【特許文献4】国際公開第01/41659号パンフレット
【特許文献5】米国特許第5,779,654号明細書
【特許文献6】米国特許第6,089,865号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献に開示されているデバイスは、一般的に、細長い歯ブラシ状のデバイスである。本発明は、より使いやすい構造のデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、
舌に沿って且つ接触した状態で舌のクリーニング方向に動かすことにより、舌をクリーニングするために支持されている舌クリーニング面と、
舌クリーニング用流体のための貯槽と、
該流体を(a)舌クリーニング面の上、または(b)直接ユーザーの舌の上に供給するための手段と、
カバー部と、
を有する舌をクリーニングするためのデバイスが提供される。
舌クリーニング面とカバー部とは、使用の際に舌クリーニング面が露出する第1の位置と舌クリーニング面がカバー部で覆われる第2の位置との間で相対的に移動可能である。
【0007】
このデバイスにより、舌クリーニング面の上へ直接的に、またはユーザーの舌を介して間接的に流体を供給することができる。
【0008】
好適には、舌クリーニング面は、そのような舌クリーニング面を有するエラストマー部材、すなわちゴム状の面とする。好ましくは、例えば舌クリーニング面と舌との間の擦り効果を大きくすることによって舌のクリーニングを促進するための舌クリーニング面からの突出部(例えば一体型突出部)がある。突出部は、例えば円錐形、半球形、あるいは舌クリーニング面の全部または一部を横切るリッジの形態にあってよい。
【0009】
好適には、舌クリーニング面は少なくとも1つのリッジを有していてもよく、そのリッジの長さ方向は舌のクリーニング方向に対して横向きに配置され、そのリッジの厚さは舌のクリーニング方向における厚さであり、そのリッジの高さ方向は舌のクリーニング方向に対して垂直の方向である。
【0010】
舌クリーニング面は、底面を有し且つ上側枠によって囲まれた凹部を画定する部材を有し、凹部の深さ方向は舌のクリーニング方向に対して垂直であり、その凹部内には、リッジの長さ方向が舌のクリーニング方向に対して横向きである少なくとも1つのリッジが支持されていてもよく、この少なくとも1つのリッジはリッジの長さ方向においてその底面から凸状の湾曲した形状で盛り上がる外形を有している。
【0011】
舌クリーニング面は、舌のクリーニングで使用する際に最初にユーザーの口に入る本明細書で「前方部」と呼ぶ舌のクリーニング方向上の端部、および本明細書で「後方端部」と呼ぶ反対側の端部を有している。後方端部から前方端部に向かう方向は、本明細書では「前方向」と呼ばれ、その反対方向は本明細書では「後方向」と呼ばれる。ユーザーの口の中へ入る方向での舌クリーニング面の移動は本明細書では「イン・ストローク」と呼ばれ、舌クリーニング面のユーザーの口の外へ出る方向での移動は本明細書では「アウト・ストローク」と呼ばれる。
【0012】
好適には、凹部の形状が半楕円体となるように、凹部は、その主軸を舌のクリーニング方向に揃えて、下方に向かって底面を見たときの平面図が卵形形状となる。
【0013】
好適には、そのような少なくとも1つのリッジは、湾曲した凸状の頂上部に盛り上がっている外形を有し、且つその最高点は凹部の横方向の中間点近傍にある。好適には、そのような少なくとも1つのリッジは、湾曲した凸状の頂上部を有する外形をなし、その頂上部の両横側が湾曲して凹状に下降している。好適には、リッジの湾曲した凸状形状の外形が凹部底面から上方へ盛り上がっている高さは、リッジ近傍の凹部の深さよりも低くする。この結果、底面から遠いリッジのエッジ部が凹部の枠より下方に位置することになる。このようなリッジを有している本発明の第2の態様の舌クリーニング面は、ユーザーの舌面、特にユーザーの舌の中央隆線へのリッジのより良好な接触を促進するということを見出した。
【0014】
この少なくとも1つのリッジの形状は、そのリッジの長さ方向において直線であってもよいし、あるいは緩やかに湾曲していてもよい。例えばユーザーの口の中にその部材が挿入される方向へ凸である弧状に湾曲していてもよい。
【0015】
複数のリッジがあってもよく、そうである場合はそれらは好ましくは舌のクリーニング方向において連続的に配置される。この複数のリッジのエッジ部は舌のクリーニング方向に沿って切断したとき全てが直線上に並んでいてもよいが、好ましくはそのようなエッジ部は凸状または凹状曲線をなす。その結果、そのような凸状または凹状曲線における端部が使用の際にユーザーの舌に接触する。この複数のリッジのエッジ部は、舌のクリーニング方向に沿って切断したときに前方端部から後方端部の方へリッジの高さ方向において下降するように並んでいてもよい。
【0016】
複数のリッジが舌のクリーニング方向において連続的に配置されている場合は、リッジは、舌をクリーニングする間に受ける圧力下で全て同じ柔軟特性を有していてもよい。好ましくは、別の形態として、例えば舌の上にある表面苔をアウト・ストロークの際に舌前方部へ向かって外の方への引きずり出すことを促進するために前方端部により近い方、または前方端部近傍に柔軟性の低いリッジを集中させてもよく、また例えば舌をマッサージするために後方端部により近い方、または後方端部近傍により柔軟性の高いリッジを集中させてもよい。例えば、より柔軟性の低いリッジはより柔軟性の高いリッジよりも舌のクリーニング方向における厚みを大きくすることができ、あるいはより柔軟性の低いリッジはより柔軟性の高いリッジよりも高さ:最大厚み比を低くすることができる。
【0017】
リッジは、舌のクリーニング方向に沿って切断したときに、対称的な断面を有していてもよい。好ましくは、リッジ断面は、この方向に沿って切断したときに、リッジをユーザーの口に挿入する側の、舌のクリーニング方向における端部近傍のリッジの半径が、リッジをユーザーの口から取り出す側の、舌のクリーニング方向における端部近傍のリッジの半径よりも大きいという点で非対称であるものとする。そのような断面は、リッジをユーザーの口の中に挿入するときより楽にリッジを舌に沿って滑らせ、同時に堆積物除去動作の際ユーザーの舌から開いている口の方へ堆積物を効果的にかきとる際に助けとなり得る。
【0018】
舌クリーニング面では、1つ以上のリッジと、舌クリーニング面からの部分的例えば半球形や半卵形のドーム状または円錐状の一体型突出部のような他のタイプの舌クリーニング手段とを組み合わせてもよい。
【0019】
好適には、この1つ以上のリッジはエラストマー材料製であり、且つエラストマー部材と一緒に一体につくられたものとする。そのような部材は、例えば、凹部底面の一部から構成されていてもよい。
【0020】
例えば、エラストマー部材は、例えば硬質のプラスチック材料製の裏打ち材および/または例えばプラスチック材料製のフレームによって、部材全体または一部を囲みまた例えば部材をその外縁部で支持することによって支持されていてもよい。
【0021】
本発明の第2の態様に特に適した、そのような裏打ち材の1つの形態は、キャビティ(このキャビティの中にはエラストマー部材を支持する1つ以上の支持部が上方へと延びている)の底面を画定する例えばプラスチック材料製のシェルの形態にある部分から構成しても良い。そのような支持部は例えば1つ以上のリブから構成してもよい。好適には、複数の支持部(例えば複数のリブ)がある。例えば、複数のリブは、そのようなプラスチック材料製のシェルと一体に形成され、またリブの長さ方向が長手方向を横切るように延びていてもよく、さらにエラストマー部材はそのような複数のリブの上側エッジ部によって画定される舌クリーニング面上に支持されていてもよい。そのような配置は、軽いが頑丈な構造を提供し、本発明のデバイスに必要とされるプラスチック材料の量を最少とすることができる。
【0022】
本発明に係るデバイスの舌クリーニング面のいくつかの特徴は、新規で進歩性があるものであり、また一般的には舌クリーニング用デバイスにとって有益なものでもある。
【0023】
したがって第2の態様では、本発明は、舌に沿って、且つ舌と接触させて舌のクリーニング方向に舌クリーニング面を動かすことによって舌をクリーニングするために支持されている舌クリーニング面を有する、舌をクリーニングするためのデバイスであって、該舌クリーニング面が、底面を有し且つ上側枠によって囲まれた凹部を画定する部材を有し、凹部の深さ方向は舌のクリーニング方向に対して垂直であり、該凹部内には長さ方向が舌のクリーニング方向に対して横向きである少なくとも1つのリッジが支持されているデバイスにおいて、該少なくとも1つのリッジが、リッジの長さ方向においてその底面から凸状の湾曲した形状で盛り上がっている外形を有する、舌をクリーニングするためのデバイスを提供する。
【0024】
そのような凹部の好ましい特徴、例えばその形状、リッジの好ましい特徴例えばその材料、外形、横断面と形状、複数リッジの配置、支持部などは、本発明の第1の態様に関して上記で述べたものと同じであってよい。
【0025】
舌クリーニング面またはユーザーの舌の上に流体をそれぞれ供給するための手段は、貯槽から、流体を供給することができる供給オリフィスまで流体をポンプ送りするためのポンプ手段を有していてもよい。ポンプ手段とオリフィスとの間には連通を提供する導管があってもよい。
【0026】
公知のタイプのポンプ手段を用いることができる。例えば香水サンプルスプレーボトル用に用いられるポンプ型の、典型的には直径が約13mmの円筒形で、例えばRexamという会社製の好適な小型ポンプが商業的に入手可能である。貯槽は、例えば、ユーザーの手の圧力でそれを圧縮し、それによって貯槽から流体をポンプ送りできるように、柔軟性があって且つ圧縮可能なものであってよい。貯槽から内包流体を誘導するためには貯槽は例えば圧縮ガスで加圧されていてもよい。例えば、貯槽と供給オリフィスの間にはポンプがあってもよい。貯槽とオリフィスの間には、貯槽からオリフィスへ向かって流体を流動させるためにバイアスされている一方向弁があってもよい。貯槽は交換式であってもよい。舌クリーニング用流体は、舌クリーニング用流体ジェルであってもよい。
【0027】
典型的にはデバイスは1回で約0.75mLの流体を供給できるものであってよく、また貯槽は、例えば1日1回使用した場合の1ヶ月の供給量である約22.5mLの容量を有し得る。
【0028】
選択肢(a)では上記舌クリーニング面上に流体を供給するための手段としては、例えば舌クリーニング面(例えば隔壁の形態にある舌クリーニング面)を完全に貫通している1つ以上のオリフィスを舌クリーニング面に有していてもよい。選択肢(a)では流体は、例えば、舌クリーニング面を舌に当てる前に、または舌クリーニング面を舌に当てている間に舌クリーニング面上に供給され得る。
【0029】
選択肢(b)ではユーザーの舌の上に流体を供給するための手段としては、舌クリーニング面をユーザーの舌に当てる前に、ユーザーの舌の上に流体を供給できるように配置された供給オリフィス(例えばデバイス上のスプレーノズルのようなノズル)を有していてもよい。
【0030】
舌クリーニング面、および好ましくは存在する場合はその支持部は、舌クリーニング面が使用する際に露出する第1の位置と、舌クリーニング面がカバー部によって覆われている第2の位置との間で移動可能となっている。これは様々な方法で達成できる。1つの構造では、デバイスは、第1の部分が舌クリーニング面を有しており、第2の部分がカバー部を有しており、第1の部分と第2の部分とが、第2の位置においてカバー部が舌クリーニング面を覆うように相対的に移動可能である2つの部分で構成されている。カバー部は、第2の位置において舌クリーニング面に隣接するような第2の部分の領域を有していてもよい。例えば舌クリーニング面とカバー部は、第2の位置において互いに対面関係となり且つ接近するような面をいずれもが有していてもよい。
【0031】
そのような第2の部分には舌クリーニング用流体の貯槽が組み込まれていてもよい。
【0032】
そのような第1の部分と第2の部分は、例えば、第2の位置において第2の部分が舌クリーニング面を覆うように互いに対して相対的にスライド式に移動可能となっていてもよい。例えば第1の部分と第2の部分は、第1の部分と第2の部分を一緒に保持し、またスライド移動する際には第1の部分と第2の部分とを案内するための協働的案内手段を有していてもよい。
【0033】
第1の部分と第2の部分は、好ましい構成では、第2の位置においてカバー部が舌クリーニング面を覆うように互いに対してピボット式に移動可能となっていてもよい。例えば第1の部分と第2の部分は、そのようなピボット式移動を可能とするピボット式連結部によって連結されていてもよい。好適には第1の部分と第2の部分は、特に舌クリーニング面が本発明の第2の態様である卵形の凹部を有している場合は、対応する卵形の形状を有していてもよく、またそのピボット式連結部はこの卵形形状の長軸の一方の端部近傍に位置していてもよい。第2の部分は、第1の部分が第2の位置にあるときその舌クリーニング面を覆うカバー部を有していてもよく、そしてピボット式連結部は、第2の位置においてカバー部が舌クリーニング面を覆うように第1の部分と第2の部分に対して配置されていてもよい。好ましい構造では、この相対的ピボット式移動は舌クリーニング面に実質的に平行な平面において、すなわちこの平面に垂直なピボット軸の回りにおいてであってよい。第1の部分と第2の部分が相対的にピボット式移動が可能であるもう1つの構造では、第1の部分と第2の部分は、今では例えば携帯電話で見慣れたいわゆる「二枚貝」配置でピボット式にヒンジ取り付けされていてもよい。そのような配置では舌クリーニング面を有している第1の部分と第2の部分とはそれぞれそれらの外縁部近くでヒンジ取り付けされており、そして第2の部分は、舌クリーニング面の平面に垂直な回転平面において、舌クリーニング面の平面に平行なピボット軸の回りを大きな角度(例えば約180度)で回転することができる。「舌クリーニング面の平面」とは、この面が平坦であるということを意味するのではなく、「最も良く嵌合する」構造とされた平面によって一般的に表され得る。
【0034】
第1の部分と第2の部分は、例えば、互いから完全に分離可能であり、それによって舌クリーニング面が露出する程度まで相対的に移動可能となっていてもよい。この2つの部分は、例えば、従来のスナップ式嵌合や摩擦嵌合あるいは多少便利なラッチによって解除可能に一緒に連結されていてもよい。
【0035】
選択肢(a)に適した1つの実施形態では、舌クリーニング面上に流体を供給するためには、上述の導管は、そのような第1の部分と第2の部分との間にある連結部の中を(例えば第1の部分と第2の部分との間にあるピボット式連結部の中を)通っていてもよく、またそのような導管は、流体をその導管から舌クリーニング面にある1つ以上の供給オリフィスの方へ運ぶための、舌クリーニング面の反対側に位置している導管と連通していてもよい。
【0036】
選択肢(b)に適した1つの実施形態では、舌クリーニング面上に流体を供給するため、第2の部分に、流体のための貯槽、該貯槽から流体を供給するための手段を組み込み、さらに流体をユーザーの舌の上に供給することができるオリフィスを第2の部分に組み込んでもよい。
【0037】
選択肢(b)に適したもう1つの実施形態では、舌クリーニング面上に流体を供給するため、第2の部分に、流体のための貯槽、該貯槽から流体を供給するための手段、流体を第1の部分まで運ぶための導管が組み込まれ、流体をユーザーの舌の上に供給することができるオリフィスが第1の部分に組み込まれていてもよい。そのような導管は第1の部分と第2の部分との間にある連結部の中を(例えば第1の部分と第2の部分との間にあるピボット式連結部の中を)通っていてもよく、またそのような導管は、流体を第1の部分にあるオリフィスの方へ運ぶための、舌クリーニング面の反対側に位置しているさらなる導管と連通していてもよい。
【0038】
デバイスには、デバイスの完成度、特にデバイスの衛生状態を高めるためのさらなる要素が提供されていてもよい。
【0039】
例えば、カバー部が舌クリーニング面を覆っている第2の位置にあるときに、その舌クリーニング面に空気が進入してくるのを促進するための手段がデバイスには提供されていてもよい。空気の進入は細菌の繁殖を防ぐ上で助けとなることができ、また舌クリーニング面上の汚染物を酸化することもできる。例えば、デバイスには、デバイス外部と舌クリーニング面との間に空気の連通を提供する1つ以上の穴があってもよい。上記で述べたような二枚組のデバイスではそのような1つ以上の穴は第2の部分にあってもよい。
【0040】
例えば、デバイスは、その舌クリーニング面上にある残留液体が流れ落ちやすいように、その舌クリーニング面が例えば水平に対して45度以上の角度で垂直なコンポーネントに揃うような静置位置にデバイスが置かれるのを促進する形状または構造のものであってよい。例えばデバイスは、舌クリーニング面がそのような配向状態で並ぶようにデバイスを立てることができる基部を伴った形状とされてもよい。そのような基部は、例えば、上述したデバイスの第1の部分または第2の部分の外面の形状によって提供されてもよい。そのような基部は、例えば、デバイスに組み込まれ且つデバイスの外層を超えて出っ張っている貯槽の外側面によって提供されていてもよい。例えばデバイスには、舌クリーニング面をそのような傾斜にしてデバイスを支持することができる支持部、例えばデバイスの外側面から引き延ばしまたはヒンジ開きされそれによってデバイスがもたれかかるための脚を提供することができる引き延ばし式またはヒンジ式の支持部が提供されていてもよい。デバイスには、例えば、デバイスを載せることができ、且つ舌クリーニング面をそのように傾斜させてデバイスを支持する受け台が一緒に提供されていてもよい。
【0041】
使用する際には、デバイスをその第1の位置に移動させて舌クリーニング面を使用のために露出させることができ、流体を舌クリーニング面に適用することができる。そして舌クリーニング面を用いて、例えば舌クリーニング面を舌に沿って舌のクリーニング方向に往復移動させることで舌をクリーニングする(例えば舌の堆積物を除去する)ことができる。デバイスはこの後、例えばそれを水または洗浄液中ですすぎ洗いすることで使用後に洗うことができる。使用を終えまたそのように洗った後は、デバイスは好ましくは、舌クリーニング面上の残留液体が流れ落ちやすいように、舌クリーニング面が、例えば上述した手段によって、例えば45度以上の角度で垂直なコンポーネントに揃うような静置位置に置かれる。
【0042】
好適な舌クリーニング用流体としては、公知の商業的に入手可能なマウスウォッシュ洗液が挙げられ、これはアルコール無添加であってもよいし、あるいはアルコールが入っていてもよく、また過酸化水素(国の規制に適合する量で[例えばEUでは約0.1%])やセチルピリジニウムクロリド(典型的には0.07%)のような抗菌活性物質が入っていてもよく、また例えばミントで香りがつけられていてもよい。好適なそのような洗液は、例えばGlaxoSmithKlineからSensodyne(商標)ブランドで販売されているOASIS(商標)、Procter&GambleからCrest(商標)ブランドで販売されているPRO−HEALTH(商標)、Colgate−Palmoliveから販売されているFLUORIGUARD(商標)のように、商業的に入手可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
次に本発明を、ほんの一例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【0044】
図1〜4に、選択肢(a)による、舌をクリーニングするためのデバイス1の全体を示す。このデバイス1は、4でピボット式に連結されている第1の部分2と第2の部分3とを有している。第1の部分2はプラスチック材料製であり、一般的には半楕円形シェルの形態である。
【0045】
第1の部分2の楕円形開口部に沿って、エラストマー材料の薄い層の形態にあるエラストマー部材5が取り付けられている。エラストマー部材5は、舌クリーニング面6を有し、硬質プラスチック材料(例えばポリプロピレン)製の裏打ち部材7によって支持されている。舌クリーニング面6からは複数の半球形の突出部8が一体に突き出ている。突出部以外の舌クリーニング面6は概して平坦である。支持部7は、第1の部分2のシェル枠にある適切なスナップ嵌合接続部にスナップ式に嵌合する。舌クリーニング面6には、部材5と裏打ち部材7とを完全に貫通し、また第1の部分2内で導管10と連通しているオリフィス9がある。導管10は、ピボット式連結部4を通り且つ第1の部分2と第2の部分3との間をつなぐ別の導管11と連通している。
【0046】
第2の部分3も、一般的にはプラスチック材料製シェルの形態にある。部分3には、相補的に嵌合している、舌クリーニング用流体のための貯槽12が収納されている。貯槽12は、収容する流体のための吐出ノズル13を有している。吐出ノズル13は、部分3にあるコネクター14に接続されている。
【0047】
第2の部分3には、機械式のポンプ手段15が組み込まれている。このポンプ手段15は、部分3に貯槽12が接続されたときに、貯槽12からオリフィス9へ導管11および10を通って流体をポンプ送りすることができる。ポンプ15は、ピストンポンプなどの公知のタイプであり、ユーザーの手の圧力で、部分3のシェルの一部であるフレキシブル隔壁16をポンプ15に向かって且つポンプ15と接触させるように変形させることにより作動させることができる。貯槽12とオリフィス9との間には、流体が貯槽12からオリフィス9に向かって流れるようにする一方向弁(図示せず)があってもよい。
【0048】
図5、図6および図7に、本発明の選択肢(b)によるデバイス20を示す。図示するように、デバイス20の全体形状とレイアウトは図1〜4のデバイスと類似する。デバイス20は第1の部分21と第2の部分22を有し、23でピボット式に連結されている。この場合もやはり、部分21および部分22はいずれも半楕円形シェルの形態である。部分21のシェルの楕円形開口部に沿って、エラストマー材料の薄い層の形態にあるエラストマー部材24が取り付けられている。エラストマー部材24は、舌クリーニング面25を有し、硬質プラスチック材料製の裏打ち部材26によって支持されている。このエラストマー部材24の表面25にはリブ27がある。
【0049】
第2の部分22には、相補的に嵌合している舌クリーニング用流体のための貯槽28が収納されている。貯槽28は、収容する流体のための吐出ノズル29を有している。吐出ノズル29は、部分22にあるコネクター210に接続されている。第2の部分22には、貯槽28から吐出用スプレーノズルであるオリフィス212まで流体をポンプ送りすることができるポンプ手段211も含まれている。ポンプ211も公知のタイプであり、ユーザーの手の圧力で、部分22のシェルの一部であるフレキシブル隔壁213をポンプ211に向かって且つポンプ211と接触させるように変形させることにより作動させることができる。貯槽28とオリフィス212との間には、流体が貯槽28からオリフィス212に向かって流れるように一方向弁があってもよい。
【0050】
図1、3、5および6に、舌クリーニング面6が使用のために露出している第1の位置にあるデバイス1を示す。
【0051】
図2および図7には、舌クリーニング面6が覆われている第1の位置にあるデバイス1を示す。この状態は、第1の部分2、21と第2の部分3、22とが、ピボット式連結部4、23周りに互いに対してピボット移動することにより達成される。図示するように、第1の部分2、21および第2の部分3、22は、図3および図7に示す楕円形の平面形状に類似する半楕円体形状である。これらの楕円形状の平面に対し垂直に延びるピボット軸周りで、第1の位置では舌クリーニング面6、25が第2の部分3、22の下から回し出され、第2の位置では舌クリーニング面6が第2の部分3の下に回し戻されるように、楕円形状の周縁部近くであって楕円形状の長軸上にピボット式連結部4、23が配置されている。第2の部分3、22は、カバー部17、214を有している。カバー部17、214は、貯槽12、28の表面からなり、第1の部分2が第2の位置にあるときに舌クリーニング面6を覆うものである。
【0052】
使用に際しては、図1〜4のデバイス1は、通常、図2に示すように第2の位置に保持され、舌クリーニング面6がカバー部17で覆われている。その結果、汚染や損傷、もしくはオリフィス9を介する流体漏出からデバイス1が保護される。使用する場合は、デバイスを図1および3に示すような第1の位置に動かし、使用するため舌クリーニング面6を露出させる。ポンプ15を作動させて、適切な容量の流体を舌クリーニング面に適用する。例えば、ポンプ15の1回のストロークにより約0.75mLの流体をオリフィス9を通じて供給することができる。その後、舌クリーニング面5をユーザーの舌に沿って往復させることにより、舌をクリーニングする(例えば舌の堆積物を除去する)ことができる。
【0053】
使用に際し、図5〜7のデバイス20は、通常図7に示すような第2の位置に保持され、舌クリーニング面25がカバー部214によって覆われている。使用する場合には、まずオリフィス212をユーザーの舌に向けるようにデバイスを位置させ、ポンプ211を作動させて貯槽28中の流体をユーザーの舌の上にスプレーする。これは、デバイス20が第1の位置か第2の位置のいずれの状態であっても行うことができる。この後、デバイス20を図5または図6に示すような第2の位置にし、舌クリーニング面25を舌に当て、リブ27を舌表面に沿って往復させて舌をクリーニングする。
【0054】
このようにしてデバイス1、20を使用した後は、舌クリーニング面6、25を例えば蛇口の下ですすぎ洗いするなどして洗浄することができる。そしてデバイス1、20は図2または7に示すような第2の位置に戻される。
【0055】
図8、図9および図10は、第1の部分21の別の好ましい形態を詳細に示したものであり、この好ましい形態は、図1〜図7に示すデバイスの舌クリーニング面として使用するのに好適な舌クリーニング面30を有している。要素23は、雄プラグがスナップ式に嵌合して第2の部分22とのピボット式連結を提供するのに適した雌ソケットを表している。舌クリーニング面30は、前方端部30Aと反対側の後方端部30Bとを有している。部分21はプラスチック材料製のシェル31を有しており、このシェル31は、凹部33の上側枠32を画定しており、また全体的には図8の平面図で示すように長軸A−Aが舌のクリーニング方向に縦に延びる卵形状である。凹部33の下部表面には、シェル31の内面上にエラストマー部材34が配置されている。凹部33は、図9および図10において上向きの方向である深さ方向を有している。この深さ方向は、図8の平面図では長手軸である舌のクリーニング方向A−Aに対して垂直の方向に当たる。部材34の上面には複数のリッジ35が一体に形成され、そのリッジの長さ方向は、図8において舌のクリーニング方向A−Aに対し横に直交する方向である。リッジ35は、舌をクリーニングする長手方向A−Aに沿って連続的に配置されている。図10に示すように、各リッジ36は、リッジの長さ方向において凹部32の底面から離れるように盛り上がる外形を有している。すなわち、部材34の上面が凸状の湾曲形状となっており、湾曲した凸状の頂上部を有し、その頂上部の両横側が湾曲して凹状に下降している。各リッジ35の湾曲した凸状外形の、凹部32の底面から上方に盛り上がる高さは、リッジ35近傍での凹部の深さよりも低くする。この結果、図10に示すように、凹部33の底面から離れたリッジ35のエッジ部が、凹部33の上側枠32より下方に位置するようになる。
【0056】
図8に示すように、リッジ35は、そのリッジの長さ方向が弧状に緩やかに湾曲しており、部材をユーザーの口の中に挿入する方向へ凸である弧になっている。
【0057】
図9に示すように、複数のリッジ35のエッジ部は、全体として、舌のクリーニング方向における切断面に示すように凸状に湾曲している。図9にも示すように、複数のリッジ35のエッジ部は、舌をクリーニングする長手方向A−A(幅方向はB−Bで表される)に沿って切断したとき、全体として前方端部30Aから後方端部30Bの方へリッジ35の高さ方向において下降するように並んでいる。
【0058】
図11および図12は、図8および図9に類似する部分21の構造を示している。柔軟性の低いリッジ35Aが前方端部30Aの近くに配置され、より柔軟性のあるリッジ35Bが後方端部30Bの近くに配置されている。柔軟性の低いリッジ35Aは、より柔軟性のあるリッジ35Bに比べて舌のクリーニング方向における厚みが大きく、また、より柔軟性のあるリッジ35Bに比べて、高さ:最大厚み比が小さくなっている。図11、図12および図13では、リッジ35はまた、舌のクリーニング方向A−Aに沿って切断したときに、後方端部30Aにより近いリッジ35の端部半径が前方端部30Bに隣接しているリッジの端部半径よりも大きいという点で、この方向に沿って切断したときに非対称となる断面を有している。
【0059】
図13は、図8と同じような部分21の構造を示すものであり、図中のリッジ35は、そのリッジの長さ方向が長手方向A−Aに対し直交する直線状となるよう配置されている。
【0060】
図14は、図8と同じような部分21の平面図を示している。図では、舌クリーニング面(すなわち部材34の上面)から一体に突出するドーム状または円錐状の突出部36からなる舌クリーニング手段と、リッジ35とが組み合わされている。突出部36は、面34上の、後方端部30Bにより近い位置に配置されている。図15は、図9に対応する、図14のデバイスの長手方向の断面図である。
【0061】
図11〜図15のデバイスでは、リッジ35の長手方向に見た切断面の外形は、図10の外形と同様である。
【0062】
図16は、部分21、特に図8〜図15の部分21の別の構造の一部を詳細に示すものであり、図8〜図15に対応する部分には同じ番号が付けられている。部分21は、キャビティ41の底面を画定するプラスチック材料製のシェル40を有している。シェル40からは複数のリブ42がキャビティ41内へ向かって上方へ延びている。複数のリブ42はプラスチック材料製のシェル40と一体に形成され、そのリブの長さ方向は、長手方向を横切るように、すなわち図面の面内方向に延びている。複数のリブ42の上側エッジ部22によって画定される面上にはエラストマー部材43が支持され、そのエラストマー部材43の上面に、リッジ35と同じような複数のリッジ44が一体に形成されている。
【0063】
図17には、本発明のデバイス50が模式的に示されている。このデバイス50は、上記図5、図6および図7と同様に、第1の部分51と第2の部分52とを有し、53でピボット式に連結されている。部分51には、図5、図6および図7と同様に舌クリーニング面54が組み込まれ、部分52には、デバイス50を図17に示す第2の位置にしたときに舌クリーニング面54を覆うような面55が組み込まれている。第2の部分52には、デバイス50の外側と舌クリーニング面54との間で空気を連通させる複数の穴56が設けられている。
【0064】
図18には、図5、図6、図7および図17と同様の二部分構造からなるデバイス60を静置位置に置くための様々な手段が示されている。図では、舌クリーニング面上の残留液体が流れ落ちやすいように、舌クリーニング面が垂直なコンポーネントに沿って揃えられている。図18Aには、平坦な基部62が形成された第2の部分61を有するデバイス60が示されている。この平坦な基部62によって、舌クリーニング面63が水平面に対して45度以上の角度で傾斜するようにデバイスを立てることができる。図18Bは、デバイス60を示す。この場合の基部64は、デバイス60の中に組み込まれ、且つデバイスの外層を越えて突き出ているような貯槽65の外面の形状により提供される。その基部によって、舌クリーニング面66を垂直にした状態でデバイス60を立てることができる。図18Cは、第2の部分に68でヒンジ取付される支持部67が設けられているデバイスを示すものである。この支持部67は、舌クリーニング面69をそのような傾斜状態で、図示するように外の方へヒンジ移動して、支持脚のようにデバイス60を支持することができる。支持部67はデバイス60の外面に対して平坦になるよう元にヒンジ移動することができ、そのような平坦な位置で例えばデバイス60とのスナップ嵌合式相互ロックによりロックすることができる。図18Dは、受け台610が一緒に提供される、図5、図6、図7および図17と同じような二部分構造からなるデバイス60を示すものである。受け台610にデバイスを置くことができ、舌クリーニング面611がそのように傾斜した状態でデバイス60が支持される。図18に示すデバイス60には、好ましくは過剰の流体を排出させるための排水孔(図示せず)が設けられ、これに加えて、あるいは別の形態として第1の部分と第2の部分の間の接合部はこの接合部から流体が排出するように十分に非水密としておいてもよい。
【0065】
図19には、第1の部分71と第2の部分72が「二枚貝」配置で相対的にピボット式に移動可能となっているデバイス70の構造を示す。舌クリーニング面73を含む第1の部分71と第2の部分とは、それぞれの外縁部近傍にあるヒンジ74によってヒンジ取付されている。図19Bに示すように、第2の部分72は、図19Cに示すピボット軸A−A周りで、舌クリーニング面73の面と直交する回転面内において約180度にわたり回転可能であり、一般的には舌クリーニング面73の面と平行になる。デバイス70はポンプ作動ボタン75を有しており、これによって舌クリーニング用流体をオリフィス76から供給することができる。
【0066】
図20には、第1の部分81と第2の部分82とが互いに完全に分離可能となっていて、それにより舌クリーニング面83が露出されるようなデバイス80が示されている。部分81と部分82は、それぞれの外縁部のあたりに配置された小さなスナップ式嵌合連結部84によって解除可能に一つに連結されている。図20Aは一つに連結された配置にある部分81、部分82を示し、図20Bは使用のために分離した状態を示している。デバイス80はポンプ作動ボタン85を有しており、これによって舌クリーニング用流体をオリフィス86から供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1の位置にある本発明のデバイスの断面図である。
【図2】第2の位置にある本発明のデバイスの断面図である。
【図3】第2の位置にある本発明のデバイスの平面図である。
【図4】第1の位置にある、貯槽が取り外された本発明のデバイスの断面図である。
【図5】第1の位置にある本発明の別のデバイスの断面図である。
【図6】第2の位置にある図5のデバイスの断面図である。
【図7】第2の位置にある図5のデバイスの平面図である。
【図8】別の舌クリーニング面の平面図である。
【図9】長手方向に切断した、図8の舌クリーニング面の断面図である。
【図10】長手方向を横切るように切断した、図8の舌クリーニング面の断面図である。
【図11】別の舌クリーニング面の平面図である。
【図12】長手方向に切断した図11の舌クリーニング面の断面図である。
【図13】別の舌クリーニング面の平面図である。
【図14】別の舌クリーニング面の平面図である。
【図15】長手方向に切断した図14の舌クリーニング面の断面図である。
【図16】本発明のデバイスの構造を詳細に示す図である。
【図17】舌クリーニング面へ空気を受け入れるための開口部を有する本発明のデバイスを示す図である。
【図18A】本発明デバイスを、舌クリーニング面を傾斜させた状態で静置位置に置くことを可能にする手段を示す図である。
【図18B】本発明デバイスを、舌クリーニング面を傾斜させた状態で静置位置に置くことを可能にする手段を示す図である。
【図18C】本発明デバイスを、舌クリーニング面を傾斜させた状態で静置位置に置くことを可能にする手段を示す図である。
【図18D】本発明デバイスを、舌クリーニング面を傾斜させた状態で静置位置に置くことを可能にする手段を示す図である。
【図19A】本発明の別のデバイスを示す図である。
【図19B】本発明の別のデバイスを示す図である。
【図19C】本発明の別のデバイスを示す図である。
【図20A】本発明の別のデバイスを示す図である。
【図20B】本発明の別のデバイスを示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1 デバイス
2 第1の部分
3 第2の部分
4 ピボット式連結部
5 エラストマー部材
6 舌クリーニング面
7 裏打ち部材
8 突出部
9 オリフィス
10 導管
12 貯槽
13 吐出ノズル
14 コネクター
15 ポンプ手段
16 隔壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
舌に沿って、且つ舌に接触させて舌のクリーニング方向に動かすことにより舌をクリーニングするために支持されている舌クリーニング面と、
舌クリーニング用流体のための貯槽と、
該流体を(a)舌クリーニング面上に、または(b)直接ユーザーの舌の上に供給するための手段と、
カバー部と、
を含む、舌をクリーニングするためのデバイスであって、
舌クリーニング面とカバー部とが、舌クリーニング面が使用のために露出している第1の位置と舌クリーニング面がカバー部で覆われる第2の位置との間で相対的に移動可能である前記デバイス。
【請求項2】
舌クリーニング面が、エラストマー部材の表面を有していることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
舌クリーニング面が、少なくとも1つのリッジを有し、そのリッジの長さ方向が舌のクリーニング方向に対して横向きに配置され、そのリッジの厚さは舌のクリーニング方向に沿ったものであり、そのリッジの高さは舌のクリーニング方向に対して垂直の高さであることを特徴とする請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
舌クリーニング面が、凹部を画定する部材を有し、該凹部は底面を有し且つ上側枠によって囲まれ、深さ方向が舌のクリーニング方向に対して垂直であり、そして該凹部内には長さ方向が舌のクリーニング方向に対して横向きである少なくとも1つのリッジが支持され、該少なくとも1つのリッジが、リッジの長さ方向において前記底面から凸状に湾曲した形状で盛り上がる外形を有することを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
少なくとも1つのリッジが、湾曲した凸状の頂上部として盛り上がる外形を有し、その最高点が凹部の横方向の中間点近傍であることを特徴とする請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
少なくとも1つのリッジが、湾曲した凸状の頂上部を有し、該頂上部の両横側が湾曲して凹状に下降している外形を有することを特徴とする請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
リッジ外形の湾曲した凸状の形状が凹部底面から上方へ盛り上がる高さは、リッジ近傍の凹部の深さよりも低いことを特徴とする請求項4、5または6に記載のデバイス。
【請求項8】
リッジの長さ方向において、少なくとも1つのリッジは直線状であるか、または部材をユーザーの口の中に挿入する方向へ凸である弧状に湾曲していることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
複数のリッジが、舌のクリーニング方向において連続的に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
複数のリッジのエッジ部が凸状または凹状曲線をなし、そのような凸状または凹状曲線における端部が、使用の際にユーザーの舌に接触することを特徴とする請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
複数のリッジのエッジ部が、舌のクリーニング方向に沿って切断したときに前方端部から後方端部の方へリッジの高さ方向において下降するように並ぶことを特徴とする請求項9または10に記載のデバイス。
【請求項12】
複数のリッジが舌のクリーニング方向において連続的に配置され、柔軟性の低いリッジが舌クリーニング面の前方端部により近い方、もしくは前方端部近傍に集中し、より柔軟性のあるリッジは後方端部により近い方、もしくは後方端部近傍に集中していることを特徴とする請求項9、10または11に記載のデバイス。
【請求項13】
舌のクリーニング方向に沿って切断したときに、舌のクリーニング方向における、ユーザーの口の中へリッジを挿入する側の端部近傍のリッジの半径が、舌のクリーニング方向における、ユーザーの口からリッジを取り出す側の端部近傍のリッジの半径よりも大きいという点で、リッジは非対称の断面を有することを特徴とする請求項3〜12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
舌クリーニング面において、1つ以上のリッジが、舌クリーニング面から一体に突出するドーム形または円錐形の突出部と組み合わされていることを特徴とする請求項3〜13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
エラストマー部材が、キャビティの底面を画定するシェルの形態にある部分からなる裏打ち材によって支持され、1つ以上の支持部が該キャビティの中へ上方に延び、該1つ以上の支持部が該エラストマー部材を支持することを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項16】
流体を舌クリーニング面またはユーザーの舌の上に供給するためのそれぞれの手段が、貯槽から、流体を供給することができる供給オリフィスまで流体をポンプ送りするためのポンプ手段を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
舌クリーニング面上に流体を供給するための手段が、舌クリーニング面における1つ以上のオリフィスから構成されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
ユーザーの舌の上に流体を供給するための手段が、供給オリフィスから構成され、該供給オリフィスが、舌クリーニング面をユーザーの舌に当てる前に供給オリフィスからユーザーの舌の上に流体を供給可能であるように配置されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
デバイスが、舌クリーニング面を有している第1の部分とカバー部を有している第2の部分の二つの部分で構築され、第2の位置においてカバー部が舌クリーニング面を覆うように第1の部分と第2の部分とが相対的に移動可能になっていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
舌クリーニング面とカバー部とがいずれも、第2の位置において互いに対面する関係にあり、且つ接近している面を有していることを特徴とする請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
舌クリーニング用流体の貯槽が第2の部分に組み込まれることを特徴とする請求項19または20に記載のデバイス。
【請求項22】
第2の位置において第2の部分が舌クリーニング面を覆うように第1の部分と第2の部分とが互いに対して相対的にスライド式に移動可能となっていることを特徴とする請求項19、20または21に記載のデバイス。
【請求項23】
第2の位置においてカバー部が舌クリーニング面を覆うように第1の部分と第2の部分とが互いに対してピボット式に移動可能となっていることを特徴とする請求項19、20または21に記載のデバイス。
【請求項24】
第1の部分と第2の部分とがピボット式連結部によって連結され、該ピボット式連結部がそのようなピボット式の動きを可能とし、第1の部分と第2の部分とが卵形に対応する形状を有し、該ピボット式連結部が卵形形状の長軸の一方の端部の近傍に位置していることを特徴とする請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
第1の部分と第2の部分とが、それらが互いから完全に分離可能であり、それによって舌クリーニング面が露出する程度にまで相対的に移動可能であることを特徴とする請求項19、20または21に記載のデバイス。
【請求項26】
デバイスの外側と舌クリーニング面との間で空気を連通させる1つ以上の穴がデバイスに設けられることを特徴とする請求項1〜25のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項27】
舌クリーニング面が45度以上の角度で傾斜するようにデバイスを立てることができる基部を有し、その結果、舌クリーニング面上の残留液体が流れ落ちやすくなることを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項28】
舌クリーニング面上の残留液体が流れ落ちやすいように舌クリーニング面を45度以上の角度で傾斜させた状態でデバイスを支持することができる支持部を有することを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項29】
デバイスを静置することができる受け台が一緒に提供され、該受け台が、舌クリーニング面上の残留液体が流れ落ちやすいように舌クリーニング面を45度以上の角度で傾斜させた状態でデバイスを支持することを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項30】
舌に沿って、且つ舌に接触させて舌のクリーニング方向に動かすことにより舌をクリーニングするために支持された舌クリーニング面を有する、舌をクリーニングするためのデバイスであって、該舌クリーニング面は、底面を有し且つ上側枠によって囲まれた凹部を画定する部材を有し、凹部の深さ方向は舌のクリーニング方向に対して垂直であり、該凹部の内側には長さ方向が舌のクリーニング方向に対して横向きである少なくとも1つのリッジが支持され、該少なくとも1つのリッジが、リッジの長さ方向において前記底面から凸状に湾曲した形状で盛り上がる外形を有するデバイス。
【請求項1】
舌に沿って、且つ舌に接触させて舌のクリーニング方向に動かすことにより舌をクリーニングするために支持されている舌クリーニング面と、
舌クリーニング用流体のための貯槽と、
該流体を(a)舌クリーニング面上に、または(b)直接ユーザーの舌の上に供給するための手段と、
カバー部と、
を含む、舌をクリーニングするためのデバイスであって、
舌クリーニング面とカバー部とが、舌クリーニング面が使用のために露出している第1の位置と舌クリーニング面がカバー部で覆われる第2の位置との間で相対的に移動可能である前記デバイス。
【請求項2】
舌クリーニング面が、エラストマー部材の表面を有していることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
舌クリーニング面が、少なくとも1つのリッジを有し、そのリッジの長さ方向が舌のクリーニング方向に対して横向きに配置され、そのリッジの厚さは舌のクリーニング方向に沿ったものであり、そのリッジの高さは舌のクリーニング方向に対して垂直の高さであることを特徴とする請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
舌クリーニング面が、凹部を画定する部材を有し、該凹部は底面を有し且つ上側枠によって囲まれ、深さ方向が舌のクリーニング方向に対して垂直であり、そして該凹部内には長さ方向が舌のクリーニング方向に対して横向きである少なくとも1つのリッジが支持され、該少なくとも1つのリッジが、リッジの長さ方向において前記底面から凸状に湾曲した形状で盛り上がる外形を有することを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
少なくとも1つのリッジが、湾曲した凸状の頂上部として盛り上がる外形を有し、その最高点が凹部の横方向の中間点近傍であることを特徴とする請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
少なくとも1つのリッジが、湾曲した凸状の頂上部を有し、該頂上部の両横側が湾曲して凹状に下降している外形を有することを特徴とする請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
リッジ外形の湾曲した凸状の形状が凹部底面から上方へ盛り上がる高さは、リッジ近傍の凹部の深さよりも低いことを特徴とする請求項4、5または6に記載のデバイス。
【請求項8】
リッジの長さ方向において、少なくとも1つのリッジは直線状であるか、または部材をユーザーの口の中に挿入する方向へ凸である弧状に湾曲していることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
複数のリッジが、舌のクリーニング方向において連続的に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
複数のリッジのエッジ部が凸状または凹状曲線をなし、そのような凸状または凹状曲線における端部が、使用の際にユーザーの舌に接触することを特徴とする請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
複数のリッジのエッジ部が、舌のクリーニング方向に沿って切断したときに前方端部から後方端部の方へリッジの高さ方向において下降するように並ぶことを特徴とする請求項9または10に記載のデバイス。
【請求項12】
複数のリッジが舌のクリーニング方向において連続的に配置され、柔軟性の低いリッジが舌クリーニング面の前方端部により近い方、もしくは前方端部近傍に集中し、より柔軟性のあるリッジは後方端部により近い方、もしくは後方端部近傍に集中していることを特徴とする請求項9、10または11に記載のデバイス。
【請求項13】
舌のクリーニング方向に沿って切断したときに、舌のクリーニング方向における、ユーザーの口の中へリッジを挿入する側の端部近傍のリッジの半径が、舌のクリーニング方向における、ユーザーの口からリッジを取り出す側の端部近傍のリッジの半径よりも大きいという点で、リッジは非対称の断面を有することを特徴とする請求項3〜12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
舌クリーニング面において、1つ以上のリッジが、舌クリーニング面から一体に突出するドーム形または円錐形の突出部と組み合わされていることを特徴とする請求項3〜13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
エラストマー部材が、キャビティの底面を画定するシェルの形態にある部分からなる裏打ち材によって支持され、1つ以上の支持部が該キャビティの中へ上方に延び、該1つ以上の支持部が該エラストマー部材を支持することを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項16】
流体を舌クリーニング面またはユーザーの舌の上に供給するためのそれぞれの手段が、貯槽から、流体を供給することができる供給オリフィスまで流体をポンプ送りするためのポンプ手段を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
舌クリーニング面上に流体を供給するための手段が、舌クリーニング面における1つ以上のオリフィスから構成されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
ユーザーの舌の上に流体を供給するための手段が、供給オリフィスから構成され、該供給オリフィスが、舌クリーニング面をユーザーの舌に当てる前に供給オリフィスからユーザーの舌の上に流体を供給可能であるように配置されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
デバイスが、舌クリーニング面を有している第1の部分とカバー部を有している第2の部分の二つの部分で構築され、第2の位置においてカバー部が舌クリーニング面を覆うように第1の部分と第2の部分とが相対的に移動可能になっていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
舌クリーニング面とカバー部とがいずれも、第2の位置において互いに対面する関係にあり、且つ接近している面を有していることを特徴とする請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
舌クリーニング用流体の貯槽が第2の部分に組み込まれることを特徴とする請求項19または20に記載のデバイス。
【請求項22】
第2の位置において第2の部分が舌クリーニング面を覆うように第1の部分と第2の部分とが互いに対して相対的にスライド式に移動可能となっていることを特徴とする請求項19、20または21に記載のデバイス。
【請求項23】
第2の位置においてカバー部が舌クリーニング面を覆うように第1の部分と第2の部分とが互いに対してピボット式に移動可能となっていることを特徴とする請求項19、20または21に記載のデバイス。
【請求項24】
第1の部分と第2の部分とがピボット式連結部によって連結され、該ピボット式連結部がそのようなピボット式の動きを可能とし、第1の部分と第2の部分とが卵形に対応する形状を有し、該ピボット式連結部が卵形形状の長軸の一方の端部の近傍に位置していることを特徴とする請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
第1の部分と第2の部分とが、それらが互いから完全に分離可能であり、それによって舌クリーニング面が露出する程度にまで相対的に移動可能であることを特徴とする請求項19、20または21に記載のデバイス。
【請求項26】
デバイスの外側と舌クリーニング面との間で空気を連通させる1つ以上の穴がデバイスに設けられることを特徴とする請求項1〜25のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項27】
舌クリーニング面が45度以上の角度で傾斜するようにデバイスを立てることができる基部を有し、その結果、舌クリーニング面上の残留液体が流れ落ちやすくなることを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項28】
舌クリーニング面上の残留液体が流れ落ちやすいように舌クリーニング面を45度以上の角度で傾斜させた状態でデバイスを支持することができる支持部を有することを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項29】
デバイスを静置することができる受け台が一緒に提供され、該受け台が、舌クリーニング面上の残留液体が流れ落ちやすいように舌クリーニング面を45度以上の角度で傾斜させた状態でデバイスを支持することを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項30】
舌に沿って、且つ舌に接触させて舌のクリーニング方向に動かすことにより舌をクリーニングするために支持された舌クリーニング面を有する、舌をクリーニングするためのデバイスであって、該舌クリーニング面は、底面を有し且つ上側枠によって囲まれた凹部を画定する部材を有し、凹部の深さ方向は舌のクリーニング方向に対して垂直であり、該凹部の内側には長さ方向が舌のクリーニング方向に対して横向きである少なくとも1つのリッジが支持され、該少なくとも1つのリッジが、リッジの長さ方向において前記底面から凸状に湾曲した形状で盛り上がる外形を有するデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20A】
【図20B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20A】
【図20B】
【公表番号】特表2008−538710(P2008−538710A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507023(P2008−507023)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003868
【国際公開番号】WO2006/114296
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003868
【国際公開番号】WO2006/114296
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】
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