旋律変形装置及び旋律変形プログラム
【課題】編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成する処理を容易に行うことができるようにする。
【解決手段】 ユーザに選択された範囲の音符・休符を、ユーザに指定された音を中心にして上下反転する反転手段と、前記反転された音符・休符に導音処理をするか否かを選択する導音処理選択手段と、前記反転された音符・休符に導音処理を行う導音処理手段とを設け、導音処理をすることがユーザにより選択されている場合には、前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理を行うようにすることにより、機械的な反転処理では調性感が失われてしまうような曲においても、調性感を失うことなく反行処理を行うことを可能とする。また、編集知識が乏しい初心者においても、編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を容易に生成できるようにする。
【解決手段】 ユーザに選択された範囲の音符・休符を、ユーザに指定された音を中心にして上下反転する反転手段と、前記反転された音符・休符に導音処理をするか否かを選択する導音処理選択手段と、前記反転された音符・休符に導音処理を行う導音処理手段とを設け、導音処理をすることがユーザにより選択されている場合には、前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理を行うようにすることにより、機械的な反転処理では調性感が失われてしまうような曲においても、調性感を失うことなく反行処理を行うことを可能とする。また、編集知識が乏しい初心者においても、編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を容易に生成できるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旋律変形装置及び旋律変形プログラムに関し、特に、反行などの旋律変形を行う際に、導音(音階の第7音)に対する特別な処理を行うために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成できるようにする自動作曲装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の自動作曲装置では、編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに作曲できるようにしている。
【0003】
特許文献1にて提案されている自動作曲装置においては、複数の音符データから構成される演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、前記演奏情報を所定の区間に分割し、その区間毎に所定のデータ変更パラメータを設定するパラメータ設定手段と、前記所定区間毎に前記音符データを構成する音高及び発音タイミングの少なくとも一方を前記データ変更パラメータに従って変更するデータ変更手段と、このデータ変更手段によって変更された演奏情報に従って新たな楽曲を生成する楽曲生成手段とを備えている。
【0004】
パラメータ設定手段は演奏情報を所定の区間、例えば1小節毎や2小節毎などのような適当な区間に分割し、その区間毎にデータ変更パラメータを設定する。このデータ変更パラメータには、例えば、区間内でリズムを逆進行させるもの、その区間内の所定のリズムを別のリズムに変更するもの、区間内でピッチを逆進行させるもの、区間内で所定のピッチを基準にピッチを反転させるものなどがある。データ変更手段はこのようなデータ変更パラメータに従って所定区間毎に音符データを構成する音高や発音タイミングなどを変更する。楽曲生成手段は変更された演奏情報に基づいて新たな楽曲を生成する。
【0005】
前述のような構成により、特許文献1に記載の自動作曲装置においては、編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成することができる。
【0006】
編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成する手法の一つとして、反行処理が知られている。反行処理とは、ある基準音を中心に、上下鏡で映したように旋律を上下反転させる処理である。反転させる場合、図形的に(度数で)反転させるものと、半音単位の音程で反転させるものがある。半音単位の場合、音の高さが決まるので臨時記号は自動的に決まるが、度数で反転させる場合、臨時記号は、そのままにするものや、臨時記号も反転処理するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−62263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の自動作曲装置の場合には、前述のような旋律変形を行った場合、導音に対する処理が考慮されていなかった。例えば、フラット1つのDm(ニ短調)の曲においては、C音が第7音になる。この場合、次の音が主音Dの場合、前記Cの音を半音上げてC♯にしなくてはならない。前述した特許文献1に記載の自動作曲装置の場合には、このような編集については何も行われないので、操作者が手動で行う必要があった。
【0009】
このため、編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成するには多くの手間をかける必要があった。また、導音の知識が無いと処理することができない問題点があった。
【0010】
本発明は前述の問題点に鑑み、編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成する処理を容易に行うことができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の旋律変形装置は、ある基準音を中心にして旋律を上下反転させる処理を行う旋律変形装置であって、ユーザに選択された範囲の音符・休符を、ユーザに指定された音を中心にして上下反転する反転手段と、前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理をするか否かを選択する導音処理選択手段と、前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理を行う導音処理手段とを有し、前記導音処理選択手段により、導音処理をすることがユーザにより選択されている場合には、前記導音処理手段により、前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理を行うことを特徴とする。
また、本発明の旋律変形装置の他の特徴とするところは、表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜の旋律変形を行う機能を有する旋律変形装置であって、前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜の旋律を変形する操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御手段と、前記操作画面に表示された楽譜情報を所定の値に設定するユーザ操作手段と、前記ユーザ操作手段によって設定された楽譜情報に応じて前記編集対象の楽譜の旋律を変形する旋律変形手段と、前記旋律変形手段により旋律が変形された楽譜に対して導音処理を行うか否かを選択するための導音処理選択手段とを有し、前記旋律変形手段は、前記第2の表示部に表示されている操作画面が前記ユーザ操作手段により操作されると、その操作に応じて前記第1の表示部に表示されている編集対象の楽譜の旋律を変形して、前記表示制御手段は前記旋律変形手段により変形された後の楽譜を前記第3の表示領域に表示することを特徴とする。
【0012】
本発明の旋律変形プログラムは、ある基準音を中心にして旋律を上下反転させる処理をコンピュータに実行させる旋律変形プログラムであって、ユーザに選択された範囲の音符・休符を、ユーザに指定された音を中心にして上下反転する反転工程と、前記反転工程において反転された音符・休符に導音処理をするか否かを選択する導音処理選択工程と、前記反転工程において反転された音符・休符に導音処理を行う導音処理工程とを有し、前記導音処理選択工程において、導音処理をすることがユーザにより選択されている場合には、前記導音処理工程において、前記反転工程において反転された音符・休符に導音処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明の旋律変形プログラムの他の特徴とするところは、表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜の旋律変形処理をコンピュータに実行させる旋律変形プログラムであって、前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜の旋律を変形する操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御工程と、前記操作画面に表示された楽譜情報を所定の値に設定するユーザ操作工程と、前記ユーザ操作工程において設定された楽譜情報に応じて前記編集対象の楽譜の旋律を変形する旋律変形工程と、前記旋律変形工程において旋律が変形された楽譜に対して導音処理を行うか否かを選択するための導音処理選択工程とを有し、前記旋律変形工程は、前記第2の表示部に表示されている操作画面が前記ユーザ操作工程において操作されると、その操作に応じて前記第1の表示部に表示されている編集対象の楽譜の旋律を変形して、前記表示制御工程は前記旋律変形工程において変形された後の楽譜を前記第3の表示領域に表示するようコンピュータを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、反行などの旋律変形を行う際に、導音(音階の第7音)に対して所定の処理を行うようにしたので、機械的な反転処理では調性感が失われてしまうような曲ににおいても、調性感を失うことなく反行処理を行うことが可能となる。これにより、編集知識が乏しい初心者においても、反行処理を用いた作曲・編曲を行って、編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、旋律変形装置全体構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、旋律変形装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、旋律の変形を行うときにディスプレイの表示画面に表示される表示例を示す図で、導音処理を行う機能がオフの時の表示例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示し、旋律の変形を行うときにディスプレイの表示画面に表示される表示例を示す図で、導音処理を行う機能がオンの時の表示例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態を示し、ダイアログボックスの処理手順の一例を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態を示し、楽譜更新処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態を示し、導音を本来の高さの音に戻す導音前処理の手順を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態を示し、進行処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態を示し、導音処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態を示し、移度処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態を示し、シフト処理の詳細を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の旋律変形装置100の全体構成例を示す図である。本実施形態の旋律変形装置100は、楽譜を表示、入力、編集、及び演奏可能であり、音楽記号旋律変形プログラムをインストールして、旋律変形装置として使用するためのパーソナルコンピュータ50を有している。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の旋律変形装置100は、パーソナルコンピュータ50の他に、ディスプレイ15、マウス22及びキーボード23等を備えている。マウス22は、後述する「ユーザインタフェース」における操作領域において、旋律変形を行うためのオプションを指定するオプション指定手段として用いる。
【0017】
図2は、本発明の実施形態の旋律変形装置100の内部構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の旋律変形装置100は、システムバス10を介して、CPU11、ROM12、RAM13、画像制御部14、I/Oインターフェース16、ハードディスクドライブ17等が接続されていて、システムバス10を介して、それぞれのデバイスに制御信号、データの入出力が行われる。
【0018】
CPU11は、ROM12或いはRAM13に格納されているプログラムに基づき、旋律変形装置100の全体制御を行う。また、予め設定された所定の周期でCPU11に割り込みをかけるタイマ回路を内蔵している。RAM13はプログラムエリアの他、画像データバッファ、ワークエリア等として使用される。
【0019】
I/Oインターフェース16を介してつながるCD−ROMドライブ20は、音楽記号入力用プログラムが格納されたCD−ROM21から、プログラムや画像データなどを読み出す。そのプログラムや画像データなどは、後述するハードディスクドライブ17に、格納され、またメインとなるプログラムはRAM13に格納され、CPU11により実行される。
【0020】
前述のように、ハードディスクドライブ17は、音楽記号入力用プログラム及び画像データ等を格納する。画像制御部14を介して接続されているディスプレイ15は、CPU11の制御に基づき、画像制御部14から出力される映像情報を表示画面15aに表示する。また、マウス22から入力された情報は、I/Oインターフェース16を経てCPU11に取り込まれる。キーボード23から入力された情報に関しても同様である。プリンタ24は、CPU11の制御に基づき、I/Oインターフェース16から出力される印字情報を印字する。
【0021】
図3及び図4は、旋律の変形を行うときにディスプレイ15の表示画面15aに表示される表示例を示す図であり、図3は導音処理を行う機能がオフの時の表示例を示し、図4は導音処理を行う機能がオンの時の表示例を示している。
【0022】
図3及び図4において、表示画面15aには3つの領域が表示されている。第1の表示領域310は、「元の楽譜」が表示されている。また、第2の表示領域320には、第1の表示領域310に表示された「元の楽譜」に対して旋律を変形するユーザ操作を行うための「ユーザインタフェース」画面が表示されている。さらに、第3の表示領域330には、第2の表示領域320に表示された「ユーザインタフェース」画面を操作して編集された「編集後の楽譜」が表示されている。
【0023】
本実施形態においては、第1の表示領域310に表示された楽譜を試聴することができるようにするために、「試聴ボタン」が設けられている。また、第3の表示領域330には、編集後の楽譜を試聴することができるようにするために、「試聴ボタン」が設けられている。また、「編集後の楽譜」を了解するための「OKボタン」、「編集後の楽譜」を破棄するための「キャンセルボタン」、操作方法を補助するための「ヘルプボタン」が第3の表示領域330に記載されている。
【0024】
また、第2の表示領域320には、「元の楽譜」に対して旋律変形処理を行うために行う項目として、「進行」321、「反行の基準音」322、「反行の方法」323が表示されている。
【0025】
本実施形態においては、「進行」321に対応して「順行」、「反行」、「逆行」、「反逆行」のラジオボタンが表示されており、この中から1つを選択するようになされている。図3の例では、「反行」のラジオボタンが押されている。
【0026】
また、「反行の基準音」322に対応して「先頭の音」、「末尾の音」、「主音」、「その他」のラジオボタンが表示されている。また、その他のラジオボタンを選択した時にはユーザが任意の音符を「反行の基準音」として選択することができるようにするためのプルダウンメニューが表示されている。図3の例では、「その他」のラジオボタンが押され、プルダウンメニューには「65(F3)」、すなわち、「ファ音」が反行の基準音として選択されている。
【0027】
「反行の方法」323に対応して「度数」のラジオボタン及び「半音」のラジオボタンが表示されている。図3の例では、「度数」のラジオボタンが押されている。さらに、「半音進行を保持する」を選択するチェックボックス、「導音処理をする」を選択するチェックボックス、「ダブルシャープやダブルフラットを使わない」を選択するチェックボックス等が表示されている。そして、その値を選択するために、「度数のプルダウンメニュー」、「遅延のプルダウンメニュー」、「シフト量選択メニュー」等が表示されている。
【0028】
前述したような設定により、図3の例においては、元の楽譜の「ファ音」が基準音となって反行が行われる。そして、「導音処理をする」を選択するチェックボックスにチェックが入れられていないので、第3の表示領域330に示すように、編集後の楽譜においては、導音処理が行われていない。
【0029】
一方、図4に示した例では、「導音処理をする」を選択するチェックボックスにチェックが入れられているので、第3の表示領域330に示すように、導音(音階の第7音)の「ド音」に対して「♯記号」が付して、音階を半音上げることにより、主音の「レ音」に対して半音階でつなぐ導音処理が行われている。
【0030】
次に、図5〜図11のフローチャートを参照しながら本実施形態の旋律変形装置の処理手順を説明する。
図5は、ダイアログボックス更新処理の一例を説明するフローチャートである。
図5に示すように、処理が開始されると、ステップS51において、「進行」321の内容が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、内容が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS53に進む。ステップS52においては、楽譜更新処理を行う。そして、楽譜更新処理が終了したらエンド処理に移行する。なお、ステップS52で行う楽譜更新処理の詳細は後述する。
【0031】
ステップS53においては、「反行の基準音」322が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、基準音が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS54に進む。
【0032】
ステップS54においては、「反行の方法」323が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、反行の方法が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS55に進む。
【0033】
ステップS55においては、「半音進行を保持する」が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、半音進行を保持するが変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS56に進む。
【0034】
ステップS56においては、「導音処理をする」が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、「導音処理をする」が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS57に進む。
【0035】
ステップS57においては、「ダブルシャープやダブルフラットを使わない」が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、ダブルシャープやダブルフラットを使わないが変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS58に進む。
【0036】
ステップS58においては、「度数が変更された」か否かを判断する。この判断の結果、度数が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS59に進む。
【0037】
ステップS59においては、「シフト量が変更された」か否かを判断する。この判断の結果、シフト量が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS60に進む。
【0038】
ステップS60においては、「遅延」が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、遅延が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはエンド処理を行う。
【0039】
次に、図6のフローチャートを参照しながら楽譜更新処理の詳細を説明する。
処理が開始されると、ステップS61において、導音前処理が行われる。この導音前処理については、図7を参照しながら後述する。
【0040】
次に、ステップS62に進み、進行処理が行われる。この進行処理については、図8を参照しながら後述する。次に、ステップS63に進み、導音処理が行われる。この導音処理については、図9を参照しながら後述する。次に、ステップS64に進み、移度処理が行われる。この移度処理については、図10を参照しながら後述する。次に、ステップS65に進み、シフト処理が行われる。このシフト処理については、図11を参照しながら後述する。次に、ステップS66において、遅延処理が行われる。遅延処理については、本発明には直接関係ないので詳細な説明を省略する。
【0041】
次に、図7のフローチャートを参照しながら、導音前処理(導音を本来の高さの音に戻す)の詳細を説明する。
処理が開始されると、最初にステップS71において、導音処理を行うか否かを判断する。この判断の結果、導音処理を行わない場合にはエンド処理となる。
【0042】
一方、ステップS71の判断の結果、導音処理を行う場合にはステップS72に進み、小節の調属性が短調であるか否かを判断する。この判断の結果、短調でなかった場合にはステップS79に進み、全ての小節を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての小節を処理した場合にはエンド処理を行う。また、全ての小節を処理していない場合にはステップS72に戻る。
【0043】
一方、ステップS72の判断の結果、小節の調属性が短調であった場合にはステップS73に進み、主音のノートナンバーを計算する。ここで、ノートナンバーとは0 (C-1) から127 (G9) までの128個の数字で表す音の高さである。その後、ステップS74に進む。
【0044】
ステップS74においては、音符か否かを判断する。この判断の結果、音符でなかった場合にはステップS78に進み、全ての記号を終了したか否かを判断する。この判断の結果、全ての記号を終了した場合にはステップS79に進み、全ての小節を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての小節を処理した場合にはエンド処理を行う。また、全ての小節を処理していない場合にはステップS72に戻って前述した処理を繰り返し行う。また、ステップS78の判断の結果、全ての記号を終了していない場合にはステップS74に戻る。
【0045】
一方、ステップS74の判断の結果、音符であった場合にはステップS75に進み、主音から長7度音程であるか否かを判断する。この判断の結果、そうでなかった場合にはステップS78に進んで前述した処理を行う。
【0046】
また、ステップS75の判断の結果、主音から長7度音程であった場合にはステップS76に進み、次の音が主音であるか否かを判断する。この判断の結果、次の音が主音でなかった場合にはステップS78に進んで前述した処理を行う。また、次の音が主音であった場合にはステップS77に進んで半音下げる処理を行う。ステップS77の処理が終了したらステップS78に進む。このステップS78、及び次のステップS79の処理は前述した通りである。
【0047】
前述したように、導音前処理においては、主音から長7度音程の音符について、次の音が主音であったら半音下げるよう処理する。これにより、主音の前に位置する導音においては、本来の音階(自然短音階)上の音に一度戻すことにより、その後の進行処理において不自然な音程に変換されるのを防ぐことができる。
【0048】
次に、図8のフローチャートを参照しながら進行処理について説明する。
進行処理が開始されると、ステップS81において反行であるか否かを判断する。この判断の結果、反行である場合にはステップS82に進み、反行処理を行う。
【0049】
一方、ステップS81の判断の結果、反行でなかった場合にはステップS83に進み、逆行か否かを判断する。この判断の結果、進行処理が逆行であった場合にはステップS84に進み、逆行処理を行う。
【0050】
一方、ステップS83の判断の結果、進行処理が逆行でなかった場合にはステップS85に進み、反逆行か否かを判断する。この判断の結果、反逆行であった場合にはステップS86に進み、反行処理を行う。その後、ステップS87に進んで逆行処理を行う。
【0051】
一方、ステップS85の判断の結果、反逆行処理でなかった場合にはエンド処理に移行する。また、ステップS82、ステップS84、ステップS87の各処理を終了した場合もエンド処理に移行する。
【0052】
次に、図9のフローチャートを参照しながら導音処理について説明する。
処理が開始されると、はじめにステップS91において導音処理するか否かを判断する。この判断の結果、導音処理しない場合にはエンド処理に移行する。また、ステップS91の判断の結果、導音処理する場合にはステップS92に進む。
【0053】
ステップS92においては、小節の調属性が短調であるか否かを判断する。この判断の結果、短調でなかった場合にはステップS99に移行する。また、ステップS92の判断の結果、短調であった場合にはステップS93に進む。ステップS93においては、主音のノートナンバーを計算する。
【0054】
次に、ステップS94に進み、音符であるか否かを判断する。この判断の結果、音符でなかった場合にはステップS98に進み、全ての記号を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての記号を処理した場合にはステップS99に移行する。ステップS99において、全ての小節を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての小節を処理したと判断した場合にはエンド処理に移行する。また、全ての小節を処理していないと判断した場合にはステップS92に戻る。また、ステップS98の判断の結果、全ての記号を処理していない場合にはステップS94に戻る。
【0055】
一方、ステップS94の判断の結果、音符であった場合にはステップS95に進み、主音から短7度音程か否かを判断する。この判断の結果、主音から短7度音程でなかった場合にはステップS98に進み、全ての記号を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての記号を処理した場合にはステップS99に進み、全ての小節を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての小節を処理した場合にはエンド処理に移行する。
【0056】
一方、ステップS95の判断の結果、主音から短7度音程であった場合にはステップS96に進み、次の音が主音であるか否かを判断する。この判断の結果、次の音が主音でなかった場合にはステップS98に進み、前述した処理を行う。また、ステップS96の判断の結果、次の音が主音であった場合にはステップS97に進み、半音上げる処理を行う。
【0057】
次に、ステップS98において全ての記号を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての記号を処理した場合にはステップS99に進み、前述した処理を実行する。また、全ての記号を処理していない場合にはステップS94に戻って前述した処理を繰り返しおこなう。
【0058】
次に、図10のフローチャートを参照しながら移度処理について説明する。
処理が開始されると、ステップS101において移度度数が0か否かを判断する。この判断の結果、移度度数が0であった場合にはエンド処理に移行する。また、ステップS101の判断の結果、移度度数が0でなかった場合にはステップS102に移行する。
【0059】
ステップS102においては、音符か否かを判断する。この判断の結果、音符でなかった場合にはステップ104に移行する。また、ステップS102の判断の結果、音符であった場合にはステップS103に進む。
【0060】
ステップS103においては、音符の五線上の位置(高さ)を変える処理を行う。その後、ステップS104に進み、全ての記号を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての記号を処理していない場合にはステップS102に戻って前述した処理を繰り返し行う。また、ステップS104の判断の結果、全ての記号を処理した場合にはステップS105に進む。ステップS105においては、全ての小節を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての小節を処理していない場合にはステップS102に戻って前述した処理を繰り返し行う。また、ステップS105の判断の結果、全ての小節を処理した場合にはステップS106に進む。
【0061】
ステップS106においては、符尾の向きを調整する。この調整は、移度処理を行った結果、符尾の向きがおかしくなった音符について通常の音高に合った符尾の向きとなるように調整する処理である。
【0062】
次に、図11のフローチャートを参照しながらシフト処理について説明する。
処理が開始されると、ステップS111において、シフト量が0であるか否かを判断する。この判断の結果、シフト量が0であった場合にはエンド処理に移行する。また、シフト量が0でなかった場合にはステップS112に進む。
【0063】
ステップS112においては、音符であるか否かを判断する。この判断の結果、音符でなかった場合にはステップS114に進み、音符であった場合にはステップS113を経由してステップS114に進む。ステップS113においては、シフト後のノートナンバーを計算し、ノートナンバーから音符の高さと臨時記号を修正する。その後、ステップS114に進む。
【0064】
ステップS114においては、全ての記号を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての記号を処理していない場合にはステップS112に戻って前述した処理を繰り返し行う。また、ステップS114の判断の結果、全ての記号を処理した場合にはステップS115に進む。ステップS115においては、全ての小節を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての小節を処理していない場合にはステップS112に戻って前述した処理を繰り返し行う。また、ステップS115の判断の結果、全ての小節を処理した場合にはステップS116に進む。
【0065】
ステップS116においては、符尾の向きを調整する。この調整は、シフト処理を行った結果、符尾の向きがおかしくなった音符について通常の音高に合った符尾の向きとなるように調整する処理である。
【0066】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ダイアログボックスのチェックボックスにチェックを入れるだけで導音処理を行うことができるので、従来のように小節の調属性を調べたり、主音ノートナンバーを調べたり、主音から短7度音程であるかを調べたり、次の音が主音であるかを調べたりする手間を省略することができる。また、知識のない操作者でも導音処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0067】
10 システムバス
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 画像制御部
15 ディスプレイ
15a 表示画面
16 I/Oインターフェース
17 ハードディスクドライブ
20 CD−ROMドライブ
21 CD−ROM
22 マウス
22a マウスのボタン
23 キーボード
24 プリンタ
50 パーソナルコンピュータ
100 旋律変形装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、旋律変形装置及び旋律変形プログラムに関し、特に、反行などの旋律変形を行う際に、導音(音階の第7音)に対する特別な処理を行うために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成できるようにする自動作曲装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の自動作曲装置では、編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに作曲できるようにしている。
【0003】
特許文献1にて提案されている自動作曲装置においては、複数の音符データから構成される演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、前記演奏情報を所定の区間に分割し、その区間毎に所定のデータ変更パラメータを設定するパラメータ設定手段と、前記所定区間毎に前記音符データを構成する音高及び発音タイミングの少なくとも一方を前記データ変更パラメータに従って変更するデータ変更手段と、このデータ変更手段によって変更された演奏情報に従って新たな楽曲を生成する楽曲生成手段とを備えている。
【0004】
パラメータ設定手段は演奏情報を所定の区間、例えば1小節毎や2小節毎などのような適当な区間に分割し、その区間毎にデータ変更パラメータを設定する。このデータ変更パラメータには、例えば、区間内でリズムを逆進行させるもの、その区間内の所定のリズムを別のリズムに変更するもの、区間内でピッチを逆進行させるもの、区間内で所定のピッチを基準にピッチを反転させるものなどがある。データ変更手段はこのようなデータ変更パラメータに従って所定区間毎に音符データを構成する音高や発音タイミングなどを変更する。楽曲生成手段は変更された演奏情報に基づいて新たな楽曲を生成する。
【0005】
前述のような構成により、特許文献1に記載の自動作曲装置においては、編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成することができる。
【0006】
編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成する手法の一つとして、反行処理が知られている。反行処理とは、ある基準音を中心に、上下鏡で映したように旋律を上下反転させる処理である。反転させる場合、図形的に(度数で)反転させるものと、半音単位の音程で反転させるものがある。半音単位の場合、音の高さが決まるので臨時記号は自動的に決まるが、度数で反転させる場合、臨時記号は、そのままにするものや、臨時記号も反転処理するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−62263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の自動作曲装置の場合には、前述のような旋律変形を行った場合、導音に対する処理が考慮されていなかった。例えば、フラット1つのDm(ニ短調)の曲においては、C音が第7音になる。この場合、次の音が主音Dの場合、前記Cの音を半音上げてC♯にしなくてはならない。前述した特許文献1に記載の自動作曲装置の場合には、このような編集については何も行われないので、操作者が手動で行う必要があった。
【0009】
このため、編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成するには多くの手間をかける必要があった。また、導音の知識が無いと処理することができない問題点があった。
【0010】
本発明は前述の問題点に鑑み、編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成する処理を容易に行うことができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の旋律変形装置は、ある基準音を中心にして旋律を上下反転させる処理を行う旋律変形装置であって、ユーザに選択された範囲の音符・休符を、ユーザに指定された音を中心にして上下反転する反転手段と、前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理をするか否かを選択する導音処理選択手段と、前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理を行う導音処理手段とを有し、前記導音処理選択手段により、導音処理をすることがユーザにより選択されている場合には、前記導音処理手段により、前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理を行うことを特徴とする。
また、本発明の旋律変形装置の他の特徴とするところは、表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜の旋律変形を行う機能を有する旋律変形装置であって、前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜の旋律を変形する操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御手段と、前記操作画面に表示された楽譜情報を所定の値に設定するユーザ操作手段と、前記ユーザ操作手段によって設定された楽譜情報に応じて前記編集対象の楽譜の旋律を変形する旋律変形手段と、前記旋律変形手段により旋律が変形された楽譜に対して導音処理を行うか否かを選択するための導音処理選択手段とを有し、前記旋律変形手段は、前記第2の表示部に表示されている操作画面が前記ユーザ操作手段により操作されると、その操作に応じて前記第1の表示部に表示されている編集対象の楽譜の旋律を変形して、前記表示制御手段は前記旋律変形手段により変形された後の楽譜を前記第3の表示領域に表示することを特徴とする。
【0012】
本発明の旋律変形プログラムは、ある基準音を中心にして旋律を上下反転させる処理をコンピュータに実行させる旋律変形プログラムであって、ユーザに選択された範囲の音符・休符を、ユーザに指定された音を中心にして上下反転する反転工程と、前記反転工程において反転された音符・休符に導音処理をするか否かを選択する導音処理選択工程と、前記反転工程において反転された音符・休符に導音処理を行う導音処理工程とを有し、前記導音処理選択工程において、導音処理をすることがユーザにより選択されている場合には、前記導音処理工程において、前記反転工程において反転された音符・休符に導音処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明の旋律変形プログラムの他の特徴とするところは、表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜の旋律変形処理をコンピュータに実行させる旋律変形プログラムであって、前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜の旋律を変形する操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御工程と、前記操作画面に表示された楽譜情報を所定の値に設定するユーザ操作工程と、前記ユーザ操作工程において設定された楽譜情報に応じて前記編集対象の楽譜の旋律を変形する旋律変形工程と、前記旋律変形工程において旋律が変形された楽譜に対して導音処理を行うか否かを選択するための導音処理選択工程とを有し、前記旋律変形工程は、前記第2の表示部に表示されている操作画面が前記ユーザ操作工程において操作されると、その操作に応じて前記第1の表示部に表示されている編集対象の楽譜の旋律を変形して、前記表示制御工程は前記旋律変形工程において変形された後の楽譜を前記第3の表示領域に表示するようコンピュータを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、反行などの旋律変形を行う際に、導音(音階の第7音)に対して所定の処理を行うようにしたので、機械的な反転処理では調性感が失われてしまうような曲ににおいても、調性感を失うことなく反行処理を行うことが可能となる。これにより、編集知識が乏しい初心者においても、反行処理を用いた作曲・編曲を行って、編集前のメロディの特徴を生かしつつ、そのメロディとは異なるような変化に富んだ楽曲を新たに生成することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、旋律変形装置全体構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、旋律変形装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、旋律の変形を行うときにディスプレイの表示画面に表示される表示例を示す図で、導音処理を行う機能がオフの時の表示例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示し、旋律の変形を行うときにディスプレイの表示画面に表示される表示例を示す図で、導音処理を行う機能がオンの時の表示例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態を示し、ダイアログボックスの処理手順の一例を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態を示し、楽譜更新処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態を示し、導音を本来の高さの音に戻す導音前処理の手順を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態を示し、進行処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態を示し、導音処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態を示し、移度処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態を示し、シフト処理の詳細を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の旋律変形装置100の全体構成例を示す図である。本実施形態の旋律変形装置100は、楽譜を表示、入力、編集、及び演奏可能であり、音楽記号旋律変形プログラムをインストールして、旋律変形装置として使用するためのパーソナルコンピュータ50を有している。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の旋律変形装置100は、パーソナルコンピュータ50の他に、ディスプレイ15、マウス22及びキーボード23等を備えている。マウス22は、後述する「ユーザインタフェース」における操作領域において、旋律変形を行うためのオプションを指定するオプション指定手段として用いる。
【0017】
図2は、本発明の実施形態の旋律変形装置100の内部構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の旋律変形装置100は、システムバス10を介して、CPU11、ROM12、RAM13、画像制御部14、I/Oインターフェース16、ハードディスクドライブ17等が接続されていて、システムバス10を介して、それぞれのデバイスに制御信号、データの入出力が行われる。
【0018】
CPU11は、ROM12或いはRAM13に格納されているプログラムに基づき、旋律変形装置100の全体制御を行う。また、予め設定された所定の周期でCPU11に割り込みをかけるタイマ回路を内蔵している。RAM13はプログラムエリアの他、画像データバッファ、ワークエリア等として使用される。
【0019】
I/Oインターフェース16を介してつながるCD−ROMドライブ20は、音楽記号入力用プログラムが格納されたCD−ROM21から、プログラムや画像データなどを読み出す。そのプログラムや画像データなどは、後述するハードディスクドライブ17に、格納され、またメインとなるプログラムはRAM13に格納され、CPU11により実行される。
【0020】
前述のように、ハードディスクドライブ17は、音楽記号入力用プログラム及び画像データ等を格納する。画像制御部14を介して接続されているディスプレイ15は、CPU11の制御に基づき、画像制御部14から出力される映像情報を表示画面15aに表示する。また、マウス22から入力された情報は、I/Oインターフェース16を経てCPU11に取り込まれる。キーボード23から入力された情報に関しても同様である。プリンタ24は、CPU11の制御に基づき、I/Oインターフェース16から出力される印字情報を印字する。
【0021】
図3及び図4は、旋律の変形を行うときにディスプレイ15の表示画面15aに表示される表示例を示す図であり、図3は導音処理を行う機能がオフの時の表示例を示し、図4は導音処理を行う機能がオンの時の表示例を示している。
【0022】
図3及び図4において、表示画面15aには3つの領域が表示されている。第1の表示領域310は、「元の楽譜」が表示されている。また、第2の表示領域320には、第1の表示領域310に表示された「元の楽譜」に対して旋律を変形するユーザ操作を行うための「ユーザインタフェース」画面が表示されている。さらに、第3の表示領域330には、第2の表示領域320に表示された「ユーザインタフェース」画面を操作して編集された「編集後の楽譜」が表示されている。
【0023】
本実施形態においては、第1の表示領域310に表示された楽譜を試聴することができるようにするために、「試聴ボタン」が設けられている。また、第3の表示領域330には、編集後の楽譜を試聴することができるようにするために、「試聴ボタン」が設けられている。また、「編集後の楽譜」を了解するための「OKボタン」、「編集後の楽譜」を破棄するための「キャンセルボタン」、操作方法を補助するための「ヘルプボタン」が第3の表示領域330に記載されている。
【0024】
また、第2の表示領域320には、「元の楽譜」に対して旋律変形処理を行うために行う項目として、「進行」321、「反行の基準音」322、「反行の方法」323が表示されている。
【0025】
本実施形態においては、「進行」321に対応して「順行」、「反行」、「逆行」、「反逆行」のラジオボタンが表示されており、この中から1つを選択するようになされている。図3の例では、「反行」のラジオボタンが押されている。
【0026】
また、「反行の基準音」322に対応して「先頭の音」、「末尾の音」、「主音」、「その他」のラジオボタンが表示されている。また、その他のラジオボタンを選択した時にはユーザが任意の音符を「反行の基準音」として選択することができるようにするためのプルダウンメニューが表示されている。図3の例では、「その他」のラジオボタンが押され、プルダウンメニューには「65(F3)」、すなわち、「ファ音」が反行の基準音として選択されている。
【0027】
「反行の方法」323に対応して「度数」のラジオボタン及び「半音」のラジオボタンが表示されている。図3の例では、「度数」のラジオボタンが押されている。さらに、「半音進行を保持する」を選択するチェックボックス、「導音処理をする」を選択するチェックボックス、「ダブルシャープやダブルフラットを使わない」を選択するチェックボックス等が表示されている。そして、その値を選択するために、「度数のプルダウンメニュー」、「遅延のプルダウンメニュー」、「シフト量選択メニュー」等が表示されている。
【0028】
前述したような設定により、図3の例においては、元の楽譜の「ファ音」が基準音となって反行が行われる。そして、「導音処理をする」を選択するチェックボックスにチェックが入れられていないので、第3の表示領域330に示すように、編集後の楽譜においては、導音処理が行われていない。
【0029】
一方、図4に示した例では、「導音処理をする」を選択するチェックボックスにチェックが入れられているので、第3の表示領域330に示すように、導音(音階の第7音)の「ド音」に対して「♯記号」が付して、音階を半音上げることにより、主音の「レ音」に対して半音階でつなぐ導音処理が行われている。
【0030】
次に、図5〜図11のフローチャートを参照しながら本実施形態の旋律変形装置の処理手順を説明する。
図5は、ダイアログボックス更新処理の一例を説明するフローチャートである。
図5に示すように、処理が開始されると、ステップS51において、「進行」321の内容が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、内容が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS53に進む。ステップS52においては、楽譜更新処理を行う。そして、楽譜更新処理が終了したらエンド処理に移行する。なお、ステップS52で行う楽譜更新処理の詳細は後述する。
【0031】
ステップS53においては、「反行の基準音」322が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、基準音が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS54に進む。
【0032】
ステップS54においては、「反行の方法」323が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、反行の方法が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS55に進む。
【0033】
ステップS55においては、「半音進行を保持する」が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、半音進行を保持するが変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS56に進む。
【0034】
ステップS56においては、「導音処理をする」が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、「導音処理をする」が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS57に進む。
【0035】
ステップS57においては、「ダブルシャープやダブルフラットを使わない」が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、ダブルシャープやダブルフラットを使わないが変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS58に進む。
【0036】
ステップS58においては、「度数が変更された」か否かを判断する。この判断の結果、度数が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS59に進む。
【0037】
ステップS59においては、「シフト量が変更された」か否かを判断する。この判断の結果、シフト量が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはステップS60に進む。
【0038】
ステップS60においては、「遅延」が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、遅延が変更された場合にはステップS52に進む。また、変更されなかった場合にはエンド処理を行う。
【0039】
次に、図6のフローチャートを参照しながら楽譜更新処理の詳細を説明する。
処理が開始されると、ステップS61において、導音前処理が行われる。この導音前処理については、図7を参照しながら後述する。
【0040】
次に、ステップS62に進み、進行処理が行われる。この進行処理については、図8を参照しながら後述する。次に、ステップS63に進み、導音処理が行われる。この導音処理については、図9を参照しながら後述する。次に、ステップS64に進み、移度処理が行われる。この移度処理については、図10を参照しながら後述する。次に、ステップS65に進み、シフト処理が行われる。このシフト処理については、図11を参照しながら後述する。次に、ステップS66において、遅延処理が行われる。遅延処理については、本発明には直接関係ないので詳細な説明を省略する。
【0041】
次に、図7のフローチャートを参照しながら、導音前処理(導音を本来の高さの音に戻す)の詳細を説明する。
処理が開始されると、最初にステップS71において、導音処理を行うか否かを判断する。この判断の結果、導音処理を行わない場合にはエンド処理となる。
【0042】
一方、ステップS71の判断の結果、導音処理を行う場合にはステップS72に進み、小節の調属性が短調であるか否かを判断する。この判断の結果、短調でなかった場合にはステップS79に進み、全ての小節を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての小節を処理した場合にはエンド処理を行う。また、全ての小節を処理していない場合にはステップS72に戻る。
【0043】
一方、ステップS72の判断の結果、小節の調属性が短調であった場合にはステップS73に進み、主音のノートナンバーを計算する。ここで、ノートナンバーとは0 (C-1) から127 (G9) までの128個の数字で表す音の高さである。その後、ステップS74に進む。
【0044】
ステップS74においては、音符か否かを判断する。この判断の結果、音符でなかった場合にはステップS78に進み、全ての記号を終了したか否かを判断する。この判断の結果、全ての記号を終了した場合にはステップS79に進み、全ての小節を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての小節を処理した場合にはエンド処理を行う。また、全ての小節を処理していない場合にはステップS72に戻って前述した処理を繰り返し行う。また、ステップS78の判断の結果、全ての記号を終了していない場合にはステップS74に戻る。
【0045】
一方、ステップS74の判断の結果、音符であった場合にはステップS75に進み、主音から長7度音程であるか否かを判断する。この判断の結果、そうでなかった場合にはステップS78に進んで前述した処理を行う。
【0046】
また、ステップS75の判断の結果、主音から長7度音程であった場合にはステップS76に進み、次の音が主音であるか否かを判断する。この判断の結果、次の音が主音でなかった場合にはステップS78に進んで前述した処理を行う。また、次の音が主音であった場合にはステップS77に進んで半音下げる処理を行う。ステップS77の処理が終了したらステップS78に進む。このステップS78、及び次のステップS79の処理は前述した通りである。
【0047】
前述したように、導音前処理においては、主音から長7度音程の音符について、次の音が主音であったら半音下げるよう処理する。これにより、主音の前に位置する導音においては、本来の音階(自然短音階)上の音に一度戻すことにより、その後の進行処理において不自然な音程に変換されるのを防ぐことができる。
【0048】
次に、図8のフローチャートを参照しながら進行処理について説明する。
進行処理が開始されると、ステップS81において反行であるか否かを判断する。この判断の結果、反行である場合にはステップS82に進み、反行処理を行う。
【0049】
一方、ステップS81の判断の結果、反行でなかった場合にはステップS83に進み、逆行か否かを判断する。この判断の結果、進行処理が逆行であった場合にはステップS84に進み、逆行処理を行う。
【0050】
一方、ステップS83の判断の結果、進行処理が逆行でなかった場合にはステップS85に進み、反逆行か否かを判断する。この判断の結果、反逆行であった場合にはステップS86に進み、反行処理を行う。その後、ステップS87に進んで逆行処理を行う。
【0051】
一方、ステップS85の判断の結果、反逆行処理でなかった場合にはエンド処理に移行する。また、ステップS82、ステップS84、ステップS87の各処理を終了した場合もエンド処理に移行する。
【0052】
次に、図9のフローチャートを参照しながら導音処理について説明する。
処理が開始されると、はじめにステップS91において導音処理するか否かを判断する。この判断の結果、導音処理しない場合にはエンド処理に移行する。また、ステップS91の判断の結果、導音処理する場合にはステップS92に進む。
【0053】
ステップS92においては、小節の調属性が短調であるか否かを判断する。この判断の結果、短調でなかった場合にはステップS99に移行する。また、ステップS92の判断の結果、短調であった場合にはステップS93に進む。ステップS93においては、主音のノートナンバーを計算する。
【0054】
次に、ステップS94に進み、音符であるか否かを判断する。この判断の結果、音符でなかった場合にはステップS98に進み、全ての記号を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての記号を処理した場合にはステップS99に移行する。ステップS99において、全ての小節を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての小節を処理したと判断した場合にはエンド処理に移行する。また、全ての小節を処理していないと判断した場合にはステップS92に戻る。また、ステップS98の判断の結果、全ての記号を処理していない場合にはステップS94に戻る。
【0055】
一方、ステップS94の判断の結果、音符であった場合にはステップS95に進み、主音から短7度音程か否かを判断する。この判断の結果、主音から短7度音程でなかった場合にはステップS98に進み、全ての記号を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての記号を処理した場合にはステップS99に進み、全ての小節を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての小節を処理した場合にはエンド処理に移行する。
【0056】
一方、ステップS95の判断の結果、主音から短7度音程であった場合にはステップS96に進み、次の音が主音であるか否かを判断する。この判断の結果、次の音が主音でなかった場合にはステップS98に進み、前述した処理を行う。また、ステップS96の判断の結果、次の音が主音であった場合にはステップS97に進み、半音上げる処理を行う。
【0057】
次に、ステップS98において全ての記号を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての記号を処理した場合にはステップS99に進み、前述した処理を実行する。また、全ての記号を処理していない場合にはステップS94に戻って前述した処理を繰り返しおこなう。
【0058】
次に、図10のフローチャートを参照しながら移度処理について説明する。
処理が開始されると、ステップS101において移度度数が0か否かを判断する。この判断の結果、移度度数が0であった場合にはエンド処理に移行する。また、ステップS101の判断の結果、移度度数が0でなかった場合にはステップS102に移行する。
【0059】
ステップS102においては、音符か否かを判断する。この判断の結果、音符でなかった場合にはステップ104に移行する。また、ステップS102の判断の結果、音符であった場合にはステップS103に進む。
【0060】
ステップS103においては、音符の五線上の位置(高さ)を変える処理を行う。その後、ステップS104に進み、全ての記号を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての記号を処理していない場合にはステップS102に戻って前述した処理を繰り返し行う。また、ステップS104の判断の結果、全ての記号を処理した場合にはステップS105に進む。ステップS105においては、全ての小節を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての小節を処理していない場合にはステップS102に戻って前述した処理を繰り返し行う。また、ステップS105の判断の結果、全ての小節を処理した場合にはステップS106に進む。
【0061】
ステップS106においては、符尾の向きを調整する。この調整は、移度処理を行った結果、符尾の向きがおかしくなった音符について通常の音高に合った符尾の向きとなるように調整する処理である。
【0062】
次に、図11のフローチャートを参照しながらシフト処理について説明する。
処理が開始されると、ステップS111において、シフト量が0であるか否かを判断する。この判断の結果、シフト量が0であった場合にはエンド処理に移行する。また、シフト量が0でなかった場合にはステップS112に進む。
【0063】
ステップS112においては、音符であるか否かを判断する。この判断の結果、音符でなかった場合にはステップS114に進み、音符であった場合にはステップS113を経由してステップS114に進む。ステップS113においては、シフト後のノートナンバーを計算し、ノートナンバーから音符の高さと臨時記号を修正する。その後、ステップS114に進む。
【0064】
ステップS114においては、全ての記号を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての記号を処理していない場合にはステップS112に戻って前述した処理を繰り返し行う。また、ステップS114の判断の結果、全ての記号を処理した場合にはステップS115に進む。ステップS115においては、全ての小節を処理したか否かを判断する。この判断の結果、全ての小節を処理していない場合にはステップS112に戻って前述した処理を繰り返し行う。また、ステップS115の判断の結果、全ての小節を処理した場合にはステップS116に進む。
【0065】
ステップS116においては、符尾の向きを調整する。この調整は、シフト処理を行った結果、符尾の向きがおかしくなった音符について通常の音高に合った符尾の向きとなるように調整する処理である。
【0066】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ダイアログボックスのチェックボックスにチェックを入れるだけで導音処理を行うことができるので、従来のように小節の調属性を調べたり、主音ノートナンバーを調べたり、主音から短7度音程であるかを調べたり、次の音が主音であるかを調べたりする手間を省略することができる。また、知識のない操作者でも導音処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0067】
10 システムバス
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 画像制御部
15 ディスプレイ
15a 表示画面
16 I/Oインターフェース
17 ハードディスクドライブ
20 CD−ROMドライブ
21 CD−ROM
22 マウス
22a マウスのボタン
23 キーボード
24 プリンタ
50 パーソナルコンピュータ
100 旋律変形装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある基準音を中心にして旋律を上下反転させる処理を行う旋律変形装置であって、
ユーザに選択された範囲の音符・休符を、ユーザに指定された音を中心にして上下反転する反転手段と、
前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理をするか否かを選択する導音処理選択手段と、
前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理を行う導音処理手段とを有し、
前記導音処理選択手段により、導音処理をすることがユーザにより選択されている場合には、前記導音処理手段により、前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理を行うことを特徴とする旋律変形装置。
【請求項2】
前記導音処理選択手段により、導音処理をすることがユーザにより選択されている場合には、前記導音処理手段により、小節の調属性が短調である場合に、主音から短7度音程であって、次の音が主音である音符の音程を半音上げることを特徴とする請求項1に記載の旋律変形装置。
【請求項3】
表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜の旋律変形を行う機能を有する旋律変形装置であって、
前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜の旋律を変形する操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御手段と、
前記操作画面に表示された楽譜情報を所定の値に設定するユーザ操作手段と、
前記ユーザ操作手段によって設定された楽譜情報に応じて前記編集対象の楽譜の旋律を変形する旋律変形手段と、
前記旋律変形手段により旋律が変形された楽譜に対して導音処理を行うか否かを選択するための導音処理選択手段とを有し、
前記旋律変形手段は、前記第2の表示部に表示されている操作画面が前記ユーザ操作手段により操作されると、その操作に応じて前記第1の表示部に表示されている編集対象の楽譜の旋律を変形して、前記表示制御手段は前記旋律変形手段により変形された後の楽譜を前記第3の表示領域に表示することを特徴とする旋律変形装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、旋律変形を行う要素として、進行状態を選択するためのラジオボタン、反行の基準音を選択するためのラジオボタン、反行の方法を選択するためのラジオボタン、半音進行を保持するか否かを選択するためのチェックボックス、導音処理をするか否かを選択するためのチェックボックス、ダブルシャープやフラットを使わないことを選択するためのチェックボックス、度数を設定するためのメニュー、シフト量を設定するためのメニュー、遅延を設定するためのメニューを表示することを特徴とする請求項3に記載の旋律変形装置。
【請求項5】
ある基準音を中心にして旋律を上下反転させる処理をコンピュータに実行させる旋律変形プログラムであって、
ユーザに選択された範囲の音符・休符を、ユーザに指定された音を中心にして上下反転する反転工程と、
前記反転工程において反転された音符・休符に導音処理をするか否かを選択する導音処理選択工程と、
前記反転工程において反転された音符・休符に導音処理を行う導音処理工程とを有し、
前記導音処理選択工程において、導音処理をすることがユーザにより選択されている場合には、前記導音処理工程において、前記反転工程において反転された音符・休符に導音処理をコンピュータに実行させることを特徴とする旋律変形プログラム。
【請求項6】
表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜の旋律変形処理をコンピュータに実行させる旋律変形プログラムであって、
前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜の旋律を変形する操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御工程と、
前記操作画面に表示された楽譜情報を所定の値に設定するユーザ操作工程と、
前記ユーザ操作工程において設定された楽譜情報に応じて前記編集対象の楽譜の旋律を変形する旋律変形工程と、
前記旋律変形工程において旋律が変形された楽譜に対して導音処理を行うか否かを選択するための導音処理選択工程とを有し、
前記旋律変形工程は、前記第2の表示部に表示されている操作画面が前記ユーザ操作工程において操作されると、その操作に応じて前記第1の表示部に表示されている編集対象の楽譜の旋律を変形して、前記表示制御工程は前記旋律変形工程において変形された後の楽譜を前記第3の表示領域に表示するようコンピュータを制御することを特徴とする旋律変形プログラム。
【請求項1】
ある基準音を中心にして旋律を上下反転させる処理を行う旋律変形装置であって、
ユーザに選択された範囲の音符・休符を、ユーザに指定された音を中心にして上下反転する反転手段と、
前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理をするか否かを選択する導音処理選択手段と、
前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理を行う導音処理手段とを有し、
前記導音処理選択手段により、導音処理をすることがユーザにより選択されている場合には、前記導音処理手段により、前記反転手段によって反転された音符・休符に導音処理を行うことを特徴とする旋律変形装置。
【請求項2】
前記導音処理選択手段により、導音処理をすることがユーザにより選択されている場合には、前記導音処理手段により、小節の調属性が短調である場合に、主音から短7度音程であって、次の音が主音である音符の音程を半音上げることを特徴とする請求項1に記載の旋律変形装置。
【請求項3】
表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜の旋律変形を行う機能を有する旋律変形装置であって、
前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜の旋律を変形する操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御手段と、
前記操作画面に表示された楽譜情報を所定の値に設定するユーザ操作手段と、
前記ユーザ操作手段によって設定された楽譜情報に応じて前記編集対象の楽譜の旋律を変形する旋律変形手段と、
前記旋律変形手段により旋律が変形された楽譜に対して導音処理を行うか否かを選択するための導音処理選択手段とを有し、
前記旋律変形手段は、前記第2の表示部に表示されている操作画面が前記ユーザ操作手段により操作されると、その操作に応じて前記第1の表示部に表示されている編集対象の楽譜の旋律を変形して、前記表示制御手段は前記旋律変形手段により変形された後の楽譜を前記第3の表示領域に表示することを特徴とする旋律変形装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、旋律変形を行う要素として、進行状態を選択するためのラジオボタン、反行の基準音を選択するためのラジオボタン、反行の方法を選択するためのラジオボタン、半音進行を保持するか否かを選択するためのチェックボックス、導音処理をするか否かを選択するためのチェックボックス、ダブルシャープやフラットを使わないことを選択するためのチェックボックス、度数を設定するためのメニュー、シフト量を設定するためのメニュー、遅延を設定するためのメニューを表示することを特徴とする請求項3に記載の旋律変形装置。
【請求項5】
ある基準音を中心にして旋律を上下反転させる処理をコンピュータに実行させる旋律変形プログラムであって、
ユーザに選択された範囲の音符・休符を、ユーザに指定された音を中心にして上下反転する反転工程と、
前記反転工程において反転された音符・休符に導音処理をするか否かを選択する導音処理選択工程と、
前記反転工程において反転された音符・休符に導音処理を行う導音処理工程とを有し、
前記導音処理選択工程において、導音処理をすることがユーザにより選択されている場合には、前記導音処理工程において、前記反転工程において反転された音符・休符に導音処理をコンピュータに実行させることを特徴とする旋律変形プログラム。
【請求項6】
表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜の旋律変形処理をコンピュータに実行させる旋律変形プログラムであって、
前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜の旋律を変形する操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御工程と、
前記操作画面に表示された楽譜情報を所定の値に設定するユーザ操作工程と、
前記ユーザ操作工程において設定された楽譜情報に応じて前記編集対象の楽譜の旋律を変形する旋律変形工程と、
前記旋律変形工程において旋律が変形された楽譜に対して導音処理を行うか否かを選択するための導音処理選択工程とを有し、
前記旋律変形工程は、前記第2の表示部に表示されている操作画面が前記ユーザ操作工程において操作されると、その操作に応じて前記第1の表示部に表示されている編集対象の楽譜の旋律を変形して、前記表示制御工程は前記旋律変形工程において変形された後の楽譜を前記第3の表示領域に表示するようコンピュータを制御することを特徴とする旋律変形プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−197610(P2010−197610A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41287(P2009−41287)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】
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