説明

昇降カーテン

【課題】 棒状の部材を使用することなく、安価に作成できると共に、半円状に吊り上げることができ、美観上も優れた昇降カーテンを提供する。
【解決手段】 山部5と谷部6から成る蛇腹部7の形態を維持できる形状記憶性を有する布地のカーテン本体10を取付フレーム20に吊り下げ、カーテン本体10の中央部の裏面山部9側に吊り紐35を挿通し、この吊り紐35を引くことによって、カーテン本体10を半円状に吊り上げるようにした。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、布地のカーテン本体の蛇腹部を折り畳んで昇降できる昇降カーテンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、布地のカーテン本体の蛇腹部を折り畳んで昇降させるためには、蛇腹部を形成するため、山部や谷部にわざわざ棒状の部材を取り付けていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような昇降カーテンは、棒状の部材を取り付ける作業や棒状の部材そのものの費用がかかることから、布地のカーテン本体に比べて高価であった。
【0004】
また、棒状の部材が取り付けられているため、重く、カーテン本体を上部まで吊り上げることができなかった。
そこで、本考案は前記課題を解決することを目的とし、安価に作成できてコストダウンを図れると共に、カーテン本体を上部まで半円状に吊り上げることができ、美観上も優れた昇降カーテンを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段、及び考案の効果】
以下、前記課題を解決するためになされた本考案の特徴について詳述する。
前記請求項1の考案は、山部と谷部から成る蛇腹部の形態を維持できる形状記憶性を有する布地のカーテン本体を、 取付フレームに、前記山部と谷部が平行になるように吊り下げ、 前記カーテン本体の中央部に、 前記カーテン本体の上部から下部にかけて、 前記カーテン本体の裏面山部側に挿通された吊り紐を設け、 該吊り紐を引くことによって、前記カーテン本体の前記蛇腹部が前記中央部の下部から順次折り畳まれて、前記カーテン本体の上部まで半円状に吊り上げられることを特徴とする。
【0006】
請求項1の昇降カーテンによれば、カーテン本体の布地を蛇腹部の形態を維持できる形状記憶性を有するものとしたため、棒状の部材を取り付ける必要がなく、安価に作成できる。
また、カーテン本体を上部まで半円状に吊り上げることができ、美観上も優れている。
【0007】
次に、請求項2に記載の考案は、前記取付フレームの一端に前記カーテン本体を吊り下げると共に、前記取付フレームの他端にレース生地から成る第2のカーテンを吊り下げたことを特徴とする。
請求項2の昇降カーテンによれば、取付フレームの両側に、カーテン本体とレース生地から成る第2のカーテンを吊り下げるだけで、二重カーテンとなり、わざわざ取付フレームを別々にする必要もなく、極めて安価に二重カーテンが作成できる。
【0008】
【考案の実施の形態】
次に、本考案の実施形態について一例を挙げて説明する。
図において、図1は昇降カーテンの正面図、図2は裏面図、図3は側面からみた説明図、図4はカーテン本体を吊り上げた状態の正面図を表す。
【0009】
昇降カーテン1は、図1乃至図3に示すように、正面から見た場合、山部5と谷部6が交互に表れる蛇腹部7が設けられた形態から成る布地のカーテン本体10が、取付フレーム20に、山部5と谷部6が平行になるように吊り下げられている。
【0010】
このカーテン本体10の布地は、形状記憶性を有するもので、使用したり、洗濯したりしても、その形態が維持できるように構成されている。
形状記憶性を有する布地としては、熱を加えることで、所望の形態に変えることができ、温度を下げることにより、その形態を維持できる公知の布地が使用されている。
【0011】
このような布地は、例えば、縦糸と横糸のいずれか一方を、市販されている形状記憶ポリマーからなる糸とし、他方を形状記憶ポリマーよりなる糸と熱融着糸とを撚った糸と織ったり、または縦糸と横糸の双方を形状記憶ポリマーよりなる糸と熱融着糸とを撚った糸で織り、加熱して熱融着糸を溶かし、前記形状記憶ポリマーより成る糸相互を接着させて形成する等種々の方法で作成される。
【0012】
カーテン本体10を取付フレーム20に吊り下げる手段は、種々の手段があるが、例えばカーテン本体10と取付フレーム20の両面に面ファスナーを設けて止めるようにすればよい。
このように、吊り下げられたカーテン本体10の中央部には、図2及び図3に示すように、カーテン本体10の裏面の山部9側にそれぞれリング30が備えられ、カーテン本体10の上部から下部にかけて、吊り紐35がリング30内に挿通されている。
【0013】
吊り紐35は、カーテン本体10の下部で止め具37で止められ、リング30内をそれぞれ挿通し、カーテン本体10の上部で取付フレーム20に設置された筒状の中継具40で取付フレーム20と平行する方向に曲がり、取付フレーム20の端部に設置され、内部に吊り紐35の移動を制御する歯車と係止壁から成るストッパーを備えた巻き取り器42によって、下方に吊り下げられている。
【0014】
45は、吊り紐35の端部に備えられた引き具であり、この引き具45を下方へ引くことよって、カーテン本体10の下部で止められた止め具37の部分から、カーテン本体10の裏面の山部9が、それぞれ山部9同士が接触するようにして中央部を中心として折り畳まれ、中央部がカーテン本体10の上部まで吊り上げられて、図4に示すように半円状に吊り上げられた状態となる。
【0015】
この状態で、巻き取り器42内のストッパーで吊り紐35を固定すれば、カーテン本体10は、半円状に吊り上げられた状態で止めることができ、逆にストッパーを外すようにして吊り紐35を上げれば、カーテン本体10は、元の状態に戻ることができる。
【0016】
図5は、取付フレーム50の一端に、蛇腹部の形態を維持できる形状記憶性を有する布地のカーテン本体60を吊り下げると共に、取付フレーム50の他端に、レース生地から成る第2のカーテン70を吊り下げたものであり、1つの取付フレーム50の両端を使用することによって、簡単に二重カーテンとなるものである。
【0017】
尚、本考案は、その要旨を逸脱しない限り種々なる改良は自由であり、例えばカーテン本体は、形状記憶性を有する布地であればよく、遮光性の生地を使用したり、ジャカード織りの生地、レース生地、ボイル生地等種々の生地を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の昇降カーテンの正面図である。
【図2】 昇降カーテンの裏面図である。
【図3】 昇降カーテンを側面からみた説明図である。
【図4】 カーテン本体を吊り上げた状態の正面図である。
【図5】 昇降カーテンを二重カーテンとした状態の説明図である。
【符号の説明】
1…昇降カーテン、5…山部、6…谷部、7…蛇腹部、10,60…昇降カーテン、20,50…取付フレーム、35…吊り紐、70…第2のカーテン

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 山部と谷部から成る蛇腹部の形態を維持できる形状記憶性を有する布地のカーテン本体を、取付フレームに、前記山部と谷部が平行になるように吊り下げ、前記カーテン本体の中央部に、前記カーテン本体の上部から下部にかけて、前記カーテン本体の裏面山部側に挿通された吊り紐を設け、該吊り紐を引くことによって、前記カーテン本体の前記蛇腹部が前記中央部の下部から順次折り畳まれて、前記カーテン本体の上部まで半円状に吊り上げられることを特徴とする昇降カーテン。
【請求項2】 前記取付フレームの一端に前記カーテン本体を吊り下げると共に、前記取付フレームの他端にレース生地から成る第2のカーテンを吊り下げたことを特徴とする請求項1記載の昇降カーテン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【登録番号】実用新案登録第3086987号(U3086987)
【登録日】平成14年4月10日(2002.4.10)
【発行日】平成14年7月5日(2002.7.5)
【考案の名称】昇降カーテン
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2001−8470(U2001−8470)
【出願日】平成13年12月27日(2001.12.27)
【出願人】(300088614)株式会社スワン (1)
【出願人】(390003872)豊島株式会社 (4)