説明

時計

【課題】従来の時計においては、時計が示す時刻を何気なく見た場合において、そこに付随的に示されている物理量がどの時刻を起点としたものであり、また現在時刻においてどのくらいの大きさになっているかを簡易に把握することができなかった。
【解決手段】以上の課題を解決するために、時刻と後記する物理量を示すための両用目盛と、時刻に応じて両用目盛を指すための指針を駆動する指針駆動部と、所定時刻を起点とする物理量の情報を取得する物理量取得部と、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、取得した物理量の大きさを両用目盛にて示すための物理量インディケータを駆動する物理量インディケータ駆動部と、を有する時計などを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻と物理量を示すことが可能な時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、置き時計や腕時計の種類に関係なく、時刻の情報に加えて物理量を表示することが可能な時計が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1においては、一定期間に達成したい目標に対する現在の達成度を数値的に表示可能なデジタル形式の目標表示時計が開示されている。また、特許文献2においては、特定の目標日まであと何日あるのかを数値的に表示可能なアナログ形式のカウントダウン時計が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−85935
【特許文献2】特開平8−226982
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の時計においては、時計が示す時刻を何気なく見た場合において、そこに付随的に示されている物理量がどの時刻を起点としたものか、また現在時刻においてどのくらいの大きさになっているかなどを簡易に把握することができなかった。このため、特に子供などはその物理量について関心を持ちにくく、物理量の情報をうまく活用できないケースが多かった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、時刻と後記する物理量を示すための両用目盛と、時刻に応じて両用目盛を指すための指針を駆動する指針駆動部と、所定時刻を起点とする物理量の情報を取得する物理量取得部と、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、取得した物理量の大きさを両用目盛にて示すための物理量インディケータを駆動する物理量インディケータ駆動部と、を有する時計を提案する。
【0007】
また、時刻と後記する物理量を示すための両用目盛と、時刻に応じて両用目盛を指すための指針を駆動する指針駆動部と、所定時刻を起点とする物理量の情報を取得する物理量取得部と、取得した物理量の情報に基づいて前記所定時刻から所定時間先の時刻の物理量を予測する物理量予測部と、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、予測した物理量の大きさを両用目盛にて示すための予測量インディケータを駆動する予測量インディケータ駆動部と、を有する時計を提案する。
【発明の効果】
【0008】
以上の構成をとる本発明によって、時計を何気なく見た場合においても、どの時刻を起点とした物理量であり、現在時刻においてどのくらいの大きさになっているかなどを簡易に把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態1の時計の概要を示す図
【図2】実施形態1の時計の機能ブロックの一例を示す図
【図3】実施形態1の時計の他の例を示す図(1)
【図4】実施形態1の時計の他の例を示す図(2)
【図5】実施形態1の時計のハードウェア構成の一例を示す図
【図6】実施形態1の時計の処理の流れの一例を示す図
【図7】実施形態2の時計の概要を示す図
【図8】実施形態2の時計の機能ブロックの一例を示す図
【図9】実施形態2の時計の処理の流れの一例を示す図
【図10】実施形態3の時計の機能ブロックの一例を示す図
【図11】実施形態3の時計の処理の流れの一例を示す図
【図12】実施形態4の時計の概要を示す図
【図13】実施形態4の時計の機能ブロックの一例を示す図
【図14】実施形態4の時計の処理の流れの一例を示す図
【図15】実施形態5の時計の概要を示す図
【図16】実施形態5の時計の機能ブロックの一例を示す図
【図17】実施形態5の時計の処理の流れの一例を示す図
【図18】実施形態6の時計の機能ブロックの一例を示す図
【図19】実施形態6の時計の処理の流れの一例を示す図
【図20】実施形態7の時計の機能ブロックの一例を示す図
【図21】実施形態7の時計の処理の流れの一例を示す図
【図22】実施形態8の時計の機能ブロックの一例を示す図
【図23】実施形態8の時計の処理の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を説明する。実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。実施形態1は、主に請求項1、9に対応する。実施形態2は、主に請求項2、9に対応する。実施形態3は、主に請求項3、9に対応する。実施形態4は、主に請求項4、9に対応する。実施形態5は、主に請求項5、9に対応する。実施形態6は、主に請求項6、9に対応する。実施形態7は、主に請求項7、9に対応する。実施形態8は、主に請求項8、9に対応する。なお、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施しうる。
【0011】
<<実施形態1>>
【0012】
<概要>
図1は、本実施形態の時計の概要を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「時計」は、12時30分を起点とした物理量について、30分において「分針」0101が指す「両用目盛」0102の目盛位置(30番目の目盛位置)を物理量の原点位置として、物理量の大きさを「両用目盛」0102にて示すための「物理量インディケータ」0103を駆動する構成を有している。当該構成を有することにより、時計を何気なく見た場合においても、どの時刻を起点とした物理量であり、現在時刻においてどのくらいの大きさになっているかを簡易に把握することが可能になる。
【0013】
<構成>
図2は、本実施形態の時計の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「時計」0200は、「両用目盛」0201と、「指針」0202と、「指針駆動部」0203と、「物理量取得部」0204と、「物理量インディケータ」0205と、「物理量インディケータ駆動部」0206と、から構成される。
【0014】
「両用目盛」は、時刻と後記する物理量を示すための目盛である。つまり、一の目盛により時刻と物理量を示すことが可能である。両用目盛を配置する位置は、図1に示すように時刻表示用文字盤の縁とすることが主として考えられるが、時刻と物理量を示すことが可能であれば特にこれに限定されるものではない。両用目盛の数は、一般的な時計と同様に60とすることが考えられるが、その倍数となる目盛数とすることも可能であるし(例えば、120)、その公約数となる目盛数とすることも可能である(例えば、12)。
【0015】
また、両用目盛の目盛一つ分に対する物理量の大きさ(両用目盛と物理量の比率)は任意に設定することが可能である。両用目盛と物理量の比率の一例としては、基本単位時間を示す両用目盛の目盛数(例えば、目盛1個)に対して、基本単位時間当たりに変化すると見込まれる物理量の単位(例えば、1kWh)とすることが考えられる。また、所定の時間区分に相当する両用目盛の目盛数(例えば、目盛30個)に対して、当該所定の時間区分において目標とすべき物理量の大きさ(例えば、5kWh)とすることも考えられる。
【0016】
「指針駆動部」は、時刻に応じて両用目盛を指すための指針を駆動する。ここで、指針とは、時針、分針、秒針のいずれかをいうものである。なお、指針駆動部が駆動する指針が例えば分針であるとしても、時針、秒針がないことを意味するものではない。また、指針駆動部の指針の形状は必ずしも針形状とする必要はなく、両用目盛において時刻を指し示すことが可能なものであれば足りる。例えば、時刻に対応するよう両用目盛の目盛位置近辺に表示される小さな光点やアイコンなども含まれるものである。指針の駆動手段としては、指針が物理的なものであればステップモーターなどが主として考えられる。また、時刻表示用文字盤をディスプレイとして表示出力する構成も考えられる。
【0017】
「物理量取得部」は、所定時刻を起点とした物理量の情報を取得する。取得する物理量としては種々考えられるが、例えば、所定時刻を起点とした発電量や売電量、買電量、消費電力量などや、所定時刻を起点とした走行距離や泳いだ距離、所定時刻を起点とした歩数や腕立て伏せの回数、スクワットの回数などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ここで、所定時刻は固定的なものではない。例えば、12時15分を起点とした走行距離の情報を取得している場合において12時30分になった場合、今度は12時30分を起点とした走行距離の情報を取得する、といった構成も考えられる。
【0018】
物理量を取得する構成としては、温度センサーや加速度センサーなどの検知器を介して取得する構成や、有線又は無線の通信回線を介して取得する構成、操作入力機器を介して取得する構成が考えられる。
【0019】
なお、物理量を取得する構成として、内部処理装置の演算処理を介して取得する構成も含まれるものである。例えば、所定時刻及び現在時刻においてGPS受信機を介して各時刻における緯度・経度の情報を取得し、所定時刻から現在時刻までの移動量を内部演算処理により算出することが考えられる。また、所定時刻及び現在時刻において電力量モニターを介して各時刻までの電力消費量の情報を取得し、所定時刻から現在時刻までに消費された電力量を算出することも考えられる。
【0020】
「物理量インディケータ駆動部」は、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、取得した物理量の大きさを両用目盛にて示すための物理量インディケータを駆動する。ここでいう前記指針とは、指針駆動部にて駆動される指針をいうものであり、時針、分針、秒針のいずれかに該当する。
【0021】
例えば、前記所定時刻が午後5時15分30秒である場合は、分針が指す15分の両用目盛の目盛位置(15番目の目盛位置)を物理量の原点位置とすることが考えられる。なお、物理量の変化を秒単位で示したい場合は秒針が指す30秒の目盛位置(30番目の目盛位置)を物理量の原点位置とし、時単位で示したい場合は時針が指す5時の目盛位置(5番目の目盛位置)を物理量の原点位置とすることも可能である。この場合、指針駆動部にて駆動される指針は、それぞれ秒針、時針を意味するものである。
【0022】
物理量インディケータとしては、例えば図1に示したように、時計文字盤の両用目盛の各目盛位置に対応するように発光要素を配置する構成が考えられる。この場合、物理量の大きさに応じて、原点位置から所定の目盛位置まで発光要素を点灯させたり、原点位置の発光要素と所定の目盛位置の発光要素のみを点灯させたりすることが考えられる。なお、発光要素の材料としては、LED素子やEL素子などを用いることが考えられる。また、図3に示すように、「物理量インディケータ」0301として、時計文字盤の内側に「両用目盛」0302に対応するように発光要素を設ける構成も可能であるし、時計文字盤の両用目盛上に発光要素を設ける構成も可能である。なお、物理量インディケータはディスプレイ機能により表示出力させる構成も可能である。
【0023】
また、両用目盛を利用して表す物理量が複数ある場合は、各物理量を両用目盛にて示すために複数の物理量インディケータを設ける構成も可能である。例えば、図4に示すように物理量1について時計文字盤の外側にある円環状に配置された「物理量インディケータA」04001でその大きさを示し、物理量2についてはさらに外側にある円環状に配置された「物理量インディケータB」0402でその大きさを示す構成が考えられる。また、さらに物理量が存在する場合は時計文字盤の内側にある物理量インディケータでその大きさを示すことも可能である。当該構成とすることにより、時計を一見するだけで複数の物理量の大きさを把握することが可能になる。
【0024】
<具体的な構成>
図5は、上記時計の機能的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。この図を利用して、それぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0025】
この図にあるように、時計は、「CPU」0501と、「RAM」0502と、「ROM」0503と、「不揮発性メモリ」0504と、「水晶発振器」0505と、「指針制御回路」0506と、「指針駆動機構」0507と、「発光制御回路」0508と、「発光器」0509と、「通信器」0510と、を備える。当該構成は、「システムバス」0511のデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。ここで、発光器は、時計文字盤の各目盛位置付近に配置された複数の発光要素からなる。
【0026】
CPUは、水晶発振器からの信号に基づいて指針制御回路に対して所定タイミングで制御信号を送信する。制御信号を受け取った指針制御回路は指針駆動機構を介して指針を制御する。
【0027】
また、CPUは、通信器を介して所定時刻を起点とする物理量の情報を取得し、RAMに格納する。続いて、CPUは、上記所定時刻において分針が指し示す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として設定する処理を行う。さらに、CPUは、取得した物理量の大きさに応じて点灯させるべき発光要素数を決定する処理を行う。さらに、CPUは、発光制御回路に対して、上記原点位置を基準として上記発光要素数の発光要素を点灯させるための制御信号を出力する。制御信号を受信した発光制御回路は点灯させるべき発光要素を点灯させる。
【0028】
<処理の流れ>
図6は、時刻と物理量を示すための両用目盛を備える時計における処理の流れを示すフローチャートである。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0601では、時刻に応じて両用目盛を指すための指針を駆動する(指針指示ステップ)。次にステップS0602では、所定時刻を起点とした物理量の情報を取得する(物理量取得ステップ)。次にステップS0603では、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、取得した物理量の大きさを両用目盛にて示すための物理量インディケータを駆動する(物理量表示ステップ)。
【0029】
<効果>
本実施形態の時計により、当該構成を有することにより、時計を何気なく見た場合においても、どの時刻を起点とした物理量であり、現在時刻においてどのくらいの大きさになっているかを簡易に把握することが可能になる。
【0030】
<<実施形態2>>
【0031】
<概要>
本実施形態の時計は、基本的に実施形態1で示した時計と同様であるが、図7に示すように、現在時刻(10時23分09秒)において「分針」の指す「両用目盛」の「目盛位置(23番目の目盛位置)」0701が「現在時刻における物理量(18番目の目盛位置)」0702の「目標レベル」となるような比率(両用目盛と物理量の比率)で「物理量インディケータ」を駆動している。当該構成とすることにより、現在時刻の物理量が現在時刻における物理量の目標レベルに対してどれくらいであるかを容易に把握することが可能になる。
【0032】
<構成>
図8は、本実施形態の時計の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「時計」0800は、「両用目盛」0801と、「指針」0802と、「指針駆動部」0803と、「物理量取得部」0804と、「物理量インディケータ」0805と、「物理量インディケータ駆動部」0806と、から構成され、「物理量インディケータ駆動部」は「第一駆動手段」0807を有する。以下、実施形態1との相違点である第一駆動手段について説明する。
【0033】
「第一駆動手段」は、現在時刻において前記指針の指す両用目盛の目盛位置が現在時刻における物理量の目標レベルとなるような比率で物理量インディケータを駆動する。
【0034】
実施形態1で述べたように、物理量インディケータは、取得した物理量の大きさを両用目盛にて示すためのものである。取得した物理量は目標レベルと対比するとさらに理解しやすい値となる。また、現在時刻における物理量の目標レベルを指針の指す両用目盛に対応させることにより、指針と物理量インディケータを対比して現在時刻における物理量が目標レベルと比較してどれくらいであるかを即座に把握することが可能になる。
【0035】
一例として、6時00分から6時30までの消費電力量の目標レベルが60kWである場合を考える。この場合、6時00分から6時30分までの任意の時刻の目標レベルを算出することが可能である。例えば、6時20分における目標レベルは40kWであると算出できる。ここで、20分における現実の消費電力量が30kWである場合は、現実の消費電力量は目標レベルの3/4である。よって、物理量インディケータは、両用目盛の15分の目盛位置(15番目の目盛位置)を指し示すことになる。これにより、物理量インディケータの位置から6時15分現在における消費電力量は目標とする消費電力量の3/4であると判断することが可能になる。
【0036】
上記駆動手段において用いる物理量の目標レベルの情報は、予め内部の記憶装置にて保持しておくことも可能であるし、有線又は無線の通信回線を介して外部装置から取得する構成も可能であるし、操作入力機器を介して操作入力を受け付けることや、USBメモリなどの記憶装置などを介して取得することも可能である。なお、一の時刻における物理量の目標レベルを他の時刻における物理量の目標レベルに基づいて算出することも、目標レベルの取得の態様として含まれるものである。
【0037】
<具体的な構成>
本実施形態の時計のハードウェア構成は、基本的に図5を用いて説明した実施形態1の時計のハードウェア構成と共通する。以下、実施形態1との相違点である処理について説明する。
【0038】
CPUは、不揮発性メモリに格納されている各時間区分の物理量の目標レベルのデータをRAMに読み出す。続いて、現在時刻における物理量の目標レベルを、現在時刻が属する時間区分の目標レベルのデータに基づいて算出する処理を行う。例えば、6時00分から6時30分までの時間区分の消費電力量の目標レベルが60kWである場合は、6時20分現在における目標レベルは40kWであると算出する。
【0039】
さらにCPUは、現在時刻における現実の物理量の値に対する現在時刻における目標レベルの値の比率を算出する処理を行い、処理結果をRAMに格納する。また、物理量の原点位置となる両用目盛の目盛位置と、現在時刻において分針が指し示す両用目盛の目盛位置と、上記算出された比率に基づいて、原点位置となる両用目盛の目盛位置に配置された発光要素を基準として点灯させるべき発光要素を決定する処理を行う。
【0040】
<処理の流れ>
図9は、本実施形態の時刻と物理量を示すための両用目盛を備える時計における処理の流れを示すフローチャートである。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0901では、時刻に応じて両用目盛を指すための指針を駆動する(指針指示ステップ)。次にステップS0902では、所定時刻を起点とした物理量の情報を取得する(物理量取得ステップ)。次にステップS0903では、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、かつ、現在時刻において前記指針の指す両用目盛の目盛位置が現在時刻における物理量の目標レベルとなるような比率で、取得した物理量の大きさを両用目盛にて示すための物理量インディケータを駆動する(物理量対比表示ステップ)。
【0041】
<効果>
本実施形態の時計により、実施形態1の効果に加えて、現在時刻の物理量が現在時刻における物理量の目標レベルに対してどれくらいであるかを容易に把握することが可能になる。
【0042】
<<実施形態3>>
【0043】
<概要>
本実施形態の時計は、基本的に実施形態2の時計と同様であるが、物理量インディケータが目標レベルを示す両用目盛の目盛位置よりも大きな両用目盛の目盛位置を示すか否かに応じて物理量インディケータの色を制御することが可能である。当該構成とすることにより、物理量インディケータの色の変化により、目標レベルに対する物理量の大小を容易に把握することが可能になる。
【0044】
<構成>
図10は、本実施形態の時計の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「時計」1000は、「両用目盛」1001と、「指針」1002と、「指針駆動部」1003と、「物理量取得部」1004と、「物理量インディケータ」1005と、「物理量インディケータ駆動部」1006と、から構成され、「物理量インディケータ駆動部」は「第一駆動手段」1007と「第一判断手段」1008と「第一色制御手段」1009を有する。以下、実施形態1、2との相違点である第一判断手段と第一色制御手段について説明する。
【0045】
「第一判断手段」は、前記物理量インディケータが前記目標レベルを示す両用目盛の目盛位置よりも大きな両用目盛の目盛位置を示すか否か判断する。
【0046】
「第一色制御手段」は、第一判断手段の判断に応じて物理量インディケータの色を制御する。当該制御は、例えば指針基準判断手段の判断と物理量インディケータの色とを関連付けたデータ(例えばテーブルデータ)に基づいて行うことが可能である。
【0047】
<具体的な構成>
本実施形態の時計のハードウェア構成は、基本的に図5を用いて説明した実施形態1の時計のハードウェア構成と共通する。以下、実施形態1から3との相違点である処理について説明する。
【0048】
CPUは、現在時刻における目標レベルの値と物理量の値を比較して、物理量インディケータが目標レベルとなる両用目盛よりも大きな両用目盛を示すか否か判断する処理を行い、処理結果をRAMに格納する。
【0049】
さらにCPUは、ROMに格納されている上記処理により発生しうる判断結果(大きいか、否か)と物理量インディケータの色とを関連付けたテーブルデータをRAMに読み出し、上記処理結果とテーブルデータに基づいて物理量インディケータの色を決定する処理を行う。
【0050】
さらにCPUは、発光制御回路に対して物理量インディケータの色を指定する信号を出力する。色を指定する信号を受信した発光制御回路は発光要素の色を制御する処理を行う。
【0051】
<処理の流れ>
図11は、時刻と物理量を示すための両用目盛を備える時計における処理の流れを示すフローチャートである。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1101では、時刻に応じて両用目盛を指すための指針を駆動する(時刻指示ステップ)。次にステップS1102では、所定時刻を起点とした物理量の情報を取得する(物理量取得ステップ)。次にステップS1103では、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、かつ、現在時刻において前記指針の指す両用目盛の目盛位置が現在時刻における物理量の目標レベルとなるような比率で、取得した物理量の大きさを両用目盛にて示すための物理量インディケータを駆動する(物理量対比表示ステップ)。次にステップS1104では、前記物理量インディケータが前記目標レベルを示す両用目盛の目盛位置よりも大きな両用目盛の目盛位置を示すか否か判断する(物理量対比判断ステップ)。次にステップS1105では、物理量対比判断ステップでの判断に応じて物理量インディケータの色を制御する(物理量色制御ステップ)。
【0052】
<効果>
本実施形態の時計により、実施形態1、2の効果に加えて、物理量インディケータの色の変化により、目標レベルに対する物理量の大小を直感的に把握することが可能になる。
【0053】
<<実施形態4>>
【0054】
<概要>
図12は、本実施形態の時計の概要を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「時計」は、12時30分を起点とした物理量について、30分において「分針」1201が指す「両用目盛」1202の目盛位置(30番目の目盛位置)を物理量の原点位置として、13時00分において取得されると予測される物理量の大きさを「両用目盛」1202にて示すための「予測量インディケータ」1203を駆動する構成を有している。当該構成を有することにより、時計を何気なく見た場合においても、どの時刻を起点とした予測物理量であり、先の時刻において予測される物理量の大きさはどのくらいかを簡易に把握することが可能になる。
【0055】
<構成>
図13は、本実施形態の時計の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「時計」1300は、「両用目盛」1301と、「指針」1302と、「指針駆動部」1303と、「物理量取得部」1304と、「物理量予測部」1305と、「予測量インディケータ」1306と、「予測量インディケータ駆動部」1307と、から構成される。以下、実施例1から3との相違点である、物理量予測部と、予測量インディケータ駆動部について説明する。
【0056】
「物理量予測部」は、取得した物理量の情報に基づいて前記所定時刻から所定時間先の時刻の物理量を予測する。ここで、所定時間先の時刻としては、現在時刻が属する時間区分の終了時刻(例えば、12時30分から13時00分の時間区分の終了時刻である13時00分)とすることが考えられるが、これに限定されるものではない。
【0057】
一例として、前記所定時刻から現在時刻までに発電された電力量に基づいて所定時間先の時刻までに発電される電力量を予測することが考えられる。具体的には、前記所定時刻から現在時刻までの物理量の変化を一次関数又は多次関数でフィッティングする処理を行い、所定時刻先の時刻の物理量を予測することが考えられる。例えば、3時00分から3時15分までに5kWhの電力量が発電された場合は、一次関数でフィッティングする処理を行い、3時30分までに10kWhの電力量が発電されると予測することが考えられる。また、3時00分から3時10までに1kWhの電力量が発電され、3時00分から3時20までに4kWhの電力量が発電された場合は、二次関数でフィッティングする処理を行い、3時30分までに9kWhの電力量が発電されると予測することが考えられる。また、所定時刻から現在時刻までの物理量のデータをさらに利用して高次元関数でフィッティングする処理を行い、所定時間先の時刻の物理量を予測することも可能である。
【0058】
「予測量インディケータ駆動部」は、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、予測した物理量の大きさを両用目盛にて示すための予測量インディケータを駆動する。
【0059】
予測量インディケータのその他の具体的な構成は物理量インディケータと同様である。なお、予測量インディケータと物理量インディケータを両方備える構成とすることも考えられる。
【0060】
例えば、予測量インディケータを時計文字盤の外側に設け、物理量インディケータを時計文字盤の内側に設ける構成が考えられる。当該構成とすることにより、現在時刻の物理量と所定時刻から所定時間先の時刻の物理量を一見して把握することが可能になる。
【0061】
<具体的な構成>
本実施形態の時計のハードウェア構成は、基本的に図5を用いて説明した実施形態1の時計のハードウェア構成と共通する。
【0062】
CPUは、水晶発振器からの信号に基づいて指針制御回路に対して所定タイミングで制御信号を送信する。制御信号を受け取った指針制御回路は指針駆動機構を介して指針を制御する。
【0063】
また、CPUは、通信器を介して所定時刻を起点とする物理量の情報を取得し、RAMに格納する。続いて、CPUは、上記所定時刻において分針が指し示す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として設定する処理を行う。さらに、CPUは、取得した物理量のデータに基づいて、所定時刻から現在時刻までの物理量の変化を関数でフィッティングする処理を行い、前記所定時刻から所定時間先の時刻の予測物理量を算出する処理を行い、処理結果をRAMに格納する。さらに、CPUは、予測物理量の大きさに応じて点灯させるべき発光要素数を決定する処理を行う。さらに、CPUは、発光制御回路に対して、上記原点位置を基準として上記発光要素数の発光要素を点灯させるための制御信号を出力する。制御信号を受信した発光制御回路は点灯させるべき発光要素を点灯させる。
【0064】
<処理の流れ>
図14は、本実施形態の時刻と物理量を示すための両用目盛を備える時計における処理の流れを示すフローチャートである。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1401では、時刻に応じて両用目盛を指針で指す(時刻指示ステップ)。次にステップS1402では、所定時刻を起点とする物理量の情報を取得する(物理量取得ステップ)。次にステップS1403では、取得した物理量の情報に基づいて前記所定時刻から所定時間先の時刻の物理量を予測する(物理量予測ステップ)。次にステップS1404では、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、予測した物理量の大きさを両用目盛にて示すための予測量インディケータを駆動する(予測量表示ステップ)。
【0065】
<効果>
本実施形態の時計により、時計を何気なく見た場合においても、どの時刻を起点とした物理量であり、所定時刻から所定時間先の時刻においてどのくらいの大きさになると予測されるかを簡易に把握することが可能になる。
【0066】
<<実施形態5>>
【0067】
<概要>
本実施形態の時計は、基本的に実施形態4で示した時計と同様であるが、図15に示すように、物理量の起点となる所定時刻(10時00分)から所定時間先(30分先)の時刻において「分針」の指す「両用目盛」の「目盛位置(30番目の目盛位置)」1501が「上記所定時間先の時刻における物理量(36番目の目盛位置)」1502の「目標レベル」となるような比率(両用目盛と物理量の比率)で「予測量インディケータ」を駆動している。当該構成とすることにより、先の時刻において予測される物理量が先の時刻における物理量の目標レベルに対してどれくらいであるかを容易に把握することが可能になる。
【0068】
<構成>
図16は、本実施形態の時計の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「時計」1600は、「両用目盛」1601と、「指針」1602と、「指針駆動部」1603と、「物理量取得部」1604と、「物理量予測部」1605と、「予測量インディケータ」1606と、「予測量インディケータ駆動部」1607と、から構成され、「予測量インディケータ駆動部」は「第二駆動手段」1608を有する。以下、実施例1から4との相違点である第二駆動手段について説明する。
【0069】
「第二駆動手段」は、前記所定時間先の時刻において前記指針の指す両用目盛の目盛位置が前記所定時間先の時刻における物理量の目標レベルとなるような比率で予測量インディケータを駆動する。
【0070】
実施形態4で述べたように、予測量インディケータは、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、予測した物理量の大きさを両用目盛にて示すためのものである。上記予測物理量は上記所定時間先の時刻における物理量の目標レベルと対比するとさらに理解しやすい値となる。また、所定時間先の時刻における物理量の目標レベルを所定時間先の時刻において指針の指す両用目盛の目盛位置に対応させることにより、当該両用目盛の目盛位置と予測量インディケータと対比して先の時刻における予測物理量が目標レベルと比較してどれくらいであるかを即座に把握することが可能になる。
【0071】
一例として6時00分から6時30までの消費電力量の目標レベルが60kWhである場合を考える。6時00分から6時15分までの消費電力量の値が20kWhである場合、一次関数によるフィッティングを行い、6時30分において40kWhの電力量が消費されると予測される。ここで、6時30分において分針の指す両用目盛の目盛位置(30番目の目盛位置)が目標レベルである60kWhに対応しているため、予測量インディケータは40kWhを表す両用目盛の目盛位置である20番目の両用目盛の目盛位置をその点灯範囲で示すことになる。これにより、予測量インディケータの位置から6時15分現在において予測される6時30分の消費電力量は目標とする消費電力量の2/3であると判断することが可能になる。
【0072】
上記第二駆動手段において用いる所定時間先の物理量の目標レベルの情報は、有線又は無線の通信回線を介して外部装置から取得する構成とすることも可能であるし、操作入力機器を介して操作入力を受け付けることや、USBメモリなどの記憶装置などから取得することも可能である。また、一の時刻における物理量の目標レベルを他の時刻における物理量の目標レベルに基づいて算出することも、目標レベルの取得の態様として含まれるものである。
【0073】
<具体的な構成>
本実施形態の時計のハードウェア構成は、基本的に図5を用いて説明した実施形態1の時計のハードウェア構成と共通する。以下、実施形態4との相違点である処理について説明する。
【0074】
CPUは、不揮発性メモリに格納されている各時間区分の終了時刻における物理量の目標レベルのデータをRAMに読み出す。さらにCPUは、現在の時刻が属する時間区分の終了時刻において取得されると予測される物理量を算出する。さらにCPUは、終了時刻における予測物理量の値に対する終了時刻における目標レベルの値の比率を算出する処理を行い、処理結果をRAMに格納する。また、物理量の原点位置となる両用目盛の目盛位置と、終了時刻において分針が指し示す両用目盛の目盛位置と、上記算出された比率に基づいて、原点位置となる両用目盛の目盛位置に配置された発光要素を基準として点灯させるべき発光要素を決定する処理を行う。
【0075】
<処理の流れ>
図17は、本実施形態の時刻と物理量を示すための両用目盛を備える時計における処理の流れを示すフローチャートである。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1701では、時刻に応じて両用目盛を指針で指す(時刻指示ステップ)。次にステップS1702では、所定時刻を起点とする物理量の情報を取得する(物理量取得ステップ)。次にステップS1703では、取得した物理量の情報に基づいて前記所定時刻から所定時間先の時刻の物理量を予測する(物理量予測ステップ)。次にステップS1704では、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置とし、かつ、前記所定時間先の時刻において前記指針の指す両用目盛の目盛位置が前記所定時間先の時刻における物理量の目標レベルとなるような比率で、予測した物理量の大きさを両用目盛にて示すための予測量インディケータを駆動する(予測量対比表示ステップ)。
【0076】
<効果>
本実施形態の時計により、実施形態4の効果に加えて、先の時刻において予測される物理量が先の時刻における物理量の目標レベルに対してどれくらいであるかを容易に把握することが可能になる。
【0077】
<<実施形態6>>
【0078】
<概要>
本実施形態の時計は、基本的に実施形態5の時計と同様であるが、予測量インディケータが目標レベルを示す両用目盛の目盛位置よりも大きな両用目盛の目盛位置を示すか否かに応じて予測量インディケータの色を制御することが可能である。当該構成とすることにより、予測量インディケータの色の変化により、目標レベルに対する予測物理量の大小を容易に把握することが可能になる。
【0079】
<構成>
図18は、本実施形態の時計の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「時計」1800は、「両用目盛」1801と、「指針」1802と、「指針駆動部」1803と、「物理量取得部」1804と、「物理量予測部」1805と、「予測量インディケータ」1806と、「予測量インディケータ駆動部」1807と、から構成され、「予測量インディケータ駆動部」は「第二駆動手段」1808と、「第二判断手段」1809と、「第二色制御手段」1810を有する。以下、実施例1から5との相違点である第二判断手段と、第二色制御手段について説明する。
【0080】
「第二判断手段」は、前記予測量インディケータが前記目標レベルとなる両用目盛の目盛位置よりも大きな両用目盛の目盛位置を示すか否か判断する。
【0081】
「予測量インディケータ色制御手段」は、第二判断手段の判断に応じて予測量インディケータの色を制御する。当該制御は、第二判断手段から出力され得る判断の区分と予測量インディケータの色とを関連付けたデータ(例えばテーブルデータ)に基づいて行うことが可能である。
【0082】
<具体的な構成>
本実施形態の時計のハードウェア構成は、基本的に図5を用いて説明した実施形態1の時計のハードウェア構成と共通する。以下、実施形態4、5との相違点である処理について説明する。
【0083】
CPUは、所定時刻より所定時間先の時刻における目標レベルの値と予測物理量の値を比較して、予測量インディケータが目標レベルとなる両用目盛の目盛位置よりも大きな両用目盛の目盛位置を示すか否か判断する処理を行い、処理結果をRAMに格納する。
【0084】
さらにCPUは、ROMに格納されている上記処理により発生しうる判断結果(大きいか、否か)と予測量インディケータの色とを関連付けたテーブルデータをRAMに読み出し、上記処理結果とテーブルデータに基づいて予測量インディケータの色を決定する処理を行う。
【0085】
さらにCPUは、発光制御回路に対して予測量インディケータの色を指定する信号を出力する。色を指定する信号を受信した発光制御回路は発光要素の色を制御する処理を行う。
【0086】
<処理の流れ>
図19は、本実施形態の時刻と物理量を示すための両用目盛を備える時計における処理の流れを示すフローチャートである。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1901では、時刻に応じて両用目盛を指針で指す(時刻指示ステップ)。次にステップS1902では、所定時刻を起点とする物理量の情報を取得する(物理量取得ステップ)。次にステップS1903では、取得した物理量の情報に基づいて前記所定時刻から所定時間先の時刻の物理量を予測する(物理量予測ステップ)。次にステップS1904では、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置とし、かつ、前記所定時間先の時刻において前記指針の指す両用目盛の目盛位置が前記所定時間先の時刻における物理量の目標レベルとなるような比率で、予測した物理量の大きさを両用目盛にて示すための予測量インディケータを駆動する(予測量対比表示ステップ)。次にステップS1905では、前記予測量インディケータが前記目標レベルとなる両用目盛の目盛位置よりも大きな両用目盛の目盛位置を示すか否か判断する(予測量対比判断ステップ)。次にステップS1906では、予測量対比判断ステップの判断に応じて予測量インディケータの色を制御する(予測量色制御ステップ)。
【0087】
<効果>
本実施形態の時計により、実施形態5の効果に加えて、予測量インディケータの色の変化により、目標レベルに対する予測物理量の大小を容易に把握することが可能になる。
【0088】
<<実施形態7>>
【0089】
<概要>
本実施形態の時計は、物理量取得部は前記所定時刻から現在時刻までに消費された電力量を取得することを特徴とする。当該構成とすることにより、時計を何気なく見た場合においても、どの時刻を起点とした消費電力量であり、現在時刻においてどのくらいの大きさになっているかを簡易に把握することが可能になる。
【0090】
<構成>
図20は、本実施形態の時計の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「時計」2000は、「両用目盛」2001と、「指針」2002と、「指針駆動部」2003と、「物理量取得部」2004と、「物理量インディケータ」2005と、「物理量インディケータ駆動部」2006と、から構成され、「物理量取得部」は「電力量取得手段」2007を有する。なお、実施形態4の構成を基本とする構成も可能である。以下、実施形態1から6との相違点である電力量取得手段について説明する。
【0091】
「電力量取得手段」は、前記所定時刻から現在時刻までに消費された電力量を取得する。取得した消費電力量の情報は揮発性メモリにおいて一時的に保持する構成とすることも可能であるし、不揮発性メモリにおいて長期的に保持する構成とすることも可能である。
【0092】
例えば、30分単位で消費電力量を取得する場合を考える。この場合、3時00分から消費した電力量を3時30分まで所定間隔(例えば、1分ごと)で取得し、新たに3時30分から消費した電力量を4時00まで所定間隔で取得する。このように、電力量取得手段は特定の時間区分で消費電力量を取得することが可能である。
【0093】
また、本実施形態の時計は、前記所定時刻から現在時刻までに消費された電力量に関する目標レベルを取得する消費目標レベル取得部を合わせて有する構成も可能である。当該目標レベルは、有線又は無線の通信回線を介して取得することも可能であるし、内部の記憶装置から取得することも可能である。
【0094】
また、特定の時間区分で消費電力量を取得する場合は、特定の時間区分ごとに目標レベルを取得する構成も考えられる。例えば、3時00分から3時30分までの消費電力量の目標レベルと3時30分から4時00分までの消費電力量の目標レベルをそれぞれ取得することが考えられる。
【0095】
目標レベルとする値は、過去の電気の使用履歴に基づいて決定する構成も可能である。例えば、過去所定期間(例えば、過去2週間)の各時間区分の消費電力量を参照して時間区分ごとに最小値を算出し、各時間区分の目標レベルとして設定することが考えられる。また、過去所定期間の各時間区分について平均値を算出し、各時間区分の目標レベルとして設定することも考えられる。また、各曜日の各時間区分で目標レベルを設定する構成も考えられる。この場合、過去所定期間(例えば、過去1カ月)の各曜日の各時間区分の消費電力量を参照して各曜日の時間区分ごとに最小値(平均値なども可能)を算出し、各曜日の各時間区分の目標レベルとして設定する構成が考えられる。
【0096】
<具体的な構成>
本実施形態の時計のハードウェア構成は、基本的に図5を用いて説明した実施形態1の時計のハードウェア構成と共通する。以下、実施形態1から7との相違点である処理について説明する。
【0097】
CPUは、通信器を介して所定時刻までの消費電力量と現在時刻までの消費電力量を取得し、RAMに格納する。続いて、CPUは前記所定時刻から現在時刻までに消費された電力量を算出する処理を行い、RAMに格納する。続いて、CPUは、上記所定時刻において分針が指し示す両用目盛の目盛位置を前記所定時刻から現在時刻までに消費された電力量の原点位置として設定する処理を行う。さらに、CPUは、前記所定時刻から現在時刻までに消費された電力量の大きさに応じて点灯させるべき発光要素数を決定する処理を行う。さらに、CPUは、発光制御回路に対して、上記原点位置を基準として上記発光要素数の発光要素を点灯させるための制御信号を出力する。制御信号を受信した発光制御回路は点灯させるべき発光要素を点灯させる。
【0098】
<処理の流れ>
図21は、時刻と物理量を示すための両用目盛を備える時計における処理の流れを示すフローチャートである。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS2101では、時刻に応じて両用目盛を指すための指針を駆動する(指針指示ステップ)。次にステップS2102では、前記所定時刻から現在時刻までに消費された電力量を取得する(消費電力量取得ステップ)。次にステップS2103では、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を前記所定時刻から現在時刻までに消費された電力量の原点位置として、前記所定時刻から現在時刻までに消費された電力量の大きさを両用目盛にて示すための物理量インディケータを駆動する(消費電力量表示ステップ)。なお、実施形態4の処理の流れを基本とする処理の流れも可能である。
【0099】
<効果>
本実施形態の時計により、当該構成を有することにより、時計を何気なく見た場合においても、どの時刻を起点とした消費電力量であり、現在時刻においてどのくらいの大きさになっているかを簡易に把握することが可能になる。
【0100】
<<実施形態8>>
【0101】
<概要>
本実施形態の時計は、基本的に実施形態1、4の時計と同様であるが、外部情報を取得し、外部情報と指針の色とを関連付けた指針色情報に基づいて指針の色を制御する構成を有する。当該構成により、外部情報を指針の色で表すことが可能になる。
【0102】
<構成>
図22は、本実施形態の時計の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「時計」2200は、「両用目盛」2201と、「指針」2202と、「指針駆動部」2203と、「物理量取得部」2204と、「物理量インディケータ」2205と、「物理量インディケータ駆動部」2206と、「外部情報取得部」2207と、「指針色情報保持部」2208と、から構成され、「指針駆動部」は「指針色制御手段」2209を有する。なお、実施形態4の構成を基本とする構成も可能である。以下、実施形態1から7との相違点である外部情報取得部と、指針色情報保持部と、指針色制御部について説明する。
【0103】
「外部情報取得部」は、外部情報を取得する。ここで、外部情報としては、例えば気温・湿度・降水確率・日射量・風速・気圧・波の高さなどの天気の情報や、発電量・売電量・買電量・消費電力量などの電気の情報、テレビ・照明装置・空調装置などの電化製品の稼働状況の情報など種々の情報が考えられる。ここで、外部情報は物理量取得部で取得する物理量とは異なる情報であり、物理量が消費電力量である場合は外部情報取得部では消費電力量以外の情報(例えば、発電量などの情報)を取得する。
【0104】
外部情報の取得は有線又は無線の通信回線を介して行うことも可能であるし、操作入力機器を介して受け付けることや、内部記憶装置から取得することも可能である。また、外部情報を取得することには、既に存在する情報に対して内部処理装置により処理を行うことにより新たな情報を生成することも含まれる。
【0105】
なお、取得する外部情報の種類は一種類である必要はなく、複数の種類の外部情報を取得する構成も可能である。例えば、天気の情報に合わせて電化製品の稼働状況の情報を取得することも考えられる。
【0106】
「指針色情報保持部」は、前記外部情報と前記指針の色とを関連付けた指針色情報を保持する。例えば、降水確率が20%未満である場合は指針の色を青色にし、降水確率が20〜60%の範囲である場合は指針の色を黄色にし、降水確率が60%以上である場合は指針の色を赤色にする、といった対応付けを指針色情報にて行うことが考えられる。
【0107】
また、電気を発電して、かつ、売電している場合は指針の色を青色にし、電気を発電して、かつ、買電している場合は指針の色を黄色にし、電気を発電していない場合は指針の色を赤色にする、といった対応付けを指針色情報にて行うことも可能である。なお、複数の種類の外部情報を取得する場合は、各外部情報に応じた指針色対応情報を保持することが考えられる。
【0108】
「指針色制御手段」は、前記外部情報と指針色情報に基づいて前記指針の色を制御する。
【0109】
<具体的な構成>
本実施形態の時計のハードウェア構成は、基本的に図5を用いて説明した実施形態1の時計のハードウェア構成と共通する。以下、実施形態1との相違点である処理について説明する。
【0110】
CPUは、通信器を介して外部情報を取得して、RAMに格納する。続いて、CPUは、ROMに格納されている前記外部情報と前記指針の色とを関連付けた指針色情報を読み出して、RAMに格納する。さらに、CPUは、取得した外部情報と指針色情報に基づいて指針の色を決定する処理を行い、処理結果をRAMに格納する。さらに、CPUは、決定された指針の色を指定するための信号を指針制御回路に出力する。指針の色を指定するための信号を受信した指針制御回路は、指針を指定された色に制御する。
【0111】
<処理の流れ>
図23は、時刻と物理量を示すための両用目盛を備える時計における処理の流れを示すフローチャートである。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS2301では、時刻に応じて両用目盛を指すための指針を駆動する(指針指示ステップ)。次にステップS2302では、所定時刻を起点とした物理量の情報を取得する(物理量取得ステップ)。次にステップS2303では、前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、取得した物理量の大きさを両用目盛にて示すための物理量インディケータを駆動する(物理量表示ステップ)。次にステップS2304では、外部情報を取得する(外部情報取得ステップ)。次にステップS2305では、前記外部情報と前記外部情報と前記指針の色とを関連付けた指針色情報に基づいて前記指針の色を制御する(指針色制御ステップ)。なお、実施形態4の処理の流れを基本とする処理の流れも可能である。
【0112】
<効果>
本実施形態の時計により、当該構成を有することにより、実施形態1、4の効果に加えて、外部情報を指針の色で表すことが可能になる。
【符号の説明】
【0113】
0200…時計、0201…両用目盛、0202…指針、0203…指針駆動部、0204…物理量取得部、0205…物理量インディケータ、0206…物理量インディケータ駆動部、0501…CPU、0502…RAM、0503…ROM、0504…不揮発性メモリ、0505…水晶発振器、0506…指針制御回路、0507…指針駆動回路、0508…発光制御回路、0509…発光器、0510…通信器、0511…システムバス、0807…第一駆動手段、1008…第一判断手段、1009…第一色制御手段、1305…物理量予測部、1306…予測量インディケータ、1307…予測量インディケータ駆動部、1608…第二駆動手段、1808…第二判断手段、1809…第二色制御手段、2007…電力量取得手段、2207…外部情報取得部、2208…指針色情報保持部、2209…指針色制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻と後記する物理量を示すための両用目盛と、
時刻に応じて両用目盛を指すための指針を駆動する指針駆動部と、
所定時刻を起点とする物理量の情報を取得する物理量取得部と、
前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、取得した物理量の大きさを両用目盛にて示すための物理量インディケータを駆動する物理量インディケータ駆動部と、
を有する時計。
【請求項2】
現在時刻において前記指針の指す両用目盛の目盛位置が現在時刻における物理量の目標レベルとなるような比率で物理量インディケータを駆動する第一駆動手段を有する請求項1に記載の時計。
【請求項3】
物理量インディケータ駆動部は、
前記物理量インディケータが前記目標レベルを示す両用目盛の目盛位置よりも大きな両用目盛の目盛位置を示すか否か判断する第一判断手段と、
第一判断手段の判断に応じて物理量インディケータの色を制御する第一色制御手段と、
をさらに有する請求項2に記載の時計。
【請求項4】
時刻と後記する物理量を示すための両用目盛と、
時刻に応じて両用目盛を指すための指針を駆動する指針駆動部と、
所定時刻を起点とする物理量の情報を取得する物理量取得部と、
取得した物理量の情報に基づいて前記所定時刻から所定時間先の時刻の物理量を予測する物理量予測部と、
前記所定時刻において前記指針が指す両用目盛の目盛位置を物理量の原点位置として、予測した物理量の大きさを両用目盛にて示すための予測量インディケータを駆動する予測量インディケータ駆動部と、
を有する時計。
【請求項5】
前記所定時間先の時刻において前記指針の指す両用目盛の目盛位置が前記所定時間先の時刻における物理量の目標レベルとなるような比率で予測量インディケータを駆動する第二駆動手段を有する請求項4に記載の時計。
【請求項6】
予測量インディケータ駆動部は、
前記予測量インディケータが前記目標レベルとなる両用目盛の目盛位置よりも大きな両用目盛の目盛位置を示すか否か判断する第二判断手段と、
第二判断手段の判断に応じて予測量インディケータの色を制御する第二色制御手段と、
をさらに有する請求項5に記載の時計。
【請求項7】
物理量取得部は前記所定時刻から現在時刻までに消費された電力量を取得する電力量取得手段を有する請求項1から6のいずれか一に記載の時計。
【請求項8】
外部情報を取得する外部情報取得部と、
前記外部情報と前記指針の色とを関連付けた指針色情報を保持する指針色情報保持部と、をさらに有し、
指針駆動部は、前記外部情報と指針色情報に基づいて前記指針の色を制御する指針色制御手段を有する請求項1から7のいずれか一に記載の時計。
【請求項9】
前記指針は分針であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一に記載の時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−83107(P2012−83107A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224434(P2010−224434)
【出願日】平成22年10月2日(2010.10.2)
【特許番号】特許第4775749号(P4775749)
【特許公報発行日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(507184096)日本テクノ株式会社 (12)
【Fターム(参考)】