説明

暖房器の制御装置

【課題】使用勝手の良い暖房器の制御装置を提供する。
【解決手段】バーナ2の運転と停止を指示する運転スイッチ16と、暖房器本体1近傍の人の存在及び人の動作状態を検知する人感センサ23と、前記バーナ2の運転時間をカウントして所定時間後にバーナの消火を指示する安全タイマ手段20と、この安全タイマ手段20のカウント時間をリセットして改めて所定時間のカウントを開始を指示するリセットスイッチ22と、前記安全タイマ手段20が所定時間をカウントする一定時間前にリセットスイッチ22の操作を促す報知を行う報知手段21とを備えたもので、前記報知手段21が報知を行う一定時間前とこの一定時間前の更に一定時間前との間に、人感センサ23が人の動作を検知した時には、報知手段21にリセットスイッチ22の操作を促す報知を行わせるリセット促し手段24を設けたものであるから、極めて使用勝手が良いものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ファンヒータ等の暖房器の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものに於いては、締め切った部屋で長時間継続して暖房器を運転すると、室内の酸素濃度が低下して異常燃焼する危険があるために、3時間連続運転で自動的に消火させる安全タイマ手段が備えられているものであり、又3時間で自動消火するのは使用勝手が悪いと言うことで、自動消火前に窓を開けるなどの換気操作をした後に、リセットスイッチを押すことで、運転が継続されると共に、3時間カウントがリセットされるものであった。(特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−63417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、リセットスイッチを押さなければ3時間で自動消火するので、所定時間おきにリセットスイッチを操作する作業は面倒であり、換気操作を行った後にリセットスイッチを押し忘れると、室内の換気が行われていても3時間後には運転が停止してしまい、使用者には使用勝手の悪いものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上記課題を解決するために、特にその構成を、バーナの運転と停止を指示する運転スイッチと、暖房器本体近傍の人の存在及び人の動作状態を検知する人感センサと、前記バーナの運転時間をカウントして所定時間後にバーナの消火を指示する安全タイマ手段と、この安全タイマ手段のカウント時間をリセットして改めて所定時間のカウントを開始を指示するリセットスイッチと、前記安全タイマ手段が所定時間をカウントする一定時間前にリセットスイッチの操作を促す報知を行う報知手段とを備えたものに於いて、前記報知手段が報知を行う一定時間前とこの一定時間前の更に一定時間前との間に、人感センサが人の動作を検知した時には、報知手段にリセットスイッチの操作を促す報知を行わせるリセット促し手段を設けたものである。
【発明の効果】
【0006】
以上のようにこの発明によれば、報知時間近くで人が動き始めたことを検知することにより、ついでにリセットスイッチを操作するように促す報知を行うので、使用者は何かのついでにリセットスイッチを操作して、容易に安全タイマ手段をリセットすることが出来るものであり、わざわざリセットスイッチを操作するためだけに動く必要がなく、極めて使用勝手が良く、又人の動き始めに報知されることで、忘れていたリセットスイッチの操作を思い出すことが出来、確実にリセットすることが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明の一実施例を付した暖房器を示す断面図。
【図2】同制御装置のブロック図。
【図3】同リセット促し手段のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次にこの発明に係る発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は屋内に設置される暖房器本体で、この暖房器本体1内部に燃焼を行うバーナ2と、この暖房器の作動を制御するマイコンを主体として構成された制御装置3と、暖房器本体1背面開口部の対流用送風機4と、暖房器本体1前面の温風吹出口5と、暖房器本体1前面側上部の操作部6とを備えているもので、バーナ2での燃焼排気ガスを対流用送風機4により温風吹出口5から室内に吹き出すことで暖房を行うものである。
【0009】
前記バーナ2は、複数の炎孔を有したバーナヘッド7の下部に気化ヒータ8を有した気化器9を備えて構成され、気化ヒータ8によって加熱された気化器9内に油受け皿10から容積型の電磁ポンプ11の駆動で送油ノズル12を通じて液体燃料を供給し、この液体燃料が気化した気化ガスと燃焼用送風機13から送風路14を通じて供給される燃焼用空気との混合ガスを前記バーナヘッド7の炎孔で燃焼させ、また燃焼中は前記気化器9の上端に複数の炎孔に対向する如く備えた環状の熱回収リング15によって炎から熱回収を行い気化ヒータ8の通電を低減しているもので、ターンダウン比が広く静かな気化燃焼を行うものである。
【0010】
前記制御装置3は、運転の開始/停止を指示する運転スイッチ16や、室温上昇スイッチ17と室温下降スイッチ18とにより構成され所望の室温を設定する室温設定手段19や、前記運転スイッチ16の運転開始指示でバーナ2が燃焼して暖房が開始されると共に、自動消火時間の所定時間ここでは3時間のカウントを安全タイマ手段20が開始し、そしてこの安全タイマ手段20は自動消火時間の一定時間前ここでは15分前に達することで報知手段21ここではピーと言う報知音を発生させ、自動消火時間が迫っていることを報知させるものである。
【0011】
22は操作部6に設けられたリセットスイッチで、押圧されることで前記制御装置3内の安全タイマ手段20のカウントをリセットし、再び1からカウントをさせるものであり、この自動消火時間のリセットは、運転スイッチ16の運転開始指示によるカウント開始からいつでも受け付けており、どのタイミングで押圧されても安全タイマ手段20のリセットは行われるものである。
【0012】
23は暖房器本体1前面に設けられた人感センサで、人が動いたことを検知して制御装置3内のリセット促し手段24に信号を出力するものであり、該リセット促し手段24はこの信号受けて、安全タイマ手段20のカウントが報知音を発生させる一定時間前(15分前)とこの一定時間前の更に一定時間前(更に15分前)との間の場合には、報知音を発生させて、身体を動かしたついでにリセットスイッチ22を押すことを促すもので、リセットスイッチ22を押すだけのために人が動くと言う無駄をなくすものである。
【0013】
25は前記操作部6に設けられた表示部で、室温や設定温度、現在時刻等を表示する表示するものである。
26は前記気化ヒータ8で加熱される気化器9の温度を検知する気化温度センサで、前記制御装置3はこの気化温度センサ21の検知温度が所定の上限温度になると前記気化ヒータ8をオフし、また所定の下限温度になると前記気化ヒータ8をオンして気化器9の温度を液体燃料を良好に気化できる温度範囲内に保持する。
【0014】
また、前記制御装置3は、運転スイッチ16の運転指令により、前記気化温度センサ26の検知温度を監視して前記気化器9を液体燃料を気化可能な温度まで気化ヒータ8により加熱し、気化器9の温度を燃焼に適する温度まで上昇させると前記電磁ポンプ11及び燃焼用送風機13を駆動開始し、点火装置27により混合ガスに点火して燃焼を開始させ、フレームロッドによる燃焼センサ28により炎を検知し、暖房器本体1背面の対流用送風機4の近傍に設けられた室温センサ29の検知室温と前記室温設定手段19で設定された設定室温との偏差に応じて、前記電磁ポンプ11及び燃焼用送風機13を制御して燃焼火力を可変して前記室温設定手段19で設定された室温になるように制御する。
【0015】
次にこの一実施形態の作動について説明する。
今運転スイッチ16を押圧すると、気化ヒータ8が通電され気化器9を加熱し、この気化器9が気化可能の所定温度に達したことを気化温度センサ26が検知すると、制御装置3が電磁ポンプ11及び燃焼用送風機13、点火装置27を駆動させ、バーナ2で点火燃焼させ良好な気化燃焼が行われるものであり、又これと同時に対流用送風機4も駆動することで、暖房器本体1の前面の温風吹出口5から温風が室内に放出され良好な暖房が行われるものである。
【0016】
次にリセット促し手段24の作動について、図3のフローチャートに従って説明すれば、前記運転スイッチ16の押圧で(ステップS1)、YESでステップS2に進み制御装置3の安全タイマ手段20が所定時間(3時間)のカウントを開始し、暖房運転が継続してこの所定時間の一定時間前の更に一定時間前(3時間−15分−15分)である2時間30分のカウントをしたかを判断し(ステップS3)、YESでステップS4に進んでこの15分間に人感センサ23が人の動きを検知したかを判断し、YESでステップS5に進み一定時間を待つことなく報知手段21を作動させて報知を行わせ、そしてステップS6でリセットスイッチ22の押圧を待ち、YESでステップS7に進み安全タイマ手段20をリセットし、まだ暖房が継続する場合はそのままステップS2に戻るものであり、又ステップS4で人に動きがなく人感センサ23が検知しなかった時は、NOでステップS8に進み所定時間の一定時間前(3時間−15分)の2時間45分カウントしたかを判断し、YESでステップS5に続き報知手段21を作動させて報知してリセットスイッチ22の操作を待つものであり、更にステップS6でリセットスイッチ22の押圧がなかったNOの場合も、ステップS8に進こととなり所定時間の一定時間前を待つことになるものである。
【0017】
このように人感センサ23を利用したリセット促し手段24を備えたことで、人の動きを検知して何かのついでにリセットスイッチ22を押してもらうように、所定時間の一定時間前と同じ報知を行うので、何の抵抗もなくリセット操作が受け入れ易く、又リセットを忘れている場合は、直ぐに思い出してリセット操作出来、しかもわざわざリセット操作するだけのために動く必要がなく、極めて使用勝手が良いものである。
【0018】
次に前記リセット促し手段24を作動させない選択スイッチ30を押圧すると、制御装置3を介してリセット促し手段24に取り消し信号が出力されて、人感センサ23は作動せず、人の動きを検知しての報知がなくなり、通常の所定時間の一定時間前の報知と、所定時間による自動消火か、リセットスイッチ22による消火時間のリセットとなり、使用者自身が自分に合ったものを自由に選択して使用出来るものである。
【符号の説明】
【0019】
1 暖房器本体
2 バーナ
16 運転スイッチ
20 安全タイマ手段
21 報知手段
22 リセットスイッチ
23 人感センサ
24 リセット促し手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナの運転と停止を指示する運転スイッチと、暖房器本体近傍の人の存在及び人の動作状態を検知する人感センサと、前記バーナの運転時間をカウントして所定時間後にバーナの消火を指示する安全タイマ手段と、この安全タイマ手段のカウント時間をリセットして改めて所定時間のカウントを開始を指示するリセットスイッチと、前記安全タイマ手段が所定時間をカウントする一定時間前にリセットスイッチの操作を促す報知を行う報知手段とを備えたものに於いて、前記報知手段が報知を行う一定時間前とこの一定時間前の更に一定時間前との間に、人感センサが人の動作を検知した時には、報知手段にリセットスイッチの操作を促す報知を行わせるリセット促し手段を設けた事を特徴とする暖房器の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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