説明

暖房装置

【課題】室内空気を効率よく熱交換して温風を発生させる暖房装置を提供する。
【解決手段】
赤熱筒7を内設しバーナ部1と集熱部6との間を連通する透明な燃焼筒5と、燃焼筒5を囲った反射板21と、機器本体2の背面に設けた温風ファン10により吸引された室内空気が通過する輻射板穴が形成され、前記反射板21が取り付けられた輻射板13とを備えた暖房装置に於いて、輻射板穴は輻射板13の背面板上方に形成した上輻射板穴18と下方に形成した下輻射板穴19とからなり、前記上輻射板穴18と下輻射板穴19とを仕切る上下仕切り部20を輻射板13の背面板14の略中央に横に形成したので、温風ファン10により吸引された室内空気が熱交換器8外周及び燃焼筒5の外周の上下を偏りなく通過して効率よく熱交換して温風を発生させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、輻射暖房と温風暖房の両方で良好な暖房効果を得ることが出来る暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種のものに於いては、バーナ部101の燃焼による赤熱筒102の赤熱状態を前面の拡散ガラスを介して輻射熱として放射すると共に、赤熱後の燃焼ガスを熱交換器103に流通させ、温風暖房も行うものであった。
【0003】
そしてこの従来の暖房装置に於いては、温風暖房を行うために装置内部の上部にクロスフローファンからなる温風ファン104を備え、器具本体105背面上部の吸引口106から吸引した室内空気を、熱交換器103及び燃焼筒107外周を流通させて熱交換で温風として、室内に放出させるものである。(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−289511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでこの従来のものでは、温風ファン104としてクロスフローファンを使用するものであったが、図5に示すように温風ファン104としてプロペラファンを暖房装置の背面に備え、器具本体105背面から吸引した室内空気の一部が器具本体105背面に備えた輻射板108に形成した円形の輻射板穴109を通過して、熱交換器103の周りを流通させて熱交換で温風とし、又輻射板108と燃焼室の間に反射板110が設けられているので、器具本体105背面から吸引し輻射板穴109を通過した室内空気の一部が、輻射板108と反射板110との間を通って燃焼室の周りを流通させて熱交換で温風として室内に吹き出していた。
【0006】
ところで 輻射板穴109が1つの円形の穴で形成され、温風ファン104が熱交換器103よりの上方に位置しているため、熱交換器103側に吸引した室内空気が多く流れ、燃焼室側に吸引した室内空気が少なく流れ、それにより温風の生成に偏りが生じたり、燃焼室側に過熱した部分が生じたりしていた。
【0007】
また図6及び図7に示すように前記反射板110は、燃焼室内の赤熱筒102の赤熱状態を反射するようにして前面に放射して輻射暖房を行わせるものであるが、反射板110上部と熱交換器103の下部の集熱部との間に隙間があるため、赤熱筒102の赤熱光がその隙間から輻射板穴109を通過して暖房装置の背面の壁を赤く照らしてしまったり、赤熱光がプロペラファンに当たってプロペラが赤く見えてしまい、あたかも高温であるかのようなイメージを与えてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為、特にその構成を請求項1では、燃焼を行うバーナ部と、この燃焼で発生した燃焼ガスにより加熱される赤熱筒と、該赤熱筒を内設しバーナ部と集熱部との間を密閉空間として連通する透明な燃焼筒と、機器本体の背面に設けた温風ファンと集熱部と連通し、燃焼ガスを流通させて温風ファンにより吸引された室内空気と熱交換を行う熱交換器と、燃焼筒を囲った反射板と、背面板と左右の側面板とからなり、温風ファンにより吸引された室内空気が通過する輻射板穴が形成され、前記反射板が取り付けられた輻射板とを備えた暖房装置に於いて、前記輻射板の輻射板穴は輻射板の背面板上方に形成した上輻射板穴と下方に形成した下輻射板穴とからなり、前記上輻射板穴と下輻射板穴とを仕切る上下仕切り部を輻射板の背面板の略中央に横に形成したものである。
【0009】
又請求項2に係る暖房装置では、特にその構成を請求項1に於いて、前記上下仕切り部は、集熱部と反射板の間の隙間を遮るように輻射板に形成したものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明の請求項1によれば、燃焼を行うバーナ部と、この燃焼で発生した燃焼ガスにより加熱される赤熱筒と、該赤熱筒を内設しバーナ部と集熱部との間を密閉空間として連通する透明な燃焼筒と、機器本体の背面に設けた温風ファンと集熱部と連通し、燃焼ガスを流通させて温風ファンにより吸引された室内空気と熱交換を行う熱交換器と、燃焼筒を囲った反射板と、背面板と左右の側面板とからなり、温風ファンにより吸引された室内空気が通過する輻射板穴が形成され、前記反射板が取り付けられた輻射板とを備えた暖房装置に於いて、前記輻射板の輻射板穴は輻射板の背面板上方に形成した上輻射板穴と下方に形成した下輻射板穴とからなり、前記上輻射板穴と下輻射板穴とを仕切る上下仕切り部を輻射板の背面板の略中央に横に形成したので、温風ファンにより吸引された室内空気が熱交換器外周及び燃焼筒の外周の上下を偏りなく通過して効率よく熱交換して温風を発生させると共に、局所的に過熱される部分が発生するのを防止できるものである。
【0011】
又、本発明の請求項2に記載の暖房装置によれば、前記上下仕切り部は、集熱部と反射板の間の隙間を遮るように輻射板に形成したので、集熱部と反射板の間の空間から背面の壁面側にもれた赤熱光は、集熱部と反射板の間の空間を遮るように設けられた輻射板の背面板の上下仕切り部により輻射板よりも背面側にもれず、赤熱光により背面の壁を赤く照らしたり、温風ファンが赤く見えてしまうことを防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の一実施形態を示す暖房装置の正面図。
【図2】同縦断面要図。
【図3】同輻射板の斜視図。
【図4】同反射板を取り付けた輻射板の斜視図。
【図5】従来の暖房装置の縦断面要図。
【図6】同輻射板の斜視図。
【図7】同反射板を取り付けた輻射板の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る発明の1実施形態を図面に基づいて説明する。
1は器具本体2内で下反射板3で仕切られた下部に備えられた気化式のバーナ部で、燃焼ファン4によって屋外から吸引された燃焼空気と、燃料供給手段(図示せず)から供給される燃油とを予混合して燃焼させるものである。
【0014】
5はバーナ部1と集熱部6との間を密閉空間として連通する透明ガラス円筒から成る燃焼筒で、内方には燃焼ガスで加熱され赤熱状態と成る赤熱筒7が集熱部6から垂下し、バーナ部1の燃焼室を構成するものである。
【0015】
8は上記集熱部6と連通し、燃焼ガスを流通させて室内空気との熱交換を行わせる熱交換器で、複数本のパイプ9を並設して構成されている。
【0016】
10は熱交換器8後方に備えられたプロペラファンから成る温風ファンで、器具本体2背面の吸引口11から吸引した室内空気を、熱交換器8及び燃焼筒5外周を流通させて熱交換で温風として、室内に放出させるものである。
【0017】
12は器具本体2前面上部で熱交換器8と対向する位置に形成された横長吹出部で、複数の横長スリットを複数段並設して構成され、熱交換器8で熱交換された大部分の温風を横温風として放出するものである。
【0018】
13は背面板14と左右の側面板15からなる略コの字状の輻射板で、上反射板16と下反射板3とで輻射室17を形成するものである。
前記輻射板13の背面板14には、上方に横長の略長方形状の上輻射板穴18と、下方に略正方形状の下輻射板穴19が横に並んで2つ形成され、上輻射板穴18の下方と下輻射板穴19の上方とは背面板14の略中央に横に形成された上下仕切り部20により仕切られているものである。
【0019】
21は燃焼筒5を背面及び左右に囲った反射板で、その左右が輻射板13の左右の側面板15に取り付けられ、反射板21の背面と輻射板13の背面板14とには温風ファン10からの室内空気が流通する通気路22が形成されているものである。
【0020】
次にこの発明一実施例の作動について説明する。
運転スイッチ(図示せず)のON操作でバーナ部1は予熱を開始し、そして燃油及び燃焼空気の供給を受けて燃焼が行われ、この燃焼で発生した燃焼ガスは、燃焼筒5内で赤熱筒7を加熱して赤熱状態とした後、熱交換器8内を流通して屋外へ排出される。
【0021】
この時温風ファン10を駆動させれば、吸引口11から吸引された室内空気の一部が輻射板13の背面板14の上輻射板穴18から熱交換器8外周を通り熱交換で温風となり、この温風の大部分はそのまま横長吹出部12から温風として室内に放出され、又、輻射板13の背面板14の上輻射板穴18からの室内空気の一部及び下輻射板穴19からの室内空気の一部が集熱部6と反射板21の間の空間を通って燃焼筒5の外周を通り熱交換で温風となって室内に放出され、又、背面板14の下輻射板穴19からの室内空気の一部は下反射板3と反射板21の間の空間を通って燃焼筒5の外周を通り熱交換で温風となって室内に放出されるものである。
【0022】
これにより温風ファン10により吸引された室内空気が熱交換器8外周及び燃焼筒5の外周の上下を偏りなく通過するので、効率よく熱交換して温風を発生させると共に局所的に過熱される部分が発生するのを防止できるものである。
【0023】
そして赤熱状態の赤熱筒7の赤熱光は、器具本体2の前面側は室内に向けて放射されると共に、器具本体2の背面側に向かって放射された赤熱光は反射板21で反射されることにより室内に向けて放射されて輻射による暖房が得られるものである。
【0024】
又、集熱部6と反射板21の間の空間から背面の壁面側にもれた赤熱光は、集熱部6と反射板21の間の空間を遮るように設けられた輻射板13の背面板14の上下仕切り部20により輻射板13よりも背面側にもれず、赤熱光により背面の壁を赤く照らしたり、温風ファン10のプロペラファンが赤く見えてしまうことを防止しているものである。
【符号の説明】
【0025】
1 バーナ部
2 器具本体
5 燃焼筒
6 集熱部
7 赤熱筒
8 熱交換器
10 温風ファン
13 輻射板
14 背面板
15 側面板
18 上輻射板穴
19 下輻射板穴
20 上下仕切り部
21 反射板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼を行うバーナ部と、この燃焼で発生した燃焼ガスにより加熱される赤熱筒と、該赤熱筒を内設しバーナ部と集熱部との間を密閉空間として連通する透明な燃焼筒と、機器本体の背面に設けた温風ファンと集熱部と連通し、燃焼ガスを流通させて温風ファンにより吸引された室内空気と熱交換を行う熱交換器と、燃焼筒を囲った反射板と、背面板と左右の側面板とからなり、温風ファンにより吸引された室内空気が通過する輻射板穴が形成され、前記反射板が取り付けられた輻射板とを備えた暖房装置に於いて、前記輻射板の輻射板穴は輻射板の背面板上方に形成した上輻射板穴と下方に形成した下輻射板穴とからなり、前記上輻射板穴と下輻射板穴とを仕切る上下仕切り部を輻射板の背面板の略中央に横に形成したことを特徴とする暖房装置。
【請求項2】
前記上下仕切り部は、集熱部と反射板の間の隙間を遮るように輻射板に形成したことを特徴とする請求項1記載の暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−237467(P2012−237467A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105097(P2011−105097)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)