説明

曲面スリット付き光ガイド曲がり

本発明の光ガイド(102)は、第一の方向(12)から第二の方向(13)へガイド光を曲げるための光ガイドであり、前記光ガイドコア内に形成された曲面スリット(9,19,11)を用いる。曲面スリットの組は、別々の光ガイドチャンネル(14,15,16,17)に区分し、前記曲げられた光ガイドチャンネルを通じて全内部反射で光が通るようにガイドする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ガイドの分野に関し、より具体的には低光損失性光ガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
光ガイドは、液晶表示(LCD)又はTVスクリーンのためのバックライト光源と同様に、一般的な照明目的で多くの照明応用に使用されている。
【0003】
このタイプの構成は、一般的にLCDモニタなどのバックライト照明のために使用される。光源が前記光ガイドプレートの一つの側に接続され、前記光は前記LCDに向け、反射構造の手段により反射される。
【0004】
光ガイドが使用され得る他の可能な応用は、フラットスクリーン表示パネルなどのテレビ装置のためのバックグラウンド照明が挙げられる。表示パネル周りに生成する光効果は、例えばLED又はレーザービームなどの単一光源から、前記表示パネルの周囲へガイドされることができる。この方法で、限られた光源量を用いて広い領域が照明され、同時に、鑑賞者のためにより心地よい鑑賞経験、例えばフィリップス社のアンビライト(Ambilight)システムに匹敵する経験を与える。
【0005】
JP2007087725には、光ガイド体が記載され、これは前記光ガイド体の一面から、ガイドされた光の一部を、ホールにより生成される影の方向に、前記光ガイド体の反対側に反射するためのスリットを含む。この構成は、丸いスイッチ回りの照明などの対象物回りへ光ガイドするために使用される。
【0006】
しかし、前記スリット表面でガイドされる光の効率的な内部反射が小さい角度でのみ生じ、従って、前記光のほとんどが反射により失われるシステムでは鋭いコーナー回りの効率的光反射は達成されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、光損失が低減された、鋭いコーナーへ光を移動させることができる改良された光ガイドは有益なものとなろう。特に限られた量の光源を用いてスクリーンの縁部に沿って光を移動させることができる改良された光ガイドは有益なものとなろう。
【0008】
さらに、最小量の光源を適用する光ガイドを用いてその縁部回りに光が持続的に及び均一に拡散される改良されたスクリーンは有益なものとなろう。
【0009】
従って、本発明は、上で説明した欠点のひとつ又はいかなる組み合わせのひとつ又はそれ以上を緩和又は除去することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、光ガイド基板に曲面スリットを導入することで前記従来技術の上記問題を解決する光ガイドを提供する。これらの曲面スリットは、曲げられた光ガイドチャンネルを別々に区別し、前記光を前記曲げられたチャンネルを全内部反射により通過する光をガイドすることができる。
【0011】
本発明は特に、しかし制限されることなく、改良された軽量、低コストの光ガイドが得られるという利点を有し、ガイド光を鋭く、例えば曲げられた光ガイド内の90度のコーナー周りに曲げることができる。光ガイドはモニタ、例えばフィリップス社のアンビライトTVのバックライトのコンポーネントとして使用され、限られた量の光源を持つモニタの全縁部周りの光を拡散することができる。
【0012】
本発明の第一の側面は、第一の方向から第二の方向へガイド光を曲げるための光ガイドを含み、前記光ガイドは:(i)前記光ガイドの光ガイドコアを形成する部材;(ii)前記光ガイドコア内に形成されたひとつ又はそれ以上のスリットであり、そのおのおのが前記第一の方向へ向く第一の終点と前記第二の方向へ向く第二の終点を持つ。前記ひとつ又はそれ以上の曲面スリットは、曲げられた光ガイドチャンネルを別々に区切り、全内部反射により前記曲げられた光ガイドチャンネルを通して前記光をガイドする。
【0013】
本発明において、前記スリットの終点が光進行方向に向けるということは、それらが前記進行光の一般的な方向へ向くことを意味する。前記臨界的な角度よりも小さいずれは、通常十分な曲がりを与え、前記向けられるという範囲に含まれる。
【0014】
全内部反射(TIR)は、光学的現象のひとつであり、光を前記光ガイドコア内に閉じ込める。この現象は、光が、媒体境界面の法線に関して臨界角よりも大きい角度で媒体境界へ当たる場合に生じる。屈折率が前記境界の他の側でより小さい場合に光は通過できず、効果的に全ての光が反射される。前記臨界角は、光が反射され前記境界に沿って進行する際の入射角である。
【0015】
一般的に、ほとんどの光ファイバなどの光ガイドはTIRにより光を透過する。光ガイドは他のコンポーネントの中でもとりわけ、ほとんどの内部部品、前記コア及び該部部品、前記コア回りのクラッドからなる。前記コアの屈折率が前記クラッドのひとつより大きい場合、光はTIRにより前記コアに沿って跳ね返る。本発明において、光ガイドコアは、好ましくは、長方形断面を持つ。円形又は三角形断面を持つ他の光ガイドコアも又は有利である。
【0016】
曲げられた光ガイドチャンネル(以後単に「チャンネル」とする)は、2つの曲面スリット(以後単に「スリット」とする)の間に形成され、また曲面スリットと前記光ガイドコアの端部の間に形成される。特に、前記光ガイドの曲げられた部分について、前記コアの前記内部/外部端は、曲面スリットと共にチャンネルを形成するために使用され得る。チャンネルの数は、従って、それらが前記光ガイドの曲げられた部分に設けられるかどうかに依存して、スリットの数はより多く又はより少なくなり得る。
【0017】
光の直線進行方向では光ガイド内で光損失は少ないか全く生じない。しかし、曲げられた光ガイドでは、ガイド光は少なくとも部分的に反射により失われる。これは、光がコア/クラッド境界で、前記表面境界の法線に関して前記臨界角よりも小さいか角度で当たる際に生じる。前記光ガイド部材コアの前記曲げられた部分での曲面スリットの配置は、多数の境界(コア/クラッド)を異なる傾きで提供することとなり、前記光ガイドへ入る大部分の光ビームが漏れ出すことなく前記光ガイドを通過することを可能とする。いくつかの実施態様において、前記光ガイドコアの断面が曲げられ、前記ひとつ又はそれ以上のスリットが、前記光ガイドコアのこの曲げられた部分に設けられる。スリットが前記光ガイドコアの曲げられた部分に設けられる場合、それぞれの区分されたチャンネルがそれぞれのチャンネルでの前記曲げられた部分の曲げ半径となるように設計されることが好ましい。前記光ガイドが部分的に曲げられる実施態様においては、前記光ガイドコアの曲げ半径は、前記曲げられた光ガイドチャンネルの幅よりも大きい。
【0018】
他の実施態様では、それぞれの曲げられた光ガイドチャンネルの幅は、前記曲げられた光ガイドチャンネルの曲げ半径よりも小さい。
【0019】
圧力支持システムスリット及びチャンネルの設計、及びこれらの可能な最適化は図7a及びbに関連して説明される。
【0020】
本発明の第一の側面により説明された光ガイドの曲面スリットの存在は、曲げられた光ガイド内で光の閉じ込め(即ち、TIR)を可能とし、そこでは光は2つの方向(例えばお互いに直角に)の間で曲げられる。スリットの形状は、勾配がつけられ及び好ましくは前記終点が少なくとも光進行の第一の方向へ向いている。スリットの端部がより鈍角であるほど、より光は、この端部に非TIR角で入射するか又は、光が非TIR角の下でそらされて光ガイドの壁に当たるような角度で入射し、光を損失する結果を生じる。光が来る方向(前記第一の進行方向)へ向かうスリットの端部が勾配付けされていることは、光進行により見られる前記スリットの領域が減少することとなり、従って前記スリットの端部にる光の望ましくない散乱を減少させることとなる。
【0021】
いくつかの実施態様において、ひとつ又はそれ以上のスリットで区分された、別々の曲げられた光ガイドチャンネルは、その幅が調節されて、前記第一の方向から前記第二の方向へ入射する光最小の光損失で曲げることができる。
【0022】
光ガイドコアに沿って進行する光は、一般的に、前記コア境界で跳ね返る。ある特定の角度範囲(即ち、光線が、前記臨界角よりも大きい角度で前記コア境界に当たることができる角度)で前記光ガイドコアに入る光線のみが、光損失なく前記光ガイドを進行通過することができる。この角度範囲は前記光ガイドの許容コーン角といわれる。いくつかの実施態様において、前記光損失は、光ガイドコアに存在する曲面スリットが異なる傾きを持って多数境界(コア/スリット)を与えることから、最小化される。これらは、前記光ガイドへ入る大部分の光線を漏れなく前記光ガイドを通じて通過させることができる。言い換えると、前記光損失は、前記光ガイドの前記許容コーン角を実際に拡張することで最小化されるということである。
【0023】
曲面スリットの数(及び従ってチャンネルの数)、形状及び前記チャンネルの幅は前記光ガイドの要求される具体的なサイズに依存し、また光源の性質にも依存する。例えば、角度範囲及び強度分布などは、例えばコンピュータシミュレーション又は実験的(例えば試行錯誤)に最適化することができる。
【0024】
本発明の第一の側面による他の実施態様では、ひとつ又はそれ以上の曲面スリットが、前記光ガイド部材の屈折率よりも低い屈折率を持つ材料で充填されている。
【0025】
本発明の第一の側面によるいくつかの他の実施態様において、ひとつ又はそれ以上の曲面スリットは空気で充填される。
【0026】
媒体の屈折率は、前記媒体中での光速度の尺度である。
【0027】
例えば、光ガイドで使用される高透明ガラス又はポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリマは、1.5付近の標準的屈折率を持ち、これは、これらの材料中で、光は真空中の速度の1/1.5倍の速度で進むことを意味する。従って、PMMA光ガイドにおいて、光が、空気充填されたスリットは、境界表面の垂線に関して臨界角よりも大きい角度で前記スリット境界に入射する場合に、空気の屈折率はPMMAの屈折率よりも低いものであるから、TIRが可能となる。
【0028】
いくつかの実施態様において、いくつかの光ガイドが接着剤を用いて接着されていてもよい。前記接着剤は、その屈折率が、前記光ガイドが形成される材料のひとつよりも低い屈折率を有し、従って、前記接着剤及び前記光ガイド装置との境界でTIRが生じる。
【0029】
一般的に、光ガイドの前記臨界角は、前記光ガイドの材料と同じくそれを取り囲む材料(例えば空気、接着剤、クラッド又はガラスタイプ)にも依存する。
【0030】
他の実施態様において、ひとつ又はそれ以上の曲面スリットは、前記光ガイドコアの厚さを通じて全ての方向に拡張される。
【0031】
本発明の第二の側面は、第一の方向から第二の方向へ光を曲げるための装置を提供するものであり、前記装置は:(i)本発明の第一の側面による光ガイドと(ii)光源を含み、前記光源は前記光ガイドとカップルするように構成される。
【0032】
第三の側面における本発明は、第一の方向から第二の方向へ曲げるための方法に関し、前記方法は:(i)光ガイドを準備し、(ii)前記光ガイドにひとつ又はそれ以上の局面スリットを形成して、入射光が、前記第一の方向から前記第二の方向へ、前記ひとつ又はそれ以上の曲面スリットにより区分されたべつべつの曲げられた光ガイドチャンネルで全内部反射により、曲げられる。
【0033】
本発明の前記第一、第二及び第三の側面は、それぞれが他の全ての側面と組み合わせることができる。
【0034】
本発明の基本的考え方により、光が曲げられた光ガイドへガイドされる際に光損失を最小化する光ガイドシステムを提供することが可能となる。
【0035】
本発明のこれら及び他の側面は、以下記載される実施態様を参照してより明らかに、理解されるものとなる。
【0036】
本発明は以下、添付の図面を用いて、例示的方法により、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、光学ファイバなどの光ガイドコアの内部反射を示す。
【図2】図2は、大部分の光が前記曲がり部分で失われる曲げられた光ガイドを示す。
【図3a】図3aは、本発明のひとつの実施態様による、光ガイドを模式的に示す図である。
【図3b】図3bは、本発明のひとつの実施態様による、光ガイドを模式的に示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施態様による方法のフローチャートである。
【図5】図5は、本発明のひとつの実施態様による装置の模式図である。
【図6】図6は、本発明のひとつの実施態様におけるビームスプリッタを示す模式ダイヤグラムである。
【図7a】図7aは、本発明のひとつの実施態様による光ガイドの最適パラメータを説明する模式的ダイヤグラムである。
【図7b】図7bは、本発明のひとつの実施態様による光ガイドの最適パラメータを説明する模式的ダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、光ファイバなどの光ガイドコア中でガイドされる光線の光路を表す模式図である。一般的に、光線が異なる屈折率を持つ材料間の境界に当たると、部分的に前記境界表面で屈折され、また部分的に反射される。図1は、光線1及び2が、境界での臨界角よりも大きい入射角で前記光ガイドコア境界に当たる(即ち、光線は境界と平行により近づく)際の光ガイドコアを示す。図1で示されるように、光線1,2は、それらの入射角が前記臨界角よりも大きいので、全内部反射を受け、光線1,2の全光線は効果的に内部で反射される。
【0039】
このことは、図2で示されるように前記光ガイドガイドが曲げられている場合には当てはまらない。曲げられた光ガイド101内で、光線3は、前記臨界角よりも大きい入射角度で前記光ガイドコア境界に当たり、全内部反射を受ける。一方光線4と5は、法線に関して前記臨界角よりも大きい角度で当たり、部分的に屈折及び反射を受ける。光ガイドコア内の曲がりは従って、前記光の一部分が前記光ガイドコアの外に屈折されることから、コア境界で光の損失を生じることとなる。このことは、図2に示されるように、光ガイドコアの曲がりが非常に鋭く、例えば90度さらにはそれ以上の場合にも、当てはまる。
【0040】
図3aは、本発明のひとつの実施態様による光ガイドの模式図である。図3aに示されるように、光ガイドコア102は、ガイド光を第一の方向12から第二の方向13へ、最小の光損失を伴って曲げることができる。前記光ガイド102の光ガイドコア中に形成された曲面スリット9,10及び11の存在により、スリットの間、及びスリット及び光ガイドコア境界との間に4つのチャンネル14,15,16及び17を区分する。これらのチャンネルを通る光は、別々の光ガイドコア内をガイドされるように振舞う。図2のビーム4,5などの光ビームは、前記光ガイドコアの境界で入射角度が全内部反射を生じない角度であり、従って部分的に光損失を受ける。光ガイドコア102内で、これらの入射角は曲面スリット9,10及び11の存在で変更される。実際に図3aでは、光ビーム4及び5は曲面スリット9,19及び11に、前記境界光ガイドコア/スリットの臨界角よりも大きい角度で当たる。従って光ビーム4及び5は、これまでの曲げられた光ガイドでは部分的に失われていたが、前記光ガイドコア102で全内部反射を受ける。
【0041】
図3aでは、曲面スリット及びチャンネルの数はそれぞれ3及び4に減少されているが、これは説明を簡単にするためのみである。曲面スリットの数、チャンネルの幅は、光ガイドの要求されるサイズに依存し、例えばコンピュータシミュレーション又は実験的(例えば試行錯誤)に最適化することができる。
【0042】
図3bは、図3aの光ガイド102の三次元的端面図であり、スリット9/11の好ましいパラメータが説明されている。図から、スリットは前記コア102を通じて全ての方向へ伸びている。
【0043】
さらに、光進行12の第一の方向へ向くスリットの端部23は、前記スリットが非常に狭く又はこの端部に向かい勾配付けされているところに向けられる。
【0044】
さらに、前記スリットは、それらの側面がそれらの曲面に対して垂直となるように形成される。曲げられた光ガイドコア102の例において、前記スリットの曲面の面は前記コアの上部及び底部表面と同一である。これにより、前記スリットの前記側面での反射が前記曲げられた面に維持すること、及び損失を生じる該面からはずれた反射を前記スリットにより生じさせないこと、を保証する。
【0045】
図4は、第一の方向から第二の方向へ光を曲げるための方法のフローチャートであり、前記方法は、光ガイドのための部材を準備するステップS1及びひとつ又はそれ以上の局面スリットを前記部材中に形成するステップS2を含み、前記ひとつ又はそれ以上の曲面スリットにより区分された別々の曲げられた光ガイドチャンネル内で前記第一の方向からの入射光が前記第二の方向へ全内部反射により曲げられる。
【0046】
図5は、本発明のひとつの実施態様による装置の模式図である。装置103は光源20を含み、光ガイド部材21と接続されている。光源の例は、単色光源又は多色光源であってよく、例えば発光ダイオード、LED又はレーザーが挙げられる。
【0047】
図6は、本発明の他の実施態様を示す。前記スリット及びチャンネルは前記光ガイドの曲げられた部分には設けられていない。ここでは前記スリット及びチャンネル18は、入射する前記ガイド光12の部分13を曲げるために用いられる。光19は入射せず従って曲げられることなくガイドされる。前記スリット及びチャンネル18は従ってビームスプリッタ又はビーム分割装置の機能を奏する。曲げられる光13及び直進する光19の比率は、前記スリット及びチャンネル18により取られる光ガイドコアの領域にのみ依存する。この実施態様におけるビームスプリッタは、従って、従来のビームスプリッタ、特に半透明反射板によるものに比較して有利である。前記曲げられた光13は、任意の選択された方向へそらせることができ、しかも前記そらされた光13及び通過された光19の比率になんら影響しない。
【0048】
図6の実施態様は、光ガイドの曲げられた部分での損失を低減する目的とは別の目的のための本発明の変法、応用を説明するものである。本発明の記載に基づき当業者であれば想到することができる数多くの他の変法応用が可能である。
【0049】
前記スリット及びチャンネルの設計、それらの形状の意味、位置及び寸法などは、性能を改善し、損失を低減させるために調節あれ得る。本発明において、これは、チャンネル幅が小さくすると曲面半径を小さくでき、一方で損失なくTIRガイドを実施することができることを意味する。従って好ましい設計は、チャンネルの幅Dを曲面の半径Rよりも小さくすることである(即ち,R>D)。より好ましい設計は、曲面半径Rが、チャンネルの幅の数倍大きいことである(例えばR*5D又はR*15D)。R>>Dの場合、前記チャンネル内での光を曲げることは、光損失なく実施され得る。最適値は、材料及びクラッドの屈折率に依存し、同じく前記光源の角度の拡がり程度に依存する。
【0050】
スリット及びチャンネル設計の異なる2つの構成が図7a及び7bに示される。図7aは、一群のスリット及びチャンネル24を示し、前記チャンネル幅又は直径Dは全てのチャンネルで同じであり、曲面半径はR>R>R>Rである。この設計構成で好ましい設計パラメータは、R>Dである。
【0051】
同様に、図7bは一群のスリット及びチャンネル25を示し、チャンネル幅又は直径及び曲面半径はそれぞれのチャンネルで異なり、D>D>D>D及びR>R>R>Rである、この設計構成で好ましい設計パラメータは、R>Dである。この設計構成は、前記曲がりの外側部分に設けられるチャンネルが、より大きい曲面半径を持ち、従って、光ガイド損失をすることなくより幅広くすることが可能となるという点で、有利である。これは、スリット間の距離が大きくでき従ってより少ないスリットにできることを意味する。前記曲がりの内側で、曲面半径は小さい場合、スリットはお互いにより近くなり狭いチャンネルを形成できより鋭い曲がりにも対応することができる。
【0052】
本発明は、具体的な実施態様に基づいて説明されたけれど、ここで提示された具体的なものに限定する意図はない。むしろ、本発明の範囲は特許請求の範囲のみに限定されるものである。特許請求の範囲において、用語「含む」は他のエレメント又はステップを排除するものではない。さらに、個々の構成が異なる請求項に含まれるが、これらは好ましく組み合わせることができ、従って、異なる請求項に含まれるということは、これらの構成のいかなる組み合わせも好ましくない及び/又は有利ではない、ということを意味するものではない。従って、「ひとつの」、「第一の」、「第二の」などは、複数を除外するものではない。さらに請求項の参照符号は、該請求項の範囲を制限するように解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の方向から第二の方向にガイド光を曲げるための光ガイドであり、前記光ガイドは:
前記光ガイドの光ガイドコアを形成する部材;及び
前記光ガイドコアに形成されたひとつ又はそれ以上の曲面スリットを含み、それぞれのスリットが、前記第一の方向へ向く第一の終点と、前記第二の方向へ向く第二の終点を持ち、前記ひとつ又はそれ以上の曲面スリットが別々の曲げられた光ガイドチャンネルを区分して、前記光が前記曲げられた光ガイドチャンネルを、全内部反射で通過するように構成されている、光ガイド。
【請求項2】
請求項1に記載の光ガイドであり、前記曲げられた光ガイドチャンネルが、前記第一の方向から前記第二の方向へ最小の光損失で入射光を曲げることができるように調節される幅を有する、光ガイド。
【請求項3】
請求項2に記載の光ガイドであり、前記それぞれの曲げられた光ガイドチャンネルの幅が前記曲げられた光ガイドチャンネルの曲げ半径よりも小さい、光ガイド。
【請求項4】
請求項1に記載の光ガイドであり、前記光ガイドコアの一部分が曲げられ、かつ前記ひとつ又はそれ以上のスリットが前記光ガイドコアの該曲げられた部分に設けられる、光ガイド。
【請求項5】
請求項4に記載の光ガイドであり、前記光ガイドコア曲げ半径が、前記曲げられた光ガイドチャンネルの幅よりも大きい、光ガイド。
【請求項6】
請求項1に記載の光ガイドであり、前記ひとつ又はそれ以上のスリットが空気で充填される、光ガイド。
【請求項7】
請求項1に記載の光ガイドであり、前記ひとつ又はそれ以上の曲面スリットが、前記光ガイドコアの厚さに亘り全方向に伸びている、光ガイド。
【請求項8】
請求項1に記載の光ガイドであり、前記ひとつ又はそれ以上の局面スリットが、それらの曲面の面に垂直である側面を持つ、光ガイド。
【請求項9】
第一の方向から、第二の方向へ光を曲げる装置であり、前記装置は:
請求項1に記載の光ガイド;及び
前記光ガイドとカップルするように構成された光源、とを含む装置。
【請求項10】
第一の方向から、第二の方向へ光を曲げるための方法であり、前記方法は:
光ガイドを準備し;及び
前記光ガイド中にひとつ又はそれ以上の曲面スリットを形成し、入射光が、前記ひとつ又はそれ以上の局面スリットで区分された別々の曲げられた光ガイドチャンネル内で前記第一の方向から前記第二の方向へ全内部反射で曲げられる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【公表番号】特表2012−523580(P2012−523580A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504119(P2012−504119)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051474
【国際公開番号】WO2010/116320
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】