替刃式剃刀
【解決手段】ホルダの頭部3に支持した剃刀ヘッド13は、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じて刃部材17を収容した状態でホルダの頭部3に対し首振り可能に支持された首振り可能状態と、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じて刃部材17を収容した状態でホルダの頭部3に対し首振り不能に支持された首振り不能状態と、刃台部材14に対し蓋部材15を開いて刃部材17を交換可能にした刃部材交換可能状態Cとを取り得る。剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cで刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際に、刃部材17を吸着し得る永久磁石11をホルダの頭部3に備えている。また、刃部材17を保持して剃刀ヘッド13に移換し得る移換部材を備えている。
【効果】永久磁石11や移換部材を利用して、刃部材交換可能状態Cで刃部材17のみを交換する際、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【効果】永久磁石11や移換部材を利用して、刃部材交換可能状態Cで刃部材17のみを交換する際、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホルダの頭部に剃刀ヘッドを支持した替刃式剃刀に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1では、その第2図に示す刃部材(上下両刃体4,5とそれらの間のスペーサー1とからなる組付体)がその第1図に示すホルダの頭部(刃台部14と上板部17とそれらの間の収容間隙とからなる頭部)でその収容間隙に対し装着されている。しかし、その刃部材を直接手で触れてホルダの頭部に装着しなければならなかった。
【0003】
また、従来、下記特許文献2では、ホルダの頭部で開閉可能に取り付けられた両支持アームに対し、刃部材を装着した剃刀ヘッドが着脱可能に支持されて首振りし得る。しかし、剃刀ヘッドの全体を交換する必要があった。
【特許文献1】実公昭55−30450号公報
【特許文献2】特開2007−215590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、刃部材を直接手で触れずに剃刀ヘッドに装着することができる替刃式剃刀を提供することを目的としている。また、この発明は、首振りし得る剃刀ヘッドにおいて刃部材のみを交換することができる替刃式剃刀を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
後記実施形態の図面(図1、図2(a)及び図3〜8に示す第1実施形態、図2(b)に示す第1実施形態の別例、図9〜11に示す第2実施形態)の符号を援用して本発明を説明する。
【0006】
請求項1の発明にかかる替刃式剃刀は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、ホルダ1の頭部3に支持した剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cで刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際に、その刃部材17を吸着または粘着させて剃刀ヘッド13に保持し得る保持手段11,37を備えている。請求項1の発明では、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際、吸着または粘着による保持手段11,37により刃部材17を保持し得るため、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができ、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容し易い。
【0007】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)においては、前記吸着は磁力作用手段11または電気力作用手段により生じる。請求項2の発明では、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際、磁力作用手段11または電気力作用手段による吸着により刃部材17を保持し得るため、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができ、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容し易い。
【0008】
請求項2の発明を前提とする請求項3の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)においては、前記磁力作用手段11または電気力作用手段はホルダ1の頭部3に設けられている。請求項3の発明では、磁力作用手段11または電気力作用手段を設け易い。
【0009】
請求項4の発明にかかる替刃式剃刀は、第2実施形態に対応し、ホルダ1の頭部3に支持した剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cで刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際に、その刃部材17を保持して剃刀ヘッド13に移換し得る移換部材41を備えている。請求項4の発明では、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際、移換部材41により、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができ、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容し易い。
【0010】
請求項4の発明を前提とする請求項5の発明(第2実施形態に対応)においては、前記移換部材41と刃部材17との間には例えば弾性的に係脱し得る着脱部44,26を連結状態と分離状態とを取り得るように設けている。請求項5の発明では、移換部材41と刃部材17とを着脱部44,26により互いに着脱し得るため、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができ、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容し易い。
【0011】
請求項6の発明にかかる替刃式剃刀は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
ホルダ1の頭部3に支持した剃刀ヘッド13は、刃台部材14と、刃台部材14に対し開閉可能に支持した蓋部材15と、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じてその刃台部材14と蓋部材15との間に収容した刃部材17とを有し、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じて刃部材17を収容した状態でホルダ1の頭部3に対し首振り可能に支持された首振り可能状態Bと、刃台部材14に対し蓋部材15を開いて刃部材17を交換可能にした刃部材交換可能状態Cとを取り得る。請求項6の発明では、首振り可能な剃刀ヘッド13において、刃台部材14に対する蓋部材15の開閉により刃部材17のみを交換することができる。
【0012】
請求項6の発明を前提とする請求項7の発明は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
前記ホルダ1には剃刀ヘッド13を首振り可能状態Bから刃部材交換可能状態Cにし得る操作部材6を設けている。前記剃刀ヘッド13の首振り可能状態Bで剃刀ヘッド13の蓋部材15と剃刀ヘッド13の刃台部材14との間には、刃台部材14に対する蓋部材15の開閉を不能にする蓋部材ロック部28,32をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設けている。この操作部材6は、剃刀ヘッド13の首振り可能状態Bでこの蓋部材ロック部28,32をロック状態からロック解除状態にする蓋部材押圧状態を取り得る。請求項7の発明では、首振り可能な剃刀ヘッド13において、操作部材6により蓋部材ロック部28,32をロック状態からロック解除状態に切り換えることにより、刃台部材14に対する蓋部材15の開閉を容易に行うことができる。
【0013】
請求項8の発明にかかる替刃式剃刀は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
ホルダ1の頭部3に支持した剃刀ヘッド13は、刃台部材14と、刃台部材14に対し開閉可能に支持した蓋部材15と、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じてその刃台部材14と蓋部材15との間に収容した刃部材17とを有し、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じて刃部材17を収容した状態でホルダ1の頭部3に対し首振り可能に支持された首振り可能状態Bと、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じて刃部材17を収容した状態でホルダ1の頭部3に対し首振り不能に支持された首振り不能状態Aと、刃台部材14に対し蓋部材15を開いて刃部材17を交換可能にした刃部材交換可能状態Cとを取り得る。請求項8の発明では、首振り可能状態Bと首振り不能状態Aとを取り得る剃刀ヘッド13において、刃台部材14に対し蓋部材15を開いた刃部材交換可能状態Cで刃部材17のみを交換することができる。
【0014】
請求項8の発明を前提とする請求項9の発明は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
前記ホルダ1には剃刀ヘッド13を首振り不能状態Aから首振り可能状態Bにするとともに首振り可能状態Bから刃部材交換可能状態Cにし得るか、または、首振り不能状態Aから首振り可能状態Bにするとともに首振り不能状態Aから刃部材交換可能状態Cにし得る操作部材6を設けている。前記剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで剃刀ヘッド13の刃台部材14とホルダ1の頭部3との間には剃刀ヘッド13の首振りを不能にする刃台部材ロック部12,27をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設けている。剃刀ヘッド13の蓋部材15と剃刀ヘッド13の刃台部材14との間には刃台部材14に対する蓋部材15の開閉を不能にする蓋部材ロック部28,32をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設けている。請求項9の発明では、首振り可能状態Bと首振り不能状態Aとを取り得る剃刀ヘッド13において、操作部材6により刃台部材ロック部12,27をロック状態からロック解除状態に切り換えることにより、剃刀ヘッド13を首振り不能状態Aから首振り可能状態Bに容易にすることができる。また、操作部材6により蓋部材ロック部28,32をロック状態からロック解除状態に切り換えることにより、剃刀ヘッド13を首振り可能状態Bから刃部材交換可能状態Cに容易にすることができる。さらに、操作部材6により刃台部材ロック部12,27をロック状態からロック解除状態に切り換えるとともに蓋部材ロック部28,32をロック状態からロック解除状態に切り換えることにより、剃刀ヘッド13を首振り不能状態Aから刃部材交換可能状態Cに容易にすることができる。
【0015】
請求項9の発明を前提とする請求項10の発明は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
前記操作部材6は、下記の待機状態と刃台部材押圧状態と蓋部材押圧状態と解除状態とを取り得る。前記待機状態では、剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで前記刃台部材ロック部12,27をロック状態に維持するとともに前記蓋部材ロック部28,32をロック状態に維持する。前記刃台部材押圧状態では、剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで前記刃台部材ロック部12,27をロック状態からロック解除状態にするとともに前記蓋部材ロック部28,32をロック状態に維持する。前記蓋部材押圧状態では、剃刀ヘッド13の首振り可能状態Bで前記蓋部材ロック部28,32をロック状態からロック解除状態にするとともに前記刃台部材ロック部12,27をロック解除状態に維持する。前記解除状態では、剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cで前記蓋部材ロック部28,32をロック解除状態に維持するとともに前記刃台部材ロック部12,27をロック解除状態に維持する。請求項10の発明では、待機状態と刃台部材押圧状態と蓋部材押圧状態と解除状態とを取り得る操作部材6により、剃刀ヘッド13を首振り不能状態Aと首振り可能状態Bと刃部材交換可能状態Cとに維持するとともに容易に切り換えることができる。
【0016】
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項3の発明を前提とする第11の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)において、前記磁力作用手段11は剃刀ヘッド13の刃部材17に面している。第11の発明では、磁力作用手段11により、刃部材17を容易に吸着することができる。
【0017】
第11の発明を前提とする第12の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)においては、前記刃部材17に対する磁力作用手段11の磁力を変化させる磁力変更手段を備えている。第12の発明では、磁力変更手段により、磁力作用手段11による刃部材17の吸着度を吸着不能状態を含めて変更して刃部材17を容易に吸着または吸着解除することができる。
【0018】
第12の発明を前提とする第13の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)において、前記磁力変更手段は剃刀ヘッド13の刃部材17と磁力作用手段11との間の距離を変更し得る距離変更手段である。第13の発明では、距離変更手段により、磁力作用手段11による刃部材17の吸着度を容易に変更することができる。
【0019】
第13の発明を前提とする第14の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)において、前記距離変更手段は、磁力作用手段11に対し剃刀ヘッド13の刃部材17を接近または離間させるようにホルダ1の頭部3に対し剃刀ヘッド13を首振り可能に支持したものである。第14の発明では、剃刀ヘッド13の首振り動作を利用して距離変更手段を容易に設けることができる。
【0020】
請求項2の発明または請求項3の発明または第11の発明または第12の発明または第13の発明または第14の発明を前提とする第15の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)において、前記磁力作用手段は磁石11である。第15の発明では、磁石11を利用して磁力作用手段を容易に設けることができる。
【0021】
請求項5の発明を前提とする第16の発明(第2実施形態に対応)においては、連結状態にある刃部材17と移換部材41とを刃部材交換可能状態Cで剃刀ヘッド13に支持し、その刃部材17と移換部材41とを分離状態にし、移換部材41のみを剃刀ヘッド13から離脱させて刃部材17のみを剃刀ヘッド13に収容する。第16の発明では、移換部材41を利用して刃部材17を剃刀ヘッド13に容易に収容することができる。
【0022】
請求項5の発明を前提とする第17の発明(第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13は、刃台部材14と、刃台部材14に対し開閉可能に支持した蓋部材15と、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じてその刃台部材14と蓋部材15との間に収容した刃部材17とを有し、刃台部材14に対し蓋部材15を開いて刃部材17を交換可能にした刃部材交換可能状態Cを取り、連結状態にある刃部材17と移換部材41とをその刃部材交換可能状態Cで剃刀ヘッド13に支持し、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じた状態でその刃部材17と移換部材41とを分離状態にし、移換部材41のみを剃刀ヘッド13から離脱させて刃部材17のみを剃刀ヘッド13に収容する。第17の発明では、移換部材41を利用して刃部材17を剃刀ヘッド13に容易に収容することができる。
【0023】
第17の発明を前提とする第18の発明(第2実施形態に対応)においては、刃部材17を収容したケース38を備え、そのケース38に移換部材41を挿入して刃部材17と移換部材41とを連結状態にし、連結状態にある刃部材17と移換部材41とをケース38から離脱させる。第18の発明では、移換部材41を利用して刃部材17をケース38から容易に取り出すことができる。
【0024】
請求項7の発明を前提とする第19の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13の刃台部材14はホルダ1の頭部3に対し回動可能に支持され、前記剃刀ヘッド13の蓋部材15はこの刃台部材14に対し回動可能に支持されている。第19の発明では、ホルダ1の頭部3に対する刃台部材14の回動支持により剃刀ヘッド13の首振りを容易に行うことができるとともに、刃台部材14に対する蓋部材15の回動支持により刃台部材14に対する蓋部材15の開閉を容易に行うことができる。
【0025】
第19の発明を前提とする第20の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13の刃台部材14と前記剃刀ヘッド13の蓋部材15とは共通の回動中心16aで回動可能に支持されている。第20の発明では、共通の回動中心16aで兼用して、ホルダ1の頭部3に対する刃台部材14の回動支持構造と、刃台部材14に対する蓋部材15の回動支持構造とを簡単にすることができる。
【0026】
第20の発明を前提とする第21の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記刃台部材14及び蓋部材15の回動中心16aは剃刀ヘッド13における刃部材17の刃先21a側にあり、前記蓋部材ロック部28,32はその刃先21a側に対する反対側にある。第21の発明では、蓋部材15が刃台部材14に対し刃先21a側に開くため、刃台部材14に対する刃部材17の着脱を容易に行うことができる。また、蓋部材ロック部28,32が蓋部材15の刃先21a側に対する反対側にあるため、使用時に蓋部材15の刃先21a側に力をかけても蓋部材ロック部28,32が不用意にロック解除されにくい。
【0027】
第19の発明または第20の発明または第21の発明を前提とする第22の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13の刃台部材14はプッシャ7の付勢力により剃刀ヘッド13の首振り方向へ押圧され、前記操作部材6はこのプッシャ7に対し並べられている。第22の発明では、操作部材6をプッシャ7に並べた簡単な構造にすることができる。
【0028】
請求項8の発明を前提とする第23の発明は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
前記剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで剃刀ヘッド13の刃台部材14とホルダ1の頭部3との間には剃刀ヘッド13の首振りを不能にする刃台部材ロック部12,27をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設けている。前記剃刀ヘッド13の首振り可能状態Bで剃刀ヘッド13の蓋部材15と剃刀ヘッド13の刃台部材14との間には刃台部材14に対する蓋部材15の開閉を不能にする蓋部材ロック部28,32をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設けている。剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで前記刃台部材ロック部12,27をロック状態からロック解除状態にするとともに前記蓋部材ロック部28,32をロック状態に維持する刃台部材押圧状態と、剃刀ヘッド13の首振り可能状態Bで前記蓋部材ロック部28,32をロック状態からロック解除状態にするとともに前記刃台部材ロック部12,27をロック解除状態に維持する蓋部材押圧状態とを取り得る操作部材6を備えている。第23の発明では、首振り可能状態Bと首振り不能状態Aとを取り得る剃刀ヘッド13において、操作部材6の刃台部材押圧状態で剃刀ヘッド13を首振り不能状態Aから首振り可能状態Bに容易にすることができる。また、操作部材6の蓋部材押圧状態で剃刀ヘッド13を首振り可能状態Bから刃部材交換可能状態Cに容易にすることができる。
【0029】
請求項10の発明または第23の発明を前提とする第24の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13の刃台部材14はホルダ1の頭部3に対し回動可能に支持され、前記剃刀ヘッド13の蓋部材15はこの刃台部材14に対し回動可能に支持されている。第24の発明では、ホルダ1の頭部3に対する刃台部材14の回動支持により剃刀ヘッド13の首振りを容易に行うことができるとともに、刃台部材14に対する蓋部材15の回動支持により刃台部材14に対する蓋部材15の開閉を容易に行うことができる。
【0030】
第24の発明を前提とする第25の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13の刃台部材14と前記剃刀ヘッド13の蓋部材15とは共通の回動中心16aで回動可能に支持されている。第25の発明では、共通の回動中心16aで兼用して、ホルダ1の頭部3に対する刃台部材14の回動支持構造と、刃台部材14に対する蓋部材15の回動支持構造とを簡単にすることができる。
【0031】
第25の発明を前提とする第26の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記刃台部材14及び蓋部材15の回動中心16aは剃刀ヘッド13における刃部材17の刃先21a側にあり、前記刃台部材ロック部12,27及び蓋部材ロック部28,32はその刃先21a側に対する反対側にある。第26の発明では、蓋部材15が刃台部材14に対し刃先21a側に開くため、刃台部材14に対する刃部材17の着脱を容易に行うことができる。また、刃台部材ロック部12,27及び蓋部材ロック部28,32が蓋部材15の刃先21a側に対する反対側にあるため、使用時に蓋部材15の刃先21a側に力をかけても刃台部材ロック部12,27及び蓋部材ロック部28,32が不用意にロック解除されにくい。
【0032】
第24の発明または第25の発明または第26の発明を前提とする第27の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13の刃台部材14はプッシャ7の付勢力により剃刀ヘッド13の首振り方向へ押圧され、前記操作部材6はこのプッシャ7に対し並べられている。第27の発明では、操作部材6をプッシャ7に並べた簡単な構造にすることができる。
【0033】
請求項6から請求項10のうちいずれか一つの請求項の発明、または、第19の発明から第27の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする第28の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、ホルダ1の頭部3に磁石11を設け、刃台部材14と蓋部材15との間に収容した刃部材17を剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで刃台部材14を通して磁石11により吸着可能であり、剃刀ヘッド13の首振り可能状態Bでは刃台部材14と蓋部材15との間に収容した刃部材17を吸着不能にする状態を含み、剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cでは刃部材17を吸着不能にする状態を含んでその吸着不能状態で刃部材17を剃刀ヘッド13の刃台部材14から離脱し得る。第28の発明では、剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで磁石11により吸着して剃刀ヘッド13に収容した刃部材17を、剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cで吸着不能にして剃刀ヘッド13の刃台部材14から離脱し得るため、刃部材17を剃刀ヘッド13に対し容易に着脱することができる。
【0034】
第28の発明を前提とする第29の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)にかかる剃刀ヘッド13の刃台部材14において、剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで磁石11に面する部分に透孔19を設けている。第29の発明では、剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで刃部材17を磁石11により透孔19を通して吸着して剃刀ヘッド13に収容することができる。
【0035】
第28の発明または第29の発明を前提とする第30の発明(第1実施形態及びその別例に対応)においては、刃部材17を収容したケース34を備え、剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cでケース34内の刃部材17に剃刀ヘッド13の刃台部材14を対向させてケース34内の刃部材17を刃台部材14を通して磁石11により吸着する。第30の発明では、磁石11を利用して刃部材17をケース34から容易に取り出すことができる。
【0036】
請求項1の発明を前提とする第31の発明(第1実施形態の別例に対応)においては、前記粘着による保持手段は粘着テープ37である。第31の発明では、粘着テープ37を利用して刃部材17に対する保持手段を容易に設けることができる。
【発明の効果】
【0037】
請求項1〜3の発明では、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際、吸着または粘着による保持手段11,37により、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0038】
請求項4〜5の発明では、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際、移換部材41により、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
請求項6〜7の発明では、首振り可能な剃刀ヘッド13において、刃台部材14に対する蓋部材15の開閉により刃部材17のみを交換することができるとともに、刃部材17以外の部品を交換せずに繰り返し利用することができる。
【0039】
請求項8〜10の発明では、首振り可能状態Bと首振り不能状態Aとを取り得る剃刀ヘッド13において、刃台部材14に対し蓋部材15を開いた刃部材交換可能状態Cで刃部材17のみを交換することができるとともに、刃部材17以外の部品を交換せずに繰り返し利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
まず、本発明の第1実施形態にかかる替刃式剃刀について図1、図2(a)及び図3〜8を参照して説明する。
図1(a)(b)(c)に示すホルダ1は、細長く延びる把持部2と、その把持部2の上端部から一体的に設けられた頭部3とからなる。図2(a)に示すように、そのホルダ1内には把持部2の上端部から頭部3にわたり細長い収容室4が形成されて頭部3の前端面3aで開口4aにより開放され、この頭部3上には収容室4と連通して上方へ開放された操作孔5が形成されている。この収容室4内には操作部材6とプッシャ7とが上下に並べられて収容され、操作部材6には操作孔5から露出する摘み6aが形成されている。操作部材6の前端部とプッシャ7の前端部とにはそれぞれ押圧部8,9が形成されて収容室4の開口4aで上下に並び、操作部材6の後端部とプッシャ7の後端部との間に介在されたばね10(圧縮コイルばね)の弾性力により、プッシャ7が収容室4の開口4a側へ付勢されているとともに、操作部材6がその開口4aに対し反対側になる収容室4の底部4b側へ付勢されている。この頭部3の前端部で収容室4の開口4aに対する左右両側には保持手段である磁力作用手段としての永久磁石11が左右方向で互いに約18mmの間隔をあけて埋設されて前方へ露出している。この頭部3の前端部には収容室4の開口4aよりも上方で且つ操作孔5に対する左右両側で刃台部材ロック部としての係止凹部12が形成されている。
【0041】
図1(a)(b)(c)に示す剃刀ヘッド13は、前記ホルダ1の頭部3の前端部に面する刃台部材14と、この刃台部材14の前側に面する蓋部材15とからなる。この頭部3の前端部には前記収容室4の開口4aよりも下方でこの刃台部材14の下端部と蓋部材15の下端部とが互いに連結され、図3(a)(b)(c)及び図4(a)(b)(c)に示すように頭部3と刃台部材14と蓋部材15とがそれぞれ支軸16により共通の回動中心16aで前後方向へ相対回動可能に支持されている。
【0042】
この刃台部材14には図5に示すように磁性体例えば金属により成形された刃部材17を嵌め込むための凹所18が形成され、その凹所18の底部に形成された左右両透孔19が前記左右両永久磁石11に対向している。この刃部材17は台座20と複数枚の刃体21とからなる。この台座20においては、段差状の載置台部22の上下両側から脚部23が載置台部22の裏側に突設され、この載置台部22の表側にはこの各刃体21が点溶接されて上下方向へ並設されている。この上下両脚部23においては、支持部24の左右両側に板ばね部25が形成され、この支持部24には着脱部としての複数の係止孔26が左右方向へ並設されている。この刃台部材14の凹所18に嵌め込まれた刃部材17のうち、上下両脚部23の左右両板ばね部25が凹所18の底部に対し載置され、載置台部22上の各刃体21が蓋部材15側に面している。ホルダ1の頭部3にある左右両永久磁石11は左右両透孔19を通して載置台部22の裏側に面している。この刃部材17は上下両脚部23の左右両板ばね部25による弾性で前後方向へ撓み得る。なお、前記刃台部材14及び蓋部材15の回動中心16aはこの刃部材17の刃先21a側にある。
【0043】
前記刃台部材14の上端部の左右両側には前記頭部3の左右両係止凹部12に対し係脱し得る刃台部材ロック部としての係止爪部27が後方へ突設されている。この刃台部材14の上端部には、この左右両係止爪部27間で蓋部材ロック部としての係止軸部28が架設され、この係止軸部28の下方で前記プッシャ7の押圧部9が圧接される押圧面29が形成されている。
【0044】
前記蓋部材15は、刃台部材14の凹所18に嵌め込まれた刃部材17のうち載置台部22上の各刃体21が露出する窓孔30aを枠体30の内側に有している。この枠体30の上枠部31の左右両側には前記刃台部材14の左右両係止爪部27が挿脱される凹部31aが形成されているとともに、この左右両凹部31a間で上枠部31には前記刃台部材14の係止軸部28に対し係脱される蓋部材ロック部としての係止爪部32が形成されている。この係止爪部32には前記操作部材6の押圧部8が圧接される押圧面33が形成されている。なお、この刃台部材14の係止軸部28及び蓋部材15の係止爪部32と、前記ホルダ1の頭部3の左右両係止凹部12及び刃台部材14の左右両係止爪部27とは、それぞれ刃部材17の刃先21a側に対する反対側にある。
【0045】
なお、剃刀ヘッド13において、刃先21aの延設方向に沿う左右方向長さについては、約40mmに設定されているが、約5〜70mmに設定することが好ましい。
さて、図1(a)(b)(c)及び図2(a)に示す首振り不能状態Aでは、剃刀ヘッド13において、ホルダ1の頭部3の前端面3aに重ねられた刃台部材14の左右両係止爪部27がその頭部3の左右両係止凹部12に係入されて刃台部材14がホルダ1の頭部3に対しロック状態になっているとともに、刃台部材14に重ねられた蓋部材15の係止爪部32が刃台部材14の係止軸部28に係合されて蓋部材15が刃台部材14に対しロック状態になっており、その刃台部材14と蓋部材15との間に収容された刃部材17の各刃体21が蓋部材15の窓孔30aから露出している。操作部材6はばね10の弾性力により収容室4の底部4b側へ付勢されて待機状態にあり、刃台部材14及び蓋部材15の押圧面29,33に対し離れてまたは接して刃台部材14及び蓋部材15のロック状態を維持している。プッシャ7はばね10の弾性力により収容室4の開口4a側へ付勢され、プッシャ7の押圧部9が刃台部材14の押圧面29を圧接しているが、前記頭部3の左右両係止凹部12に対する前記刃台部材14の左右両係止爪部27の係入状態は維持される。この首振り不能状態Aで、左右両永久磁石11と刃部材17の載置台部22の裏側との離間距離が約1.2mmに設定され、左右両永久磁石11が刃部材17に対し吸着力を働かすことができる。なお、永久磁石11の磁力の強さに応じてこの離間距離を変更してもよい。
【0046】
前記首振り不能状態Aで操作部材6の摘み6aをばね10の弾性力に抗して押すと、収容室4の開口4aから突出した操作部材6の押圧部8が刃台部材14の押圧面29を圧接して操作部材6が刃台部材押圧状態となり、刃台部材14の左右両係止爪部27がホルダ1の頭部3の左右両係止凹部12から離脱されて刃台部材14がホルダ1の頭部3に対しロック解除状態になるとともに、ばね10の弾性力により収容室4の開口4a側へ付勢されたプッシャ7の押圧部9が突出して刃台部材14の押圧面29を圧接する。その後、操作部材6の摘み6aを離すと、操作部材6がばね10の弾性力により収容室4の底部4b側へ戻ってその押圧部8が刃台部材14の押圧面29から離れるとともに、操作部材6の押圧部8が蓋部材15の押圧面33に対し離れたままで蓋部材15のロック状態を維持し、図3(a)(b)に示す首振り可能状態Bになる。その首振り可能状態Bで、剃刀ヘッド13は、刃部材17の各刃体21の刃先21aの下方にある回動中心16aを中心に所定範囲角度(例えば0〜45度)だけプッシャ7で圧接されながら回動してホルダ1の頭部3に対し首振りし得る。その首振りにより、左右両永久磁石11に対し剃刀ヘッド13の刃部材17を接近または離間させて刃部材17と左右両永久磁石11との間の距離を変更することができる距離変更手段が、その刃部材17に対する左右両永久磁石11の磁力を変化させる磁力変更手段として機能する。この首振り可能状態Bでは、ホルダ1の頭部3に対する剃刀ヘッド13の前方への首振り角度が大きくなるほど、刃部材17に対する左右両永久磁石11の吸着力が小さくなり、左右両永久磁石11は前方への所定首振り角度で刃部材17を吸着不能になる。
【0047】
図3(c)に示すように前記首振り可能状態Bで操作部材6の摘み6aをばね10の弾性力に抗して押すと、収容室4の開口4aから突出した操作部材6の押圧部8が蓋部材15の押圧面33を圧接して操作部材6が蓋部材押圧状態となり、刃台部材14に重ねられた蓋部材15の係止爪部32が刃台部材14の係止軸部28から離脱されて蓋部材15が刃台部材14に対しロック解除状態になる。その後、操作部材6の摘み6aを離すと、操作部材6がばね10の弾性力により収容室4の底部4b側へ戻って解除状態となり、その押圧部8が蓋部材15の押圧面33から離れるとともに、操作部材6の押圧部8が刃台部材14の押圧面29に対し離れたままで刃台部材14のロック解除状態を維持し、図4(a)(b)に示す刃部材交換可能状態Cになる。前記首振り可能状態Bにおいて前方への任意の各首振り角度でそれぞれこの刃部材交換可能状態Cにすることができ、この刃部材交換可能状態Cで蓋部材15が回動中心16aを中心に所定範囲角度だけ回動して刃台部材14からを開き、左右両永久磁石11が刃部材17を吸着不能になって図4(c)に示すように刃部材17が刃台部材14から離脱可能となり、刃部材17を直接手で触れずに刃台部材14から落下させることができる。
【0048】
図6(a)に示すように回動可能に支持された各蓋体35により閉塞されたケース34においては、図6(b)に示すように並設された各収容室36内に前記刃部材17がその両脚部23側を蓋体35側に向けて収容される。
【0049】
図4(c)に示す刃部材交換可能状態Cにある剃刀ヘッド13の刃台部材14を図7(a)に示すようにこのケース34内の収容室36の内周部に嵌め込んで、この収容室36内の刃部材17を刃台部材14に当てがうと、刃部材17には刃台部材14の凹所18で左右両永久磁石11の磁力が十分に働いていないために刃部材17が左右両永久磁石11に吸着されない。その後、図7(b)に示すようにプッシャ7を付勢するばね10の弾性力に抗してホルダ1の頭部3を回動中心16aを中心に回動させて刃台部材14に重ねると、刃台部材14がホルダ1の頭部3に対しロック状態となり、その頭部3にある左右両永久磁石11が刃部材17の載置台部22の裏側に対し透孔19による隙間をあけて接近し、刃部材17が刃台部材14の凹所18で左右両永久磁石11の磁力により吸着される。図7(b)に示す状態から、刃台部材14をケース34の収容室36から離脱させると、図8(a)(b)に示すように収容室36から取り出された刃部材17が左右両永久磁石11の磁力により吸着されたまま刃台部材14の凹所18に嵌め込まれた状態を維持することができる。図8(a)(b)に示す状態から蓋部材15を回動中心16aを中心に回動させて刃台部材14に対しロック状態にすると、図1(a)(b)(c)及び図2(a)に示す首振り不能状態Aに戻る。従って、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0050】
図2(b)に示す第1実施形態の別例では、前記左右両永久磁石11に代えて保持手段としての粘着テープ37がホルダ1の頭部3に取着され、刃台部材14の凹所18に嵌め込まれた刃部材17のうち上下両脚部23の左右両板ばね部25がこの粘着テープ37に接触して着脱可能に保持される。従って、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0051】
次に、本発明の第2実施形態にかかる替刃式剃刀について第1実施形態との相違点を中心に図9〜11を参照して説明する。
図9(a)に示すように蓋体39で閉塞されたケース38においては、図9(b)及び図10(a)に示すように並設された各収容室40内に前記刃部材17がその両脚部23側を下向きにして収容される。
【0052】
図9(c)に示す細長い環状の移換部材41においては、基端側に形成されたU状の摘み42から二本の弾性腕部43が互いに隙間をあけて延設されて先端側でU状につながれ、この両弾性腕部43の長手方向中央部付近には着脱部としての係止突部44が形成されている。図10(a)に示すようにこの移換部材41の両弾性腕部43をケース38の収容室40で刃部材17の両脚部23間に対し刃部材17の刃先21aに沿って挿入し、この両弾性腕部43の係止突部44の斜面を両脚部23に押し当てるか、または、U状の摘み42を押し狭めると、両弾性腕部43が弾性に抗して撓んで両弾性腕部43の係止突部44が両脚部23の係止孔26に係入される。その後、この移換部材41を刃部材17とともに収容室40から離脱させると、図10(b)に示すように移換部材41と刃部材17とが互いに連結された連結状態となる。図11(a)に示すように剃刀ヘッド13において蓋部材15を開いた刃台部材14の凹所18に相互連結状態の移換部材41及び刃部材17を載せた後、図11(b)に示すように刃台部材14に対し蓋部材15を閉じてロック状態にすると、移換部材41の両弾性腕部43と刃部材17とが刃台部材14と蓋部材15との間に収容されるとともに、刃台部材14と蓋部材15との間で形成された側孔45から移換部材41の摘み42が突出する。その後、剃刀ヘッド13で刃部材17の両脚部23間に挿入された移換部材41を剃刀ヘッド13から外側へ引くと、両弾性腕部43の係止突部44の斜面が両脚部23の係止孔26に押し当てられて両弾性腕部43が弾性に抗して撓んで両弾性腕部43の係止突部44が両脚部23の係止孔26から離脱され、移換部材41のみが剃刀ヘッド13から引き出され、図11(c)に示すように移換部材41と刃部材17とが互いに分離状態となり、移換部材41が剃刀ヘッド13から離脱されるとともに、刃部材17のみが刃台部材14と蓋部材15との間で収容される。従って、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0053】
本実施形態は主に下記の効果を有する。
* 第1実施形態で前述したように、ホルダ1の頭部3に設けた左右両永久磁石11を利用して、刃部材17をケース34から取り出して剃刀ヘッド13に収容することができる。その際、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0054】
* 第1実施形態で前述したように、剃刀ヘッド13を首振りさせて蓋部材15を開くと、左右両永久磁石11が刃部材17を吸着不能になって刃部材17を直接手で触れずに刃台部材14から落下させ、刃部材17をケース34,38に戻したり廃棄したりすることができる。
【0055】
* 第1実施形態の別例で前述したように、ホルダ1の頭部3に設けた粘着テープ37を利用して、刃部材17をケース34から取り出して剃刀ヘッド13に収容することができる。その際、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0056】
* 第2実施形態で前述したように、移換部材41を利用して、ケース38から取り出した刃部材17を剃刀ヘッド13に収容することができる。その際、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0057】
* 第1実施形態で前述したように、首振り可能状態Bと首振り不能状態Aとを取り得る剃刀ヘッド13において、刃台部材14に対し蓋部材15を開いた刃部材交換可能状態Cで刃部材17のみを交換することができるとともに、刃部材17以外の部品を交換せずに繰り返し利用することができる。
【0058】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 第2実施形態では、第1実施形態と同様に永久磁石11を備えているが、その永久磁石11を省略してもよい。
【0059】
・ 刃部材17を吸着する磁力作用手段としての磁石については、永久磁石11以外に、ホルダ1の頭部3に取り付ける電磁石(図示せず)を採用してもよい。
・ この磁力作用手段に代えて電気力作用手段(図示せず)を採用してもよい。その電気力作用手段については、例えば、ホルダ1の頭部3に取り付ける静電気発生手段(図示せず)を採用する。
【0060】
・ 吸着による保持手段としては、この磁力作用手段及び電気力作用手段に代えて、ホルダ1の頭部3に取り付けたエア吸引手段(図示せず)を採用してもよい。
・ 操作部材6については、首振り不能状態Aから首振り可能状態Bにするとともに首振り可能状態Bから刃部材交換可能状態Cにし得るばかりでなく、首振り不能状態Aから刃部材交換可能状態Cにし得るようにしてもよい。その際、首振り不能状態Aから首振り可能状態Bにするとともに首振り可能状態Bから刃部材交換可能状態Cにする操作部材6と、首振り不能状態Aから刃部材交換可能状態Cにする操作部材6とを互いに分けて設けてもよい。
【0061】
・ 刃台部材14においては、透孔19を省略し、凹所18の底部を磁力線を通すもので閉塞してもよい。
・ 頭部3の係止凹部12と刃台部材14の係止爪部27とからなる刃台部材ロック部において、逆に、頭部3に係止爪部27を設けるとともに刃台部材14に係止凹部12を設けてもよい。また、刃台部材14の係止軸部28と蓋部材15の係止爪部32とからなる蓋部材ロック部において、逆に、刃台部材14に係止爪部32を設けるとともに蓋部材15に係止軸部28を設けてもよい。
【0062】
・ 頭部3の係止凹部12と刃台部材14の係止爪部27とからなる刃台部材ロック部において、その係止凹部12と係止爪部27とを互いに吸着される永久磁石に変更してもよい。また、刃台部材14の係止軸部28と蓋部材15の係止爪部32とからなる蓋部材ロック部において、その係止軸部28と係止爪部32とを互いに吸着される永久磁石に変更してもよい。
【0063】
・ 刃部材17を吸着または粘着させて剃刀ヘッド13に保持し得る保持手段については、ホルダ1の頭部3に代えて刃台部材14や蓋部材15に設けてもよい。
・ 剃刀ヘッド13において刃台部材14の回動中心16aと蓋部材15の回動中心16aとを互いに別々の支軸16により設けてもよい。
【0064】
・ 刃部材17において刃体21の数を4枚以外の複数にしたり、台座を省略した一枚の刃体からなる刃部材にしたりしてもよい。
・ 前述した実施形態では、剃刀の全部品やケース34,38を金属により成形しているが、刃部材17等を除く各部品を樹脂により成形してもよい。
【0065】
・ 蓋部材15を金属により成形した場合、その表面にフッ素樹脂やシリコーン樹脂のコーティングを施してもよい。
・ 蓋部材15を樹脂により成形した場合、その樹脂にフッ素樹脂やシリコーンオイルを適量添加してもよい。
【0066】
・ 剃刀ヘッド13やホルダ1やケース34,38を樹脂等の透明体により成形してそれらの内部構造を視認できるようにしてもよい。
・ 蓋部材15において刃部材17に対する上側と下側と左右両側とのうちいずれかにシェービングエイドを設けてもよい。その際、シェービングエイドにトルマリンやシアバターや炭成分を適量添加してもよい。
【0067】
・ 未使用の刃部材17と使用後の刃部材17とを区別し得るように刃部材17の使用前後の状態を識別することができる機能や手段を設けてもよい。例えば、刃部材17の装着から離脱までの間に刃台部材14に対し蓋部材15を閉じた際、蓋部材15側に設けたスタンプのような印付与手段により、一度収容された刃部材17に印を付し、その印により刃部材17の使用の有無を区別する。また、刃部材17の装着から離脱までの間に刃台部材14に対し蓋部材15を閉じた際、刃部材17に対し予め設けられた変形可能部分或いは易損部分が蓋部材15により力を受けて変形若しくは損傷し、その変形若しくは損傷により刃部材17の使用の有無を区別する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】(a)は第1実施形態にかかる替刃式剃刀において首振り不能状態を示す側面図であり、(b)は(a)の部分拡大側面図であり、(c)は(a)の部分拡大斜視図である。
【図2】(a)は図1(b)を側面から見た部分拡大断面図であり、(b)は第1実施形態の別例にかかる剃刀を側面から見た部分拡大断面図である。
【図3】(a)は第1実施形態にかかる替刃式剃刀において首振り可能状態を示す部分拡大側面図であり、(b)は(a)の部分拡大斜視図であり、(c)は首振り可能状態から刃部材交換可能状態にする途中の状態を示す部分拡大側面図である。
【図4】(a)は第1実施形態にかかる替刃式剃刀において刃部材交換可能状態を示す部分拡大側面図であり、(b)は(a)の部分拡大斜視図であり、(c)は(b)において刃部材を剃刀ヘッドから離脱させた状態を示す部分拡大斜視図である。
【図5】(a)は刃部材を示す分解斜視図であり、(b)は同じく組付斜視図である。
【図6】(a)は第1実施形態にかかる刃部材収容ケースにおいて蓋閉塞状態を示す斜視図であり、(b)は同じく蓋開放状態を示す斜視図である。
【図7】(a)(b)はそれぞれ第1実施形態にかかる刃部材収容ケースの蓋開放状態で第1実施形態にかかる剃刀の剃刀ヘッドに刃部材を収容する状態を示す部分拡大断面図である。
【図8】(a)は図7(b)の状態にある替刃式剃刀を示す部分拡大側面図であり、(b)は同じく部分拡大斜視図である。
【図9】(a)は第2実施形態にかかる刃部材収容ケースにおいて蓋閉塞状態を示す斜視図であり、(b)は同じく蓋開放状態を示す斜視図であり、(c)は第2実施形態にかかる移換部材を示す斜視図である。
【図10】(a)はその移換部材を刃部材収容ケースに挿入して移換部材に刃部材を連結した状態を示す一部切欠き斜視図であり、(b)は刃部材を連結した移換部材を刃部材収容ケースから離脱させた状態を示す斜視図である。
【図11】(a)は第2実施形態にかかる替刃式剃刀で刃部材交換可能状態にある剃刀ヘッドにおいて刃部材を連結した移換部材を刃台部材に載せた状態を示す斜視図であり、(b)はその剃刀ヘッドにおいて刃部材を連結した移換部材を刃台部材と蓋部材との間に収容した状態を示す斜視図であり、(c)はその剃刀ヘッドから移換部材のみを離脱させた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
1…ホルダ、3…ホルダの頭部、6…操作部材、11…保持手段である磁力作用手段としての永久磁石、12…頭部の刃台部材ロック部としての係止凹部、13…剃刀ヘッド、14…剃刀ヘッドの刃台部材、15…剃刀ヘッドの蓋部材、17…剃刀ヘッドの刃部材、26…刃部材の着脱部としての係止孔、27…刃台部材の刃台部材ロック部としての係止爪部、28…刃台部材の蓋部材ロック部としての係止軸部、32…蓋部材の蓋部材ロック部としての係止爪部、37…保持手段である粘着テープ、41…移換部材、44…移換部材の着脱部としての係止突部、A…首振り不能状態、B…首振り可能状態、C…刃部材交換可能状態。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホルダの頭部に剃刀ヘッドを支持した替刃式剃刀に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1では、その第2図に示す刃部材(上下両刃体4,5とそれらの間のスペーサー1とからなる組付体)がその第1図に示すホルダの頭部(刃台部14と上板部17とそれらの間の収容間隙とからなる頭部)でその収容間隙に対し装着されている。しかし、その刃部材を直接手で触れてホルダの頭部に装着しなければならなかった。
【0003】
また、従来、下記特許文献2では、ホルダの頭部で開閉可能に取り付けられた両支持アームに対し、刃部材を装着した剃刀ヘッドが着脱可能に支持されて首振りし得る。しかし、剃刀ヘッドの全体を交換する必要があった。
【特許文献1】実公昭55−30450号公報
【特許文献2】特開2007−215590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、刃部材を直接手で触れずに剃刀ヘッドに装着することができる替刃式剃刀を提供することを目的としている。また、この発明は、首振りし得る剃刀ヘッドにおいて刃部材のみを交換することができる替刃式剃刀を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
後記実施形態の図面(図1、図2(a)及び図3〜8に示す第1実施形態、図2(b)に示す第1実施形態の別例、図9〜11に示す第2実施形態)の符号を援用して本発明を説明する。
【0006】
請求項1の発明にかかる替刃式剃刀は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、ホルダ1の頭部3に支持した剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cで刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際に、その刃部材17を吸着または粘着させて剃刀ヘッド13に保持し得る保持手段11,37を備えている。請求項1の発明では、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際、吸着または粘着による保持手段11,37により刃部材17を保持し得るため、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができ、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容し易い。
【0007】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)においては、前記吸着は磁力作用手段11または電気力作用手段により生じる。請求項2の発明では、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際、磁力作用手段11または電気力作用手段による吸着により刃部材17を保持し得るため、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができ、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容し易い。
【0008】
請求項2の発明を前提とする請求項3の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)においては、前記磁力作用手段11または電気力作用手段はホルダ1の頭部3に設けられている。請求項3の発明では、磁力作用手段11または電気力作用手段を設け易い。
【0009】
請求項4の発明にかかる替刃式剃刀は、第2実施形態に対応し、ホルダ1の頭部3に支持した剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cで刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際に、その刃部材17を保持して剃刀ヘッド13に移換し得る移換部材41を備えている。請求項4の発明では、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際、移換部材41により、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができ、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容し易い。
【0010】
請求項4の発明を前提とする請求項5の発明(第2実施形態に対応)においては、前記移換部材41と刃部材17との間には例えば弾性的に係脱し得る着脱部44,26を連結状態と分離状態とを取り得るように設けている。請求項5の発明では、移換部材41と刃部材17とを着脱部44,26により互いに着脱し得るため、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができ、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容し易い。
【0011】
請求項6の発明にかかる替刃式剃刀は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
ホルダ1の頭部3に支持した剃刀ヘッド13は、刃台部材14と、刃台部材14に対し開閉可能に支持した蓋部材15と、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じてその刃台部材14と蓋部材15との間に収容した刃部材17とを有し、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じて刃部材17を収容した状態でホルダ1の頭部3に対し首振り可能に支持された首振り可能状態Bと、刃台部材14に対し蓋部材15を開いて刃部材17を交換可能にした刃部材交換可能状態Cとを取り得る。請求項6の発明では、首振り可能な剃刀ヘッド13において、刃台部材14に対する蓋部材15の開閉により刃部材17のみを交換することができる。
【0012】
請求項6の発明を前提とする請求項7の発明は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
前記ホルダ1には剃刀ヘッド13を首振り可能状態Bから刃部材交換可能状態Cにし得る操作部材6を設けている。前記剃刀ヘッド13の首振り可能状態Bで剃刀ヘッド13の蓋部材15と剃刀ヘッド13の刃台部材14との間には、刃台部材14に対する蓋部材15の開閉を不能にする蓋部材ロック部28,32をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設けている。この操作部材6は、剃刀ヘッド13の首振り可能状態Bでこの蓋部材ロック部28,32をロック状態からロック解除状態にする蓋部材押圧状態を取り得る。請求項7の発明では、首振り可能な剃刀ヘッド13において、操作部材6により蓋部材ロック部28,32をロック状態からロック解除状態に切り換えることにより、刃台部材14に対する蓋部材15の開閉を容易に行うことができる。
【0013】
請求項8の発明にかかる替刃式剃刀は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
ホルダ1の頭部3に支持した剃刀ヘッド13は、刃台部材14と、刃台部材14に対し開閉可能に支持した蓋部材15と、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じてその刃台部材14と蓋部材15との間に収容した刃部材17とを有し、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じて刃部材17を収容した状態でホルダ1の頭部3に対し首振り可能に支持された首振り可能状態Bと、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じて刃部材17を収容した状態でホルダ1の頭部3に対し首振り不能に支持された首振り不能状態Aと、刃台部材14に対し蓋部材15を開いて刃部材17を交換可能にした刃部材交換可能状態Cとを取り得る。請求項8の発明では、首振り可能状態Bと首振り不能状態Aとを取り得る剃刀ヘッド13において、刃台部材14に対し蓋部材15を開いた刃部材交換可能状態Cで刃部材17のみを交換することができる。
【0014】
請求項8の発明を前提とする請求項9の発明は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
前記ホルダ1には剃刀ヘッド13を首振り不能状態Aから首振り可能状態Bにするとともに首振り可能状態Bから刃部材交換可能状態Cにし得るか、または、首振り不能状態Aから首振り可能状態Bにするとともに首振り不能状態Aから刃部材交換可能状態Cにし得る操作部材6を設けている。前記剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで剃刀ヘッド13の刃台部材14とホルダ1の頭部3との間には剃刀ヘッド13の首振りを不能にする刃台部材ロック部12,27をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設けている。剃刀ヘッド13の蓋部材15と剃刀ヘッド13の刃台部材14との間には刃台部材14に対する蓋部材15の開閉を不能にする蓋部材ロック部28,32をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設けている。請求項9の発明では、首振り可能状態Bと首振り不能状態Aとを取り得る剃刀ヘッド13において、操作部材6により刃台部材ロック部12,27をロック状態からロック解除状態に切り換えることにより、剃刀ヘッド13を首振り不能状態Aから首振り可能状態Bに容易にすることができる。また、操作部材6により蓋部材ロック部28,32をロック状態からロック解除状態に切り換えることにより、剃刀ヘッド13を首振り可能状態Bから刃部材交換可能状態Cに容易にすることができる。さらに、操作部材6により刃台部材ロック部12,27をロック状態からロック解除状態に切り換えるとともに蓋部材ロック部28,32をロック状態からロック解除状態に切り換えることにより、剃刀ヘッド13を首振り不能状態Aから刃部材交換可能状態Cに容易にすることができる。
【0015】
請求項9の発明を前提とする請求項10の発明は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
前記操作部材6は、下記の待機状態と刃台部材押圧状態と蓋部材押圧状態と解除状態とを取り得る。前記待機状態では、剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで前記刃台部材ロック部12,27をロック状態に維持するとともに前記蓋部材ロック部28,32をロック状態に維持する。前記刃台部材押圧状態では、剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで前記刃台部材ロック部12,27をロック状態からロック解除状態にするとともに前記蓋部材ロック部28,32をロック状態に維持する。前記蓋部材押圧状態では、剃刀ヘッド13の首振り可能状態Bで前記蓋部材ロック部28,32をロック状態からロック解除状態にするとともに前記刃台部材ロック部12,27をロック解除状態に維持する。前記解除状態では、剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cで前記蓋部材ロック部28,32をロック解除状態に維持するとともに前記刃台部材ロック部12,27をロック解除状態に維持する。請求項10の発明では、待機状態と刃台部材押圧状態と蓋部材押圧状態と解除状態とを取り得る操作部材6により、剃刀ヘッド13を首振り不能状態Aと首振り可能状態Bと刃部材交換可能状態Cとに維持するとともに容易に切り換えることができる。
【0016】
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項3の発明を前提とする第11の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)において、前記磁力作用手段11は剃刀ヘッド13の刃部材17に面している。第11の発明では、磁力作用手段11により、刃部材17を容易に吸着することができる。
【0017】
第11の発明を前提とする第12の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)においては、前記刃部材17に対する磁力作用手段11の磁力を変化させる磁力変更手段を備えている。第12の発明では、磁力変更手段により、磁力作用手段11による刃部材17の吸着度を吸着不能状態を含めて変更して刃部材17を容易に吸着または吸着解除することができる。
【0018】
第12の発明を前提とする第13の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)において、前記磁力変更手段は剃刀ヘッド13の刃部材17と磁力作用手段11との間の距離を変更し得る距離変更手段である。第13の発明では、距離変更手段により、磁力作用手段11による刃部材17の吸着度を容易に変更することができる。
【0019】
第13の発明を前提とする第14の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)において、前記距離変更手段は、磁力作用手段11に対し剃刀ヘッド13の刃部材17を接近または離間させるようにホルダ1の頭部3に対し剃刀ヘッド13を首振り可能に支持したものである。第14の発明では、剃刀ヘッド13の首振り動作を利用して距離変更手段を容易に設けることができる。
【0020】
請求項2の発明または請求項3の発明または第11の発明または第12の発明または第13の発明または第14の発明を前提とする第15の発明(第1実施形態並びに第2実施形態に対応)において、前記磁力作用手段は磁石11である。第15の発明では、磁石11を利用して磁力作用手段を容易に設けることができる。
【0021】
請求項5の発明を前提とする第16の発明(第2実施形態に対応)においては、連結状態にある刃部材17と移換部材41とを刃部材交換可能状態Cで剃刀ヘッド13に支持し、その刃部材17と移換部材41とを分離状態にし、移換部材41のみを剃刀ヘッド13から離脱させて刃部材17のみを剃刀ヘッド13に収容する。第16の発明では、移換部材41を利用して刃部材17を剃刀ヘッド13に容易に収容することができる。
【0022】
請求項5の発明を前提とする第17の発明(第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13は、刃台部材14と、刃台部材14に対し開閉可能に支持した蓋部材15と、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じてその刃台部材14と蓋部材15との間に収容した刃部材17とを有し、刃台部材14に対し蓋部材15を開いて刃部材17を交換可能にした刃部材交換可能状態Cを取り、連結状態にある刃部材17と移換部材41とをその刃部材交換可能状態Cで剃刀ヘッド13に支持し、刃台部材14に対し蓋部材15を閉じた状態でその刃部材17と移換部材41とを分離状態にし、移換部材41のみを剃刀ヘッド13から離脱させて刃部材17のみを剃刀ヘッド13に収容する。第17の発明では、移換部材41を利用して刃部材17を剃刀ヘッド13に容易に収容することができる。
【0023】
第17の発明を前提とする第18の発明(第2実施形態に対応)においては、刃部材17を収容したケース38を備え、そのケース38に移換部材41を挿入して刃部材17と移換部材41とを連結状態にし、連結状態にある刃部材17と移換部材41とをケース38から離脱させる。第18の発明では、移換部材41を利用して刃部材17をケース38から容易に取り出すことができる。
【0024】
請求項7の発明を前提とする第19の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13の刃台部材14はホルダ1の頭部3に対し回動可能に支持され、前記剃刀ヘッド13の蓋部材15はこの刃台部材14に対し回動可能に支持されている。第19の発明では、ホルダ1の頭部3に対する刃台部材14の回動支持により剃刀ヘッド13の首振りを容易に行うことができるとともに、刃台部材14に対する蓋部材15の回動支持により刃台部材14に対する蓋部材15の開閉を容易に行うことができる。
【0025】
第19の発明を前提とする第20の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13の刃台部材14と前記剃刀ヘッド13の蓋部材15とは共通の回動中心16aで回動可能に支持されている。第20の発明では、共通の回動中心16aで兼用して、ホルダ1の頭部3に対する刃台部材14の回動支持構造と、刃台部材14に対する蓋部材15の回動支持構造とを簡単にすることができる。
【0026】
第20の発明を前提とする第21の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記刃台部材14及び蓋部材15の回動中心16aは剃刀ヘッド13における刃部材17の刃先21a側にあり、前記蓋部材ロック部28,32はその刃先21a側に対する反対側にある。第21の発明では、蓋部材15が刃台部材14に対し刃先21a側に開くため、刃台部材14に対する刃部材17の着脱を容易に行うことができる。また、蓋部材ロック部28,32が蓋部材15の刃先21a側に対する反対側にあるため、使用時に蓋部材15の刃先21a側に力をかけても蓋部材ロック部28,32が不用意にロック解除されにくい。
【0027】
第19の発明または第20の発明または第21の発明を前提とする第22の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13の刃台部材14はプッシャ7の付勢力により剃刀ヘッド13の首振り方向へ押圧され、前記操作部材6はこのプッシャ7に対し並べられている。第22の発明では、操作部材6をプッシャ7に並べた簡単な構造にすることができる。
【0028】
請求項8の発明を前提とする第23の発明は、第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
前記剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで剃刀ヘッド13の刃台部材14とホルダ1の頭部3との間には剃刀ヘッド13の首振りを不能にする刃台部材ロック部12,27をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設けている。前記剃刀ヘッド13の首振り可能状態Bで剃刀ヘッド13の蓋部材15と剃刀ヘッド13の刃台部材14との間には刃台部材14に対する蓋部材15の開閉を不能にする蓋部材ロック部28,32をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設けている。剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで前記刃台部材ロック部12,27をロック状態からロック解除状態にするとともに前記蓋部材ロック部28,32をロック状態に維持する刃台部材押圧状態と、剃刀ヘッド13の首振り可能状態Bで前記蓋部材ロック部28,32をロック状態からロック解除状態にするとともに前記刃台部材ロック部12,27をロック解除状態に維持する蓋部材押圧状態とを取り得る操作部材6を備えている。第23の発明では、首振り可能状態Bと首振り不能状態Aとを取り得る剃刀ヘッド13において、操作部材6の刃台部材押圧状態で剃刀ヘッド13を首振り不能状態Aから首振り可能状態Bに容易にすることができる。また、操作部材6の蓋部材押圧状態で剃刀ヘッド13を首振り可能状態Bから刃部材交換可能状態Cに容易にすることができる。
【0029】
請求項10の発明または第23の発明を前提とする第24の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13の刃台部材14はホルダ1の頭部3に対し回動可能に支持され、前記剃刀ヘッド13の蓋部材15はこの刃台部材14に対し回動可能に支持されている。第24の発明では、ホルダ1の頭部3に対する刃台部材14の回動支持により剃刀ヘッド13の首振りを容易に行うことができるとともに、刃台部材14に対する蓋部材15の回動支持により刃台部材14に対する蓋部材15の開閉を容易に行うことができる。
【0030】
第24の発明を前提とする第25の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13の刃台部材14と前記剃刀ヘッド13の蓋部材15とは共通の回動中心16aで回動可能に支持されている。第25の発明では、共通の回動中心16aで兼用して、ホルダ1の頭部3に対する刃台部材14の回動支持構造と、刃台部材14に対する蓋部材15の回動支持構造とを簡単にすることができる。
【0031】
第25の発明を前提とする第26の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記刃台部材14及び蓋部材15の回動中心16aは剃刀ヘッド13における刃部材17の刃先21a側にあり、前記刃台部材ロック部12,27及び蓋部材ロック部28,32はその刃先21a側に対する反対側にある。第26の発明では、蓋部材15が刃台部材14に対し刃先21a側に開くため、刃台部材14に対する刃部材17の着脱を容易に行うことができる。また、刃台部材ロック部12,27及び蓋部材ロック部28,32が蓋部材15の刃先21a側に対する反対側にあるため、使用時に蓋部材15の刃先21a側に力をかけても刃台部材ロック部12,27及び蓋部材ロック部28,32が不用意にロック解除されにくい。
【0032】
第24の発明または第25の発明または第26の発明を前提とする第27の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド13の刃台部材14はプッシャ7の付勢力により剃刀ヘッド13の首振り方向へ押圧され、前記操作部材6はこのプッシャ7に対し並べられている。第27の発明では、操作部材6をプッシャ7に並べた簡単な構造にすることができる。
【0033】
請求項6から請求項10のうちいずれか一つの請求項の発明、または、第19の発明から第27の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする第28の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)において、ホルダ1の頭部3に磁石11を設け、刃台部材14と蓋部材15との間に収容した刃部材17を剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで刃台部材14を通して磁石11により吸着可能であり、剃刀ヘッド13の首振り可能状態Bでは刃台部材14と蓋部材15との間に収容した刃部材17を吸着不能にする状態を含み、剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cでは刃部材17を吸着不能にする状態を含んでその吸着不能状態で刃部材17を剃刀ヘッド13の刃台部材14から離脱し得る。第28の発明では、剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで磁石11により吸着して剃刀ヘッド13に収容した刃部材17を、剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cで吸着不能にして剃刀ヘッド13の刃台部材14から離脱し得るため、刃部材17を剃刀ヘッド13に対し容易に着脱することができる。
【0034】
第28の発明を前提とする第29の発明(第1実施形態及びその別例並びに第2実施形態に対応)にかかる剃刀ヘッド13の刃台部材14において、剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで磁石11に面する部分に透孔19を設けている。第29の発明では、剃刀ヘッド13の首振り不能状態Aで刃部材17を磁石11により透孔19を通して吸着して剃刀ヘッド13に収容することができる。
【0035】
第28の発明または第29の発明を前提とする第30の発明(第1実施形態及びその別例に対応)においては、刃部材17を収容したケース34を備え、剃刀ヘッド13の刃部材交換可能状態Cでケース34内の刃部材17に剃刀ヘッド13の刃台部材14を対向させてケース34内の刃部材17を刃台部材14を通して磁石11により吸着する。第30の発明では、磁石11を利用して刃部材17をケース34から容易に取り出すことができる。
【0036】
請求項1の発明を前提とする第31の発明(第1実施形態の別例に対応)においては、前記粘着による保持手段は粘着テープ37である。第31の発明では、粘着テープ37を利用して刃部材17に対する保持手段を容易に設けることができる。
【発明の効果】
【0037】
請求項1〜3の発明では、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際、吸着または粘着による保持手段11,37により、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0038】
請求項4〜5の発明では、刃部材17を剃刀ヘッド13に収容する際、移換部材41により、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
請求項6〜7の発明では、首振り可能な剃刀ヘッド13において、刃台部材14に対する蓋部材15の開閉により刃部材17のみを交換することができるとともに、刃部材17以外の部品を交換せずに繰り返し利用することができる。
【0039】
請求項8〜10の発明では、首振り可能状態Bと首振り不能状態Aとを取り得る剃刀ヘッド13において、刃台部材14に対し蓋部材15を開いた刃部材交換可能状態Cで刃部材17のみを交換することができるとともに、刃部材17以外の部品を交換せずに繰り返し利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
まず、本発明の第1実施形態にかかる替刃式剃刀について図1、図2(a)及び図3〜8を参照して説明する。
図1(a)(b)(c)に示すホルダ1は、細長く延びる把持部2と、その把持部2の上端部から一体的に設けられた頭部3とからなる。図2(a)に示すように、そのホルダ1内には把持部2の上端部から頭部3にわたり細長い収容室4が形成されて頭部3の前端面3aで開口4aにより開放され、この頭部3上には収容室4と連通して上方へ開放された操作孔5が形成されている。この収容室4内には操作部材6とプッシャ7とが上下に並べられて収容され、操作部材6には操作孔5から露出する摘み6aが形成されている。操作部材6の前端部とプッシャ7の前端部とにはそれぞれ押圧部8,9が形成されて収容室4の開口4aで上下に並び、操作部材6の後端部とプッシャ7の後端部との間に介在されたばね10(圧縮コイルばね)の弾性力により、プッシャ7が収容室4の開口4a側へ付勢されているとともに、操作部材6がその開口4aに対し反対側になる収容室4の底部4b側へ付勢されている。この頭部3の前端部で収容室4の開口4aに対する左右両側には保持手段である磁力作用手段としての永久磁石11が左右方向で互いに約18mmの間隔をあけて埋設されて前方へ露出している。この頭部3の前端部には収容室4の開口4aよりも上方で且つ操作孔5に対する左右両側で刃台部材ロック部としての係止凹部12が形成されている。
【0041】
図1(a)(b)(c)に示す剃刀ヘッド13は、前記ホルダ1の頭部3の前端部に面する刃台部材14と、この刃台部材14の前側に面する蓋部材15とからなる。この頭部3の前端部には前記収容室4の開口4aよりも下方でこの刃台部材14の下端部と蓋部材15の下端部とが互いに連結され、図3(a)(b)(c)及び図4(a)(b)(c)に示すように頭部3と刃台部材14と蓋部材15とがそれぞれ支軸16により共通の回動中心16aで前後方向へ相対回動可能に支持されている。
【0042】
この刃台部材14には図5に示すように磁性体例えば金属により成形された刃部材17を嵌め込むための凹所18が形成され、その凹所18の底部に形成された左右両透孔19が前記左右両永久磁石11に対向している。この刃部材17は台座20と複数枚の刃体21とからなる。この台座20においては、段差状の載置台部22の上下両側から脚部23が載置台部22の裏側に突設され、この載置台部22の表側にはこの各刃体21が点溶接されて上下方向へ並設されている。この上下両脚部23においては、支持部24の左右両側に板ばね部25が形成され、この支持部24には着脱部としての複数の係止孔26が左右方向へ並設されている。この刃台部材14の凹所18に嵌め込まれた刃部材17のうち、上下両脚部23の左右両板ばね部25が凹所18の底部に対し載置され、載置台部22上の各刃体21が蓋部材15側に面している。ホルダ1の頭部3にある左右両永久磁石11は左右両透孔19を通して載置台部22の裏側に面している。この刃部材17は上下両脚部23の左右両板ばね部25による弾性で前後方向へ撓み得る。なお、前記刃台部材14及び蓋部材15の回動中心16aはこの刃部材17の刃先21a側にある。
【0043】
前記刃台部材14の上端部の左右両側には前記頭部3の左右両係止凹部12に対し係脱し得る刃台部材ロック部としての係止爪部27が後方へ突設されている。この刃台部材14の上端部には、この左右両係止爪部27間で蓋部材ロック部としての係止軸部28が架設され、この係止軸部28の下方で前記プッシャ7の押圧部9が圧接される押圧面29が形成されている。
【0044】
前記蓋部材15は、刃台部材14の凹所18に嵌め込まれた刃部材17のうち載置台部22上の各刃体21が露出する窓孔30aを枠体30の内側に有している。この枠体30の上枠部31の左右両側には前記刃台部材14の左右両係止爪部27が挿脱される凹部31aが形成されているとともに、この左右両凹部31a間で上枠部31には前記刃台部材14の係止軸部28に対し係脱される蓋部材ロック部としての係止爪部32が形成されている。この係止爪部32には前記操作部材6の押圧部8が圧接される押圧面33が形成されている。なお、この刃台部材14の係止軸部28及び蓋部材15の係止爪部32と、前記ホルダ1の頭部3の左右両係止凹部12及び刃台部材14の左右両係止爪部27とは、それぞれ刃部材17の刃先21a側に対する反対側にある。
【0045】
なお、剃刀ヘッド13において、刃先21aの延設方向に沿う左右方向長さについては、約40mmに設定されているが、約5〜70mmに設定することが好ましい。
さて、図1(a)(b)(c)及び図2(a)に示す首振り不能状態Aでは、剃刀ヘッド13において、ホルダ1の頭部3の前端面3aに重ねられた刃台部材14の左右両係止爪部27がその頭部3の左右両係止凹部12に係入されて刃台部材14がホルダ1の頭部3に対しロック状態になっているとともに、刃台部材14に重ねられた蓋部材15の係止爪部32が刃台部材14の係止軸部28に係合されて蓋部材15が刃台部材14に対しロック状態になっており、その刃台部材14と蓋部材15との間に収容された刃部材17の各刃体21が蓋部材15の窓孔30aから露出している。操作部材6はばね10の弾性力により収容室4の底部4b側へ付勢されて待機状態にあり、刃台部材14及び蓋部材15の押圧面29,33に対し離れてまたは接して刃台部材14及び蓋部材15のロック状態を維持している。プッシャ7はばね10の弾性力により収容室4の開口4a側へ付勢され、プッシャ7の押圧部9が刃台部材14の押圧面29を圧接しているが、前記頭部3の左右両係止凹部12に対する前記刃台部材14の左右両係止爪部27の係入状態は維持される。この首振り不能状態Aで、左右両永久磁石11と刃部材17の載置台部22の裏側との離間距離が約1.2mmに設定され、左右両永久磁石11が刃部材17に対し吸着力を働かすことができる。なお、永久磁石11の磁力の強さに応じてこの離間距離を変更してもよい。
【0046】
前記首振り不能状態Aで操作部材6の摘み6aをばね10の弾性力に抗して押すと、収容室4の開口4aから突出した操作部材6の押圧部8が刃台部材14の押圧面29を圧接して操作部材6が刃台部材押圧状態となり、刃台部材14の左右両係止爪部27がホルダ1の頭部3の左右両係止凹部12から離脱されて刃台部材14がホルダ1の頭部3に対しロック解除状態になるとともに、ばね10の弾性力により収容室4の開口4a側へ付勢されたプッシャ7の押圧部9が突出して刃台部材14の押圧面29を圧接する。その後、操作部材6の摘み6aを離すと、操作部材6がばね10の弾性力により収容室4の底部4b側へ戻ってその押圧部8が刃台部材14の押圧面29から離れるとともに、操作部材6の押圧部8が蓋部材15の押圧面33に対し離れたままで蓋部材15のロック状態を維持し、図3(a)(b)に示す首振り可能状態Bになる。その首振り可能状態Bで、剃刀ヘッド13は、刃部材17の各刃体21の刃先21aの下方にある回動中心16aを中心に所定範囲角度(例えば0〜45度)だけプッシャ7で圧接されながら回動してホルダ1の頭部3に対し首振りし得る。その首振りにより、左右両永久磁石11に対し剃刀ヘッド13の刃部材17を接近または離間させて刃部材17と左右両永久磁石11との間の距離を変更することができる距離変更手段が、その刃部材17に対する左右両永久磁石11の磁力を変化させる磁力変更手段として機能する。この首振り可能状態Bでは、ホルダ1の頭部3に対する剃刀ヘッド13の前方への首振り角度が大きくなるほど、刃部材17に対する左右両永久磁石11の吸着力が小さくなり、左右両永久磁石11は前方への所定首振り角度で刃部材17を吸着不能になる。
【0047】
図3(c)に示すように前記首振り可能状態Bで操作部材6の摘み6aをばね10の弾性力に抗して押すと、収容室4の開口4aから突出した操作部材6の押圧部8が蓋部材15の押圧面33を圧接して操作部材6が蓋部材押圧状態となり、刃台部材14に重ねられた蓋部材15の係止爪部32が刃台部材14の係止軸部28から離脱されて蓋部材15が刃台部材14に対しロック解除状態になる。その後、操作部材6の摘み6aを離すと、操作部材6がばね10の弾性力により収容室4の底部4b側へ戻って解除状態となり、その押圧部8が蓋部材15の押圧面33から離れるとともに、操作部材6の押圧部8が刃台部材14の押圧面29に対し離れたままで刃台部材14のロック解除状態を維持し、図4(a)(b)に示す刃部材交換可能状態Cになる。前記首振り可能状態Bにおいて前方への任意の各首振り角度でそれぞれこの刃部材交換可能状態Cにすることができ、この刃部材交換可能状態Cで蓋部材15が回動中心16aを中心に所定範囲角度だけ回動して刃台部材14からを開き、左右両永久磁石11が刃部材17を吸着不能になって図4(c)に示すように刃部材17が刃台部材14から離脱可能となり、刃部材17を直接手で触れずに刃台部材14から落下させることができる。
【0048】
図6(a)に示すように回動可能に支持された各蓋体35により閉塞されたケース34においては、図6(b)に示すように並設された各収容室36内に前記刃部材17がその両脚部23側を蓋体35側に向けて収容される。
【0049】
図4(c)に示す刃部材交換可能状態Cにある剃刀ヘッド13の刃台部材14を図7(a)に示すようにこのケース34内の収容室36の内周部に嵌め込んで、この収容室36内の刃部材17を刃台部材14に当てがうと、刃部材17には刃台部材14の凹所18で左右両永久磁石11の磁力が十分に働いていないために刃部材17が左右両永久磁石11に吸着されない。その後、図7(b)に示すようにプッシャ7を付勢するばね10の弾性力に抗してホルダ1の頭部3を回動中心16aを中心に回動させて刃台部材14に重ねると、刃台部材14がホルダ1の頭部3に対しロック状態となり、その頭部3にある左右両永久磁石11が刃部材17の載置台部22の裏側に対し透孔19による隙間をあけて接近し、刃部材17が刃台部材14の凹所18で左右両永久磁石11の磁力により吸着される。図7(b)に示す状態から、刃台部材14をケース34の収容室36から離脱させると、図8(a)(b)に示すように収容室36から取り出された刃部材17が左右両永久磁石11の磁力により吸着されたまま刃台部材14の凹所18に嵌め込まれた状態を維持することができる。図8(a)(b)に示す状態から蓋部材15を回動中心16aを中心に回動させて刃台部材14に対しロック状態にすると、図1(a)(b)(c)及び図2(a)に示す首振り不能状態Aに戻る。従って、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0050】
図2(b)に示す第1実施形態の別例では、前記左右両永久磁石11に代えて保持手段としての粘着テープ37がホルダ1の頭部3に取着され、刃台部材14の凹所18に嵌め込まれた刃部材17のうち上下両脚部23の左右両板ばね部25がこの粘着テープ37に接触して着脱可能に保持される。従って、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0051】
次に、本発明の第2実施形態にかかる替刃式剃刀について第1実施形態との相違点を中心に図9〜11を参照して説明する。
図9(a)に示すように蓋体39で閉塞されたケース38においては、図9(b)及び図10(a)に示すように並設された各収容室40内に前記刃部材17がその両脚部23側を下向きにして収容される。
【0052】
図9(c)に示す細長い環状の移換部材41においては、基端側に形成されたU状の摘み42から二本の弾性腕部43が互いに隙間をあけて延設されて先端側でU状につながれ、この両弾性腕部43の長手方向中央部付近には着脱部としての係止突部44が形成されている。図10(a)に示すようにこの移換部材41の両弾性腕部43をケース38の収容室40で刃部材17の両脚部23間に対し刃部材17の刃先21aに沿って挿入し、この両弾性腕部43の係止突部44の斜面を両脚部23に押し当てるか、または、U状の摘み42を押し狭めると、両弾性腕部43が弾性に抗して撓んで両弾性腕部43の係止突部44が両脚部23の係止孔26に係入される。その後、この移換部材41を刃部材17とともに収容室40から離脱させると、図10(b)に示すように移換部材41と刃部材17とが互いに連結された連結状態となる。図11(a)に示すように剃刀ヘッド13において蓋部材15を開いた刃台部材14の凹所18に相互連結状態の移換部材41及び刃部材17を載せた後、図11(b)に示すように刃台部材14に対し蓋部材15を閉じてロック状態にすると、移換部材41の両弾性腕部43と刃部材17とが刃台部材14と蓋部材15との間に収容されるとともに、刃台部材14と蓋部材15との間で形成された側孔45から移換部材41の摘み42が突出する。その後、剃刀ヘッド13で刃部材17の両脚部23間に挿入された移換部材41を剃刀ヘッド13から外側へ引くと、両弾性腕部43の係止突部44の斜面が両脚部23の係止孔26に押し当てられて両弾性腕部43が弾性に抗して撓んで両弾性腕部43の係止突部44が両脚部23の係止孔26から離脱され、移換部材41のみが剃刀ヘッド13から引き出され、図11(c)に示すように移換部材41と刃部材17とが互いに分離状態となり、移換部材41が剃刀ヘッド13から離脱されるとともに、刃部材17のみが刃台部材14と蓋部材15との間で収容される。従って、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0053】
本実施形態は主に下記の効果を有する。
* 第1実施形態で前述したように、ホルダ1の頭部3に設けた左右両永久磁石11を利用して、刃部材17をケース34から取り出して剃刀ヘッド13に収容することができる。その際、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0054】
* 第1実施形態で前述したように、剃刀ヘッド13を首振りさせて蓋部材15を開くと、左右両永久磁石11が刃部材17を吸着不能になって刃部材17を直接手で触れずに刃台部材14から落下させ、刃部材17をケース34,38に戻したり廃棄したりすることができる。
【0055】
* 第1実施形態の別例で前述したように、ホルダ1の頭部3に設けた粘着テープ37を利用して、刃部材17をケース34から取り出して剃刀ヘッド13に収容することができる。その際、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0056】
* 第2実施形態で前述したように、移換部材41を利用して、ケース38から取り出した刃部材17を剃刀ヘッド13に収容することができる。その際、刃部材17を直接手で触れずに剃刀ヘッド13に装着することができる。
【0057】
* 第1実施形態で前述したように、首振り可能状態Bと首振り不能状態Aとを取り得る剃刀ヘッド13において、刃台部材14に対し蓋部材15を開いた刃部材交換可能状態Cで刃部材17のみを交換することができるとともに、刃部材17以外の部品を交換せずに繰り返し利用することができる。
【0058】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 第2実施形態では、第1実施形態と同様に永久磁石11を備えているが、その永久磁石11を省略してもよい。
【0059】
・ 刃部材17を吸着する磁力作用手段としての磁石については、永久磁石11以外に、ホルダ1の頭部3に取り付ける電磁石(図示せず)を採用してもよい。
・ この磁力作用手段に代えて電気力作用手段(図示せず)を採用してもよい。その電気力作用手段については、例えば、ホルダ1の頭部3に取り付ける静電気発生手段(図示せず)を採用する。
【0060】
・ 吸着による保持手段としては、この磁力作用手段及び電気力作用手段に代えて、ホルダ1の頭部3に取り付けたエア吸引手段(図示せず)を採用してもよい。
・ 操作部材6については、首振り不能状態Aから首振り可能状態Bにするとともに首振り可能状態Bから刃部材交換可能状態Cにし得るばかりでなく、首振り不能状態Aから刃部材交換可能状態Cにし得るようにしてもよい。その際、首振り不能状態Aから首振り可能状態Bにするとともに首振り可能状態Bから刃部材交換可能状態Cにする操作部材6と、首振り不能状態Aから刃部材交換可能状態Cにする操作部材6とを互いに分けて設けてもよい。
【0061】
・ 刃台部材14においては、透孔19を省略し、凹所18の底部を磁力線を通すもので閉塞してもよい。
・ 頭部3の係止凹部12と刃台部材14の係止爪部27とからなる刃台部材ロック部において、逆に、頭部3に係止爪部27を設けるとともに刃台部材14に係止凹部12を設けてもよい。また、刃台部材14の係止軸部28と蓋部材15の係止爪部32とからなる蓋部材ロック部において、逆に、刃台部材14に係止爪部32を設けるとともに蓋部材15に係止軸部28を設けてもよい。
【0062】
・ 頭部3の係止凹部12と刃台部材14の係止爪部27とからなる刃台部材ロック部において、その係止凹部12と係止爪部27とを互いに吸着される永久磁石に変更してもよい。また、刃台部材14の係止軸部28と蓋部材15の係止爪部32とからなる蓋部材ロック部において、その係止軸部28と係止爪部32とを互いに吸着される永久磁石に変更してもよい。
【0063】
・ 刃部材17を吸着または粘着させて剃刀ヘッド13に保持し得る保持手段については、ホルダ1の頭部3に代えて刃台部材14や蓋部材15に設けてもよい。
・ 剃刀ヘッド13において刃台部材14の回動中心16aと蓋部材15の回動中心16aとを互いに別々の支軸16により設けてもよい。
【0064】
・ 刃部材17において刃体21の数を4枚以外の複数にしたり、台座を省略した一枚の刃体からなる刃部材にしたりしてもよい。
・ 前述した実施形態では、剃刀の全部品やケース34,38を金属により成形しているが、刃部材17等を除く各部品を樹脂により成形してもよい。
【0065】
・ 蓋部材15を金属により成形した場合、その表面にフッ素樹脂やシリコーン樹脂のコーティングを施してもよい。
・ 蓋部材15を樹脂により成形した場合、その樹脂にフッ素樹脂やシリコーンオイルを適量添加してもよい。
【0066】
・ 剃刀ヘッド13やホルダ1やケース34,38を樹脂等の透明体により成形してそれらの内部構造を視認できるようにしてもよい。
・ 蓋部材15において刃部材17に対する上側と下側と左右両側とのうちいずれかにシェービングエイドを設けてもよい。その際、シェービングエイドにトルマリンやシアバターや炭成分を適量添加してもよい。
【0067】
・ 未使用の刃部材17と使用後の刃部材17とを区別し得るように刃部材17の使用前後の状態を識別することができる機能や手段を設けてもよい。例えば、刃部材17の装着から離脱までの間に刃台部材14に対し蓋部材15を閉じた際、蓋部材15側に設けたスタンプのような印付与手段により、一度収容された刃部材17に印を付し、その印により刃部材17の使用の有無を区別する。また、刃部材17の装着から離脱までの間に刃台部材14に対し蓋部材15を閉じた際、刃部材17に対し予め設けられた変形可能部分或いは易損部分が蓋部材15により力を受けて変形若しくは損傷し、その変形若しくは損傷により刃部材17の使用の有無を区別する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】(a)は第1実施形態にかかる替刃式剃刀において首振り不能状態を示す側面図であり、(b)は(a)の部分拡大側面図であり、(c)は(a)の部分拡大斜視図である。
【図2】(a)は図1(b)を側面から見た部分拡大断面図であり、(b)は第1実施形態の別例にかかる剃刀を側面から見た部分拡大断面図である。
【図3】(a)は第1実施形態にかかる替刃式剃刀において首振り可能状態を示す部分拡大側面図であり、(b)は(a)の部分拡大斜視図であり、(c)は首振り可能状態から刃部材交換可能状態にする途中の状態を示す部分拡大側面図である。
【図4】(a)は第1実施形態にかかる替刃式剃刀において刃部材交換可能状態を示す部分拡大側面図であり、(b)は(a)の部分拡大斜視図であり、(c)は(b)において刃部材を剃刀ヘッドから離脱させた状態を示す部分拡大斜視図である。
【図5】(a)は刃部材を示す分解斜視図であり、(b)は同じく組付斜視図である。
【図6】(a)は第1実施形態にかかる刃部材収容ケースにおいて蓋閉塞状態を示す斜視図であり、(b)は同じく蓋開放状態を示す斜視図である。
【図7】(a)(b)はそれぞれ第1実施形態にかかる刃部材収容ケースの蓋開放状態で第1実施形態にかかる剃刀の剃刀ヘッドに刃部材を収容する状態を示す部分拡大断面図である。
【図8】(a)は図7(b)の状態にある替刃式剃刀を示す部分拡大側面図であり、(b)は同じく部分拡大斜視図である。
【図9】(a)は第2実施形態にかかる刃部材収容ケースにおいて蓋閉塞状態を示す斜視図であり、(b)は同じく蓋開放状態を示す斜視図であり、(c)は第2実施形態にかかる移換部材を示す斜視図である。
【図10】(a)はその移換部材を刃部材収容ケースに挿入して移換部材に刃部材を連結した状態を示す一部切欠き斜視図であり、(b)は刃部材を連結した移換部材を刃部材収容ケースから離脱させた状態を示す斜視図である。
【図11】(a)は第2実施形態にかかる替刃式剃刀で刃部材交換可能状態にある剃刀ヘッドにおいて刃部材を連結した移換部材を刃台部材に載せた状態を示す斜視図であり、(b)はその剃刀ヘッドにおいて刃部材を連結した移換部材を刃台部材と蓋部材との間に収容した状態を示す斜視図であり、(c)はその剃刀ヘッドから移換部材のみを離脱させた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
1…ホルダ、3…ホルダの頭部、6…操作部材、11…保持手段である磁力作用手段としての永久磁石、12…頭部の刃台部材ロック部としての係止凹部、13…剃刀ヘッド、14…剃刀ヘッドの刃台部材、15…剃刀ヘッドの蓋部材、17…剃刀ヘッドの刃部材、26…刃部材の着脱部としての係止孔、27…刃台部材の刃台部材ロック部としての係止爪部、28…刃台部材の蓋部材ロック部としての係止軸部、32…蓋部材の蓋部材ロック部としての係止爪部、37…保持手段である粘着テープ、41…移換部材、44…移換部材の着脱部としての係止突部、A…首振り不能状態、B…首振り可能状態、C…刃部材交換可能状態。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダの頭部に支持した剃刀ヘッドの刃部材交換可能状態で刃部材を剃刀ヘッドに収容する際に、その刃部材を吸着または粘着させて剃刀ヘッドに保持し得る保持手段を備えたことを特徴とする替刃式剃刀。
【請求項2】
前記吸着は磁力作用手段または電気力作用手段により生じることを特徴とする請求項1に記載の替刃式剃刀。
【請求項3】
前記磁力作用手段または電気力作用手段はホルダの頭部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の替刃式剃刀。
【請求項4】
ホルダの頭部に支持した剃刀ヘッドの刃部材交換可能状態で刃部材を剃刀ヘッドに収容する際に、その刃部材を保持して剃刀ヘッドに移換し得る移換部材を備えたことを特徴とする替刃式剃刀。
【請求項5】
前記移換部材と刃部材との間には着脱部を連結状態と分離状態とを取り得るように設けたことを特徴とする請求項4に記載の替刃式剃刀。
【請求項6】
ホルダの頭部に支持した剃刀ヘッドは、刃台部材と、刃台部材に対し開閉可能に支持した蓋部材と、刃台部材に対し蓋部材を閉じてその刃台部材と蓋部材との間に収容した刃部材とを有し、刃台部材に対し蓋部材を閉じて刃部材を収容した状態でホルダの頭部に対し首振り可能に支持された首振り可能状態と、刃台部材に対し蓋部材を開いて刃部材を交換可能にした刃部材交換可能状態とを取り得ることを特徴とする替刃式剃刀。
【請求項7】
前記ホルダには剃刀ヘッドを首振り可能状態から刃部材交換可能状態にし得る操作部材を設け、前記剃刀ヘッドの首振り可能状態で剃刀ヘッドの蓋部材と剃刀ヘッドの刃台部材との間には刃台部材に対する蓋部材の開閉を不能にする蓋部材ロック部をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設け、この操作部材は剃刀ヘッドの首振り可能状態でこの蓋部材ロック部をロック状態からロック解除状態にする蓋部材押圧状態を取り得ることを特徴とする請求項6に記載の替刃式剃刀。
【請求項8】
ホルダの頭部に支持した剃刀ヘッドは、刃台部材と、刃台部材に対し開閉可能に支持した蓋部材と、刃台部材に対し蓋部材を閉じてその刃台部材と蓋部材との間に収容した刃部材とを有し、刃台部材に対し蓋部材を閉じて刃部材を収容した状態でホルダの頭部に対し首振り可能に支持された首振り可能状態と、刃台部材に対し蓋部材を閉じて刃部材を収容した状態でホルダの頭部に対し首振り不能に支持された首振り不能状態と、刃台部材に対し蓋部材を開いて刃部材を交換可能にした刃部材交換可能状態とを取り得ることを特徴とする替刃式剃刀。
【請求項9】
前記ホルダには剃刀ヘッドを首振り不能状態から首振り可能状態にするとともに首振り可能状態から刃部材交換可能状態にし得るか、または、首振り不能状態から首振り可能状態にするとともに首振り不能状態から刃部材交換可能状態にし得る操作部材を設け、前記剃刀ヘッドの首振り不能状態で剃刀ヘッドの刃台部材とホルダの頭部との間には剃刀ヘッドの首振りを不能にする刃台部材ロック部をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設け、剃刀ヘッドの蓋部材と剃刀ヘッドの刃台部材との間には刃台部材に対する蓋部材の開閉を不能にする蓋部材ロック部をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設けたことを特徴とする請求項8に記載の替刃式剃刀。
【請求項10】
前記操作部材は、
剃刀ヘッドの首振り不能状態で前記刃台部材ロック部をロック状態に維持するとともに前記蓋部材ロック部をロック状態に維持する待機状態と、
剃刀ヘッドの首振り不能状態で前記刃台部材ロック部をロック状態からロック解除状態にするとともに前記蓋部材ロック部をロック状態に維持する刃台部材押圧状態と、
剃刀ヘッドの首振り可能状態で前記蓋部材ロック部をロック状態からロック解除状態にするとともに前記刃台部材ロック部をロック解除状態に維持する蓋部材押圧状態と、
剃刀ヘッドの刃部材交換可能状態で前記蓋部材ロック部をロック解除状態に維持するとともに前記刃台部材ロック部をロック解除状態に維持する解除状態と
を取り得ることを特徴とする請求項9に記載の替刃式剃刀。
【請求項1】
ホルダの頭部に支持した剃刀ヘッドの刃部材交換可能状態で刃部材を剃刀ヘッドに収容する際に、その刃部材を吸着または粘着させて剃刀ヘッドに保持し得る保持手段を備えたことを特徴とする替刃式剃刀。
【請求項2】
前記吸着は磁力作用手段または電気力作用手段により生じることを特徴とする請求項1に記載の替刃式剃刀。
【請求項3】
前記磁力作用手段または電気力作用手段はホルダの頭部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の替刃式剃刀。
【請求項4】
ホルダの頭部に支持した剃刀ヘッドの刃部材交換可能状態で刃部材を剃刀ヘッドに収容する際に、その刃部材を保持して剃刀ヘッドに移換し得る移換部材を備えたことを特徴とする替刃式剃刀。
【請求項5】
前記移換部材と刃部材との間には着脱部を連結状態と分離状態とを取り得るように設けたことを特徴とする請求項4に記載の替刃式剃刀。
【請求項6】
ホルダの頭部に支持した剃刀ヘッドは、刃台部材と、刃台部材に対し開閉可能に支持した蓋部材と、刃台部材に対し蓋部材を閉じてその刃台部材と蓋部材との間に収容した刃部材とを有し、刃台部材に対し蓋部材を閉じて刃部材を収容した状態でホルダの頭部に対し首振り可能に支持された首振り可能状態と、刃台部材に対し蓋部材を開いて刃部材を交換可能にした刃部材交換可能状態とを取り得ることを特徴とする替刃式剃刀。
【請求項7】
前記ホルダには剃刀ヘッドを首振り可能状態から刃部材交換可能状態にし得る操作部材を設け、前記剃刀ヘッドの首振り可能状態で剃刀ヘッドの蓋部材と剃刀ヘッドの刃台部材との間には刃台部材に対する蓋部材の開閉を不能にする蓋部材ロック部をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設け、この操作部材は剃刀ヘッドの首振り可能状態でこの蓋部材ロック部をロック状態からロック解除状態にする蓋部材押圧状態を取り得ることを特徴とする請求項6に記載の替刃式剃刀。
【請求項8】
ホルダの頭部に支持した剃刀ヘッドは、刃台部材と、刃台部材に対し開閉可能に支持した蓋部材と、刃台部材に対し蓋部材を閉じてその刃台部材と蓋部材との間に収容した刃部材とを有し、刃台部材に対し蓋部材を閉じて刃部材を収容した状態でホルダの頭部に対し首振り可能に支持された首振り可能状態と、刃台部材に対し蓋部材を閉じて刃部材を収容した状態でホルダの頭部に対し首振り不能に支持された首振り不能状態と、刃台部材に対し蓋部材を開いて刃部材を交換可能にした刃部材交換可能状態とを取り得ることを特徴とする替刃式剃刀。
【請求項9】
前記ホルダには剃刀ヘッドを首振り不能状態から首振り可能状態にするとともに首振り可能状態から刃部材交換可能状態にし得るか、または、首振り不能状態から首振り可能状態にするとともに首振り不能状態から刃部材交換可能状態にし得る操作部材を設け、前記剃刀ヘッドの首振り不能状態で剃刀ヘッドの刃台部材とホルダの頭部との間には剃刀ヘッドの首振りを不能にする刃台部材ロック部をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設け、剃刀ヘッドの蓋部材と剃刀ヘッドの刃台部材との間には刃台部材に対する蓋部材の開閉を不能にする蓋部材ロック部をロック状態とロック解除状態とを取り得るように設けたことを特徴とする請求項8に記載の替刃式剃刀。
【請求項10】
前記操作部材は、
剃刀ヘッドの首振り不能状態で前記刃台部材ロック部をロック状態に維持するとともに前記蓋部材ロック部をロック状態に維持する待機状態と、
剃刀ヘッドの首振り不能状態で前記刃台部材ロック部をロック状態からロック解除状態にするとともに前記蓋部材ロック部をロック状態に維持する刃台部材押圧状態と、
剃刀ヘッドの首振り可能状態で前記蓋部材ロック部をロック状態からロック解除状態にするとともに前記刃台部材ロック部をロック解除状態に維持する蓋部材押圧状態と、
剃刀ヘッドの刃部材交換可能状態で前記蓋部材ロック部をロック解除状態に維持するとともに前記刃台部材ロック部をロック解除状態に維持する解除状態と
を取り得ることを特徴とする請求項9に記載の替刃式剃刀。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−131228(P2010−131228A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310514(P2008−310514)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)
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